JPH0523329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は角形にして、一定の大きさと厚みとを有
する補強石板の裏面に、小間隔を空け平行せる２
条の鉄線による支持筋を、２条毎に一定の間隔を
置き平行して適当数配設し、その２条の支持筋の
対向部にして、補強石板との接触部裏面より表面
に向け、定間隔毎に小孔を穿設し、その小孔内に
結束線を挿通して２条の支持筋を補強石板と一体
的に結束し、その支持筋上にして補強石板の全裏
面にモルタル、又はプラスチツク接着剤等の補強
材を一定の厚さに固着して基板とし、その基板の
補強石板の表面に、同一の大きさにして薄形に切
截せる天然石の化粧石板を接着した複数資材重合
支持筋入強化石板に関するものであつて、洋式建
築物の壁面、床面、カウンターなどに使用し、美
観と強化を保つようにしたものである。

（従来の技術） 従来より洋式建築物における壁、床、カウンタ
ーなどに、大理石、その他の天然石板を使用して
いるが、美観上、堅牢性および施行性により、良
質にして、ひび割れのない、厚形にして面積の大
きな石板を使用するのを最適としておつた。然し
このような石板を得るには限られた石山であつて
然も同質のものを多量に採掘することが困難な場
合があるので経済的負担が大きかつた。従つて一
般の需要では、多量に採掘できて経済的にも負担
の軽い小面積のもので、厚さの揃う同質の石板を
使用しておつた。

然し近時石板に対する切截技術が進歩し、薄形
の石板に切截することができるようになつた。故
に面積の大きな厚みのある石板を薄形の石板に切
截して多数板とし、これらの裏面に強化材を接着
して厚みを増し使用するようになつたが、接着す
る際不備なる点が多々あつて、接着効果に分離、
脱落などの欠点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本案は面積が大きくて厚みのある天然石を薄形
に切截し、多数枚の化粧石板を得て、その化粧石
板の裏面に支持筋を配設せる補強石板と、補強材
とを固着した一定厚の基板を接着して厚みのある
強化石板とするものであつて、これを洋式建築物
の壁面、床、カウンターなどに使用すれば、最上
層の化粧石板の表面のみが外部に現われ厚形石板
と同様の効果を得ることができるものである。

又面積が小さくて厚みのある天然石も、同様に
して強化石板とすることができるから、必要量を
経済的に使用することができるものである。

（問題点を解決するための手段） 本案は面積が大きくて、厚みのある大理石のご
とき強化石板を経済的に得んとするものである。
これを得るための手段として、裏面に鉄線による
支持筋を配設せる角形にして一定の大きさを有す
る厚みのある補強石板に、モルタル、又はプラス
チツク接着剤等の補強材を一定の厚さに固着して
基板を形成し、その基板となつた補強石板の上面
に薄形に切截した化粧石板を接着したものであ
る。

補強石板は多量に採掘ができた低廉な粗石を用
い、補強材も低廉であるから、両者を強着させる
ため支持筋を介入使用したとしても基板に対する
生産費は低廉となる。又化粧石板は大理石、その
他の高級石を用いるが、薄形に切截して用いるか
ら低廉となり、これらの資材を重合せる強化石板
も経済的価格となり、かつ多量に生産できるから
用途を拡大することができるものである。

（作用） 補強石板の裏面に配設する支持筋は、適当の太
さの鉄線を用いる。そして両端部を補強石板の両
側部に設けた窪部に嵌入するよう折曲する。従つ
て各２条の支持筋は正しく裏面に接触して配設し
ている。この支持筋を補強石板の表裏を抜通し、
かつ定間隔毎に対向して設けた小孔に結束線を挿
通して支持筋を結束しているから支持筋は補強石
板より離脱することなく強力に密着している。そ
の支持筋上に補強材を一定の厚さに固着している
から、基板後の補強石板と補強材とは分離するこ
となく一体的である。又基板となつた補強石板の
上面に接着の薄形の化粧石板は、両者共石である
から強力に接着して分離することがない。

このようにして形成した強化石板は、運搬は勿
論のこと施工に際しても、ひび割れ、分離などす
ることなく軽量にして取扱い易くなるものであ
る。

（実施例） 一定の大きさと厚みとを有する補強石板１の裏
面２に、小間隔を置き、平行せる２条の鉄線によ
る支持筋３，３を２条毎に一定間隔を置き適当数
配設し、その２条の支持筋３，３の対向部にして
補強石板１との接触部の裏面２より表面４に向け
定間隔毎に支持筋３，３に沿つて小孔５，５を穿
設し、その小孔５，５内に結束線６を挿通して２
条の支持筋３，３を結束し、その結束線の支持筋
３，３上にして補強石板１の全裏面２に、補強材
７を一定の厚さに固着して基板８とし、その基板
８の補強石板１の表面４に、基板８と同一の大き
さにして薄形に切截した天然石の化粧石板９を接
着してなるものであつて、図中、１０，１０は支
持筋３，３の折曲部、１１，１１は折曲部１０，
１０の嵌入窪部、１２，１２は補強材７の表面に
生じた支持筋３，３の固着窪部、１３は同上にお
ける結束線６の窪部である。

本案は叙上のごとき構成によりなるものであつ
て、複数の資材を重合して、基板とする資材内に
支持筋３，３を配設介入して強力な接触力を有せ
しめると共に軽量ならしめるため運搬および施工
がし易くなるのみならず、経済的となるものであ
る。

（考案の効果） 本案は従来使用されていた厚形にして、面積の
大きな大理石、その他の高級石と同様の厚みと面
積と表面の品質とを有するものであつて、即ち補
強石板１と、補強材７とを固着するに際し、その
間に支持筋３，３を配設介入して基板を形成し、
その基板の上面に化粧石板９を接着した複数資材
の重合によるものであつて、これを各種の用途に
使用した場合、側面および裏面は接着部であるた
め外部に露出することなく、表面のみ露出して外
観を保つこととなるから、厚みおよび面積共全体
が従来の大理石、その他の高級石と同一効果を生
ずる。然も経済的に施行できるから重宝なる強化
石板となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の正面図、第２図は側面図、第３
図は重合材を分離して見た斜面図、第４図は補強
石板の裏面の斜面図にして、支持筋の配設状態を
示した図、第５図は第３図Ａ−Ａ線にして強化石
板に重合した場合の切断面図、第６図は同Ｂ−Ｂ
線にして強化石板に重合した場合の切断面図、第
７図は２条の支持筋を結束線にて結束せる状態を
示す斜面図である。 図中、１……補強石板、２……裏面、３，３…
…支持筋、４……裏面、５，５……小孔、６……
結束線、７……補強材、８……基板、９……化粧
石板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定の大きさと厚みとを有する補強石板１の裏
   面２に、小間隔を置き、平行せる２条の鉄線によ
   る支持筋３，３を２条毎に一定間隔を置き適当数
   配設し、その２条の支持筋３，３の対向部にして
   補強石板１との接触部の裏面２より表面４に向け
   定間隔毎に支持筋３，３に沿つて小孔５，５を穿
   設し、その小孔５，５内に結束線６を挿通して２
   条の支持筋３，３を結束し、その結束後の支持筋
   ３，３上にして補強石板１の全裏面２に、補強材
   ７を一定の厚さに固着して基板８とし、その基板
   ８の補強石板１の表面４に、基板８と同一の大き
   さにして薄形に切截した天然石の化粧石板９を接
   着した複数資材重合支持筋入強化石板。