JPH05239242A - 被処理物表面のプラズマ処理に関する方法、装置、およびプラスチック部材 - Google Patents

被処理物表面のプラズマ処理に関する方法、装置、およびプラスチック部材

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JPH05239242A
JPH05239242A JP4342565A JP34256592A JPH05239242A JP H05239242 A JPH05239242 A JP H05239242A JP 4342565 A JP4342565 A JP 4342565A JP 34256592 A JP34256592 A JP 34256592A JP H05239242 A JPH05239242 A JP H05239242A
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plasma
gas pressure
reaction gas
electrode
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Stephen Jost
ヨシュト ステファン
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OC Oerlikon Balzers AG
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Balzers AG
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/04Reinforcing macromolecular compounds with loose or coherent fibrous material
    • C08J5/10Reinforcing macromolecular compounds with loose or coherent fibrous material characterised by the additives used in the polymer mixture
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応ガス雰囲気における被処理物表面のプラ
ズマ処理に関し、処理すべき表面の長さが1m以上の大
きい基体を処理するにあたり、処理ずみ表面の塗料付着
力を、それ自体で、または処理時間、反応ガス圧力、ま
たは供給電力またはガス量との関係で増大させる。 【構成】 電極構成が容器壁3の区域に配置された少な
くとも2つの棒電極5を含み、ガス送入構成が容器壁と
少なくとも1つの棒電極の間にガスを送入する1つまた
は複数の棒状のガス噴出器11を包含する装置を用い、
処理時間が、塗膜付着力対処理時間ダイアグラムの最大
付着力の少なくとも近傍で選択され、または、ガス圧力
が塗膜付着力対ガス圧ダイアグラムの少なくとも最大付
着力の近傍で選択される過程が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、請求項1の前提部に従
う、反応ガス雰囲気における被処理物表面のプラズマ処
理の方法、請求項12の前提部に従う、この方法を実施
するための真空処理装置、請求項20および22に従
う、この方法または装置の使用、さらにあらかじめプラ
ズマ処理されたプラスチック部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被加工物の表面処理に関しては、多数の
文献が存在する。以下に、幾つかの文献を記載する。 EP−A−349749、0120307、01291
99、0152511、US−A−4072769、4
338420、4445991、4297187、44
65715、4584965、4678644、457
6692、4595570、4874453、4919
745、日本特許公開公報5385782、DE−A−
3822482、3605492、3408837、3
125786、3638719、3463001、11
05149、3836948、Hall Jr. Journal of Ap
plied Polymer Science, Vol.13, P.2085 (1969) 、
“酸素プラズマ処理によるPP、PEの接着性”、M. H
udis in Hollahan & Bell "プラズマ化学の技術と応
用”Wiley 1974、Matellほか.Ing. Eng. Chem. Prod.
Rev. 第3巻(64) 、 300ページ、“低温酸化プラズ
マ...”、Schonhorn ほか.JP−OS. Polymer Scienc
e B、4203 (1966年) 、 "接着剤接合のための低界面エ
ネルギー・ポリマーの準備のための新技術”、MODERN P
LASTICS INTERNATIONAL 、第20巻10号、1990年10月、ス
イス、ローザンヌ、74〜79ページ、Peter Mapleston
"プラズマ技術の進歩が表面処理における選択を改良す
る" 。
【0003】したがって、ぬれ性、接着性および塗膜付
着力を改善するためのプラスチック表面の極めて多様な
プラズマ処理法が知られている。これらの方法におい
て、様々な方法で産出されたパルスプラズマ、たとえば
GB−A−2105729に従うパルスプラズマ、US
−A−4595570に従うマイクロ波プラズマが、た
とえばUS−A−4445991によって知られている
ように、N2 、O2 混合ガスなどの反応ガスとして使用
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
処理すべき表面の長さが1m以上の大きい基体を処理す
るために、少なくとも処理済み表面の塗膜付着力を、そ
れ自体で、または処理に用いる処理時間、反応ガスの圧
力および/または供給される電力またはガス量との関係
で増大させる方法およびこの方法を実施するための装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
の特徴部に従う冒頭に記載された種類の方法によって達
成される。プラズマ表面処理された有機ポリマーもしく
は本質的に少なくとも1つ以上の合成有機ポリマーから
なる表面における塗膜付着力が、処理時間および反応ガ
スとの関係で際立った最大値を示すことが知られてい
る。
【0006】請求項2の規定に従い、特にポリプロピレ
ンをベースとしたプラスチックからなる表面の処理に対
して、しかしまた本質的に他のポリマーからなる表面の
処理に対しても、処理時間Tを上記の範囲内で選択する
ことが提案される。その際、特に約60秒間の処理は、
上記の塗膜付着力対処理時間ダイアグラムの最大値によ
る処理に概ね対応する。この最大値は平坦であるため、
最適処理時間を正確に守ることは臨界的ではない。
【0007】上述の理由から、上記の塗膜付着力対処理
時間ダイアグラムの最大値を基準として、すでに上記の
最大値の近傍でも予想以上に良好な塗膜付着力が得られ
るので、請求項3の規定に従い、最大塗膜付着力を得る
ための処理時間に関して、処理時間を上記の範囲で選択
することが提案される。これは、たはえば作業サイクル
の理由で、ある処理装置において、それほど正確ではな
く最大塗膜付着力を生じる処理時間で運転することが好
ましい場合にあてはまる。さらに、特にポリプロピレン
をベースとしたプラスチックの表面を処理するために、
しかしまた本質的に他のポリマーからなる表面を処理す
るためにも、処理圧pを請求項4または5に記載された
範囲で選択することが提案される。
【0008】反応ガス圧を基準とした塗膜付着力の最大
値も比較的平坦であるため、この場合も最適値p0 に従
って正確なガス圧値を守ることは臨界的ではない。他
方、上記の圧力範囲は、プラスチック部材のプラズマ表
面処理に通常用いるよりはるかに低い。反応ガス圧が減
少するのに伴い、処理空間内における処理の均一性が一
定程度増すので、本発明に従い、公知の最大値のほか
に、処理空間における処理の均一性が同時に達成され、
処理空間をより大きい、もしくはより多い被処理物によ
って、より効率的に利用できる。もちろん、認識された
塗膜付着力対処理時間特性における最大値も、比較的低
い圧力で認識された塗膜付着力対反応ガス圧力特性にお
ける最大値も活用される。
【0009】請求項6の規定に従い、処理プラズマの電
気的励磁の可能性の最大範囲が広く、しかもその範囲は
様々で、上記の処理に適しているために、上記の方法
は、非常に多様に設計され運転される真空処理装置にお
いて、極めて弾力的に実現できる。
【0010】プラズマ励磁が周波数スペクトルの基本高
調波として、特に50Hz と200Hz で行えることが
好適であることが分かった。その結果として、請求項7
の規定に従い、電源周波数を有する信号が単方向または
両方向整流されてプラズマ励磁に用いられる限りで、プ
ラズマ励磁発電機を著しく簡単にすることができる。こ
の場合、このような単方向または両方向整流された励磁
信号のより高い高調波が、どの程度発明によるプロセス
に影響するかは、現時点ではまだ完全に解明されていな
い。さらに、本発明による方策は、請求項8および特に
9の規定によって有利に実施される。
【0011】窒素、酸素反応混合ガスおよび特に空気、
たとえば周囲空気を用いることによって、やはりコスト
最適化の点で、最高に安価な処理プロセスが得られる。
さらに、請求項10に好適な放電電圧が規定されてい
る。
【0012】また、特に本発明によって大きい表面を処
理する場合に、請求項11の規定に従い、上記表面に沿
った処理の均一性に極めて有利に影響することがわかっ
た。さらに、特に本発明による方法を実施するための装
置は、請求項12の特徴部に記載された特徴を有する。
【0013】電極構成は、容器壁の区域に配置された少
なくとも2つの棒電極を含み、ガス送入構成が容器壁と
少なくとも1つの棒電極の間にガスを送入する棒状ガス
噴出器を1つ以上含んでいることによって、真空容器の
利用可能な内部空間を処理のために最適に利用できる。
これは、特に広い表面、すなわち1方向が1m以上の表
面を本発明に従って処理する際に、設備コストに非常に
有利に影響する。
【0014】上記の電極構成と反応ガス送入によって達
成される処理効果の均一性または均等性は、請求項13
の規定に従う本発明による装置を設計することによっ
て、いっそう高められる。請求項14および請求項15
に記載された本発明による装置の構成の長所は、対応す
る方法に関する方策との関連ですでに述べた。
【0015】さらに、請求項16の規定に従う棒電極を
設けることによって、概ね容器全体にプラズマ電極が配
置されるために、利用可能な容器容積を最適に利用でき
る。そうすることによって、与えられた容器容積のもと
で、できるだけ大きな表面を、本発明に従って最適な均
一性をもって処理することが可能となる。また、本発明
による方法との関連で論じられ、発見され、本発明の基
礎に置かれた最大値を最適に利用するために、そして処
理プロセスを好ましい所定の圧力で操作するために、請
求項17の規定に従う装置を構成することが提案され
る。
【0016】さらに、請求項18の規定に従い、放電空
間の長さが少なくとも1mであることによって、装置が
好都合に構成される。そうすることによって、大きい被
処理物の大きい表面を本発明に従って処理することが可
能となる。本発明による装置は、特に請求項19の規定
に従って構成することにより、表面処理すべき被処理物
を定置して処理できるために、構造が単純となる。本発
明による方法もしくは本発明による装置の好適な使用
が、請求項20および21に記載されている。
【0017】さらに請求項22には、あらかじめプラズ
マ処理されたプラスチック部材が規定されている。この
プラスチック部材の塗装面の最小長さは1m以上、塗装
剥離力は塗装幅1mm当たり1.8 N以上、好ましくは
2.0 N以上である。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1に、本発明による処理装置の例を、
図式的に簡略化して断面図で示す。この処理装置は、真
空容器1を含む。容器壁3の区域には、1つまたは複数
個、たとえば図示されているように6つの棒電極5が設
けられている。これらの棒電極5は、図1に従う装置で
は、壁3と概ね平行に、かつ相互に概ね平行に取り付け
られている。少なくとも真空容器の内部が、好ましく
は、図示されているように、真空容器1の内壁が、棒電
極5の反対電極として作用する。棒電極5は、発電機7
に続いている。発電機7内には、DCと高周波の間の周
波数範囲で電気的プラズマ励磁信号を発生する発電機が
1つ以上設けられている。
【0019】複数個の棒電極5はすべて、共通の発電機
7によって駆動するか、これらの棒電極5を同数または
異なる数のグループに分けて、対応する発電機によって
駆動できる。符号9に示されているように、発電機7は
回路網電源によって駆動される。発電機7の好適な実施
例において、発電機7は棒電極5の給電のために、発電
機7に給電する回路網9の周波数f0 から出発して、単
方向または両方向整流された信号aまたはbを発生す
る。
【0020】容器壁3で、少なくとも1つの棒電極5、
図1では6つの棒電極が設けられている区域に、反応ガ
ス噴出器11が設けられている。これらの反応ガス噴出
器11が、図示されているように、棒電極5に比べて上
記の容器壁3に近いことが好都合である。図1に従う装
置において、棒状の反応ガス噴出器がそれぞれ2つの棒
電極の間に配置されている。図2には、容器壁3、棒電
極5および反応ガス噴出器11の可能な位置関係が示さ
れている。
【0021】棒電極5とガス噴出器11の配置構成とは
反対側の容器1の壁部分3aに、排気ポンプ15につな
がるポンプ接続口13が設けられている。そうすること
によって、噴出器11に送入された反応ガスGのため
に、容器の横断方向にほぼ直線的に延びている流動経路
Pが実現される。この流動経路Pは、面積の大きい好適
な棒電極、噴出器配置とともに、棒電極5と反対電極1
との間で発生するプラズマ、およびその中で反応する反
応ガスの均一な分布を保証する。破線で示されているよ
うに、本質的に平面Eに沿って、処理に関与するガスの
間にほぼ等しい状況が生じる。反応ガス噴出器11は、
反応ガス供給装置17に続いている。その中には、制御
弁19のほかに、1つ以上の貯蔵ガス20が設けられて
いる。これらの弁を用いて、噴出器11を介して容器1
に送入される反応ガスが調整される。
【0022】使用される反応ガス混合物は、好適な実施
例において、窒素と酸素を好ましくは7:3で混合した
窒素、酸素混合物である。この目的のために、反応ガス
として空気を用いることが好都合である。この場合、反
応ガス供給装置17の貯蔵ガス20は、好ましくは周囲
空気からなる貯蔵空気である。以下に説明する本発明に
よる方法に従う装置を運転するために好適であるよう
に、反応ガス圧検出器が変換器21として設けられてい
る。変換器21は、たとえば公知の構造の熱陰極イオン
化管によって形成される。反応ガス、場合により反応ガ
ス混合物を制御するために、差分装置23と調節可能な
実際値指定装置25と反応ガス供給装置17の制御素子
としての弁とを備えた制御回路において、このような変
換器21は実際値検出器として機能する。
【0023】表面処理すべき被処理物27が、容器1に
保持されている。本質的にポリオレフィン、特に本質的
にポリプロピレンまたはポリエチレンをベースとするプ
ラスチック混合物からなる被処理物表面に対して、以下
に説明する本発明による方法との関連で、上記の装置を
使用することが特に有効であることがわかった。
【0024】これまで知られている類似の、反応ガスに
よる表面処理法と異なり、本発明により、極めて大きい
表面、すなわち少なくとも1つの延長方向が1m以上の
表面を均一に処理できる。そのため上記の装置は、以下
に説明する本発明による方法で運転されると、プラスチ
ック製自動車部材、たとえば特にプラスチック製ボディ
ー部材、たとえばプラスチック製バンパーの表面処理に
非常に適している。これは、後から塗装する際に塗膜付
着力に非常に優れているという理由からも言える。この
ことは特に最後にあげた部材の場合に非常に重要であ
る。被処理物27は図1に示された真空容器のA方向に
1列に配置され、棒電極と棒状の反応ガス噴出器11が
適当な長さに設計され、処理すべき表面からほぼ等しい
距離になるように形成されることが好都合である。この
距離は処理効果に関して大きい範囲で臨界的ではない。
【0025】図5に、本発明の基礎として認識された塗
膜付着力の挙動が、真空容器内の反応ガス圧pと処理時
間Tの関数で示されている。この場合、塗膜付着力は表
面に塗布した塗膜片を一定速度で、上記表面に対して垂
直に剥がして測定された1mm当たりの剥離力として定義
される。塗膜付着力の測定方法は、たとえば L. Palmqu
ist 、ドイツ表面処理研究会 "プラスチック塗装におけ
る新発展" (1990年3月20日〜21日の講演、 195ペー
ジ) に記載されている。図5によれば、塗膜片1mm当た
りの剥離力F2 で表す塗膜付着力は、上述した本発明に
よる表面処理の反応ガス圧pおよび処理時間Tとの関係
で際立った最大値max を有するが、この最大値は比較的
平坦である。
【0026】図3に、上述のように定義された塗膜付着
力FA /mmまたは最大付着力によって標準化された付着
力FA /FAmaxT が、絶対的処理時間Tまたは最適処理
時間T0 によって標準化された処理時間との関係で示さ
れている。この塗膜付着力対処理時間ダイアグラムにお
いてFAmaxT で、際立った、しかし比較的平坦な最大値
が生じていることが分かる。例示された推移曲線は、本
発明による処理の後にポリウレタン塗料で塗装したポリ
プロピレン表面を有するバンパーで測定されたものであ
る。これらの条件のもとでは、処理時間約60秒で最大
塗膜付着力が生じ、塗膜付着力は剥離力約2N/mm塗膜
片幅に相当する。
【0027】上記の種類で別の表面処理材料および/ま
たは他の塗料に対し、絶対的値としては別の剥離力また
は処理時間が生じるが、この場合も基本的には上記と等
しい推移曲線を示す。図3に示すダイアグラムにおける
反応ガス圧は10mTorr、すなわち13.3・10-3mb
arである。反応ガス圧が変化しても、図3に処理時間T
との関係で示した、際立った最大値を有する付着力曲線
は基本的に維持される。
【0028】図4に、図3との類推で、絶対的付着力F
A もしくは標準化された付着力FA/FAmaxp が、反応
ガス圧pとの関係で示されている。反応ガス圧pは、一
方ではTorrもしくは10-3mbarで表され、他方では圧力
0 で標準化されている。圧力p0 は、このダイアグラ
ムでも顕著に認識できる、比較的平坦な最大付着力に位
置する。図4によるダイアグラムは、処理時間約60
秒、図3との関連で説明したように、選択された表面お
よび塗装のもとで記録された。この場合、図4に示され
た曲線も、処理時間や処理された表面や塗料が変わって
も、基本的にはせいぜい定量的に変化するだけである。
【0029】本発明による方法を、特に図1に従う装置
と組み合わせて、最適処理時間T0および最適反応ガス
圧p0 の近傍で実施することによって、長さ1m以上の
被処理物の表面において、1.8 N/mm以上、好ましく
は2.0 N/mm以上の塗膜付着力が達成された。最大値
が比較的平坦であるという事実のおかげで、処理時間お
よび/または圧力の調整が臨界的でないことが好都合で
ある。
【0030】図3または図4に従う曲線を生じる表面処
理は、反応ガスに空気を用いて行われた。さらに、プラ
ズマ放電は、両方向整流された50Hz 電圧、実効電圧
1〜6 kV、好ましくは2〜5 kVを用いて行われた。
長さ1.2mの電極棒1本当たりの電流は、約0.8A
である。
【0031】本発明による装置において、本発明に従う
方法で、1方向における表面の最小長さが1m以上のプ
ラスチック部材が、塗装後の塗膜付着力が1.8 N/mm
以上、さらには2.0 N/mm以上が得られるようにして
表面処理された。これほど大きいプラスチック表面を、
あらかじめプラズマ処理して塗装し、上記の範囲で均一
に分布した塗膜付着力を有する例は、これまで知られて
いない。
【0032】図3および図4に、処理時間Tもしくは反
応ガス圧pに対する好適な区域が、絶対値もしくは標準
化された値として、BTX もしくはBPX で示されてい
る。これらの区域は、所定の送入周期や所定の排気手段
および圧力制御手段など、他の条件に応じて活用するこ
とができる。この場合、塗膜付着力に関して、種々の運
転区域BT,BPが、矢印Sで示される傾向で優先され
る。
【0033】さらに、本発明による方法は、反応ガス圧
p≦100mTorr、すなわち133・10-3mbar、好ま
しくはp=50mTorr、すなわち67・10-3mbarで作
動することがわかる。これは処理の均一性に極めて有利
に作用し、1m以上の大きい表面を処理するための基礎
である。電極およびガス噴出と処理すべき表面との位置
関係はまったく臨界的でない。それによって、電極やガ
ス噴出を調整することなくほぼ任意の形状の表面を処理
する基礎が与えられる。
【0034】これは、図3もしくは図4に示された実験
における比FA1/FA2を掲げた、下記の関係によって証
明されるであろう。ここに、FA1: 棒電極から約20cm
(最小距離)離れたバンパー部材における剥離力、
A2: 棒電極から約80cm(最小距離)離れたバンパー
部材における剥離力、とする。 圧力13.3 ×10-3mbarのとき時間は30秒、 比F
A1/FA2は 1.0、圧力13.3 ×10-3mbarのとき時
間は90秒、 比FA1/FA2は 0.8、圧力26.6 ×
10-3mbarのとき時間は90秒、 比FA1/FA2は 0.
5、圧力 6.7 ×10-3mbarのとき時間は20秒、
比FA1/FA2は 1.4、圧力 6.7 ×10-3mbarのと
き時間は90秒、 比FA1/FA2は 1.3、である。
【0035】これにより、比FA1/FA2が、圧力と処理
時間の関係で、より離れた表面区域に有利に適用できる
ことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による真空処理装置の概略的な平面図で
ある。
【図2】図1に示される真空処理装置における容器壁、
棒電極、および反応ガス噴出器の可能な位置関係を示す
図である。
【図3】本発明により利用される処理区域を記載した塗
装付着力対処理時間ダイアグラムである。
【図4】本発明により利用される塗装付着力対処理圧力
ダイアグラムである。
【図5】本発明の基礎として認識された原理的な機能面
積変化に応じて、処理時間および処理圧力と塗装付着力
の関係の3次元表現を示す図である。
【符号の説明】
1…真空容器 3…容器壁 5…棒電極 7…発電機 9…電源 11…反応ガス噴出器 13…ポンプ接続口 15…排気ポンプ 17…反応ガス供給装置 19…制御弁 20…貯蔵ガス 21…変換器 23…差分装置 25…実際値指定装置 27…被処理物 E…平面 G…反応ガス P…流動経路

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも塗膜付着力を増すために、表
    面が少なくとも本質的に1つ以上の合成有機ポリマーか
    らなる、被処理物表面を反応ガス雰囲気でプラズマ処理
    する方法において、 処理時間が、塗膜付着力対処理時間ダイアグラムの最大
    付着力の少なくとも近傍で選択され、および/またはガ
    ス圧力が塗膜付着力対ガス圧力ダイアグラムの最大付着
    力の近傍で選択されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 処理時間Tが、特にポリプロピレンをベ
    ースとしたプラスチックからなる表面に対して、 15s≦T≦180s、 好ましくは20s≦T≦120s、 特に好ましくは20s≦T≦90s、として選択される
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 処理時間Tが、塗膜付着力対処理時間ダ
    イアグラムで最大値に対応する処理時間T0 を基準とし
    て、 1/3T0 ≦T≦3T0 、 好ましくは1/2T0 ≦T≦2T0 、 特に好ましくは2/3T0 ≦T≦3/2T0 、として選
    択される請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応ガス圧pが、特にポリプロピレンを
    ベースとしたプラスチックからなる表面に対して、 3.3×10-3mbar≦p≦40×10-3mbar、 好ましくは6.6×10-3mbar≦p≦35×10-3mba
    r、 特に好ましくは9×10-3mbar≦p≦20×10-3mba
    r、として選択される請求項1〜3のいずれかに記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 反応ガス圧pが、塗膜付着力対ガス圧ダ
    イアグラムで最大値に対応するガス圧p0 を基準とし
    て、 1/4 p0 ≦p≦3 p0 、 好ましくは1/2 p0 ≦p≦2.5p0 、 特に好ましくは7/10 p0 ≦p≦1.5p0 、とし
    て選択される請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 プラズマが直流と1MHz の間、好まし
    くは直流と100 kHz の間、好ましくは直流と10 k
    Hz 、特に好ましくは50Hz と200Hzの間の出力
    成分を有する信号によって電気的に励磁される請求項1
    〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 プラズマが単方向または両方向整流され
    た電源周波数を有する電気信号によって励磁される請求
    項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 反応ガスが好ましくはN2 /O2 を約
    7:3で混合したN2とO2 の混合ガスである請求項1
    〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 反応ガスとして空気が選択される請求項
    1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 プラズマ発生電圧の実効値が1〜6 k
    V(6 kVを含む)、好ましくは2〜5 kV(5 kVを
    含む)の間で選択される請求項1〜9のいずれかに記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 被処理物表面が少なくとも1つの反応
    ガス入口とポンプの間に配置される請求項1〜10のい
    ずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 真空処理装置、場合により真空容器
    と、プラズマ発生のための電極構成と、電極構成に給電
    するための発電機構成と、ガス送入構成とを有する、請
    求項1〜11のいずれかに記載の方法を実施するための
    装置において、 電極構成が容器壁の区域に配置された少なくとも2つの
    棒電極を含み、ガス送入構成が容器壁と少なくとも1つ
    の棒電極の間にガスを送入する1つまたは複数の棒状の
    ガス噴出器を包含することを特徴とする装置。
  13. 【請求項13】 容器壁を基準に棒電極とほぼ向き合っ
    て、真空ポンプが配置されている請求項12記載の装
    置。
  14. 【請求項14】 ガス噴出器が貯蔵空気、好ましくは周
    囲空気と連通している請求項12または13記載の装
    置。
  15. 【請求項15】 棒電極が少なくとも1つの発電機と連
    通しており、この発電機が、電源周波数を有する整流さ
    れた信号に対して信号を発生する請求項12〜14のい
    ずれかに記載の装置。
  16. 【請求項16】 2つ以上、好ましくは3〜5つの棒電
    極が設けられている請求項12〜15のいずれかに記載
    の装置。
  17. 【請求項17】 ガス圧調節装置が設けられている請求
    項12〜16のいずれかに記載の装置。
  18. 【請求項18】 放電空間の延長が少なくとも1mであ
    ることを特徴とする請求項12〜17のいずれかに記載
    の装置。
  19. 【請求項19】 定置型の被処理物台が設けられてお
    り、好ましくは棒電極が台上の被処理物の区域から概ね
    等しい距離だけ離れている請求項12〜18のいずれか
    に記載の装置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜11のいずれかに記載の方
    法および/または請求項12〜19のいずれかに記載の
    装置を、ポリオレフィン表面、特にポリプロピレンまた
    はポリエチレンをベースとした混合プラスチックの処理
    に使用する方法。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の方法を、最大延長が
    1m以上の被処理物の表面、特にプラスチック製自動車
    部材、たとえばボディー部材に使用する方法。
  22. 【請求項22】 塗装され、あらかじめプラズマ処理さ
    れ、塗装面の最小の延長が1m以上の、プラスチック部
    材において、塗料剥離力が塗装幅1mm当たり1.8 N以
    上、好ましくは2.0 N以上であることを特徴とするプ
    ラスチック部材。
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