JPH05245190A - 細菌の殺菌方法 - Google Patents
細菌の殺菌方法Info
- Publication number
- JPH05245190A JPH05245190A JP4083017A JP8301792A JPH05245190A JP H05245190 A JPH05245190 A JP H05245190A JP 4083017 A JP4083017 A JP 4083017A JP 8301792 A JP8301792 A JP 8301792A JP H05245190 A JPH05245190 A JP H05245190A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡単な処理により、しかも短時間でバチル
ス、クロストリジウム属等の芽胞形成菌を完全に殺菌す
る。 【構成】 電解式オゾン発生装置を用いて発生させた高
濃度のオゾンガスを気相又は液相中に供給し、該気相又
は液相中で医療器具、食品包材、食品類等の芽胞形成菌
を殺菌する。
ス、クロストリジウム属等の芽胞形成菌を完全に殺菌す
る。 【構成】 電解式オゾン発生装置を用いて発生させた高
濃度のオゾンガスを気相又は液相中に供給し、該気相又
は液相中で医療器具、食品包材、食品類等の芽胞形成菌
を殺菌する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は細菌の殺菌方法、詳しく
は医療器具、食品包材、食品容器、食品類等において、
バチルス属、クロストリジウム属等の熱に強い抵抗を示
す芽胞形成菌を完全に殺菌する方法に関するものであ
る。
は医療器具、食品包材、食品容器、食品類等において、
バチルス属、クロストリジウム属等の熱に強い抵抗を示
す芽胞形成菌を完全に殺菌する方法に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】医療器具、食品包材、食品容器、食品類
等にあっては、各種の殺菌処理が施されているが、バチ
ルス属、クロストリジウム属等の所謂芽胞形成菌が存在
することは特に使用に際して種々の問題が生ずるため、
その完全な殺菌が望まれる。このような芽胞形成菌の殺
菌方法としては、従来、一般的には蒸気加圧殺菌が知ら
れている。また、低熱負荷殺菌によるものとしてはエチ
レンオキサイドガスによるものが知られている。
等にあっては、各種の殺菌処理が施されているが、バチ
ルス属、クロストリジウム属等の所謂芽胞形成菌が存在
することは特に使用に際して種々の問題が生ずるため、
その完全な殺菌が望まれる。このような芽胞形成菌の殺
菌方法としては、従来、一般的には蒸気加圧殺菌が知ら
れている。また、低熱負荷殺菌によるものとしてはエチ
レンオキサイドガスによるものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法は
いずれも完全に殺菌するのに時間がかかり（蒸気加圧殺
菌は約４０分、エチレンオイサイドガスによる殺菌は１
０時間程度）、蒸気加圧殺菌の場合は加熱圧力容器が必
要であり、また、エチレンオキサイドガスによる場合は
取扱に関する規制があったり、操作も複雑であるため、
一般的に有効な手段とはいえない。その他、近時、超高
圧装置による殺菌も提案されているが、超高圧によるた
めの装置が高価となり、また操作も複雑であるという難
点がある。本発明は、芽胞形成菌を完全に殺菌するに際
して、上記のような不都合を解消し、短時間で殺菌可能
であって、かつ処理・操作が容易である殺菌方法を提供
することを目的とするものである。
いずれも完全に殺菌するのに時間がかかり（蒸気加圧殺
菌は約４０分、エチレンオイサイドガスによる殺菌は１
０時間程度）、蒸気加圧殺菌の場合は加熱圧力容器が必
要であり、また、エチレンオキサイドガスによる場合は
取扱に関する規制があったり、操作も複雑であるため、
一般的に有効な手段とはいえない。その他、近時、超高
圧装置による殺菌も提案されているが、超高圧によるた
めの装置が高価となり、また操作も複雑であるという難
点がある。本発明は、芽胞形成菌を完全に殺菌するに際
して、上記のような不都合を解消し、短時間で殺菌可能
であって、かつ処理・操作が容易である殺菌方法を提供
することを目的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明はなされたものである。すなわち、本発明
は、電解式オゾン発生装置を用いて発生させた高濃度の
オゾンガスを気相又は液相中に供給し、該気相又は液相
中で芽胞形成菌を殺菌することを特徴とする細菌の殺菌
方法である。
に、本発明はなされたものである。すなわち、本発明
は、電解式オゾン発生装置を用いて発生させた高濃度の
オゾンガスを気相又は液相中に供給し、該気相又は液相
中で芽胞形成菌を殺菌することを特徴とする細菌の殺菌
方法である。
【０００５】以下、本発明の内容をさらに詳しく説明す
る。本発明においては電解式オゾン発生装置が用いられ
る。電解式オゾン発生装置は、水その他の原料液を電気
分解して陽極側にオゾンを発生させるものであり、固体
高分子電解質（Ｓｏｌｉｄ Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｅｒｅｃ
ｔｒｏｌｙｔｅ、以下ＳＰＥと略記する）を用いた水電
解によるオゾン発生装置が好適である。これは、例え
ば、空気を原料とする放電式によるオゾン発生が４重量
％程度のオゾン濃度であるのに比べ、１８重量％程度と
いう高いオゾン濃度を得ることができる。このような電
解式によるオゾンの水への溶解効率は、放電式によるオ
ゾンのそれが約５〜１０％であるのに比べ、約９０％程
度と非常に高く、効率的である。
る。本発明においては電解式オゾン発生装置が用いられ
る。電解式オゾン発生装置は、水その他の原料液を電気
分解して陽極側にオゾンを発生させるものであり、固体
高分子電解質（Ｓｏｌｉｄ Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｅｒｅｃ
ｔｒｏｌｙｔｅ、以下ＳＰＥと略記する）を用いた水電
解によるオゾン発生装置が好適である。これは、例え
ば、空気を原料とする放電式によるオゾン発生が４重量
％程度のオゾン濃度であるのに比べ、１８重量％程度と
いう高いオゾン濃度を得ることができる。このような電
解式によるオゾンの水への溶解効率は、放電式によるオ
ゾンのそれが約５〜１０％であるのに比べ、約９０％程
度と非常に高く、効率的である。
【０００６】電解式オゾン発生装置を用いた装置の一例
を図１に示す。水道水は純水器１、第１弁２、第２弁３
を経て電解式オゾン発生装置４へ供給される。電解式オ
ゾン発生装置４内で電解されて陽極に発生した高濃度の
オゾンは、１万〜１０万ｐｐｍ程度の高濃度のオゾンガ
スとして取り出される。通常、殺菌処理時間との関係を
考慮すると５万ｐｐｍ以上が望ましい。符号５はＳＰＥ
である。陰極側に発生する水素は水素分解塔６へ送られ
る。符号７は電解式オゾン発生装置４の水位を調整する
水位調整器であり、電磁弁８を経由して水を補給するよ
うになっている。符号９は直流電源である。
を図１に示す。水道水は純水器１、第１弁２、第２弁３
を経て電解式オゾン発生装置４へ供給される。電解式オ
ゾン発生装置４内で電解されて陽極に発生した高濃度の
オゾンは、１万〜１０万ｐｐｍ程度の高濃度のオゾンガ
スとして取り出される。通常、殺菌処理時間との関係を
考慮すると５万ｐｐｍ以上が望ましい。符号５はＳＰＥ
である。陰極側に発生する水素は水素分解塔６へ送られ
る。符号７は電解式オゾン発生装置４の水位を調整する
水位調整器であり、電磁弁８を経由して水を補給するよ
うになっている。符号９は直流電源である。
【０００７】電解式オゾン発生装置を用いて発生させた
高濃度のオゾンガスを、気相であれば室内又は容器内に
供給して殺菌処理を行う。このような気相中での殺菌と
しては、無菌ブースを作ることや、注射器、メス等の医
療器具、食品包材、その他殺菌を必要とする各種ガラス
やプラスチック器具、香辛料等の食品類を殺菌するのに
好適であるが、対象物は特に限定されるものではない。
また、液相中での殺菌の場合は、発生したオゾンガスを
水中に供給して、この液相中で殺菌を行なうことができ
る。液相での殺菌としては、該液相内に入れた生鮮食品
類や殺菌すべき器具等を殺菌する等の他、無菌洗浄水等
として使用する液体自体の殺菌をすることもできる。
高濃度のオゾンガスを、気相であれば室内又は容器内に
供給して殺菌処理を行う。このような気相中での殺菌と
しては、無菌ブースを作ることや、注射器、メス等の医
療器具、食品包材、その他殺菌を必要とする各種ガラス
やプラスチック器具、香辛料等の食品類を殺菌するのに
好適であるが、対象物は特に限定されるものではない。
また、液相中での殺菌の場合は、発生したオゾンガスを
水中に供給して、この液相中で殺菌を行なうことができ
る。液相での殺菌としては、該液相内に入れた生鮮食品
類や殺菌すべき器具等を殺菌する等の他、無菌洗浄水等
として使用する液体自体の殺菌をすることもできる。
【０００８】
【実施例１】バチルス・スプチリス（Ｂａｃｉｌｌｕｓ
ｓｕｂｔｉｌｉｓ，ＡＴＣＣ−１３５２５）菌を予め
８０℃にて１０分間湯煎処理して芽胞を形成させ、１ミ
リリットルあたり１×１０7 個になるように調製した菌
液中に注射器（１０ミリリットル容量、ガラス製）を約
１分間浸した後、この注射器を取り出し、蓋付のガラス
容器（容量５００ミリリットル）内に入れて蓋をした。
蓋には空気置換孔、オゾン供給用ホースを取り付けた。
室温２６℃、湿度５５％の下で、ＳＰＥ式電解式オゾン
発生装置（２００ｍｇ／ｈ能力）を用いて発生させたオ
ゾンガス（濃度８万ｐｐｍ、供給量２０ミリリットル／
分）をガラス容器内に所定時間供給し、各処理後の注射
器に付着した菌数を測定した。その結果を表１に示す。
表から明らかなように１５分間の処理で１００．０％の
殺菌率が確認された。
ｓｕｂｔｉｌｉｓ，ＡＴＣＣ−１３５２５）菌を予め
８０℃にて１０分間湯煎処理して芽胞を形成させ、１ミ
リリットルあたり１×１０7 個になるように調製した菌
液中に注射器（１０ミリリットル容量、ガラス製）を約
１分間浸した後、この注射器を取り出し、蓋付のガラス
容器（容量５００ミリリットル）内に入れて蓋をした。
蓋には空気置換孔、オゾン供給用ホースを取り付けた。
室温２６℃、湿度５５％の下で、ＳＰＥ式電解式オゾン
発生装置（２００ｍｇ／ｈ能力）を用いて発生させたオ
ゾンガス（濃度８万ｐｐｍ、供給量２０ミリリットル／
分）をガラス容器内に所定時間供給し、各処理後の注射
器に付着した菌数を測定した。その結果を表１に示す。
表から明らかなように１５分間の処理で１００．０％の
殺菌率が確認された。
【０００９】
【表１】
【００１０】
【実施例２】実施例１と同様にして芽胞形成処理を行っ
たバチルス・スプチリス（Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｓｕｂｔ
ｉｌｉｓ，ＡＴＣＣ−１３５２５）菌を１ミリリットル
あたり１×１０6 個になるように調製した懸濁液中に、
室温２６℃、湿度５５％の下で、実施例１と同じ電解式
オゾン発生装置を用いて発生させたオゾンガス（濃度８
万ｐｐｍ、供給量２０ミリリットル／分）を、経時変化
による菌数を測定した。その結果は表２に示すとおりで
あった。オゾン濃度８万ｐｐｍのオゾンガスにより１５
分程の処理で懸濁液が完全に殺菌されたことがわかる。
たバチルス・スプチリス（Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｓｕｂｔ
ｉｌｉｓ，ＡＴＣＣ−１３５２５）菌を１ミリリットル
あたり１×１０6 個になるように調製した懸濁液中に、
室温２６℃、湿度５５％の下で、実施例１と同じ電解式
オゾン発生装置を用いて発生させたオゾンガス（濃度８
万ｐｐｍ、供給量２０ミリリットル／分）を、経時変化
による菌数を測定した。その結果は表２に示すとおりで
あった。オゾン濃度８万ｐｐｍのオゾンガスにより１５
分程の処理で懸濁液が完全に殺菌されたことがわかる。
【００１１】
【表２】
【００１２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来法に比べて簡単な処理・操作によりしかも短時間で
バチルス、クロストリジウム属等の芽胞形成菌を完全に
殺菌することができる。したがって、医療器具、食品包
材、食品容器、食品類等の殺菌方法として実用的であ
り、極めて有益である。
従来法に比べて簡単な処理・操作によりしかも短時間で
バチルス、クロストリジウム属等の芽胞形成菌を完全に
殺菌することができる。したがって、医療器具、食品包
材、食品容器、食品類等の殺菌方法として実用的であ
り、極めて有益である。
【図１】本発明方法を実施するための電解式オゾン発生
装置の一例を示す説明図である。
装置の一例を示す説明図である。
１ 純水器 ４ 電解式オゾン発生装置 ５ ＳＰＥ ６ 水素分解塔 ７ 水位調整器 ９ 直流電源
Claims (1)
- 【請求項１】 電解式オゾン発生装置を用いて発生させ
た高濃度のオゾンガスを気相又は液相中に供給し、該気
相又は液相中で芽胞形成菌を殺菌することを特徴とする
細菌の殺菌方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4083017A JPH05245190A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 細菌の殺菌方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4083017A JPH05245190A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 細菌の殺菌方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05245190A true JPH05245190A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=13790479
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4083017A Pending JPH05245190A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 細菌の殺菌方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05245190A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012508076A (ja) * | 2008-11-11 | 2012-04-05 | セラマテック・インク | 殺菌消毒充填注射器を使用者に供給する装置および方法 |
| WO2018168433A1 (ja) * | 2017-03-15 | 2018-09-20 | ウシオ電機株式会社 | 処理方法 |
-
1992
- 1992-03-06 JP JP4083017A patent/JPH05245190A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012508076A (ja) * | 2008-11-11 | 2012-04-05 | セラマテック・インク | 殺菌消毒充填注射器を使用者に供給する装置および方法 |
| WO2018168433A1 (ja) * | 2017-03-15 | 2018-09-20 | ウシオ電機株式会社 | 処理方法 |
| JP2018153238A (ja) * | 2017-03-15 | 2018-10-04 | ウシオ電機株式会社 | 処理方法 |
| CN110337309A (zh) * | 2017-03-15 | 2019-10-15 | 优志旺电机株式会社 | 处理方法 |
| US11305990B2 (en) | 2017-03-15 | 2022-04-19 | Ushio Denki Kabushiki Kaisha | Processing method |
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