JPH05240717A - 光ファイバ式温度分布測定装置 - Google Patents
光ファイバ式温度分布測定装置Info
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- JPH05240717A JPH05240717A JP4043922A JP4392292A JPH05240717A JP H05240717 A JPH05240717 A JP H05240717A JP 4043922 A JP4043922 A JP 4043922A JP 4392292 A JP4392292 A JP 4392292A JP H05240717 A JPH05240717 A JP H05240717A
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- optical
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01K—MEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- G01K11/00—Measuring temperature based upon physical or chemical changes not covered by groups G01K3/00, G01K5/00, G01K7/00 or G01K9/00
- G01K11/32—Measuring temperature based upon physical or chemical changes not covered by groups G01K3/00, G01K5/00, G01K7/00 or G01K9/00 using changes in transmittance, scattering or luminescence in optical fibres
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- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】従来装置に大幅な変更を加えることなく、且つ
温度測定精度の低下を伴わずに、温度分布測定の空間分
解能を向上させる。 【構成】測定部3内の光ファイバ2の基端部に光スイッ
チ14が介装され、この光スイッチ14がパルス駆動回路4
によって半導体レーザ5と同期して駆動される。光スイ
ッチ14内には、距離分解能の半分だけ長さの異なる一対
の調整用光ファイバ15,16が内蔵されており、光スイッ
チ14が駆動されることにより光ファイバ2にいずれかの
ファイバ長調整用光ファイバ15,16を瞬時に選択接続す
ることにより長さの異なる複数の検出経路を形成させ、
両検出経路の温度分布測定値を高速平均化処理装置11で
算出し、データ処理装置12で温度分布測定値を算出す
る。一方、測定部3の近傍には光ファイバ2を収納する
恒温槽17が配置されており、光ファイバ2の温度が所定
区間内で一定に保たれるようになっている。
温度測定精度の低下を伴わずに、温度分布測定の空間分
解能を向上させる。 【構成】測定部3内の光ファイバ2の基端部に光スイッ
チ14が介装され、この光スイッチ14がパルス駆動回路4
によって半導体レーザ5と同期して駆動される。光スイ
ッチ14内には、距離分解能の半分だけ長さの異なる一対
の調整用光ファイバ15,16が内蔵されており、光スイッ
チ14が駆動されることにより光ファイバ2にいずれかの
ファイバ長調整用光ファイバ15,16を瞬時に選択接続す
ることにより長さの異なる複数の検出経路を形成させ、
両検出経路の温度分布測定値を高速平均化処理装置11で
算出し、データ処理装置12で温度分布測定値を算出す
る。一方、測定部3の近傍には光ファイバ2を収納する
恒温槽17が配置されており、光ファイバ2の温度が所定
区間内で一定に保たれるようになっている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ラマン散乱光を利用
して電力設備や各種プラント等の温度分布を測定する光
ファイバ式温度分布測定装置に係り、詳しくはその空間
分解能を向上させる技術に関する。
して電力設備や各種プラント等の温度分布を測定する光
ファイバ式温度分布測定装置に係り、詳しくはその空間
分解能を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ラマン散乱光利用分布型温度セン
サ(センサ技術VOL.9,NO.7の30頁〜34
頁)等に記載されたように、一本の光ファイバを用いて
多数地点の温度を同時に測定する光ファイバ式温度分布
測定装置が提案されている。これらの装置は、ラマン散
乱光の2成分であるストークス光とアンチ・ストークス
光との強度比が光ファイバの温度に応じて敏感に変化す
る現象を利用したもので、ラマン後方散乱光が入射端に
戻ってくるまでの時間(以降、遅延時間と称する)によ
り散乱された部位を求める一方、その強度からその部位
における光ファイバの温度、すなわち光ファイバが敷設
された地点の温度を求める。そして、各部位からのラマ
ン後方散乱光を時分割して検出することにより、光ファ
イバのそれぞれの部位の温度、すなわち光ファイバに沿
った温度分布を得るのである。
サ(センサ技術VOL.9,NO.7の30頁〜34
頁)等に記載されたように、一本の光ファイバを用いて
多数地点の温度を同時に測定する光ファイバ式温度分布
測定装置が提案されている。これらの装置は、ラマン散
乱光の2成分であるストークス光とアンチ・ストークス
光との強度比が光ファイバの温度に応じて敏感に変化す
る現象を利用したもので、ラマン後方散乱光が入射端に
戻ってくるまでの時間(以降、遅延時間と称する)によ
り散乱された部位を求める一方、その強度からその部位
における光ファイバの温度、すなわち光ファイバが敷設
された地点の温度を求める。そして、各部位からのラマ
ン後方散乱光を時分割して検出することにより、光ファ
イバのそれぞれの部位の温度、すなわち光ファイバに沿
った温度分布を得るのである。
【0003】具体的には、図4の模式図に示す如く、電
力設備やプラント等の被測定物1に沿って光ファイバ2
を敷設し、この光ファイバ2に測定部3内においてパル
ス駆動回路4により駆動されるパルス半導体レーザ5か
ら光パルスを入射させる。次いで、光ファイバ2の各部
位での後方散乱光の内、ラマン後方散乱光の2成分であ
るストークス光およびアンチ・ストークス光を光分波器
6内の2種の干渉フィルタ7,8により分離し、それぞ
れを第1および第2APD(アバランシェ・フォト・ダ
イオード)9,10により光電変換する。次いで、高速
平均化処理装置11内において、これら2成分の強度を
A/D変換した後、各々の遅延時間に対応したメモリ内
に加算して収納する。そして、光ファイバ2からの後方
散乱光がすべて戻った後、再び光ファイバ2に光パルス
を入射させ、ラマン後方散乱光の検出を行う。これらの
操作を多数回(例えば数千回)繰り返した後、その繰返
し回数で除することにより平均化を行う。この平均化の
処理は、ラマン後方散乱光が非常に微弱であるための測
定誤差を防止する目的で行われる。しかる後、測定部3
から出力された各部位におけるストークス光とアンチ・
ストークス光との強度比に基づき、データ処理装置12
により温度分布情報を得て、ディスプレイ13の画面に
表示を行う。尚、ストークス光とアンチ・ストークス光
との強度比から温度を得るには、予め実験や演算等に基
づき作成されたマップを用いる。
力設備やプラント等の被測定物1に沿って光ファイバ2
を敷設し、この光ファイバ2に測定部3内においてパル
ス駆動回路4により駆動されるパルス半導体レーザ5か
ら光パルスを入射させる。次いで、光ファイバ2の各部
位での後方散乱光の内、ラマン後方散乱光の2成分であ
るストークス光およびアンチ・ストークス光を光分波器
6内の2種の干渉フィルタ7,8により分離し、それぞ
れを第1および第2APD(アバランシェ・フォト・ダ
イオード)9,10により光電変換する。次いで、高速
平均化処理装置11内において、これら2成分の強度を
A/D変換した後、各々の遅延時間に対応したメモリ内
に加算して収納する。そして、光ファイバ2からの後方
散乱光がすべて戻った後、再び光ファイバ2に光パルス
を入射させ、ラマン後方散乱光の検出を行う。これらの
操作を多数回(例えば数千回)繰り返した後、その繰返
し回数で除することにより平均化を行う。この平均化の
処理は、ラマン後方散乱光が非常に微弱であるための測
定誤差を防止する目的で行われる。しかる後、測定部3
から出力された各部位におけるストークス光とアンチ・
ストークス光との強度比に基づき、データ処理装置12
により温度分布情報を得て、ディスプレイ13の画面に
表示を行う。尚、ストークス光とアンチ・ストークス光
との強度比から温度を得るには、予め実験や演算等に基
づき作成されたマップを用いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光ファイバ式温度分布測定装置にも次の問題
点があった。上述した装置では、被測定物1の温度は光
パルス幅に対応した区間における平均値として測定され
る。そのため、温度分布を正確に測定するには、光パル
ス幅を狭くし且つ時分割可能な時間幅を短くして、空間
分解能を高める必要がある。ところが、光パルス幅を狭
くすることは、平均化されるデータの減少を意味し、当
然に温度測定精度の低下をもたらす。この事情を考慮す
ると、現実的な光パルス幅すなわち空間分解能は1m程
度となっていた。したがって、この装置では1m以下の
空間分解能を要求される被測定物1には適用できず、そ
の場合には熱電対等を用いた旧来の測定装置に頼らざる
を得なかった。
うな従来の光ファイバ式温度分布測定装置にも次の問題
点があった。上述した装置では、被測定物1の温度は光
パルス幅に対応した区間における平均値として測定され
る。そのため、温度分布を正確に測定するには、光パル
ス幅を狭くし且つ時分割可能な時間幅を短くして、空間
分解能を高める必要がある。ところが、光パルス幅を狭
くすることは、平均化されるデータの減少を意味し、当
然に温度測定精度の低下をもたらす。この事情を考慮す
ると、現実的な光パルス幅すなわち空間分解能は1m程
度となっていた。したがって、この装置では1m以下の
空間分解能を要求される被測定物1には適用できず、そ
の場合には熱電対等を用いた旧来の測定装置に頼らざる
を得なかった。
【0005】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、従来装置に大幅な変更を加えることなく、
且つ温度測定精度の低下を伴わずに、温度分布測定の空
間分解能を向上させた光ファイバ式温度分布測定装置を
提供することを目的とする。
れたもので、従来装置に大幅な変更を加えることなく、
且つ温度測定精度の低下を伴わずに、温度分布測定の空
間分解能を向上させた光ファイバ式温度分布測定装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明ではこの課
題を解決するために、第1に、測定用に敷設された光フ
ァイバに光パルスを入射させ、ラマン後方散乱光の強度
とその戻るまでの時間とから当該光ファイバの区間平均
による温度分布測定を行う光ファイバ式温度分布測定装
置において、所定のパルス幅の光パルスを発振する光パ
ルス発振手段と、当該光ファイバの光パルス入射側に設
けられ、相互の位相差が温度測定の距離分解能より小さ
い複数のファイバ長調整用光ファイバを選択接続するこ
とにより長さの異なる複数の検出経路を形成させる選択
切換手段と、当該複数の検出経路に対応した複数の温度
分布測定値を算出し、これらに基づき前記距離分解能に
該当する区間を複数に分割した区間での温度分布測定値
を算出する演算手段とを具えたことを特徴とする光ファ
イバ式温度分布測定装置を提案する。また、第2に、上
記構成に加えて、前記光ファイバの光パルス入射側に設
けられ、当該光ファイバの少なくとも前記温度測定の距
離分解能より長い範囲を所定の温度に維持する恒温槽を
具えたことを特徴とする光ファイバ式温度分布測定装置
を提案する。
題を解決するために、第1に、測定用に敷設された光フ
ァイバに光パルスを入射させ、ラマン後方散乱光の強度
とその戻るまでの時間とから当該光ファイバの区間平均
による温度分布測定を行う光ファイバ式温度分布測定装
置において、所定のパルス幅の光パルスを発振する光パ
ルス発振手段と、当該光ファイバの光パルス入射側に設
けられ、相互の位相差が温度測定の距離分解能より小さ
い複数のファイバ長調整用光ファイバを選択接続するこ
とにより長さの異なる複数の検出経路を形成させる選択
切換手段と、当該複数の検出経路に対応した複数の温度
分布測定値を算出し、これらに基づき前記距離分解能に
該当する区間を複数に分割した区間での温度分布測定値
を算出する演算手段とを具えたことを特徴とする光ファ
イバ式温度分布測定装置を提案する。また、第2に、上
記構成に加えて、前記光ファイバの光パルス入射側に設
けられ、当該光ファイバの少なくとも前記温度測定の距
離分解能より長い範囲を所定の温度に維持する恒温槽を
具えたことを特徴とする光ファイバ式温度分布測定装置
を提案する。
【0007】
【作用】本発明では、例えば光パルス幅等の温度測定の
距離分解能に相当する長さの半分の長さだけ異なる2系
統の検出経路を形成する場合、演算手段により2系統の
それぞれ端部側の区間の温度分布測定値を算出し、しか
る後ラップしない区間すなわち距離分解能に相当する長
さの半分の区間の温度分布測定値を算出する。次いで、
この温度分布測定値と次の区間の温度分布測定値とか
ら、次の半分の区間の温度分布測定値を算出する。以
下、同様の処理を繰り返すことにより、従来と同一の光
パルス幅で測定を行いながら、倍の空間分解能を得る。
また、恒温槽を具えたものにあっては、恒温槽内の光フ
ァイバの温度が区間を分割する際の基準値となる。
距離分解能に相当する長さの半分の長さだけ異なる2系
統の検出経路を形成する場合、演算手段により2系統の
それぞれ端部側の区間の温度分布測定値を算出し、しか
る後ラップしない区間すなわち距離分解能に相当する長
さの半分の区間の温度分布測定値を算出する。次いで、
この温度分布測定値と次の区間の温度分布測定値とか
ら、次の半分の区間の温度分布測定値を算出する。以
下、同様の処理を繰り返すことにより、従来と同一の光
パルス幅で測定を行いながら、倍の空間分解能を得る。
また、恒温槽を具えたものにあっては、恒温槽内の光フ
ァイバの温度が区間を分割する際の基準値となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。尚、実施例の説明に当たっては、前述した従
来装置と同一の部材に同一の符号を付す。図1には、本
発明の一実施例に係る光ファイバ式温度分布測定装置を
模式的に示し、図2および図3には、実施例における温
度分布測定グラフを示してある。
説明する。尚、実施例の説明に当たっては、前述した従
来装置と同一の部材に同一の符号を付す。図1には、本
発明の一実施例に係る光ファイバ式温度分布測定装置を
模式的に示し、図2および図3には、実施例における温
度分布測定グラフを示してある。
【0009】図1に示す如く、従来装置と同様に、測定
部3内には光パルス発振手段たるパルス駆動回路4およ
びパルス半導体レーザ(以下、LDと称す)5が設けら
れており、このLD5から光分波器6を介して光ファイ
バ2に光パルスが入射する。ところが、本実施例では測
定部3内の光ファイバ2の基端部に、本実施例における
選択切換手段たる光スイッチ14が介装されており、こ
の光スイッチ14がパルス駆動回路4によってLD5と
同期して駆動されるようになっている。光スイッチ14
内には、例えば光パルスのパルス幅(本実施例では1
m)と等しい距離分解能の半分(0.5m)だけ長さの
異なる一対のファイバ長調整用光ファイバ15,16が
内蔵されており、光スイッチ14が駆動されることによ
り光ファイバ2に何れかのファイバ長調整用光ファイバ
15,16が瞬時に接続される。したがって、本実施例
の装置では、その長さが0.5m異なる2種の光ファイ
バ2(すなわち検出経路)が具えられていることにな
る。尚、本実施例においては、短い方の検出経路を第1
ルートとし、長い方の検出経路を第2ルートとする。
部3内には光パルス発振手段たるパルス駆動回路4およ
びパルス半導体レーザ(以下、LDと称す)5が設けら
れており、このLD5から光分波器6を介して光ファイ
バ2に光パルスが入射する。ところが、本実施例では測
定部3内の光ファイバ2の基端部に、本実施例における
選択切換手段たる光スイッチ14が介装されており、こ
の光スイッチ14がパルス駆動回路4によってLD5と
同期して駆動されるようになっている。光スイッチ14
内には、例えば光パルスのパルス幅(本実施例では1
m)と等しい距離分解能の半分(0.5m)だけ長さの
異なる一対のファイバ長調整用光ファイバ15,16が
内蔵されており、光スイッチ14が駆動されることによ
り光ファイバ2に何れかのファイバ長調整用光ファイバ
15,16が瞬時に接続される。したがって、本実施例
の装置では、その長さが0.5m異なる2種の光ファイ
バ2(すなわち検出経路)が具えられていることにな
る。尚、本実施例においては、短い方の検出経路を第1
ルートとし、長い方の検出経路を第2ルートとする。
【0010】一方、測定部3の近傍には光ファイバ2を
収納する恒温槽17が配置されており、光ファイバ2の
温度が所定区間(本実施例では1m)内で一定に保たれ
るようになっている。恒温槽17から出た光ファイバ2
は、従来装置と同様に、被測定物1に沿って敷設されて
いる。また、測定部3内には、光分波器6内に内蔵され
た2種の干渉フィルタ7,8と、第1および第2アバラ
ンシェ・フォト・ダイオード(以下、APDと称す)
9,10の他、高速平均化処理装置11が具えられてい
るが、これらは従来装置と同様である。そして、計測部
3外には演算手段たるデータ処理装置12とディスプレ
イ13が配置されている。尚、データ処理装置12は前
述した従来装置とは異なり、測定部3から出力された第
1ルートと第2ルートとの各部位におけるストークス光
とアンチ・ストークス光との強度比に基づいて位相のず
れた2つの温度分布測定値を算出し、これらに基づきパ
ルス幅を2分割した区間での温度分布測定値を算出する
機能を有している。
収納する恒温槽17が配置されており、光ファイバ2の
温度が所定区間(本実施例では1m)内で一定に保たれ
るようになっている。恒温槽17から出た光ファイバ2
は、従来装置と同様に、被測定物1に沿って敷設されて
いる。また、測定部3内には、光分波器6内に内蔵され
た2種の干渉フィルタ7,8と、第1および第2アバラ
ンシェ・フォト・ダイオード(以下、APDと称す)
9,10の他、高速平均化処理装置11が具えられてい
るが、これらは従来装置と同様である。そして、計測部
3外には演算手段たるデータ処理装置12とディスプレ
イ13が配置されている。尚、データ処理装置12は前
述した従来装置とは異なり、測定部3から出力された第
1ルートと第2ルートとの各部位におけるストークス光
とアンチ・ストークス光との強度比に基づいて位相のず
れた2つの温度分布測定値を算出し、これらに基づきパ
ルス幅を2分割した区間での温度分布測定値を算出する
機能を有している。
【0011】以下、本実施例の作用を説明する。本実施
例での温度分布測定に当たっては、先ずパルス駆動回路
4によりLD5と光スイッチ14とを駆動し、光パルス
を光ファイバ2に入射させながら、同時に検出経路を第
1ルートと第2ルートとの間で切り換える。そして、例
えば、先ず第1ルートに光パルスが入射すると、光ファ
イバ2の各部位で散乱が生じ、その後方散乱光が光ファ
イバ2の入射端に戻ってくる。戻ってきた後方散乱光の
内、ラマン後方散乱光の2成分であるストークス光およ
びアンチ・ストークス光を光分波器6内の2種の干渉フ
ィルタ7,8により分離し、それぞれを第1および第2
APD9,10により光電変換する。次いで、高速平均
化処理装置11内において、これら2成分の強度をA/
D変換した後、各遅延時間に対応したメモリ内に加算し
て収納する。ここまでの、手順は前述した従来の装置と
同様である。ところが、本実施例では、第1ルートから
の後方散乱光がすべて戻った後、第2ルートに光パルス
を入射させ、同様の手順で2成分の強度を高速平均化処
理装置11のメモリ内に収納する。そして、以上の操作
を多数回繰り返した後、その繰返し回数で除することに
より第1ルートと第2ルートとのそれぞれに対して平均
化処理を行う。
例での温度分布測定に当たっては、先ずパルス駆動回路
4によりLD5と光スイッチ14とを駆動し、光パルス
を光ファイバ2に入射させながら、同時に検出経路を第
1ルートと第2ルートとの間で切り換える。そして、例
えば、先ず第1ルートに光パルスが入射すると、光ファ
イバ2の各部位で散乱が生じ、その後方散乱光が光ファ
イバ2の入射端に戻ってくる。戻ってきた後方散乱光の
内、ラマン後方散乱光の2成分であるストークス光およ
びアンチ・ストークス光を光分波器6内の2種の干渉フ
ィルタ7,8により分離し、それぞれを第1および第2
APD9,10により光電変換する。次いで、高速平均
化処理装置11内において、これら2成分の強度をA/
D変換した後、各遅延時間に対応したメモリ内に加算し
て収納する。ここまでの、手順は前述した従来の装置と
同様である。ところが、本実施例では、第1ルートから
の後方散乱光がすべて戻った後、第2ルートに光パルス
を入射させ、同様の手順で2成分の強度を高速平均化処
理装置11のメモリ内に収納する。そして、以上の操作
を多数回繰り返した後、その繰返し回数で除することに
より第1ルートと第2ルートとのそれぞれに対して平均
化処理を行う。
【0012】その後、測定部3から出力された各部位に
おけるストークス光とアンチ・ストークス光との強度比
に基づき、データ処理装置12において、図2,図3に
示すように、位相が0.5mずれた2つの温度分布測定
値を得る。尚、同図における測定開始点、すなわち距離
の基準点(0)は恒温槽17の入口(図1中のP点)と
する。この際、測定開始点の特定は、光ファイバ2内で
の光パルスの速度とLD5から恒温槽17までの距離と
から後方散乱光の遅延時間を演算すること等により行
う。また、図2中の記号(T11,T12,T13,─)は第
1ルートにおける1m毎の区間平均温度を示し、図3中
の記号(T21,T22,T23,─)は第2ルートにおける
1m毎の区間平均温度を示してある。そして、図2,図
3中の記号(t1,t2,t3─)は0.5m毎の区間
平均温度を示すが、この時点では未だ得られていない。
おけるストークス光とアンチ・ストークス光との強度比
に基づき、データ処理装置12において、図2,図3に
示すように、位相が0.5mずれた2つの温度分布測定
値を得る。尚、同図における測定開始点、すなわち距離
の基準点(0)は恒温槽17の入口(図1中のP点)と
する。この際、測定開始点の特定は、光ファイバ2内で
の光パルスの速度とLD5から恒温槽17までの距離と
から後方散乱光の遅延時間を演算すること等により行
う。また、図2中の記号(T11,T12,T13,─)は第
1ルートにおける1m毎の区間平均温度を示し、図3中
の記号(T21,T22,T23,─)は第2ルートにおける
1m毎の区間平均温度を示してある。そして、図2,図
3中の記号(t1,t2,t3─)は0.5m毎の区間
平均温度を示すが、この時点では未だ得られていない。
【0013】次に、データ処理装置12では、これら2
つの1m毎の温度分布測定値に基づき、0.5m毎の区
間平均温度を算出する。データ処理装置12では先ず最
初の区間平均温度t1,t2を求めるが、第1ルートに
おける0〜1m間の区間においては光ファイバ2が前述
したように恒温槽17内にあるため、その温度は一定に
保たれている。したがって、当然に区間平均温度t1,
t2は共に区間平均温度T11と等しくなり、t1=t2
=T11となる。
つの1m毎の温度分布測定値に基づき、0.5m毎の区
間平均温度を算出する。データ処理装置12では先ず最
初の区間平均温度t1,t2を求めるが、第1ルートに
おける0〜1m間の区間においては光ファイバ2が前述
したように恒温槽17内にあるため、その温度は一定に
保たれている。したがって、当然に区間平均温度t1,
t2は共に区間平均温度T11と等しくなり、t1=t2
=T11となる。
【0014】次に、データ処理装置12では区間平均温
度t3を求めるが、第2ルートにおける0.5〜1.5
mの区間の区間平均温度T21が区間平均温度t2,t3
の平均値であることから、T21=(t2+t3)/2と
なり、t3=2T21−t2となる。ここで、上述した如
く、t2=T11であるため、t3=2T21−T11と求ま
る。また、同様の手順で、区間平均温度t4も第1ルー
トにおける1〜2mの区間の区間平均温度T12とt3と
から求められる。すなわち、T12=(t3+t4)/2
から、t4=2T12−t3=2T12−2T21+T11と求
まる。
度t3を求めるが、第2ルートにおける0.5〜1.5
mの区間の区間平均温度T21が区間平均温度t2,t3
の平均値であることから、T21=(t2+t3)/2と
なり、t3=2T21−t2となる。ここで、上述した如
く、t2=T11であるため、t3=2T21−T11と求ま
る。また、同様の手順で、区間平均温度t4も第1ルー
トにおける1〜2mの区間の区間平均温度T12とt3と
から求められる。すなわち、T12=(t3+t4)/2
から、t4=2T12−t3=2T12−2T21+T11と求
まる。
【0015】以下、同様に、t5以降の区間平均温度も
漸次的に求めた後、データ処理装置12はこれを温度分
布情報にまとめ、ディスプレイ13に画面に表示を行う
のである。以上述べたように、本実施例の装置では2本
のファイバ長調整用光ファイバ15,16が組み込まれ
た光スイッチ14と恒温槽17とを具えることにより、
温度測定精度の低下を伴わずに、従来の2倍の空間分解
能を得ることができるようになった。しかし、本発明の
実施態様はこの実施例に限られるものではない。例え
ば、光スイッチ14に3本以上のファイバ長調整用光フ
ァイバを組み込むことによって検出経路の本数を増加さ
せれば、更に空間分解能を高めることが可能である。ま
た、本実施例では恒温槽17を区間分割の際の基準とし
てのみ用いたが、温度補正用の基準としても用いること
が可能である。更に、温度的に安定したものであれば、
試験室内等を恒温槽として用いてもよい。さらに、本実
施例では距離分解能が半導体レーザ5から出力される光
パルスのパルス幅と等しい場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、光パルス幅及び時分割可
能な時間幅から決定される任意の距離分解能を適用する
ようにしてもよい。
漸次的に求めた後、データ処理装置12はこれを温度分
布情報にまとめ、ディスプレイ13に画面に表示を行う
のである。以上述べたように、本実施例の装置では2本
のファイバ長調整用光ファイバ15,16が組み込まれ
た光スイッチ14と恒温槽17とを具えることにより、
温度測定精度の低下を伴わずに、従来の2倍の空間分解
能を得ることができるようになった。しかし、本発明の
実施態様はこの実施例に限られるものではない。例え
ば、光スイッチ14に3本以上のファイバ長調整用光フ
ァイバを組み込むことによって検出経路の本数を増加さ
せれば、更に空間分解能を高めることが可能である。ま
た、本実施例では恒温槽17を区間分割の際の基準とし
てのみ用いたが、温度補正用の基準としても用いること
が可能である。更に、温度的に安定したものであれば、
試験室内等を恒温槽として用いてもよい。さらに、本実
施例では距離分解能が半導体レーザ5から出力される光
パルスのパルス幅と等しい場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、光パルス幅及び時分割可
能な時間幅から決定される任意の距離分解能を適用する
ようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明の光ファイバ式温
度分布測定装置によれば、光スイッチにより位相のずれ
た複数の温度分布測定値を得て、温度測定の距離分解能
に該当する区間を複数に分割した単位での温度分布測定
値を算出するようにしたため、従来装置に大幅な変更を
加えることなく、且つ温度測定精度の低下を伴わずに、
温度分布測定の空間分解能が向上し、装置の適用範囲を
大幅に拡大させることができるという効果を奏する。ま
た、恒温槽を具えたものにあっては、恒温槽内の光ファ
イバの温度が区間を分割する際の基準値となり、温度分
布測定値の算出が極めて高い精度で行える等の効果を奏
する。
度分布測定装置によれば、光スイッチにより位相のずれ
た複数の温度分布測定値を得て、温度測定の距離分解能
に該当する区間を複数に分割した単位での温度分布測定
値を算出するようにしたため、従来装置に大幅な変更を
加えることなく、且つ温度測定精度の低下を伴わずに、
温度分布測定の空間分解能が向上し、装置の適用範囲を
大幅に拡大させることができるという効果を奏する。ま
た、恒温槽を具えたものにあっては、恒温槽内の光ファ
イバの温度が区間を分割する際の基準値となり、温度分
布測定値の算出が極めて高い精度で行える等の効果を奏
する。
【図1】本発明の一実施例に係る光ファイバ式温度分布
測定装置を示す模式図である。
測定装置を示す模式図である。
【図2】実施例における温度分布測定グラフである。
【図3】実施例における温度分布測定グラフである。
【図4】従来の光ファイバ式温度分布測定装置を示す模
式図である。
式図である。
1 被測定物 2 光ファイバ 3 測定部 4 パルス駆動回路 5 パルス半導体レーザ 6 光分波器 7,8 干渉フィルタ 9 第1アバランシェ・フォト・ダイオード 10 第2アバランシェ・フォト・ダイオード 11 高速平均化処理装置 12 データ処理装置 13 ディスプレイ 14 光スイッチ 15,16 ファイバ長調整用光ファイバ 17 恒温槽
Claims (2)
- 【請求項1】 測定用に敷設された光ファイバに光パル
スを入射させ、ラマン後方散乱光の強度とその戻るまで
の時間とから当該光ファイバの区間平均による温度分布
測定を行う光ファイバ式温度分布測定装置において、所
定のパルス幅の光パルスを発振する光パルス発振手段
と、当該光ファイバの光パルス入射側に設けられ、相互
の位相差が温度測定の距離分解能より小さい複数のファ
イバ長調整用光ファイバを選択接続することにより長さ
の異なる複数の検出経路を形成させる選択切換手段と、
当該複数の検出経路に対応した複数の温度分布測定値を
算出し、これらに基づき前記距離分解能に該当する区間
を複数に分割した区間での温度分布測定値を算出する演
算手段とを具えたことを特徴とする光ファイバ式温度分
布測定装置。 - 【請求項2】 前記光スイッチの下流側に設けられ、当
該光ファイバの少なくとも前記温度測定の距離分解能よ
り長い範囲を所定の温度に維持する恒温槽を具えたこと
を特徴とする請求項1記載の光ファイバ式温度分布測定
装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4043922A JPH05240717A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 光ファイバ式温度分布測定装置 |
GB9303852A GB2264559B (en) | 1992-02-28 | 1993-02-25 | Optical fiber type temperature distribution measuring apparatus |
AU33804/93A AU654230B2 (en) | 1992-02-28 | 1993-02-25 | Optical fiber type temperature distribution measuring apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4043922A JPH05240717A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 光ファイバ式温度分布測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05240717A true JPH05240717A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=12677204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4043922A Pending JPH05240717A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 光ファイバ式温度分布測定装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05240717A (ja) |
AU (1) | AU654230B2 (ja) |
GB (1) | GB2264559B (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5356220A (en) * | 1992-05-29 | 1994-10-18 | Kawasaki Steel Corporation | Method and apparatus for monitoring temperature of blast furnace and temperature control system using temperature monitoring apparatus |
DE9318404U1 (de) * | 1993-12-01 | 1994-02-10 | GESO Gesellschaft für Sensorik, geotechnischen Umweltschutz und mathematische Modellierung mbH Jena, 07743 Jena | Einrichtung zum Bestimmen von Temperaturen an und in ausgedehnten Objekten |
CN103575424B (zh) * | 2013-11-27 | 2017-03-01 | 威海北洋电气集团股份有限公司 | 温度波动度可控的分布式光纤传感器及测温系统和方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2181830B (en) * | 1985-10-18 | 1990-02-07 | Central Electr Generat Board | Temperature measurement |
JPH0769223B2 (ja) * | 1989-06-08 | 1995-07-26 | 旭硝子株式会社 | 温度測定方法および分布型光ファイバー温度センサー |
DE4019980B4 (de) * | 1989-06-22 | 2004-01-29 | Hitachi Cable, Ltd. | Einrichtung zum Messen der Temperatur in Längsrichtung eines Lichtleitsensors |
-
1992
- 1992-02-28 JP JP4043922A patent/JPH05240717A/ja active Pending
-
1993
- 1993-02-25 GB GB9303852A patent/GB2264559B/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-02-25 AU AU33804/93A patent/AU654230B2/en not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
GB2264559A (en) | 1993-09-01 |
GB9303852D0 (en) | 1993-04-14 |
AU3380493A (en) | 1993-09-09 |
GB2264559B (en) | 1995-12-06 |
AU654230B2 (en) | 1994-10-27 |
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