JPH0524185B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0524185B2
JPH0524185B2 JP7113083A JP7113083A JPH0524185B2 JP H0524185 B2 JPH0524185 B2 JP H0524185B2 JP 7113083 A JP7113083 A JP 7113083A JP 7113083 A JP7113083 A JP 7113083A JP H0524185 B2 JPH0524185 B2 JP H0524185B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment agent
surface treatment
alkyl group
acid
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7113083A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59196368A (ja
Inventor
Koji Tsuriga
Masashi Harada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP7113083A priority Critical patent/JPS59196368A/ja
Publication of JPS59196368A publication Critical patent/JPS59196368A/ja
Publication of JPH0524185B2 publication Critical patent/JPH0524185B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、無機物質用表面処理剤、詳しくは、
特定のβ−ジケトネート化合物を含有する無機物
質用表面処理剤に関する。 無機物質は古くから重合体に対する充填剤、顔
料、補強剤として配合使用されている。無機物質
の表面は本質的に親水性であるために水に濡れや
すく、また水を良く吸収する。しかし無機物質と
重合体との間の親和性は本質的に限度があり、従
つて無機物質を重合体に高充填する場合、特に衝
撃強度等の機械的強度及び加工性をひどく損なう
こととなる。また無機物質を有機液体中に分散さ
せる際にも一般に分散性が劣るという不都合があ
る。かかる不都合を改善するために無機物質の表
面を有機チタネーート類、有機ジルコニウム等で
改質する方法が提案されている。例えば、特公昭
49−39169号公報にはジアルコキシ・ジアシルチ
タネートまたはトリアルコキシ・モノアシルチタ
ネートで無機物質を処理する方法、特公昭55−
46660号公報にはモノアルコキシ・トリアシルチ
タネート等で充填剤を処理する方法等が提案され
ている。 しかしながら、上記有機チタネート等で処理さ
れた無機物質を充填した重合体といえども衝撃強
度等の機械的強度および加工性が充分満足された
ものとならず、また上記有機チタネート等は湿分
に対して不安定であり、その使用に当たり制限が
ある等の不都合がある。 本発明者等は、かかる不都合を克服すべく鋭意
研究を進めた結果、無機物質をある特定のβ−ジ
ケトネート化合物で処理した場合には、この表面
の改質された無機物質は重合体に高充填しても衝
撃強度等の機械的強度および加工性の低下を本質
的に損なうことがなく、しかも該β−ジケトネー
ト化合物は湿分に対して安定であることを見い出
し本発明に到達した。 即ち、本発明は、次の一般式〔〕で表される
化合物の少なくとも一種を含有する無機物質用表
面処理剤を提供するものである。 〔式中、Meはチタン、錫またはジルコニウム
を示し、R1はアルキル基またはアコキシカルボ
ニルアルキル基を示し、R2はアルキル基を示し、
R3はアルキレン基を示し、R4はアルキル基また
はフエニル基を示し、R6はアルキル基、アルケ
ニル基、フエニル基または−O−R5を示し、X
【式】−S−R8、−SR3COOR8、− SR3OCOR7、−O−SO2−R9または
【式】を示し、lは0または1 を示し、mは0〜2を示し、nは0または1を示
し、qは1または2を示し、pは0〜2を示す。
但しl+m+n+p+qはn=0の時4であり、
n=1の時3であり、またn=0の時m及びpは
1または2を示し、n=1の時m及びpは0また
は1を示す。R5はアルキル基またはアルケル基
を示し、R7はアルキル基またはアルケニル基を
示し、R8はアルキル基を示し、R9はアルキルフ
エニル基を示す。〕 本発明において用いられる前記一般式〔〕で
表される化合物において、R1,R2,R4,R5
R6,R7及びR8で示されるアルキル基としてはメ
チル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキ
シル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウ
ンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル等があげられる。 R5、R6及びR7で示されるアルケニル基として
はビニル、プロペニル、ヘキセニル、ドデセニ
ル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデ
セニ ル等があげられる。 R9で示されるアルキルフエニル基としては、
トリル、ブチルフエニル、ヘキシルフエニル、オ
クチルフエニル、ノニルフエニル、ドデシルフエ
ニル等があげられる。 R3で示されるアルキレン基としてはエチレン、
1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,
3−ブチレン、1,4−ブチレン等があげられ
る。 R1で示されるアルコキシカルボルアルキル基
としてはメトキシカルボニルエチル、イソプロポ
キシカルボニルエチル、ブトキシカルボニルエチ
ル、オクトキシカルボニルエチル等があげられ
る。 本発明で用いられる前記一般式〔〕で表され
る化合物は、例えば、(R1――Me(―OR24-1で表
される金属アルコキサイドと、
【式】で表されるβ−ジカルボ ニル化合物及びHO−R3−COOH及び/またはX
−Hで表される化合物とを反応させることによつ
て容易に製造することができる。
【式】で表されるβ−ジカルボ ニル化合物としては、例えば、アセト酢酸あるい
はベンゾイル酢酸−エチル,−ブチル,−ヘキシ
ル,−オクチル,−イソオクチル,−2−エチルヘ
キシル,−デシル,−イソデシル,−ドデシル,−テ
トラデシル,−ヘキサデシル,−オレイル及び−オ
クタデシル等のβ−ケト酸エステル、及び、アセ
チルアセトン、ベンゾイルアセトン、ステアロイ
ルアセトン、ステアロイル・ベンゾイルメタン、
ヘキサノイル・ベンゾイルメタン、プロピオル・
ステアロイルメタン、ヘキサノイル・オレオイル
メタン、イソヘプタノイルアセトン、イソバレロ
イル・バレロイルメタン、イソバレロイル・オレ
オイルメタン、イソブタノイル・ヘプタノイルメ
タン、ステアロイル・カプロイルメタン、ジバレ
ロイルメタン、ベンゾイル・ラウロイルメタン、
ジベンゾイルメタン、ベンゾイル・オクタノイル
メタン等のβ−ジケトンがあげられる。 また、X−Hで表される化合物としてはR7
COOHで表されるカルボン酸、HS−R8で表され
るメルカプタン、HSR3COOR8で表されるメルカ
プト酸エステル、−SR3OCOR7で表されるメルカ
プトアルコールエステル、HSO3−R9で表される
スルホン酸、 または で表されるピロホスフエートがあげられる。 そして、R7COOHで表されるカルボン酸とし
ては、脂肪族カルボン酸が包含され、直鎖又は分
枝、飽和又は不飽和のカルボン酸があり、例えば
ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン
酸、リシノレイン酸、リノレイン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、オレイン酸、カプロン酸、カ
プリン酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン
酸、アクリル酸、メタクリル酸等があげられる。 HS−R8で表されるメルカプタンとしては例え
ば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタ
ン、ステアリルメルカプタン等があげられる。 HSR3COOR8で表されるメルカプト酸エステル
としては、イソオクチルチオグリコレート、2−
エチルヘキシルチオグリコレート、デシルチオグ
リコレート、ドデシルチオグリコレート、ミリス
チルチオグリコレート、ステアリルチオグリコレ
ート、イソオクチルメルカプトプロピオネート等
があげられる。 HSR3OCOR7で表されるメルカプトアルコール
エステルとしては例えばメルカプトエチルオレー
ト、メルカプトエチルラウレート、メルカプトエ
チルステアレート等があげられる。 HSO3−R9等で表されるスルホン酸としてはド
デシルベンゼンスルホン酸等があげられる。 で表されるピロホスフエートとしては、ジブチル
−,ジアミル−,ジヘキシル−,ジオクチル−,
ジテトラデシル−,ジヘキサデシル−,ジオクタ
デシル−ピロホスフエートがあげられる。 また、HO−R3−COOHで表されるヒドロキシ
カルボン酸としてはグリコール酸、β−ヒドロキ
シプロピオン酸等があげられる。 本発明で用いられる前記一般式〔〕で表され
るβ−ジケトネート化合物の具体例を次に示す。 イソプロピル・イソステアロイル・ビス(ステ
アロイル・ベンゾイルメタン)・チタネート、イ
ソプロピル・イソステアロイル・ビス(アセト酢
酸ステアリル)・チタネート、イソプロピル・ジ
(イソステアロイル)・アセト酢酸イソデシル・チ
タネート、イソプロピル・ジ(イソステアロイ
ル)・(ステアロイル・ベンゾイルメタン)・チタ
ネート、イソプロピル・ジ(イソステアロイ
ル)・(ジC511混合アルカノイルメタン)・チタ
ネート、イソプロピル・アクリロイル・イソステ
アロイル・(ステアロイル・ベンゾイルメタン)・
チタネート、イソプロピル・ジ(イソステアロイ
ル)・(ヘキサノイル・ベンゾイルメタン)・チタ
ネート、メチル・ジ(イソステアロイル)・(プロ
ピオニル・ステアロイルメタン)・チタネート、
イソプロピル・オレオイル・ビス(ヘキサノイ
ル・オレオイルメタン)・チタネート、イソプロ
ピル・イソステアロイル・ビス(イソヘプタノイ
ルアセトン)・チタネート、イソプロピル・イソ
ステアロイル・ビス(ベンゾイルアセトン)・チ
タネート、イソプロピル・ジ(イソステアロイ
ル)・アセチルアセトン・チタネート、ジ(イソ
プロピル)・イソステアロイル・アセト酢酸オレ
イル・チタネート、イソプロピル・ドデシルベン
ゼンスルホン酸・ビス(イソバレロイル・バレロ
イルメタン)・チタネート、エチル・ビス(ジオ
クチルピロリン酸)・(イバレロイル・オレオイル
メタン)・チタネート、イソプロピル・チオドデ
シル・ビス(イソブタノイル・ヘプタノイルメタ
ン)・チタネート、メチル・ビス(チオオクチ
ル)・ステアロイルアセトン・チタネート、エチ
ル・2−エチルヘキシルチオグリコレート・ビス
(アセチルアセトン)・チタネート、チタン・ビス
(アセト酢酸ステアリル)・β−オキシプロピオネ
ート、チタン・ビス(ベンゾイル・ステアロイル
メタン)・β−オキシプロピオネート、エトキシ
チタン・アト酢酸オレイル・グリコレート、イソ
プロポキシチタン・ヘキサノイルアセトン・β−
オキシプロピオネート、イソプロピル・オレオイ
ルオキシエチルチオ・ビス(ベンゾイル・ステア
ロイルメタン)・チタネート等のチタン化合物; メトキシ・オクチル錫・アセト酢酸ステアリ
ル・イソステアレート、メトキシ・オチル錫・
(ステアロイル・ベンゾイルメタン)・イソステア
レート、ジブトキシ錫・(カプロイル・ステアロ
イルメタン)・オレート、イソプロポキシ錫・ビ
ス(ジバレロイルメタン)・ドデシルベンゼンス
ルホネート、メトキシ・ブチル錫・アセチルアセ
トン・ジオクチルピロホスフエート、ブトキシ・
(ブトキシカルボニルエチル)錫・ステアロイル
アセトン・イソステアレート、イソプロポキシ・
メチル錫・ベンゾイル酢酸オレイル・イソオクト
エート、オクチル錫・アセト酢酸ステアリル・β
−オキシプロピオネート、メトキシ・オクチル
錫・アセト酢酸ステアリル・2−エチルヘキシル
チオグリコレート、エトキシ・ブチル錫・(ステ
アロイル・ベンゾイルメタン)・ドデシルメルカ
プタイド、エトキシ錫・(ベンゾイル・ドデカノ
イルメタン)・グリコレート、メトキシ錫・アセ
ト酢酸オレイル・β−オキシプロピオネート等の
錫化合物; ステアリル・ジ(イソステアロイル)・ジベン
ゾイルメタン・ジルコネート、2−エチルヘキシ
ル・ジ(イソステアロイル)・ジベンゾイルメタ
ン・ジルコネート、イソプロピル・ジ(イソステ
アロイル)・イソヘプタノイルアセトン・ジルコ
ネート、エチル・カプリロル・ビス(ヘプタノイ
ル・ステアロイルメタン)・ジルコネート、イソ
プロピル・イソステアロイル・ビス(イソヘプタ
ノイル・オクタノイルメタン)・ジルコネート、
ジブチル・オレオイル・ステアロイルアセトン・
ジルコネート、メチル・ステアロイルアセトン・
ビス(イソオクタノイル)・ジルコネート、イソ
プロピル・イソステアロイル・ビス(アセト酢酸
オレイル)・ジルコネート、メチル・アセト酢酸
オクチル・ビス(ジオクチルピロ燐酸)・ジルコ
ネート、ジルコニウム・アセト酢酸ドデシル・イ
ソステアレート・β−オキシプロピオネート、ジ
イソプロピル・チオドデシル・アセト酢酸オクチ
ル・ジルコネート、エトキシジルコニウム・ステ
アロイルアセトン・β−オキシプロピオネート、
ブトキシジルコウム・(ベンゾイル・オクタノイ
ルメタン)・β−オキシプロピオネート、イソプ
ロポキシジルコウム・アセト酢酸トリデシル・グ
リコレート、エトキシジルコニウム・ビス(ステ
アロイル・ベンゾイルメタン)・ドデシルベンゼ
ンスルホネート等のジルコニウム化合物があげら
れる。 本発明の無機物質用表面処理剤は、前記一般式
〔〕で表されるβ−ジケトネート化合物の少な
くとも一種を含有するものであり、この本発明の
無機物質用表面処理剤で無機物質の表面を処理す
ることによつて該無機物質が充填された重合体の
成型体の衝撃強度等の機械的性質を低下及び加工
性の低下を本質的に損なうことがないという顕著
な効果あるいは該無機物質を有機媒体に分散させ
る場合の分散性を向上させるという顕著な効果を
発揮する。 前記一般式〔〕で表されるβ−ジケトネート
化合物の少なくとも一種を含有する本発明の無機
物質用表面処理剤による無機物質の表面改質にお
いて、上記β−ジケトネート化合物は無機物質
100重量部に対して少なくとも0.1重量部以上、好
ましくは0.5〜10重量部使用される。上記β−ジ
ケトネート化合物を含有する本発明の無機物質用
表面処理剤により無機物質表面を改質処理するこ
とにより、無機物質表面に存在する反応性の水酸
基及び/又は吸着水と上記β−ジケトネート化合
物の間で反応が起こり、この反応により無機物質
と上記β−ジケトネート化合物の間に結合が生
じ、無機物質上に有機疏水性表面層が形成される
ために無機物質が有機媒体(低分子量液体又は高
分子量重合体固体)と濡れ易くなり、凝集無機物
質が容易に個々の粒子に分散し、均質な分散体が
得られるようになる。 本発明の無機物質用表面処理剤で処理される無
機物質は、その表面に反応性の水酸基及び/又は
吸着水を有することが必要である。このような無
機物質としては金属、クレー、カーボンブラツ
ク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、雲
母、水酸化アルミニウム、γ−アルミナ、水酸化
マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ニウム、タルク、ガラス、石英、ヒル石、アスベ
スト、亜鉛、マグネシウム、鉛、カルシウム、ア
ルミニウムの金属化合物、鉄くず、硫黄、二酸化
チタン、酸化鉄、フエライト、クロム酸亜鉛、酸
化亜鉛、ウルトラマリンブルー等があげられる。
これらの無機物質の形状は特に制限さるものでは
なく、また粒径は1mm以下、好ましくは0.1〜
500μの範囲内のものが用いられる。 本発明のβ−ジケトネート化合物を含有する無
機物質用表面処理剤による無機物質の表面改質
は、本発明の無機物質用表面処理剤と無機物質を
乾式または湿式法にて混合すれば良いが、湿式法
が均一混合の点からより好ましい。 湿式処理の際に、本発明の無機物質用表面処理
剤に含有されるβ−ジケトネート化合物と反応し
ないナフサ、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、オ
クテン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化
水素又はトリクロルエチレン等の塩素化炭化水素
が用いられる。 混合温度は特に制限されるものではないが、無
機物質とβ−ジケトネート化合物の間の反応が起
こるように選ばれる。 乾式重合では、例えばヘンシエルミキサー、オ
バートミキサー、ワーリングブレンダー等で混合
するのが好ましい。 以上のようにして本発明の無機物質用表面処理
剤により表面改質された無機物質はそのままで重
合体用充填剤として、または該表面改質された無
機物質の存在下に重合を行うとか、あるいはその
他の用途に用いることができる。しかしながら、
無機物質を重合体用充填剤として用いる場合に
は、本発明の無機物質用表面処理剤、未改質無機
物質および重合体を直接混合することもできる。 上記重合体としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン−1、ポリスチレン、ABS、
ポリ塩化ビル、ポリカーボネート、ポリフエニレ
ンオキシド、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フエノ
ール樹脂、尿素樹脂、ゴム等の重合体を用いるこ
とができる。 本発明の無機物質用表面処理剤で表面改質され
た無機物質又は本発明の無機物質用表面処理剤及
び未改質無機物質と重合体との混合は、一般に重
合体の二次転位温度より高い温度、好ましくは重
合体が低溶融粘度状態になる温度、例えば低密度
ポリエチレンでは160〜230℃、高密度ポリエチレ
ンでは190〜250℃、ポリスチレンでは220〜260
℃、またポリプロピレンでは220〜290℃の温度範
囲で行うのが最も良好な加工性が得られる。他の
重合体に混合する温度は当業者にとつて周知であ
り、公知の文献を参考にして決められる。また混
合には種々の混合装置、例えば二本ロールミル、
バンバリーミキサー、二重同心スクリユー、対向
または共同転対スクリユー及びZSK型ウエルサ
ー等が用いられる。 充填剤、顔料、補強剤としての無機物質の量
は、重合体の種類及び最終生成物の必要とする物
性等によつて異なるが、一般に重合体100部当た
り無機物質10〜3000部、好ましくは20〜2000部、
最も好ましくは20〜250部を使用することができ
る。 本発明の無機物質用表面処理剤によつて表面改
質された無機物質は重合体または有機媒体への親
和性が改善されている結果、 (1) 有機媒体へ無機物質を分散させたの分散体の
レオロジー性、特に粘度の低下効果が著しいた
め、有機媒体中への無機分散体の充填率をより
高くすることが可能になる。 (2) 無機物質と重合体の親和性が向上しているの
で、重合体の強度及びその他の物理的物性が改
良される。 (3) 無機物質の分散性が改良されているために分
散が効果的に行われ、所要量を低下させること
が可能になる。 (4) 重合体中への無機物質の高充填が可能とな
る。 (5) 無機物質の高充填により重合体の難燃性、焼
却性の改善ができる。 (6) 無機物質を分散させるに要する混合時間が短
くなる。 というような効果が達成される。 以下に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により制限される
ものではない。 実施例 1 攪拌機、蒸留塔および凝縮器を備えた三ツ口反
応フラスコに28.4g(0.1モル)のテトライソプ
ロピルチタネートと60gの1,2−ジクロルエタ
ンを仕込み、これに、20〜40℃で1時間を要して
77.2g(0.2モル)のステアロイルベンゾイルメ
タン/140gの1,2−ジクロルエタン溶液を滴
下した。1時間攪拌後28.4g(0.1モル)のイソ
ステアリン酸を加え、2時間反応した。次いで、
100℃/8mmHg下1時間減圧処理し、脱イソプロ
パノール及び脱1,2−ジクロルエタンを行い、
黒褐色粘稠液体を得た。この液体は、赤外分析に
よりイソプロピル・イソステアロイル・ビス(ス
テアロイル・ベンゾイルメタン)・チタネートで
あることを確認した。〔ν c=0 1600cm-1
1550cm-1,1510cm-1〕 実施例 2 攪拌機、蒸留塔および凝縮器を備えた三ツ口反
応フラスコに33.8g(0.1モル)のモノオクチル
錫トリクロライドと150gのキシレンを仕込み、
これに、20〜40℃で1時間を要して58g(0.3モ
ル)の28%ナトリウムメトキサイド−メタノール
溶液を滴下した。1時間攪拌後35.4g(0.1モル)
のアセト酢酸ステアリル/50gのキシレン溶液を
1時間を要して滴下した。さらに11時間攪拌後、
28.4g(0.1モル)のイソステアリン酸を加え、
2時間反応した。生成した食塩を濾過により除去
した後、100℃/8mmHg下1時間減圧処理し、脱
メタノール及び脱キシレンを行い、黄色粘稠液体
を得た。この液体は、赤外分析によりメトキシ・
オクチル錫・アセト酢酸ステアリル・イソステア
レートであることを確認した。〔ν c=0
1610cm-1,1590cm-1,1560cm-1〕 実施例 3 攪拌機、蒸留塔および凝縮器を備えた三ツ口反
応フラスコに23.3g(0.1モル)のジルコニウム
テトラクロライドと100gのキシレンを仕込み、
これに、20〜40℃で1時間を要して77.2g(0.4
モル)の28%ナトリウムメトキサイド−メタノー
ル溶液を滴下した。1時間攪拌後3.8g(0.1モ
ル)のステアロイルアセトン/50gのキシレン溶
液を1時間を要して滴下した。さらに1時間攪拌
後、28.8g(0.2モル)のイソオクチル酸を加え、
2時間反応した。生成した食塩を濾過により除去
した後、100℃/8mmHg下1時間減圧処理し、脱
メタノール及び脱キシレンを行い、淡褐色粘稠液
体を得た。この液体は、赤外分析によりメチル・
ステアロイルアセトン・ビス(イソオクチノイ
ル)・ジルコネートであることを確認した。〔ν
c=0 1550cm-1,1460cm-1,1420cm-1〕 実施例 4 平均粒径1.8μの炭酸カルシウム100gに対して、
イソプロピル・イソステアロイル・ビス(ステア
ロイル・ベンゾイルメタン)・チタネートを所定
量(0.5g,1gまたは2g)添加し、均一に混
合して処理品(表面改質された炭酸カルシウム)
を得た。低密度ポリエチレン100重量部に、上記
処理品を第1表に示す量添加し、ヘンシエルミキ
サーでドライブレンドし、170℃の二本ロールミ
ルで10分間混練して粉砕した。次いで、粉砕物を
170℃でプレス成型した。このようにして得られ
た成型板の抗張力、伸び、MFIを測定した。抗
張力及び伸びはJIS K−7113に準じて、30℃で
200mm/分で引つ張つた時の破断強度(Kg/cm2
及び破断時の伸び(%)を測定し、また、MFI
はASTM1238に準じて、190℃で荷重2160gを負
荷した時の直径2.1mmのオリフイスから10分間に
押し出される量を測定した。その結果を第1表に
示す。なお、比較のためイソプロピル・トリ(イ
ソステアロイル)・チタネートを使用した試験も
行つた。
【表】 実施例 5 平均粒径1.7μのタルク100gに対して、第2表
に示す表面処理剤1gを添加し、均一に混合して
処理品(表面改質されたタルク)を得た。ポリプ
ロピレン100重量部に、上記処理品を第2表に示
す量添加し、ヘンシエルミキサーでドライブレン
ドした後177℃の二本ロールミルで10分間混練し
た。次いで、200℃、5.1Kg/cm2の条件下で射出成
型し、試片を作成した。この試片の抗張力、伸
び、及びMFIを測定した。その結果を第2表に
示す。
【表】
【表】 実施例 6 平均粒径1μの水酸化アルミニウム100gに第3
表に示す表面処理剤1gを添加し、均一に混合し
て処理品(表面改質された水酸化アルミニウム)
を得た。高密度ポリエチレン100重量部に、上記
処理品を第3表に示す量添加し、ヘンシエルミキ
サーでドライブレンドした後、3分サイクル、ラ
ム圧4Kg/cm2、90℃の条件下バンバリーミキサー
で混合した。次いで、200℃、300Kg/cm2の条件下
で射出成型し、試片を作成した。この試片のシヤ
ルピー衝撃強度(ノツチ付)及びMFIを測定し
た。その結果を第3表に示す。
【表】
【表】 実施例 7 炭酸カルシウム100重量部に第4表に示す表面
処理剤0.7または1.4重量部を添加し均一に混合し
て処理品(表面改質された炭酸カルシウム)を得
た。次いで、この処理品70重量部及び流動パラフ
イン30重量部をとり均一に分散させ、25℃におけ
る粘度を測定した。その結果を第4表に示す。
尚、未処理の炭酸カルシウムを用いた場合は1:
1の割合でも均一に分散しなかつた。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例1における製造反応式及び実施例1〜3
で製造された表面処理剤の構造式は次の通りであ
る。 実施例1の表面処理剤の製造反応式及び構造
(実施例1の表面処理剤) 実施例2の表面処理剤の構造式 実施例3の表面処理剤の構造式 また、実施例4〜7で用いた表面処理剤の構造
式は次の通りである。 実施例4で用いた表面処理剤の構造式 実施例1の表面処理剤と同じ。 実施例5〜7で用いた表面処理剤の構造式 ●実施例5−1、5−2: ●実施例5−3、7−3: ●実施例5−4、6−3: ●実施例5−5、5−6、7−10: ●実施例5−7、6−8、6−9: 実施例2の表面処理剤と同じ。 ●実施例5−8: ●実施例5−9、7−13、7−14: ●実施例5−10、5−11: ●実施例5−12、7−21: ●実施例5−13、7−22、7−23: ●実施例6−1、6−2: 実施例3の表面処理剤と同じ。 ●実施例6−4: ●実施例6−5、6−6: ●実施例6−7: ●実施例6−10: ●実施例6−11: ●実施例6−12、6−13: ●実施例6−14: ●実施例6−15: ●実施例6−16、6−17、7−24: ●実施例7−1、7−2: ●実施例7−3、7−4: ●実施例7−6: ●実施例7−7: ●実施例7−8: ●実施例7−9: ●実施例7−11、7−12: ●実施例7−15: ●実施例7−16: ●実施例7−17: ●実施例7−18: ●実施例7−19: ●実施例7−20: ●実施例7−25:

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次の一般式〔〕で表される化合物の少なく
    とも一種を含有する無機物質用表面処理剤。 〔式中、Meはチタン、錫またはジルコニウム
    を示し、R1はアルキル基またはアコキシカルボ
    ニルアルキル基を示し、R2はアルキル基を示し、
    R3はアルキレン基を示し、R4はアルキル基また
    はフエニル基を示し、R6はアルキル基、アルケ
    ニル基、フエニル基または−O−R5を示し、X
    は【式】−S−R8、−SR3COOR8、− SR3OCOR7、−O−SO2−R9または
    【式】を示し、lは0または1 を示し、mは0〜2を示し、nは0または1を示
    し、qは1または2を示し、pは0〜2を示す。
    但しl+m+n+p+qはn=0の時4であり、
    n=1の時3であり、またn=0の時m及びpは
    1または2を示し、n=1の時m及びpは0また
    は1を示す。R5はアルキル基またはアルケル基
    を示し、R7はアルキル基またはアルケニル基を
    示し、R8はアルキル基を示し、R9はアルキルフ
    エニル基を示す。〕
JP7113083A 1983-04-22 1983-04-22 無機物質用表面処理剤 Granted JPS59196368A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7113083A JPS59196368A (ja) 1983-04-22 1983-04-22 無機物質用表面処理剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7113083A JPS59196368A (ja) 1983-04-22 1983-04-22 無機物質用表面処理剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59196368A JPS59196368A (ja) 1984-11-07
JPH0524185B2 true JPH0524185B2 (ja) 1993-04-07

Family

ID=13451681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7113083A Granted JPS59196368A (ja) 1983-04-22 1983-04-22 無機物質用表面処理剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS59196368A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6030491A (en) 1997-08-19 2000-02-29 Micron Technology, Inc. Processing compositions and methods of using same

Also Published As

Publication number Publication date
JPS59196368A (ja) 1984-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1103100A (en) Silicon treated surfaces
US3905936A (en) Coating particulates
KR100717514B1 (ko) 유기/무기 혼성 나노복합체 및 이를 이용한 열가소성나노복합재 수지 조성물
JPS6253517B2 (ja)
CA2159758C (en) Treated inorganic solids
US5571851A (en) Reinforcing fillers for plastics systems
CA1077507A (en) Organo titanate chelates and their uses
US4098758A (en) Inorganic-organic composites and methods of reacting the same with organo-titanium compounds
GB1592802A (en) Silane treated surfaces
AU581843B2 (en) Complex comprises aluminium, zirconium and carboxylate derivatives
US6252020B1 (en) Method for forming nanocomposites
DE2528134B2 (de) Silan/Pulver-Gemisch und dessen Verwendung
US5475123A (en) Polymeric materials
WO2010028877A1 (de) Neue katalysatoren für die vernetzung von funktionellen silanen oder funktionellen siloxanen, insbesondere mit substraten
EP2099853B1 (en) Filled plastic material composition
DE3300684A1 (de) Waerme-isolierendes, feuerfestes material
EP0090396B1 (en) Polysiloxane treated antimony compounds
JPS6025437B2 (ja) 有機チタネート含有組成物
JPH0524185B2 (ja)
DE60100493T2 (de) Flammhemmende thermoplastische Harzzusammensetzung und Verfahren zu dessen Herstellung
JPS6036573A (ja) 無機物質用表面処理剤
US4100076A (en) Titanate treated antimony compounds
AU4843399A (en) Halogen containing polymer compounds containing modified zeolite stabilizers
US20090082506A1 (en) Single-Constituent Polyorganosiloxane Composition Crosslinkable By Condensation And Comprising A Filler
JPS5843420B2 (ja) ポリオレフインジユシソセイブツ