JPH05234736A - 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH05234736A JPH05234736A JP4035343A JP3534392A JPH05234736A JP H05234736 A JPH05234736 A JP H05234736A JP 4035343 A JP4035343 A JP 4035343A JP 3534392 A JP3534392 A JP 3534392A JP H05234736 A JPH05234736 A JP H05234736A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた磁束密度と鉄損を有し、また打ち抜き
特性が優れた無方向性電磁鋼板を低コストで造る技術を
提供する。 【構成】 重量%で、C≦0.005%、Si:0.1
〜2.0%、Mn:0.1〜1.5%、P:0.03〜
0.2%、S<0.003%、Al:0.1〜1.0
%、Sn:0.01〜0.03%、N≦0.003%、
O≦0.005%とし、残部Feおよび不可避的成分を
含有し、SiO2 ,Al2 O3 ,MnOの3種の介在物
の総量に対するMnOの重量の割合が10%以下である
スラブを温度900〜1100℃で加熱後、熱延し、バ
ッチ焼鈍を700〜900℃で実施後、冷延、連続焼鈍
の工程を行うことを特徴とする磁気特性の優れた無方向
性電磁鋼板の製造方法。
特性が優れた無方向性電磁鋼板を低コストで造る技術を
提供する。 【構成】 重量%で、C≦0.005%、Si:0.1
〜2.0%、Mn:0.1〜1.5%、P:0.03〜
0.2%、S<0.003%、Al:0.1〜1.0
%、Sn:0.01〜0.03%、N≦0.003%、
O≦0.005%とし、残部Feおよび不可避的成分を
含有し、SiO2 ,Al2 O3 ,MnOの3種の介在物
の総量に対するMnOの重量の割合が10%以下である
スラブを温度900〜1100℃で加熱後、熱延し、バ
ッチ焼鈍を700〜900℃で実施後、冷延、連続焼鈍
の工程を行うことを特徴とする磁気特性の優れた無方向
性電磁鋼板の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無方向性電磁鋼板の製造
に関わり、電気産業分野でのモータやトランスのコアに
利用される磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法を提供する。
に関わり、電気産業分野でのモータやトランスのコアに
利用される磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、無方向性電磁鋼板の製造分野で
は、鉄損を低減するためにSiやAlを添加すること、
熱延ホットコイルを焼鈍することなどが行われてきた。
このホットコイル焼鈍技術は例えば、特公昭40−41
39号公報で公表されている。更に、ホットコイル焼鈍
後の鋼板の結晶粒径を粗大化するべくホットコイル焼鈍
前にスキンパス圧延することが特公昭45−22211
号公報に開示されている。また、Snを添加して、セミ
プロセスの磁気特性を改善することが特公昭58−30
926号公報で公知である。また、Sbを利用すること
が特公昭56−54370号公報に明らかである。
は、鉄損を低減するためにSiやAlを添加すること、
熱延ホットコイルを焼鈍することなどが行われてきた。
このホットコイル焼鈍技術は例えば、特公昭40−41
39号公報で公表されている。更に、ホットコイル焼鈍
後の鋼板の結晶粒径を粗大化するべくホットコイル焼鈍
前にスキンパス圧延することが特公昭45−22211
号公報に開示されている。また、Snを添加して、セミ
プロセスの磁気特性を改善することが特公昭58−30
926号公報で公知である。また、Sbを利用すること
が特公昭56−54370号公報に明らかである。
【0003】しかしながら、特公昭58−30926号
公報でのプロセス、即ち、製鋼(Sn添加)−熱延−熱
延板焼鈍−冷延−客先での歪取焼鈍では、Snの集合組
織改善により磁気特性が向上する反面、2つの問題があ
った。つまり、1つはSnは非常に高価なため添加コス
トに問題があることであり、2つ目は客先での焼鈍の前
の打ち抜き工程において鋼板が硬過ぎるため金型寿命が
短くなる欠点があった。
公報でのプロセス、即ち、製鋼(Sn添加)−熱延−熱
延板焼鈍−冷延−客先での歪取焼鈍では、Snの集合組
織改善により磁気特性が向上する反面、2つの問題があ
った。つまり、1つはSnは非常に高価なため添加コス
トに問題があることであり、2つ目は客先での焼鈍の前
の打ち抜き工程において鋼板が硬過ぎるため金型寿命が
短くなる欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、Snを殆ど利用しないで且つ、客先での打ち抜きト
ラブルを解消しつつ、優れた磁束密度と鉄損を有する無
方向性電磁鋼板の製造方法を提供するものである。
み、Snを殆ど利用しないで且つ、客先での打ち抜きト
ラブルを解消しつつ、優れた磁束密度と鉄損を有する無
方向性電磁鋼板の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は重量%で、C≦
0.005%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.1
〜1.5%、P:0.03〜0.2%、S<0.003
%、Al:0.1〜1.0%、Sn:0.01〜0.0
3%、N≦0.003%、O≦0.005%とし、残部
Feおよび不可避的成分を含有しSiO2 ,Al
2 O3 ,MnOの3種の介在物の総量に対するMnOの
重量の割合が10%以下であるスラブを温度900〜1
100℃で加熱後、熱延し、バッチ焼鈍を700〜90
0℃で実施後、冷延、連続焼鈍の工程を行うことを特徴
とする磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法で
ある。
0.005%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.1
〜1.5%、P:0.03〜0.2%、S<0.003
%、Al:0.1〜1.0%、Sn:0.01〜0.0
3%、N≦0.003%、O≦0.005%とし、残部
Feおよび不可避的成分を含有しSiO2 ,Al
2 O3 ,MnOの3種の介在物の総量に対するMnOの
重量の割合が10%以下であるスラブを温度900〜1
100℃で加熱後、熱延し、バッチ焼鈍を700〜90
0℃で実施後、冷延、連続焼鈍の工程を行うことを特徴
とする磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法で
ある。
【0006】本発明のポイントは、ホットコイル焼鈍に
よって十分に結晶粒成長させるべく不純物を形成する
C,S,N,Oを積極的に低減すること、不純物を低減
させるためのSiとAl量を制御すること、結晶粒成長
を阻害する低融点介在物を造らないように、製鋼で脱酸
制御を行うこと、熱延板中の微細な析出分散相を減少さ
せるべく、スラブ加熱で析出物の固溶を抑えるため低温
処理すること、製品硬度を調整するためPを利用するこ
とである。本発明はこれらの技術を総合することによっ
て初めて、Snの添加を必要最小限に止め、更に客先で
の打ち抜きトラブルも解消したものである。
よって十分に結晶粒成長させるべく不純物を形成する
C,S,N,Oを積極的に低減すること、不純物を低減
させるためのSiとAl量を制御すること、結晶粒成長
を阻害する低融点介在物を造らないように、製鋼で脱酸
制御を行うこと、熱延板中の微細な析出分散相を減少さ
せるべく、スラブ加熱で析出物の固溶を抑えるため低温
処理すること、製品硬度を調整するためPを利用するこ
とである。本発明はこれらの技術を総合することによっ
て初めて、Snの添加を必要最小限に止め、更に客先で
の打ち抜きトラブルも解消したものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。C量を
0.005%以下と限定したのは、これ以上のC量では
磁気時効による劣化が生じるためである。Si量を0.
1〜2.0%としたのは、O量を0.005%以下にま
で脱酸するのに0.1%以上のSi量が必要だからであ
る。また、2.0%を超えるSi量では本発明の目的の
一つである高磁束密度が得られない。Mn量を0.1〜
1.5%としたのは、0.1%未満ではMnSの微細析
出物が生じ易く、ホットコイル焼鈍の結晶粒成長を阻害
し磁気特性を劣化させるので避けなければならない。ま
た、Mnの添加コストの問題があるので1.5%を上限
とした。
0.005%以下と限定したのは、これ以上のC量では
磁気時効による劣化が生じるためである。Si量を0.
1〜2.0%としたのは、O量を0.005%以下にま
で脱酸するのに0.1%以上のSi量が必要だからであ
る。また、2.0%を超えるSi量では本発明の目的の
一つである高磁束密度が得られない。Mn量を0.1〜
1.5%としたのは、0.1%未満ではMnSの微細析
出物が生じ易く、ホットコイル焼鈍の結晶粒成長を阻害
し磁気特性を劣化させるので避けなければならない。ま
た、Mnの添加コストの問題があるので1.5%を上限
とした。
【0008】Pは客先での打ち抜きを容易にする。即
ち、鋼板のカエリやダレを少なくし、また金型の寿命を
調整することが可能である。Pを含まない場合は、これ
ら打ち抜き工程で重要な鋼板の硬度調整が難しい。Pを
含有しない時、打ち抜き前の焼鈍の温度制御などで硬度
調整する方法があるが鋼板長手方向や幅方向に硬度のバ
ラツキが大きく工業製品としては、重大な問題がある。
本発明は打ち抜き工程前の焼鈍は十分に再結晶を完了さ
せることを前提として、P量で鋼板の硬さ、強度を制御
することにより、工業製品として均質なものを提供す
る。更に、Pの効果として製品の外観不良を改善する。
この不良は、梨地肌と称する最終製品の表面に生じる形
状異常で、ホットコイル焼鈍時に異常粒成長する場合に
発生する。すなわち、Pはこの異常粒成長を抑制し結晶
粒を整粒化する働きがある。P量を0.03〜0.2%
としたのは、0.03%未満では最終製品表面の外観不
良が多発することと鋼板硬度の向上効果が少ないためで
ある。また、0.2%を超えると添加コストの問題があ
る。
ち、鋼板のカエリやダレを少なくし、また金型の寿命を
調整することが可能である。Pを含まない場合は、これ
ら打ち抜き工程で重要な鋼板の硬度調整が難しい。Pを
含有しない時、打ち抜き前の焼鈍の温度制御などで硬度
調整する方法があるが鋼板長手方向や幅方向に硬度のバ
ラツキが大きく工業製品としては、重大な問題がある。
本発明は打ち抜き工程前の焼鈍は十分に再結晶を完了さ
せることを前提として、P量で鋼板の硬さ、強度を制御
することにより、工業製品として均質なものを提供す
る。更に、Pの効果として製品の外観不良を改善する。
この不良は、梨地肌と称する最終製品の表面に生じる形
状異常で、ホットコイル焼鈍時に異常粒成長する場合に
発生する。すなわち、Pはこの異常粒成長を抑制し結晶
粒を整粒化する働きがある。P量を0.03〜0.2%
としたのは、0.03%未満では最終製品表面の外観不
良が多発することと鋼板硬度の向上効果が少ないためで
ある。また、0.2%を超えると添加コストの問題があ
る。
【0009】S量を0.003%未満としたのは、これ
以上ではMnSの微細析出物が生じ易く、ホットコイル
焼鈍の結晶粒成長を阻害し磁束密度を劣化させる。Al
量を0.1〜1.0%としたのは、0.1%未満ではO
量を0.005%以下にまで脱酸するのが難しいこと
と、S量も0.003%未満に脱硫するのが困難である
ためである。また、添加コストの問題から1.0%以下
に限定する。Sn量を0.01〜0.03%としたの
は、0.01%未満では製品集合組織の改善効果がな
く、また、Sn添加コストの問題から0.03%以下と
する。Sn量が、0.03%以下であればブリキ屑など
を製鋼スクラップとして利用することにより添加コスト
が削減できる。Sn量を振らせて実験した例を実施例1
に示す。図1のグラフから明らかな如く、Sn量が0.
01%以上で磁気特性向上効果があるが、0.03%を
超えても磁性は良くならないことが分かる。即ち、特公
昭58−30926号公報で必要なSn量0.03%以
上は、本発明の総合技術によりSn:0.03%以下と
できる。
以上ではMnSの微細析出物が生じ易く、ホットコイル
焼鈍の結晶粒成長を阻害し磁束密度を劣化させる。Al
量を0.1〜1.0%としたのは、0.1%未満ではO
量を0.005%以下にまで脱酸するのが難しいこと
と、S量も0.003%未満に脱硫するのが困難である
ためである。また、添加コストの問題から1.0%以下
に限定する。Sn量を0.01〜0.03%としたの
は、0.01%未満では製品集合組織の改善効果がな
く、また、Sn添加コストの問題から0.03%以下と
する。Sn量が、0.03%以下であればブリキ屑など
を製鋼スクラップとして利用することにより添加コスト
が削減できる。Sn量を振らせて実験した例を実施例1
に示す。図1のグラフから明らかな如く、Sn量が0.
01%以上で磁気特性向上効果があるが、0.03%を
超えても磁性は良くならないことが分かる。即ち、特公
昭58−30926号公報で必要なSn量0.03%以
上は、本発明の総合技術によりSn:0.03%以下と
できる。
【0010】N量を0.003%以下に限定したのは、
0.003%を超えるとAlN析出物が多くなってホッ
トコイル焼鈍の結晶粒成長を阻害し磁束密度を劣化させ
るからである。O量を0.005%以下に限定したの
は、0.005%を超えると酸化物が多くなってホット
コイル焼鈍の結晶粒成長を阻害し磁束密度を劣化させる
からである。
0.003%を超えるとAlN析出物が多くなってホッ
トコイル焼鈍の結晶粒成長を阻害し磁束密度を劣化させ
るからである。O量を0.005%以下に限定したの
は、0.005%を超えると酸化物が多くなってホット
コイル焼鈍の結晶粒成長を阻害し磁束密度を劣化させる
からである。
【0011】これらの成分組成を含有する溶鋼は通常の
連続鋳造によりスラブとする。この凝固したスラブの介
在物は重量比で以下の組成配分を満足している必要があ
る。 MnO/(SiO2 +Al2 O3 +MnO)≦0.1 MnO/(SiO2 +Al2 O3 +MnO)が0.1超
では、スペサライトなどの低融点酸化物が形成し、熱延
板で圧延方向に伸びた介在物となり製品の磁束密度を劣
化させる。一方、上記介在物組成比率が0.1以下では
球形の介在物しか形成しないので、優れた磁気特性を得
ることができる。
連続鋳造によりスラブとする。この凝固したスラブの介
在物は重量比で以下の組成配分を満足している必要があ
る。 MnO/(SiO2 +Al2 O3 +MnO)≦0.1 MnO/(SiO2 +Al2 O3 +MnO)が0.1超
では、スペサライトなどの低融点酸化物が形成し、熱延
板で圧延方向に伸びた介在物となり製品の磁束密度を劣
化させる。一方、上記介在物組成比率が0.1以下では
球形の介在物しか形成しないので、優れた磁気特性を得
ることができる。
【0012】スラブは熱延工程でまず加熱されるが、温
度は900〜1100℃とする。この限定理由は110
0℃以下の温度にすることによって、析出物の固溶を抑
制し次の冷却過程での微細な析出を防止する必要がある
ためである。また、900℃以上としたのは、これ未満
では熱延圧下での荷重が大きすぎるためである。仕上温
度や巻取温度については、特に制限するものではない。
度は900〜1100℃とする。この限定理由は110
0℃以下の温度にすることによって、析出物の固溶を抑
制し次の冷却過程での微細な析出を防止する必要がある
ためである。また、900℃以上としたのは、これ未満
では熱延圧下での荷重が大きすぎるためである。仕上温
度や巻取温度については、特に制限するものではない。
【0013】熱延により得られたホットコイルは、温度
700〜900℃でバッチ焼鈍される。この時、700
℃未満では結晶粒成長が不十分で優れた磁気特性が得ら
れない。また高温になると鋼板同士の焼き付きや形状不
良が生じるので上限を900℃とする。連続焼鈍では数
分程度の均熱しか取れないため、結晶粒成長が不十分の
ためバッチ焼鈍をする。なお、酸洗はホットコイル焼鈍
の前でも後でも、いずれも本発明の効果を損なうもので
ない。
700〜900℃でバッチ焼鈍される。この時、700
℃未満では結晶粒成長が不十分で優れた磁気特性が得ら
れない。また高温になると鋼板同士の焼き付きや形状不
良が生じるので上限を900℃とする。連続焼鈍では数
分程度の均熱しか取れないため、結晶粒成長が不十分の
ためバッチ焼鈍をする。なお、酸洗はホットコイル焼鈍
の前でも後でも、いずれも本発明の効果を損なうもので
ない。
【0014】次いで冷延を行ってから連続焼鈍する。こ
の焼鈍は未再結晶粒が残らないように700℃以上の温
度が好ましい。未再結晶粒があると鋼板の硬度が不安定
であるためである。本鋼板は、通常フルプロセスと呼ば
れる客先での焼鈍省略工程の材料ではあるが、打ち抜き
歪みの除去のため客先での焼鈍を実施することも可能で
ある。
の焼鈍は未再結晶粒が残らないように700℃以上の温
度が好ましい。未再結晶粒があると鋼板の硬度が不安定
であるためである。本鋼板は、通常フルプロセスと呼ば
れる客先での焼鈍省略工程の材料ではあるが、打ち抜き
歪みの除去のため客先での焼鈍を実施することも可能で
ある。
【0015】
【実施例】〔実施例1〕C:0.0011%、Si:
0.55%、Mn:0.15%、P:0.05%、S:
0.0007%、N:0.0006%、O:0.003
5%の鋼をベースにSn添加量を0〜0.1%で変更し
た。この時のMnO/(SiO2 +Al2O3 +Mn
O)重量比率は、0.02であった。熱延を加熱108
0℃で実施して、熱延板を850℃×4時間均熱した
後、0.5mmまで冷延し、870℃の連続焼鈍を行い磁
気特性を測定した。結果を図1に示す。図で明らかな如
く、磁性はSn量が0.01%以上で優れたものが得ら
れ、0.03%を超えても向上しないので、Sn量の範
囲を0.01〜0.03%とする。
0.55%、Mn:0.15%、P:0.05%、S:
0.0007%、N:0.0006%、O:0.003
5%の鋼をベースにSn添加量を0〜0.1%で変更し
た。この時のMnO/(SiO2 +Al2O3 +Mn
O)重量比率は、0.02であった。熱延を加熱108
0℃で実施して、熱延板を850℃×4時間均熱した
後、0.5mmまで冷延し、870℃の連続焼鈍を行い磁
気特性を測定した。結果を図1に示す。図で明らかな如
く、磁性はSn量が0.01%以上で優れたものが得ら
れ、0.03%を超えても向上しないので、Sn量の範
囲を0.01〜0.03%とする。
【0016】〔実施例2〕表1の成分を含む溶鋼を鋳造
し、1030℃で2時間の加熱処理を実施した後、2mm
厚に熱延した。この熱延板をAr気流中で850℃にて
10時間の焼鈍を行った後、0.5mmまで冷延した。こ
の冷延板を30%H2 ,70%N2 雰囲気で800℃に
て30秒の焼鈍を行った。これをエプスタイン試料に打
ち抜いてからN2 中で750℃にて2時間の焼鈍をして
磁気特性を測定した。
し、1030℃で2時間の加熱処理を実施した後、2mm
厚に熱延した。この熱延板をAr気流中で850℃にて
10時間の焼鈍を行った後、0.5mmまで冷延した。こ
の冷延板を30%H2 ,70%N2 雰囲気で800℃に
て30秒の焼鈍を行った。これをエプスタイン試料に打
ち抜いてからN2 中で750℃にて2時間の焼鈍をして
磁気特性を測定した。
【0017】また、打ち抜き試験を各々の試料について
10万回実施して、カエリの大きいものや金型の損傷の
大きいものは×とした。介在物の比率は、製品の鋼中介
在物を化学分析して求めた重量比である。これらの試験
結果を表1に示す。
10万回実施して、カエリの大きいものや金型の損傷の
大きいものは×とした。介在物の比率は、製品の鋼中介
在物を化学分析して求めた重量比である。これらの試験
結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示す如く、本発明の成分範囲にある
もの(実験No.と)で優れた磁気特性と打ち抜き特
性を両立させることができた。
もの(実験No.と)で優れた磁気特性と打ち抜き特
性を両立させることができた。
【0020】〔実施例3〕C:0.0011%、Si:
0.55%、Mn:0.55%、P:0.15%、S:
0.0006%、Al:0.25%、N:0.0015
%、Sn:0.024%、O:0.0036%とし、M
nO/(SiO2 +Al2 O3 +MnO)比率を変更し
て溶解、鋳造した。鋳片を1050℃で30分加熱し、
3mm厚に熱延した。熱延板をAr中、880℃で30時
間の焼鈍を実施後、0.5mmに冷延し、900℃で1分
の焼鈍をしてから磁気測定をした。
0.55%、Mn:0.55%、P:0.15%、S:
0.0006%、Al:0.25%、N:0.0015
%、Sn:0.024%、O:0.0036%とし、M
nO/(SiO2 +Al2 O3 +MnO)比率を変更し
て溶解、鋳造した。鋳片を1050℃で30分加熱し、
3mm厚に熱延した。熱延板をAr中、880℃で30時
間の焼鈍を実施後、0.5mmに冷延し、900℃で1分
の焼鈍をしてから磁気測定をした。
【0021】
【表2】
【0022】表2に示す如く、MnO/(SiO2 Al
2 O3 MnO)比率が本発明の範囲を満足する材料で、
優れた磁気特性が得られた。
2 O3 MnO)比率が本発明の範囲を満足する材料で、
優れた磁気特性が得られた。
【0023】〔実施例4〕表1の実験No.の成分を含
むスラブに対し、加熱温度を以下の表の如くに変更して
2時間の均熱後2.3mmまで熱延して、この熱延板をH
2 中で750℃にて5時間の焼鈍を実施した。次いで
0.5mmまで冷却し、850℃で30秒の焼鈍をしてか
らエプスタイン試料を剪断して750℃で2時間バッチ
焼鈍を実施して磁気特性を測定した。
むスラブに対し、加熱温度を以下の表の如くに変更して
2時間の均熱後2.3mmまで熱延して、この熱延板をH
2 中で750℃にて5時間の焼鈍を実施した。次いで
0.5mmまで冷却し、850℃で30秒の焼鈍をしてか
らエプスタイン試料を剪断して750℃で2時間バッチ
焼鈍を実施して磁気特性を測定した。
【0024】
【表3】
【0025】表3の如く、1100℃を超えるスラブ加
熱温度では不満足な磁気特性が得られる。
熱温度では不満足な磁気特性が得られる。
【0026】
【発明の効果】本発明は、析出物、介在物の制御を行う
ことにより、優れた磁束密度と鉄損を有し、また打ち抜
き特性が優れた無方向性電磁鋼板を低コストで造ること
ができる。
ことにより、優れた磁束密度と鉄損を有し、また打ち抜
き特性が優れた無方向性電磁鋼板を低コストで造ること
ができる。
【図1】Sn量と磁気特性の関係を示す図表である。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、 C ≦0.005%、 Si:0.1〜2.0%、 Mn:0.1〜1.5%、 P :0.03〜0.2%、 S <0.003%、 Al:0.1〜1.0%、 Sn:0.01〜0.03%、 N ≦0.003%、 O ≦0.005%、 残部Feおよび不可避的成分を含有し、SiO2 ,Al
2 O3 ,MnOの3種の介在物の総量に対するMnOの
重量の割合が10%以下であるスラブを温度900〜1
100℃で加熱後、熱延し、バッチ焼鈍を700〜90
0℃で実施後、冷延、連続焼鈍の工程を行うことを特徴
とする磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4035343A JP2599529B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4035343A JP2599529B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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