JPH0523555A - 流体分離器 - Google Patents

流体分離器

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JPH0523555A
JPH0523555A JP20228291A JP20228291A JPH0523555A JP H0523555 A JPH0523555 A JP H0523555A JP 20228291 A JP20228291 A JP 20228291A JP 20228291 A JP20228291 A JP 20228291A JP H0523555 A JPH0523555 A JP H0523555A
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cellulose diacetate
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、実質上セルロースジアセテートの紡
糸性を良好して得た中空糸を用いて、UFR等の物質透
過性を高め特に中高分子領域の物質透過性を向上させた
流体分離器を提供するものである。 【構成】平均重合度が230〜400の範囲にある実質
上セルロースジアセテートからなる中空糸を用いた流体
分離器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の重合体からなる
選択透過性中空糸を用いた流体分離器に関する。更に詳
細には本発明は、これまでのものとは異なった高い平均
重合度を有したセルロースジアセテート重合体を主成分
とした選択透過性のセルロースジアセテート中空糸を用
いた流体分離器を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】選択透過性中空糸を用いた流体分離器は
逆浸透や血液透析等において従来より実用的に使用され
て来ている。
【0003】特に腎不全患者の血液を浄化するために、
現在では中空糸型血液透析器がよく使用されている。こ
れは筐体の中に透析膜、例えば、中空糸の膜を多数本、
収納し、その中空内部に患者の血液を流し、外部、即
ち、中空糸間に透析液を流して、中空糸を介して透析に
よって、血液中の老廃物を除去し電解質濃度を是正する
とともに、中空糸内外に圧力差を与えて限外濾過によっ
て血液中の余剰水分を除去するものである。更に、血液
中から血漿のみを分離し、或いは、その血漿の中から特
定成分を除去して自己免疫疾患などを治療するために、
中空糸が使用されている。このように血液処理用の中空
糸は目的に応じて特定の物質を選択的に透過せしめなけ
ればならない。その性能は、中空糸の素材、ポロシティ
(孔の大きさ、数など)、膜厚などによって決定され
る。
【0004】血液透析器のための中空糸の素材として
は、セルロースやセルロースアセテートが一般によく用
いられる。特にセルロースアセテートは、可塑化溶融紡
糸や湿式紡糸なる通常用いられる紡糸方法によって比較
的容易に製造でき、得られた中空糸が血液透析治療に用
いた際に例えばセルロースの中空糸の場合に比して補体
活性をある程度抑制し得る等の利点がある。
【0005】しかしながら、従来のセルロースジアセテ
ート中空糸はセルロースを酢化する段階でセルロース自
体の重合度が低下しやすく、高い重合度のものでせいぜ
い170〜200程度のものしか得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来の高
々200の重合度のセルロースジアセテートを用いたの
では、物質透過性を高めるためにポリマー濃度を下げる
と紡糸原液の粘度が充分に高くならない場合があり、そ
のような場合には、膜厚を薄くすることが困難となりや
すく、特に軸方向に延びたフィンを形成させようとして
もその形状がシャープになりにくく、結果として所望の
選択透過性を備えた中空糸型流体分離器が得られにくか
った点を改善することを目的として、鋭意研究を行なっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のセル
ロースジアセテート中空糸におけるセルロースジアセテ
ートよりも高い重合度のセルロースジアセテートを得
て、かかる重合度の高いセルロースジアセテートを用い
ることによって、より優れた特性を有した選択透過性中
空糸が得られ、結果として所望の特性を有した流体分離
器が得やすいことを見い出し、本発明に到達したもので
ある。
【0008】即ち本発明は、実質上セルロースジアセテ
ートからなる選択透過性壁膜を有した中空糸束を収納し
た中空糸型流体分離器において、該実質上のセルロース
ジアセテートの平均重合度が230〜400の範囲にあ
ることを特徴とした流体分離器を提供するものである。
【0009】かかる本発明には、該壁膜の選択透過性が
血液透析処理のための物質選択透過性である流体分離器
が含まれる。
【0010】また本発明には、かかる特徴に加えて、該
中空糸壁膜の37℃における水透過係数が10ml/m2
・hr・mmHg以上であり、血液側流量を200ml/分、透
析液側流量を500ml/分とした場合の37℃における
尿素透過係数が0.045cm/分以上であることを特徴
とした流体分離器が含まれる。
【0011】さらに本発明には、該中空糸壁膜の37℃
における水透過係数が20ml/m2 ・hr・mmHg以上であ
り、血液側流量を200ml/分、透析液側流量を500
ml/分とした場合の37℃における有効膜面積1m2
りの分子量10,000のデキストランのダイアリザン
スが20ml/分以上であることを特徴とする流体分離器
が含まれる。
【0012】以下本発明について更に詳細に説明する。
まず本発明の選択透過性のセルロースジアセテート中空
糸は実質上のセルロースジアセテート重合体を主たる構
成成分とするものである。かかる実質上のセルロースジ
アセテート重合体としては、通常セルロースジアセテー
トとして取り扱われる範囲内にあるものをいい、具体的
には平均酢化度が50〜57の範囲内にあるものがあげ
られる。
【0013】本発明におけるセルロースジアセテート重
合体は、平均重合度が230〜400であることを特徴
としている。尚ここで言う平均重合度は重量平均分子量
をその重合体の繰返し単位の分子量で割った値を意味す
る。その重量平均分子量の測定法として例えばゲル濾過
クロマトグラフィー、粘度率の測定、沈降平衡の測定、
光散乱法なる方法が挙げられる。
【0014】セルロースジアセテート重合体の平均重合
度が230未満の場合には、高さの高いフィンを具備し
且つ選択透過性の高いセルロースジアセテート中空糸が
得にくい。また再湿伸長率の低い中空糸が得られにく
い。平均重合度としては、240〜350が更に好まし
く、特に250〜300が好ましい。
【0015】尚セルロースジアセテート重合体の平均重
合度が400以上の場合は、重合体自体が製造しにく
く、また中空糸を溶融紡糸する場合非常に高い温度を必
要とし、セルロースジアセテートの分解がしやすくな
る。
【0016】本発明のセルロースジアセテート中空糸
は、かかるセルロースジアセテート重合体を主要成分と
するものであり、その具体的な含有率としては50%以
上、更には70%以上が好ましい。尚それ以外に含まれ
る成分は特に限定されるものではなく、例えばポリメチ
ルメタアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ニトロ
セルロース等の有機高分子が挙げられる。
【0017】更に本発明の中空糸の外径(d)として
は、例えば血液透析等の体液処理用の場合には、100
〜400μが好ましく、更には200〜300μが好ま
しい。膜厚(h)としては20μ以下、更には5〜20
μ、特に10〜15μが好ましい。
【0018】また本発明のセルロースジアセテート中空
糸としては、外周部において長手方向に延長されたフィ
ンを有したものが好ましく、その場合にはフィンの高い
Hと巾Wの比H/Wが0.5以上であることが望まし
い。比H/Wが0.5未満の場合には、流体分離器内に
収納した場合の中空糸どうしの密着を防止する効果が得
にくく好ましくない。さらに好ましいH/Wとしては
0.8以上である。尚、フィンの巾Wとは、フィンの高
さHの1/2 の位置における巾を意味するものである。
【0019】更に本発明における中空糸のフィンの数x
は少なくとも1であるが、11以上になるとフィン根元
部による有効膜面積の減少が顕著になり、例えば血液透
析器における物質透析性能、水透過性能が著しく低下
し、実用的でない。即ちかかるxは一般に1〜10であ
るが、さらには2〜8が好ましく、特に有効な範囲は3
〜7である。
【0020】その場合のフィンの高い(H)としては5
〜100μ、更には9〜60μが好ましい。尚フィン高
さと膜厚の比H/hは0.5〜3が好ましく、さらには
1〜2が好ましい。更にフィンの平均高さH(μ)とフ
ィンを除外した中空糸の平均外径d(μ)の比H/d
は、0.01〜1の範囲にあることが好ましく、更には
0.02〜0.5の範囲、特に0.03〜0.2の範囲
にあることが望ましい。
【0021】またフィンの根元の巾はフィンの上部に比
して狭いのが望ましいが、通常は紡糸原液が口金から吐
出後、原液の表面張力で根元部分は広くなりやすい。か
か根元の巾としては15〜50μ、好ましくは20〜4
0μのものが適当である。
【0022】この様な範囲にある中空糸は真円性良好で
あり、中空糸内での血液凝固や残血が生じにくい点でも
好ましい。
【0023】更に本発明の中空糸のうちで、平均切断が
0.4g/de以上であるものが好ましく、特に0.6g
/de以上のものが望ましい。強度が0.3g/de未満の
場合には、形態保持性に劣り、中空糸の製造工程や流体
分離器の製造工程中で破断しやすく、特に外径dが10
0〜300μで膜厚が5〜20μの範囲の中空糸の場合
にはその傾向が大きい。尚該強度の上限としては特に限
定されるものではなく、例えば0.9g/de以下が一般
的である。
【0024】また本発明の中空糸は、その再湿伸長率が
3%以下であることを特徴としている。再湿伸長率が3
%を超える場合には、実質上感想状態流体分離器に収納
した後に水や水溶液等を充填し再湿潤状態にした際の該
中空糸の伸びが大きすぎて、中空糸どうしの局所的な密
着が増し、中空糸の折れ曲りなどが発生しやすくなるの
で好ましくない。かかる再湿伸長率としては、2%以下
が更に好ましい。また再湿伸長率の下限としては特に限
定されるものではないが、0.5%以上、更に好ましく
は1%以上であれば、流体分離器内で再湿潤時に中空糸
が適度な伸びを呈し、流体分離器内全体に中空糸束が広
がる効果も得られる。尚該再湿伸長率αは実質上乾燥状
態にある中空糸を約0.1g/deの荷重下で測定した長
さLと該中空糸を水で湿潤状態にして約0.01g/de
の荷重下で測定した場合の長さL1 を測定し、α={L
1 −L)/L}×100なる計算式により得られるもの
である。ここで実質上の乾燥状態とは中空糸をグリセリ
ン水溶液に浸漬した後乾燥することにより得られるグリ
セリン含有率が30〜60%、水含有率0.5〜9%の
状態を意味する。
【0025】更に本発明の膜厚が薄い中空糸のうちで、
実質上曲げ剛性が200mg/200本以上の範囲にある
ものが好ましく、また湿潤時において中空糸内に加圧し
た場合の耐圧性として破裂圧力が4kg/cm2 以上である
ことが好ましい。かかる範囲にあるものは、流体分離器
製造時等における中空糸の取扱いが容易であり、流体分
離器内での各中空糸の長さが均一になりやすく、また分
離器の使用時における加圧運転による中空糸の破損が生
じにくい利点が得られる。
【0026】本発明の中空糸の製造方法としては、溶融
紡糸、湿式紡糸、半乾半湿紡糸等のいずれであってもよ
い。即ち溶融紡糸法の場合には紡糸原液が加熱された溶
融液であり、溶融液を該紡糸口金から吐出し冷却するこ
とにより効果せしめてフィン付中空糸を成形した後、セ
ルロースジエステル重合体を溶解せず添加剤を溶解し得
る溶媒により例えばフィン付中空糸中の添加剤の少なく
とも一部を抽出除去することによって選択透過性を有し
たフィン付セルロースジアセテート中空糸を得るもので
ある。
【0027】本発明の流体分離器は、流体分離機能部と
して前記した如き特有の選択透過性セルロースジアセテ
ート中空糸の集束体を収納したものであって、中空糸が
平均重合度が230〜400のセルロース系重合体を主
たる構成成分とし、好ましくは外周部において長手方向
に延長されその高さHと巾Wの比H/Wが0.5以上で
あるフィンを有しフィンのない部分の膜厚が30μ以下
のものであることを特徴としている。
【0028】本発明の流体分離器における中空糸の充填
率は30〜80%が好ましく、更には35〜70%が好
ましい。充填率が30%未満では、分散状態の良い本発
明の中空糸においても充填の不均一が生じ中空糸外側で
の透析液等の流体の流れにチャンネリング等の不均一を
生じる結果になりやすく好ましくない。また充填率が8
0%以上では、中空糸束の充填が困難となるために好ま
しくない。尚かかる範囲内で比較的高い充填率の状態の
ものについては、中空糸束に他のテープ状物、シート状
物、糸状物、網状物等の部材を巻きつけたり被覆したり
などして該中空糸束を細くまとめることによって処理器
を構成する容器内に収納せしめることが有効である。
【0029】本発明の流体処理器は、特に再湿伸長率が
3%以下なるセルロースエステル系中空糸を収納せしめ
た場合に、該中空糸に水又は水溶液等が接触した際の伸
長が小さく中空糸どうしの局所的な密着や中空糸の折れ
曲り等が発生しにくい利点がある。特に該中空糸の充填
率が50%以上と比較的高い状態においてその利点が非
常に有効に保持される特徴がある。
【0030】尚流体分離器が血液透析器の場合には、各
管板部の外側に血液分配部材及び、血液収集部材を有
し、容器の壁部に透析液の出入口を具備した形が一般的
である。
【0031】本発明の流体分離器の具体的用途として
は、透析、限外濾過、精密濾過、逆浸透等の液体分離、
酸素富化、人口肺等の気体分離が挙げられる。中でも人
工腎臓、人工肝臓、血漿分離器、腹水処理器、人工肺等
の体液処理器に適しており、特に血液透析器として優れ
ている。
【0032】かかる本発明の血液透析処理のための流体
分離器の1つのタイプとして、前記した如きセルロース
ジアセテート中空糸を収納したものであって、37℃に
おける水透過係数が10ml/m2 ・hr・mmHg以上であ
り、且つ血液側すなわち中空部側の流量を200ml/分
として透析液側すなわち中空糸間隙部の流量を500ml
/分とし37℃に保持した条件下での尿素透過係数が
0.045cm/分以上であることを特徴としたものがあ
げられる。
【0033】この場合には、従来のセルロースジアセテ
ート中空糸を用いた流体分離器に比較して、中空糸の紡
糸原液中のポリマー濃度を低下させかつ膜厚を20μ以
下、好ましくは5〜15μ程度まで薄くした中空糸を用
いることができることから、尿素で代表される血液中の
低分子有害物質の分離性能を高めたものにできる。
【0034】このタイプの流体分離器の好ましいものと
しては、水透過係数が5〜20ml/m2 ・hr・mmHgの範
囲にありかつ尿素透過係数が0.045〜0.055cm
/分の範囲にあって、高いレベルで水除去と低分子有害
物質の除去のバランスをよくしたものがあげられる。こ
の場合に、セルロースジアセテートの平均分子量は25
0〜300、フィンのない部分での膜厚が20〜25の
範囲にあることが望ましい。
【0035】尚、尿素透過係数の測定は、中空部側に
0.01wt%の割合で尿素を含んだ水溶液を導入し、中
空糸間隙部側に水を導入させた状態で行なうことができ
る。
【0036】また本発明の血液透析処理のための流体分
離器の他のタイプとして、前記した如きセルロースジア
セテート中空糸で前のタイプのものと異なる性能を持っ
たすなわち更に物質透過性を良好にした中空糸束を収納
したものであって、37℃における水透過係数が20ml
/m2 ・hr・mmHg以上であり、且つ血液側すなわち中空
部側の流量を200ml/分、透析液側すなわち中空糸間
隙部側の流量を500ml/分として37℃に維持した条
件下での有効膜面積1m2 当りの分子量10,000の
デキストランに関するダイアリザンスが20ml/分以上
であることを特徴とした流体分離器があげられる。
【0037】このタイプの流体分離器は、前のタイプの
ものにおける中空糸よりも、紡糸原液中のポリマー濃度
を低くしたり、膜厚を18〜20μ程度とさらに薄くし
たりして、物質透過性をより高めたセルロースジアセテ
ート中空糸を用いており、水の透過係数が非常に大き
く、特に分子量が10,000のデキストランに相当す
る大きな分子量をもった血液中の有害物質の透過性が大
きい優れた選択透過性を有している。
【0038】かかるタイプの大分子量の有害物質除去に
優れた血液透析用流体分離器のより好ましいものとし
て、水透過係数が15〜40ml/m2・hr・mmHgで且つ
分子量10,000のデキストランのダイアリザンスが
15〜40ml/分の範囲にあることを特徴としたものが
あげられる。この場合に、セルロースジアセテートの平
均分子量は250〜300であり、フィンのない部分に
おける膜厚が18〜20にあることが望ましい。
【0039】尚、かかるダイアリザンスの測定は、中空
部側に0.01wt%の割合で分子量10,000デキス
トランを含有した溶液を導入し、中空糸間隙部側に水を
導入させた状態で行なうことができる。
【0040】以下に実施例をあげてさらに詳述するが、
これらの実施例により本発明が何ら限定されるものでは
ない。
【0041】
【実施例1,比較例1】平均重合度260と170のセ
ルロースジアセテート100部に対してポリエチレング
リコール(分子量400)とジグリセリンを8対1の割
合で混ぜたものを170部加え混合し、混合物を180
℃〜190℃で溶融し、フィン付中空糸用の二重円環状
スリットを有する口金を用いて紡糸を試みたフィンのな
い部分の膜の厚さは、それぞれ12μと14μにした。
次いで、熱水によりポリエチレングリコールとジグリセ
リンを抽出し、捲取り後中空糸束を有効膜面積が約1.
5m2 の血液透析器を組み立てた。下記の表には得られ
た中空糸及び血液透析器の特性を示す。
【0042】表1より、平均重合度が260では紡糸中
における断糸が殆どなく、又、中空糸膜厚をうすくする
ことにより尿素の透過係数を0.045cm/分以上にす
ることができる。
【0043】
【表1】
【0044】
【実施例2,比較例2】平均重合度270と160のセ
ルロースジアセテート100部に対してポリエチレング
リコール(分子量400)とジグリセリンを4対1の割
合で混ぜたものを200部加え混合し、その混合ポリマ
ーを175〜185℃で溶融し、二重円環状スリットを
有する口金を用いて紡糸を試みた。中空糸膜厚は約15
μとした。次いで、熱水によりポリエチレングリコール
とジグリセリンを抽出し、捲取り後、中空糸束を有効膜
面積約1.0m2 の血液透析器を組み立てた。表2に
は、得られた中空糸及び血液透析器の特性を示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明のセルロースジアセテート中空糸
の平均重合度は通常のものより高く、一定のポリマー濃
度での紡糸原液の粘度が高くなり、非常に紡糸性が良好
になる。即ち、紡糸中での断糸が少なく、又糸斑が小さ
くなる。また紡糸時のポリマー濃度を下げることがで
き、UFRダイアリザンスなどの物質透過性、特に分子
量10,000前後の中高分子領域の物質透過性を大巾
に向上させることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質上セルロースジアセテートからなる選
    択透過性壁膜を有した中空糸束を収納した中空糸型流体
    分離器において、該実質上のセルロースジアセテートの
    平均重合度が230〜400の範囲にあることを特徴と
    した流体分離器。
  2. 【請求項2】該壁膜の選択透過性が血液透析処理のため
    の物質選択透過性である請求項1の流体分離器。
  3. 【請求項3】該中空糸壁膜の37℃における水透過係数
    が10ml/m2 ・hr・mmHg以上であり、血液側流量を2
    00ml/分、透析液側流量を500ml/分とした場合の
    37℃における尿素透過係数が0.045cm/分以上で
    あることを特徴とした請求項2の流体分離器。
  4. 【請求項4】該中空糸壁膜の37℃における水透過係数
    が20ml/m2 ・hr・mmHg以上であり、血液側流量を2
    00ml/分、透析液側流量を500ml/分とした場合の
    37℃における有効膜面積1m2 当りの分子量10,0
    00のデキストランのダイアリザンスが20ml/分以上
    であることを特徴とする請求項2の流体分離器。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5361576A (en) * 1976-11-16 1978-06-02 Teijin Ltd Preparation of sterilized dialyzer
JPH026501A (ja) * 1988-02-25 1990-01-10 Akzo Nv 変性セルロース及びその製法

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