JPH05247611A - 耐孔食性に優れたAl−Mg合金板の製造方法 - Google Patents
耐孔食性に優れたAl−Mg合金板の製造方法Info
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- JPH05247611A JPH05247611A JP8293692A JP8293692A JPH05247611A JP H05247611 A JPH05247611 A JP H05247611A JP 8293692 A JP8293692 A JP 8293692A JP 8293692 A JP8293692 A JP 8293692A JP H05247611 A JPH05247611 A JP H05247611A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐孔食性に優れたAl−Mg合金板の製造方
法を得る。 【構成】 質量%でMg:3.0〜6.0%を含有し、
Mn:0.2〜1.0%、Cr:0.05〜0.4%の
うち1種又は2種を含有し、不純物としてのFe:0.
5%以下、Si:0.5%以下とし、残部Al及び不可
避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を、均質化処
理後熱間圧延を開始し、少なくとも最終圧延スタンドに
おける圧延条件を、圧延材の温度が下記式で示される温
度以下の範囲において、1パス当たりの歪み速度を2/
秒以上で行ない、かつ圧延終了温度を150〜280℃
とし、その後安定化処理を施すことを特徴とする220
MPa以上の耐力を有し耐孔食性に優れたAl−Mg合
金板の製造方法。 【効果】 高強度を有し、塩素イオンの存在する環境に
使用されても、孔食による貫通孔を生じない。
法を得る。 【構成】 質量%でMg:3.0〜6.0%を含有し、
Mn:0.2〜1.0%、Cr:0.05〜0.4%の
うち1種又は2種を含有し、不純物としてのFe:0.
5%以下、Si:0.5%以下とし、残部Al及び不可
避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を、均質化処
理後熱間圧延を開始し、少なくとも最終圧延スタンドに
おける圧延条件を、圧延材の温度が下記式で示される温
度以下の範囲において、1パス当たりの歪み速度を2/
秒以上で行ない、かつ圧延終了温度を150〜280℃
とし、その後安定化処理を施すことを特徴とする220
MPa以上の耐力を有し耐孔食性に優れたAl−Mg合
金板の製造方法。 【効果】 高強度を有し、塩素イオンの存在する環境に
使用されても、孔食による貫通孔を生じない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐孔食性に優れたAl
−Mg合金板の製造方法に関し、特に船舶や食缶の缶蓋
等のように塩素イオンの存在する環境に使用され、強度
を有し孔食による貫通孔を避けるべき用途に適する材料
の製造方法に関する。
−Mg合金板の製造方法に関し、特に船舶や食缶の缶蓋
等のように塩素イオンの存在する環境に使用され、強度
を有し孔食による貫通孔を避けるべき用途に適する材料
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来Al−Mg系合金は、適度な強度
と、優れた成形加工性、溶接性などを有していることか
ら、船舶、車両などの構造用材料や、缶蓋などの包装用
材料として広く使用されている。
と、優れた成形加工性、溶接性などを有していることか
ら、船舶、車両などの構造用材料や、缶蓋などの包装用
材料として広く使用されている。
【0003】しかしこれらの材料は、塩素イオンが数百
ppm以上含有されるような厳しい腐食環境のもとで
は、局部的な溶解から孔食が発生することがある。この
ような孔食による貫通孔は、例えば船体に使用した場合
には海水の浸入が起こり、食缶に使用した場合は内容物
の漏れなどの重大な欠陥につながる恐れがある。
ppm以上含有されるような厳しい腐食環境のもとで
は、局部的な溶解から孔食が発生することがある。この
ような孔食による貫通孔は、例えば船体に使用した場合
には海水の浸入が起こり、食缶に使用した場合は内容物
の漏れなどの重大な欠陥につながる恐れがある。
【0004】従来、孔食による貫通孔を防止する方法と
しては、芯材よりも電気化学的に卑な皮材を、犠牲陽極
としてクラッドする方法(特公平2−25783号公
報、特公平3−29585号公報)が、また、Znを含
有させることにより孔食を防止する方法(特公昭62−
3231号公報)が提案されている。
しては、芯材よりも電気化学的に卑な皮材を、犠牲陽極
としてクラッドする方法(特公平2−25783号公
報、特公平3−29585号公報)が、また、Znを含
有させることにより孔食を防止する方法(特公昭62−
3231号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、芯材よりも
電気化学的に卑な皮材を犠牲陽極としてクラッドする方
法は、製造プロセスが複雑になるほか、材料の残材管理
が困難になるという欠点がある。また、成分元素を添加
することは、材料のコストアップにつながるという欠点
がある。
電気化学的に卑な皮材を犠牲陽極としてクラッドする方
法は、製造プロセスが複雑になるほか、材料の残材管理
が困難になるという欠点がある。また、成分元素を添加
することは、材料のコストアップにつながるという欠点
がある。
【0006】そこで本発明は、熱間圧延条件でAl−M
g系化合物の析出量分布を制御することにより、耐孔食
性を向上させたAl−Mg合金板の製造方法を提供する
ことを目的としている。
g系化合物の析出量分布を制御することにより、耐孔食
性を向上させたAl−Mg合金板の製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は、アルミニウム合金の孔食による貫通
孔を防止するには、材料表層部を板厚中心部よりも電気
化学的に卑にしてやれば良いとの発想から、卑な析出物
として知られているβ相(Al8Mg5)を、材料表層部
に析出させる方法について鋭意研究を重ねた結果、Mg
が析出する温度以下で、圧延歪み速度と圧延終了温度と
を制御することにより実現できることを知見し、本発明
を完成するに至った。
め、本発明者等は、アルミニウム合金の孔食による貫通
孔を防止するには、材料表層部を板厚中心部よりも電気
化学的に卑にしてやれば良いとの発想から、卑な析出物
として知られているβ相(Al8Mg5)を、材料表層部
に析出させる方法について鋭意研究を重ねた結果、Mg
が析出する温度以下で、圧延歪み速度と圧延終了温度と
を制御することにより実現できることを知見し、本発明
を完成するに至った。
【0008】上記知見に基づいた本発明は、質量%でM
g:3.0〜6.0%を含有し、Mn:0.2〜1.0
%、Cr:0.05〜0.4%のうち1種又は2種を含
有し、不純物としてのFe:0.5%以下、Si:0.
5%以下とし、残部Al及び不可避的不純物からなるア
ルミニウム合金鋳塊を、均質化処理後熱間圧延を開始
し、少なくとも最終圧延スタンドにおける圧延条件を、
圧延材の温度が式 T(℃)=120+27.1Mg(%) で示される温度以下の範囲において、1パス当たりの歪
み速度を2/秒以上で行ない、かつ圧延終了温度を15
0〜280℃とする熱延板を得る方法および必要に応
じ、熱間圧延終了後冷間圧延及び安定化処理することに
より、高強度と耐孔食性に優れたAl−Mg合金板を製
造する方法を要旨としている。
g:3.0〜6.0%を含有し、Mn:0.2〜1.0
%、Cr:0.05〜0.4%のうち1種又は2種を含
有し、不純物としてのFe:0.5%以下、Si:0.
5%以下とし、残部Al及び不可避的不純物からなるア
ルミニウム合金鋳塊を、均質化処理後熱間圧延を開始
し、少なくとも最終圧延スタンドにおける圧延条件を、
圧延材の温度が式 T(℃)=120+27.1Mg(%) で示される温度以下の範囲において、1パス当たりの歪
み速度を2/秒以上で行ない、かつ圧延終了温度を15
0〜280℃とする熱延板を得る方法および必要に応
じ、熱間圧延終了後冷間圧延及び安定化処理することに
より、高強度と耐孔食性に優れたAl−Mg合金板を製
造する方法を要旨としている。
【0009】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。一般に平衡状
態図的には、Al−Mg合金における共晶温度は450
℃でその時のMg固溶限は14.9%であり、温度が低
下するとともにMg固溶限も低下するので、固溶限以下
の温度で熱間圧延すればMgは析出してくることが知ら
れている。
態図的には、Al−Mg合金における共晶温度は450
℃でその時のMg固溶限は14.9%であり、温度が低
下するとともにMg固溶限も低下するので、固溶限以下
の温度で熱間圧延すればMgは析出してくることが知ら
れている。
【0010】従って、電気化学的に卑な析出物として知
られているβ相(Al8Mg5)を、板厚方向で析出状態
を変化させるにはMg含有量に応じた温度範囲での圧延
1パス当たりの歪み速度を2/秒以上とし、かつ圧延終
了温度を150〜280℃とする必要がある。
られているβ相(Al8Mg5)を、板厚方向で析出状態
を変化させるにはMg含有量に応じた温度範囲での圧延
1パス当たりの歪み速度を2/秒以上とし、かつ圧延終
了温度を150〜280℃とする必要がある。
【0011】ここで圧延1パス当たりの歪み速度は、下
記式を用いて計算した。 ε’=[1/60]・[VR/√(R’・h)]・[2√r/(2−r)] ここで、 ε’;平均歪み速度(s-1) h ;入り側板厚(m) R’;ロール径(m) r ;圧下率(小数表示) VR ;圧延速度(m/min.)
記式を用いて計算した。 ε’=[1/60]・[VR/√(R’・h)]・[2√r/(2−r)] ここで、 ε’;平均歪み速度(s-1) h ;入り側板厚(m) R’;ロール径(m) r ;圧下率(小数表示) VR ;圧延速度(m/min.)
【0012】本発明における製造条件、ならびに合金組
成範囲を限定した理由について述べる。 圧延条件: 式 T(℃)=120+27.1Mg(%) で計算された温度(T℃)範囲を超えると、β相の形成
が起こりにくく、そのため板厚方向における析出量の差
が生じにくくなる。
成範囲を限定した理由について述べる。 圧延条件: 式 T(℃)=120+27.1Mg(%) で計算された温度(T℃)範囲を超えると、β相の形成
が起こりにくく、そのため板厚方向における析出量の差
が生じにくくなる。
【0013】圧延1パス当たりの歪み速度を2/秒以上
とするのは、圧延によって形成される転位の数が、回復
によって消滅する転位の数よりも多くするためである。
圧延1パス当たりの歪み速度が2/秒未満となると、圧
延によって形成された転位が次々と消滅(回復)し、転
位上へのβ相の析出が起こりにくくなり、板厚方向の析
出量の差が生じにくくなる。
とするのは、圧延によって形成される転位の数が、回復
によって消滅する転位の数よりも多くするためである。
圧延1パス当たりの歪み速度が2/秒未満となると、圧
延によって形成された転位が次々と消滅(回復)し、転
位上へのβ相の析出が起こりにくくなり、板厚方向の析
出量の差が生じにくくなる。
【0014】圧延終了温度を150〜280℃にする
と、板厚表層部の転位が、板厚中心部のそれより残存し
やすくなり、その転位上にβ相が析出し、板厚表層部の
ほうが電気化学的に卑となる。つまり板厚表層部が犠牲
陽極の作用を果たすようになり、孔食による貫通孔が避
けられる。
と、板厚表層部の転位が、板厚中心部のそれより残存し
やすくなり、その転位上にβ相が析出し、板厚表層部の
ほうが電気化学的に卑となる。つまり板厚表層部が犠牲
陽極の作用を果たすようになり、孔食による貫通孔が避
けられる。
【0015】圧延終了温度が280℃を超えると、圧延
によって形成された転位がより早く回復するため、β相
の析出が起こりにくくなり、板厚表層部に犠牲陽極効果
をもたせることが出来なくなる。また、圧延終了温度が
150℃より低くても本発明の効果は得られるが、材料
の変形抵抗が高くなり工業的に不利となる。
によって形成された転位がより早く回復するため、β相
の析出が起こりにくくなり、板厚表層部に犠牲陽極効果
をもたせることが出来なくなる。また、圧延終了温度が
150℃より低くても本発明の効果は得られるが、材料
の変形抵抗が高くなり工業的に不利となる。
【0016】冷間圧延及び安定化処理:Al−Mg系ア
ルミニウム合金は、熱間圧延したままでも優れた強度を
有するが、さらに強度を高めるためには、冷間圧延と、
後処理として安定化処理が行なわれる。
ルミニウム合金は、熱間圧延したままでも優れた強度を
有するが、さらに強度を高めるためには、冷間圧延と、
後処理として安定化処理が行なわれる。
【0017】例えば、缶用材料とする場合は、、強度を
高めるため50%以上の冷間圧延と安定化処理が行なわ
れ、また、船舶用材料とする場合には強度を高め部材の
薄肉化を図るため20%程度の冷間圧延と安定化処理が
行なわれる場合もある。
高めるため50%以上の冷間圧延と安定化処理が行なわ
れ、また、船舶用材料とする場合には強度を高め部材の
薄肉化を図るため20%程度の冷間圧延と安定化処理が
行なわれる場合もある。
【0018】安定化処理は、工業的には120〜200
℃で数時間処理する方法であり、Al−Mg系アルミニ
ウム合金は、冷間圧延すると常温で長時間経過すると軟
化するので、前もって低い温度に加熱して機械的強度を
少し落とし、伸びを増加させて、機械的性質の経年変化
を防止するものである。
℃で数時間処理する方法であり、Al−Mg系アルミニ
ウム合金は、冷間圧延すると常温で長時間経過すると軟
化するので、前もって低い温度に加熱して機械的強度を
少し落とし、伸びを増加させて、機械的性質の経年変化
を防止するものである。
【0019】次に、材料の成分組成範囲を限定した理由
を説明する。 Mg:Mgは、材料の強度を高めるために必要な元素で
あり、用途(船舶用又は缶蓋用)に応じてこの含有量を
変える必要がある。しかし、3%未満では強度、伸びが
低下し、6%を超えると熱間圧延時に割れが発生し易く
なる。
を説明する。 Mg:Mgは、材料の強度を高めるために必要な元素で
あり、用途(船舶用又は缶蓋用)に応じてこの含有量を
変える必要がある。しかし、3%未満では強度、伸びが
低下し、6%を超えると熱間圧延時に割れが発生し易く
なる。
【0020】Mn,Cr:Mn,Crは、強度を高め、
組織を微細化することから成形性を改善する。いずれも
下限値未満では前記効果がなく、上限値を超えると鋳造
時に粗大な化合物として晶出し、伸びと成形性を低下さ
せる。
組織を微細化することから成形性を改善する。いずれも
下限値未満では前記効果がなく、上限値を超えると鋳造
時に粗大な化合物として晶出し、伸びと成形性を低下さ
せる。
【0021】Fe:Feは、Mnを含有させた場合、粗
大なAl−Fe−Mn系金属間化合物を形成し、成形性
が劣化するので少ないほうが好ましい。しかし、0.5
%以下では粗大なAl−Fe−Mn系金属間化合物が形
成されず、この影響が少ない。
大なAl−Fe−Mn系金属間化合物を形成し、成形性
が劣化するので少ないほうが好ましい。しかし、0.5
%以下では粗大なAl−Fe−Mn系金属間化合物が形
成されず、この影響が少ない。
【0022】Si:Siは、粒界に析出して成形性を劣
化させるので、少ないほうが好ましい。しかし、0.5
%以下では実用上問題がない。
化させるので、少ないほうが好ましい。しかし、0.5
%以下では実用上問題がない。
【0023】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
これにより本発明は限定されるものではない。 実施例1 表1に示すアルミニウム合金を溶製、造塊し、500℃
×8hrの均質化処理を行ない、表2に示す条件で、板
厚5mmまで圧延した。圧延の歪み速度は、圧延機のロ
ール直径を325mmとし、表2で示す条件で熱間圧延
を行なった。
これにより本発明は限定されるものではない。 実施例1 表1に示すアルミニウム合金を溶製、造塊し、500℃
×8hrの均質化処理を行ない、表2に示す条件で、板
厚5mmまで圧延した。圧延の歪み速度は、圧延機のロ
ール直径を325mmとし、表2で示す条件で熱間圧延
を行なった。
【0024】
【表1】
【0025】得られた試験材を、170℃で2時間の安
定化処理を施した後、機械的性質の測定と耐孔食性試験
を行なった。機械的性質は、JIS 5号試験片で行な
い、この材料は船舶用を対象としているので、耐力が2
20MPa以上を本発明材とした。
定化処理を施した後、機械的性質の測定と耐孔食性試験
を行なった。機械的性質は、JIS 5号試験片で行な
い、この材料は船舶用を対象としているので、耐力が2
20MPa以上を本発明材とした。
【0026】耐孔食性評価試験は、0.1M−NaCl
水溶液中で、表面積1cm2に調整した試験材をアノー
ドとし、白金をカソードとして、定電流電解を行なっ
た。電流密度は0.5mA/cm2、電解期間は30日
とし、電解終了後光学顕微鏡及びミクロ組織写真で孔食
部の最大深さを測定した。評価基準として、最大孔食深
さが2mm以下のものを、本発明材とした。これらの結
果を表2に示す。
水溶液中で、表面積1cm2に調整した試験材をアノー
ドとし、白金をカソードとして、定電流電解を行なっ
た。電流密度は0.5mA/cm2、電解期間は30日
とし、電解終了後光学顕微鏡及びミクロ組織写真で孔食
部の最大深さを測定した。評価基準として、最大孔食深
さが2mm以下のものを、本発明材とした。これらの結
果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】本発明例のNo.1〜9は、材料の成分と
熱間圧延条件を本発明の範囲で行なったものであり、2
25〜255MPaの耐力が得られ、最大孔食深さが
1.4〜1.6mmと良好である。
熱間圧延条件を本発明の範囲で行なったものであり、2
25〜255MPaの耐力が得られ、最大孔食深さが
1.4〜1.6mmと良好である。
【0029】しかし、比較例のNo.10及び11は、
圧延時の歪み速度が0.6/秒と低いため、最大孔食深
さが2.9mmおよび3.3mmと大きくなった。N
o.12及び13は、熱間圧延終了温度が320℃、3
40℃と高いため、最大孔食深さが3.2mm及び3.
5mmと大きくなった。
圧延時の歪み速度が0.6/秒と低いため、最大孔食深
さが2.9mmおよび3.3mmと大きくなった。N
o.12及び13は、熱間圧延終了温度が320℃、3
40℃と高いため、最大孔食深さが3.2mm及び3.
5mmと大きくなった。
【0030】No.14はMg含有量が2.4%、Cr
含有量が0.01%といずれも少ないため、耐力が18
5MPaと低くなった。No.15は、Mn含有量が
0.16%、Cr含有量が0.03%といずれも少ない
ため、耐力が210MPaと低くなった。No.16は
Mg含有量が7.1%と多いため、熱間圧延で割れが発
生したので、その後の試験を中止した。
含有量が0.01%といずれも少ないため、耐力が18
5MPaと低くなった。No.15は、Mn含有量が
0.16%、Cr含有量が0.03%といずれも少ない
ため、耐力が210MPaと低くなった。No.16は
Mg含有量が7.1%と多いため、熱間圧延で割れが発
生したので、その後の試験を中止した。
【0031】実施例2 実施例1と同様に、表1に示すアルミニウム合金を溶
製、造塊し、500℃×8hrの均質化処理を行ない、
表3に示す条件で熱間圧延した。その後、冷間圧延を行
ない、さらに安定化処理(170℃×2時間)及びオイ
ルバスにて205℃×10分の塗装焼付け(缶用対象)
相当処理を施した。
製、造塊し、500℃×8hrの均質化処理を行ない、
表3に示す条件で熱間圧延した。その後、冷間圧延を行
ない、さらに安定化処理(170℃×2時間)及びオイ
ルバスにて205℃×10分の塗装焼付け(缶用対象)
相当処理を施した。
【0032】得られた材料の機械的性質は、実施例1と
同じ方法で試験を行なった。耐孔食性評価試験は、腐食
を促進するため、次のような試験を行なった。すなわ
ち、試験材をU曲げ(曲げ半径は板厚と同一にした)曲
げ加工を施した後、3%−NaCl水溶液(pH=3.
0)中で、交互浸漬(40℃×30分浸漬、50℃×3
0分乾燥)を行ない、10日間後に、試験材の曲げ加工
部を観察し、孔食による貫通孔の有る無しを観察した。
それらの結果を表3に示す。この材料は缶用を対象とし
ているので、塗装焼き付け処理後の耐力が315MPa
以上を本発明材とした。
同じ方法で試験を行なった。耐孔食性評価試験は、腐食
を促進するため、次のような試験を行なった。すなわ
ち、試験材をU曲げ(曲げ半径は板厚と同一にした)曲
げ加工を施した後、3%−NaCl水溶液(pH=3.
0)中で、交互浸漬(40℃×30分浸漬、50℃×3
0分乾燥)を行ない、10日間後に、試験材の曲げ加工
部を観察し、孔食による貫通孔の有る無しを観察した。
それらの結果を表3に示す。この材料は缶用を対象とし
ているので、塗装焼き付け処理後の耐力が315MPa
以上を本発明材とした。
【0033】
【表3】
【0034】本発明材のNo.17〜21は、材料の成
分と熱間圧延、冷間圧延及び安定化処理条件を本発明の
範囲内で行なったものであり、塗装焼き付け相当処理後
において318〜342MPaの耐力が得られ、U曲げ
腐食試験で孔食による貫通孔が認められず、良好であ
る。
分と熱間圧延、冷間圧延及び安定化処理条件を本発明の
範囲内で行なったものであり、塗装焼き付け相当処理後
において318〜342MPaの耐力が得られ、U曲げ
腐食試験で孔食による貫通孔が認められず、良好であ
る。
【0035】しかし、比較例のNo.22及び23は、
圧延時の歪み速度が0.6/秒と低いため、耐力が31
0および295MPaと低く、いずれもU曲げ腐食試験
で孔食による貫通孔が認められた。
圧延時の歪み速度が0.6/秒と低いため、耐力が31
0および295MPaと低く、いずれもU曲げ腐食試験
で孔食による貫通孔が認められた。
【0036】No.24、25及び26は、圧延終了温
度が320℃と高く、No.24、25は耐力が255
MPaと低く、いずれもU曲げ腐食試験で孔食による貫
通孔が認められた。
度が320℃と高く、No.24、25は耐力が255
MPaと低く、いずれもU曲げ腐食試験で孔食による貫
通孔が認められた。
【0037】No.27はMn含有量が0.16%、C
r含有量が0.03%といずれも少ないため、耐力が3
10MPaと低い。No.28はMg含有量が7.1%
と多いため、熱間圧延で割れが発生したので、その後の
試験を中止した。
r含有量が0.03%といずれも少ないため、耐力が3
10MPaと低い。No.28はMg含有量が7.1%
と多いため、熱間圧延で割れが発生したので、その後の
試験を中止した。
【0038】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるから、得られた材料は高強度を有し、塩素イオンの
存在する環境に使用されても、孔食による貫通孔を生じ
ないという効果が奏され、産業上きわめて有用である。
いるから、得られた材料は高強度を有し、塩素イオンの
存在する環境に使用されても、孔食による貫通孔を生じ
ないという効果が奏され、産業上きわめて有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 質量%でMg:3.0〜6.0%を含有
し、Mn:0.2〜1.0%、Cr:0.05〜0.4
%のうち1種又は2種を含有し、不純物としてのFe:
0.5%以下、Si:0.5%以下とし、残部Al及び
不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を、均質
化処理後熱間圧延を開始し、少なくとも最終圧延スタン
ドにおける圧延条件を、圧延材の温度が下記式で示され
る温度以下の範囲において、1パス当たりの歪み速度を
2/秒以上で行ない、かつ圧延終了温度を150〜28
0℃とし、その後安定化処理を施すことを特徴とする2
20MPa以上の耐力を有し耐孔食性に優れたAl−M
g合金板の製造方法。 T(℃)=120+27.1Mg(%) - 【請求項2】 質量%でMg:3.0〜6.0%を含有
し、Mn:0.2〜1.0%、Cr:0.05〜0.4
%のうち1種又は2種を含有し、不純物としてのFe:
0.5%以下、Si:0.5%以下とし、残部Al及び
不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を、均質
化処理後熱間圧延を開始し、少なくとも最終圧延スタン
ドにおける圧延条件を、圧延材の温度が下記式で示され
る温度以下の範囲において、1パス当たりの歪み速度を
2/秒以上で行ない、かつ圧延終了温度を150〜28
0℃で圧延した後、冷間圧延及び安定化処理を施すこと
を特徴とする、塗装焼き付け後の耐力が315MPa以
上有し耐孔食性に優れたAl−Mg合金板の製造方法。 T(℃)=120+27.1Mg(%)
Priority Applications (1)
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1992
- 1992-03-06 JP JP08293692A patent/JP3223430B2/ja not_active Expired - Fee Related
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