JPH05248385A - 渦流型羽根車 - Google Patents
渦流型羽根車Info
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- JPH05248385A JPH05248385A JP5147292A JP5147292A JPH05248385A JP H05248385 A JPH05248385 A JP H05248385A JP 5147292 A JP5147292 A JP 5147292A JP 5147292 A JP5147292 A JP 5147292A JP H05248385 A JPH05248385 A JP H05248385A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blade
- impeller
- edge
- shroud
- pump
- Prior art date
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- Pending
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- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 カスケード型ポンプの少流量高揚程の特性を
大幅に改善できる高速回転可能な渦流型羽根車を提供す
ることである。 【構成】 ボスシュラウド(14a) 側の羽根入口縁(16)を
円筒状のボスシュラウドになめらかに連続させ、羽根目
玉部へ大きく張り出させ、ケーシング側の羽根入口縁(1
6b) は回転軸にほぼ直角に延びるようにし、これらの羽
根入口縁の間を上流側に凸形をなす円弧状のなめらかな
曲線によって結んで羽根入口縁を形成し、この羽根入口
縁の入口角をボスシュラウド側入口縁でほぼ0 °に設定
したターボ型ポンプ用羽根車において、羽根と羽根の間
の羽根車外周縁に沿ってその両側面に、半径方向に延び
る多数の短い扇形みぞ(21,21′) を配列してある。
大幅に改善できる高速回転可能な渦流型羽根車を提供す
ることである。 【構成】 ボスシュラウド(14a) 側の羽根入口縁(16)を
円筒状のボスシュラウドになめらかに連続させ、羽根目
玉部へ大きく張り出させ、ケーシング側の羽根入口縁(1
6b) は回転軸にほぼ直角に延びるようにし、これらの羽
根入口縁の間を上流側に凸形をなす円弧状のなめらかな
曲線によって結んで羽根入口縁を形成し、この羽根入口
縁の入口角をボスシュラウド側入口縁でほぼ0 °に設定
したターボ型ポンプ用羽根車において、羽根と羽根の間
の羽根車外周縁に沿ってその両側面に、半径方向に延び
る多数の短い扇形みぞ(21,21′) を配列してある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少流量高揚程の目的に
用いられる渦流型羽根車に関する。
用いられる渦流型羽根車に関する。
【0002】
【従来の技術】少流量高揚程の目的に用いられるポンプ
としては、図9と図10に示すような摩擦ポンプまたは
カスケードポンプと呼ばれるものが知られている。この
ポンプケーシング1は隔壁2により仕切られた円環状流
路3を有し、隔壁2の両側に吸入口4と吐出口5が配置
されている。ケーシング1の中には、羽根車6が固定さ
れた回転軸7が支承されている。この羽根車6の外周縁
には、その両側面に、半径方向に延びる多数の短い扇形
みぞ8が配列されている。
としては、図9と図10に示すような摩擦ポンプまたは
カスケードポンプと呼ばれるものが知られている。この
ポンプケーシング1は隔壁2により仕切られた円環状流
路3を有し、隔壁2の両側に吸入口4と吐出口5が配置
されている。ケーシング1の中には、羽根車6が固定さ
れた回転軸7が支承されている。この羽根車6の外周縁
には、その両側面に、半径方向に延びる多数の短い扇形
みぞ8が配列されている。
【0003】羽根車6を矢印方向に回転させると、流体
が吸入口4から吸い込まれて羽根車6の扇形みぞ7によ
り円環状流路3を圧送されてほぼ一周回転し、吐出口5
より吐き出される。しかしながら、このカスケードポン
プには、羽根車外周部に沿って吸入口4があるため羽根
車を高速回転できず、従ってポンプの高速化を図ること
ができない欠点がある。無理に羽根車を高速回転させる
と、キャビテーションが発生し、ポンプ特性が劣化す
る。図5に点線の曲線で示すように、カスケードポンプ
の軸動力は横軸の吐出量Qに関して左上がりの曲線とな
り、吐出弁を締め切って吐出量が皆無のときに最大とな
るが、この締切軸動力が最高効率のときの軸動力に比較
して著しく高く、過負荷を起こす恐れがあるので、ポン
プの締切運転ができない。また、カスケードポンプは少
流量高揚程の特性を利用するため、通常の使用範囲は少
流量域を用いるが、図5の点線の効率曲線で分かるよう
に揚程の高い少流量域の効率が低く、かつポンプ騒音も
大きい欠点がある。
が吸入口4から吸い込まれて羽根車6の扇形みぞ7によ
り円環状流路3を圧送されてほぼ一周回転し、吐出口5
より吐き出される。しかしながら、このカスケードポン
プには、羽根車外周部に沿って吸入口4があるため羽根
車を高速回転できず、従ってポンプの高速化を図ること
ができない欠点がある。無理に羽根車を高速回転させる
と、キャビテーションが発生し、ポンプ特性が劣化す
る。図5に点線の曲線で示すように、カスケードポンプ
の軸動力は横軸の吐出量Qに関して左上がりの曲線とな
り、吐出弁を締め切って吐出量が皆無のときに最大とな
るが、この締切軸動力が最高効率のときの軸動力に比較
して著しく高く、過負荷を起こす恐れがあるので、ポン
プの締切運転ができない。また、カスケードポンプは少
流量高揚程の特性を利用するため、通常の使用範囲は少
流量域を用いるが、図5の点線の効率曲線で分かるよう
に揚程の高い少流量域の効率が低く、かつポンプ騒音も
大きい欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カス
ケード型ポンプの少流量高揚程の特性を大幅に改善でき
る高速回転可能な渦流型羽根車を提供することである。
ケード型ポンプの少流量高揚程の特性を大幅に改善でき
る高速回転可能な渦流型羽根車を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による渦流型羽根車は、基本的には特願平
3-98941 号の明細書に記載された概念の羽根入口縁形状
を有する羽根車において、前記羽根と羽根の間の羽根車
外周縁に沿ってその両側面に、半径方向に延びる多数の
短い扇形みぞを配列したことを特徴とする。
めに、本発明による渦流型羽根車は、基本的には特願平
3-98941 号の明細書に記載された概念の羽根入口縁形状
を有する羽根車において、前記羽根と羽根の間の羽根車
外周縁に沿ってその両側面に、半径方向に延びる多数の
短い扇形みぞを配列したことを特徴とする。
【0006】本発明では、特願昭3-98941 号の明細書に
記載された概念のターボ型ポンプ用羽根車の羽根形状を
用いる。本発明の遠心ポンプの羽根車に用いられる可能
な範囲の羽根入口角は、羽根入口縁全縁でほぼ0°に形
成される角度を最小としかつ従来設計で計算されるケー
シング側羽根入口縁角度に羽根入口縁全縁で均一に形成
される角度を最大にする範囲から採用できるが、特に形
成しやすい一例として、ボスシュラウド側羽根入口縁で
ほぼ0°に設定しかつ羽根入口径では従来設計手法を用
いた羽根入口角と同様な角度に設定することができる。
このような羽根入口角とすると、従来設計理論では羽根
入口のボス近辺では、羽根への水の流入が全くできない
ことになり、ポンプ特性およびキャビテーション特性の
劣化を招くことになる。しかしながら、実際は全く逆
で、ボス側羽根入口縁を羽根目玉部へ大きく張り出し、
ケーシング側の入口縁は回転軸にほぼ直角に形成して、
ボス側羽根入口縁とケーシング側羽根入口縁の間を上流
に凸形をなす円弧状のなめらかな曲線で形成することに
よって、羽根入口の流路面積が広く確保され、ボスまた
はシュラウドつけ根近傍の流れをそぎ取るようにして効
率よく羽根内へ導くことが可能になり、羽根入口での流
れが均一となり、羽根全域(ボスからチップまで)で作
用する羽根車とすることができ、キャビテーション特性
やポンプ特性を改善することができる。この入口形状の
羽根を子午面形状が凹形の円弧状回転面をなすシュラウ
ドと組み合わせることで、このシュラウドによって軸方
向から流入してくる水流をなめらかに径方向へ方向変換
することができ、羽根車内損失を最小として最良のポン
プ特性が得られる。以上のような羽根入口形状とするこ
とにより、羽根入口通路面積が確保され、羽根入口への
均一な流入が実現できるので、羽根入口メリデイアン流
速を従来設計のそれより増加させることができ、以上の
ような羽根入口形状とすることによって羽根車の回転数
を増加させ、ポンプを高速化することができる。
記載された概念のターボ型ポンプ用羽根車の羽根形状を
用いる。本発明の遠心ポンプの羽根車に用いられる可能
な範囲の羽根入口角は、羽根入口縁全縁でほぼ0°に形
成される角度を最小としかつ従来設計で計算されるケー
シング側羽根入口縁角度に羽根入口縁全縁で均一に形成
される角度を最大にする範囲から採用できるが、特に形
成しやすい一例として、ボスシュラウド側羽根入口縁で
ほぼ0°に設定しかつ羽根入口径では従来設計手法を用
いた羽根入口角と同様な角度に設定することができる。
このような羽根入口角とすると、従来設計理論では羽根
入口のボス近辺では、羽根への水の流入が全くできない
ことになり、ポンプ特性およびキャビテーション特性の
劣化を招くことになる。しかしながら、実際は全く逆
で、ボス側羽根入口縁を羽根目玉部へ大きく張り出し、
ケーシング側の入口縁は回転軸にほぼ直角に形成して、
ボス側羽根入口縁とケーシング側羽根入口縁の間を上流
に凸形をなす円弧状のなめらかな曲線で形成することに
よって、羽根入口の流路面積が広く確保され、ボスまた
はシュラウドつけ根近傍の流れをそぎ取るようにして効
率よく羽根内へ導くことが可能になり、羽根入口での流
れが均一となり、羽根全域(ボスからチップまで)で作
用する羽根車とすることができ、キャビテーション特性
やポンプ特性を改善することができる。この入口形状の
羽根を子午面形状が凹形の円弧状回転面をなすシュラウ
ドと組み合わせることで、このシュラウドによって軸方
向から流入してくる水流をなめらかに径方向へ方向変換
することができ、羽根車内損失を最小として最良のポン
プ特性が得られる。以上のような羽根入口形状とするこ
とにより、羽根入口通路面積が確保され、羽根入口への
均一な流入が実現できるので、羽根入口メリデイアン流
速を従来設計のそれより増加させることができ、以上の
ような羽根入口形状とすることによって羽根車の回転数
を増加させ、ポンプを高速化することができる。
【0007】従って、このような羽根形状を有するター
ボ型ポンプの羽根車に、少流量高揚程の特性を有するカ
スケードポンプの羽根車外周縁両側に設けられる羽根と
して作用する半径方向の扇形みぞを組み合わせることに
よって高速回転可能な渦流型羽根車が得られ、その結果
このような羽根車を有する少流量高揚程のターボ型ポン
プが得られる。
ボ型ポンプの羽根車に、少流量高揚程の特性を有するカ
スケードポンプの羽根車外周縁両側に設けられる羽根と
して作用する半径方向の扇形みぞを組み合わせることに
よって高速回転可能な渦流型羽根車が得られ、その結果
このような羽根車を有する少流量高揚程のターボ型ポン
プが得られる。
【0008】また、請求項1の羽根の羽根入口形状およ
び羽根形状を平板状のシュラウドに形成すると共に、前
記多数の短い扇形みぞを平板状シュラウドの外周縁に沿
ってその両側面に配列することによっても、上記の目的
を達成することができる。
び羽根形状を平板状のシュラウドに形成すると共に、前
記多数の短い扇形みぞを平板状シュラウドの外周縁に沿
ってその両側面に配列することによっても、上記の目的
を達成することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により詳細
に説明する。図1および2に、本発明による渦流型羽根
車の回転軸方向から見た正面図と、羽根車の回転中心を
通るメリデイアン断面を示す。この渦流型羽根車は、特
願平3-98941 号の明細書に記載された概念の形状の羽根
を有するターボ型ポンプ用羽根車に、カスケードポンプ
の羽根車外周縁に沿ってその両側面に羽根として作用す
る多数の半径方向みぞを設けることにより形成されてい
る。
に説明する。図1および2に、本発明による渦流型羽根
車の回転軸方向から見た正面図と、羽根車の回転中心を
通るメリデイアン断面を示す。この渦流型羽根車は、特
願平3-98941 号の明細書に記載された概念の形状の羽根
を有するターボ型ポンプ用羽根車に、カスケードポンプ
の羽根車外周縁に沿ってその両側面に羽根として作用す
る多数の半径方向みぞを設けることにより形成されてい
る。
【0010】まず、特願平3-98941 号の明細書に記載さ
れた概念の羽根車10の羽根15の形状について説明す
る。この羽根車10では、回転軸に嵌合するボス13に
連なるシュラウド14の子午面形状が図から明らかなよ
うに凹形の円弧状回転面として形成されている。図1で
は、後述するように羽根15の内側の点線15′と曲線
14′の間の面がシュラウド14の面を形成する。各羽
根15の入口形状は、次のように形成されている。すな
わち、羽根入口縁16が取りつくボスシュラウド14a
は回転軸線Lにほぼ平行な円筒状に形成され、そしてボ
スシュラウド側羽根入口縁16aはこの入口側ボスシュ
ラウド面14aへなめらかに連続し、かつ羽根目玉部へ
大きく張り出すようにすると共に、ケーシング側または
羽根入口チップ側の羽根入口縁16bは回転軸線に対し
ほぼ直角の状態にする。さらに、羽根入口縁16は、こ
れらのボス側羽根入口縁16aとケーシング側羽根入口
縁16bの間を上流側に凸形をなす円弧状のなめらかな
曲線によって形成される。
れた概念の羽根車10の羽根15の形状について説明す
る。この羽根車10では、回転軸に嵌合するボス13に
連なるシュラウド14の子午面形状が図から明らかなよ
うに凹形の円弧状回転面として形成されている。図1で
は、後述するように羽根15の内側の点線15′と曲線
14′の間の面がシュラウド14の面を形成する。各羽
根15の入口形状は、次のように形成されている。すな
わち、羽根入口縁16が取りつくボスシュラウド14a
は回転軸線Lにほぼ平行な円筒状に形成され、そしてボ
スシュラウド側羽根入口縁16aはこの入口側ボスシュ
ラウド面14aへなめらかに連続し、かつ羽根目玉部へ
大きく張り出すようにすると共に、ケーシング側または
羽根入口チップ側の羽根入口縁16bは回転軸線に対し
ほぼ直角の状態にする。さらに、羽根入口縁16は、こ
れらのボス側羽根入口縁16aとケーシング側羽根入口
縁16bの間を上流側に凸形をなす円弧状のなめらかな
曲線によって形成される。
【0011】図6は、羽根入口縁のボス側からケーシン
グ側羽根入口縁に到る羽根入口角の変化の様子を従来の
羽根入口角度(点線)と比較して示した図である。羽根
入口角の取り得る範囲は斜線で示した領域にある。すな
わち、この領域は、羽根入口縁全縁で均一にほぼ0°に
形成される角度を最小としかつ従来設計で計算されるケ
ーシング側羽根入口縁角度(チップ側角度)に羽根入口
縁全縁で均一に形成される角度を最大とする領域であ
る。
グ側羽根入口縁に到る羽根入口角の変化の様子を従来の
羽根入口角度(点線)と比較して示した図である。羽根
入口角の取り得る範囲は斜線で示した領域にある。すな
わち、この領域は、羽根入口縁全縁で均一にほぼ0°に
形成される角度を最小としかつ従来設計で計算されるケ
ーシング側羽根入口縁角度(チップ側角度)に羽根入口
縁全縁で均一に形成される角度を最大とする領域であ
る。
【0012】特にこの実施例では、形成しやすい理由の
ために、この羽根入口縁16aの入口角は、ボスシュラ
ウド14aに取りつく羽根入口縁16aでほぼ0°であ
り、ケーシング側16bではほぼ従来の設計で計算され
る角度に設定され、その際ボス側とチップ側の間の入口
角はなめらかに変化した形状になっている。このような
羽根入口16の形状から羽根出口端17までなめらかな
曲線で結んで羽根15が形成されている。この実施例で
は、羽根出口角は90°に形成されている。
ために、この羽根入口縁16aの入口角は、ボスシュラ
ウド14aに取りつく羽根入口縁16aでほぼ0°であ
り、ケーシング側16bではほぼ従来の設計で計算され
る角度に設定され、その際ボス側とチップ側の間の入口
角はなめらかに変化した形状になっている。このような
羽根入口16の形状から羽根出口端17までなめらかな
曲線で結んで羽根15が形成されている。この実施例で
は、羽根出口角は90°に形成されている。
【0013】この羽根15の形状をなお分かりやすくす
るために、図1の線A、Bに沿って切断して図2の下半
分に示してある。羽根入口縁16から羽根出口端17ま
で軸線に垂直な羽根入口縁16bが次第に軸線に平行な
状態に変化する様子が分かる。この場合は、羽根車外周
縁にカスケード型羽根としてのみぞを設ける都合上、曲
線19′(図1)と羽根車外周縁とにより区画される外
周縁部分20が図2に示すような羽根チップ側輪郭を形
成しているので、この羽根車のシュラウド14の円弧状
面は曲線14′と羽根15の内側の点線15′とにより
区画された溝の底面となっており、そして曲線14′か
ら、より高くなっている外周縁部分20の内側を区画す
る曲線19′まで斜面19となっている。この形状は、
図1の線III-III に沿って切断した図3の断面図から理
解できよう。なお、各羽根15が設けられるシュラウド
14の面を形成する溝の底面には、各羽根出口端17の
傍に切欠き22が設けられ、これにより各羽根15から
放出される水が両側のみぞ21、21′により運ばれる
ようになっている。
るために、図1の線A、Bに沿って切断して図2の下半
分に示してある。羽根入口縁16から羽根出口端17ま
で軸線に垂直な羽根入口縁16bが次第に軸線に平行な
状態に変化する様子が分かる。この場合は、羽根車外周
縁にカスケード型羽根としてのみぞを設ける都合上、曲
線19′(図1)と羽根車外周縁とにより区画される外
周縁部分20が図2に示すような羽根チップ側輪郭を形
成しているので、この羽根車のシュラウド14の円弧状
面は曲線14′と羽根15の内側の点線15′とにより
区画された溝の底面となっており、そして曲線14′か
ら、より高くなっている外周縁部分20の内側を区画す
る曲線19′まで斜面19となっている。この形状は、
図1の線III-III に沿って切断した図3の断面図から理
解できよう。なお、各羽根15が設けられるシュラウド
14の面を形成する溝の底面には、各羽根出口端17の
傍に切欠き22が設けられ、これにより各羽根15から
放出される水が両側のみぞ21、21′により運ばれる
ようになっている。
【0014】次に、このように形成された羽根形状を有
する渦流型羽根車10の羽根15と15の間の外周縁部
分20に沿ってその両側に、本発明により、カスケード
形羽根車の羽根として作用する、半径方向に延びる短い
扇形状のみぞ21、21′が多数配列されている。この
ように形成された渦流型羽根車10を組み込んだターボ
型ポンプの縦断面を図4に示す。ベース31に固定され
たモータ32の出力軸33に回転軸34が取りつけられ
ている。モータ32にブラケット35を介して取りつけ
られたシールホルダ36には、メカニカルシール37が
保持され、このメカニカルシールにより回転軸34がポ
ンプ内部に対し液密に密封されている。さらに、シール
ホルダ36には、中央の吸込口38と、これに連通して
いる円環状の流路39と、この流路から接線方向外方へ
延びる吐出口40とを有するポンプケーシング41が固
定されている。
する渦流型羽根車10の羽根15と15の間の外周縁部
分20に沿ってその両側に、本発明により、カスケード
形羽根車の羽根として作用する、半径方向に延びる短い
扇形状のみぞ21、21′が多数配列されている。この
ように形成された渦流型羽根車10を組み込んだターボ
型ポンプの縦断面を図4に示す。ベース31に固定され
たモータ32の出力軸33に回転軸34が取りつけられ
ている。モータ32にブラケット35を介して取りつけ
られたシールホルダ36には、メカニカルシール37が
保持され、このメカニカルシールにより回転軸34がポ
ンプ内部に対し液密に密封されている。さらに、シール
ホルダ36には、中央の吸込口38と、これに連通して
いる円環状の流路39と、この流路から接線方向外方へ
延びる吐出口40とを有するポンプケーシング41が固
定されている。
【0015】モータ34を作動させて羽根車10を図1
で矢印方向に回転させると、流体、例えば水が吸込口3
8から吸い込まれて、羽根車10の軸線Lに垂直な各羽
根入口縁16bによりそぎ取られて抵抗なく各羽根15
内へ流入し、半径方向外方に向かうにしたがい、次第に
軸線に平行な状態に変化する羽根15の形状により遠心
力を発生して、各羽根出口端17からポンプケーシング
41の円環状流路39に放出される。この水は、さらに
各羽根15に隣接するカスケード型羽根として作用する
みぞ21、21′により圧送されて一回転して吐出口4
0より吐き出される。このカスケード型羽根の作用につ
いては、周知であるので詳細には述べない。
で矢印方向に回転させると、流体、例えば水が吸込口3
8から吸い込まれて、羽根車10の軸線Lに垂直な各羽
根入口縁16bによりそぎ取られて抵抗なく各羽根15
内へ流入し、半径方向外方に向かうにしたがい、次第に
軸線に平行な状態に変化する羽根15の形状により遠心
力を発生して、各羽根出口端17からポンプケーシング
41の円環状流路39に放出される。この水は、さらに
各羽根15に隣接するカスケード型羽根として作用する
みぞ21、21′により圧送されて一回転して吐出口4
0より吐き出される。このカスケード型羽根の作用につ
いては、周知であるので詳細には述べない。
【0016】図6に、本発明による渦流型羽根車を組み
込んだターボ型ポンプの特性曲線(実線)と、従来のカ
スケード型ポンプの特性曲線(点線)とを比較して示
す。これによると、本発明のターボ型ポンプでは、軸動
力曲線が平坦になり、低流量域ではカスケード型ポンプ
に比較して非常に小さくなった。また、本発明のターボ
型ポンプでは、低流量域でのポンプ効率がカスケード型
ポンプに比較して飛躍的に向上している。さらに、低流
量域の全揚程が本発明のターボ型ポンプではカスケード
ポンプに比較してかなり増大している。
込んだターボ型ポンプの特性曲線(実線)と、従来のカ
スケード型ポンプの特性曲線(点線)とを比較して示
す。これによると、本発明のターボ型ポンプでは、軸動
力曲線が平坦になり、低流量域ではカスケード型ポンプ
に比較して非常に小さくなった。また、本発明のターボ
型ポンプでは、低流量域でのポンプ効率がカスケード型
ポンプに比較して飛躍的に向上している。さらに、低流
量域の全揚程が本発明のターボ型ポンプではカスケード
ポンプに比較してかなり増大している。
【0017】特願平3-98941 号の明細書に記載された概
念の羽根車の羽根形状を図1 、2 に示したような曲線の
シュラウド14に適用して渦流型羽根車を形成できるだ
けではなく、図7と8に示すような平板状シュラウド1
4に適用して渦流型羽根車110を形成することもでき
る。図1、2と同様な部品には100 をプラスした参照数
字を付けてある。この羽根車の構造も平板状シュラウド
114 を除いて前の実施例の構造と同様であるので、詳細
な説明は省略する。
念の羽根車の羽根形状を図1 、2 に示したような曲線の
シュラウド14に適用して渦流型羽根車を形成できるだ
けではなく、図7と8に示すような平板状シュラウド1
4に適用して渦流型羽根車110を形成することもでき
る。図1、2と同様な部品には100 をプラスした参照数
字を付けてある。この羽根車の構造も平板状シュラウド
114 を除いて前の実施例の構造と同様であるので、詳細
な説明は省略する。
【0018】
【発明の効果】本発明では、特願昭3-98941 号の明細書
に記載された概念の高速回転可能な形状の羽根を有する
ターボ型ポンプ用羽根車において、羽根と羽根の間の羽
根車外周縁に沿ってその両側面に、半径方向に延びる多
数の短い扇形みぞを配列したので、ターボ型ポンプであ
りながらカスケード型に相当する少流量高揚程のポンプ
特性が得られ、その際ポンプ軸動力曲線が平坦になり、
従ってポンプ吐出弁を締め切って行う締切運転が可能と
なり、さらに少流量域のポンプ効率が大幅に増大し、そ
の結果この少流量高揚程のポンプの汎用性が飛躍的に向
上し、非常に有用性が高くなる。
に記載された概念の高速回転可能な形状の羽根を有する
ターボ型ポンプ用羽根車において、羽根と羽根の間の羽
根車外周縁に沿ってその両側面に、半径方向に延びる多
数の短い扇形みぞを配列したので、ターボ型ポンプであ
りながらカスケード型に相当する少流量高揚程のポンプ
特性が得られ、その際ポンプ軸動力曲線が平坦になり、
従ってポンプ吐出弁を締め切って行う締切運転が可能と
なり、さらに少流量域のポンプ効率が大幅に増大し、そ
の結果この少流量高揚程のポンプの汎用性が飛躍的に向
上し、非常に有用性が高くなる。
【0019】また、カスケード型羽根に、高速化に適す
る羽根入口形状を有する羽根を組み合わせて羽根車の高
速回転を可能にしたので、カスケード型ポンプと同一揚
程を得るのに羽根径を非常に小さくできる。そのため、
従来のカスケード型ポンプでは扱えなかった粘性液やガ
ス混入液用のポンプとしても特性劣化が小さくなり、従
って従来のカスケード型ポンプの用途以外のこのような
用途にも使用できることになり、この面からも利用価値
が大幅に増大する。
る羽根入口形状を有する羽根を組み合わせて羽根車の高
速回転を可能にしたので、カスケード型ポンプと同一揚
程を得るのに羽根径を非常に小さくできる。そのため、
従来のカスケード型ポンプでは扱えなかった粘性液やガ
ス混入液用のポンプとしても特性劣化が小さくなり、従
って従来のカスケード型ポンプの用途以外のこのような
用途にも使用できることになり、この面からも利用価値
が大幅に増大する。
【図1】本発明による渦流型羽根車の一実施例を回転軸
方向から見た正面図である。
方向から見た正面図である。
【図2】図1の羽根車の回転中心を通るメリデイアン断
面を示す。
面を示す。
【図3】図1の線III-III に沿って切断した断面図であ
る。
る。
【図4】本発明の渦流型羽根車を組み込んだモータ付き
ターボ型ポンプの縦断面図である。
ターボ型ポンプの縦断面図である。
【図5】本発明による渦流型羽根車を有するターボ型ポ
ンプの特性曲線と、従来のカスケード型ポンプの特性曲
線との比較を示す図である。
ンプの特性曲線と、従来のカスケード型ポンプの特性曲
線との比較を示す図である。
【図6】羽根入口縁のボス側からケーシング側羽根入口
縁に到る羽根入口角の変化の様子を従来の羽根入口角度
(点線)と比較して示した図である。
縁に到る羽根入口角の変化の様子を従来の羽根入口角度
(点線)と比較して示した図である。
【図7】本発明による渦流型羽根車の別の実施例を回転
軸方向から見た正面図である。
軸方向から見た正面図である。
【図8】図7の羽根車の回転中心を通るメリデイアン断
面を示す。
面を示す。
【図9】従来のカスケード型ポンプを回転軸方向より見
た概略断面図である。
た概略断面図である。
【図10】図9のカスケード型ポンプを回転軸線を通る
線X-X に沿って切断した断面図である。
線X-X に沿って切断した断面図である。
10,110 羽根車 15,115 羽根 14,114 シュラウド 14a,114a ボスシュラウド 16,116 羽根入口縁 16a,116a ボスシュラウド側羽根入口縁 16b,116b ケーシング側羽根入口縁 17,117 羽根出口端 21,21′ 扇形みぞ 34 回転軸
Claims (2)
- 【請求項1】 ポンプ用羽根車の回転軸に嵌合するボス
に連なるシュラウドの子午面形状を円弧状回転面とし、
羽根入口縁が取りつくボスシュラウドは回転軸にほぼ平
行な円筒状に形成し、羽根入口縁はこの入口側ボスシュ
ラウド面からなめらかに連続させ、羽根目玉部へ大きく
張り出させ、ケーシング側の羽根入口縁は回転軸に対し
てほぼ直角に延びるようにし、円筒状のボスシュラウド
に取りつく羽根入口縁とケーシング側羽根入口縁の間を
上流側に凸形をなす円弧状のなめらかな曲線によって結
んで羽根入口縁を形成し、この羽根入口縁の入口角の取
り得る領域を羽根入口縁全縁で均一にほぼ0°で形成さ
れる角度を最小とし、羽根入口縁全縁で従来の設計で計
算されるケーシング側羽根入口縁角度(チップ側角度)
に均一に形成される角度を最大とする領域とし、この領
域内入口角をボス側よりケーシング側まで任意になめら
かに変化させた入口角を取る羽根入口縁とし、前記羽根
入口形状の羽根入口から羽根出口端までなめらかな曲面
で結んで形成した羽根を複数個有するターボ型ポンプ用
羽根車において、前記羽根と羽根の間の羽根車外周縁に
沿ってその両側面に、半径方向に延びる多数の短い扇形
みぞを配列したことを特徴とする渦流型羽根車。 - 【請求項2】 請求項1の羽根車において、前記羽根の
羽根入口形状および羽根形状を平板状のシュラウドに形
成すると共に、前記多数の短い扇形みぞを平板状シュラ
ウドの外周縁に沿ってその両側面に配列したことを特徴
とする渦流型羽根車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5147292A JPH05248385A (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 渦流型羽根車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5147292A JPH05248385A (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 渦流型羽根車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05248385A true JPH05248385A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12887894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5147292A Pending JPH05248385A (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 渦流型羽根車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05248385A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006250019A (ja) * | 2005-03-10 | 2006-09-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ポンプ及びそれを備えた液体供給装置 |
CN114233638A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-03-25 | 嘉利特荏原泵业有限公司 | 一种大流量低汽蚀油浆泵结构 |
-
1992
- 1992-03-10 JP JP5147292A patent/JPH05248385A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006250019A (ja) * | 2005-03-10 | 2006-09-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ポンプ及びそれを備えた液体供給装置 |
CN114233638A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-03-25 | 嘉利特荏原泵业有限公司 | 一种大流量低汽蚀油浆泵结构 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020108 |