JPH05247455A - 加泥材 - Google Patents

加泥材

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JPH05247455A
JPH05247455A JP8458892A JP8458892A JPH05247455A JP H05247455 A JPH05247455 A JP H05247455A JP 8458892 A JP8458892 A JP 8458892A JP 8458892 A JP8458892 A JP 8458892A JP H05247455 A JPH05247455 A JP H05247455A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】高吸水性樹脂及び、セピオライト、アタパルジ
ャイト、クレイ及びベントナイトからなる群より選ばれ
た、少なくとも1つの成分と、水溶性高分子化合物より
成る組成物を、変成ポリビニルアルコール系化合物、ポ
リビニルメチルエーテル、メチルセルローズ及びアルギ
ン酸ソーダからなる群より選ばれた、少なくとも1つの
成分よりなる水溶性フィルムで包装した加泥材及び、ま
たは組成物の表面を水溶性高分子化合物で処理して成型
した加泥材である。 【効果】本発明による加泥材は、冷水易溶性のフィルム
包装袋または冷水易溶性ポリマーで表面処理した成型物
になっているため、現場における調製が極めて容易で、
包装材を回収する必要がなく、包装袋のィルムまたは成
型材は溶解して加泥材の一成分となり、増粘材または増
量材として作用するものである。本発明の加泥材をシー
ルド工法及び推進工法に適用すると、土砂の掘削時には
塑性流動化材として優れた効果を示し、また排出土壌の
性質を改善出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールド工法用及び推
進工法用加泥材に関するもので、更に詳しく述べるとシ
ールド工法によって土砂を切削する場合、カッターに添
加して切削を容易にすると共に土砂を適度に硬化させて
搬出を容易にし、または推進工法で切羽を推進しながら
推進管を押し込んでゆく時、摩擦抵抗を減少させるため
に、推進管と地山との間に圧入する加泥剤で、その調製
を容易にしたものである。
【0002】
【従来の技術】カッターで土砂を掘削して、圧力チャン
バー内に取り込む時、加泥材をカッターより注入すると
共に、圧力チャンバー内にも注入、混合される。従来か
らこの様なシールド工法において、土砂の切削及び切削
した土砂の搬出を容易にするため現場に於いて、粉末粘
土またはベントナイトに、カルボキシメチルセルローズ
(以下CMC と言う) 等を加え、混合攪拌して調製した加
泥材が使用されていた。
【0003】加泥材は掘削泥土の性状に合わせて比重、
粘性等を調製しているが、これらの材料の品質にはかな
りばらつきがあって、現場調泥が困難であったり或いは
調製した加泥材の貯蔵が困難である等の欠点が指摘され
ていた。特にベントナイトは産業廃棄物に指定されてい
る物質であり、現場での管理及び現場より搬出されるベ
ントナイト含有泥土の処理等には、公害面からの問題点
も多い。更にベントナイトは調泥後長時間を経過しなけ
れば完全膨潤しない性質が有るため、設定した粘度で使
用するためには、かなり長時間使用出来る量を貯蔵する
必要があり、設備が大きくなることが避けがたい。ま
た、CMC を溶解する時も一時に多量のCMCを投入する
と、ママコ状になって完全に溶解せず、或いは夏期には
腐敗を起こす欠点も指摘されていた。
【0004】更にはこれらの組成の加泥材は土と混合さ
れた場合、切削土の粘性が著しく高くなり排泥が困難に
なる場合がある他、排泥の二次処理すなわち脱水処理、
固化処理等に支障を来す場合もあった。
【0005】また推進工法用の加泥剤としては、水とベ
ントナイトを主要成分とする粘稠性懸濁液が使用されて
いる。しかしこの加泥剤は、軟かいゲル状であるため、
地山と推進管の間に注入されても推進作業の際、地山と
推進管とが相対的に移動したとき、地山の土砂が加泥材
中に混入し易く、このためその機能が急速に低下する場
合が多い。または地山が砂層、砂礫層等からなり、含水
率が低い場合には、加泥材が地山に吸収され滑材効果が
薄れたり、或いは含水率が高い土砂層や地下水が流れて
いる土砂層に注入した場合には、すぐ希釈されたり、ま
たは流失してその効果が失われる欠点があった。
【0006】更にこれらのシールド工法及び推進工法に
於いて用いられる加泥材は、従来は20kgのクラフト紙袋
或いは使用し易い様に小分けして、ポリエチ袋で包装し
たものが使用されている。そして使用時には攪拌機を有
する調製槽で、所要量の加泥剤と水を混合攪拌して調製
される。この時加泥剤がクラフト紙で包装されていると
きは、包装袋を破って所要量を秤で計って調製槽に投入
し、また小分けしてポリエチ袋で包装されているとき
は、必要個数だけポリエチ袋を破り内容物を調製槽に投
入して水と攪拌・混合して調製している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】加泥材を調製する場
合、その計量を容易にして粉塵発生による公害を防止す
ると共に、そのために使用する包装材が、同時に調製さ
れた加泥材中において、増粘材または増量材としての機
能を有する、加泥材包装袋を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】加泥材が小分けしたポリ
エチ袋で包装され、必要量に応じて使用量はその袋の個
数で調節する方法は、20kgのクラフト紙袋に包装され、
加泥材を調製する度に所要量を計量する必要があるもの
に較べて、遙かに作業性が優れている。しかしながら、
ポリエチ袋を破る作業、それに伴う粉塵の発生、空袋の
回収は、この作業分野で特に重視される省力化の大きな
障害となっている。
【0009】本発明者は、加泥材を皮膜形成能を有する
水易溶性高分子化合物のフィルムよりなる袋で包装する
か、或いは加泥材の表面を、同様な高分子化合物で処理
して任意の形状に成型し、その包装用フィルムまたは表
面処理剤が溶解した後は増粘剤または増量剤として加泥
材の有効成分になる様な水易溶性高分子化合物について
検討した。その結果、特定グループの化合物が有効であ
ることを見出し、これに基づいて本発明に到達した。
【0010】すなわち、高吸水性樹脂及び、セピオライ
ト、アタパルジャイト、クレイ及びベントナイトからな
る群より選ばれた、少なくとも1つの成分と、水溶性高
分子化合物より成る組成物を、変成ポリビニルアルコー
ル系化合物、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロ
ーズ及びアルギン酸ソーダからなる群より選ばれた、少
なくとも1つの成分よりなる水溶性フィルムで包装した
加泥材及び、または組成物の表面を水溶性高分子化合物
で処理して成型した加泥材である。
【0011】本発明は、これらの問題を解決するためシ
ールド工法において、土砂の切削時カッターに添加した
場合には土砂に適度の粘性を与えて切削を容易にし、或
いは切削後は圧力チャンバー内における土砂の止水性と
流動性を保持して、土砂の搬出を容易にし、更に搬出後
土砂を固化して埋立て等に使用出来る様にするための加
泥材で、調製が容易で粉塵発生による公害のないものを
提供するものである。
【0012】シールド工法における、土砂の切削、搬出
及び処理の工程においては、土砂を切削すためカッター
に添加した場合には、土砂に適度の粘性を与えて切削を
容易にする機能を、切削後は土砂を適度に固化して搬出
及び処理を容易にする機能が要求される。本発明者等は
これらの点を考慮して、加泥材として高吸水性樹脂にク
レイ、セピオライト等の鉱物系増量剤、CMC 、ポリアク
リル酸ソーダ等の増粘剤、石灰、セメント等のエトリン
ガイト生成物質を種々な割合に混合した組成物を水で膨
潤した場合の効果とその経時変化について検討し、更に
調製時の操作を容易にすると共に粉塵発生による公害の
防止について検討した結果得られたものである。
【0013】ここで、エトリンガイト生成物質とは土壌
と混合した場合、水和反応により、土壌中に針状結晶の
エトリンガイト(3CaO・Al2O3 ・CaSO4 ・32H2O)を生成
して、土壌粒子間に架橋を形成して固化する作用を有す
る物質で、例えばセメント、石灰または、セメントの成
分を一部変更してFe203 分、SO3 分等の含有率を高めた
変成セメント等である。以下本発明について詳しく説明
する。
【0014】シールド工法において、カッターで土砂を
掘削して圧力チャンバー内に取り込む時、土砂を掘削す
るカッターの刃先に加泥材を注入すると共に、圧力チャ
ンバー内にも注入し、混合される。この際土砂の切削を
容易にすると共に、掘削した土砂に止水性、流動性を付
与して生コン状(例えばスランプ値5〜10cm)とする。
これを圧力チャンバーとスクリューコンベア内に充満さ
せて、地下水圧及び切羽土泥の圧と拮抗させ、連続的に
掘進、排土を行う工法が採用されている。
【0015】ここでは、加泥材は切羽、地山中の自由水
を排除し、土粒子間を目詰まりさせて難透水性にし、更
に、掘削土砂の粒度分布を改善し、流動性を付与するた
めに使用されている。
【0016】従って、吸水速度及び吸水量が大きいこ
と、水中への分散性が良いこと、適度な粘性と流動性が
有ること、安定性が高く貯蔵が可能なこと等の性質が要
求される。
【0017】推進工法はディスクカッターで切羽を切削
しながら、カッターを取り付けた先導管を推進して行く
工法である。近年は特に下水道工事等の小口径の配管の
敷設において、工事に伴う公害発生が比較的少ないため
多く採用されている。この工法では押し込んだ管の推進
距離に比例して推進抵抗力が増大する。そのため元押し
ジャッキに一番近い推進管に最大の推進抵抗力が加わる
ことになり、推進可能距離は推進管の長さ方向の圧縮強
度によって決められる。
【0018】また推進抵抗力は、(1)地山と推進管の
摩擦力、(2)粘着力に起因して発生する推進距離に比
例した抵抗力、(3)刃口の抵抗力、(4)推進管の蛇
行に起因する抵抗力等の要因によって決まるが、主なも
のは摩擦力や粘着力による抵抗力である。そのため地山
と推進管の間に滑材を注入し、推進抵抗力を減らす方法
は、推進距離を伸ばすため有効な手段である。推進距離
が伸びれば立坑の間隔を広げることが可能になり、建設
費の低減、工事に伴う公害の減少、更に工期の短縮のた
めにも有効である。
【0019】更に、加泥材によって推進抵抗力を減少さ
せるためには、(1)加泥材が管体外周の空隙に充分充
填出来ること。(2)地山を保持する強度を有するこ
と。(3)加泥材が地下水によって希釈されてその機能
が低下しないこと。(4)加泥材層中へ地山の土が混合
したり、または加泥材が地山に吸収されてその機能が失
われないこと。等の性質が要求される。
【0020】本発明に使用する高吸水性樹脂は、水と接
触させた場合水には溶解せず、膨潤してゲル状になり極
めて多量の水を保持する性質を持ち、乾燥状態の100 〜
1,000 倍の水を保持出来る樹脂をいう。従来から典型的
な吸水性物質として知られているスポンジ、パルプ等は
その乾燥重量の数倍〜10数倍程度迄しか吸水せず、且つ
絞ると簡単に水を分離する性質がある。高吸水性樹脂は
これ等の吸水性物質と比較して著しく多量の水を吸収
し、且つ絞っても極く一部の水を分離するのみである。
これはスポンジ等が毛細管現象により吸水するのに対
し、高吸水性樹脂は水が浸透圧によりゲル内部に浸透
し、吸収された水分が膨潤したゲルの状態で保持される
ためと考えられる。
【0021】本発明に使用する高吸水性樹脂は特に限定
しない。このような性質を有する樹脂であれば、合成
品、半合成品、天然物を問わず広く使用できる。例え
ば、架橋ポリアクリル酸ソーダ、酢ビ−アクリル酸エス
テル共重合体ケン化物、酢ビ−マレイン酸メチル共重合
体ケン化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリアクリルニトリル加水分解物、澱粉−アクリロニト
リル・グラフト重合体ケン化物、澱粉−アクリル酸グラ
フト重合体、多糖類−アクリル酸グラフト重合物、ポバ
ール架橋物、ポリエチレンオキサイド架橋物等である。
【0022】また、樹脂の形状は粉末状でも鱗片状でも
球状でも使用できるが、性能的にも取扱い上も球状が好
ましい。また吸水倍率は或る程度以上高いものが好まし
いが、高過ぎると生成したゲルの機械的性質が著しく低
下するため、通常の使用法では200 〜1,000 倍が好まし
く、また粒度も広範囲で使用可能であるが、18〜100メ
ッシュが実用上好ましい。
【0023】本発明の加泥材には、セピオライト、アタ
パルジャイト、クレイ及びベントナイトからなる群より
選ばれた、少なくとも1つの成分を含有させる必要があ
る。これらはいずれも粘土系の鉱物で高吸水性樹脂と混
合して水を加えた場合、吸水速度が速く良好なゲルを形
成させるために適した性質を持ち、同時に増量剤として
の作用も有するものである。
【0024】特に含水マグネシウム珪酸塩であるセピオ
ライト [(OH2)4(OH2)4MgSi12O36・6 〜8 H2O ] 及びア
タパルジャイトは繊維状の構造を有する粘土鉱物で、土
壌と混合して適度な硬度を付与する他、揺変性、懸垂性
及び増粘性に優れていて加泥材の性能をたかめるために
重要である。また、これらの成分の中1つのみを使用し
てもよいが、2つ以上の成分を混合使用してもよい。
【0025】更に、本発明の加泥材には水溶性高分子化
合物を含有させる必要がある。例えば、カルボキシメチ
ルセルローズ、ポリアクリル酸ソーダ及びポリアクリル
アミド等である。これらの成分は主として増粘剤または
増量材として作用するもので、土砂を切削する際カッタ
ーに添加することにより、土砂の切削を容易にすると共
に推進工法では推進管と地山の間に注入されて摩擦抵抗
を減少させる作用を有するものである。
【0026】本発明の加泥材は、前記の様な成分からな
る組成物を変成ポリビニルアルコール系化合物、ポリビ
ニルメチルエーテル、メチルセルローズ及びアルギン酸
ソーダの中、少なくとも1つの成分よりなる水溶性フィ
ルムで包装するか、或いは加泥材の表面を、それらの高
分子化合物で処理して任意の形状に成型する必要があ
る。しかして、包装用フィルムまたは表面処理剤が溶解
した後は、増粘剤または増量剤として加泥材の有効成分
になる様な性質を有する、水易溶性高分子化合物であ
る。
【0027】変成ポリビニルアルコール系化合物は、一
部未鹸化の酢酸残基を含む化合物は冷水溶解性を有する
ため、水溶性フィルムの原料として使用可能である。更
に冷水易溶性を高めるためには、カルボキシル基を含有
させた化合物が特に優れている。しかしてカルボキシ変
成ポリビニルアルコールは、高重合度領域を含めた広範
囲な重合度にわたって冷水易溶性を保持している。また
鹸化度もかなり広範囲にわたって冷水易溶性を保持して
いるが、鹸化度が80%以下になると冷水易溶性が失われ
る。例えばマレイン酸等と共重合した構造を有する化合
物で、変成度2〜4%、重合度1000〜1800、鹸化度95〜
98%の変成ポリビニルアルコールは、高い冷水易溶性
と、皮膜形成能を有するため特に本発明のフィルム原料
及び成型材として好ましい。
【0028】変成ポリビニルアルコールは、酢酸ビニル
と無水マレイン酸等カルボキシル基を有する化合物を共
重合させた後、ケン化して得られる。
【0029】ポリビニルメチルエーテルはビニルメチル
エーテルをフッ化ホウ素或いは塩化アルミニウムを触媒
として重合せしめて得られ、冷水易溶性があり皮膜を形
成させることも可能である。また、メチルセルローズは
アルカリセルローズとハロゲン化メチルの縮合反応によ
って得られたもので、メトキシ基含有率25〜35%の場合
冷水易溶性を示し、皮膜形成能を有する。アルギン酸ソ
ーダは海藻 (褐藻類)中に存在するアルギン酸カルシウ
ムを、炭酸ソーダ水溶液によってナトリウム塩に置換し
て抽出して調製される。冷水易溶性を示し、皮膜形成能
もある。
【0030】これらの高分子化合物のフィルムは、その
水溶液よりキャスティング法により調製される。また加
泥材成型物は内面にこれらの水溶性化合物の濃厚水溶液
を塗布した鋳型に、充填し加圧・乾燥して調製される。
【0031】本発明の冷水易溶性フィルムの包装袋に封
入または、成型物とした加泥材は、予め所定量の水を注
入した調製槽に投入して攪拌すれば、先ず水溶性の包装
袋のフィルムまたは成型物表面処理剤が溶解し、顆粒状
の内容物粒子が水中に分散して容易に均一な加泥材が調
製出来る。尚この際、水中に溶解した包装袋フィルムま
たは成型物表面処理剤が粘稠な溶液になって、加泥材の
増粘材または増量材としての機能を有する。
【0032】また包装袋の内容物すなわち、エトリンガ
イト生成物質を含有した高吸水性樹脂成分及び、セピオ
ライト、アタパルジャイト、クレイ及びベントナイトか
らなる成分の中、少なくとも1つの成分と、水溶性高分
子化合物例えば、カルボキシメチルセルローズ、ポリア
クリル酸ソーダ及びポリアクリルアミド等の成分の混合
物を混合して使用することも出来るが、これらの成分を
混合処理して球状粒子または顆粒状粒子を調製し使用す
る方が取扱性もよく、調製槽での溶解性も優れている。
また、加泥材の粒子が球状になっていると土砂と混合し
た場合、ベアリング効果により土壌の流動性を高める作
用がある。
【0033】この様な組成を有する加泥材は土砂を切削
する際、カッターに添加すればその適度な粘性によって
切削を容易にする作用を有し、また切削後の土壌を取り
出す際には土砂に適度な流動性と硬度を付与して作業性
を高める作用をする。シールド工法によって切削する土
砂の組成、粒度或いはその他の性質は非常に広範囲に及
ぶため、実際に加泥材を調製する場合には、対象となる
土砂の性質に応じて、高吸水性樹脂の吸水倍率、粒径、
及び水を加えて膨潤させる度合いを選択する必要があ
る。
【0034】更に本発明の加泥材の高吸水性樹脂にはエ
トリンガイト生成物質を含有せしめておく必要がある。
エトリンガイト生成物質は既に述べた様に、土壌と混合
した場合、水和反応により、土壌中に針状結晶のエトリ
ンガイトを生成して、土壌粒子間に架橋を形成して固化
する作用を有する物質で、例えばセメント、石灰、また
はセメントの組成を一部変更してFe203 分、SO3 分等の
含有率を高めた変成セメント等である。
【0035】エトリンガイト生成物質としては石灰、セ
メント、変成セメント材からなる成分の中、1つの成分
または2つ以上の成分の混合物であることが好ましい。
【0036】この様な組成を有する加泥材は土砂を切
削、搬出した後埋め立て等に使用することにより処理す
る場合、土砂に適度な硬度を付与してその処理を容易に
すると共に、添加後の時間経過と共に土壌の内部にエト
リンガイトの針状結晶が成長して土壌を固化する作用を
有するため、強固な地盤を形成させることが出来る。
【0037】本発明による加泥材は掘削泥土の性状に応
じて任意の粒径、吸水倍率の製品を製造、供給すること
が可能である。現場調泥は、水と所定量の加泥材とを混
合するのみでよい。これによって現場における加泥材の
貯蔵量を大幅に軽減することが可能になり、装置の小型
化、作業の合理化が可能である。更に本発明による加泥
材は常に安定した加泥材としての性状を維持する為、加
泥材の管理及び掘削作業に大きく貢献することが出来
る。
【0038】従来から主として使用されている、ベント
ナイト、CMC 系の加泥材が掘削時の効果のみを期待する
のに対し、本発明による高吸水性樹脂、増量剤、増粘
剤、エトリンジャイト生成物質等で構成される加泥材
は、掘削後の脱水効果、固化効果をも併せ持つことを特
徴とするものである。ベントナイト、CMC 系加泥材を使
用した場合は掘削後の排泥に対して脱水剤、固化材等を
追加して添加し、排泥の性状を改善することが必要であ
る。
【0039】本発明の加泥材において、高吸水性樹脂に
含有させるその他の成分の含有率は特に限定せず、広範
囲の割合で使用できるが、樹脂に対して1〜70%程度が
好ましい。
【0040】また本発明の加泥材には更に増量剤とし
て、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等の難溶性無機
物を加えることが出来る。
【0041】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。
【0042】(実施例1、2、比較例1、2)濃度14%
のカセイソーダ水溶液233 部にイソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体((株)クラレ製イソバン−10 ) 100部
を加えて攪拌し、中和度0.6 の均一な水溶液を調製し
た。次いでこの水溶液に架橋剤として分子量が300 のポ
リエチレンイミン(日本触媒化学工業(株)製エポミン
5P-003)0.5 部及びセピオライト(近江鉱業(株)製ミ
ラクレーP80V)あるいはセメント系固化剤(秩父セメン
ト(株)製チチブEP-100)0〜50部を添加し充分混合し
た後、HLB が1.8 の油溶性界面活性剤(花王石鹸(株)
製レオドールSP-030)3.3 部を溶解した流動パラフィン
333 部に投入し、攪拌しながら温度95℃に5時間保ち、
水を充分蒸発させた。次いで固液分離後、ヘキサンで洗
浄し風乾することにより表1に示した吸水倍率を有する
高吸水性樹脂を得た。更にこれらの樹脂に表1に示した
成分を加えて、実施例1(A〜D)及び比較例1(E)
の球状組成物を調製した。
【0043】次にマレイン酸変成ポリビニルアルコール
部分ケン化物(マレイン酸変2モル%、重合度1700、鹸
化度98%) の12%水溶液からキャスティング法で厚さ0.
3mmのフィルムを調製し、前記組成物10g を包装した
〔実施例1(A〜D)及び比較例1(E)〕。
【0044】更に、組成物(A)及び(E)10g を、ポ
リビニルメチルエーテル15%水溶液を内面に塗布した直
方体の鋳型に投入し、加圧・乾燥して加泥材成型物を調
製した〔実施例2(A)比較例2(E)〕。
【0045】加泥材包装袋及び成型物は所定量の水中に
投入して、攪拌・混合すれば、全く粉塵を発生すること
なく、容易に均一な加泥材が調製出来た。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例3、4、比較例3、4)表1に示
した組成物(A〜E)1重量部を、無水マレイン酸変成
ポリビニルアルコール部分ケン化物フィルムの包装袋に
封入したもの〔実施例1(A〜D)及び比較例1
(E)〕、及び組成物(A、E)1重量部を、ポリビニ
ルメチルエーテルで処理した成型物〔実施例2(A)比
較例2(E)〕に、水100 重量部を加えて含水ゲルにし
たもののスランプ試験( JIS A 11019 ) を行った。
飽和湿潤標準砂7リットルに含水ゲル10%を添加したと
きのスランプ値を測定した。結果を表2に示す。
【0048】比較例3(E)及び4(E)は高い値を示
しているが、実施例3(A〜D)及び4(E)は全て適
正なスランプ値を示しており、適当な塑性流動性を有す
ることが分かる。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例5、6、比較例5、6)表1に示
した組成物(A〜E)1重量部に水100 重量部を加えて
含水ゲルとしたものを飽和湿潤標準砂7リットルに30%
添加したときの、一軸圧縮強度qu値(JIS A 1216)を測定
した結果を表3に示す。供試体はΦ5cm×10 cm のコア
ーに充填し、それぞれ材令3日及び7日後の強度を測定
した。比較例5(B′)は実施例5(B)で使用した加
泥材の成分の中、高吸水性樹脂成分を除去した組成物を
使用したものであり、比較例5(D′)は実施例5
(D)で使用した加泥剤の成分の中、高吸水性樹脂成分
を除去した組成物を使用したものである。
【0051】また、実施例6及び比較例6は組成物A及
びEをポリビニルメチルエーテルで処理した成型物を使
用したものである。
【0052】
【表3】
【0053】(実施例7)推進工法の現場で加泥材を調
製するため、調製槽に水200 l を注入した後実施例1
(A)の2Kg変成ポリビニルアルコールフィルム包装袋
を投入し、攪拌・混合した。約1分間で水中に分散し均
一な加泥材を調製することが出来た。
【0054】次に、実施例2(A)の2Kgポリビニルメ
チルエーテルで表面処理した成型物を調製槽に投入し
て、攪拌・混合した場合も同様に約1〜1.5 分間で水中
に分散し均一な加泥材を調製することが出来た。
【0055】
【発明の効果】本発明による加泥材は、冷水易溶性のフ
ィルム包装袋または冷水易溶性ポリマーで表面処理した
成型物になっているため、現場における調製が極めて容
易で、包装材を回収する必要がなく、包装袋のフィルム
または成型材は溶解して加泥材の一成分となり、増粘材
または増量材として作用するものである。
【0056】本発明の加泥材は、掘削時には高吸水性樹
脂が土の塑性流動化材としての効果を発現し、排泥時に
は吸水性樹脂の中に含有されている脱水剤、エトリンガ
イト生成物質の作用により、同時に土壌の性質を改良し
て埋め立て等に使用した場合強固な地盤を形成させるこ
とが出来る。
【0057】本発明の加泥材をシールド工法に適用すれ
ば、土砂の切削、その土砂の運搬・搬出及び更に排出し
た土壌を利用した新たな地盤の形成に至る迄、全工程に
わたる多目的効果を挙げることが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸水性樹脂及び、セピオライト、アタ
    パルジャイト、クレイ及びベントナイトからなる群より
    選ばれた、少なくとも1つの成分と、水溶性高分子化合
    物より成る組成物を、変成ポリビニルアルコール系化合
    物、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルローズ及び
    アルギン酸ソーダからなる群より選ばれた、少なくとも
    1つの成分よりなる水溶性フィルムで包装した加泥材。
  2. 【請求項2】 高吸水性樹脂及び、セピオライト、アタ
    パルジャイト、クレイ及びベントナイトからなる群より
    選ばれた、少なくとも1つの成分と、水溶性高分子化合
    物より成る組成物の表面を、変成ポリビニルアルコール
    系化合物、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロー
    ズ及びアルギン酸ソーダからなる群より選ばれた、少な
    くとも1つの成分よりなる水溶性物質で処理して成型し
    た加泥材。
  3. 【請求項3】 高吸水性樹脂が石灰、セメント、変成セ
    メント材からなる成分の中、少なくとも1つの成分を含
    有している請求項1及び2記載の加泥材。
  4. 【請求項4】 変成ポリビニルアルコール系化合物がカ
    ルボキシル変成で、鹸化度85%以上である請求項1及び
    2記載の加泥材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002038139A (ja) * 2000-07-26 2002-02-06 Komatsu Im Engineering Kk 推進工法用滑剤
CN115072408A (zh) * 2022-05-05 2022-09-20 杭州来宝得新材料科技有限公司 一种高效速干粒化剂的生产设备及其生产工艺
CN115400494A (zh) * 2022-10-01 2022-11-29 青岛澳波环保科技有限责任公司 一种乙醇汽油水探测型滤芯

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