JPH05240789A - 油分濃度測定装置 - Google Patents
油分濃度測定装置Info
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- JPH05240789A JPH05240789A JP4108492A JP4108492A JPH05240789A JP H05240789 A JPH05240789 A JP H05240789A JP 4108492 A JP4108492 A JP 4108492A JP 4108492 A JP4108492 A JP 4108492A JP H05240789 A JPH05240789 A JP H05240789A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 工場排水等の油分分析に適用される油分濃度
を、四塩化炭素を用いることなく求めることが可能な油
分濃度測定装置を提供する。 【構成】 試料水中の油分をエーテルに抽出した後の含
油試料を収容するための測定セルと、その測定セルに所
定の波長(例えば 220nm)の光を照射する光源と、測定
セルを透過した光の強度を検出する受光素子を備えてい
る。そして、受光素子の出力を油分濃度を求めるための
情報として用いるよう構成している。
を、四塩化炭素を用いることなく求めることが可能な油
分濃度測定装置を提供する。 【構成】 試料水中の油分をエーテルに抽出した後の含
油試料を収容するための測定セルと、その測定セルに所
定の波長(例えば 220nm)の光を照射する光源と、測定
セルを透過した光の強度を検出する受光素子を備えてい
る。そして、受光素子の出力を油分濃度を求めるための
情報として用いるよう構成している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば工業用水や工場
排水あるいは廃棄物(廃酸,廃アルカリ,汚泥等)など
の排水中の油分の分析等に適した油分濃度測定装置に関
する。
排水あるいは廃棄物(廃酸,廃アルカリ,汚泥等)など
の排水中の油分の分析等に適した油分濃度測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】工場排水あるいは廃棄物などの排水中の
油分の分析には、試料水中の油分を四塩化炭素内に抽出
した後の含油試料に赤外線を照射し、試料の赤外線吸収
度合から油分濃度を求める、いわゆる四塩化炭素抽出−
赤外法に基づく油分濃度測定装置が適用されている。な
お、油分分析に四塩化炭素抽出−赤外法が採用されるの
は、軽油等の検出感度が低い油を、他のA重油,B重油
等の油と同程度の感度で測定できるといった点で、他の
測定方法に対して優れていることによる。
油分の分析には、試料水中の油分を四塩化炭素内に抽出
した後の含油試料に赤外線を照射し、試料の赤外線吸収
度合から油分濃度を求める、いわゆる四塩化炭素抽出−
赤外法に基づく油分濃度測定装置が適用されている。な
お、油分分析に四塩化炭素抽出−赤外法が採用されるの
は、軽油等の検出感度が低い油を、他のA重油,B重油
等の油と同程度の感度で測定できるといった点で、他の
測定方法に対して優れていることによる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、四塩化炭素
は、発がん性のある有害試薬であることから、その取り
扱いが難しいばかりでなく、世界の各国で廃止の動きが
あり、また、国内の薬品メーカにおいても、一部で製造
を既に中止したところがある。このようなことから、四
塩化炭素抽出−赤外法による油分濃度測定装置は将来的
には使用できなくなる可能性がきわめて高い。
は、発がん性のある有害試薬であることから、その取り
扱いが難しいばかりでなく、世界の各国で廃止の動きが
あり、また、国内の薬品メーカにおいても、一部で製造
を既に中止したところがある。このようなことから、四
塩化炭素抽出−赤外法による油分濃度測定装置は将来的
には使用できなくなる可能性がきわめて高い。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、工場排水など油分濃度を、四塩化炭素を用いる
ことなく求めることが可能な油分濃度測定装置の提供を
所期の目的としている。
もので、工場排水など油分濃度を、四塩化炭素を用いる
ことなく求めることが可能な油分濃度測定装置の提供を
所期の目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、実施例に対応する図1を参照しつつ説明す
ると、本発明は、試料水中の油分をエーテルに抽出した
後の含油試料を収容するための測定セル1と、その測定
セル1に所定の波長の光を照射する光源4と、この光源
4からの光の測定セル1の透過光強度を検出する受光素
子6を備え、その受光素子6の出力を油分濃度を求める
ための情報として用いるよう構成したことによって特徴
づけられる。
めの構成を、実施例に対応する図1を参照しつつ説明す
ると、本発明は、試料水中の油分をエーテルに抽出した
後の含油試料を収容するための測定セル1と、その測定
セル1に所定の波長の光を照射する光源4と、この光源
4からの光の測定セル1の透過光強度を検出する受光素
子6を備え、その受光素子6の出力を油分濃度を求める
ための情報として用いるよう構成したことによって特徴
づけられる。
【0006】
【作用】測定セル1に収容した含油試料に、ある波長の
光を照射すると、その照射光のエネルギの一部が試料中
の油分に吸収されて、試料を透過した光の強度は、照射
光に対して減少する。一方、油分を抽出するエーテル自
体は光の吸収作用がない溶液であり、これらのことか
ら、エーテル抽出後の含油試料に光を照射して、透過光
強度を検出すれば、その検出値は含有油分に相関した値
となる。
光を照射すると、その照射光のエネルギの一部が試料中
の油分に吸収されて、試料を透過した光の強度は、照射
光に対して減少する。一方、油分を抽出するエーテル自
体は光の吸収作用がない溶液であり、これらのことか
ら、エーテル抽出後の含油試料に光を照射して、透過光
強度を検出すれば、その検出値は含有油分に相関した値
となる。
【0007】
【実施例】本発明の実施例を、以下、図面に基づいて説
明する。図1は本発明実施例の構成を示す図で、光学系
と信号処理系の回路構成を併記して示す図である。ま
た、図2はその実施例のセル交換装置3の要部構造を示
す縦断面図である。
明する。図1は本発明実施例の構成を示す図で、光学系
と信号処理系の回路構成を併記して示す図である。ま
た、図2はその実施例のセル交換装置3の要部構造を示
す縦断面図である。
【0008】光源4は、後述するセル交換装置3によっ
て光軸上に配置される測定セル1もしくは2に光を照射
するものである。この光源4のセルへの光軸上には、集
光レンズL1 ,スリットS1 およびS2 が順次に配置さ
れ、さらにフィルタ装置5およびハーフミラー9が順次
に配置されており、光源4から出た光はレンズL1 によ
って集光されてスリットS1 上に像を結ぶ。そのスリッ
トS1 を通過した光はコリメーティングレンズL2 によ
って平行光束となり、そしてフィルタ装置5およびハー
フミラー9を通過して測定セル1もしくは2内へと入射
する。
て光軸上に配置される測定セル1もしくは2に光を照射
するものである。この光源4のセルへの光軸上には、集
光レンズL1 ,スリットS1 およびS2 が順次に配置さ
れ、さらにフィルタ装置5およびハーフミラー9が順次
に配置されており、光源4から出た光はレンズL1 によ
って集光されてスリットS1 上に像を結ぶ。そのスリッ
トS1 を通過した光はコリメーティングレンズL2 によ
って平行光束となり、そしてフィルタ装置5およびハー
フミラー9を通過して測定セル1もしくは2内へと入射
する。
【0009】セル交換装置3は、図2に示すように、モ
ータ32aおよび送りねじ32b等を備えた昇降機構3
2によって支承されるセルホルダ31と、このホルダ上
に載置された第1の測定セル1と、ホルダ31の内部に
配置された第2の測定セル2と、セルホルダ31の側方
周囲を覆う形状のカバー33によって主に構成されてい
る。なお、カバー33には、ホルダ31の回転を規制し
て上下方向への平行移動のみを可能とするガイド(図示
せず)が設けられている。
ータ32aおよび送りねじ32b等を備えた昇降機構3
2によって支承されるセルホルダ31と、このホルダ上
に載置された第1の測定セル1と、ホルダ31の内部に
配置された第2の測定セル2と、セルホルダ31の側方
周囲を覆う形状のカバー33によって主に構成されてい
る。なお、カバー33には、ホルダ31の回転を規制し
て上下方向への平行移動のみを可能とするガイド(図示
せず)が設けられている。
【0010】また、セル交換装置のカバー33の下方部
および上端部には、それぞれマイクロスイッチMS1 およ
びMS2 が配置されており、昇降機構32を外部からの操
作により駆動制御して、セルホルダ31を下降させたと
きには、そのセルホルダ31の底部がマイクロスイッチ
MS1 に接触した時点でその移動は停止される。またセル
ホルダ31を上昇させ、ホルダ31の上端がマイクロス
イッチMS2 に接触した時点でその上昇移動は停止され、
このセルホルダ31が上昇端に位置した状態で、第2の
測定セル2が光源4の光軸上に配置され、一方、セルホ
ルダ31が下降端に位置した状態では、第1の測定セル
1が、光源4の光軸上に配置される。ここで、第1の測
定セル1は、試料水中の油分をエーテルに抽出した後の
試料が収容され、また、第2の測定セル2は、油分を含
んだ試料水が収容される。この第2の測定セル2には、
例えば図3に示すように、ポンプPによって河川などか
ら汲み上げた試料水が、セル下方側から流入する。ま
た、測定セル2を通過した試料水は排水される。なお、
ポンプPとしては、油分の拡散効果のある摩擦ポンプを
使用する。また、図中のバルブVは調圧弁である。
および上端部には、それぞれマイクロスイッチMS1 およ
びMS2 が配置されており、昇降機構32を外部からの操
作により駆動制御して、セルホルダ31を下降させたと
きには、そのセルホルダ31の底部がマイクロスイッチ
MS1 に接触した時点でその移動は停止される。またセル
ホルダ31を上昇させ、ホルダ31の上端がマイクロス
イッチMS2 に接触した時点でその上昇移動は停止され、
このセルホルダ31が上昇端に位置した状態で、第2の
測定セル2が光源4の光軸上に配置され、一方、セルホ
ルダ31が下降端に位置した状態では、第1の測定セル
1が、光源4の光軸上に配置される。ここで、第1の測
定セル1は、試料水中の油分をエーテルに抽出した後の
試料が収容され、また、第2の測定セル2は、油分を含
んだ試料水が収容される。この第2の測定セル2には、
例えば図3に示すように、ポンプPによって河川などか
ら汲み上げた試料水が、セル下方側から流入する。ま
た、測定セル2を通過した試料水は排水される。なお、
ポンプPとしては、油分の拡散効果のある摩擦ポンプを
使用する。また、図中のバルブVは調圧弁である。
【0011】一方、フィルタ装置5は、図4の正面図に
示すように、半円形の2枚の干渉フィルタ5Aおよび5
Bを合わせた形状の円盤51と、この円盤51をその中
心を軸として一定速度で回転させる同期モータ52等に
よって主に構成されており、その一方の干渉フィルタ5
Aの抽出波長は220nm で、他方の干渉フィルタ5Bの抽
出波長は400nm である。また、円盤51には、その回転
中心を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ小孔5aお
よび5bが穿たれている。この各小孔5a,5bが通過
する位置には、それぞれ発光・受光素子8aおよび8b
が配置されており、その両者は円盤51の半径方向に沿
う直線上に並んでいる。
示すように、半円形の2枚の干渉フィルタ5Aおよび5
Bを合わせた形状の円盤51と、この円盤51をその中
心を軸として一定速度で回転させる同期モータ52等に
よって主に構成されており、その一方の干渉フィルタ5
Aの抽出波長は220nm で、他方の干渉フィルタ5Bの抽
出波長は400nm である。また、円盤51には、その回転
中心を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ小孔5aお
よび5bが穿たれている。この各小孔5a,5bが通過
する位置には、それぞれ発光・受光素子8aおよび8b
が配置されており、その両者は円盤51の半径方向に沿
う直線上に並んでいる。
【0012】この二つの発光・受光素子8a,8bは、
光源4の光軸に円盤51のフィルタ合わせ位置が一致し
た状態で、そのいずれか一方8aまたは8bが出力を発
生する。すなわち、発光・受光素子8a,8bと光源4
との位置関係は、小孔5aが発光・受光素子8aに一致
した時点で、その小孔5aに対して回転方向の前方側の
フィルタ合わせ位置(図4に示す状態では回転中心の下
方側に位置するフィルタ合わせ位置)が光源4の光軸に
一致する関係となっており、従って、干渉フィルタ5B
が光源4の光軸上に存在していた状態から、フィルタ合
わせ位置が光軸に一致した時点で、発行・受光素子8a
が出力を発生し、また、その逆のときに発光・受光素子
8bが出力を発生する。それらの出力信号は、後述する
スイッチSW21,SW22 の開閉を制御するための信号として
供される。なお、図1では、光源4および発光・受光素
子8a,8bの構成を模式的に示しているので、その両
者に位置関係は上記とは異なる。
光源4の光軸に円盤51のフィルタ合わせ位置が一致し
た状態で、そのいずれか一方8aまたは8bが出力を発
生する。すなわち、発光・受光素子8a,8bと光源4
との位置関係は、小孔5aが発光・受光素子8aに一致
した時点で、その小孔5aに対して回転方向の前方側の
フィルタ合わせ位置(図4に示す状態では回転中心の下
方側に位置するフィルタ合わせ位置)が光源4の光軸に
一致する関係となっており、従って、干渉フィルタ5B
が光源4の光軸上に存在していた状態から、フィルタ合
わせ位置が光軸に一致した時点で、発行・受光素子8a
が出力を発生し、また、その逆のときに発光・受光素子
8bが出力を発生する。それらの出力信号は、後述する
スイッチSW21,SW22 の開閉を制御するための信号として
供される。なお、図1では、光源4および発光・受光素
子8a,8bの構成を模式的に示しているので、その両
者に位置関係は上記とは異なる。
【0013】そして、セル交換装置3の後方で、光源4
の光軸上には透過光受光素子6が配置されている。ま
た、ハーフミラー9と対向する位置に参照光受光素子7
が配置されている。この二つの光検出器6および7の出
力は、それぞれスイッチSW1,SW2 を介して第1の測定系
10もしくは第2の測定系20に導かれる。
の光軸上には透過光受光素子6が配置されている。ま
た、ハーフミラー9と対向する位置に参照光受光素子7
が配置されている。この二つの光検出器6および7の出
力は、それぞれスイッチSW1,SW2 を介して第1の測定系
10もしくは第2の測定系20に導かれる。
【0014】第1の測定系10は、透過光受光素子6お
よび参照光受光素子7からの光検出信号を入力し、その
両者の強度比を演算する比演算回路11と、その出力信
号を増幅する増幅器12、およびその増幅後の信号を表
示する指示計13を備えている。また、第2の測定系2
0は、スイッチSW1 に並列に接続される二つのホールド
回路H1,H2 と、その両者の出力信号ならびに参照光受
光素子7からの光検出信号が入力される差演算回路21
を備えている。この差演算回路21は、二つのホールド
回路H1 とH2 とからの両者の強度の差を算出し、さら
にその差算出値と参照光の検出値との比を演算する。こ
の差演算回路21の出力信号は増幅器22によって増幅
された後、指示計23に表示される。なお、各ホールド
回路H1,H2 は、それぞれスイッチSW21,SW22 とコンデ
ンサC1,C2 によって構成されている。
よび参照光受光素子7からの光検出信号を入力し、その
両者の強度比を演算する比演算回路11と、その出力信
号を増幅する増幅器12、およびその増幅後の信号を表
示する指示計13を備えている。また、第2の測定系2
0は、スイッチSW1 に並列に接続される二つのホールド
回路H1,H2 と、その両者の出力信号ならびに参照光受
光素子7からの光検出信号が入力される差演算回路21
を備えている。この差演算回路21は、二つのホールド
回路H1 とH2 とからの両者の強度の差を算出し、さら
にその差算出値と参照光の検出値との比を演算する。こ
の差演算回路21の出力信号は増幅器22によって増幅
された後、指示計23に表示される。なお、各ホールド
回路H1,H2 は、それぞれスイッチSW21,SW22 とコンデ
ンサC1,C2 によって構成されている。
【0015】以上の構造の本発明実施例は、工場排水等
の油分分析と油分監視の双方の機能を備えており、以
下、それぞれの測定動作を説明する。まず、工場排水な
どから採取した試料水の油分分析を行う際には、試料水
中に含まれる油分をエーテル中に抽出し、このエーテル
抽出後の含油試料を、第1の測定セル1内に収容する。
の油分分析と油分監視の双方の機能を備えており、以
下、それぞれの測定動作を説明する。まず、工場排水な
どから採取した試料水の油分分析を行う際には、試料水
中に含まれる油分をエーテル中に抽出し、このエーテル
抽出後の含油試料を、第1の測定セル1内に収容する。
【0016】さらに、セル交換装置3を操作して第1の
測定セル1を光源4の光軸上に配置するとともに、フィ
ルタ装置の同期モータ52の駆動制御を行って、光源4
の光軸上に抽出波長220nm の干渉フィルタ5Aを配置し
て固定しておく。また、スイッチSW1,SW2 は第1の測定
系10側に接続しておく。
測定セル1を光源4の光軸上に配置するとともに、フィ
ルタ装置の同期モータ52の駆動制御を行って、光源4
の光軸上に抽出波長220nm の干渉フィルタ5Aを配置し
て固定しておく。また、スイッチSW1,SW2 は第1の測定
系10側に接続しておく。
【0017】以上の状態で測定を行うと、第1の測定セ
ル1内に波長220nm の光が照射され、その透過光の強度
が受光素子6によって検出される。その検出値I11と参
照光検出値I0 との比I11/I0 が比演算回路11で演
算され、この演算結果が油分濃度情報として指示計13
に表示される。
ル1内に波長220nm の光が照射され、その透過光の強度
が受光素子6によって検出される。その検出値I11と参
照光検出値I0 との比I11/I0 が比演算回路11で演
算され、この演算結果が油分濃度情報として指示計13
に表示される。
【0018】ここで、油分をエーテルに抽出した後の含
油試料に、波長 200〜800nm の範囲の光を照射して、透
過光強度を測定したところ、図6および図7に示すよう
なデータが得られた。ただし、図6のデータの油分は軽
油50ppm とし、また図7(a)および(b) のデータの油分
は、それぞれ軽油110ppmおよび200ppmとした。さらに、
油分を抽出しないでエーテルのみの場合について同様な
測定を行ったところ、図5に示すようなデータが得られ
た。なお、これらの各グラフの縦軸のパラメータは吸光
度としている。
油試料に、波長 200〜800nm の範囲の光を照射して、透
過光強度を測定したところ、図6および図7に示すよう
なデータが得られた。ただし、図6のデータの油分は軽
油50ppm とし、また図7(a)および(b) のデータの油分
は、それぞれ軽油110ppmおよび200ppmとした。さらに、
油分を抽出しないでエーテルのみの場合について同様な
測定を行ったところ、図5に示すようなデータが得られ
た。なお、これらの各グラフの縦軸のパラメータは吸光
度としている。
【0019】これらの図から明らかなように、エーテル
のみに波長 200〜800nm の範囲の光を照射してもその照
射光の吸収はなく、また、油分を含んだエーテルの場合
は、その油分の含油量に応じて透過光強度が変化するこ
とが確認できた。また、波長220nm 付近の光を照射した
場合に、吸収度合が高く現れることも確認でき、このこ
とから、この実施例では、光源4からの光のうち、波長
220nm の光を干渉フィルタ5Aで抽出して第1の測定セ
ル1に照射することで、測定の感度の向上をはかってい
る。なお、照射光の波長が 200〜300nm の範囲であれ
ば、油分の検出は可能であるが、ある程度の感度が要求
される場合には、照射光の波長範囲を 210〜240nm とす
ることが好ましい。
のみに波長 200〜800nm の範囲の光を照射してもその照
射光の吸収はなく、また、油分を含んだエーテルの場合
は、その油分の含油量に応じて透過光強度が変化するこ
とが確認できた。また、波長220nm 付近の光を照射した
場合に、吸収度合が高く現れることも確認でき、このこ
とから、この実施例では、光源4からの光のうち、波長
220nm の光を干渉フィルタ5Aで抽出して第1の測定セ
ル1に照射することで、測定の感度の向上をはかってい
る。なお、照射光の波長が 200〜300nm の範囲であれ
ば、油分の検出は可能であるが、ある程度の感度が要求
される場合には、照射光の波長範囲を 210〜240nm とす
ることが好ましい。
【0020】以上の測定においては、エーテル抽出後の
含油試料の油分濃度が求まるだけであるが、エーテル抽
出前の元の試料水の油分濃度は、含油試料の油分濃度測
定値を、エーテル抽出比を用いて換算することで、簡単
に求めることができる。
含油試料の油分濃度が求まるだけであるが、エーテル抽
出前の元の試料水の油分濃度は、含油試料の油分濃度測
定値を、エーテル抽出比を用いて換算することで、簡単
に求めることができる。
【0021】一方、工場排水等の油分監視、つまり工場
排水等の油分濃度を連続的に測定する場合には、セル交
換装置3を操作して第2の測定セル2を光源4の光軸上
に配置するとともに、このセルの配管系の摩擦ポンプP
を駆動する。また、フィルタ装置の同期モータ52を一
定の速度で回転させる。さらに、スイッチSW1,SW2 の切
り換えを行って、二つの受光素子6および7を第2の測
定系20側に接続しておく。
排水等の油分濃度を連続的に測定する場合には、セル交
換装置3を操作して第2の測定セル2を光源4の光軸上
に配置するとともに、このセルの配管系の摩擦ポンプP
を駆動する。また、フィルタ装置の同期モータ52を一
定の速度で回転させる。さらに、スイッチSW1,SW2 の切
り換えを行って、二つの受光素子6および7を第2の測
定系20側に接続しておく。
【0022】さて、測定を開始すると、まず、一方の発
光・受光素子8aが出力を発生したとき、つまりフィル
タ装置5の円盤の小孔5aが発光・受光素子8aに位置
した時点からは、光源4の光軸上には干渉フィルタ5A
が位置することになり、従って第2の測定セル2内には
干渉フィルタ5Aによって抽出された波長220nm の光が
入射する。さらに、発光・受光素子8aが出力を発生し
た時点で、ホールド回路H1 のスイッチSW21が閉じて、
透過光受光素子6の出力信号がコンデンサC1に記憶さ
れる。
光・受光素子8aが出力を発生したとき、つまりフィル
タ装置5の円盤の小孔5aが発光・受光素子8aに位置
した時点からは、光源4の光軸上には干渉フィルタ5A
が位置することになり、従って第2の測定セル2内には
干渉フィルタ5Aによって抽出された波長220nm の光が
入射する。さらに、発光・受光素子8aが出力を発生し
た時点で、ホールド回路H1 のスイッチSW21が閉じて、
透過光受光素子6の出力信号がコンデンサC1に記憶さ
れる。
【0023】次いで、他方の発光・受光素子8bが出力
を発生した時点で、光源4の光軸上には干渉フィルタ5
Bが配置され、このフィルタによって抽出された波長40
0nmの光が入射する。また、この時点で、ホールド回路
H2 のスイッチSW22が閉じて透過光受光素子6の出力信
号がコンデンサC2 に記憶される。そして、その二つの
検出信号I21およびI22は、後段の差演算回路21に採
り込まれて、その両者の差(I21−I22)が演算され、
さらにその演算値と参照光受光素子7の出力信号I0 と
の比(I21−I22)/I0 が演算されて、この演算結果
が油分濃度情報として指示計23に表示される。
を発生した時点で、光源4の光軸上には干渉フィルタ5
Bが配置され、このフィルタによって抽出された波長40
0nmの光が入射する。また、この時点で、ホールド回路
H2 のスイッチSW22が閉じて透過光受光素子6の出力信
号がコンデンサC2 に記憶される。そして、その二つの
検出信号I21およびI22は、後段の差演算回路21に採
り込まれて、その両者の差(I21−I22)が演算され、
さらにその演算値と参照光受光素子7の出力信号I0 と
の比(I21−I22)/I0 が演算されて、この演算結果
が油分濃度情報として指示計23に表示される。
【0024】ここで、油分を含んだ試料水に、波長 200
〜600nm の範囲の光を照射して、透過光強度を測定した
ところ、図8および図9に示すようなデータが得られ
た。ただし、図8(a) および(b) のデータの油分は、そ
れぞれ軽油 50ppmおよび 60ppmとし、また図9のデータ
の油分は軽油 70ppmとした。なお、これらの各グラフの
縦軸のパラメータは吸光度としている。
〜600nm の範囲の光を照射して、透過光強度を測定した
ところ、図8および図9に示すようなデータが得られ
た。ただし、図8(a) および(b) のデータの油分は、そ
れぞれ軽油 50ppmおよび 60ppmとし、また図9のデータ
の油分は軽油 70ppmとした。なお、これらの各グラフの
縦軸のパラメータは吸光度としている。
【0025】これらの図から明らかなように、波長が 2
00〜300nm の範囲の光を試料水に照射したときに、油分
による光吸収の影響が透過光に現れ、しかも、その影響
の度合は油分の含有量に相関することが確認でき、ま
た、波長220nm 付近の光を照射光として用いた場合に、
光吸収度合の影響が高く現れることも確認できた。一
方、照射光の波長が 350〜600nm の範囲である場合に
は、油分による光吸収の影響が現れず、この波長範囲で
は水による光吸収の影響のみが現れることが確認でき
た。
00〜300nm の範囲の光を試料水に照射したときに、油分
による光吸収の影響が透過光に現れ、しかも、その影響
の度合は油分の含有量に相関することが確認でき、ま
た、波長220nm 付近の光を照射光として用いた場合に、
光吸収度合の影響が高く現れることも確認できた。一
方、照射光の波長が 350〜600nm の範囲である場合に
は、油分による光吸収の影響が現れず、この波長範囲で
は水による光吸収の影響のみが現れることが確認でき
た。
【0026】このようなことから、例えば波長220nm と
400nm とを試料水に交互に照射し、その各透過光を検出
して、その二つの検出値の差を求めれば、その演算値
は、水による光吸収分がキャンセルされた、含有油分に
よる光吸収分を示す値となり、この演算値から試料水の
油分濃度を求めることができる。なお、試料水に交互に
照射する照射光のうち、一方の波長を220nm ,他方を40
0nm とすれば、高感度で油分濃度を測定することができ
る。また、一方の波長範囲が 200〜300nm で他方の波長
範囲が 350〜600nm であれば、油分の検出は可能である
が、ある程度の感度が要求される場合には、その各波長
範囲を、それぞれ 210〜240nm と 350〜 450nmとするこ
とが好ましい。
400nm とを試料水に交互に照射し、その各透過光を検出
して、その二つの検出値の差を求めれば、その演算値
は、水による光吸収分がキャンセルされた、含有油分に
よる光吸収分を示す値となり、この演算値から試料水の
油分濃度を求めることができる。なお、試料水に交互に
照射する照射光のうち、一方の波長を220nm ,他方を40
0nm とすれば、高感度で油分濃度を測定することができ
る。また、一方の波長範囲が 200〜300nm で他方の波長
範囲が 350〜600nm であれば、油分の検出は可能である
が、ある程度の感度が要求される場合には、その各波長
範囲を、それぞれ 210〜240nm と 350〜 450nmとするこ
とが好ましい。
【0027】以上の実施例によると、1台の装置で、エ
ーテル抽出中の油分分析と試料水中の油分監視のいずれ
の測定をも行うことができ、しかも、1個の光源で双方
の測定が可能であるといった利点がある。なお、本発明
は、四塩化炭素を用いることなく油分分析を行うことが
可能な装置の提供を所期の目的としており、従って、油
分監視用の測定系の構成は必ずしも必要ではない。
ーテル抽出中の油分分析と試料水中の油分監視のいずれ
の測定をも行うことができ、しかも、1個の光源で双方
の測定が可能であるといった利点がある。なお、本発明
は、四塩化炭素を用いることなく油分分析を行うことが
可能な装置の提供を所期の目的としており、従って、油
分監視用の測定系の構成は必ずしも必要ではない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試料水中に含まれる油分をエーテルに抽出した後の含油
試料に所定の波長(例えば220nm )の光を照射して、そ
の試料を透過した光の強度を検出して、その検出値を油
分濃度を求めるための情報として用いるよう構成したの
で、軽油等の検出感度が低い油の油分測定などを必要と
する油分分析を、四塩化炭素を使用することなく測定す
ることが可能となる。
試料水中に含まれる油分をエーテルに抽出した後の含油
試料に所定の波長(例えば220nm )の光を照射して、そ
の試料を透過した光の強度を検出して、その検出値を油
分濃度を求めるための情報として用いるよう構成したの
で、軽油等の検出感度が低い油の油分測定などを必要と
する油分分析を、四塩化炭素を使用することなく測定す
ることが可能となる。
【0029】また、含油試料に照射する光の波長は、例
えば 200〜300nm 程度でよいことから光源として寿命が
半永久的なLEDなどを使用することが可能で、しか
も、測定セルとしてガラスセルを使用することができる
ことから、装置のコストが安価である。
えば 200〜300nm 程度でよいことから光源として寿命が
半永久的なLEDなどを使用することが可能で、しか
も、測定セルとしてガラスセルを使用することができる
ことから、装置のコストが安価である。
【図1】本発明実施例の構成を示すブロック図
【図2】本発明実施例のセル交換装置3の構造を示す要
部縦断面図
部縦断面図
【図3】本発明実施例の第2の測定セル2への試料水サ
ンプリング用配管系の構成図
ンプリング用配管系の構成図
【図4】本発明実施例のフィルタ装置5の正面図
【図5】油分を含まないエーテルに波長 200〜800nm の
範囲の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
範囲の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
【図6】軽油をエーテルに抽出した含油試料に波長 200
〜800nm の範囲の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
〜800nm の範囲の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
【図7】軽油をエーテルに抽出した含油試料に波長 200
〜800nm の範囲の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
〜800nm の範囲の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
【図8】軽油を含んだ試料水に波長 200〜600nm の範囲
の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
【図9】軽油を含んだ試料水に波長 200〜600nm の範囲
の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
の光を照射した際の吸光度を示すグラフ
1・・・・測定セル 4・・・・光源 5・・・・フィルタ装置 5A・・・・干渉フィルタ(220nnm) 6・・・・透過光受光素子 7・・・・参照光受光素子 9・・・・ハーフミラー 11・・・・比演算回路 12・・・・増幅器 13・・・・指示計
Claims (1)
- 【請求項1】 試料水中の油分をエーテルに抽出した後
の含油試料を収容するための測定セルと、その測定セル
に所定の波長の光を照射する光源と、この光源からの光
の上記測定セルの透過光強度を検出する受光素子を備
え、その受光素子の出力を油分濃度を求めるための情報
として用いるよう構成した油分濃度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4108492A JPH05240789A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 油分濃度測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4108492A JPH05240789A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 油分濃度測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05240789A true JPH05240789A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=12598604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4108492A Pending JPH05240789A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 油分濃度測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05240789A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106574895A (zh) * | 2014-08-21 | 2017-04-19 | 夏普株式会社 | 用于测量浓度的传感器和系统 |
-
1992
- 1992-02-27 JP JP4108492A patent/JPH05240789A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106574895A (zh) * | 2014-08-21 | 2017-04-19 | 夏普株式会社 | 用于测量浓度的传感器和系统 |
JP2017532535A (ja) * | 2014-08-21 | 2017-11-02 | シャープ株式会社 | 濃度を測定するためのセンサおよびシステム |
US10139386B2 (en) | 2014-08-21 | 2018-11-27 | Sharp Kabushiki Kaisha | Optical sensor for fluid analysis |
CN106574895B (zh) * | 2014-08-21 | 2020-07-24 | 夏普株式会社 | 用于测量浓度的传感器和系统 |
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