JPH0523609B2 - - Google Patents

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JPH0523609B2
JPH0523609B2 JP28142685A JP28142685A JPH0523609B2 JP H0523609 B2 JPH0523609 B2 JP H0523609B2 JP 28142685 A JP28142685 A JP 28142685A JP 28142685 A JP28142685 A JP 28142685A JP H0523609 B2 JPH0523609 B2 JP H0523609B2
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fuel
fuel injection
amount
discharge
diaphragm
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Naoyuki Tsuzuki
Takashi Takahashi
Yukimitsu Oomori
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Toyota Motor Corp
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Priority to AT86117157T priority patent/ATE67591T1/de
Priority to DE8686117157T priority patent/DE3681576D1/de
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Publication of JPH0523609B2 publication Critical patent/JPH0523609B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は燃料噴射量測定装置に関し、詳しくは
実際の燃料噴射に則した条件で燃料噴射量を測定
しえる燃料噴射量測定装置に関する。
[従来の技術] 燃料の供給を燃料噴射によつて行なう場合、例
えばデイーゼルエンジンや電子制御燃料噴射装置
を備えたガソリンエンジン等においては、噴射さ
れる燃料量を精度良く制御しなければならないこ
とから、燃料噴射量を正確に測定する燃料噴射量
測定装置が開発・設計や検査等において必要とな
る。そこで従来より種々の燃料噴射量測定装置が
知られており、例えば次の三種類が用いられてい
る。
(1) ばねで全閉方向に付勢されたピストンを有す
るシリンダを燃料噴射弁の噴出側に接続し、噴
射された燃料量によるピストンの変位量dを検
出し、この変位量dとシリンダの断面積Sとの
積(S×d)から燃焼噴射量を測定する。以
下、これをピストン型燃料噴射量測定装置と呼
ぶ。
(2) 実際に燃料噴射が行なわれる燃料室等の圧力
(これを背圧と呼ぶ)に相当する圧力で燃料を
詰めた密閉容器(体積Vo)内へ燃料噴射を行
なつて、容器内の圧力Pの変化から、噴射され
た燃料の体積Vbを、次式 dVb/dt=(Vo/E)×(dP/dt) により求める(Eは燃料の体積弾性率[Kg/
cm2])。これを圧力式燃料噴射量測定装置と呼
ぶ。
(3) 一定時間内に噴射された燃料の量を積算して
検出し、これを噴射回数で除して燃料噴射1回
当りの燃料量を求める。これを蓄積型燃料噴射
量測定装置と呼ぶ。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、これら種々の燃料噴射量測定装
置には、一長一短ともいうべき以下の問題があ
り、猶一層の改良が望まれていた。
(1‐a) ピストン型燃料噴射量測定装置のように、
変位量dを求めて、シリンダの断面積Sとから
噴射燃料量を求めるものでは、測定の分解能を
上げるためには断面積を小さくしなければなら
ない。ところが、微小な燃料量、例えば0.1mm3
程度の燃料量を正確に求めようとすると最大測
定燃料量を大きくすることが極めて困難となつ
てしまう。従つて、燃料噴射装置の噴射しえる
燃料量の範囲(例えば0〜100mm3/ストローク)
に亘つて、これを精度良く測定することができ
ないという問題があつた。
(1‐b) また、ピストンを用いた場合には、ピスト
ンの慣性によつて測定にオーバシユートを生じ
てしまい、これが安定となるまで燃料噴射量の
正確な測定ができない。従つて測定の応答性が
低く、高回転で内燃機関を運転するような状況
での燃料噴射量の測定に供することができない
という問題もあつた。
(1‐c) ピストンはばねによつて付勢されるので、
燃料噴射が行なわれるシリンダ内の圧力(背
圧)を一定に保つたり、燃料噴射条件のひとつ
としてこれを自在に設定することが極めて困難
であつた。従つて現実の燃料噴射の条件に則し
た実験・測定ができないという問題があつた。
(1‐d) 更に、ピストンを用いた場合には、ピスト
ンに摺動抵抗があつて燃料噴射量の正確な測定
がむずかしいという問題があつた。摺動抵抗を
減らそうとすると一般にシール性が犠牲にされ
るので、燃料のリーク量が増え燃料噴射量の測
定精度が悪化する要因となつてしまう。
(2) 一方、圧力式燃料噴射量測定装置は、容器内
の圧力変化から噴射燃料量を求めるので、気泡
が混入すると測定精度が悪くなるという問題が
あつた。これは燃料噴射によつて生じた圧力波
が容器内の気泡を反射して、この反射波が測定
上の誤差となつて表われるためである。
(3) 更に、蓄積型燃料噴射量測定装置では、一定
時間内に蓄積された燃料量から1回当りの燃料
噴射量を求めているので、噴射燃料系の動的な
特性、例えば内燃機関の振動(ラフネス等)に
大きな影響を与える燃料噴射量の変動等は測定
することができないという問題があつた。ま
た、この方式では測定の精度を上げるためには
噴射燃料量の蓄積回数(ストローク数)を大き
くとらねばならず、特に内燃機関が低回転で運
転されている状態に対応した燃料噴射を行なつ
ている場合には、噴射燃料量の測定、ひいては
調整に長大な時間を要するという問題があつ
た。この結果、燃料噴射装置の生産性が低下す
る要因ともなつていた。
以上説明したように、従来の燃料噴射量測定装
置では、高い測定精度、広い測定範囲及び測定の
高い応答性の三者を共に満足することができなか
つた。こうした問題は、この他の種々の燃料噴射
量測定装置にあつても大同小異である。この結
果、検査・測定・調整において、燃料噴射系の性
能を、ともすると、定量的に把握できないことが
考えられた。そこで本発明は前記の問題を解決
し、燃料噴射量を好適に測定しえる燃料噴射量測
定装置を提供することを目的としてなされた。
発明の構成 [問題点を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本発明は問題点を解
決するための手段として、次の構成をとつた。即
ち、 燃料噴射弁の噴射側に接続された燃料噴射室の
壁面の一部をダイヤフラムで構成すると共に、該
ダイヤフラムを前記燃料噴射室側に付勢する所定
圧力に保たれた背圧室を設け、更に該ダイヤフラ
ムの変位量を検出する変位量検出手段を設けた燃
料容積検出部と、 前記燃料噴射室へ燃料噴射が行なわれる前に検
出されたダイヤフラムの変位量と前記燃料噴射が
行われた後に検出されたダイヤフラムの変位量と
の変位量相対差に基づいて燃料噴射量を演算する
燃料噴射量演算手段と、 前記燃料噴射室に接続された吐出弁および該吐
出弁の開弁により前記燃料噴射室から燃料を吐出
させる吐出室を備える燃料吐出部と、 前記演算された燃料噴射量を前記検出された燃
料噴射前の前記ダイヤフラムの変位量に基づいて
補正し、これを吐出燃料量とする吐出燃料量算出
手段と、 前記燃料噴射室への燃料噴射時には前記吐出弁
を閉弁し、前記燃料噴射の終了後、該算出された
吐出燃料量に応じて前記吐出弁を開弁する燃料排
出制御手段と、 を備えた燃料噴射量測定装置の構成がそれであ
る。
ここで、燃料容積検出部は、噴射された燃料量
をダイヤフラムの変位量に変換して検出するもの
であり、燃料噴射室と背圧室と両室を隔てるダイ
ヤフラムとを有する。燃料噴射室の容積やダイヤ
フラムの径等は、噴射される燃料量の測定上の上
限に合わせて定めればよい。
変位量検出手段はダイヤフラムの変位量を検出
するものであつて、直接ダイヤフラムの変位量
(通常は中心位置での変位量)を種々のセンサ、
例えば差動トランスやポテンシヨメータのような
機械的なセンサや光学式センサ等により検出する
よう構成してもよいし、金属薄膜等で形成された
ダイヤフラムを用い電極間との静電容量の変化や
コイルとの間の相互インダクタンスの変化等によ
り電気的、磁気的に検出するよう構成してもよ
い。後者にあつては、非接触式である上、ダイヤ
フラム全体の変位が反映されるので測定精度を高
くすることができるといつた利点を有する。
燃料吐出部は、燃料噴射室内の燃料を外部に吐
出するものであればどのような構成でもよく、例
えば、吐出弁を用いて外部に燃料を吐出するよう
にしてもよく、または燃料噴射室と接続されたデ
リバリパイプを設け、このデリバリパイプに2以
上の吐出弁を取付けた構成としてもよい。また、
これら2以上の吐出弁の開口面積は、全て同一で
もよく、更には全て異なるものでもよい。
燃料噴射量演算手段は、燃料噴射前のダイヤフ
ラムの変位量と燃料噴射後のダイヤフラム変位量
との両者の差である変位量相対差から噴射燃料量
を演算する手段であつて、予め燃料噴射室に噴射
される燃料の体積変化に対するダイヤフラムの変
位量相対差を実験的もしくは理論的に求めてお
き、これを参照して演算するよう構成することが
できる。ダイヤフラムの変位量相対差と噴射燃料
量との間にリニアな(一次の)関係やその他の比
較的明確な関係、例えば二次の関係等があれば燃
料噴射量演算手段はデイスクリートな回路構成に
より実現することもできる。一方、両者の関係が
複雑な場合には、燃料噴射演算手段を論理演算回
路として構成し、マツプ等により燃料噴射量を求
めるよう構成することもできる。
吐出燃料量算出手段は、燃料噴射量演算手段に
より求められた燃料噴射量を、燃料噴射前のダイ
ヤフラム変位量に基づいて補正し、これを吐出燃
料量とする手段であり、燃料噴射量演算手段と同
様、デイスクリートな回路もしくは論理演算回路
として構成することができ、更に両者を一体に構
成してもよい。
燃料排出制御手段は、燃料噴射室に噴射された
燃料を吐出弁を用いて吐出室に排出する手段であ
つて、燃料噴射時には吐出弁を閉弁させている
が、燃料噴射終了後は吐出燃料量算出手段により
求められた吐出燃料量に応じて、燃料吐出部を制
御する手段である。従つて、燃料噴射量演算手段
又は吐出燃料量算出手段と同様、デイスクリート
な回路もしくは論理演算回路として構成すること
ができ、更に、これら三者を一体に構成すること
も何等差し支えない。
なお、燃料の吐出は、燃料噴射毎に実行する必
要はなく、所定回数の燃料噴射毎に実行してもよ
いことはもちろんのことである。
[作用] 前記構成を有する本発明の燃料噴射量測定装置
は、燃料容積検出部の燃料噴射室に噴射された燃
料量を燃料噴射の行なわれる燃料噴射室と所定の
圧力に保たれた背圧室とを隔てるよう設けられた
ダイヤフラムの変位によつて検出する。
即ち、本発明の燃料噴射量測定装置は、変位量
検出手段により燃料噴射前のダイヤフラム変位量
と燃料噴射後のダイヤフラム変位量とを求め、こ
の差である変位量相対差に基づいて燃料噴射量を
燃料噴射量演算手段により求める。しかも、こう
して求めた燃料噴射量を、燃料噴射前のダイヤフ
ラム変位量に基づいて吐出燃料量算出手段により
補正し、これを吐出燃料量とする。この算出され
た吐出燃料量に応じて、燃料排出制御手段は燃料
吐出部を制御して噴射された燃料を燃料噴射室よ
り吐出室に排出する。上述した吐出燃料量算出手
段による補正は、排出によりダイヤフラムの位置
を望ましい初期位置(燃料噴射前のダイヤフラム
変位量)へ戻すために行われるものである。こう
して本発明の燃料噴射量測定装置は、常に燃料噴
射前のダイヤフラム変位量を所定の値に制御する
よう働く。
[実施例] 以上説明した本発明の構成を一層明らかにする
為に、次に本発明の好適な実施例について説明す
る。第1図は本発明の一実施例としての燃料噴射
量測定装置の概略構成図である。
図示するように、本実施例の燃料噴射量測定装
置は、燃料容積検出部1、噴射された燃料が吐出
される燃料吐出部3、燃料噴射量の測定制御を行
なう計測制御部5、及び燃料吐出部3の吐出弁
7,8,9,10とドレイン排出弁12との開閉
を行なうバルブドライブユニツト14を中心に構
成されている。ここで計測制御部5は燃料噴射量
演算手段及び吐出燃料量算出手段として、またバ
ルブドライブユニツト14と共に燃料排出制御手
段としても働く。実施例において燃料噴射量の測
定に供される燃料噴射ポンプVEは4気筒デイー
ゼルエンジン用の分配型ポンプであり、測定用の
ベンチに配設され、実使用における駆動源として
のデイーゼルエンジンに替えてモータ15がその
ドライブシヤフト17に結合されている。ドライ
ブシヤフト17には、3種類のロータ18a,1
9a,20aが固定されており、ロータ18a,
19a,20aに対向して設けられた電磁式ピツ
クアツプコイル18b,19b,20bと共に、
各々回転数センサ18、気筒判別センサ19、
TDC検出センサ20を形成している。
分配型の燃料噴射ポンプVEは、図示しない内
部のフイードポンプによつて燃料タンク22より
燃料を吸い上げ、周知の加圧ポンプ室内へ送り込
む。図示しないプランジヤによつて加圧された燃
料は、4気筒分用意されたデリバリバルブ23の
ひとつを介して燃料噴射弁24へ圧送される。第
1図にはデリバリバルブ23と燃料噴射弁24と
は1系統のみを示した。尚、オーバフローした燃
料はオーバフローパイプ26により燃料タンク2
2に戻される。
燃料噴射弁24の噴射側は燃料容積検出部1の
燃料噴射側ポート30に配管されている。燃料容
積検出部1は、ダイヤフラム31を備えたダイヤ
フラム室33を中心に伝播通路34,35を介し
て燃料噴射室36と背圧室37とをほぼ対称に配
した構成を有する。
燃料噴射室36は、燃料噴射側ポート30の反
対側に排出ポート38を備え、側壁の一部がステ
ンレス薄膜の隔壁39をなしている。一方、背圧
室37も2つのポート40,41を備え、その側
壁の一部が同様の隔壁43をなしている。これら
の隔壁39,43は、燃料噴射室36、背圧室3
7を伝播通路34,35から各々隔てている。伝
播通路34,35及びダイヤフラム室33内に
は、絶縁性が高く所定の誘電率を有する液体、こ
こではシリコン油が充填・封入されており、燃料
噴射弁24より燃料噴射室36に圧送された燃料
による隔壁39の変位、即ち燃料噴射室36の容
積変化は伝播通路34のシリコン油を介してダイ
ヤフラム31に伝達され、ダイヤフラム31を変
位させる。ダイヤフラム31の変位は、伝播通路
35のシリコン油を介して今ひとつの隔壁43に
伝達されて隔壁43を変位させ、背圧室37の容
積を変位させる。ここで、背圧室37は、背圧室
37に設けられたポート40が定圧力配管45に
連通され、定圧の窒素ガス(N2)により満たさ
れている。従つて、ダイヤフラム31の変位によ
つて隔壁43が押されても、気体(N2)の低い
体積弾性率と背圧室37の十分なデツドボリユー
ムとによつて背圧室37の圧力は測定において無
視できる程度にしか上昇しない(背圧の1/100程
度)。窒素ガスの圧力は燃料噴射量の測定条件の
ひとつとして10〜60Kg/cm2の間で任意に設定可能
であるが、誤つて過大な圧力が加わつた場合を考
慮して、背圧室37の今ひとつのポート41には
作動圧100Kg/cm2の安全弁47が備えられている。
ダイヤフラム室33は、第2図として示した拡
大図に明らかなように、中央に厚さ100μmオーダ
の金属薄膜のダイヤフラム31を備えており、ダ
イヤフラム31に対向する両サイドの内壁には独
立した2つの電極51,52がダイヤフラム31
と同心円状に蒸着により形成されている。ダイヤ
フラム室33を満たすシリコン油は、高い絶縁性
と一定の誘電率とを有するので、金属薄膜のダイ
ヤフラム31と各電極5152間にはその離間距
離に応じた容量が存在する。ダイヤフラム31及
び電極51,52に接続された伝送部55は、こ
の容量を検出するものである。容量の検出方法に
ついては後述する。
燃料噴射によつて燃料噴射室36へ送り込ま
れ、隔壁39を押して燃料噴射室36の容積を変
化させた燃料は、後述する燃料量の測定が終了す
ると排出ポート38より吐出パイプ56を介し
て、内圧を背圧室37と一定差圧に保たれた吐出
容器57に排出される。この一定差圧は定圧力配
管45と吐出容器57とを接続する接続配管58
の途中に設けられた定差減圧弁59により実現さ
れる。燃料噴射室36は吐出パイプ56を介して
容器内のデリバリパイプ60に連通しており、デ
リバリパイプ60には4個の吐出弁7,8,9,
10が設けられているので、この吐出弁7,8,
9,10を開弁することにより、燃料の吐出が行
なわれる。この吐出弁7,8,9,10は各々開
口面積が異なる。吐出された燃料は吐出容器57
の底部に貯溜されるが、貯溜量が所定量以上とな
ると、オーバフロースイツチ62が作動してこれ
を検出し、バルブドライブユニツト14によりド
レインバルブ12が開弁されて燃料はドレイン通
路63を介してリザーバタンク64に排出され
る。尚、吐出容器57には容器内の圧力を検出す
る圧力ゲージ65と安全弁66とが、ドレイン通
路63には手動バルブ68が、各々設けられてい
る。
燃料噴射ポンプVEにより圧送される燃料は、
以上説明したように、燃料容積検出部1の燃料噴
射室36に送り込まれて、一旦燃料噴射室36の
容積を変化させ、その後、燃料吐出部3の吐出弁
7,8,9,10を開くことにより、吐出容器5
7内に吐出されるが、燃料噴射ポンプVEの作動
に同期して行なわれる燃料噴射室36の容積変化
の検出や上述した吐出弁7,8,9,10の開弁
制御等は、計測制御部5及びこれが駆動するドラ
イブユニツト14によつて行なわれる。
計測制御部5は、既述した回転数センサ18、
気筒判別センサ19、TDCセンサ20や伝送部
55からの信号を入力し、ドライブユニツト14
を介して吐出弁7,8,9,10を所定のタイミ
ングで開弁制御すると共に、燃料噴射ポンプVE
の燃料噴射量をほぼリアルタイムで計測し、計測
結果をCRTデイスプレイ70上に表示するよう
構成されている。また、計測制御部5は、更に他
の制御装置、例えばホストコンピユータ等に測定
結果等を出力する。そこで次に、計測制御部5及
びバルブドライブユニツト14の内部構成を、伝
送部55の回路構成と共に、第3図に依拠して説
明する。
伝送部55は発振器Os、2つのオペアンプOP
1,OP2、除算器Dv、補償増幅器Ag、V/I
変換器Cv及び同一の抵抗値を有する3個の精密
抵抗器R1,R2,R3から構成されている。発
振器Osの接地側の端子はダイヤフラム室33の
ダイヤフラム31に接続されており、他端は精密
抵抗器R1を介して、他の2つの精密抵抗器R
2,R3及びオペアンプOP1に接続されている。
精密抵抗器R2,R3の他端は、ダイヤフラム3
1に対向する電極51,52に各々接続されてい
る。既述したように、ダイヤフラム31と電極5
1,52の間にはその離間距離dに応じた容量が
存在するので、これを第3図では可変容量コンデ
ンサC1,C2として示した。
また、オペアンプOP2の入力端子は、一方が
前記精密抵抗器R2及び電極51に、他方が精密
抵抗器R3及び電極52に接続されている。この
結果、前記精密抵抗器R1,R2,R3及び可変
容量コンデンサC1,C2が形成する回路に発振
器Osより流れる電流I1,I2に基づいて、オ
ペアンプOP1,OP2の出力電圧が定まることに
なる。即ち、オペアンプOP1の出力電圧V1は
K1を比例係数として、 V1=K1×(I1+I2) 一方、オペアンプOP2の出力電圧V2はK2
を比例定数として、 V2=K2×(I1−I2) となる。そこで両オペアンプOP1,OP2の出力
を除算器Dvに入力して除算V2/V1を行ない、そ
の出力を補償増幅器Agによつて補償すると、(I1
−I2)/(I1+I2)に比例した出力電圧Voを得
ることができる。電流I1,I2は、各々ダイヤ
フラム31が電極51,52との間に形成する容
量C1,C2に対応しているので、結果的に出力
電圧Voは(C1−C2)/(C1+C2)に比例して
いることになる。この出力電圧VoはV/I変換
器Cvを介して計測制御部5に出力されるが、
V/I変換器Cvは、伝送における耐ノイズ性を
良好なものにするために、出力電圧Voを4−
20mAの電流信号に変換するものである。
計測制御部5は、周知のCPU71、ROM7
2、RAM73を中心に論理演算回路として構成
されている。CPU71は、バス75によりROM
72、RAM73やデータの入出力を行なう各ポ
ートと相互に接続されている。データの入力を行
なう入力ポートとしてはパルス入力ポート77、
アナログ入力ポート78が、一方データの出力を
行なう出力ポートとしては外部出力ポート80、
吐出弁制御出力ポート81が、更には入出力を共
に行なうものとしては、CRTデイスプレイ70
やキーボードパネル83とデータを遺り取りする
ターミナル入出力ポート84がある。CPU71
は、予めROM72に格納されたプログラムに従
つて、データの演算や各ポートを介したデータの
入出力等を実行する。パルス入力ポート77に
は、既述した回転数センサ18、気筒判別センサ
19、TDCセンサ20が各々接続されているの
で、CPU71はパルス入力ポート77を介して、
燃料噴射ポンプVEの回転数Nやどの気筒が燃料
噴射タイミングにあるかといつた気筒判別信号D
あるいは燃料噴射の行なわれる気筒のピストンが
上死点に至つたタイミングTDC等を読み取るこ
とができる。一方、アナログ入力ポート78は、
伝送部55より送られる4−20mAの電流信号を
電圧信号に変換するI/V変換器85に接続され
ており、CPU71は、ダイヤフラム31の変位
に応じた信号(C1−C2)/(C1+C2)をこのア
ナログ入力ポート78を介して入力する。
外部出力ポート80は、図示しないプリンタ、
モニタテレビ、警告灯あるいはホストコンピユー
タ等に接続されており、CPU71の指令に応じ
て、プリント信号Prnt、ビデオ信号Vd、回転数
信号Sn、燃料噴射量信号Sτ、警告信号Swn等を
出力するのに供される。また、吐出弁制御出力ポ
ート81は、バルブドライブユニツト14内の4
つの駆動回路87,88,89,90に接続され
ており、CPU71は吐出弁制御出力ポート81
を介して制御信号を出力することにより、駆動回
路87,88,89,90に各々接続された吐出
弁7,8,9,10を開弁制御することができ
る。
尚、バルブドライブユニツト14には、ドレイ
ンバルブ12を駆動するための2入力NANDゲ
ート92と駆動回路94とが内蔵されており、2
入力NANDゲート92の一方の入力がオーバフ
ロースイツチ62に、他方の入力が手動操作スイ
ツチ96に各々接続されている。従つて、吐出容
器3内の燃料が増えてオバーフロースイツチ62
がオンとなるか手動操作スイツチ96がオン操作
された時、ドレインバルブ12は開弁される。
次に、計測制御部5による燃料噴射量の計測に
ついて、第4図のフローチヤートを用いて説明す
る。計測制御部5は、電源が投入されるとステツ
プ100より処理を開始する。まず、ステツプ100で
は、CPU71の内部レジスタ等のクリアなど所
謂初期化の処理を行ない、続くステツプ110では、
燃料噴射量の計測における零点較正のための零点
読取タイミングや燃料噴射後のダイヤフラム31
の変位量である容積信号Vの読取タイミング及び
燃料吐出タイミングの設定等の処理が次のように
行なわれる。
モータ15が起動されて計測が開始されると、
計測制御回路5は、適当なタイミング(デフオル
ト値)で吐出弁7,8,9,10を開・閉弁しな
がら、伝送部55より入力されたダイヤフラム3
1の変位量をCRTデイスプレイ70上に表示す
る。ダイヤフラム31の変位量の変化はクランク
角度0〜720゜を横軸としてCRTデイスプレイ7
0上に表示されるので、測定者は、CRTデイス
プレイ70上に表示されたダイヤフラム31の変
位量に基づいて、燃料噴射開始直前のクランク角
度を零点読取タイミングとして、燃料噴射後の容
積信号Vが一定レベルに落ち着く適当なクランク
角度を燃料噴射後読取タイミングとして、また、
吐出すべき燃料量が次に述べる基準量Qs以上に
なつた時の適当なクランク角度を燃料吐出タイミ
ングとして、各々キーボードパネル83を用いて
設定するのである。以上の設定が終了すると、処
理はステツプ115に進む。
ステツプ115では、吐出弁7,8,9,10の
開弁時間Tと吐出燃料量Qoutとを関係づける比
例定数A、伝送部55の出力電圧である容積信号
Vと燃料噴射室36内の燃料量とを関係づける比
例定数k、燃料噴射前の零点における容積信号
Voの許容範囲を示す下限定数Vl,Vh(Vl<Vh)
及び燃料噴射室36内に噴射された燃料噴射量が
吐出すべき量以上であるか否かを判定する基準量
Qs等をキーボードパネル83を用いて設定する。
前記ステツプ110ないし115の各設定が終了する
と、処理は、燃料噴射量の計測を行なうべくステ
ツプ120以降に進む。
ステツプ120では、燃料の噴射回数を示す変数
nを零に戻す作業をする。これは、処理がステツ
プ100の初期設定から実行される場合及び燃料噴
射室36内の燃料を吐出後に計測を継続して実行
する場合には、必ず実行されなければならない。
次に、処理はステツプ130に進み、ステツプ110に
おいて設定された零点読取タイミングのクランク
角度において零点の容積信号Voの読み取りが行
なわれる。これは、燃料噴射直前におけるダイヤ
フラム31の変位量を燃料噴射測定用の零点と
し、計測系の各種のドリフトによる測定誤差を除
くために行なわれる。この零点における容積信号
Voの読み取りを終えると、処理はステツプ140に
進む。ステツプ140では、容積信号Vと燃料噴射
室36内の燃料量とを関係づける比例定数kを用
いて、零点の容積信号Voに基づく燃料噴射室3
6内の燃料量Fo(=k×Vo)を算出する。ここ
で、ダイヤフラム31の変位量が容積信号Vに基
づいて算出され、この容積信号Vと燃料噴射室3
6内の燃料量Fとが比例関係にあることについて
説明する。
ダイヤフラム31の変位量はアナログ入力ポー
ト78を介して読みこまれるが、伝送部55より
入力される信号は、既述したように、ダイヤフラ
ム31が電極51,52との間に形成する容量C
1,C2に関して、(C1−C2)/(C1+C2)に
比例したものである。この容積C1,C2は、各
電極51,52の面積をAs、ダイヤフラム室3
3内の封入されたシリコン油の誘電率をε、ダイ
ヤフラム31と電極51,52との距離の平均値
をdo、燃料噴射量によるダイヤフラム31の変
位量をΔdとすると、 C1=ε×As/(do−Δd) ……(1) C2=ε×As/(do+Δd) ……(2) となる。従つて、式(1),(2)より、 Δd/do=(C1−C2)/(C1+C2) ……(3) を得る。距離doは定数なので、式(3)より伝送部
55の出力信号である容積信号Vはダイヤフラム
31の変位量Δdに対応していることがわかる。
また、本実施例では、ダイヤフラム31の変位
量△dと燃料噴射室36内の燃料量Fとの間に
は、第5図に示すように、比例関係が存在するこ
とが予め実験的に確かめられているので、F=
k1×△d(k1は係数)として表わされ、更に、ダ
イヤフラム31の変位量△dは容積信号Vに対応
しているので、結果として、燃料量Fは、F=k
×Vとして表わされることになる。
ステツプ140に続くステツプ150ないし160では、
ステツプ130で読み取られた零点における容積信
号Voが零点としての許容範囲内か否かが判定さ
れる。許容範囲外であれば、吐出弁7,8,9,
10の開弁時間Tと吐出燃料量Qoutとを関係づ
ける比例定数Aを補正するべく以下の処理が実行
される。
(a) まず、ステツプ150で、容積信号Voが下限定
数Vl未満と判定されると、処理はステツプ170
ないし180に進み、次のように比例定数Aの補
正が行なわれる。即ち、 α=k×(Vl−Vo)/T(ステツプ170) このαを用いて、 A=A+α(ステツプ180) とされる。これは、零点における容積信号Vo
が下限定数Vl未満であること り、比例定数
Aを大きな値に補正している。この比例定数A
は後のステツプにおいて使用される。また、こ
の時の吐出弁7,8,9,10の開弁時間T
は、ステツプ115において設定した比例定数A,
k及び基準量Qsによつて理論上又は実験的に
定まるデイフオルト値とする。
(b) 次に、ステツプ160で、容積信号Voが上限定
数Vh以上と判断されると、処理はステツプ190
ないし200に進み、次のように比例定数Aの補
正が行なわれる。即ち、 α=k×(Vo−Vh)/T(ステツプ190) このαを用いて A=A−α(ステツプ200) とされる。これは、零点における容積信号Vo
が上限定数Vh以上であることより、比例定数
Aを小さな値に補正している。
以上の如く、容積信号Voが下限定数Vl未満の
時は(a)で説明した処理(ステツプ170ないし180)
を、又、容積信号Voが上限定数Vh以上の時は(b)
で説明した処理(ステツプ190ないし200)を実行
し、あるいは、容積信号Voが零点における許容
範囲内にあるとき、つまり、Vl≦Vo≦Vhを満足
する時は比例定数Aの値はその値を維持して次の
ステツプ210に進む。ステツプ210以降では、噴射
燃料量の計測と燃料の吐出とが行なわれる。
まず、ステツプ210では、燃料の噴射回数を示
す定数nがインクリメントされる。次に、ステツ
プ215では、燃料が燃料噴射室36内に噴射され
るタイミングまでウエイトをかけることになり、
燃料が噴射されるクランク角になつて初めて次の
ステツプに進むことになる。ステツプ220では、
同じくステツプ110において設定された燃料噴射
後読取タイミングを示すクランク角で燃料噴射後
の容積信号Vnが読み取られる。このn回目の燃
料噴射における容積信号Vnは、前述したように、
燃料噴射室36内のダイヤフラム31の変位量を
表わしている。容積信号Vnが読み取られると、
処理は、ステツプ230に進み、ステツプ140と同様
に、比例定数kを用いて、n回目の燃料噴射後に
おける容積信号Vnに基づく燃料噴射室36内の
燃料量Fn(=k×Vn)を算出する。
ステツプ240では、こうして求められたn回目
の燃料噴射後の燃料量Fnと前回の燃料量Fn−1
(燃料噴射が1回だけの時は、前回の燃料量は
Fo、つまり、零点における燃料量となる。)との
相対差により、n回目の燃料噴射量Qn(=Fn−
Fn−1)を求める。ステツプ250では、このn回
目の燃料噴射量QnをCRTデイスプレイ70上に表
示するべく出力している。
次に、ステツプ260では、前記ステツプ240で求
められた燃料噴射量Qnを用いて、n回の燃料噴
射による総噴射量Qoutを算出している。即ち、
総噴射量は、 Qut=oi=1 Qi として表わされる。
ステツプ270では、こうして求められた総噴射
量Qoutが、予め定められた基準量Qs以上か否か
が判定される。ここでの処理は、基準量Qsが総
噴射量Qout以上であれば、燃料噴射室36内の
燃料は吐出しないで、更に、ステツプ210ないし
260の処理を繰り返して、総噴射量Qoutが基準量
Qs以上になつた時に初めて次のステツプ280に進
むことを意味している。
ステツプ280では、基準量Qs以上になつた総噴
射量Qoutを放出するために、吐出弁7,8,9,
10の開弁時間Tを比例定数Aを用いて算出して
いる。即ち、吐出弁7,8,9,10の開弁時間
Tは、 T=Qout/A として算出される。
次に、ステツプ290では、こうして求められた
開弁時間Tの間、吐出弁7,8,9,10を開弁
して、燃料噴射室36内の燃料を総噴射量Qout
だけ燃料吐出部3に吐出することになる。ここで
ステツプ280ないし290の処理について詳述する。
吐出弁7,8,9,10の開弁時間Tと放出す
べき総噴射量Qoutとの比例定数Aは、零点にお
ける体積信号Voの値により補正されている。こ
れは、容積信号Voが下限定数Vl未満であれば
(ステツプ150)、比例定数Aの値を大きい値に補
正し(ステツプ170ないし180)、吐出弁7,8,
9,10の開弁時間T(=Qout/A)を短くし
て、吐出量を総噴射量Qoutより少なくすること
を意味している。これにより、燃料噴射後の燃料
噴射室36内の燃料量、換言すれば、次の燃料噴
射前の燃料噴射室36内の燃料量は前回の燃料量
より大きくされ零点の容積信号Voも高い値に修
正される。また、容積信号Voが上限定数Vh以上
であれば(ステツプ160)、比例定数Aの値を小さ
い値に補正し(ステツプ190ないし200)、吐出弁
7,8,9,10の開弁時間T(=Qout/A)を
長くして、吐出量を総噴射量Qoutより大きくす
ることを意味している。これにより、燃料吐出後
の燃料噴射室36内の燃料量、換言すれば、次の
燃料噴射前の燃料噴射室36内の燃料量は前回の
燃料量より小さくされ零点の容積信号Voも低い
値に修正される。従つて、このステツプ120ない
し290の燃料噴射量計測処理を繰り返し実行する
と、零点における容積信号Voは下限定数Vl以
上、かつ、上限定数Vh以下を維持することにな
る。これを具体的に表わしたのが第6図のグラフ
である。この第6図に例示したように、燃料噴射
前の零点における容積信号Voが予め設定された
許容範囲(下限定数Vl以上、上限定数Vh以下。)
からズレていても燃料吐出量が調整されるので、
次第に零点の容積信号Voは許容範囲内の値とな
つてゆく。また、第7図は、燃料噴射室36と燃
料吐出部3との圧力差がP1,P2及びP3であ
る時の吐出弁7,8,9,10の開弁時間と吐出
量との比例関係を表わしている。これにより、所
定圧力差においては、吐出量は吐出弁7,8,
9,10の開弁時間によることがわかる。
尚、ステツプ290に続くステツプ300では、120
ないし290の計測処理を継続するか否かが判断さ
れている。判断が「YES」の場合は、処理はス
テツプ120に戻り、再度噴射燃料量が計算される
ことになり、判断が「NO」の場合は、処理は
ENDに抜けて本ルーチンを終了することになる。
以上実施例としての燃料噴射量測定装置の構成
と計測制御部5が行なう処理について詳細に説明
したが、本実施例によれば、燃料噴射室36内に
燃料噴射を行ない、燃料噴射量をダイヤフラム3
1の変位量相対差として検出する(ステツプ
240Qn=Fn−Fn−1)ことから、広い測定範囲
(例えば0〜100mm3/ストローク)に亘つて、精度
良く(例えば±0.1mm3以内)燃料噴射量を測定す
ることができる。しかも燃料噴射が終了すると直
ちに燃料噴射量を測定し、かつ測定後直ちに背圧
室37と吐出室57との一定差圧を利用し吐出弁
7,8,9,10の開弁時間を補正しつつ燃料を
吐出するので、吐出後の零点34における容積信
号Voは許容範囲内(Vl<Vo<Vh)に制御され
ることになる。これにより燃料噴射量と吐出量と
は一致するようになり、燃料噴射室36の容積は
燃料噴射量の測定後、すみやかに燃料噴射前の容
積に回復し正確な燃料噴射量の測定を連続して行
なうことができ、デイーゼルエンジンが高い回転
数で駆動されている場合に対応した状況でも、応
答性よく燃料噴射ポンプVEの燃料噴射量を測定
することができる。この結果、エンジンラフネス
に関与する燃料噴射量のバラツキ等も容易に測定
することができる上、燃料噴射ポンプVEの調整
を極めて短時間に完了させることも可能となつ
た。
更に背圧室37の圧力を容易に変更しえること
から、燃料噴射室36内の圧力を種々の条件とし
て燃料噴射量の測定ができ、より実機に近い条件
での燃料噴射量の測定を行なうことができる。
尚、本実施例では、噴射された燃料が測定用の
ダイヤフラム31を直接押圧するのではなく、隔
壁39と伝播通路34内のシリコン油とを介して
ダイヤフラム31を変位させる構成をとつた。従
つて、ダイヤフラム31が電極51,52との間
に形成する容量を定める媒体の誘電率εは常に一
定に保たれており、測定の精度を向上させてい
る。また、誤つて燃料噴射室36内が過大な圧力
となつても隔壁39が一定以上には変形しないの
で、こうした場合にも測定用のダイヤフラム31
が過大な圧力をうけて破損等に至るといつたこと
がなく、測定精度を劣化させることもない。
上記実施例で、特に、計測制御部5が燃料噴射
量演算手段に該当し、その処理の内、ステツプ
220〜260が燃料噴射量演算手段としての処理に該
当する。計測制御部5およびバルブドライブユニ
ツト14が燃料排出制御手段に該当し、その処理
の内、ステツプ290が燃料排出制御手段としての
処理に該当する。吐出容器57の内部の空間が吐
出室に該当する。計測制御部5が吐出燃料量算出
手段に該当し、その処理の内、ステツプ130,150
〜200,280が吐出燃料量算出手段としての処理に
該当する。
以上、本発明の一実施例について説明したが、
本発明はこの実施例に何等限定されるものではな
く、列型燃料噴射はもとよりガソリンエンジンに
おける燃料噴射装置の燃料噴射量の測定等産業上
の広い範囲で用いることができ、本発明の要旨を
逸脱しない範囲において、更に種々なる態様で実
施しえることは勿論である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明の燃料噴射量測定
装置は、特に吐出燃料量算出手段と燃料排出制御
手段との存在により、常にダイヤフラムの初期位
置(燃料噴射前のダイヤフラム変位量)を望まし
い位置に戻しているので、高い測定精度、広い測
定範囲及び測定の高い応答性の三者を共に満足す
ることができるという極めて優れた効果を奏す
る。従つて、これを燃料噴射ポンプの検査・測
定・調整に供すれば、燃料噴射系の性能を定量的
に正確に把握しえるばかりでなく、燃料噴射ポン
プの性能向上に資することができ、更に調整時間
を短縮して生産性を格段に向上させることができ
るという効果を総する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としての燃料噴射量
測定装置の概略構成図、第2図は同じく実施例に
おけるダイヤフラム室33の断面拡大図、第3図
は実施例における電気系統を示すブロツク図、第
4図は計測制御部5の行なう燃料噴射量計測制御
ルーチンを示すフローチヤート、第5図はダイヤ
フラムの変位量△dと燃料噴射室内の燃料量との
関係を示すグラフ、第6図は本実施例における燃
料噴射量と燃料吐出量の関係を示すグラフ、第7
図は吐出弁の開弁時間と燃料吐出量との関係を示
すグラフ、である。 1……燃料容積検出部、3……燃料吐出部、5
……計測制御部、7,8,9,10……吐出弁、
12……ドレインバルブ、14……バルブドライ
ブユニツト、24……燃料噴射弁、31……ダイ
ヤフラム、33……ダイヤフラム室、34,35
……伝播通路、36……燃料噴射室、37……背
圧室、39,43……隔壁、51,52……電
極、55……伝送部、57……吐出容器、58…
…接続配管、59……定差減圧弁、70……
CRTデイスプレイ、71……CPU、83……キ
ーボードパネル、Ag……補償増幅器、Op1,
Op2……オペアンプ、Os……発振器、VE……
燃料噴射ポンプ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 燃料噴射弁の噴射側に接続された燃料噴射室
    の壁面の一部をダイヤフラムで構成すると共に、
    該ダイヤフラムを前記燃料噴射室側に付勢する所
    定圧力に保たれた背圧室を設け、更に該ダイヤフ
    ラムの変位量を検出する変位量検出手段を設けた
    燃料容積検出部と、 前記燃料噴射室へ燃料噴射が行なわれる前に検
    出されたダイヤフラムの変位量と前記燃料噴射が
    行われた後に検出されたダイヤフラムの変位量と
    の変位量相対差に基づいて燃料噴射量を演算する
    燃料噴射量演算手段と、 前記燃料噴射室に接続された吐出弁および該吐
    出弁の開弁により前記燃料噴射室から燃料を吐出
    させる吐出室を備える燃料吐出部と、 前記演算された燃料噴射量を前記検出された燃
    料噴射前の前記ダイヤフラムの変位量に基づいて
    補正し、これを吐出燃料量とする吐出燃料量算出
    手段と、 前記燃料噴射室への燃料噴射時には前記吐出弁
    を閉弁し、前記燃料噴射の終了後、該算出された
    吐出燃料量に応じて前記吐出弁を開弁する燃料排
    出制御手段と、 を備えた燃料噴射量測定装置。
JP28142685A 1985-12-09 1985-12-13 燃料噴射量測定装置 Granted JPS62138725A (ja)

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EP86117157A EP0228621B1 (en) 1985-12-09 1986-12-09 Measuring device for measuring a fuel injection quantity
AT86117157T ATE67591T1 (de) 1985-12-09 1986-12-09 Messeinrichtung zum messen einer brennstoffeinspritzmenge.
DE8686117157T DE3681576D1 (de) 1985-12-09 1986-12-09 Messeinrichtung zum messen einer brennstoffeinspritzmenge.
US06/939,981 US4798084A (en) 1985-12-09 1986-12-09 Measuring device for measuring a fuel injection quantity

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