JPH05237138A - 自己潤滑性耐摩耗材料および製品 - Google Patents

自己潤滑性耐摩耗材料および製品

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JPH05237138A
JPH05237138A JP4185532A JP18553292A JPH05237138A JP H05237138 A JPH05237138 A JP H05237138A JP 4185532 A JP4185532 A JP 4185532A JP 18553292 A JP18553292 A JP 18553292A JP H05237138 A JPH05237138 A JP H05237138A
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Andrew T C Liu
ティー.シー.リウ アンドリュー
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式 〔式中nは100〜1,000,000、C−C間の結
合が二重結合のときR,R′,R,R,はH,F又
はC1〜6アルキルで、RとRは存在せず、C−C
間の結合が単結合のときはR,R′,R,R
,RはH,F,C1〜6アルキルである〕の自己
潤滑性耐摩擦材料、重合体マトリックス材料、重合体マ
トリックス材料を架橋するのに適したケイ素含有単量体
材料を含む歯科組成物及び該歯科組成物から形成された
摩擦動係数の小さい歯。 【効果】 摩擦動係数の低い外面を持つ歯が得られ、こ
の歯は耐摩擦性である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は広範囲の応用に有用な自己潤滑性
耐摩耗硬化可能組成物に関する。特に、耐摩耗性、研摩
性及び美学が重要である人工歯、複合歯充填材料、イン
レー、オンレー、陶歯、歯冠および架工義歯材料のよう
な歯科補綴物、ひざ関節及び/又は他の骨とかみ合う表
面などのような人工骨部品、医科補綴ボデー部品の形成
と構成に上記組成物が適している場合に、歯科および医
科技術において有用である。
【0002】人工歯は使用に適するためには、ある種の
物理的、物理化学的特性をもつ必要がある。人工歯は硬
く、削りに耐性で、耐久性で、溶剤、水、熱に安定でな
ければならない。さらに、人工歯は美学的に許容される
色、すなわち天然歯に近い色が、または人工着色を受け
易い必要がある。人工歯は相対する天然歯または人工歯
に対し過度の摩耗をひき起してはならず、かみ合せの摩
耗もあってはならず、支持構造物にしっかり結合できね
ばならない。人工歯は、生産費を最小にするように、物
理的整形、摩砕、研摩の通常の手段に適合すべきであ
る。
【0003】従来の技術の人工歯および他の歯科補綴物
の形成に使用される種々の金属およびセラミックスはあ
る種の固有の欠点を有し、歯に施用したときその望まし
さを減少している。即ち、金、アマルガム、他の金属種
の金属色は、それからつくった歯科補綴物の着用者に美
的減損として働らく。さらに、多くの上記歯科補綴物を
通常作成する大部分の貴金属が高価なことは、その使用
を意図するとき必ず費用の考慮をすることとなる。他の
一般の選択物であるセラミック材料はしばしば許容でき
る形状に成形することが困難であり、摩耗し易く、表面
層の物理的摩耗により美的に不快な下表面となり易い。
上記材料は満足に研摩することも困難である。費用、消
費者の好み、歯科開業医の技術的熟練、便利性に関する
因子と共に上記理由は歯科補綴物、インレー、オンレ
ー、歯冠および架工義歯材料、人工歯などの構成に適し
た別の組成物の研究を刺激してきた。
【0004】人工歯の構成に使用される現在入手できる
有機組成物のうち、大部分はしばしば多官能性残基で架
橋されたアクリルからなる。
【0005】ここで使用する「自己潤滑性材料」は製品
表面の潤滑性を増すのに適合した材料を意味する。好ま
しくは、自己潤滑性材料は摩擦動係数を減少した製品表
面を与える。ここで使用するASTM D 1894−
78は水および上記材料を使用して実施される。
【0006】「ビスフェノールA」の用語は当該技術で
一般に使用され、化合物2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンを指すことを理解すべきである。
「ビスGMA」の用語は化合物2,2−ビス〔4−(2
−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェ
ニル〕プロパンを示すために一般に使用され、「ビスフ
ェノールAのジグリシジルメタクリレート」と呼ばれる
ことも理解すべきである。
【0007】Dentsplyの米国特許第4,396,476
号、第4,396,377号、第4,698,373号
(ここで引用文献とする)は相互貫入網目構造歯を開始
しているが、本発明が要求するような自己潤滑性耐摩耗
硬化性組成物を開示していない。Thorntonの米国特許第
2,345,305号は面(エナメル)とボデー部分に
異なるプラスチック材料を含む人工歯の製造を開示して
いる。図17、第4頁第2欄、第21−24行参照。別
の複合プラスチック歯構造が Cornellの米国特許第3,
488,846号に開示されている。
【0008】Rosenkranzらの米国特許第3,928,299 号は
ウレタン基を含む有機ホモポリマーまたはランダム共重
合体を開示している。Michl らの米国特許第4,26
7,097号、第4,281,991号(ここで引用文
献とする)は、(a) 粒子/ビーズPMMA、(b) ヒドロ
キシメタクリレートとジイソシアネートの付加物または
(メタ)アクリル酸の二官能性エステルまたはその混合
物のような液体単量体、(c) 微小無機充填剤からつくら
れる人工歯を開示している。Michl らは本発明が要求す
るような自己潤滑性耐摩耗硬化性組成物を開示していな
い。Walkowiak らの米国特許第4,308,190号、
第4,369,262号は重合性アクリルエステル、架
橋ビーズ重合体、粒状無機充填剤からなる歯科ペースト
材料を開示しているが、本発明が要求するような自己潤
滑性耐摩耗硬化可能組成物または人工歯製造用の相互貫
入網目構造組成物を開示していない。
【0009】Simpson の米国特許第4,361,676
号は合成連続架橋重合体マトリックス全体に分散した液
状材料を含む耐たるみ性のポンプ送りできる組成物を開
示している。Wrightらの米国特許第4,598,111
号は(メタ)アクリレート単量体系用の架橋剤として、
ジビニルジメチルシラン(第6欄、第35行)を含め種
々のジビニル化合物の使用を開示している。この一般型
の他の特許は、たとえば Kohnoらの米国特許第4,76
1,436号;コモノマーとしてジメチルジビニルシラ
ン(第3欄、第29行); Feinberg らの米国特許第
4,894,315号(第3欄、第37−38行); F
ryd らの米国特許第4,956,252号(第5欄、第
43−44行); Kafkaらの米国特許第4,970,0
37号(第9欄、第16−17行)を含む。
【0010】Yamazakiらの米国特許第4,826,89
3号は(a) シロキサン重合体、(b)シロキサン重合体と
共重合性の単量体、(c) 重合触媒たとえば過酸化ベンゾ
イル、そして所望により(d) 充填剤を含む歯科組成物を
開示している。Laundry の米国特許第3,084,43
6号はメタクリレート単量体混合物から製造される軟質
歯科材料を開示している。酢酸ビニルまたはステアリン
酸ビニルと共に一官能性エステルをアクリル酸またはメ
タクリル酸の多官能性エステルで架橋する。生成物は三
次元的に架橋されていると開示されている。
【0011】Grahamらの米国特許第3,087,875
号はグラフト共重合体の製造を開示している。ポリメタ
クリル酸アルキルおよび類似の重合体をアクリル酸アル
キル、チオアクリル酸アルキル、N−ビニルラクタムの
ような単量体に溶解する。ついで、単量体を光化学開始
によって予め形成された重合体にグラフトする。Cornel
l らの米国特許第3,427,274号はメタクリル酸
メチルホモポリマーおよびメタクリル酸メチル重合体で
被覆されたスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの
混合物から形成され、硬化性組成物形成のためメタクリ
レート架橋剤組成物中に合体できる硬化性材料を開示し
ている。Chang の米国特許第3,452,437号は所
定量のメタクリル酸メチルの添加できるビスフェノール
Aのジグリシジルメタクリレート(ビス−GMA)から
形成された歯回復促進材料を開示している。
【0012】Bruckmann らの米国特許第3,468,9
77号は重合体と単量体の混合物から歯科組成物の処方
を開示している。予め形成した未架橋重合体ビーズを架
橋剤を含むことのできる単量体で膨潤する。アクリル材
料は単量体と重合体の両者に使用できる。Petnerの米国
特許第3,470,615号は歯科補綴物の構成に適す
る材料の処方を教示している。未架橋ホモポリマーと架
橋共重合体の混合物を液体ポリグリコールジメタクリレ
ートに溶かして懸濁液を形成し、これを下層にはけ塗り
し、ついで熱により硬化して重合体材料層を作りあげ
る。類似の教示は Petner らの米国特許第3,471,
596号に見出される。濃い液体が提供され、歯冠など
の作成に有用である。二官能性単量体はポリメタクリル
酸メチルを含め種々の濃厚化剤を含むことができる。あ
る実施態様では、ポリメタクリル酸メチルをメタクリル
酸アリルで部分架橋できる追加の重合体で補充できる。
【0013】Lee の米国特許第3,539,533号は
無機粒状充填剤で充填した単量体溶液を含む充填材料を
開示している。この単量体溶液はビスフェノールAジメ
タクリレートを含むメタクリレート単量体の混合物であ
ることができる。Talyorの米国特許第3,597,38
9号は無機充填剤と共に重合して歯科組成物を得るビス
フェノールAグリシジルジメタクリレート(ビス−GM
A)を含め、多官能性メタクリル酸エステル単量体を開
示している。Wallerの米国特許第3,629,187号
はビスフェノールA型化合物のイソシアネートまたはジ
イソシアネート付加物の使用を開示している。この付加
物を種々の無機充填剤および液体単量体と共に使い、熱
的にまたは光化学的に重合可能な液体またはペースト組
成物を形成する。
【0014】Dougherty の米国特許第3,647,49
8号は液−固体混合物からなる歯科組成物を開示してい
る。固相はビーズ形のアクリレートまたはメタクリレー
ト重合体である。Logemannの米国特許第3,649,6
08号は、メタクリル酸エステル型材料の固体ビーズ重
合体または共重合体を含む歯科組成物を開示している。
Lee の米国特許第3,751,399号は他のポリアク
リル酸エステル化合物、特にビスフェノールA構造を含
むものと混合される芳香族および非環式ポリアクリル酸
エステルを含む歯科用組成物を開示している。
【0015】Sperlingの米国特許第3,833,404
号は、特にアクリル酸エステル、ウレタン、ブタジエ
ン、天然ゴム、ポリビニルアルコールが処方されてお
り、相互貫入重合体網目構造を有するエラストマーを開
示している。この材料は「硬質」であると開示されてい
るが、振動および音を消す絶縁体として使用される。Hi
ghgateの米国特許第3,961,379号は架橋剤を含
む単量体で膨潤される架橋重合体から製造される物品を
開示している。上記特許のどれも、本発明の新規な硬化
可能自己潤滑性耐摩耗組成物を開示も示唆もしていな
い。
【0016】本発明の目的はマトリックス材料に結合し
た耐摩耗材料を含む歯科組成物を提供するにある。本発
明の目的は減少した摩擦動係数をもつ外面を有する自己
潤滑性耐摩耗材料を含む歯を提供するにある。本発明の
目的は重合体マトリックス材料と自己潤滑性耐摩耗粒子
を含む歯科組成物を提供するにある。本発明の目的はマ
トリックス材料を架橋するのに適合した自己潤滑性耐摩
耗単量体材料を含む歯科組成物を提供するにある。本発
明の目的は自己潤滑性耐摩耗材料、単量体マトリックス
形成材料、無機充填剤を含む、充填材料などのような歯
科用組成物を提供するにある。
【0017】本発明の目的は耐摩耗粒子及び/又はマト
リックス材料の架橋に適合した耐摩耗単量体材料を含む
歯科組成物を提供するにある。本発明の目的は重合体マ
トリックス材料により支持される耐摩耗粒子を有する歯
科組成物を提供するにある。本発明の目的は耐摩耗性で
その全断面にわたって自己潤滑性の歯科補綴物、人工
歯、インレー、オンレー、陶歯、歯冠または架工義歯の
ような歯科製品を提供するにある。本発明の目的はジビ
ニルジメチルシランまたはジビニルジメチルシロキサン
を含む人工歯を提供するにある。
【0018】本発明の目的は少なくとも1,000,0
00の分子量を有し、80μm 以下の粒度をもつポリエ
チレン粒子からつくられ、粒子が相互貫入網目構造(in
terpenetrating network) 中にからまっている人工歯を
提供するにある。本発明の目的はマトリックス形成重合
体内で重合可能であるケイ素含有材料を含むエナメルコ
ーティングを有する人工歯を提供するにある。本発明の
目的は改良された作業性、すぐれた物理的および美学的
特性を有する製品に導びく、人工歯および他の歯科補綴
物の構成に有用な組成物を提供するにある。
【0019】自己潤滑性耐摩耗材料を含む歯科組成物。
この歯科組成物は低い摩擦動係数をもつ外面を有する歯
科製品の形成に使われる。形成された歯製品は耐摩耗性
で、その全断面にわたって自己潤滑性である。自己潤滑
性材料は少なくとも1,000,000の分子量と、8
0μm 以下の粒度をもつポリエチレン及び/又はケイ素
含有化合物を含むのが好ましい。この組成物は歯科補綴
物、人工歯、インレー、オンレー、陶歯、歯冠または架
工義歯に形成される。
【0020】本発明を、図1乃至4を参照して特に議論
する。図において参照数字は同一成分を指す。図1と2
は歯ボデー12とエナメルコーティング14をもつ人工
前歯10を示す。歯10は隆線重なり部16、舌面1
8、バックル面20を含む。所望により、歯10は中間
層22を含む。歯ボデー12は実質上不透明であり、相
互貫入網目構造中に高分子量ポリエチレン粒子を含んで
いる。エナメル14は半透明であり、相互貫入網目構造
中にケイ素含有単量体またはオリゴマーを含む。中間層
22は相互貫入網目構造中に顔料および高分子量ポリエ
チレン粒子を含む。
【0021】図3および4は歯ボデー32とエナメルコ
ーティング34をもつ人工後歯30を示す。歯30は隆
線重なり部36、バックル面38、咬合面40、舌面4
2を含む。歯ボデー32は相互貫入網目構造中に高分子
量ポリエチレン粒子を含んでいる。エナメル34は相互
貫入網目構造中に高分子ポリエチレン粒子を含んでい
る。
【0022】本発明に従いつくられる歯は粒子、繊維及
び/又はマトリックス材料、単量体及びオリゴマーと相
互に重合するのに適合した単量体の形で添加される自己
潤滑性耐摩耗材料から全体がまたは一部分がつくられ
る。一般に、高分子量ポリエチレンの粒子が小さい程、
一層良好である。しかし、ごく小さい粒度は高価であ
る。最も好ましくは、ポリエチレン粒子はフッ素ガスの
存在下に酸化により官能基化されている超高分子量ポリ
エチレンのミクロン寸法の粒子である。
【0023】自己潤滑性材料 好ましくは、自己潤滑性耐摩耗材料は一般式
【化4】 (式中、nは100乃至1,000,000の整数であ
り、 --- は単結合または二重結合であり、 --- が二重結合のときは、R、R’、R1 、R2 は独立
に水素、フッ素または1乃至6個の炭素原子を有する低
級アルキルであって、R3 とR4 は存在せず、 --- が単結合のときは、R、R’、R1 、R2 、R3
4 は独立に水素、フッ素または1乃至6個の炭素原子
を有する低級アルキルである)の重合体を含む。
【0024】ケイ素含有自己潤滑性化合物 本発明の好ましい実施態様においては、歯はケイ素含有
自己潤滑性化合物を含むエナメルコーティングをもつ。
自己潤滑性耐摩耗単量体材料として有用なケイ素含有自
己潤滑性化合物は一般式
【化5】 (式中、R5 、R'5、R6 、R'6、R7 、R8 、R9
R'9、R10、R'10 、R 11、R12は独立に水素または1
乃至6個の炭素原子を有する低級アルキルである)の化
合物を含む。最も好ましくは、耐摩耗単量体物質はジビ
ニルジメチルシランまたはジビニルジメチルシロキサン
である。
【0025】歯科用 本発明の好ましい実施態様に従い硬化可能歯科組成物か
ら製造される歯および他の歯科補綴物は外面および好ま
しくはその切端部分、すなわち「エナメル」に重合可能
自己潤滑性材料を含み、ボデー部分に固体自己潤滑性材
料を含む。しかし、本発明に従う歯は全体に亘って固体
及び/又は重合可能自己潤滑性材料でつくることができ
る。
【0026】一般に、本発明の新規組成物は歯科補綴
物、人工歯、口腔補綴物、類似の物品の形成、構成、修
復に有用である。さらに、これら組成物を口腔補綴物と
の接着を行なうために、または天然歯を浸食、破損、ま
たは崩壊から保護するために、歯の充填、歯の表面コー
ティングに利用できる。
【0027】本発明の好ましい相互貫入網目構造実施態
様の硬化可能歯科組成物はある割合で混合し、ねかしま
たは熟成させるとき、補綴歯および他の歯科装置に成形
できる前駆物質ブレンドを生成する粉末または液体成分
のブレンドを含む。この前駆物質ブレンドは重合体と単
量体を混合し、重合することによって形成される。本発
明の別の好ましい実施態様では、架橋した重合体と架橋
する単量体及び/又はオリゴマー、単量体、および所望
の未架橋重合体及び/又は開始剤とを混合し、この組合
せ物をねかしまたは熟成することによって、前駆物質ブ
レンドを形成する。架橋重合体は約0.001μm 乃至
約500μm 範囲の平均径をもつ分離した粒子形であ
る。好ましくは、上記粒子の少なくとも50重量%は約
150μmより小さい、さらに好ましくは100μm よ
り小さい径をもつ。2種以上の異なる架橋重合体の混合
物を使用できる。架橋重合体の特性は前駆物質ブレンド
製造に使われる液体成分に不溶であるが、それによって
膨潤されることである。未架橋重合体はブレンドの液体
成分に溶解できまたは分散される特徴をもつことができ
る。本発明の組成物の液体重合可能単量体成分は上記未
架橋重合体を溶解または分散する能力、架橋剤を溶解ま
たはそれと混和性となる能力、そして架橋重合体粒子を
膨潤する能力をもつ単量体である。2種またはそれ以上
記の液体重合可能単量体の混合物が使用できる。
【0028】架橋重合体充填剤製造用一官能性単量体 本発明の好ましい実施態様の実施で使用される架橋重合
体の製造に有用な単量体として、アクリル酸、メタクリ
ル酸、エタクリル酸、プロパクリル酸、ブタクリル酸、
クロロメタクリル酸のメチル−、エチル−、イソプロピ
ル−、tert−ブチル−、オクチル−、ドデシル−、シク
ロヘキシル−、クロロメチル−、テトラクロロエチル
−、パーフルオロオクチル−、ヒドロキシエチル−、ヒ
ドロキシプロピル−、ヒドロキシブチル−、3−ヒドロ
キシフェニル−、4−ヒドロキシフェニル−、アミノエ
チル−、アミノフェニル−、チオフェニル−エステル、
ならびにビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキ
シジフェニル、ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テト
ラフルオロフェニル)プロパンの同族体モノアクリル酸
エステル類が挙げられる。他の適当な化学種は当業者に
は明らかである。
【0029】架橋重合体充填剤製造用多官能性単量体 本発明の好ましい実施態様の架橋重合体成分の製造に有
用な架橋剤は単量体種を架橋できる広い種類の二官能性
または多官能性残基を含み、たとえばアクリル酸および
低級アルキルアクリル酸ジエステル、第2の反応性官能
基をもつアルコールから形成したアクリル酸および低級
アルキルアクリル酸エステル、ウレタンジアクリレート
およびジメタクリレート、ポリビニル化合物、ジビニル
芳香族化合物、不飽和酸のエステル、たとえばアクリル
酸、メタクリル酸、エタクリル酸、プロパクリル酸、ブ
タクリル酸などのエステル、マレイン酸、フマル酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、マロン酸、また
はアコニチン酸などのエステル、好ましくは不飽和アル
コールまたはポリヒドロキシアルコールと反応して本発
明の架橋重合体の処方に有用な有効多官能性架橋剤であ
るエステルを形成させる酸を含む。一般に、このアルコ
ール類は一つまたはそれ以上のヒドロキシル官能性を有
し、2乃至約30個の炭素原子をもつ。
【0030】この様に、有用なアルコールはアリルアル
コール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、ビ
ニルアルコール、ブテニルアルコール、イソブテニルア
ルコール、類似の不飽和アルコール、ならびにエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコー
ル、グリセリン、1,3,3−トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリトリトール、ジヒドロキシフェノールの
ようなポリオール、およびビスフェノールA、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのようなアルキ
リデンビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニ
ルスルホキシド、レゾルシノール、ヒドロキノンなど、
および一塩基性または二塩基性不飽和酸と不飽和モノヒ
ドロキシルアルコールとのエステル、たとえばアクリル
酸アリル、メタクリル酸アリル、アクリル酸ビニル(メ
タクリル酸ビニルおよびC1 −C20同族体)、フマル酸
ジメタリル、N−アリルアクリルアミド、アクリル酸ク
ロチル、クロトン酸アリル、ケイ皮酸アリル、マレイン
酸ジアリルなど、ポリヒドロキシアルコールのジ−、ト
リ−、および高級エステル、たとえばエチレングリコー
ルジアクリレート(ジメタクリレートおよびC2 −C40
同族体)、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ビスフェノールAのジアクリレートおよびジメタク
リレートエステル、および一般式
【化6】 (式中、R3 とR4 は同一かまたは異なることができ、
水素または1乃至約6個の炭素原子を含むアルキル基で
あり、nは1乃至約10の整数である)に相当するアク
リレートおよびアルキルアクリレートエステルを含む。
【0031】一方、架橋剤は式
【化7】 (式中、R5 とR6 は同一かまたは異なることができ、
水素または1乃至約6個の炭素原子を含むアルキル基で
あり、Aは(a) ビフェニル、アルキリデン位に1乃至約
6個の炭素原子をもつジフェニルアルキリデン、ジフェ
ニルスルホン、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルエ
ーテル、ジフェニルスルフィド、(b) (a)群のジグリシ
ジル誘導体、(c) (a) 群または(b) 群のジウレタン誘導
体からなる群から選ばれる芳香族残基である)に従うこ
とができる。さらに、架橋剤はアクリル酸グリシジルま
たはアクリル酸アリル、ジビニル(トリビニルまたは高
級同族体)ベンゼン、置換ジビニルベンゼン、類似化合
物であることができる。さらに、2種またはそれ以上の
架橋剤混合物が本発明の実施に有用である。
【0032】マレイン酸ジアリル、エチレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、ビスフェノールAのジメタクリレートエステ
ルと同様に、ビス−GMAおよびヒドロキシエチルアク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、そのメタ
クリル酸同族体と2,4,4−トリメチルヘキシル−
1,6−ジイソシアネートとの反応で形成されるウレタ
ンジアクリレートのような化合物が特に有用である。
【0033】架橋重合体充填剤 本発明の好ましい相互貫入網目構造実施態様の実施に有
用な上記または他の成分から製造できる架橋重合体は単
量体または単量体と架橋剤のブレンドから形成される。
架橋重合体の製造に有用な単量体はアクリル酸エステ
ル、低級アルキルアクリル酸エステル、N−ビニルラク
タム、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、
アルケン、ウレタンを含む。
【0034】本発明の組成物の製造に有用な好ましい単
量体種は一般に構造
【化8】 に従うアクリル酸エステル、低級アルキルアクリル酸エ
ステルを含む。式中、R1 は水素または1乃至6個の炭
素原子を有するアルキルであり、R2 は(a) 1乃至約2
0個の、好ましくは1乃至6個の炭素原子を含むアルキ
ルまたはシクロアルキル、(b) フェニル、(c) 1乃至約
6個の炭素原子を含むアルキルで置換されたフェニルで
ある。R1 およびR2 のどちらかまたは両者には、種々
の置換基が存在できる。そこで、ヒドロキシル、カルボ
キシル、アミノ、チオール、ハロゲン(たとえばフッ
素、塩素など)の官能基が存在でき、後者が好ましい。
フッ素が特に適した有用な置換基である。
【0035】上記の一種又は複数の単量体類と一種又は
複数の架橋剤類の混合物を重合させることによって、架
橋重合体充填剤は製造される。本発明の実施に使用され
る架橋重合体の製造に使用する架橋剤の量は重要な因子
である。本発明の前駆物質ブレンドを形成する液体成分
で膨潤するまたは吸収する生成重合体粒子の能力は上記
架橋重合体の製造に使われる架橋剤の量に直接関連す
る。
【0036】本発明の好ましい相互貫入網目構造実施態
様に有用な架橋重合体充填剤の物理化学的性質が適当な
架橋重合体の処方に使われる単量体と架橋剤の相対割合
を決定する。上記架橋重合体は本発明の前駆物質ブレン
ドの液体成分にさらしたときその構造同一状態を実質上
維持するように、十分よく架橋されていなければならな
い。同時に、架橋重合体は上記液体成分で膨潤されない
か吸収しないような程十分に架橋かけされていてはなら
ない。そこで、架橋剤の割合をそのものよりもその働き
方によって記載するのが便利であ。さらに詳しく説明す
るように、架橋剤は微粉形で利用される見地から、使用
架橋剤の最小量を本発明の液体成分にさらしたときその
粒状分離性を失なわない粒状架橋重合体を生成するのに
十分な量と定義するのが便利である。同様に、使用する
架橋剤の最大量はその量を越えると生成架橋重合体が液
体成分にさらしたときそのかなりの部分で膨潤されない
かまたは吸収できない量である。この点につき、架橋重
合体粒子の所定量は、もしその量が架橋重合体自身の重
量の少なくとも10%の液体成分で膨潤されるかまたは
液体成分を吸収してしまうならば、液体成分のかなりの
部分で膨潤しまたはそれを吸収すると言われる。好まし
くは、架橋剤の量は、自身の重量の約10乃至約500
%の液体成分を吸収する能力をもつ架橋重合体を与える
ように使用される。
【0037】本発明の架橋重合体中への包接に適合する
架橋剤の割合の最小値と最大値は成分単量体と架橋剤の
化学的性状に依存して変化することは、当業者には明白
である。しかし、一般には架橋剤は生成架橋重合体の約
0.01重量%の低さから約100重量%の高さまで、
好ましくは約0.2乃至約40重量%を含むことができ
る。
【0038】単量体と架橋剤からの本発明の好ましい相
互貫入網目構造実施態様に有用な架橋重合体充填剤の製
造は当業者に既知の多くの方法のどれかで遂行できる。
そこで、開始剤を添加してまたは添加せずに、成分の混
合物を重合をおこするに十分な温度に加熱することによ
って、重合体を形成できる。この目的には、当業者によ
く知られた過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル及びその
他の物質のような過酸化物型開始剤を使用でき、またあ
る種の処方では活性化剤の使用も有利である。一方、光
または高エネルギー放射線を利用し、光化学または放射
線開始により、成分から本発明の架橋重合体を形成でき
る。
【0039】架橋重合体の重合は当業者に既知の広い種
類の方法で遂行できる。そこで、懸濁重合(Grimの米国
特許第2,673,194号に記載のような)、乳化重
合、ブロック重合により架橋重合体を形成できる。架橋
重合体粒子の平均粒度に好ましくは約0.001μm 乃
至約500μm であるべきである。粒子の少なくとも5
0%が150μm より小さい、さらに好ましくは100
μm より小さい径をもつ。
【0040】未架橋重合体充填剤 上記の架橋重合体のほかに、前駆物質ブレンドの重合体
成分は未架橋重合体を含むことができる。上記未架橋重
合体は本発明の実施に使われる架橋重合体の製造に有用
であると上記してきた一官能性単量体種のいずれかから
形成された重合体を含む。そこで、上記式に従う単量体
種、1乃至約20個の炭素原子をもつ脂肪族アルコール
またはフェノールのアクリル酸エステルおよびC1 乃至
6 低級アルキルアクリル酸エステルまたはその混合物
がフッ化ビニリデンと同様に適している。メタクリル酸
メチル重合体、メタクリル酸メチル共重合体が好まし
い。当業者に既知の重合法によって単量体から未架橋重
合体は形成できる。そこで、開始剤増感剤、活性化剤、
または連鎖移動剤と共にまたはそれを使用せずに、熱重
合または光化学重合を使用できる。同様に、塊状重合ま
たは懸濁重合を利用できる。好ましくは、未架橋重合体
は平均分子量約100,000乃至約2,000,00
0g/mol 、特に約500,000乃至約900,00
0g/mol をもつとして特徴づけられる。この重合体は
粒状形で使用されるが、架橋重合体とは異なり、未架橋
重合体は重要な粒度分布をもたない点が、架橋重合体充
填剤と異なる。そこで、約50μm のような便利な小寸
法の重合体粒子またはビーズを利用できる。単量体を吸
収し、一層容易にそのなかに溶解するから一層小寸法が
好ましいが、より大きい寸法も同様に使用できる。
【0041】重合性液体ブレンド 本発明の前駆物質ブレンドの処方に適する重合可能単量
体は広い種類の単量体を含むことができる。そこで、ア
クリル酸エステル、低級アルキルアクリル酸エステル、
N−ビニルラクタム、アクリルアミド、アクリロニトリ
ル、スチレン、アルキレン、ウレタンアクリレートまた
はウレタンメタクリレート及びその他の単量体種を本発
明の実施に使用できる。
【0042】本発明の好ましい実施態様の実施に有用な
重合可能単量体の好ましい例はアクリル酸、メタクリル
酸、エタクリル酸、プロパクリル酸、ブタクリル酸、ク
ロロメタクリル酸のメチル−、エチル−、イソプロピル
−、t−ブチル−、オクチル−、ドデシル−、シクロヘ
キシル−、クロロメチル−、テトラクロロエチル−、パ
ーフルオロオクチル−、ヒドロキシフェニル−、ヒドロ
キシプロピル−、ヒドロキシブチル−、3−ヒドロキシ
フェニル−、4−ヒドロキシフェニル−、アミノエチル
−、アミノフェニル−、チオフェニル−エステル、なら
びにビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシビ
フェニル、ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラフ
ルオロフェニル)プロパンの同族モノアクリル酸エステ
ルを含む。他の適当な化学種も当業者には明らかであ
り、さらに2種またはそれ以上の異なる重合可能単量体
の混合物を使用できることも認められよう。
【0043】重合可能液体ブレンドの多官能性単量体お
よびオリゴマー成分 好ましくは、重合可能単量体用の架橋剤は不飽和酸のエ
ステル、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリ
ル酸、プロパクリル酸、ブタクリル酸など、マレイン
酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン
酸、マロン酸、またはアコニチン酸などのエステルを含
む。他の不飽和酸は当業者には容易に明らかである。
【0044】これらの酸を好ましくは不飽和アルコール
またはポリヒドロキシアルコールのどちらかと反応し
て、本発明の実施において有用な単量体種用の有効な多
官能性架橋剤であるエステルを形成する。そこで、有用
なアルコールはアリルアルコール、メタクリルアルコー
ル、クロチルアルコール、ビニルアルコール、ブテニル
アルコール、イソブテニルアルコール、類似の不飽和ア
ルコール、ならびにエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ペンタエチレングリコール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリトリトールのようなポリオ
ール、ジヒドロキシフェノール、ビスフェノールAのよ
うなアルキリデンビスフェノール、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、レゾルシノール、ヒドロキノン
などを含む。
【0045】本発明の実施に使用するのに好ましい架橋
剤は単量体二塩基性不飽和酸と不飽和モノヒドロキシル
アルコールとのエステル、たとえばアクリル酸アリル、
メタクリル酸アリル、アクリル酸ビニル(メタクリル酸
ビニルおよび同族体)、フマル酸ジメタクリル、N−ア
リルアクリルアミド、アクリル酸クロチル、クロトン酸
アリル、ケイ皮酸アリル、マレイン酸ジアリルなどを含
む。他の好ましい化学種はエチレングリコールジアクリ
レート(ジメタクリレートおよびC2 −C6 同族体)、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、ビスフェ
ノールAのジメタクリル酸エステルならびに他のアクリ
ル酸エステル及びアリルアクリル酸エステルのようなポ
リヒドロキシルアルコールのジ−、トリ−、および高級
エステルである。さらに、重合可能単量体用の架橋剤は
アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、ジビニル
(トリビニルまたは高級同族体)ベンゼン、置換ジビニ
ルベンゼン、または類似化合物であることができる。さ
らに、架橋剤混合物も本発明の実施に有用である。
【0046】ビス−GMA、およびヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート及びその
メタクリレート同族体と2,4,4−トリメチルヘキシ
ル−1,6−ジイソシアネートとの反応で生成するウレ
タンジメタクリレート(以後「ウレタンジメタクリレー
トまたはジアクリレート」と呼ぶ)のような化合物はエ
チレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、ビスフェノールAのジメタ
クリル酸エステルと同様に、特に有用である。相当する
アクリル酸エステルもマレイン酸ジアリルと同様に有用
である。
【0047】他の成分 上記成分(すなわち、架橋重合体、未架橋重合体、重合
可能単量体)のほかに、前駆物質ブレンドは開始剤、活
性化剤、顔料、充填剤、放射線不透過剤(radiopaquing
agent) 、接着変性剤、遊離基開始剤または光化学開始
剤のような他の任意の成分を含むことができる。これに
関し、過酸化ジクミルまたは過酸化ベンゾイルのような
ペルオキシ型開始剤が有用である。同様に、生成歯科補
綴物の外観、密度、物理特性を修飾するために、顔料と
充填剤を添加できる。無機材料、特にシリカとチタニア
が有用な充填剤および顔料であるが、広い種類の他の有
用な顔料と充填剤は当業者には明らかである。充填剤お
よび放射線不透過剤は本発明の組成物の主重量部分を構
成できる。好ましい実施態様によれば、本発明の前駆物
質ブレンドは約1:2乃至約2:1の重量比の有機樹脂
成分と粒状無機充填剤の混合物を含むことができる。
【0048】前駆物質ブレンド 成分種を適当な割合で混合し、ついでねかしまたは熟成
することによって、本発明の好ましい実施態様に従う前
駆物質ブレンドは処方される。幾つかの技術がこれに役
立ち、他は当業者に明らかである。そこで、たとえば過
酸化物開始剤および顔料を含めて、架橋重合体充填剤、
自己潤滑性粒子、未架橋重合体、重合可能液体ブレンド
を適当な割合で混合できる。この組み合せ物をついで十
分混合し、ねかして均一な外観をもつ前駆物質ブレンド
を得る。このブレンドはその所望の用途によって、練り
粉のコンシステンシーをもつことができまたは多少とも
可動性であることができる。所望であれば粒状無機充填
剤または他の変性剤を組成物の処方のこの段階で添加す
るのが好ましい。こうして形成した組成物を常法で成
形、押出し、はけ塗り、形成、加工または他の方式で造
形でき、重合または硬化して、すぐれた性質をもつ硬質
歯科補綴物にする。この重合または硬化には熱または放
射線エネルギーの適用がふつう必要である。
【0049】操作手順 本発明の組成物を補綴装置に包含するための人工歯に成
形することが特に有用である。しかし、前駆物質ブレン
ドは充填剤、歯、架工義歯、歯冠、ベニヤ、陶歯、咬合
面窩および欠損部のシーラント、義歯、歯床、義歯リラ
イン材料、歯列矯正副木材料、歯科接着剤を含め、著し
く広範囲の歯科用途に適することを理解すべきである。
本発明の材料を骨のような種々の硬質身体構造の補綴置
換または修復にも利用でき、また外科特に口腔外科中再
構成目的に利用できる。本発明の組成物はまた、たとえ
ばプラスチック構造材料のような種々の非歯科用にも有
用である。
【0050】本発明の前駆物質ブレンドの成分中の化学
的および物理的関係の性質は本発明の実施に対し重要で
ある。これらの関係のうち、架橋重合体粒子が本発明の
好ましい実施態様に従う相互貫入網目構造をつくる組成
物において、液体成分(好ましくは少なくとも10重量
%)で膨潤できるまたはそれを吸収することが必要であ
る。同様に重要なことは、未架橋重合体を包含した場合
それが液体成分に溶解され得るという要求である。上記
の有用な技術で形成した前駆物質ブレンドは一実施態様
では架橋重合体が架橋剤混合物で実質上十分に膨潤され
るようになり、架橋剤混合物により相互貫入され、また
は架橋剤混合物を実質上吸収することを確実にし、ま
た、使用された場合、未架橋重合体が実質上溶解するの
を確実にするのに十分な時間ねかされる。ここで使用す
る「ねかした(aged) 」または「ねかす(aging)」の用
語は前駆物質ブレンドの成分を重合可能単量体とそのな
かに溶けている架橋剤の混合物で架橋重合体粒子を実質
上十分に膨潤するのに十分な時間、ブレンド中で互に混
合して保つことを指す。しばしば、ねかし工程は平衡に
達するときの混合物のコンシステンシーの変化により明
らかとなる。上記平衡への接近に必要な時間はブレンド
技術、物質の相対割合、重合体の粒度と分子量、混合物
中の温度に依存して変化する。一般に、1乃至7日のね
かし時間が所望の平衡に近づくのに適当であることがわ
かった。上記の考慮から一つの処方物において最適ねか
し時間を確認することは当業者の能力内にあることが理
解されよう。
【0051】予備膨潤法と呼ばれる本発明の前駆物質ブ
レンドの処方に特に有用な別の技術は最終前駆物質ブレ
ンドの最後の混合から遠く離れた及び先行した時間に、
架橋重合体粒子を重合可能単量体とその架橋剤の混合物
で膨潤させまたは吸収させることである。この好ましい
技術によれば、架橋重合体粒子と自己潤滑性充填剤粒子
は重合可能液体ブレンドとブレンドされる。ついで、架
橋重合体粒子を重合可能ブレンドによって実質上十分に
膨潤させるまたは相互貫入させるのに十分な時間、前駆
物質ブレンドはねかされる。こうして形成した前駆物質
ブレンドは成形、はけ塗り、押出し、形成、加工、また
は他の方式で成形されて有用な歯科装置、物品を形成す
る。他の技術を次の実施例で示すが、他の技術は当業者
には明らかであろう。
【0052】一実施態様では、前駆物質ブレンドの重合
により、相互貫入重合体網目構造と呼ばれる三次元構造
が形成されると考えられる。この相互貫入網目構造は本
発明の実施によって構成された物品が示すすぐれた化学
的および物理化学的性質の偶然うまく発見された組合せ
に対する主寄与因子と考えられる。相互貫入重合体網目
構造は伝統的グラフト重合体に関連はあるが、これらと
は異なる。
【0053】相互貫入網目構造歯 本発明の好ましい実施態様に従えば、自己潤滑性相互貫
入網目構造は超高分子量ポリエチレンおよび二またはそ
れ以上の架橋した、故に三次元的に配列した、重合体網
目構造からなるとみることができ、これらは同一空間容
積内に共存するが、必ずしも通常の共有結合をもつ必要
はない。2つの網目構造はその間の共有結合をもつ必要
がないという意味で独立であり得るが、2つの網目構造
は他の網目構造「内」に物理的に捕獲された網目構造で
あり、共有結合の開裂なしで物理的操作によっては分離
できない。粒状架橋重合体は架橋剤と混合した単量体で
膨潤しまたはこれらを吸収し、単量体と架橋剤の吸収さ
れた混合物をついで重合させると、相互貫入重合体網目
構造が粒状架橋重合体の境界内に形成されるのがみられ
る。本発明の前駆物質ブレンドの製造に使用されるねか
し工程は架橋剤の相互貫入による実質上十分な膨潤また
は架橋重合体粒子による架橋剤の実質上完全な吸収を遂
行し、そして平衡に近づくために必要であると信じられ
る。
【0054】米国歯科協会規格第15は「歯と樹脂間の
結合強度は張力で試験される。最小結合強度は30.9
MN/M2(4.480psi ;315kg/cm2 )であり、こ
れは使用中樹脂義歯歯床から歯の分離を防ぐのに十分で
ある」と規定している。これは「熱処理技術によって重
合したアクリル義歯歯床」に関するものである。本発明
の組成物はこの規格に合格するか又はまさっている。
【0055】本発明の一実施態様、好ましい相互貫入網
目構造実施態様により、独特の不均一ミクロ構造が示さ
れる。このミクロ構造を観察する一方法は次の通りであ
る。 1)歯または成形物品から薄片を切りとり、1薄片を平
な面をむけてエポキシ中につける。 2)つけた試料の薄片表面を、連続して水でぬらした N
o.320、400、600のグリット炭化ケイ素紙を使
用して円滑表面となるまで研摩する。 3)チヤマイス(chamais)上0.3μm Al2O3の水性ス
ラリーを使用して最終研摩品を得る。 4)薄片の研摩表面を沸とう濃硝酸の蒸気に4分間さら
す。このエッチング操作手順によってミクロ構造が酸化
的に露出され、260倍の顕微写真法により最もよくと
らえられる。
【0056】こうして観察されたミクロ構造は不均一で
あり、マトリックス内に懸濁した粒子群として最もよく
記載できるものを含む。粒子は単量体および架橋剤で膨
潤されそして相互貫入されている前駆物質ブレンドの粒
状架橋重合体と同一であると考えられる。硬質無機充填
剤のみを含む通常の複合組成物に比べ、本発明で形成さ
れた物品は構造がはるかに一層密に充填されているミク
ロ構造を示す。この方法論は、本発明の新規組成物のミ
クロ構造の試験に広く適用されるが、独占的なものでは
ないことを理解すべきである。多かれ少なかれ拡大を含
む他の技術および他の可視化法も構造の解明に有用であ
る。
【0057】好ましくは、本発明の好ましい実施態様に
従って形成した歯は0.1乃至80重量%の超高分子量
ポリエチレンを含み、ASTM D 1894−78を
使用しそして約0.35kg/cm2 (5psi )で測定した
とき、0.2以下の摩擦動係数をもつ外面をもつ。さら
に好ましくは、上記歯は2乃至50重量%の超高分子量
ポリエチレンを含み、ASTM D 1894−78を
使用しそして約0.35kg/cm2 (5psi )で測定した
とき、0.1以下の摩擦動係数をもつ外面をもつ。最も
好ましくは、上記歯は1乃至10重量%の超高分子量ポ
リエチレンを含み、ASTM D 1894−78を使
用しそして約0.35kg/cm2 (5psi)で測定したと
き、0.05以下の摩擦動係数をもつ外面をもつ。
【0058】好ましくは、本発明の好ましい実施態様に
従って形成した歯は0.05乃至50重量%のケイ素含
有自己潤滑性化合物を含むものである。さらに好ましく
は、上記歯は0.5乃至20重量%のケイ素含有自己潤
滑性化合物を含むものである。最も好ましくは、上記歯
は1乃至10重量%のケイ素含有自己潤滑性化合物を含
むものである。最も好ましくは、耐摩耗単量体ケイ素化
合物はジビニルジメチルシランまたはジビニルジメチル
シロキサンである。
【0059】本発明の好ましい実施態様に従って形成さ
れた回復促進材料は0.1乃至50重量%の超高分子量
ポリエチレンを含むものである。さらに好ましくは、上
記回復促進材料は2乃至20重量%の超高分子量ポリエ
チレンを含むものである。最も好ましくは、上記回復促
進材料は1乃至10重量%の超高分子ポリエチレンを含
むものである。好ましくは、本発明に従い使用される高
分子ポリエチレン粒子は0.5乃至80μm の平均最大
寸法(または径)をもつ。さらに好ましくは、上記粒子
は70μm 以下の平均最大寸法(または径)をもつ。最
も好ましくは、本発明に従い使用される高分子量ポリエ
チレン粒子は1乃至80μm の平均最大寸法(または
径)をもつ。最も好ましくは、本発明に従い使用される
高分子量ポリエチレン粒子は2乃至20μm の平均最大
寸法(または径)をもつ。本発明の好ましい実施態様は
少なくとも500,000の、好ましくは少なくとも
1,000,000の分子量と、80μm 以下の粒度を
もつポリエチレンを含む歯を提供する。本発明の好まし
い実施態様では、80μm 以下の粒度と少なくとも3,
000,000の分子量をもつポリエチレン粒子を有す
る歯科回復促進樹脂が提供される。
【0060】好ましくは、本発明の好ましい実施態様に
従って形成される回復促進材料は0.02乃至80重量
%のケイ素含有自己潤滑性化合物を含むものである。さ
らに好ましくは、上記回復促進材料は0.5乃至40重
量%のケイ素含有自己潤滑性化合物を含むものである。
最も好ましくは、上記回復促進材料は1乃至10重量%
のケイ素含有自己潤滑性化合物を含むものである。
【0061】次の実施例は本発明のある種の代表的実施
態様を記載し、そして本発明の性質を示すのに役立つ。
実施例は単に例示のものであり、特許請求の範囲に定義
される本発明の範囲を決して限定するものではない。パ
ーセントはすべて重量%である。高耐摩耗重合体歯材料
組成物は共有結合した超高分子ポリエチレン粒子を有す
る相互貫入メタクリル化重合体網目構造から作られる。
【0062】実施例1A 歯充填材料 Air Products社からの80μm 以下の最大寸法を有し、
酸素およびフッ素で処理した超高分子ポリエチレン粒子
(Primax) 20g、微小シリカ充填剤(平均粒度10乃
至20μm 、BET表面積50m2/g)61.5gを常
法でメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランでシ
ラン化し、実験室ニーダーに注入した。ビス−GMA2
2g及びエチレングリコールジメタクリレート16.5
gを加え、小粒のない均一ペーストが得られるまで混練
を続けた。このペースト40gを50%過酸化ベンゾイ
ル0.6gで処理した(ペーストA)。さらに、マスタ
ーペースト40gをジメチル−p−トルイジン0.1g
で処理した(ペーストB)。ペーストAおよびBの等量
を混合ブロック上で混合し、歯窩洞用の充填材料を得
た。作業時間は2分間であり、5分間でこの材料は硬化
した。
【0063】実施例1B アクリル歯 実施例1Aで使用した比率の微小充填剤と超高分子ポリ
エチレン、ただしシラン化してないもの、100gをビ
ーズ重合体形の未着色ポリメタクリル酸メチル30g、
50%過酸化ベンゾイル2gと混合した。メタクリル酸
メチル35g、およびヒドロキシエチルジメタクリレー
トとヘキサメチレンジイソシアネートの反応生成物35
gからなる単量体混合物をつくった。上記の粉末と液体
とを、粘稠ペーストが得られるまで回転混合装置上の密
閉容器内で機械的に混合した。このペーストを歯成形型
に導入し、110℃で4分間重合した。こうして得た人
工歯はきれいな乳光を示した。すなわち人工歯は透過光
中では帯黄色にみえ、入射光中では青白色透明性であっ
た。鋼球押込硬度は、通常のメタクリル酸エステルに基
づき比較した比較歯の場合の1400kg/cm2 に比べ、
2800kg/cm2 であった。微小充填剤を含むプラスチ
ック歯の単量体、クロロホルム、または沸とう水に対す
る耐性は明らかに一層良好であった。
【0064】補綴歯 実施例2A 前駆物質ブレンド 次の組成物から前駆物質ブレンドをつくった。
【化9】
【0065】架橋重合体は粒子形であり、その46重量
%は74μm 以下の寸法で、残りは約500μm 以下の
寸法であった。ポリメタクリル酸メチルは平均分子量8
00,000g/mol を有していた。過酸化ベンゾイル
と2,2−ビス(4−メタクリルオキシフェニル)プロ
パンを常温でメタクリル酸メチルに溶かして単量体溶液
をつくった。重合体と顔料を単量体溶液を含む遊星ドウ
ミキサーに仕込み、目で均一となるまで攪拌した。周囲
温度で数日間ねかした後、生成前駆物質ブレードから補
綴歯を成形した。得られた歯は粉末状の細かい砕片で摩
砕され、義歯歯床に結合したそしてそれは衝撃および摩
耗耐性であった。
【0066】実施例3A 相互貫入網目構造歯 実施例2に記載の方法を使用して次の組成物をもつ前駆
物質ブレンドをつくり、これから補綴歯を成形した。
【化10】 周囲温度で24時間ねかした後、補綴歯用の適当なゲル
状コンシステンシーが得られた。
【0067】実施例4A 相互貫入網目構造歯 次の組成物から前駆物質ブレンドをつくり、実施例3A
の方法で処理後補綴歯に成形した。
【化11】
【0068】実施例5A 相互貫入網目構造歯 2工程「予備膨潤」混合法を使用して前駆物質ブレンド
をつくり、これから補綴歯を成形した。ブレンドは次の
組成を有していた。 工程1
【化12】 架橋重合体は粒子形で、その50重量%は100μm 以
下の寸法であり、残りは約500μm 以下の寸法であ
る。
【0069】工程2
【化13】 ポリメタクリル酸メチルは平均分子量850,000g
/mol を有していた。
【0070】この実施例の工程1対工程2材料の重量比
は1.14対1.00である。工程1は、単量体、架橋
剤、開始剤の溶液をつくり、架橋共重合体を加えること
により達成された。この混合物を約2分間攪拌して重合
体をしめらせ、単量体が失なわれないようふたをし、約
10℃で1週間保持した。1週間の「予備膨潤」期間
中、架橋共重合体は完全に単量体を吸収した。この方法
で共重合体は膨潤したが、個々の共重合体粒子のもとの
状態は維持された。この「予備膨潤」混合物はゲル状で
なく、容易に砕けるゴム状、スポンジ塊のコンシステン
シーをもっていた。工程2は、工程1で得た「予備膨
潤」物を遊星ドウミキサーに入れ、「予備膨潤」塊を細
かいコンシステンシーに破壊するように十分混合するこ
とによって達成された。ポリメタクリル酸メチルと顔料
をミキサーに入れ、均一分散物が得られるまで混合を続
けた。工程2の組成物で示した単量体と開始剤の溶液を
ミキサーに入れ、均一なゲルコンシステンシーが得られ
るまで混合を続けた。ゲル状混合物を保持容器に移し、
補綴歯成形のための適当なコンシステンシーが得られる
まで、約3日間約10℃でねかした。
【0071】実施例6A 相互貫入網目構造歯 実施例5Aに記載の2工程「予備膨潤」法を使用して次
の組成をもつ前駆物質ブレンドをつくり、これから補綴
歯を成形した。工程1
【化14】
【0072】工程2
【化15】 この実施例の工程1対工程2の材料の重量比は0.4
6:1.00である。周囲温度で24時間ねかした後、
補綴歯成形用の適当なゲル状コンシステンシーを得た。
【0073】実施例7A 補綴前歯 次の組成物から前駆物質ブレンドをつくった。
【化16】
【0074】メタクリル酸メチル、過酸化ベンゾイル、
エチレングリコールジメタクリレートを周囲温度で混合
し、単量体溶液をつくった。重合体と顔料を、単量体溶
液を含む遊星ドウミキサーに仕込み、外観が均一となる
まで混合した。密閉容器中周囲温度で最初の7日間で、
重合体は完全に単量体溶液を吸収した。密封容器中約1
0℃で7日間ねかしを続け、成形前7日間ねかしを続け
た。一様な補綴前歯を次の順序で成形した。 1) 138℃、約20kg/cm2 (290psi )で3
分、 2) 138℃、約91kg/cm2 (1300psi )で2
分、 3) 約91kg/cm2 (1300psi )で冷却5分、 4) 118℃で3時間。 得られた補綴歯は微粉砕片で摩砕され、高光沢に再研摩
されたそして摩耗に耐え、メタクリル酸メチルおよび他
の溶剤に耐性であり、加水分解的に安定であり、220
℃に1時間加熱したとき目にみえる劣化またはゆがみを
示さず、義歯歯床材料によく結合する。
【0075】1成分充填放射線硬化可能材料 実施例8A 無機充填剤を含み、実施例3Aに記載の方法でつくった
次のゲル組成物を Caulk NUVA−LITEホト−キ
ュア(Dentsoly Internationalの登録商標)を使用し、
320乃至400nmの波長をもつ紫外線で重合した。
【化17】
【0076】安定1パート歯ベニヤ 実施例9A 2工程予備膨潤法が1パートベニヤ材料を混合するのに
使用された。次の成分からブレンドをつくった。 工程1
【化18】
【0077】過酸化ベンゾイルをメタクリル酸メチルに
溶かし、ウレタンジメタクリレートと混合した。この溶
液をポリ(メタクリル酸メチル−コ−エチレンジメタク
リレート)(99.8:0.2)と混合し、そして密閉
ジャーで暗所で「予備膨潤」ブレンドとなるまで貯蔵し
た。架橋重合体は微粒子形で、その少なくとも50重量
%は100μm 以下の寸法で、残りは500μm 以下の
寸法であった。1カ月貯蔵後、完全に膨潤した架橋重合
体「予備膨潤」ブレンドを次のように混合した。
【0078】工程2
【化19】 要求されるときは少量の顔料と共に、上記成分を3本ロ
ールミルで均一色合のペーストが得られるまで混合し
た。
【0079】公知の蓄積法によって不透明歯冠上にベニ
ヤをつくった。歯質色合のベニヤペーストを手および器
械肉づけによって歯冠上に蓄積した。次に、切歯色合の
ベニヤペーストを歯質の頂部に蓄積した。ベニヤを3バ
ール空気圧下、90℃の水浴に浸漬し重合した。類似の
方式で、グリセリン中に浸漬することによってベニヤを
重合した。仕上げたベニヤは高光沢と良好な美的外観を
有していた。このベニヤはプロフィー(prophy) 摩耗試
験により通常のアクリルベニヤの3倍の摩耗耐性をもっ
ていた。このベニヤは摩砕により容易に造形でき、粉末
状砕片を生じ、円滑で高光沢の仕上品に容易に研摩され
る。ベニヤは化学薬品および汚れに耐性であり、良好な
衝撃強度を有し、そして修理可能である。ベニヤペース
トは周囲条件に安定である。ベニヤペーストは周囲温度
では9カ月、50℃では70日安定であった。
【0080】実施例10A 歯ベニヤ 2工程予備膨潤法を使用して次の組成物から1パート歯
ベニヤを混合した。工程1 実施例10からの「予備膨潤」ブレンドを常温で22日
ねかした。工程2
【化20】
【0081】成分を目視で均一となるまで3本ロールミ
ルで混合した。パテ状材料を歯ベニヤに成形し、3バー
ル圧下90℃のグリセリンに10分浸漬して重合して造
形可能な、耐久性及び美的にすぐれた歯科補綴物を得
た。
【0082】実施例11A 超高分子量ポリエチレン含有歯 Air Products社から入手した分子量約4,000,00
0をもち酸素とフッ素で処理したポリエチレン(Prima
x) を160℃で成形型で歯に成形した。歯を23℃に
冷し、そして成形型からとり出した。
【0083】実施例12A 超高分子量ポリエチレンを含む充填材料 80μm 以下の最大寸法を有し、少なくとも1,00
0,000の分子量をもつ超高分子量ポリエチレン粒子
60gをシリカ(平均粒度10−20 mμ、BET表面
積50m2/g)61.5gに加え常法でメタクリルオキ
シプロピルトリメトキシシランでシラン化し、実験室ニ
ーダーに注入した。これにビス−GMA22g、エチレ
ングリコールジメタクリレート16.5gを加え、小粒
を含まない均一ペーストが得られるまで混練を続けた。
このペースト40gを50%過酸化ベンゾイル0.6g
で処理した(ペーストA)。マスターペースト40gを
ジメチル−p−トルイジン0.1gで処理した(ペース
トB)。ペーストAとBの等量を混合ブロックで混合し
て歯窩洞用充填材料を得た。作業時間は2分間であり、
この材料は5分間で硬化した。
【0084】実施例13A ケイ素含有自己潤滑性化合物を含む歯冠 2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル〕プロパンジメタクリレート20gをクロロホルム5
0gに溶かし、この溶液に平均粒度30 mμと80m2
g以下のBET表面積をもつシラン化シリカ21gとジ
ビニルジメチルシラン5gを加えた。こうして形成した
ペーストを、結晶性単量体が再び固化し、溶剤が蒸発す
るまで、絶えずかきまぜて乾燥した。こうして、シリカ
を単量体中に完全に均一に分配した。0.5%の過酸化
ベンゾイルをボールミル内で摩砕しそしてふるうことに
よって粉末中に分配した。この混合物は42℃以上に加
熱しない限り安定であった。加工のためには、この粉末
を磁器皿で50〜60℃で融解し、はけまたはスパチュ
ラで絶縁したモデル基部上に適用し、約150℃の熱空
気流中で塗りながら重合して歯冠を得た。
【0085】実施例14A 自己潤滑性歯製造粉末 L. D. Caulk 社から入手した高分子量ポリメタクリル酸
メチル(D7−99−WD York PA71)1部、 L.
D. Caulk社から入手したポリ( メタクリル酸メチル−コ
−エチレングリコールジメタクリレート)(99.2:
0.8)(エチレングリコールメタクリレートで架橋し
たメタクリル化共重合体とも呼ばれる)(0.8×L
FR2579A Polywer York P448)2部、顔料
0.01部を混合して着色歯製造材料をつくった。つい
で、粉末を Abbe ボールミルで2時間混合して着色歯製
造材料を形成した。L. D. Caulk 社から入手した高分子
量ポリメタクリル酸メチル(D7−99−WD York p
471)1部と2時間ボールミル粉砕した L. D. Caulk
社から入手したエチレングリコールメタクリレートで架
橋したメタクリル化共重合体2部を Papenmeier 高強力
ミキサーで4分間混合して透明歯製造材料をつくった。
酸素とフッ素で処理した超高分子量ポリエチレン(UH
MWPE)(Air Products社から入手した Primsx)を着
色歯製造材料に加えてUHMWPE4%と着色歯製造材
料96%からなる着色自己潤滑性歯製造材料を形成し
た。この混合物を繊維ドラム中でひっくり返した。酸素
とフッ素で処理した超高分子量ポリエチレン(UHMW
PE)(Air Products社から入手した Primsx)を透明歯
製造材料に加えてUHMWPE4%と透明歯製造材料9
6%からなる透明自己潤滑性歯製造材料を形成した。こ
の混合物を繊維ドラム中でひっくり返した。要求される
ときは、着色および透明自己潤滑性歯製造材料をブレン
ドして歯を調色した。これらの粉末を繊維ドラム中でひ
っくり返してブレンドした自己潤滑性歯製造粉末を形成
した。
【0086】実施例2 歯ボデー材料および後部エナメル材料 開始剤と架橋剤を単量体に加え、大きなかご巻きポリエ
チレンびん中で30分十分に混合することによって、メ
タクリル酸メチル(単量体)657g、ビスフェノール
Aジメタクリレート(架橋剤)138g、2,4,4−
トリメチル−1,4−ジウレタンジメタクリレートヘキ
サン(メタクリル酸末端封鎖)(第2の架橋剤)200
g、過酸化ベンゾイル(開始剤)5gを混合した。この
得られた液体を実施例1からのブレンドした自己潤滑性
歯製造粉末と、液体43%対粉末57%の比で、混合し
た。液体と粉末を32ポンド・ドウミキサーに加え、そ
して9分間混合した。しめった混合物を口を通して径約
6cm(2.375インチ)乃至約10.8cm(4.25
インチ)のポリエチレンスリーブにあけた。湿った混合
物が歯エナメル材料に対しては粘度40乃至50(針入
度計の読みで測定した)、歯ボデー材料に対しては55
乃至65に固化するまで、スリーフを垂直につるした。
スリーブを冷凍器に16時間入れ、そして歯材料を歯エ
ナメルに対しては約0.3cm(1/8 インチ)の厚さに、
歯ボデーに対しては約0.6cm(1/4インチ)の厚さに
薄切りした。薄切したものを冷凍器で最低3日間ねか
し、そして成形し、100℃に加熱して歯ボデーと歯エ
ナメルを形成した。
【0087】実施例3 前歯エナメル 実施例1のようにしてつくった着色および透明歯製造材
料を所望の色合にブレンドし、ついで繊維ドラム中でひ
っくり返し、調色した歯製造材料を形成した。開始剤と
架橋剤を単量体に加えそして30分混合することによっ
て、メタクリル酸メチル(単量体)795g、ビスフェ
ノールAジメタクリレート(架橋剤)175g、ジビニ
ルジメチルシラン(第2架橋剤)25g、過酸化ベンゾ
イル(開始剤)5gを混合した。この得られた液体をド
ウミキサーに加え、ついで調色した歯製造材料を、液体
46対調色した歯製造材料54の比で、加え、そして9
分間混合した。ぬれた混合物を口を通して径約7.3cm
(2.875インチ)乃至約10.8cm(4.25イン
チ)のポリエチレンスリーブにあけた。ぬれた混合物が
歯エナメル材料に対しては粘度40乃至50(針入度計
で測定した)、歯ボデー材料に対しては55乃至65に
固化するまで、スリーブを垂直につるした。スリーブを
冷凍器に16時間入れ、そしてぬれた混合物を歯エナメ
ル材料に対しては約0.3cm(1/8 インチ)の厚さに、
歯ボデー材料に対しては約0.6cm(1/4 インチ)の厚
さに薄切りした。薄切りしたものを冷凍器で最低3日間
ねかして歯ボデーと歯エナメルに成形した。
【0088】実施例4 超高分子量ポリエチレンを含む歯 (A) 高分子量ポリメタクリル酸メチル懸濁重合体
(D7−99WD、Dentsply International) 1.0重
量部、わずかに架橋したポリメタクリル酸メチル懸濁重
合体であるポリ(メタクリル酸メチル−コ−エチレング
リコールジメタクリレート)(99.2:0.8)
(0.8×L、 Dentsply International)2.0重量
部、顔料0.01重量部を混合して着色粉末ブレンドを
つくった。ブレンドを Abbe ボールミルで2時間混合し
た。酸素とフッ素で処理した超高分子ポリエチレン(U
HMWPE)0.12重量部をブレンドに加え、そして
繊維ドラム中でひっくり返すことにより分散した。適当
に調色したブレンドはUHMWPE4%を含んでいた。
【0089】(B) 高分子量ポリメタクリル酸メチル
懸濁重合体(D7−99WD、Dentsply Internationa
l) 1.0重量部、わずかに架橋したポリメタクリル酸
メチル懸濁重合体であるポリ(メタクリル酸メチル−コ
−エチレングリコールジメタクリレート)(99.2:
0.8)(0.8×L、 Dentsply International)2.
0重量部を混合して未着色粉末ブレンドをつくった。ブ
レンドを Abbe ボールミルで2時間混合した。酸素とフ
ッ素で処理した超高分子量ポリエチレン(UHMWP
E)0.12重量部をブレンドに加え、そして繊維ドラ
ム中でひっくり返して分散した。 (C) 着色および未着色ブレンドを配合して繊維ドラ
ム中でひっくり返して調色した粉末ブレンドをつくっ
た。 (D) メタクリル酸メチル(単量体)657g、ビス
フェノールAジメタクリレート(架橋剤)138g、
2,4,4−トリメチル−1,4−ジウレタンジメタク
リレートヘキサン(メタクリル化末端封鎖)(第2架橋
剤)200g、過酸化ベンゾイル(開始剤)5gを大き
なかご巻きポリエチレンびんで30分混合して液体ブレ
ンドをつくった。
【0090】(E) 上記(C)の粉末ブレンド570
gを上記(D)の液体ブレンド430gと遊星ミキサで
混合して前駆物質ブレンドを形成した。ぬれた混合物を
口を通して径約6cm(2.375インチ)乃至約10.
8cm(4.25インチ)のポリエチレンスリーブにあけ
た。ぬれた混合物が、歯エナメル材料に対しては粘度4
0乃至50(針入度計の読みで測定した)、歯ボデー材
料に対しては55乃至65に固化するまで、スリーブを
垂直につるした。スリーブを冷凍器に16時間入れ、歯
材料を歯エナメルではに対しては約0.3cm(1/8 イン
チ)の厚さに、歯ボデー材料に対しては約0.6cm(1/
4 インチ)の厚さに薄切りした。薄切りしたたものを冷
凍器で最低3日間ねかし、そして成形し、100℃に加
熱して後歯を形成した。計算器プログラムされた噛装置
で歯の耐摩耗性を評価した(Jourual of Prosthetic De
ntistry, Vol. 54, No.2,August 1985,p2
73−280)。米国特許第4,698,373号に全
体的に従って製造した市販歯、BIOFORM(Dentsp
ly) に対する0.032mmの摩耗容量損失に比較し、天
然歯の摩耗容量損失は0.021mm3 を示した。
【0091】実施例5 自己潤滑性ケイ素含有材料をもつ歯 メタクリル酸メチル(単量体)795g、ビスフェノー
ルAジメタクリレート(架橋剤)175g、ジビニルジ
メチルシラン(第2架橋剤)25g、過酸化ベンゾイル
(開始剤)5gを混合して液体ブレンドを形成した以外
は、実施例4の操作手順に従った。計算機プログラムさ
れた噛装置で歯の耐摩耗性を評価した(Jourual of Pro
sthetic Dentistry, Vol. 54, No.2,August 19
85,p273−280)。この歯の摩耗容量損失は
0.023mm3 であった。米国特許第4,698,37
3号に全般的に従って製造した市販歯BIOFORM
(Dentsply) の損失0.032mm3 と比較せよ。
【0092】本発明をある種の特別の実施態様に関し、
かなり詳細に記載してきたが、上記実施態様に限定され
るものではなく、本発明の精神と範囲からいつ脱するこ
となしに他の方式で使用できることを理解すべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に従う相互貫入網目構造前歯の側
断面図である。
【図2】図2は本発明に従う相互貫入網目構造前歯の前
面図である。
【図3】図3は本発明に従う相互貫入網目構造後歯の側
断面図である。
【図4】図4は本発明に従う相互貫入網目構造後歯の前
面図である。
【符号の説明】
10 人工前歯 12 歯ボディー 14 エナメルコーティング 16 隆線重なり部 18 舌面 20 バックル面 22 中間層 30 人工後歯 32 歯ボディー 34 エナメルコーティング 36 隆線重なり部 37 バックル面 40 咬合面 42 舌面

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ASTM D 1894−78を用い5
    psi で測定したとき約0.2より小さい摩擦動係数を有
    する外面をもつ自己潤滑性耐摩耗材料を含むことを特徴
    とする歯。
  2. 【請求項2】 重合体マトリックス材料、自己潤滑性耐
    摩耗粒子、上記マトリックス材料を架橋するのに適合し
    たケイ素含有単量体材料を含むことを特徴とする歯科組
    成物。
  3. 【請求項3】 単量体マトリックス形成材料、無機充填
    剤、自己潤滑性耐摩耗粒子、ケイ素含有単量体材料を含
    むことを特徴とする歯科用組成物。
  4. 【請求項4】 該組成物が人工歯、インレー、オンレ
    ー、陶歯、充填物、歯冠又は架工義歯に形成されること
    を特徴とする請求項2又は3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 該組成物が、耐摩耗性でありそしてその
    全断面にわたって自己潤滑性である、歯科または医科補
    綴物に形成されることを特徴とする請求項2又は3記載
    の組成物。
  6. 【請求項6】 該耐摩耗粒子が一般式 【化1】 (式中、nは100乃至1,000,000の整数であ
    り、 --- は単結合または二重結合であり、 --- が二重結合のときは、R、R’、R1 、R2 は独立
    に水素、フッ素又は1乃至6個の炭素原子を有する低級
    アルキルであり、そしてR3 とR4 は存在せず、 --- が単結合のときは、R、R’、R1 、R2 、R3
    4 は独立に水素、フッ素又は1乃至6個の炭素原子を
    有する低級アルキルである)の重合体を含むことを特徴
    とする請求項2又は3記載の組成物。
  7. 【請求項7】 該ケイ素含有単量体材料が一般式 【化2】 (式中、R5 、R'5、R6 、R'6、R7 、R8 、R9
    R'9、R10、R'10 、R11、R12は独立に水素又は1乃
    至6個の炭素原子を有する低級アルキルである)の化合
    物を含むことを特徴とする請求項2又は3記載の組成
    物。
  8. 【請求項8】 該ケイ素含有単量体材料がジビニルジメ
    チルシラン又はジビニルジメチルシロキサンを含むこと
    を特徴とする請求項2又は3記載の組成物。
  9. 【請求項9】 一般式 【化3】 (式中、nは100乃至1,000,000の整数であ
    り、 --- は単結合または二重結合であり、 --- が二重結合のときは、R、R’、R1 、R2 は独立
    に水素、フッ素又は1乃至6個の炭素原子を有する低級
    アルキルであり、そして、R3 とR4 は存在せず、 --- が単結合のときは、R、R’、R1 、R2 、R3
    4 は独立に水素、フッ素又は1乃至6個の炭素原子を
    有する低級アルキルである)の重合体を含むことを特徴
    とする歯。
  10. 【請求項10】 ケイ素含有自己潤滑性化合物を含むこ
    とを特徴とする歯。
  11. 【請求項11】 該ポリエチレンが少なくとも1,00
    0,000の分子量を有し、該歯が約0.2より小さい
    摩擦動係数を有する外面をもつことを特徴とする請求項
    10記載の歯。
  12. 【請求項12】 該ポリエチレンが1,000,000
    より大きい分子量を有し、80μm より小さい粒子径を
    持つ粒子の形であり、該歯が自己潤滑性であり、そして
    約0.1より小さい摩擦動係数を有する外面をもつこと
    を特徴とする請求項11記載の歯。
  13. 【請求項13】 該粒子が相互貫入網目構造中に保持さ
    れていることを特徴とする請求項12記載の歯。
  14. 【請求項14】 さらにケイ素含有化合物を含むエナメ
    ルコーティングを含むことを特徴とする請求項1又は1
    3記載の歯。
  15. 【請求項15】 自己潤滑性粒子、一官能性重合可能単
    量体、上記重合可能単量体と反応性の二または多官能性
    架橋剤、約500μm までの平均径をもつ分離した粒子
    形の架橋重合体約10乃至約70%のブレンドを含み、 該架橋重合体粒子は単量体成分にさらされたときその構
    造同一状態を実質上維持するように十分によく架橋され
    ており、 該架橋重合体粒子は該架橋重合体粒子の少なくとも10
    重量%の該単量体成分で膨潤され又は吸収されることが
    でき、 該粒子は該単量体及び該架橋剤により実質上膨潤され、 水に不感な物体に硬化されることができることを特徴と
    する硬化可能組成物。
  16. 【請求項16】 該自己潤滑性粒子が1,000,00
    0以上の分子量をもつポリエチレンを含み、そして架橋
    重合体が約40乃至約60重量%の量で存在することを
    特徴とする請求項15記載の組成物。
  17. 【請求項17】 該重合可能単量体が約20乃至約50
    重量%の量で存在し、該架橋剤が約40乃至約60重量
    %の量で存在し、該粒子の少なくとも約50重量%が約
    150μm より小さい平均径をもつことを特徴とする請
    求項15記載の組成物。
  18. 【請求項18】 該架橋重合体が約40乃至約60重量
    %の量で存在し、該重合可能単量体が約20乃至約50
    重量%の量で存在し、該架橋剤が約40乃至約60重量
    %の量で存在し、該粒子の少なくとも約50重量%が約
    150μm より小さい平均径をもつことを特徴とする請
    求項15記載の組成物。
  19. 【請求項19】 遊離基開始剤、光化学開始剤、活性化
    剤、顔料、充填剤、接着変性剤、放射線不透過剤からな
    る群から選ばれる一員またはそれ以上をさらに含むこと
    を特徴とする請求項15、16又は17記載の組成物。
  20. 【請求項20】 歯科補綴物の製造方法に於て、 重合体ブレンドを歯科補綴物に成形し、 ここで、該ブレンドが自己潤滑性粒子を含み、 該重合体ブレンドが該自己潤滑性粒子、 一官能性重合可能単量体、 上記重合可能単量体と反応性の二官能性又は多官能性架
    橋剤、 約500μm までの平均径を有する分離した粒子形の架
    橋重合体の約10乃至70%を混合することにより形成
    され、 該架橋重合体粒子が、単量体成分にさらされたときその
    構造同一状態を実質上維持するように十分によく架橋さ
    れ、 該架橋重合体粒子が、該粒子の少なくとも10重量%の
    該単量体成分で膨潤され又は吸収されることができ、 該粒子が該単量体及び該架橋剤で実質上膨潤され、 該組成物が水に不感な物体に硬化でき、そしてさらに、
    該粒子を該単量体と該架橋剤の混合物で実質上完全に膨
    潤させるに十分な時間、該成分を該ブレンド中で互に関
    連して保ち、 該ブレンドを造形し、 該ブレンドを熱又は電磁放射線にあてて該ブレンドを硬
    化しそして該成形物品を得る、 ことを特徴とする歯科補綴物の製造方法。
  21. 【請求項21】 該自己潤滑性粒子が1,000,00
    0以上の分子量をもつポリエチレンを含みそして該架橋
    重合体が約40乃至約60重量%の量で存在し、該架橋
    剤が約40乃至約60重量%の量で存在し、該粒子の少
    なくとも約50重量%が約150μm より小さい平均径
    をもつことを特徴とする請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 該架橋重合体が約40乃至約60重量
    %の量で存在し、該重合可能単量体が約20乃至約50
    重量%の量で存在し、該架橋剤が約40乃至約60重量
    %の量で存在し、該粒子の少なくとも約50重量%が約
    150μm より小さい平均径をもつことを特徴とする請
    求項20記載の方法。
  23. 【請求項23】 該架橋剤が1,2−ビス(メタクリル
    オキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジメタ
    クリレート、エチレングリコールアクリレート、2,2
    −ビス〔4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ
    プロポキシ)フェニル〕プロパン、及びヒドロキシエチ
    ルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート又は
    そのメタクリレート同族体と2,4,4−トリメチルヘ
    キシル−1,6−ジイソシアネートとの反応生成物から
    なる群から選ばれることを特徴とする請求項20、21
    又は22記載の方法。
  24. 【請求項24】 遊離基開始剤、光化学開始剤、活性化
    剤、顔料、充填剤、接着変性剤、放射線不透過剤からな
    る群から選ばれる一員またはそれ以上をさらに含むこと
    を特徴とする請求項20記載の方法。
  25. 【請求項25】 重合ブレンドから成形された、硬質で
    水に不感の造形ボデイーを含む歯科補綴物に於て、重合
    ブレンドが自己潤滑性材料、 一官能性重合可能単量体、 上記重合可能単量体と反応性の二官能性又は多官能性架
    橋剤及び約500μmまでの平均径をもつ分離した粒子
    形の架橋重合体の約10乃至約70%を含み、 該架橋重合体粒子が、単量体成分にさらされたときその
    構造同一状態を実質上維持するように十分よく架橋さ
    れ、 該架橋重合体粒子が粒子の少なくとも10重量%の該単
    量体成分で膨潤され又は吸収されることができ、 該粒子が該単量体及び該架橋剤によってで実質上膨潤さ
    れ、 該組成物が重合によって水に不感な造形ボデーに硬化さ
    れている、 ことを特徴とする歯科補綴物。
  26. 【請求項26】 該自己潤滑性材料がポリエチレン粒子
    を含み、そして該架橋重合体が約40乃至約60重量%
    の量で存在していることを特徴とする請求項25記載の
    補綴物。
  27. 【請求項27】 該重合可能単量体が約20乃至約50
    重量%の量で存在し、そして該自己潤滑性材料ポリエチ
    レン粒子が500,000よりも大きい分子量をもつこ
    とを特徴とする請求項25記載の補綴物。
  28. 【請求項28】 該架橋重合体が約40乃至約60重量
    %の量で存在し、該重合可能単量体が約20乃至約50
    重量%の量が存在し、該架橋剤が約40乃至60重量%
    の量で存在し、そして該粒子の少なくとも50重量%が
    約150μmより小さい平均径をもつことを特徴とする
    請求項25記載の補綴物。
  29. 【請求項29】 遊離基開始剤、光化学開始剤、活性化
    剤、顔料、充填剤、接着変性剤、放射線不透過剤からな
    る群から選ばれる一員またはそれ以上をさらに含むこと
    を特徴とする請求項25記載の補綴物。
  30. 【請求項30】 該歯科補綴物が該部分の内部で少なく
    とも局所的に相互貫入重合体網目構造を示すことを特徴
    とする請求項25記載の補綴物。
  31. 【請求項31】 該架橋剤が約20乃至約70重量%の
    量で存在し、そして該一官能性単量体が約20乃至約5
    0重量%の量で存在していることを特徴とする請求項1
    5、20又は25記載の組成物。
  32. 【請求項32】 該組成物が、ASTM D 1894
    −74を用い5psiで測定したとき、約0.2より小さ
    い摩擦動係数をもつ外面を有する歯科補綴物に形成され
    ることを特徴とする請求項2、3又は15記載の組成
    物。
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