JPH05247046A - 抗腫瘍性抗生物質bbm−2040aおよびbbm−2040bの全合成 - Google Patents

抗腫瘍性抗生物質bbm−2040aおよびbbm−2040bの全合成

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JPH05247046A
JPH05247046A JP4088431A JP8843192A JPH05247046A JP H05247046 A JPH05247046 A JP H05247046A JP 4088431 A JP4088431 A JP 4088431A JP 8843192 A JP8843192 A JP 8843192A JP H05247046 A JPH05247046 A JP H05247046A
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Abstract

(57)【要約】 [目的] ピロロベンゾジアゼピン抗生物質 BBM−
2040Aおよび BBM2040Bの化学合成法を提
供する。またその方法に用いる中間体硫黄含有化学物を
提供する。 [構成] ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−C]
[1,4]ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン誘導体
を五硫化りんまたは 2,4−ビス(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−
2,4−ジサルフアイドで処理し、次に低級アルキルハ
ライド又は低級アルコキソニウム塩で処理後任意に保護
茎を除去して、合成中間体として有用な 11−アルキ
ルチオ誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストレプトマイセス
Streptomyces)sp.菌株J576−9
9(ATCC 39143)と命名されたストレプトマ
イセスの菌株の醗酵によってのみ従来製造されていたピ
ロロ〔2,1−C〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−5−
オン抗腫瘍性抗生物質の新規な化学合成に関する。
【0002】本発明は式
【化22】 を有する2種のピロロベンゾジアゼピン抗生物質の全合
成に関する。
【0003】
【従来技術】これらの抗生物質は米国特許出願第40
1,469号(1982年7月26日出願)にストレプ
トマイセスsp・菌株J576−99(ATCC391
43)の醗酵ブロスから単離された旨開示されている。
BBM−2040抗生物質は使用した単離操作に従って
2種の異った形態AおよびBで醗酵ブロスから得られ
る。BBM−2040抗生物質は種々のグラム陽性およ
び耐酸性細菌の活性を阻害し、そしてまた哺乳動物腫瘍
例えばP388白血病(マウス)の生育を阻止する。
【0004】BBM−2040AおよびBのエピマーは
「シンポジウム・ペーパーズ・オブ・ザ・24・シンポ
ジウム・オン・ザ・ケミストリー・オブ・ナチュラル・
プロダクツ」(Symposium Papers o
f the 24th Symposium on t
he Chemistry of MaturalPr
oducts)(日本、大阪、1981年10月13−
16日):ペーパー#72、第552−559頁に開示
されている。このペーパー中の化合物31bおよび32
bは全合成操作により製造され、また次の構造を有して
いる。
【0005】
【化23】 BBM−2040抗生物質はアントラマイシン−ネオト
ラマイシン群抗生物質の成員である。この群の数種のも
のが科学文献に記載されている。抗腫瘍性抗生物質、ネ
オトラマイシン(neothramycin)Aおよび
ネオトラマイシンBが次の構造を有するとJ.アンタイ
バイオテイクス(J.Antibiotics)第29
巻、(1)、第93−96頁(1976年)および同
誌、第30巻、(4)、第340−343頁(1977
年)に記載されている。
【0006】
【化24】 抗生物質BBM−2040Bはそのヒドロキシ基の位置
においてネオトラマイシン類とは構造上相異っていると
いえる。抗腫瘍性抗生物質トメイマイシン(tomay
mycin)がJ.アンタイバイオテイクス、第25
巻、(8)、第437−444頁(1972年)および
ケム・フアルム・ブル(Chem.Pharm.Bul
l)、第19巻、(11)、第2289−2293頁
(1971年)にストレプトマイセス・アクロモゲネス
var.トメイミセテイクス(Streptomyc
es acyromogenesvar.tomay−
myceticus)の醗酵により得られる旨報告され
ている。 構造
【0007】
【化25】 を有するトメイマイシンはC−2位でのエチリデン基の
存在によりBBM−2040Aと区別することができ
る。抗腫瘍性抗生物質、プレトメイマイシン(pret
omay−micin)が構造
【化26】 を有するとJ.アンタイバイオテイクス、第25巻、第
437頁(1972年)に記載されている。プレトメイ
マイシンはC−2位のエチリデン基によりBBM−20
40Bとは区別することができる。
【0008】抗腫瘍性抗生物質、オキソトメイマイシン
(oxotomay−mycin)は次の構造を有する
とケム・フアルム・ブル、第19巻、第2289頁(1
971年)に記載されている。
【化27】 オキソトメイマイシンは2−エチリデン基の存在および
C−11でのカルボニル基の存在においてBBM−20
40抗生物質と異っている。
【0009】アントラマイシン群抗腫瘍性抗生物質の成
員中には、式
【化28】 を有するアントラマイシン(anthramycin)
があり、このものはJ.アム・ケム・ソク(J.Am.
Chem.Soc.)第87巻、第5791頁(196
5年)に記載され、式
【化29】 を有するマゼトラマイシン(mazethramyci
n)がJ.アンタイバイオテイクス、第33巻、
(6)、第665−667頁(1980年)に記載さ
れ、また式
【化30】 を有するシビロマイシン(sibiromycin)が
J.アンタイバイオテイクス、第27巻、(11)、第
866−873頁(1974年)および同誌第25巻、
(11)、第668−673頁(1972年)に記載さ
れている。アントラマイシン、トメイマイシンおよびシ
ビロマイシンの広汎な比較検討は、J.アンタイバイオ
テイクス、第30巻、(5)、第349−370頁(1
977年)にみられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】アントラマイシンの全
合成操作は、J.アム.ケム.ソク、第90巻、第56
41−5643頁(1968年)およびJ.ケム.ソ
ク.、ケム.コミユン(J.Chem.Soc.,Ch
em.Commun.)、第741−742頁(198
2年)に記載されている。ケム・フアルム・ブル、第1
9巻、第2289−2293頁(1971年)には次の
反応工程が開示されている。
【0011】
【化31】 上記の工程は、C−8ヒドロキシ基を保護するのにエチ
ル基を使用する以外は、本発明の方法の工程(1)、
(2)、(3)および(5)と実質的に同一である。こ
の保護基は容易に除去されないので、得られる方法はB
BM−2040抗生物質を製造するのに使用するには適
当ではない。この文献はアミド生成物を更にカルビノー
ルアミン生成物例えばBBM−2040Aに変換するこ
とについて何等の示唆もしていない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、容易に
入手し得る出発物質からピロロベンゾジアゼピン抗生物
質、BBM−2040AおよびBを化学的に合成する新
規な方法が提供される。この方法は、これらの有用な抗
腫瘍性抗生物質を製造するのに従来使用されていた微生
物学的方法に代る全合成を提供するものである。
【0013】前述の如く、BBM−2040抗生物質は
使用する単離操作に基いて2種の異った形態で単離され
ている。メタノールを単離操作で溶媒として使用すると
きは、生成物はメタノール付加物形態(BBM−204
0A)で採取されるが、メタノールの不存在下ではデス
メタノール(desmethanol)形態(BBM−
2040B)が得られる。BBM−2040Aをピリジ
ンで処理することにより、このものは容易にBBM−2
040Bの形態に変換することができる。従って、本発
明の全合成では初めにBBM−2040Aが生成される
が、本発明はBBM−2040AおよびB両者の生成を
包含する。それはA形態がピリジン処理の追加工程によ
り容易にB形態に変換することができるからである。
【0014】本発明の方法は、 (1)トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの低級
アルキルエステルを式
【化32】 (式中Rは通常のフェノール性ヒドロキシ保護基であ
る)を有する酸のアシル化性誘導体と不活性溶媒中でカ
ップリングさせて式
【化33】 (式中Rは低級アルキルであり、そしてRは先の定義
のとおりである)を有する中間体を生成させ;
【0015】(2)中間体(III)のニトロ基を選択
的に還元して式
【化34】 (式中R’は水素または通常のフェノール性ヒドロキシ
保護基であり、そしてRは先の定義のとおりである)
を有する中間体を生成させ; (3)中間体(IV)を不活性溶媒中で加熱することに
よりまたは水性酸で処理することにより閉環させて式
【化35】 (式中R’は先の定義のとおりである)を有する中間体
を生成させ;
【0016】(4)中間体(V)中のR’が水素である
場合中間体(V)を式
【化36】 (式中R”は通常のフェノール性ヒドロキシ保護基であ
る)を有する相当する中間体に変換し; (5)通常のフェノール性ヒドロキシ保護基で保護され
たC−8ヒドロキシ基を有する中間体(V)または(V
a)のC−2ヒドロキシ基を酸化して式
【化37】 (式中R’’’はR’またはR”である)を有する中間
体を生成させ;
【0017】(6)中間体(VI)のC−2ケト基を選
択的に還元して式
【化38】 (式中R’’’は先の定義のとおりである)を有するC
−2α−ヒドロキシ異性体を生成させ; (7)中間体(VII)を式
【化39】 (式中Rは通常のヒドロキシ保護基であり、そして
R’’’は先の定義のとおりである)を有する相当する
中間体に変換し;
【0018】(8)アミド中間体(VIII)を五硫化
りんまたは2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−
1,3−ジチア−2,4−ジホスフエタン−2,4−ジ
サルフアイドと不活性有機溶媒中で反応させて式
【化40】 (式中RおよびR’’’は先の定義のとおりである)
を有するチオアミド中間体を生成させ; (9)中間体(IX)を不活性有機溶媒中塩基の存在下
で低級アルキルハライドまたは低級アルコキソニウム塩
と反応させて式
【化41】 (式中Rは低級アルキルであり、そしてRおよび
R’’’は先の定義のとおりである)を有するチオイミ
ノエーテル中間体を生成させ;
【0019】(10)中間体(X)のC−2およびC−
8ヒドロキシ保護基を随意除去して式
【化42】 (式中Rは先の定義のとおりである)を有する中間体
を形成させ; (11)不活性溶媒中で中間体(XI)または中間体
(X)のチオイミノエーテル部分を選択的に還元して式
【化43】 (式中R、RおよびRは先の定義のとおりである)
を有するチオカルビノールアミン中間体を生成させ;そ
して
【0020】(12)中間体(XII)または(XI
I’)をメタノール中で水銀塩と反応させて式
【化44】 (式中RおよびR’’’は先の定義のとおりである)
を有するカルビノールアミン生成物を生成させ;そし
て、得られる生成物が式(I’)の化合物である場合、
中間体(I’)からヒドロキシ保護基Rおよび
R’’’を除去して所望の脱保護基された生成物(I)
を生成させ;そして、所望により、該抗生物質をピリジ
ンで処理して式
【化45】 を有する相当するデスメタノール形態の抗生物質を形成
させる各工程からなることを特徴とする。
【0021】好ましい態様は工程(8)乃至(12)を
包含する。それはこれらの工程はピロロ〔1,4〕ベン
ゾジアゼピン化合物中のアミド官能基をカルビノールア
ミン官能基に転換する新しい方法を包含しているからで
ある。本発明の別の特徴によれば、式(IX)、(X)
および(XI)を有する新規な中間体およびそれらの合
成方法が提供される。好ましい方法の態様は、中間体
(IX)の製造のための上記全合成の反応工程(8)、
中間体(X)の製造のための反応工程(9)および中間
体(XI)の製造のための工程(10)を包含する。
【0022】上記の方法を詳述するに、工程(1)はト
ランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの低級アルキル
エステルと式
【化46】 (式中Rは通常のフェノール性ヒドロキシ保護基を示
す)を有する酸のアシル化誘導体との間のアミド結合カ
ップリング反応を包含する。トランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンの低級アルキルエステルは任意のC
アルキルエステルであってよい。このようなエステ
ルは標準のエステル化操作によりトランス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンから製造することができる。例え
ば、メチルエステルはアミノ酸をメタノール性HClで
処理することにより製造することができる。
【0023】ヒドロキシ保護安息香酸(II)は既知の
方法に従って製造することができる。例えば、ヒドロキ
シ保護基がp−ニトロベンジルである酸(III)は
J.アンタイバイオテイクス、第30巻、(4)、第3
41−342頁(1977年)に記載の如くバニリン酸
から製造することができる。公知の操作を多少変更し
て、同一の酸を、まずp−ニトロベンジルブロマイドと
反応させてフェノール性ヒドロキシ基を保護し、次に−
78〜0℃、好ましくは−50乃至−60℃で濃硝酸、
硝酸アセチル、または四フッ化ホウ酸ニトロニウムでニ
トロ化することによりバニリン酸から製造することがで
きる。他のヒドロキシ保護酸は同様に製造することがで
きる。保護基Rは使用されるニトロ化およびカップリン
グ条件に対して安定である任意の通常のヒドロキシ保護
基であってよい。例えば、このものはエーテル例えばp
−ニトロベンジルまたはo−ニトロベンジルあるいはエ
ステル例えばアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾ
イルまたはp−トルエンスルホニルであってよい。その
他の適当なフェノール性水酸基保護基ならびにその導入
および除去方法の例は、例えば、「プロテクテイブ・グ
ループズ・イン・オーガニック・ケミストリー」(Pr
otective Groups in Organi
c Chemistry)、T.W.グリーン(Gre
ene)編、ウイレイ−インターサイエンス(Wile
y−Interscience)、ニューヨーク、19
81年の第3章に開示されている。
【0024】アミノ酸エステルと酸(III)とのカッ
プリングを実施するには、該酸をまずペプチド合成で使
用される通常のアシル化操作の一つで活性化しなければ
ならない。例えば、酸をアシル化誘導体例えば酸ハライ
ド(特に酸クロライド)、混合酸無水物(例えば、ピバ
リン酸またはハロホルメート例えばクロロギ酸エチルも
しくはイソブチルで形成される酸無水物)あるいは活性
化エステルに変換することができる。アシル化はまた縮
合剤例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニ
ルジイミダゾール、N−エトキシ−カルボニル−1−エ
トキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)または
イソキサゾリウム塩の存在下に遊離酸(III)の使用
によって行うこともできる。本文で使用される式(II
I)の酸の「アシル化誘導体」なる用語は例えば上記の
ような縮合剤の存在下の遊離酸それ自体を包含してい
る。好ましいアシル化誘導体は、例えば遊離酸とチオニ
ルクロライドまたは五塩化りんとの反応により形成され
る酸クロライドである。その他のアシル化誘導体および
アシル化カップリング操作は例えば「ザ・ペプチド」
(The Peptides)、E.シュロダー(Sc
hroder)およびK.リュブケ(Lubke)編、
アカデミック・プレス(Academic Pres
s)、ニューヨーク、第1巻、第77頁以下に開示され
ている。
【0025】アシル化カップリング反応のために選択さ
れる特別な方法条件、温度、溶媒、反応時間等は使用す
るアシル化方法の性質によって定められ、当業者に既知
である。一般に、酸受容体例えば有機3級アミン例えば
トリエチルアミンの存在下にカップリングを実施するの
が有用である。不活性水性または非水性溶媒を使用する
ことができる。適当な非水溶媒の例には、ジオキサン、
ハロゲン化炭化水素(例えばメチレンクロライド、クロ
ロホルム)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等が
包含される。
【0026】中間体(III)を生成するカップリング
工程(1)に次いで、中間体(III)のニトロ基を貴
金属触媒を用いる接触水添あるいは化学的還元によりア
ミノ基に還元する。接触水添のために、触媒例えばPd
−C、PtO、Rh−Cおよびラネーニッケルを溶媒
を共に利用することができ、溶媒は低級アルコール(す
なわちC−Cアルコール)、酢酸エチル、酢酸等で
ある。水素圧は1−50psiであり、そして温度は0
−50℃である。化学的還元には、酸、硫化ナトリウム
またはナトリウムジチオナイトを伴う鉄または亜鉛を溶
媒と共に使用し得る。溶媒は例えば低級アルコール、水
性テトラヒドロフランまたは水性ジオキサンである。
【0027】工程(3)は得られたアミノ中間体(I
V)を閉環してラクタム中間体(V)を形成させること
を包含する。これは(IV)を不活性有機溶媒例えばベ
ンゼン、トルエンもしくはクロロベンゼン中で50〜1
50℃に加熱するかまたは(IV)を水性酸で処理する
ことにより実施することができる。閉環の前者のタイプ
はケム・フアルム・ブル、第19巻、第2289−22
93頁(1971年)に、また後者のタイプはJ.ア
ム.ケム.ソク、第90巻、第5641頁(1968
年)に記載されている。
【0028】ニトロ基還元工程(2)において、フェノ
ール性ヒドロキシ保護基は脱離して遊離ヒドロキシ基を
発生させる。例えば、p−ニトロベンジルおよびo−ニ
トロベンジルのような基は接触水添で脱離される。この
場合、8−OH基を通常のフェノール性ヒドロキシ保護
基例えばアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイ
ル、p−ニトロベンゾイル、または温和な塩基で除去し
得るビニルオキシカルボニルまたはフルオライドイオン
で除去し得るトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシ
リルまたはジフェニルメチルシリルで再保護することが
必要である。好ましくは、C−8ヒドロキシ基を通常の
アシル化剤例えば酸クロライドもしくは酸無水物1−
1.5当量および塩基1−1.5当量により選択的にア
シル化する。塩基としてピリジン、トリエチルアミンお
よび水素化ナトリウムを使用し得る。好ましい試薬系は
アシル化剤としてベンゾイルクロライド(1,1当
量)、塩基としてNaH(1.1当量)そして溶媒とし
てジメチルホルムアミドである。C−8ヒドロキシ基の
他の好ましい保護基は低級オルガノシリルエーテルであ
る。本文で使用される「低級」なる用語はC−C
素を称する。シリル化のための好ましい塩基はイミダゾ
ールまたはトリエチルアミンであり、またジメチルホル
ムアミドが好ましい溶媒である。アシル化およびシリル
化共に約0℃乃至室温で実施することができる。フェノ
ール性ヒドロキシ保護基は工程(5)乃至(9)の反応
条件に抵抗し得るように選択される。ある種のフェノー
ル性ヒドロキシ保護基例えばアシルは還元工程(2)で
脱離されず、この場合中間体(V)を工程(5)によっ
て直接酸化してもよい。
【0029】工程(5)で、中間体(V)(フェノール
性ヒドロキシ保護基が除去されていないとき)または中
間体(Va)を酸化して2−ケト基を有する中間体(V
I)を生成させる。C−2ヒドロキシ基の酸化は、例え
ばジョーンズ試薬、ピリジニウムクロメート、ジメチル
スルホキサイド−トリフルオロ酢酸無水物またはジメチ
ルサルフアイド−N−クロロサクシンイミドのような酸
化剤を用いる周知の操作に従って実施することができ
る。反応温度は使用した試薬に基いて約−30℃乃至+
30℃であり得る。不活性有機溶媒例えばアセトンまた
はハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド)を使
用する。工程(6)において、中間体(VI)の2−ケ
ト基を標準条件下に金属水素化物還元剤を用いて選択的
に還元する。金属水素化物は水素化ホウ素ナトリウム、
水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化トリ−sec−
ブチルホウ素カリウム、水素化トリ−sec−ブチルホ
ウ素リチウム等であってよい。溶媒は例えば低級アルコ
ール、ジオキサンまたはテトラヒドロフランであってよ
い。反応温度は約0℃乃至50℃であり、好ましくは室
温である。還元剤の1−1.5当量を好ましくは使用す
べきである。還元の過程で形成され得るC−2β−ヒド
ロキシ異性体は副生成物としてクロマトグラフィーで除
去することができる。
【0030】工程(7)において、所望のC−2α−ヒ
ドロキシ異性体(VII)のC−2ヒドロキシ基は中性
もしくは微塩基性条件下で除去し得る通常のヒドロキシ
保護基で保護される。好ましい保護基はアシルまたはオ
ルガノシリル基例えば工程(5)で記載されたような基
である。大過剰のアシル化剤もしくはシリル化剤は避け
るべきである。それはこれらの剤がN−10アミド基を
アシル化もしくはシリル化することがあるからである。
最も好ましい保護基はアルコール(VII)を無水酢酸
によりアシル化することにより導入されるアセチルであ
る。その他の適当な保護基およびその導入、除去方法は
文献、例えば「プロテクテイブ・グループズ・イン・オ
ーガニック・ケミストリー」、T.W.グリーン編、ウ
イレイ−インターサイエンス、ニューヨーク、1981
年、第2章に記載されている。
【0031】ピロロ〔1,4〕ベンゾジアゼピン化合物
例えば中間体(VIII)のアミノ官能基をカルビノー
ルアミン基(例えばBBM−2040A中)に変換する
ことはこれまで文献に報告されていない。従って、全方
法の残りの工程、すなわち工程(8)乃至最終生成物B
BM−2040AおよびBの製造は本発明の好適な態様
を構成する。工程(8)はアミド中間体(VIII)を
チア化(thiation)してチオアミド中間体(I
X)を形成させることを包含する。チア化は、不活性有
機溶媒例えばベンゼン、トルエン、ジオキサン、等中で
(VIII)を五硫化りんまたは2,4−ビス(4−メ
トキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフ
エタン−2,4−ジサルフアイド〔ロウソン試薬(La
wesson’s reagent)〕と反応させるこ
とにより実施される。チア化試薬対アミド(VIII)
のモル比は約0.5〜1.0でなければならず、好まし
くは0.5である。反応温度は約50−150℃であ
る。最も好ましいチア化試薬はロウソン試薬である。
【0032】工程(9)において、チオアミド中間体
(IX)を低級アルキルハライドまたは低級アルコキソ
ニウム塩で不活性有機溶媒(例、テトラヒドロフラン、
メチレンクロライド等)中でアルキル化してチオイミノ
エーテル中間体(X)を形成させる。好ましい試薬−溶
媒系はテトラヒドロフラン中のヨウ化メチル(1〜5当
量)またはメチレンクロライド中のトリエチルオキソニ
ウムテトラフルオロボレート(1〜1.5当量)であ
る。アルキル化反応は典型的には無機塩基(5〜10当
量)例えばKCOまたはNaHCOの存在下に約
0℃乃至室温で実施される。中間体(X)が形成された
後、C−2およびC−8ヒドロキシ保護基は標準操作に
より開裂することができる。例えば、保護基が共にアシ
ル基であるときは、これらの基は温和な塩基例えばメタ
ノール性KCOまたは希NaOH水溶液で脱離させ
ることができる。同様に、保護基がオルガノシリル基で
あるときは、これらの基はフルオライド塩例えばテトラ
−n−ブチルアンモニウムフルオライドで開裂すること
ができる。チオイミノエーテル中間体は比較的不安定で
あるので、脱保護反応は室温以下、好ましくは約0℃で
実施しなければならない。中間体(X)がアシル基およ
びオルガノシリル基双方を含有しているときは、保護基
は上述した試薬を用いて段階的な方式で除去することが
できる。全工程のこの段階でヒドロキシ保護基を除去す
る代りに、直接還元工程(11)および次の工程に進む
ことができ、そして工程(11)または(12)のいず
れか一方の後で脱保護工程を実施することができる。し
かし、(12)は中間体(XII)または(XII’)
を単離することなく好都合に実施することができるの
で、すなわち工程(11)および(12)は「一挙」反
応で行われるので、還元工程(11)の前あるいは工程
(12)でのカルビノールアミン(I)の形成後脱保護
を実施するのが最も好都合である。
【0033】工程(11)において、ヒドロキシ保護中
間体(X)または脱保護中間体(XI)を不活性溶媒中
で選択的に還元して相当するチオカルビノールアミン中
間体(XII’)または(XII)とする。この還元工
程は好ましくは水性エーテル例えばジエチルエーテル、
テトラヒドロフランまたはジオキサン中アルミニウムア
マルガム約1−12当量との反応により実施される。反
応は約−5℃乃至室温で実施することができるが、好ま
しい温度は約0℃である。還元はまた10%HClO
水溶液およびハロ炭化水素(例、CHCl、CHC
等)の2相混合物でPbO電極を用いて電気化学
的に実施することもできる。電解還元は10−20mA
/cmの電流密度で約0−50℃で行われる。チオカ
ルビノールアミン中間体(XII’)また(XII)が
形成された後、中間体のアルキルチオ基を、メタノール
中の水銀塩(例、HgCl、HgSO、Hg(CH
COO)、HgBr等)約0.5−1当量で混合
物を処理することにより、メトキシ基で置換する。交換
反応(12)は約−10℃乃至+30℃、好ましくは約
0℃で行われる。工程(12)の終りで、ヒドロキシ保
護基がなお存在しているときは工程(10)の如く生成
物を脱保護する。本発明の方法ではメタノール付加物形
態の抗生物質BBM−2040が直接生成される。しか
し、デスメタノール(desmethanol)形態が
所望されるときは、追加の工程を実施することができ、
この工程ではBBM−2040A抗生物質をほぼ3時間
ピリジンに溶解する。ピリジン処理は実質的に全てのメ
タノール付加物形態をデスメタノール形態に変換するこ
とがわかる。
【0034】本発明によって生成されるBBM−204
0AおよびB抗生物質は次の物理的性質を有している:物理化学的性質 BBM−2040AおよびBBM−2040Bはメタノ
ール、エタノール、n−ブタノールおよびピリジンに易
溶であり、酢酸エチル、アセトンおよび水に微溶であり
そしてベンゼン、クロロホルムおよびn−ヘキサンに実
際上不溶である。両形態の抗生物質は、塩化第二鉄、ラ
イドン−スミス(Rydon−Smith)およびニン
ヒドリン(弱い褐色を帯びた桃色)試薬では陽性反応を
示し、坂口、エールリッヒ(Ehrlich)およびア
ンスロン反応には陰性である。分子式C1416
およびC1314が、13C−NMRお
よび質量スペクトルデータならびに微量分析に基いて、
それぞれBBM−2040AおよびBに指定された。B
BM−2040AおよびBの物理化学的性質を表1、2
および3に要約する。BBM−2040AおよびBのI
Rスペクトル(KBrペレット)は第1図および第2図
に示す。
【0035】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 BBM−2040AのPMRスペクトル(第3図、60
MHz、ピリジン−d)は2個のOCH基(δ:
3.30および3.75ppm)、1個の高磁場メチレ
ン基(δ:2.1ppm)、δ:3.9−4.8ppm
近辺に5個のプロトンおよび2個の芳香族プロトン
(δ:6.82および8.10ppm)を、1個のNH
(δ:7.84ppm)および2個のOH(δ:6.2
および11.50ppm)シグナルと共に、包括してい
る。BBM−2040BのPMRスペクトルはBBM−
2040Aでみられた高磁場OCHおよびNHプロト
ンの信号を欠除している。一方、BBM−2040Bの
スペクトルには二重結合プロトン(δ:8.24pp
m)が存在している。上記のBBM−2040Aおよび
Bの物理化学的性質は、1,4−ベンゾジアゼピン群抗
生物質ネオトラマイシンおよびトメイマイシンのそれら
に類似している。しかしながら、これら抗生物質はその
TLC挙動(表4)およびPMRスペクトルで容易に区
別される。BBM−2040AおよびBは検討した3種
のTLC系では差異を認めることができない。
【0036】
【表5】 BBM−2040AおよびBの生物学的性質 前述の如く、BBM−2040AおよびBは種々の細菌
および哺乳動物腫瘍の生育を阻止する。抗生物質の生物
学的性質を更に詳しく以下に記述する。BBM−204
0の最小阻止濃度(MIC)を連続2倍寒天希釈法によ
り種々のグラム陽性、グラム陰性および酸性細菌につい
て測定した。グラム陽性およびグラム陰性菌については
栄養寒天培地を使用し、また抗酸菌についてはNo.1
001培地(3%グリセロール、0.3%L−グルタミ
ン酸ナトリウム、0.2%ペプトン、0.31%Na
HPO、0.1%KHPO、0.005%クエン
酸アンモニウム、0.001%MgSOおよび1.5
%寒天)を使用した。表5に示したように、BBM−2
040AおよびBはストレプトコッカ・ピオゲネス(S
treptococcus pyogenes)、ミク
ロコツカス・ルテウス(Micrococcuslut
eus)、ミクロコツカス・フラバス(Microco
ccusflavus)およびマイコバクテリウム(
ycobacterium)菌株に対して弱い抗菌活性
を示した。BBM−2040の抗菌スペクトルはネオト
ラマイシンのそれに類似している。BBM−2040は
100mcg/mlの濃度までは溶原細菌でプロフアー
ジを誘起しない。
【0037】
【表6】 BBM−2040AおよびBの抗腫瘍活性をマウス(B
DF株)でリンパ球性白血病P388に対して測定し
た。各マウスに腹腔内で腫瘍10細胞を接種した。腫
瘍移殖後24時間で段階付け投与量の供試化合物をマウ
スに腹腔内投与した。処置は9日間1回/日(qd1→
9スケジュール)行った。ネオトラマイシンを対照化合
物として比較試験した。結果を表6に示す。BBM−2
040Aおよびネオトラマイシンはこれらの実験で同じ
く有効であったが、BBM−2040BはBBM−20
40Aよりも若干活性が劣っていた。BBM−2040
AおよびBの急性毒性をマウス(ddY株)で単独腹腔
内投与により測定した。LD50はそれぞれ34mg/
Kgおよび57mg/Kgであった。ネオトラマイシン
の腹腔内LD50は20−30mg/Kgであると報告
されている。
【0038】
【表7】 BBM−2040Aの抗腫瘍活性はまた第二の実験で実
証された。この実験では、BBM−2040Aを、ネオ
トラマイシンおよびBBM−2040Aの2β−ヒドロ
キシエピマーと比較して、P388白血病について試験
した。リンパ球性白血病P388を接種量10細胞/
マウスで雄BDFマウスに腹腔内移殖した。供試化合
物を10%ジメチルスルホキサイドを含む0.9%生理
食塩水に溶解した。段階付投与量の供試化合物を腫瘍移
殖後24時間に腹腔内でマウスに投与し、そして処置を
9日間一回/日で続けた。実験結果を表7に示す。BB
M−2040Aおよびネオトラマイシンは同じく有効で
あったが、BBM−2040Aの2β−ヒドロキシエピ
マーは供試最大投与量1mg/Kg/日で無効であっ
た。
【0039】
【表8】 上掲の如く、BBM−2040AおよびBは種々のグラ
ム陽性菌および抗酸菌に対して抗菌活性を有し、それ故
にかかる菌で生じる感染疾患に対して哺乳動物および他
の動物を治療的に処置するのに有用である。更に、これ
らの抗生物質はその他の通常の抗菌剤としての適用例例
えば医療および歯科機器に利用することができる。マウ
スにおけるP388白血病に対する顕著な抗腫瘍活性か
ら、BBM−2040AおよびBは哺乳動物の腫瘍の生
育を阻止するのに治療上有用である。BBM−2040
AおよびB化合物は製薬組成物としてすなわち不活性の
製薬上許容し得る担体または希釈剤と有効な抗菌もしく
は腫瘍阻止量のBBM−2040AまたはBとの組合せ
で使用するのが好ましい。これらの組成物は非経口投与
に適した任意の製薬形態で調製することができる。
【0040】非経口投与のための製剤には無菌の水性ま
たは非水性溶液、懸濁液あるいは乳濁液が包含される。
これらの製剤はまた使用直前無菌の水、生理食塩水また
は数種の他の無菌注射可能な媒質に溶解し得る無菌固形
組成物の形態で製造することができる。BBM−204
0抗生物質の好ましい実際の使用量は、処方される特別
な組成物、適用の様式おまよび特別な部位、処置される
宿主および疾病によって変ることが明らかである。薬物
の活性を変更する多くの因子は当業者が考慮することが
でき、例えば年令、体重、性別、食事、投与の時期、投
与経路、排泄率、宿主の条件、薬物の組合せ、反応感受
性および疾病の程度があげられる。投与は最大許容用量
の範囲内で連続してまたは定期的に行うことができる。
所定の条件のための最適の適用率は上記のガイドライン
に鑑み通常の適用量投与試験を用いて当業者が確定する
ことができる。
【0041】以下の実施例は本発明を限定するものでは
なく、例示を企図するものである。以下に記載の融点は
トーマス−フーバー(Thomas−Hoover)毛
細管装置で測定され、未補正である。NMRスペクトル
は内部標準としてテトラメチルシランを用いてバリアン
(Varian)XL−100またはブリュッカー(B
rucker)WM360分光計で得られた。IRスペ
クトルはベックマン(Beckman)4240分光光
度計で得られた。質量スペクトルは直接導入試料により
デュポン(DuPont)DP−102で記録した。旋
光測定値はパーキン−エルマー(Perkin−E1m
er)241MC旋光計で測定した。高分解能質量スペ
クトルはミシガン、デトロイトのシュレイダ・ラボラト
リー(Schrader Laboratories)
で測定された。
【0042】実施例1 2(S),11(R),11a(S)−1,2,3,1
0,11,11a−ヘキサヒドロ−2,8−ジヒドロキ
シ−7,11−ジメトキシ−5H−ピロロ〔2,1c〕
−〔1,4〕ベンゾジアゼピン−5−オン(BBM−2
040A)
【化47】
【0043】実施例1 BBM−2040Aの製造 A.N−〔5−メトキシ−2−ニトロ−4−(4−ニト
ロベンジルオキシ)ベンジル〕−トランス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンメチルエステル(4)
【化48】 酸(3)〔J.アンタイバイオテイクス(J.Anti
biotics)、第29巻、第93−96頁、197
6年〕(5.25g、15mモル)およびチオニルクロ
ライド(2.86g、24mモル)をテトラヒドロフラ
ン(THF)80m1中で2時間還流させた。溶媒およ
び過剰の試薬を減圧下に除去し、そして残渣をTHF5
0mlに再溶解した。別途、トランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンメチルエステル(2.725g、14m
モル)をトリエチルアミン3.39gを含むCHCl
の50mlに溶解し、そしてこの溶液を−20℃に冷
却した。上述の如くして製造した酸クロライド溶液をこ
の溶液に滴加した。−20℃で30分かくはんした後、
反応混合物をCHClで希釈し、そして5%HCl
溶液および塩水で洗浄した。NaSOで乾燥しそし
て溶媒を除去すると、油が7.20gが得られた。この
物質をシリカゲルでクロマトグラフィーを行って(3%
CHOH−CHCl)()6.00g(84%
収率)が泡状物として得られた。
【0044】
【数1】 B.2(R),11a(S)−1,2,3,10,1
1,11a−ヘキサヒドロ−2,8−ジヒドロキシ−7
−メトキシ−5H−ピロロ〔2.1−c〕−1,4−ベ
ンゾジアゼピン−5,11−ジオン()──────
─────────────────
【化49】 酢酸エチル120mlおよびCHOH40ml中のニ
トロ化合物()(4.40g、9.26mモル)を5
%Pd付き炭素1gの存在下に水素20psiで水素添
加した。パル(Parr)装置で3時間振とうした後、
混合物をセライト(CELITE)で濾過し、そして溶
媒を減圧で蒸発させた。残渣をトルエンに溶解し、3時
間還流させた。生成物が冷却すると析出し、濾集した。
【0045】
【数2】 C.2(R),11a(S)−1,2,3,10,1
1,11a−ヘキサヒドロ−8−ベンゾイルオキシ−2
−ヒドロキシ−7−メトキシ−5H−ピロロ〔2,1−
c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−5,11−ジオン
)──────────────────────
─────────
【化50】 ジメチルホルムアルデヒド(DMF)(20ml)をN
aH(262mg、11mモル)とフェノール中間体
(2.78g、10mモル)との混合物に加え、そして
得られた溶液を室温で1時間かくはんした。ベンゾイル
クロライド(1.55g、11mモル)を−20℃で加
え、そして更に1時間かくはんを続けた。次にDMFを
減圧で除去し、残渣に水10mlを加えた。形成した沈
殿を濾集し、10%CHOH−CHClに溶解し
た。NaSOで乾燥し、そして溶媒を除去するとベ
ンゾエート中間体()の3.82g(100%収率)
が得られた。
【0046】
【数3】 D.11a(S)−1,2,3,10,11,11a−
ヘキサヒドロ−8−ベンゾイルオキシ−7−メトキシ−
5H−ピロロ〔2,1−c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピ
ン−2,5,11−トリオン(
【化51】 アルコール中間体()(3.82g、10mモル)を
アセトン150mlに溶解し、そして室温で3.5時間
ジョーンズ(Jones)試薬7mlで処理した。セラ
イトをもって濾過した後、溶媒を減圧で除去した。残渣
をCHClに溶解し、そして塩水で洗った。MgS
で乾燥し、そして溶媒を除去すると、微黄色固体
)3.15g(83%収率)が得られた。分析用試
料をCHCl−エーテルからの再結晶により調製し
た。
【数4】
【0047】E.2(S),11a(S)−1,2,
3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−8−ベンゾイ
ルオキシ−2−ヒドロキシ−7−メトキシ−5H−ピロ
ロ〔2,1−c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−5,1
1−ジオン()─────────────────
──────■───────
【化52】 ケトン中間体()(380mg、1mモル)をエタノ
ール16mlおよびCHCl10mlに溶解した。
NaBH(11mg、0.3mモル)を−20℃で加
え、そして得られた溶液を該温度で30分間かくはんし
た。10%HCl溶液を加えた後、反応混合物をCH
Clで希釈し、そして塩水で洗った。NaSO
乾燥し、そして溶媒を除去すると、無色の油が得られ、
このものはエピマーアルコール()および()の混
合物であり、後者の方が主力であった。これらのものは
中間体液体クロマトグラフィー(MPLC)(シリカゲ
ル、5%CHOH−CHCl)により分離し、そ
して標記化合物(237mg、62%収率)をCH
−エーテルから結晶化させた。
【数5】
【0048】F.2(S),11a(S)−1,2,
3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−2−アセトキ
シ−8−ベンゾイルオキシ−7−メトキシ−5H−ピロ
ロ〔2,1−c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−5,1
1−ジオン()─────────────────
──────────────
【化53】 アルコール中間体()(203mg、0.53mモ
ル)をピリジン0.5mlに溶解し、そしてCHCl
5mlで希釈した。無水酢酸(0.1ml、1.05
mモル)を加え、得られた溶液を室温で一夜かくはんし
た。追加の無水酢酸(0.30ml、0.32mモル)
を加え、そして室温で6時間かくはんを続けた。溶媒お
よび過剰の試薬を減圧で除去した。残渣をCHCl
に溶解し、そして10%HCl溶液で洗った。Na
で乾燥しそして溶媒を除去すると、無色ガラス状物
が得られた。クロマトグラフィー分離(シリカゲル、
1.5%CHOH−CHCl)および再結晶(C
Cl−エーテル)すると標記化合物121mgが
得られた。
【数6】 副生成物はO,N10−ジアセチル化生成物であるこ
とが判り、そしてこの物を飽和NaHCO溶液で処理
すると更に標記化合物が得られた。この物および上記再
結晶からの母液を合すると追加の物49mgが得られた
(総収量=170mg、76%)。
【数7】
【0049】G.2(S),11a(S)−1,2,
3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−2−アセトキ
シ−8−ベンゾイルオキシ−7−メトキシ−5H−ピロ
ロ〔2,1−c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−5−オ
ン−11−チオン(10)─────────────
─────────────────────
【化54】 ベンゼン25ml中のアミド中間体()(240m
g、0.57mモル)および2,4−ビス(4−メトキ
シフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフエタ
ン−2,4−ジサルフアイド〔ロウソン(Lawess
on’s)試薬〕126mg(0.31mモル)の溶液
をNのもとで30分間還流させた。ロウソン試薬を追
加して126mgを加えた後、30分間還流した。溶媒
を蒸発して得られた残渣をシリカゲルでクロマトグラフ
ィーを行うと(0.5%CHOH−CHCl)標
記化合物170mg(68%収率)が得られた。分析用
試料はCHCl−エーテルからの再結晶により調製
した。
【数8】
【0050】H.2(S),11a(S)−1,2,
3,11a−テトラヒドロ−2,8−ジヒドロキシ−1
1−メチルチオ−7−メトキシ−5H−ピロロ〔2,1
−c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−5−オン(11
─────────────────────────
──────
【化55】 THF5ml中のチオアミド(10)(113mg、
0.257mモル)、ヨウ化メチル(73mg、0.5
14mモル)およびKCO(142mg、1.03
mモル)の混合物を室温で一夜かくはんした。反応混合
物をセライトにより濾過し、そして溶媒を除去すると泡
状物130mgが得られた。この物を0℃でKCO
で飽和したCHOH5mlに溶解した。0℃で1時間
かくはんした後、溶液を0.1NHCl溶液で慎重に中
和した。溶媒減圧で蒸発させた後、残渣を10%CH
OH−CHClで抽出すると標記化合物79mg
(100%収率)が得られた。
【数9】
【0051】I.2(S),11(R),11a(S)
−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−
2,8−ジヒドロキシ−7,11−ジメトキシ−5H−
ピロロ−〔2,1−c〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−
5−オン(BBM−2040A)
【化56】 チオイミノエーテル(11)(72mg、0.23mモ
ル)をTHF10mlおよび飽和KHPO溶液1m
lに溶解した。ケック(Keck)等の方法(1)で製
造したアルミニウムアマルガム(アルミニウム箔62m
g、2.3mモル)を0℃で加えた。得られた混合物を
0℃で静的窒素雰囲気下に16時間かくはんした。この
時間の終りに、反応混合物にNaSOを加え、そし
て溶液をセライトにより濾過した。残渣を10%CH
OH−CHClで洗った。合した濾液を蒸発させる
と無色の泡状物が得られた。この物をCHOH2ml
に溶解し、そして0℃で0.1Nメタノール性HgCl
溶液1.2mlで処理した。沈殿を濾去し、そして溶
媒を蒸発させた。残渣を4℃でシリカゲルTLC(10
%CHOH−CHCl、二回展開)によりクロマ
トグラフィーを行った。主帯域の抽出により無色無定形
固体()33mg(49%収率)が得られ、このもの
のTLC挙動はBBM−2040Aのそれと同一であっ
た。分析用試料はCHOHからの結晶化により調製し
た。
【数10】
【0052】第二帯域から過剰還元生成物である2
(R),11a(S)−1,2,3,10,11,11
a−ヘキサヒドロ−2,8−ジヒドロキシ−7−メトキ
シ−5H−ピロロ−〔2,1−c〕〔1,4〕ベンゾジ
アゼピン−5−オン11mg(18%収率)が得られ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図はBBM−2040Aの赤外吸収スペク
トル(KBrペレット)を示す。
【図2】第2図はBBM−2040Bの赤外吸収スペク
トル(KBrペレット)を示す。
【図3】第3図はピリジン−d(60MHz)でのB
BM−2040AのPMRスペクトルを示す。
【図4】第4図はピリジン−d(60MHz)でのB
BM−2040BのPMRスペクトルを示す。
【図5】第5図はアセトニトりル、0.1NHCl−ア
セトニトリル(1:9v/v)および0.1NNaOH
−アセトニトリル((1:9v/v)でのBBM−20
40Aの紫外吸収スペクトルを示す。
【図6】第6図はアセトニトリル、0.1NHCl−ア
セトニトリル(1:9v/v)および0.1NNaOH
−アセトニトリル((1:9v/v)でのBBM−20
40Bの紫外吸収スペクトルを示す。
【数11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘンリー シー ライ ウォン アメリカ合衆国ニューヨーク州 13066 ファイエットビル バニダ レーン 116

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中Rは低級アルキルであり、そしてRは水素原
    子またはヒドロキシ保護基を示し、R’’’は水素原子
    またはフェノール性ヒドロキシ保護基を示す)を有する
    化合物。
  2. 【請求項2】 Rが低級アルキルであり、Rが水素
    原子であり、R’’’が水素原子である請求項1記載の
    化合物。
  3. 【請求項3】 Rがメチルである請求項2記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】 Rがメチルであり、R’’’はベンゾ
    イルであり、そしてRがアセチルである請求項1記載
    の化合物。
  5. 【請求項5】 式 【化2】 (式中R’’’はフェノール性ヒドロキシ保護基であ
    り、Rはヒドロキシ保護基であり、そしてRは低級
    アルキルである)を有する化合物のC−2およびC−8
    ヒドロキシ保護基を除去することを特徴とする式 【化3】 (式中Rは先の定義のとおりである)を有する化合物
    の製法。
  6. 【請求項6】 (a)式 【化4】 (式中R’’’はフェノール性ヒドロキシ保護基であ
    り、そしてRはヒドロキシ保護基である)を有するア
    ミド誘導体を不活性溶媒中五硫化りんまたは2,4−ビ
    ス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4
    −ジホスフェタン−2,4−ジサルファイドと反応させ
    て、式 【化5】 (式中RおよびR’’’は先の定義のとおりである)
    を有するチオアミド化合物を生成させ; (b)化合物(IX)を不活性有機溶媒中塩基の存在下
    低級アルキルハライドまたは低級アルコキソニウム塩と
    反応させて式 【化6】 (式中Rは低級アルキルであり、そしてRおよび
    R’’’は先の定義のとおりである)を有するチオイミ
    ノエーテル化合物を生成させ; (c)化合物(X)のC−2およびC−8ヒドロキシ保
    護基を随意除去して式 【化7】 (式中Rは先義のとおりである)を有する化合物を形
    成させることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 (1)工程(a)で式 【化8】 を有するアミド誘導体を2,4−ビス(4−メトキシフ
    ェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフエタン−
    2,4−ジサルフアイドと反応させて式 【化9】 を有する化合物を形成させ; (2)工程(b)でアルキル化工程をテトラヒドロフラ
    ン中のヨウ化メチルまたはメチレンクロライド中のトリ
    エチルオキソニウムテトラフルオロボレートを用いて実
    施し; (3)工程(c)でベンゾイルおよびアセチルヒドロキ
    シ保護基を温和な塩基で処理して除去するものである請
    求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 (1)トランス−4−ヒドロキシ−L−
    プロリンの低級アルキルエステルを式 【化10】 (式中Rはフェノール性ヒドロキシ保護基である)を有
    する酸のアシル化性誘導体と不活性溶媒中でカップリン
    グさせて式 【化11】 (式中Rは低級アルキルであり、そしてRは先の定義
    のとおりである)を有する化合物を生成させ; (2)化合物(III)のニトロ基を選択的に還元して
    式 【化12】 (式中R’は水素またはフェノール性ヒドロキシ保護基
    であり、そしてRは先の定義のとおりである)を有す
    る化合物を生成させ; (3)化合物(IV)を不活性溶媒中で加熱することに
    よりまたは水性酸で処理することにより閉環させて式 【化13】 (式中R’は先の定義のとおりである)を有する化合物
    を生成させ; (4)化合物(V)中のR’が水素である場合化合物
    (V)を式 【化14】 (式中R’’’はフェノール性ヒドロキシ保護基であ
    る)を有する相当する化合物に変換し; (5)フェノール性ヒドロキシ保護基で保護されたC−
    8ヒドロキシ基を有する化合物(V)または(Va)の
    C−2ヒドロキシ基を酸化して式 【化15】 (式中R’’’はR’またはR”である)を有する化合
    物を生成させ; (6)化合物(VI)のC−2ケト基を選択的に還元し
    て式 【化16】 (式中R’’’は先の定義のとおりである)を有するC
    −2α−ヒドロキシ異性体を生成させ; (7)化合物(VII)を式 【化17】 (式中Rはヒドロキシ保護基であり、そしてR’’’
    は先の定義のとおりである)を有する相当する化合物に
    変換し; (8)アミド化合物(VIII)を五硫化りんまたは
    2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチ
    ア−2,4−ジホスフエタン−2,4−ジサルフアイド
    と不活性有機溶媒中で反応させて式 【化18】 (式中RおよびR’’’は先の定義のとおりである)
    を有するチオアミド化合物を生成させ; (9)化合物(IX)を不活性有機溶媒中塩基の存在下
    で低級アルキルハライドまたは低級アルコキソニウム塩
    と反応させて式 【化19】 (式中Rは低級アルキルであり、そしてRおよび
    R’’’は先の定義のとおりである)を有するチオイミ
    ノエーテル化合物を生成させ; (10)化合物(X)のC−2およびC−8ヒドロキシ
    保護基を随意除去して式 【化20】 (式中Rは先の定義のとおりである)を有する化合物
    を形成せしめる各工程からなることを特徴とする製法。
  9. 【請求項9】 (a)工程(1)でトランス−4−ヒド
    ロキシ−L−プロリンの低級アルキルエステルが不活性
    溶媒中塩基の存在下で式 【化21】 (式中PNBはp−ニトロベンジルを示す)を有するア
    シル化剤とカップリングさせ; (b)工程(2)で還元を接触水素添加により実施し; (c)工程(3)で閉環を約50〜150℃の範囲の温
    度に不活性溶媒中で加熱することにより実施し; (d)工程(4)で化合物(V)のC−8ヒドロキシ基
    をベンゾイル基で保護し; (e)工程(5)での酸化剤がジョーンズ試薬であり; (f)選択還元工程(6)を金属水素化物還元剤を用い
    て実施し; (g)化合物(VII)のC−2ヒドロキシ基を工程
    (7)でアセチル基で保護し; (h)チア化反応工程(8)を2,4−ビス(4−メト
    キシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフエ
    タン−2,4−ジサルフアイドで実施し; (i)アルキル化工程(9)をテトラヒドロフラン中の
    ヨウ化メチルまたはメチレンクロライド中のトリエチル
    オキソニウムテトラフルオロボレートを用いて実施し; (j)化合物(X)のベンゾイルおよびアセチルヒドロ
    キシ保護基を工程(10)で温和な塩基で処理すること
    により除去するものである請求項8に記載の方法。
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