JPH05232943A - 電子楽器の演奏入力装置およびそれを用いた電子楽器 - Google Patents

電子楽器の演奏入力装置およびそれを用いた電子楽器

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JPH05232943A
JPH05232943A JP4031690A JP3169092A JPH05232943A JP H05232943 A JPH05232943 A JP H05232943A JP 4031690 A JP4031690 A JP 4031690A JP 3169092 A JP3169092 A JP 3169092A JP H05232943 A JPH05232943 A JP H05232943A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子楽器を演奏するための入力装置に関し、
任意の振動体を電子楽器の入力装置として使用可能とす
ることを目的とする。 【構成】 振動体の異なる位置に、複数の振動センサが
設けられ、振動体が演奏により叩かれて振動すると、そ
の振動が各振動センサにより検出される。その振動が各
振動センサに到達するまでの相対的な時間差は、振動が
加えられた位置から、それぞれのセンサまでの距離の差
と、振動体上の振動の伝達速度によって決まる。従っ
て、この時間差を楽音の演奏情報、例えば音高データや
打楽器の種類などの音色データなどに予め割り当ててお
くことにより、振動体をショットする位置によって所望
の演奏情報を入力することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器を演奏するた
めの入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、電子楽器を演奏操作するには、例えば電子鍵盤楽器
では鍵盤が、電子弦楽器では弦が、電子打楽器ではパッ
ドが必要であり、通常、これらは電子楽器の演奏操作手
段の一部として電子楽器に組み込まれ又は独立した装置
として用意される固定された入力装置である。
【0003】しかし、ユーザによっては、例えば自分の
周囲にある、机、壁、木箱などの振動体をスティックな
どで叩くような感覚で演奏を行ないたい場合もある。こ
のような演奏を楽しむためには、上述のように固定され
た入力装置を有する電子楽器では不十分であった。
【0004】本発明の課題は、任意の振動体を電子楽器
の入力装置として使用可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子楽器を演
奏操作させるための楽音データを生成する電子楽器の演
奏入力装置、またはそれを用いた電子楽器を前提とす
る。
【0006】まず、演奏操作により振動が加えられる振
動体の異なる位置に設置され、その振動体に加えられた
振動を検出する複数の振動検出手段を有する。同手段
は、例えば吸盤付きの圧電素子である。
【0007】つぎに、振動体上で複数の振動検出手段間
を振動が伝達する時間である最大時間差を設定する最大
時間差設定手段を有する。同手段は、例えば演奏者に、
何れかの振動検出手段の近傍で振動体に振動を加えさ
せ、その振動が他の振動検出手段で検出されるまでの時
間差を検出し、それを最大時間差として設定する手段で
ある。あるいは、あるいは例えば圧電素子であるいずれ
かの振動検出手段に駆動信号を与えて振動を発生させ、
その振動が他の振動検出手段で検出されるまでの時間差
を検出し、それを最大時間差として設定する手段であ
る。
【0008】つぎに、演奏操作により振動体に加えられ
た振動がその振動が加えられた位置から複数の振動検出
手段に到達するまでの振動伝達時間の相対時間差を計時
する相対時間差計時手段を有する。
【0009】そして、相対時間差計時手段により計時さ
れた相対時間差を最大時間差に基づいて所望の楽音デー
タに変換して出力するマッピング手段を有する。このマ
ッピング手段で相対時間差に対応して変換される楽音デ
ータは、楽音の音高データ、音色データなどである。
【0010】本発明が電子楽器として実現される場合に
は、上述の構成に加えて、更にマッピング手段から出力
される楽音データに基づく楽音信号を発生する楽音信号
発生手段を有する。
【0011】上述の本発明の構成で、マッピング手段で
相対時間差に対応して変換される楽音データを設定する
マッピング設定手段を更に有するように構成できる。ま
た、マッピング手段で相対時間差に対応して変換される
楽音データのそれぞれを表示する表示手段を更に有する
ように構成することもできる。
【0012】更に、最大時間差設定手段において設定さ
れる最大時間差が適切な値でないことを検出することに
より、演奏者が振動体上に設置した複数の振動検出手段
の設置位置が適切でないことを演奏者に認知させるエラ
ー検出手段を更に有するように構成することもできる。
【0013】
【作用】本発明では、我々の身の周りにある品で、振動
を加えると有る程度振動し、かつ振動センサが設置でき
る振動体であれば、簡単な事前作業で、それを楽器の演
奏手段とすることが可能で、その意外性や新規性に富ん
だアイデアで人を楽しませることができる。
【0014】また、従来の鍵盤や電子ドラムのパッドな
どに比べて、はるかにローコストで電子楽器の演奏入力
装置またはそれを用いた電子楽器を実現できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明による2つ
の実施例につき説明する。実施例の外観 図1は本発明の実施例の外観図である。この外観は、後
述する本発明による電子楽器の第1の実施例及び第2の
実施例で共通である。
【0016】図1において、振動体101は、ユーザに
その所望の位置をスティックなどでショットさせること
により演奏を行なわせるためのものである。この振動体
101は、ショットされることによりある程度の振動が
発生するような材質を有し、振動センサが設置できるも
のあれば、図1のような板状のものでなくても、棒や円
筒状のものであってもよい。
【0017】#1の振動センサ102と#2の振動センサ1
03は、振動体101の振動を交流の電気信号に変換す
るもので、振動の有無を検出できるものであれば、その
周波数特性などは問わない。例えば、図2に示すような
ブザー用の圧電素子201などを用いた安価なものでよ
い。この圧電素子201は、吸盤202によって振動体
101の所望の位置に吸着される。
【0018】振動体101に振動が加わると、その振動
が#1の振動センサ102に到達するまでの時間と#2の振
動センサ103に到達するまでの時間との間の時間差
は、振動が加えられた位置から、それぞれのセンサまで
の距離の差と、振動体101上の振動の伝達速度によっ
て決まる。従って、この時間差を楽音の演奏情報、例え
ば音高データや打楽器の種類などの音色データなどに予
め割り当てておくことにより、振動体101をショット
する位置によって所望の演奏情報を入力することができ
る。
【0019】つぎに、スイッチ部104は、電源スイッ
チ105、リセットスイッチ106、および後述するマ
ッピングのために用いられるマッピングスイッチ107
からなる。また、表示部108は、マッピングの設定状
態を表示するためのもので、スピーカ109は、楽音を
放音するものである。本発明による電子楽器の第1の実施例 図3は、上述した図1に示される外観を有する本発明に
よる電子楽器の第1の実施例の全体構成図である。
【0020】まず、振動検出部301は、#1の振動セン
サ102、ゼロクロス検出回路302、およびリトリガ
ブル・ワンショット・マルチバイブレータ303から構
成される。
【0021】つぎに、前述のように、演奏によって図1
の振動体101に振動が加わると、#1の振動センサ10
2の検出信号が0(ゼロ)クロス検出回路302に出力
される。ゼロクロス検出回路302は、上記検出信号に
対応する一定振幅のパルス列信号を出力する。
【0022】その後、そのパルス列信号はリトリガブル
ワンショットマルチバイブレータ204によって、振動
の開始時点から終了時点までに対応する時間幅を有する
1個の振動検出パルスに変換される。その後、振動検出
パルスは、ORゲート307およびCPU(中央演算制
御装置)308の入力ポートI0 へ入力される。
【0023】CPU308は、ROM(Read Only Memor
y)309内のプログラムに従って各種の制御動作を行
い、また、後述する図5に示すような各種のデータ領域
を有するRAM(Random Access Memoy) 310を有す
る。
【0024】さらに振動検出部301と同様な構成を有
する振動検出部304が、#2の振動センサ103(図1
参照)を含んで構成され、#2の振動センサ103による
振動体101の振動検出信号がORゲート307、およ
びCPU308の入力ポートI1 へ出力される。
【0025】このようにして、2つの振動センサ10
2、103からの振動検出信号が、それぞれCPU30
8の入力ポートI0 、I1 に出力されるタイミングの時
間差、すなわち、振動体101に振動が加えられた位置
から2つの振動センサ102、103にその振動が到達
するまでの相対時間差が、CPU308によって計時さ
れる。
【0026】CPU308では、上述のようにして振動
体101の演奏する(叩く)位置によって変化する相対
時間差に対応して、音高データや音色データなどの楽音
データが割り当てられ、それに基づく楽音の発音がサウ
ンドシステム311に対して指定され、その楽音がサウ
ンドシステム311からスピーカ109を介して放音さ
れる。この割り当てを、本実施例では、マッピングと呼
ぶことにする。このマッピングの状態は、スイッチ部1
04のマッピングスイッチ107により設定でき、表示
部108で確認できる(図1参照)。
【0027】CPU308は、割り込み端子INTを備
えており、振動センサ102、103のいずれかが振動
体101の振動を検出すると、ORゲート307の出力
が割り込み端子INTに割り込み信号として入力され、
そのタイミングで後述する図7に示す割り込み処理が実
行される。
【0028】図4は、振動体101上の各領域に、9つ
のそれぞれ異なる音高を有するC音、D音、E音、・・
・、1オクターブ上のC音とD音がそれぞれマッピング
された状態を示した図である。
【0029】いま、各領域にスティックなどで振動が加
えられると、振動が加えられた位置から2つの振動セン
サ102、103に振動が到達するまでの相対時間差
(以後、単に時間差と呼ぶ)は、振動が加わる位置から
各振動センサまでの距離によって変化する。従って、こ
の時間差を検出することができれば、振動体101上で
振動が加えられた領域を定めることができる。
【0030】例えば図4のP1 点に振動が加えられる
と、その振動が#1の振動センサ102と#2の振動センサ
103に到達する各時間は、図4上の時間座標において
それぞれ3と8で、その時間差は−5である。また、図
4のP2 点およびP3 点にそれぞれ振動が加えられる
と、それぞれの時間は、2と7、および4と9で、時間
差はいずれも−5である。このようにして、P1
2 、P3 の3点をむすぶ時間差−5の曲線が描かれ
る。
【0031】同様にして、時間差−7、−5、−3、+
1、+3、+5、+7の各位置を示す各曲線が得られ
る。また、例えば#1の振動センサ102の位置で振動が
加えられたときに時間差は−9になり、これが後述する
−MAXに相当する。一方、#2の振動センサ103の点
に振動が加えられたときに時間差は9になり、これが後
述するMAXに相当する。このMAXが、後述する最大
時間差として規定される。
【0032】本実施例では、上述の時間差によって区分
けされる9つの領域に、例えばC音(例えばノートナン
バーを1とする)、D音(同じくノートナンバー2)、
E音(ノートナンバー3)、・・・、1オクターブ上の
C音(ノートナンバー8)とD音(ノートナンバー9)
が割り当てられる。
【0033】図8は、時間差−9〜9と、この時間差に
対応するノートナンバー1〜9との対応関係を示す図で
ある。まず、図8において、(a)に示される時間差−
9〜9を、−MAX(−9)を基準として、(b)に示
される時間差0〜18に書き替える。そして、図8の
(a)で示される時間軸上の時間差をd、(b)で示さ
れる時間軸上の時間差をd´とすれば、次式が成り立
つ。
【0034】
【数1】d´=d+MAX 次に、時間差d´の値0〜18をノートナンバー1〜9
に対応させる。いま、図8の(b)、(c)に示される
ように、時間差d´に対応するノートナンバーをN、ノ
ートナンバーの最高値をMAX.NOTE(図8の例では9)と
すると、次式の内分関係が成り立つ。
【0035】
【数2】 d´: 2・MAX = N : MAX.NOTE 数2式及び数1式より、ノートナンバーNは、次式で求
まる。
【0036】
【数3】 N=(d´・MAX.NOTE)/(2・MAX) ={(d+MAX)・MAX.NOTE}/(2・MAX) 但し、Nは、それが小数であるときは、切り上げられて
整数にされる。具体例として、図9に、MAX=9、MA
X.NOTE=9の場合において、数3式に基づいて計算され
る時間差d´=0、1、2、・・・、17、18に対応
するノートナンバー値、およびそのノートナンバー値の
小数部が切り上げられたノートナンバーNが示されてい
る。各ノートナンバーNは、前述の図4のC音、D音、
・・・、1オクターブ上のC音とD音の各領域に対応し
ている。
【0037】以上説明したように、時間差に対応して設
定された振動体101の所望の領域をショットすること
によって、予め指定された音色の楽音を所望の音高で演
奏することができ、例えばシンバルの音色で1オクター
ブにわたる音階音を演奏することができる。
【0038】上述の例は、時間差に対応して設定された
振動体101上の各領域に、それぞれ異なる楽音データ
として、音高データであるノートナンバーがマッピング
された場合の例である。ここで、時間差に対応する楽音
データは、上述のような音高データに限られず、パーカ
ッション楽器などの各音色データであってもよい。この
場合は、上記ノートナンバーNが、各音色を表すナンバ
に置き換えられる。
【0039】つぎに、上述した構成を有する本発明によ
る電子楽器の第1の実施例の動作について説明する。図
6は、本実施例のメインフローチャートであり、図3の
CPU308がROM309に記憶されているプログラ
ムを実行する動作として実現される。なお、このプログ
ラムの実行にあたって、図3のRAM310には、図5
に示される各変数領域が確保される。
【0040】図6において、まず、電源スイッチ105
(図1参照)がONされると、CPU308内のカウン
タやRAM311の内容などがクリアされる初期化が行
われる(ステップS601)。
【0041】つぎに、ユーザによるマッピングスイッチ
107の設定内容に基づいて、所望のマッピングが設定
される。つまり前述の時間差に対応させるのが、楽音デ
ータの中で音高であるのかあるいは音色であるのかなど
が選択される(ステップS602)。
【0042】その後、振動体101に設けられる#1の振
動センサ102および#2の振動センサ103の各位置を
設定する設定モードにするために、CPU308内のR
AM310の「MODE」領域(図5参照)に値1が入
力される(ステップS603)。
【0043】つぎのステップS604では、「MOD
E」領域の値が0になったか否かの判定が行なわれる。
後述する図7の割り込み処理により「MODE」領域の
値が0にされない限りは、ステップS604の判定はN
Oとなり、メインフローの処理は待ち状態となる。
【0044】この状態において、ユーザが、#1の振動セ
ンサ102および#2の振動センサ103を振動体101
にセットした後、それらの位置の設定を行なうためにい
ずれか一方の振動センサの近傍をショットすると、振動
センサ102又は103のいずれかよりORゲート30
7を介してCPU308の割り込み端子INTに割り込
み信号が入力され、そのタイミングで図7の動作フロー
チャートで示される割り込み処理が実行される。このフ
ローは、CPU308がROM309に記憶されている
割り込みプログラムを実行する動作として実現される。
【0045】図7において、まずCPU308のポート
0 とI1 に、2つの振動センサ102、103から、
振動検出信号が同時に入力したか否かが判定される(ス
テップS701)。
【0046】もし振動検出信号が同時に入力した場合
は、CPU308内のRAM310の「時間差」領域に
値0が代入される(ステップS702)。一方、振動検
出信号が同時に入力しない場合は、先に振動検出信号の
入力があったポートのポート番号(ポートNo. )が、C
PU308内のRAM310の「FIRST」領域にセ
ットされる(ステップS703)。
【0047】つぎに、CPU308内の特には図示しな
いタイマがリセットされ、第2の振動検出信号が入力さ
れるまでの時間の計測が開始される(ステップS70
4)。ここで、タイマの計測値は、特には図示しないタ
イマ割り込み処理によってRAM310内の「タイマ」
領域(図5参照)に順次入力される。
【0048】つづいて、第2の振動検出信号の入力を待
ち(ステップS705)、その入力があったら、そのと
き「タイマ」領域に入力されている時間計時値が、RA
M310の「時間差」領域(図5参照)にセットされる
(ステップS706)。
【0049】その後、「MODE」領域の値が1である
か否か、すなわち設定モードであるか否かが判定される
(ステップS707)。図6のメインフローのステップ
S604の待ち状態において割り込みがかかった場合に
は、「MODE」領域の値は1、すなわち設定モードで
ある。この場合には、「時間差」領域の値が予め設定さ
れている有効時間差値内に入っているか否かが判定され
る(ステップS708)。なお、有効時間差値は、RO
M309に格納されている。
【0050】この判定がYESの場合、上記「時間差」
領域の値が、最大時間差としてRAM310の「MA
X」領域(図5参照)に格納される(ステップS70
9)。そして、「MODE」領域に値0がセットされて
(ステップS710)、図6のメインフローの処理にリ
ターンする。
【0051】一方、もし設置された#1の振動センサ10
2と#2の振動センサ103が接近しすぎていると、ステ
ップS708で、計時された上記「時間差」領域の値が
有効時間差内に入らないと判定される。この場合には、
振動センサの設置位置が不適切であることを知らせるエ
ラー音がスピーカ109から発せられ(ステップS71
1)、図6のメインフローの処理にリターンする。
【0052】図6のメインフローのステップS604の
待ち状態において、図7のフローで示される割り込み処
理が実行された後、上記センサの位置設定の動作が正常
に行なわれステップS710で「MODE」領域に値0
が設定されていれば、ステップS604の判定がYES
となる。この場合、振動センサの配置終了を知らせる信
号音が発せられ(ステップS605)、スイッチ部10
4のリセットスイッチ106(図1参照)が押されるの
を待つ状態となる(ステップS606)。この待ち状態
において、ユーザは演奏入力を行なうことができるよう
になる。
【0053】一方、図6のステップS604の待ち状態
において、図7のフローで示される割り込み処理が実行
された後、上記センサの位置設定の動作が正常に行なわ
れなかった場合には、「MODE」領域の値は1のまま
であるため、ステップS604の判定はYESとならな
い。この場合には、ユーザは、振動体101上の#1の振
動センサ102と#2の振動センサ103の位置を修正し
た後、それらの位置の設定を行なうためにいずれか一方
の振動センサの近傍をショットし直す。これにより、図
7のステップS708以降のセンサ位置の設定処理が繰
り返されることになる。
【0054】上記設定動作の後、図6のメインフローの
ステップS606の待ち状態において、ユーザが演奏入
力を行なうために振動体101上の任意の位置をショッ
トすると、振動センサ102又は103のいずれかより
ORゲート307を介してCPU308の割り込み端子
INTに割り込み信号が入力され、そのタイミングで図
7の動作フローチャートで示される割り込み処理が再び
実行される。
【0055】まず、前述したステップS701〜S70
6の処理によって、先の振動検出信号の入力時点から後
の振動検出信号の入力時点までの時間差が、RAM31
0の「時間差」領域(図5参照)にセットされる(ステ
ップS706)。
【0056】その後、「MODE」領域の値が1である
か否か、すなわち設定モードであるか否かが判定される
(ステップS707)。図6のメインフローのステップ
S606の待ち状態において割り込みがかかった場合に
は、「MODE」領域の値は0、すなわち演奏モードで
ある。この場合には、ステップS707の判定がNOと
なる。
【0057】この場合、まず、前述したステップS70
3で設定されたRAM310の「FIRST]領域の値
が0であるか、すなわち先に振動検出信号の入力があっ
たポートがI0 であるか否かが判定される(ステップS
712)。そのポートがI0であると判定される場合
は、図4に示すように振動が加えられた位置が#1の振動
センサ102の方に近い場合である。この場合には、
「時間差」領域に設定されている値に負符号が付与され
(ステップS713)、負の時間差が設定される(図4
参照)。一方、上記ポートがI1 であると判定される場
合は、図4に示すように振動が加えられた位置が#2の振
動センサ103の方に近い場合である。この場合には、
「時間差」領域に設定されている値に負符号は付与され
ず、正の時間差が設定される(図4参照)。
【0058】つぎに、「時間差」領域に設定された値が
時間差dとされ、その時間差dに基づいて、前述した数
3式により、ノートナンバーNが算出される(ステップ
S714)。
【0059】そして、その算出されたノートナンバーN
に対応するノート指定データがサウンドシステム311
に出力され、そこからスピーカ109を介してノートナ
ンバーNに対応する楽音が放音される(ステップS71
5)。
【0060】例えば、図4のP4 の位置がショットされ
ると、振動体101上の振動が#1の振動センサ102と
#2の振動センサ103に到達する時間はそれぞれ4、6
であり、その時間差は2である。この場合には、振動が
加えられた位置が#1の振動センサ102の方に近いた
め、ステップS712の判定がYESとなり、時間差2
は−2にされる。その結果、図4に示されるように、時
間差−2は時間差−1〜−3の領域内にあるので、F音
の音高を有する楽音が放音される。
【0061】以上の動作の後、図6のメインフローにリ
ターンする。上述の図7の割り込み処理の後は、図6の
メインフローではステップS606の待ち状態が維持さ
れ、ユーザは、演奏入力を続けることができる。すなわ
ち、ユーザによって振動体101上の任意の位置がショ
ットされる毎に、図7の動作フローチャートで示される
割り込み処理が実行され、ショットされた位置に対応す
る楽音の放音が繰返される。
【0062】ユーザは、センサ位置の設定をし直したい
場合には、スイッチ部104のリセットスイッチ106
を押す。この結果、図6のステップS606の判定がY
ESとなり、ステップS603に戻って、前述のセンサ
位置の設定動作が再び実行される。本発明による電子楽器の第2の実施例 図10は、前述した図1に示される外観を有する本発明
による電子楽器の第2の実施例の全体構成を表すブロッ
ク図である。
【0063】第1の実施例では、ユーザは、#1の振動セ
ンサ102と#2の振動センサ103を振動体101に設
定した後、それらの位置の設定を行なうためにいずれか
一方の振動センサの近傍をショットした。これに対し
て、第2の実施例では、ユーザが#1の振動センサ102
と#2の振動センサ103を振動体101に設定した後、
CPU308が、いずれかの振動センサを振動させ、そ
の振動を他の振動センサを介して検出することによっ
て、自動的に位置の設定を行なう。
【0064】図10は、本発明による第2の実施例の全
体構成図であり、図3の第1の実施例の場合と同じ番号
が付された部分は同じ機能を有する。図10の構成が図
3の構成と異なる点は、以下の通りである。
【0065】すなわち、まず、CPU308から出力さ
れる制御信号1005がローレベルのときには、ゲート
1003が閉じられ、一方、ゲート1002には制御信
号1005がインバータ1004で反転されて得られる
ハイレベルの制御信号が入力するためゲート1002が
開かれる。この場合の電気的な接続関係は、図3の場合
と全く同様になる。
【0066】一方、CPU308から出力される制御信
号1005がハイレベルになると、ゲート1003が閉
じられ、一方、ゲート1002には制御信号1005が
インバータ1004で反転されて得られるローレベルの
制御信号が入力するためゲート1002が閉じられる。
この結果、CPU308から、ゲート1003を介し
て、#1の振動センサ102を振動させるための駆動信号
が同センサ102へ出力される。
【0067】つぎに、上述した構成を有する本発明によ
る電子楽器の第2の実施例の動作について説明する。図
11は、本実施例のメインフローチャートであり、図1
0のCPU308がROM309に記憶されているプロ
グラムを実行する動作として実現される。なお、このプ
ログラムの実行にあたって、図10のRAM310に
は、前述した図5に示される各変数領域が確保される。
但し、「MODE」領域は必要とされない。
【0068】図11において、まず、電源スイッチ10
5(図1参照)がONされると、CPU308内のカウ
ンタやRAM311の内容などがクリアされる初期化が
行われる(ステップS1101)。
【0069】つぎに、ユーザによるマッピングスイッチ
107の設定内容に基づいて、所望のマッピングが設定
される。つまり前述の時間差に対応させるのが、楽音デ
ータの中で音高であるのかあるいは音色であるのかなど
が選択される(ステップS1102)。
【0070】つぎに、前述したようにして#1の振動セン
サ102が駆動され、振動体101が振動される(ステ
ップS1103)。これと同時にCPU308内のタイ
マがリセットされ時間の計測が開始される(ステップS
1104)。ここで、タイマの計測値は、特には図示し
ないタイマ割り込み処理によってRAM310内の「タ
イマ」領域(図5参照)に順次入力される。
【0071】つづいて、#2の振動センサ103からの振
動検出信号の入力を待ち(ステップS1105)、その
入力があったら、そのとき「タイマ」領域に入力されて
いる時間計時値が、RAM310の「時間差」領域(図
5参照)にセットされる(ステップS1106)。
【0072】つぎに、上記「時間差」領域の値が予め設
定されている有効時間差値内に入っているか否かが判定
される(ステップS1107)。なお、有効時間差値
は、ROM309に格納されている。
【0073】この判定がYESの場合には、上述の「時
間差」領域の値が、最大時間差としてRAM310の
「MAX」領域(図5参照)に格納される(ステップS
1108)。
【0074】その後、振動センサの配置終了を知らせる
信号音が発せられ(ステップS1109)、スイッチ部
104のリセットスイッチ106(図1参照)が押され
るのを待つ状態となる(ステップS1111)。この待
ち状態において、ユーザは演奏入力を行なうことができ
るようになる。
【0075】一方、もし設置された#1の振動センサ10
2と#2の振動センサ103が接近しすぎているあるいは
離れすぎていると、ステップS1107で、計時された
上記「時間差」領域の値が有効時間差内に入らないと判
定される。この場合には、振動センサの設置位置が不適
切であることを知らせるエラー音がスピーカ109から
発せられ(ステップS1110)、ステップS1103
に戻る。この場合には、ユーザは、振動体101上の#1
の振動センサ102と#2の振動センサ103の位置を修
正し、それとともにステップS1103〜S1107の
センサ位置の設定処理が繰り返されることになる。
【0076】上記設定動作の後、図11のメインフロー
のステップS1111の待ち状態において、ユーザが演
奏入力を行なうために振動体101上の任意の位置をシ
ョットすると、振動センサ102又は103のいずれか
よりORゲート307を介してCPU308の割り込み
端子INTに割り込み信号が入力され、そのタイミング
で図12の動作フローチャートで示される割り込み処理
が再び実行される。
【0077】図12において、まず、第1の実施例に関
する図7で前述したステップS701〜S706と同様
のステップS1201〜S1206の処理によって、先
の振動検出信号の入力時点から後の振動検出信号の入力
時点までの時間差が、RAM310の「時間差」領域
(図5参照)にセットされる。
【0078】つぎに、ステップS1203で設定された
RAM310の「FIRST]領域の値が0であるか、
すなわち先に振動検出信号の入力があったポートがI0
であるか否かが判定される(ステップS1207)。そ
のポートがI0 であると判定される場合は、第1の実施
例に関する図7で前述したステップS713と同様、
「時間差」領域に設定されている値に負符号が付与され
(ステップS1208)、負の時間差が設定される。一
方、上記ポートがI1 であると判定される場合には、
「時間差」領域に設定されている値に負符号は付与され
ず、正の時間差が設定される。
【0079】つぎに、「時間差」領域に設定された値が
時間差dとされ、その時間差dに基づいて、前述した数
3式により、ノートナンバーNが算出される(ステップ
S1209)。
【0080】そして、その算出されたノートナンバーN
に対応するノート指定データがサウンドシステム311
に出力され、そこからスピーカ109を介してノートナ
ンバーNに対応する楽音が放音される(ステップS12
10)。
【0081】以上の動作の後、図11のメインフローに
リターンする。上述の図12の割り込み処理の後は、図
11のメインフローではステップS1111の待ち状態
が維持され、ユーザは、演奏入力を続けることができ
る。すなわち、ユーザによって振動体101上の任意の
位置がショットされる毎に、図12の動作フローチャー
トで示される割り込み処理が実行され、ショットされた
位置に対応する楽音の放音が繰返される。
【0082】ユーザは、センサ位置の設定をし直したい
場合には、スイッチ部104のリセットスイッチ106
を押す。この結果、図11のステップS1111の判定
がYESとなり、ステップS1103に戻って、前述の
センサ位置の設定動作が再び実行される。他の実施例 以上、説明した2つの実施例では、2つの振動センサが
用いられたが、振動センサを3つ以上用いると、振動体
をさらに細かくマッピングして、所望の楽器音色、ある
いは音高情報を振動体上の特定位置に、割り当てること
が可能である。その一例を図13に示す。この例は、3
つの振動センサS1 、S2 、S3 を用いて、7つの楽器
からなるドラムセットの音色を、振動体上にマッピング
した例である。図4の例に比べて、より細かく領域が指
定されることがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、我々の身の周りにある
品で、振動を加えると有る程度振動し、かつ振動センサ
が設置できる振動体であれば、簡単な事前作業で、それ
を楽器の演奏手段とすることが可能で、その意外性や新
規性に富んだアイデアで人を楽しませることができる。
【0084】また、従来の鍵盤や電子ドラムのパッドな
どに比べて、はるかにローコストで電子楽器の演奏入力
装置またはそれを用いた電子楽器を実現できる。
【0085】
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施例の外観図である。
【0087】
【図2】振動センサの構造図である。
【0088】
【図3】第1の実施例の全体構成図である。
【0089】
【図4】時間差に対応して割り当てられた音高領域を示
す図である。
【0090】
【図5】RAM内の各種の領域を示す図である。
【0091】
【図6】第1の実施例のメイン動作フローチャートであ
る。
【0092】
【図7】第1の実施例の割り込み処理の動作フローチャ
ートである。
【0093】
【図8】時間差とノートナンバーとの対応関係を示す図
である。
【0094】
【図9】数3式により時間差に対応するノートナンバー
が算出された例を示す図である。
【0095】
【図10】本発明による第2の実施例の全体構成図であ
る。
【0096】
【図11】第2の実施例のメイン動作フローチャートで
ある。
【0097】
【図12】第2の実施例の割り込み処理の動作フローチ
ャートである。
【0098】
【図13】3つの振動センサのもとで振動体上に割り当
てられた楽器音色を示す図である。
【0099】
【符号の説明】
101 振動体 102、103 振動センサ 104 スイッチ部 105 電源スイッチ 106 リセットスイッチ 107 マッピングスイッチ 108 表示部 109 スピーカ 201 圧電素子 202 吸盤 301、304 振動検出部 302、305 ゼロクロス検出回路 303、306 リトリガブル・ワンショット・マルチ
バイブレータ 307 ORゲート 308 CPU 309 ROM 310 RAM 311 サウンドシステム 1002、1003 ゲート 1004 インバータ 1005 制御信号 1006 駆動信号
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の外観図である。
【図2】振動センサの構造図である。
【図3】第1の実施例の全体構成図である。
【図4】時間差に対応して割り当てられた音高領域を示
す図である。
【図5】RAM内の各種の領域を示す図である。
【図6】第1の実施例のメイン動作フローチャートであ
る。
【図7】第1の実施例の割り込み処理の動作フローチャ
ートである。
【図8】時間差とノートナンバーとの対応関係を示す図
である。
【図9】数3式により時間差に対応するノートナンバー
が算出された例を示す図である。
【図10】本発明による第2の実施例の全体構成図であ
る。
【図11】第2の実施例のメイン動作フローチャートで
ある。
【図12】第2の実施例の割り込み処理の動作フローチ
ャートである。
【図13】3つの振動センサのもとで振動体上に割り当
てられた楽器音色を示す図である。
【符号の説明】 101 振動体 102、103 振動センサ 104 スイッチ部 105 電源スイッチ 106 リセットスイッチ 107 マッピングスイッチ 108 表示部 109 スピーカ 201 圧電素子 202 吸盤 301、304 振動検出部 302、305 ゼロクロス検出回路 303、306 リトリガブル・ワンショット・マルチ
バイブレータ 307 ORゲート 308 CPU 309 ROM 310 RAM 311 サウンドシステム 1002、1003 ゲート 1004 インバータ 1005 制御信号 1006 駆動信号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子楽器を演奏操作させるための楽音デ
    ータを生成する電子楽器の演奏入力装置において、 演奏操作により振動が加えられる振動体の異なる位置に
    設置され、該振動体に加えられた前記振動を検出する複
    数の振動検出手段と、 前記振動体上で前記複数の振動検出手段間を振動が伝達
    する時間である最大時間差を設定する最大時間差設定手
    段と、 前記演奏操作により振動体に加えられた振動が該振動が
    加えられた位置から前記複数の振動検出手段に到達する
    までの振動伝達時間の相対時間差を計時する相対時間差
    計時手段と、 前記相対時間差計時手段により計時された前記相対時間
    差を前記最大時間差に基づいて所望の楽音データに変換
    して出力するマッピング手段と、 を有することを特徴とする電子楽器の演奏入力装置。
  2. 【請求項2】 演奏操作により振動が加えられる振動体
    の異なる位置に設置され、該振動体に加えられた前記振
    動を検出する複数の振動検出手段と、 前記振動体上で前記複数の振動検出手段間を振動が伝達
    する時間である最大時間差を設定する最大時間差設定手
    段と、 前記演奏操作により振動体に加えられた振動が該振動が
    加えられた位置から前記複数の振動検出手段に到達する
    までの振動伝達時間の相対時間差を計時する相対時間差
    計時手段と、 前記相対時間差計時手段により計時された前記相対時間
    差を前記最大時間差に基づいて所望の楽音データに変換
    して出力するマッピング手段と、 該マッピング手段から出力される楽音データに基づく楽
    音信号を発生する楽音信号発生手段と、 を有することを特徴とする電子楽器。
  3. 【請求項3】 前記マッピング手段で前記相対時間差に
    対応して変換される楽音データを設定するマッピング設
    定手段を更に有する、 ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の
    電子楽器の演奏入力装置またはそれを用いた電子楽器。
  4. 【請求項4】 前記マッピング手段で前記相対時間差に
    対応して変換される楽音データは、楽音の音高データで
    ある、 ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の
    電子楽器の演奏入力装置またはそれを用いた電子楽器。
  5. 【請求項5】 前記マッピング手段で前記相対時間差に
    対応して変換される楽音データは、楽音の音色データで
    ある、 ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の
    電子楽器の演奏入力装置またはそれを用いた電子楽器。
  6. 【請求項6】 前記マッピング手段で前記相対時間差に
    対応して変換される楽音データのそれぞれを表示する表
    示手段を更に有する、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の
    電子楽器の演奏入力装置またはそれを用いた電子楽器。
  7. 【請求項7】 前記最大時間差設定手段において設定さ
    れる最大時間差が適切な値でないことを検出することに
    より、演奏者が前記振動体上に設置した前記複数の振動
    検出手段の設置位置が適切でないことを演奏者に認知さ
    せるエラー検出手段を更に有する、 ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の
    電子楽器の演奏入力装置またはそれを用いた電子楽器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006090528A1 (ja) * 2005-02-24 2006-08-31 National University Corporation Kyushu Institute Of Technology 楽音生成方法およびその装置
EP3291221A1 (en) 2016-08-30 2018-03-07 Roland Corporation Electronic percussion instrument and control device thereof
EP4187531A1 (en) 2021-11-29 2023-05-31 Roland Corporation Drumhead, percussion instrument and tension application method

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US10181313B2 (en) 2016-08-30 2019-01-15 Roland Corporation Electronic percussion instrument
US10255895B2 (en) 2016-08-30 2019-04-09 Roland Corporation Electronic percussion instrument
US10276141B2 (en) 2016-08-30 2019-04-30 Roland Corporation Electronic percussion instrument and control device thereof
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