JPH05237316A - ヤシ繊維利用フィルター材 - Google Patents

ヤシ繊維利用フィルター材

Info

Publication number
JPH05237316A
JPH05237316A JP8844592A JP8844592A JPH05237316A JP H05237316 A JPH05237316 A JP H05237316A JP 8844592 A JP8844592 A JP 8844592A JP 8844592 A JP8844592 A JP 8844592A JP H05237316 A JPH05237316 A JP H05237316A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
palm
fibers
mat
filter medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8844592A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Sogyo Co Ltd filed Critical Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority to JP8844592A priority Critical patent/JPH05237316A/ja
Publication of JPH05237316A publication Critical patent/JPH05237316A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D39/00Filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D39/14Other self-supporting filtering material ; Other filtering material
    • B01D39/16Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres
    • B01D39/1607Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres the material being fibrous
    • B01D39/1615Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres the material being fibrous of natural origin

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シュロ皮やココヤシの中果皮繊維等のヤシ科
植物の繊維を積極的に利用し、圧力損失を高めることな
く微細な塵埃をも捕捉し得て、その焼却処分にあっては
有害媒煙等を発生しない無公害に近いフィルター材を提
供する。 【構成】 ヤシ繊維をマット状とした層に微小短繊維を
植毛してヤシ繊維上に繊毛状に突起せしめ、もってヤシ
繊維間の貫通孔を閉塞して圧損増大させることなく、従
来通過させてしまっていた微細な塵埃とも接触し得てこ
れを捕捉する。また、廃棄焼却時においては、そのほと
んどが天然ヤシ繊維であるため、有害な媒煙を発生する
ことなく一般の乾燥植物を焼却する程度に扱える。ま
た、この微小短繊維の原料又は該繊維を固定するのに用
いる接着剤に、脱臭剤、芳香剤、忌避剤等の薬剤を混入
してあれば、空気や水等の濾過時においてそれら薬剤効
果も同時に付加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、ヤシ科植物の繊維の積
極的利用を図るとともに、廃棄物処理にも配慮した、空
気や水等のフィルター材に関するものである。
【0002】
【発明の背景】近時、快適、クリーンな環境が求めら
れ、工場、研究所、家庭を問わず、いたるところで空気
や水等の濾過が行なわれている。そこには、メッシュ、
気孔率をコントロールし易いいわゆる合成樹脂製スポン
ジがフィルター材として用いられることが多いが、これ
は必ずや廃棄され焼却処分に回されるため、環境問題が
叫ばれる中、地球規模で見た場合のこの焼却処分による
環境汚染とて無視できるものでない。
【0003】一方、いわゆるシュロ皮やココヤシの中果
皮繊維等、ヤシ科植物の繊維は、漁網、ロープ、箒、た
わし、敷物、フィルター材等として、それなりに利用さ
れてきた。しかしながら、このヤシ繊維のフィルター材
にしても、単にこれを三次元不織布様に絡み合わせて使
っているだけであって、その除塵効率や圧損程度につい
ては格別性能を求められていなかった。
【0004】
【開発を試みた技術的事項】そこで、本発明はいわゆる
ヤシ繊維のマット状の層におけるヤシ繊維の網目骨格を
フィルター材としてのべースとして用い、これに微小短
繊維を植毛して、これにより圧力損失を高めることなく
微細な塵埃をも捕捉し得るようにし、一方、その焼却処
分にあっては有害媒煙等を発生しない無公害に近いフィ
ルター材を提供しようとするものである。
【0005】
【発明の構成】
【目的達成の手段】即ち本出願に係る第一の発明たるヤ
シ繊維利用フィルター材は、ヤシ繊維のマット状の層に
おけるヤシ繊維に微小短繊維を植毛して成ることを特徴
とする。
【0006】また、本出願に係る第二の発明たるヤシ繊
維利用フィルター材は、これに加え、前記微小短繊維を
植毛するにあたり、該繊維原料又は該繊維を固定するの
に用いられる接着剤には、脱臭剤、芳香剤、抗菌剤、防
虫剤、嫌虫剤、忌避剤、殺虫剤の内から選ばれた1乃至
複数の薬剤が混入されていることを特徴とする。もっ
て、上記目的を達成しようとするものである。
【0007】
【発明の作用】本発明のヤシ繊維利用フィルター材は、
ヤシ繊維のマット状の層の三次元不織布様における網目
状の貫通孔を閉塞することなく、ここに植毛により微小
短繊維がいわゆる繊毛状に存在し、従来なら通過させて
いた塵埃と接触し、これを捕捉する。また、廃棄焼却時
においては、そのほとんどが天然ヤシ繊維であるため、
有害な媒煙を発生することなく一般の植物乾燥品を焼却
する程度に扱える。また、この微小短繊維を植毛するに
あたって、該繊維原料又は該繊維を固定するのに用いら
れる接着剤に、脱臭剤、芳香剤、抗菌剤、防虫剤、嫌虫
剤、忌避剤、殺虫剤の内から選ばれた1乃至複数の薬剤
が混入されていれば、空気や水等の濾過時においてそれ
ら薬剤効果も同時に付加される。
【0008】
【実施例】以下、本発明を構成する要素たるヤシ繊維、
微小短繊維、接着剤、静電植毛、及び脱臭剤、芳香剤、
忌避剤、防虫剤等の薬剤、酸化物系微粉末脱臭剤、並び
にこれらを微小短繊維に担持させる方法等について順次
説明した後、図示実施例について説明する。
【0009】本発明では、ヤシ繊維とは、熱帯から亜熱
帯地域にかけて分布するヤシ科植物における繊維状樹
皮、葉柄基部繊維、中果皮繊維等の繊維と定義する。ヤ
シ科の植物は、すべて常緑の低木または高木で、幹は単
一で枝を分けることがなく、先端に葉冠をつくるもので
あり、幹がほとんど無いものや、高さ30メートルにも
なるもの、表面がなめらかなもの、古い葉鞘に密に包ま
れたものなどがある。またトウ類のように、茎はつると
なって樹上に高く登るもの、とっくり状に幹がふくれる
もの、さらにドームヤシ属Hyphaeneのように二
又に分岐する例外的なものもある。
【0010】そして、その葉はふつう大型で、掌状また
は羽状で革質、葉柄の基部は幅広い葉鞘となって幹をし
っかりと抱いている。葉鞘部にはたくさんの繊維があ
り、種類によっては、古くなると柔らかい組織は腐って
繊維だけが残り、いわゆるシュロ皮ができる。花序は頂
生又はえき生の大きな総状の肉穂花序で、よく分岐し、
頂生の場合は、花が咲くと木は枯死する。風または昆虫
によって受精し、果実は液果または核果で、核果の場合
は、内果皮は種子にくっついているのが普通であり、中
果皮は厚い繊維層を有する。これらがヤシ繊維であり、
具体的には、樹皮が繊維状として呈するヤシ科植物に、
シュロ属シュロ、トウジュロ、葉柄基部に繊維を呈する
ものにチャマエロプス属チャボトウジュロ、クジャクヤ
シ属クジャクヤシ、オウギヤシ属オウギヤシ、ナツメヤ
シ属ナツメヤシ、サゴヤシ属サゴヤシ、クロツグ属クロ
ツグ、サトウヤシ、中果皮の繊維を提供するものに、コ
コヤシ属ココヤシ、ニッパヤシ属ニッパヤシ等がある。
【0011】本発明では、これらヤシ繊維をマット状の
層、すなわち三次元不織布様に絡み合わせたものを使用
する。マット状の層とするには、これら繊維を一旦ほぐ
した後、再度絡み合わせる等、合成繊維における不織布
製造と同様な手法がとれ、絡み合わせるにあたっては適
度に接着剤を塗布し、通常5mm〜50mm程度の厚さ
としたものが使い易い。勿論、これらを重ね合わせて用
いてもよいし、それ以上の厚さに構成してもよい。
【0012】静電植毛とはフロック加工とも言われてき
ており、一般に、静電気を利用して基布等に短繊維を植
えつける技術を言う。静電植毛に用いられる短繊維は、
人絹、綿、羊毛、ナイロン、ビニロン、アセテート等の
種々の合成樹脂を適用することができ、勿論、その紡糸
法にあってもその材質の応じて溶融紡糸、重合紡糸、乾
式法、湿式法等を問わず適用したものが使用でき、本発
明における微小短繊維も従来一般のものを使用すること
ができる。なお、ヤシ繊維のマット状の層における網目
状の貫通孔の大きさからして、その繊維長としては0.
1mm〜数mm程度でヤシ繊維より遥かに細くて均一な
ものが望ましく、一般に植毛作業の前処理として電着処
理を行なう。電着処理は、NaCl、BaCl、Na
SiO等の無機塩類の5〜10%溶液中に浸漬すれ
ばよい。
【0013】静電植毛にあたっては基布たるヤシ繊維に
接着剤を塗布する。この接着剤には接着強度が大であ
り、経時変化がなく、適当な粘度と乾燥速度を持つこと
などが要求され、これには古くからの天然高分子材料と
合成樹脂材料が用いられる。この合成樹脂材料には、樹
脂を溶剤に溶かしたソルベントタイプと、不溶性樹脂を
乳化重合して水に分散させたエマルジョンタイプとがあ
り、前者にはネオプレン、ポリイソブチール、ポリビニ
ルブチラール、その他天然ゴム、合成ゴム等をブチルア
ルコール、キシロール、ブチルグリコール等の高沸点溶
剤に溶かしたものがあり、後者には酢酸ビニルエマルジ
ョンが広く用いられている。場合によって、これらにグ
リセリンやエチレングライコール、トリエタノールアミ
ン等を添加してもよい。このような接着剤は、刷毛塗
り、スプレーコート、ロールコート、ドクターナイフ等
の手段により塗布される。なお、勿論、これら微小短繊
維や接着剤は、フィルター材として濾過する気体、液体
の性状に合わせ選択する必要がある。
【0014】接着剤が塗布されたヤシ繊維のマット状の
層は、その後高圧電極と接地電極との間の静電界下に置
かれ、引き続き微小短繊維がその静電界下に投入される
ことで該微小短繊維が分極して電極間とで引き付け合い
及び反発合いを生じて該マット状の層へ飛翔し、その表
層たる接着剤層に投錨されたように突き刺さる。その
後、予備乾燥、熱処理等を経て該接着剤が固化され、微
小短繊維はヤシ繊維の表面に繊毛状に突起状態にて固定
される。この間及びその後、投錨されなかった余剰の微
小短繊維が回収され、本発明ヤシ繊維利用フィルター材
が得られる。なお、静電植毛の形式としては、Down
−MethodとUp−Methodに大別され、Up
−Methodの方が加工に困難を伴うものの、接着強
度をはじめ諸性能に優れた仕上がりが得られる。
【0015】本発明では、微小短繊維を植毛するにあた
り、該繊維原料又は該繊維を固定するのに用いられる接
着剤に、脱臭剤、芳香剤、抗菌剤、防虫剤、嫌虫剤、忌
避剤、殺虫剤の内から選ばれた1乃至複数の薬剤を混入
してもよい。
【0016】ここで、脱臭剤としては、活性炭の他、ゼ
オライト、クリストバライト、アミヨン、オリソリン酸
アルミニウム、アニコ、茶に代表されるツバキ科植物か
ら抽出されたフラバノール、フラバノール類や針葉樹、
広葉樹の植物抽出物などがある。望ましい脱臭剤として
は、酸化チタンと酸化亜鉛と水分子との緊密結合体を代
表とする酸化物系微粉末脱臭剤が挙げられる。このもの
は、脱臭能力が優れる他、粒径がミクロンないしサブミ
クロンオーダーの微粉末状であって、かつ白色であるた
め、清潔感を与え、着色が効くと云う利点がある。特開
昭63−54935号公報によるとおり、水に可溶なチ
タン化合物と水に可溶な亜鉛化合物との水溶液と、アル
カリ水溶液とを混合し、生成する沈澱物を乾燥して得ら
れ、チタン工業株式会社より入手できる。また、類似の
酸化物系微粉末脱臭剤には、特開昭63−246167
号公報、特開昭63−185445号公報、特開昭63
−183065号公報に見られる、酸化亜鉛と酸化アル
ミニウムと酸化珪素の結合体、又は酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウムの結合体等があ
り、同様に使用することができる。
【0017】また、芳香剤としては、動植物の天然香
料、合成香料、調合香料などをそのまま使用するか、こ
れら香料を乳化させたものを噴霧乾燥して粉末化したも
のを使用することができる。抗菌剤としては、前記酸化
チタンと酸化亜鉛と水分子との緊密結合体が抗菌性をも
発揮できるので、この効用に着目して適用できる他、そ
の他金属酸化物、銀、銅等の金属の微粒子などを適用す
ることができる。殺虫剤としては、例えばダニ用として
フェニトロチオン、フェンチオンなどの有機燐酸や、天
然ピレトリンと合成ピレトリン類化合物を総称したピレ
スロイド系、その他、ニコチン、除虫菊等があり、防虫
剤としては、パラジクロルベンゼン、アレスニンとピペ
ロニールプトキサイドの併用、エミコン等を粉体化した
もの等を使用することができる。さらに、嫌虫剤として
は、例えば熱帯シマカに対して強い忌避作用を示すN,
N−ジメチル−m−トルアミド等がある。忌避剤として
は、水生生物の付着防止材料として種々のものが試され
ており、空気の濾過にあってはカビ細菌の発生を防止
し、水や海水等の瀘過にあっては苔藻やイガイ等の付着
を防止したりするものである。この他、何れの範疇に入
るか判然としないが、フィトンチッド物質と呼ばれる植
物抽出物が殺菌作用や鎮静作用、刺激作用があるため、
これら物質を薬剤として混入してもよい。
【0018】忌避剤として好ましいものに、吸水性樹脂
にイオン化傾向の異なる二種以上の金属粉を分散し、そ
れを微細分化したものがある。イオン化傾向の異なる二
種以上の金属粉の最も好ましい組合せは銅と銀、又は銅
とカーボンブラックがあり、吸水性樹脂としてはアクリ
ル酸アミド、ゼラチン、ニカワ、デンプン、セルロー
ズ、アラビアゴム、フノリ、寒天、アルギン酸ソーダ等
の水溶性樹脂が挙げられるが、特にポリビニルアルコー
ルは重合度とケン化度とを容易に調整することができて
好ましく用いられる。例えば、銅粉と銀粉とを一緒にポ
リビニルアルコールに分散させておき、その後銅粉と銀
粉とが一緒になってポリビニルアルコールに被われた粒
体を取り出し、これを加熱乾燥して得られる。なお、こ
の物質については本出願人の出願に係る特願平3−30
5750号に詳述されている。
【0019】このような薬剤は、それが液体状であれば
マイクロカプセル化するなどして、又はそれが粉体又は
親和性があればそのまま微小短繊維の原料たる合成樹脂
に混入する、あるいは接着剤中に混入することで、空気
や水の濾過の際にそれら薬剤効果を発揮させることがで
きる。なお、これら薬剤を混入して得た微小短繊維を用
いるときはそれを活性種雰囲気下に晒したり、また、薬
剤を一旦多孔性微粉末に担持させた上で合成樹脂原料に
混入することができる。さらにまた、これら薬剤は、接
着剤に混入する場合には、必ずしも該接着剤中に完全に
埋没させる必要はないため、例えば接着剤を塗布した
後、植毛に支障のない程度に接着剤上にこれら薬剤の粉
体を吹き付けて一部埋没させて付着させてもよい。
【0020】なお、活性種雰囲気下とは、イオン、ラジ
カル、電子、原子、レーザー光、放射線、中でも電離性
放射線、あるいはオゾン等の活性種の存在下であり、照
射下等雰囲気下の対象物を、それら活性種の有するエネ
ルギーによって、物理的、化学的、あるいはそれらの相
互作用により、溶融、蒸発、酸化、侵食して、繊維表面
を微細にエッチングしたり、微細孔を全面に明けて、薬
剤を少しでも露出させ、空気や水との直接接触の機会を
多く持てるようにする。また、多孔性微粉末とは、一般
にその粒径が0.1μm〜100μm程度であり、かつ
粒子の表面形態が各種形状の凹凸や孔状、溝状を形成し
て成るもので、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダ
ー、アクリルパウダー、スチレンパウダー、ABSパウ
ダー、ポリプロピレンパウダー、さらにはゼラチン、各
種ワックス類、銅粉、銀粉等の有機物、無機物又は金属
類が挙げられる。より小径な薬剤に衝撃力を主体とする
機械的熱的エネルギーを与えて、多孔性微粉末に埋設な
いし固着させ、その上で合成樹脂原料に混入し紡糸する
ことで、薬剤同士の凝集を防止し、紡糸時の糸切れやノ
ズルの詰まりをも解消する。
【0021】次に、本発明ヤシ繊維利用フィルター材を
図示実施例について説明する。図1において、2はヤシ
繊維のマット状の層であり、これはいわゆるヤシの実の
中果皮繊維を一旦ほぐした後、これを再度マット状、す
なわち三次元不織布様に絡み合わせたもので、この実施
例では30cm四方の厚さ10mm程の大きさに仕上げ
てある。そして、このマット状の層を構成する各ヤシ繊
維21には微小短繊維3が植毛してあり、この実施例で
は微小短繊維としてナイロン繊維の0.5mm長のもの
を用い、また、その際の接着剤にはソルベントタイプの
接着剤をスプレーコートして、Down−Method
方式により静電植毛してヤシ繊維利用フィルター材1と
している。
【0022】すなわち、図2に示すごとくの植毛装置5
を用いて植毛しており、同図において、51が装置基台
であり、この底板上には接地電極52が設けられ、接地
電極52の直上にはテーブル53が左右移動自在に設け
られており、該テーブル53に載せられた被植毛体、こ
こではヤシ繊維のマット状の層が接地電極52上に位置
したりそこを退避できるようになっている。また、この
テーブル53の退避口を除いて、基台51上にはカバー
54が設けられており、該カバー54は適当な高さの箱
型を有していて、その天板中央部にはホッパー55が設
けてある。また、ホッパー55の直下には接地電極52
に対向してガイシにより絶縁された金属線が数cm間隔
で多数本張られて成る高圧電極56が設けられている。
そして、ホッパー55は多角の篩状となっており、内部
に微小短繊維を収納するとともに、これを回転させるこ
とにより中の微小短繊維を落下して、高圧電極56から
その静電界内に供給できるようになっている。
【0023】そこで、テーブル53上に接着剤をスプレ
ーコートしたヤシ繊維のマット状の層をセットした後、
これをスライドさせて接地電極52上に配置せしめ、高
圧電極56に図示しない高電圧発生回路よりの通電を行
う。と同時に、ポッパー55を回転してやると、その中
に収容された微小短繊維は落下して高圧電極56と接地
電極52とにより構成される静電界内に入り、ここで分
極してクーロン力に付勢されて、テーブル53上のヤシ
繊維のマット状の層に衝突する。ヤシ繊維のマット状の
層には接着剤が塗布されているので、この接着剤により
微小短繊維は投錨されたようにヤシ繊維上に固定される
こととなる。その後、テーブル53をスライドさせて取
り出し、余剰の微小短繊維を除去した後、図示しない予
備乾燥炉や熱処理炉に入れて接着剤を固化し、更にブラ
ッシング等を施して残余の微小短繊維を除去すれば、本
発明ヤシ繊維利用のフィルター材1が得られることとな
る。
【0024】このようなフィルター材1は、図1のごと
く、ステンレス板を折り曲げ四辺41とし、その一面に
金網42を張設してなる枠体4に嵌め入れ、枠体4ごと
図示しない換気装置又は浄化装置等における換気通路な
いし浄化流路にセットし、ここを横断する空気ないし水
等を濾過するようになっている。そこで、このようなヤ
シ繊維利用フィルター材1を用いた換気装置ないし浄化
装置であれば、ここを通過する空気ないし水等は、ヤシ
繊維間の貫通孔10がそれ程閉塞されていないため、圧
力損失少なく通過するとともに、絡まり合うヤシ繊維2
1には微小短繊維3が植毛されており、これが繊毛状に
突起しているため、空気中ないし水中等の微細な塵埃も
そこに引っ掛かり易くなっている。一方、このフィルタ
ー材1の汚れがひどくなったときには、枠体4からこの
フィルター材1を外し、そのまま焼却処分すれば、これ
は一般の乾燥植物を焼却するのとほぼ同じであるから環
境汚染と言ってもほとんど無いか、きわめて少ないもの
となる。ヤシ自体はその油脂分が既に有効利用されてい
るため、いわばその余剰部分の有効利用として無駄がな
い。
【0025】この他図示しないが、前述したように、微
小短繊維の原料に酸化物系脱臭微粉末剤を混入して紡糸
してなる繊維を用いれば、空気の濾過とともに脱臭を図
ることができ、芳香剤を混入すれば濾過空気に芳香を付
与することができる。また、前述した吸水性樹脂にイオ
ン化傾向の異なる二種以上の金属を混入し細粉化してな
る忌避剤を混入した微小短繊維を用いれば、苔、藻など
の発生を抑えた水、海水等の濾過が行なえる他、それぞ
れ薬剤の効用を付加することができる。また、これら薬
剤は微小短繊維の紡糸原料に混入する他、接着剤に混入
して同様に施用することができること前述のとおりであ
る。なお、以上の実施例では本発明ヤシ繊維利用フィル
ター材を単に機械的な濾過材として用いた例として説明
したが、このフィルター材自体を静電界に配して静電吸
着により除塵効果を更に向上させて用いるごとくのこと
は適宜行い得るものである。
【0026】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のヤシ繊維利用フ
ィルター材によれば、繊毛状にヤシ繊維上に存在する微
小短繊維が従来なら通過させていた微細な塵埃をも捕捉
し、圧力損失を増大させることなく除塵効率を向上させ
ることができる。また、廃棄時においては、有害な媒煙
等を発生することなく一般の乾燥植物を焼却する程度に
扱え、地球に優しい商品として提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ヤシ繊維利用フィルター材を枠体に取り
付ける前の状態として示す一部拡大斜視図である。
【図2】ヤシ繊維のマット状の層に微小短繊維を植毛す
る方法の一例としてそのための植毛装置を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1 ヤシ繊維利用フィルター材 2 ヤシ繊維のマット状の層 21 ヤシ繊維 3 微小短繊維 4 枠体 5 植毛装置 51 基台 52 接地電極 53 テーブル 55 ホッパー 56 高圧電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヤシ繊維のマット状の層におけるヤシ繊
    維に微小短繊維を植毛して成ることを特徴としたヤシ繊
    維利用フィルター材。
  2. 【請求項2】 微小短繊維を植毛するにあたり、該繊維
    原料又は該繊維を固定するのに用いられる接着剤には、
    脱臭剤、芳香剤、抗菌剤、防虫剤、嫌虫剤、忌避剤、殺
    虫剤の内から選ばれた1乃至複数の薬剤が混入されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のヤシ繊維利用フィル
    ター材。
JP8844592A 1992-02-26 1992-02-26 ヤシ繊維利用フィルター材 Pending JPH05237316A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8844592A JPH05237316A (ja) 1992-02-26 1992-02-26 ヤシ繊維利用フィルター材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8844592A JPH05237316A (ja) 1992-02-26 1992-02-26 ヤシ繊維利用フィルター材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05237316A true JPH05237316A (ja) 1993-09-17

Family

ID=13943006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8844592A Pending JPH05237316A (ja) 1992-02-26 1992-02-26 ヤシ繊維利用フィルター材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05237316A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100473175B1 (ko) * 2001-11-03 2005-03-07 (주)피엘엠 아로마 함유 샤워기용 필터 및 그 제조방법
WO2006013711A1 (ja) * 2004-08-02 2006-02-09 Sharp Kabushiki Kaisha 集塵フィルター及びそれを用いた空気清浄機
JP2007029800A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Daikin Ind Ltd フィルタ及びこれを用いた空気調和機
JP2007313399A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd ケミカルフィルタ
JP2013146317A (ja) * 2012-01-17 2013-08-01 Yamazaki Corp ウェブ体
CN114847222A (zh) * 2022-06-07 2022-08-05 文昌永兴实业有限公司 椰棕活性炭过滤垫及水族生物饲养装置
KR102519389B1 (ko) * 2022-12-13 2023-04-10 울산광역시 배기관용 악취저감필터

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100473175B1 (ko) * 2001-11-03 2005-03-07 (주)피엘엠 아로마 함유 샤워기용 필터 및 그 제조방법
WO2006013711A1 (ja) * 2004-08-02 2006-02-09 Sharp Kabushiki Kaisha 集塵フィルター及びそれを用いた空気清浄機
JP2007029800A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Daikin Ind Ltd フィルタ及びこれを用いた空気調和機
JP2007313399A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd ケミカルフィルタ
JP2013146317A (ja) * 2012-01-17 2013-08-01 Yamazaki Corp ウェブ体
CN114847222A (zh) * 2022-06-07 2022-08-05 文昌永兴实业有限公司 椰棕活性炭过滤垫及水族生物饲养装置
KR102519389B1 (ko) * 2022-12-13 2023-04-10 울산광역시 배기관용 악취저감필터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8529968B2 (en) Decontaminating composition having simultaneously bactericidal, fungicidal and virocidal properties, methods for obtaining and using said composition
RU2342954C2 (ru) Устройство для контролируемого выделения летучих веществ
JP2010503612A (ja) 害虫防除材
WO1998030124A1 (en) Insect repellent substrate for headwear
CH667403A5 (de) Aerosolapparat.
JPH05237316A (ja) ヤシ繊維利用フィルター材
CN102648707A (zh) 一种驱蚊用滤芯、花洒及该滤芯的制备方法
Tichy et al. Fine structure of olfactory sensilla in myriapods and arachnids
JP4820533B2 (ja) 揮散器
WO2003071871A1 (de) Textiler träger und verfahren zu dessen herstellung
CN107205381A (zh) 昆虫驱避剂
JP2004244756A (ja) 中わた用繊維材料およびそれを用いた寝装品
JPH11151051A (ja) 害虫忌避剤を保持した動物用衣料
KR102163387B1 (ko) 해충 퇴치기
US7647890B1 (en) Disposable non-woven pad and method for entrapping pet hair and dander
WO2021219255A1 (de) Naturstoffpad
JPH09191787A (ja) ペットの糞尿処理用フィルム・シート及びこれを用いたペットの糞尿処理体
JP7119336B2 (ja) 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法
RU2542485C1 (ru) Репеллентная композиция для отпугивания кровососущих членистоногих
KR200370895Y1 (ko) 착탈이 용이한 모기퇴치제방향기구
JP4861547B2 (ja) 蚊忌避剤及び蚊忌避剤スプレー
JPH06298619A (ja) 殺菌、防虫、防カビ材
JP3101986U (ja) ハ−ブ精油含浸チップ内包吊下げ式パケット
JP2005126393A (ja) 放香防虫製品
KR20110003895U (ko) 탈부착이 가능한 모기퇴치패드