JPH05246465A - 古紙を利用した緩衝材等再生物の製造方法 - Google Patents

古紙を利用した緩衝材等再生物の製造方法

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JPH05246465A JP7925692A JP7925692A JPH05246465A JP H05246465 A JPH05246465 A JP H05246465A JP 7925692 A JP7925692 A JP 7925692A JP 7925692 A JP7925692 A JP 7925692A JP H05246465 A JPH05246465 A JP H05246465A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 古新聞,古雑誌,古ダンボール等の古紙を有
効に再利用し、緩衝材,植物培地等の再生物を乾式製造
する古紙を利用した緩衝材等再生物の製造方法を提供す
る。 【構成】 古紙1を解繊して綿状物2とし、該綿状物2
に霧状の水分3を供給して、該綿状物2に湿潤状態部と
非・低湿潤状態部とを形成すると共に、該湿潤状態部で
該非・低湿潤状態部6を覆う複数の粒状部7を備えた海
綿状物とし、かつ該綿状物2または海綿状物に粉状ある
いは粒状糊材を付与すると共に、成形・乾燥させた構成
よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、古紙を利用した緩衝材
等再生物の製造方法に係り、より詳細には、古新聞,古
雑誌,古ダンボール等の古紙を有効に再利用し、緩衝
材,植物培地等の再生物を乾式製造する古紙を利用した
緩衝材等再生物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、古紙を利用した再生物としては、
再生紙(藁半紙、トイレットペーパー等),飼料,増量
剤,緩衝材等が知られている。そして、これらの再生物
のうちで、成形物として再生するものは、通常、古紙
を、一旦、パルプモードにした後、金網等で抄くことで
得るようにしている。
【0003】すなわち、古紙を小片に裁断した後、これ
を水槽内に浸漬して水分を含有させると共に、攪拌して
パルプモードとした後、このパルプモードの液状物を、
金網等で抄いて再生紙としたり、型入れ・圧縮・乾
燥することで各種形状よりなる成形物としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した方法
の場合、湿式処理方法であるため、弾力性,成形・加工
性が十分でなく、特に、緩衝材その他の成形物とする場
合については、高嵩,高厚の成形物が得られ難く、ま
た、高嵩,高厚成形物とする場合は、型入れ作業に手数
を要すると共に、重量が重たくなり、かつクッション性
が低下するという難点がある。
【0005】本発明者は、このような難点を解決するた
めに、種々、研究・検討した処、該難点が、『古紙を
小片に裁断し、これをパルプモードとしたものを利用す
る湿式方法によっていること、空隙率を大きくとれな
いこと』にあることを究明した。ところで、古紙の再生
物とは異なるが、紙おむつ等の製造技術において、紙等
のシート体を解繊し、これを綿状体として、吸水材とし
て利用することが知られている。
【0006】そこで、本発明者は、この製造技術を、古
紙について応用することで、『パルプモードを利用する
ことなく、かつ空隙率を大きくとれる古紙再生物』が得
られることを究明した。しかし、この古紙再生物につい
て、種々の緩衝材その他の成形物とした場合、強度性が
得られないということが判明した。
【0007】本発明は、以上のような課題に対処して創
作したものであって、その目的とする処は、強度性と弾
力性を有し、かつ高嵩物を得ることができる古紙を利用
した緩衝材等再生物の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして、上記課題を解決
するための手段としての本発明の古紙を利用した緩衝材
等再生物の製造方法は、古紙を解繊して綿状物とし、該
綿状物に霧状の水分を供給して、該綿状物に湿潤状態部
と非・低湿潤状態部とを形成すると共に、該湿潤状態部
で該非・低湿潤状態部を覆う複数の粒状部を備えた海綿
状物とし、かつ該綿状物または海綿状物に粉状あるいは
粒状糊材を付与すると共に、成形・乾燥させた構成より
なる。
【0009】また、本発明の他の古紙を利用した緩衝材
等再生物の製造方法は、古紙を解繊して綿状物とし、該
綿状物に対して10〜30重量%の水分を噴霧し、該綿
状物に該水分で湿潤状態部と非・低湿潤状態部とを形成
し、かつ該湿潤状態部で該非・低湿潤状態部を覆う海綿
状物とし、かつ該綿状物に対して5〜35重量%の粉状
または粒状糊材を付与して該成形物を成形し、該成形物
を乾燥させて緩衝材等再生物を得るようにした構成より
なる。
【0010】また、本発明の他の古紙を利用した緩衝材
等再生物の製造方法は、前記各発明において、綿状物を
攪拌しながら霧状の水分を供給するようにした構成、ま
た緩衝材や植物培地等の成型物用型に海綿状物を型入れ
して成形し、該海綿状物を蒸気処理し、粉状または粒状
糊材を糊化すると共に、乾燥させた構成よりなる。
【0011】
【作用】上記構成に基づく、本発明の古紙を利用した緩
衝材等再生物の製造方法は、古紙を解繊して得た綿状物
を用い、水分を霧状に付与することで、該綿状物に該水
分により、湿潤状態部と非・低湿潤状態部とを形成する
と共に、該湿潤状態部で内部の非・低湿潤状態部を覆っ
た複数個の粒状部を構成し、更に粉状または粒状の乾燥
した糊材が、攪拌によって該粒状部の各表面にまんべん
なく入り込み、かつ表面湿潤部で溶け、また乾燥処理に
よって固化するので、各綿状物の内部の空隙状態を保持
させ得て、該表面固化によって高嵩物として成形できる
と共に、強度性を有する緩衝材等再生物を製造できるよ
うに作用する。
【0012】以上のように、本発明の古紙を利用した緩
衝材等再生物の製造方法は、古紙を解繊して得た綿状
物を用いた点、綿状物に霧状の水分を供給し、該綿状
物に湿潤状態部と非・低湿潤状態部とを形成すると共
に、該湿潤状態部で該非・低湿潤状態部を覆う複数の粒
状部を備えた海綿状物とする点、糊材として粉状また
は粒状糊材を用いる点、の三点に特徴を有する方法で、
これを最終的に乾燥した成形物とできるようにした方法
であって、この構成とすることで、弾力性,成形性,加
工性,通気性が良好で、かつ高嵩物で、発泡スチロール
の代替品として活用できる緩衝材等再生物を製造できる
という格別な作用を奏するものである。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を具体化
した実施例について説明する。ここに、図1〜図2は、
本発明の実施例を示し、図1は製造工程を説明するため
の説明図、図2は製造した緩衝材等再生物の断面拡大図
である。
【0014】本実施例の古紙を利用した緩衝材等再生物
の製造方法は、植物培地の製造方法であって、概略する
と、古紙解織工程、水分供給・海綿状物生成工程、
糊材付与工程、植物培地成形工程、乾燥・型抜き
工程、の五工程よりなる。以下、各工程について説明す
る。
【0015】−古紙解織工程− 本工程は、新聞,雑誌等の古紙1を解織して綿状物2と
する工程である。すなわち、該古紙1を一旦裁断した
後、これを解織機械によって解織し、かつ攪拌させるこ
とにより綿状物2とする工程である。ここで、該解織に
よる綿状物2は、一般的な綿と同程度の密度となるよう
に解織したものとしている。しかし、他の密度形態であ
ってもよいことは当然である。
【0016】−水分供給・海綿状物生成工程− 本工程は、古紙解織工程で得た綿状物2に水分3を付与
して、該綿状物2を海綿状物4とする工程である。すな
わち、綿状物2を攪拌機械によって、攪拌しながら、水
分3を霧状に供給して、綿状物2に湿潤状態部5と非・
低湿潤状態部6とを形成すると共に、湿潤状態部5で非
・低湿潤状態部6を覆う複数の粒状部7を備えた海綿状
物8を得る工程である。
【0017】ここで、各粒状部7,7・・の大きさは、
径が2〜10mm程度の大きさであって、それぞれの粒
状部7,7・・が連なって海綿状物8を形成する構成と
されている。また、水分は、綿状物2に対して、15〜
20重量%であって、霧状体として供給するようにして
いる。従って、まず、該綿状物2は、供給される水分に
よって湿潤状態部5と非・低湿潤状態部6とが形成され
と共に、該綿状物2は攪拌状態にあるので、該湿潤状態
部5が非・低湿潤状態部6を覆うようにして粒状部7を
形成するようになる。すなわち、湿潤状態部5は周囲の
綿状物を引き寄せる状態となり、非・低湿潤状態部6に
比べて綿高密度部を形成し、これによって粒状部7を形
成する。また、水分の供給は、綿状物2の攪拌速度に応
じて決定し、まんべんなく湿潤状態部5と非・低湿潤状
態部6が生成でき、かつ湿潤状態部5で非・低湿潤状態
部6を覆うことができるように供給している。
【0018】−糊材付与工程− 本工程は、前工程で得た海綿状物8に、糊材を付与する
工程である。すなわち、海綿状物8に、綿状物2の重量
に対して、7〜30重量%の糊材を付与し、かつ攪拌
し、該糊材が粒状部7の表面に行き渡るようにすること
で、該糊材で海綿状物8を一体化する。ここで、糊材と
しては、乾燥した粉状または粒状の糊材(例えば、澱粉
粉等)を用いている。
【0019】−植物培地成形工程− 本工程は、前工程で、糊材が付与された海綿状物8を、
植物培地用型枠9に入れて、所定の形状に成形する工程
である。なお、該型枠9は、型抜きが良好に行われるよ
うに、型枠9内面に所定の離型剤が塗布されている。
【0020】−乾燥・型抜き工程− 本工程は、前工程で、海綿状物8が入れられた植物培地
用型枠9に、蒸気を通すことによって、海綿状物8に付
与されている糊材を糊化して乾燥させると共に、該植物
培地用型枠9より、型抜きして、植物培地10を得る工
程である。ここで、該蒸気としては、100°Cの蒸気
を用い、5〜10分間、型枠9に通すようにし、該海綿
状物8が乾燥後、該型枠9より型抜きすることで、植物
培地10を得ている。ここで、植物培地10は、綿状物
より通常、2〜3割程度、その嵩が低くなった状態で得
られる。しかし、これは、当初の綿状物の比重、水分
量、糊材量によって種々の形態として得ることができ
る。
【0021】そして、型抜きして得た植物培地10は、
糊材が、粒状部7,7・・の表面に行き渡っていて、粒
状部7,7・・の表面同士を結合状態とし、かつ乾燥に
よって、その形状が保持され、また粒状部7,7・・
間、および非・低湿潤状態部6には、空隙部も保持・形
成されることより、弾力性が生成され得る。また、植物
培地10は、該空隙性を保持・形成しているので、軽量
であり、発泡スチロールと同様の物品となる。
【0022】次に、本実施例の効果を確認するために、
古紙を解織して綿状物とし、これをう比重0.13〜
0.15の円柱体の成形物(古紙を解織して綿状物とし
たものより、その嵩が2〜3割程度下がった状態で固形
化したもの)を作り、これを稲の苗用培地として用い、
土壌用培地との比較試験を行った処、本実施例培地の場
合、根の張り具合が良好で、土壌用培地に比べて、田植
えのできる状態への成長が1週間程度早く得られるとい
う結果が確認できた。また、同様に、椎茸栽培用培地と
し、これに菌種を植え込んだ場合についても同様の結果
を得た。これは、本実施例の植物培地が、通気性、保形
性を保持し、保水力が大きいということによるものと考
えられる。
【0023】ところで、本実施例の植物培地の場合、使
用後に、衝撃を付与することで、各粒状部7,7・・に
分離でき、またその原料が古紙によって形成されている
ことより、そのまま田,畑等に入れておくことにより、
3〜4ケ月で腐食し腐葉土となることが確認できた。ま
た、本実施例の植物培地の場合、強度性も付与されてい
ることより、そのまま運搬でき、かつ従来のような培地
保持用の箱体等が必要ないことも確認できた。
【0024】また、この植物培地について、圧縮試験
(JIS K7220)、および曲げ試験(JIS K
7221)を行った処、表1〜表4の結果を得た。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0025】そして、この結果、比重が、0.13〜
0.15で、また規定ひずみ圧縮応力(kgf/mm2 )が、
0.36〜0.76(規定歪=0.05),0.98〜
2.22(規定歪=0.1)であり、発泡スチロール製
のものに比べ遜色がないということが確認できた。ま
た、曲げ強度においても、0.06〜0.14(kgf/mm
2)という結果を得た。このことよりして、単に、培地
としてでなく,容器と一体の構成としても使用できるこ
とが確認できた。
【0026】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で変
形実施できるものを含む。因に、前述した試験結果より
して、植物培地の他に、電機機器の梱包用緩衝材として
得ることもできる。そして、該梱包用緩衝材と、従来の
緩衝材としての発泡スチロールとを比較した処、該発泡
スチロールに比べ、全く遜色のない弾力性、保形性が保
持できることが確認できた。従って、発泡スチロールの
代替品として活用できることが確認できた。
【0027】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、弾力性,成形性,加工性,通気性が良好で、
かつ高嵩物で、発泡スチロールの代替品として活用でき
る緩衝材等再生物を製造できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の製造工程を説明するための説
明図である。
【図2】緩衝材等再生物の断面拡大図である。
【符号の説明】
1・・・新聞,雑誌等の古紙、2・・・綿状物、3・・
・水分、4・・・海綿状物、5・・・湿潤状態の綿高密
度部、6・・・非湿潤または低湿潤状態の綿低密度部、
7・・・粒状部、8・・・海綿状物、9・・・植物培地
用型枠、10・・・植物培地

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 古紙を解繊して綿状物とし、該綿状物に
    霧状の水分を供給して、該綿状物に湿潤状態部と非・低
    湿潤状態部とを形成すると共に、該湿潤状態部で該非・
    低湿潤状態部を覆う複数の粒状部を備えた海綿状物と
    し、かつ該綿状物または海綿状物に粉状あるいは粒状糊
    材を付与すると共に、成形・乾燥させてなることを特徴
    とする緩衝材等再生物の製造方法。
  2. 【請求項2】 古紙を解繊して綿状物とし、該綿状物に
    対して10〜30重量%の水分を噴霧し、該綿状物に該
    水分で湿潤状態部と非・低湿潤状態部とを形成し、かつ
    該湿潤状態部で該非・低湿潤状態部を覆う海綿状物と
    し、かつ該綿状物に対して5〜35重量%の粉状または
    粒状糊材を付与して該成形物を成形し、該成形物を乾燥
    させて緩衝材等再生物を得ることを特徴とする緩衝材等
    再生物の製造方法。
  3. 【請求項3】 綿状物を攪拌しながら霧状の水分を供給
    する請求項1または2に記載の緩衝材等再生物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 緩衝材や植物培地等の成型物用型に海綿
    状物を型入れして成形し、該海綿状物を蒸気処理し、粉
    状または粒状糊材を糊化すると共に、乾燥させてなる請
    求項1または2に記載の緩衝材等再生物の製造方法。
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