JPH05232017A - 米の食味評価装置 - Google Patents
米の食味評価装置Info
- Publication number
- JPH05232017A JPH05232017A JP3296752A JP29675291A JPH05232017A JP H05232017 A JPH05232017 A JP H05232017A JP 3296752 A JP3296752 A JP 3296752A JP 29675291 A JP29675291 A JP 29675291A JP H05232017 A JPH05232017 A JP H05232017A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rice
- sample
- taste
- taste evaluation
- evaluation value
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- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 米の食味に影響を及ぼす複数の成分で、少な
くとも水分を含む複数の成分を近赤外線分光分析装置に
より測定し、官能試験で得られる食味評価値と等価な米
の食味評価値の演算及び表示を可能とする。 【構成】 水分を含む米の複数の成分の吸光度を近赤外
線分光分析装置により測定・検出し、その各検出信号
を、記憶装置に予め記憶された食味評価値計算のための
特定係数で調整したのち、演算装置によって食味評価値
を算出し、得られた食味評価値を表示装置によって表示
することを特徴とする。
くとも水分を含む複数の成分を近赤外線分光分析装置に
より測定し、官能試験で得られる食味評価値と等価な米
の食味評価値の演算及び表示を可能とする。 【構成】 水分を含む米の複数の成分の吸光度を近赤外
線分光分析装置により測定・検出し、その各検出信号
を、記憶装置に予め記憶された食味評価値計算のための
特定係数で調整したのち、演算装置によって食味評価値
を算出し、得られた食味評価値を表示装置によって表示
することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米の食味を評価する食
味評価装置に関し、より詳しくは、米に含まれる所定の
成分の含有率を測定し、その測定値に基づき米の食味評
価を行う装置に関する。
味評価装置に関し、より詳しくは、米に含まれる所定の
成分の含有率を測定し、その測定値に基づき米の食味評
価を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】米の品質、特にその食味は、品種の選
択,生産地,栽培方法,収穫方法等の生産段階で決定す
るもの、乾燥,貯蔵,精米加工等の収穫後の加工処理段
階で決定するもの、また、炊飯加工時に影響を受けるも
のと多岐に亘るものであるが、米の食味が最も大きな影
響を受けるのは生産段階であり、次に加工処理段階であ
る。
択,生産地,栽培方法,収穫方法等の生産段階で決定す
るもの、乾燥,貯蔵,精米加工等の収穫後の加工処理段
階で決定するもの、また、炊飯加工時に影響を受けるも
のと多岐に亘るものであるが、米の食味が最も大きな影
響を受けるのは生産段階であり、次に加工処理段階であ
る。
【0003】従来、米の品質評価、特に食味に関する評
価は、複数の専門審査官が食味評価の対象となる米の外
観,香り,味,粘り,硬さ等の各比較項目を、評価の基
準となる基準米のそれらと比較してどれだけ優れている
か或いは劣っているかを繰り返し試験し、その平均値を
とる、所謂官能試験により行われていた。しかしなが
ら、この官能試験は、人により個人差がある味覚に基づ
き行われるものであるため、仮に複数の審査官による複
数の評価結果の平均をとったとしても、その評価値が時
と場所を変えても不変な客観的且つ絶対的な値とは言え
ない。
価は、複数の専門審査官が食味評価の対象となる米の外
観,香り,味,粘り,硬さ等の各比較項目を、評価の基
準となる基準米のそれらと比較してどれだけ優れている
か或いは劣っているかを繰り返し試験し、その平均値を
とる、所謂官能試験により行われていた。しかしなが
ら、この官能試験は、人により個人差がある味覚に基づ
き行われるものであるため、仮に複数の審査官による複
数の評価結果の平均をとったとしても、その評価値が時
と場所を変えても不変な客観的且つ絶対的な値とは言え
ない。
【0004】また、米の組成、理化学的性質を科学的に
測定・分析し、前述官能試験で得られた食味評価値との
間の相関関係を調べ、最終的には科学的に得られた測定
値から米の食味評価を行なおうとする種々の研究が進め
らてきた。これらの種々の研究においては、育種学的見
地から良食味米を選抜すること、及び消費的見地から米
の食味を客観的且つ絶対的な数値として捉えることを目
的に、数々の機器及び理化学的測定方法を用いて食味を
左右する原因の追求が行なわれた。その結果、米を構成
する成分のうち米の食味を評価する上で特に重要なもの
が、米の澱粉質を構成するアミロースとアミロペクチン
の含有比率、蛋白質の含有率及び水分の含有率であるこ
とが判明している。しかしながら、単一の装置によっ
て、米の食味を左右する種々の要素を測定し、その結果
から食味評価を行なおうとする技術的思想はなく、ま
た、そのような装置も従来全く存在しない。そのため、
米の食味を評価しなければならない場合、従来は官能試
験以外に手段がなく、多数の人員と多くの時間を要して
いた。
測定・分析し、前述官能試験で得られた食味評価値との
間の相関関係を調べ、最終的には科学的に得られた測定
値から米の食味評価を行なおうとする種々の研究が進め
らてきた。これらの種々の研究においては、育種学的見
地から良食味米を選抜すること、及び消費的見地から米
の食味を客観的且つ絶対的な数値として捉えることを目
的に、数々の機器及び理化学的測定方法を用いて食味を
左右する原因の追求が行なわれた。その結果、米を構成
する成分のうち米の食味を評価する上で特に重要なもの
が、米の澱粉質を構成するアミロースとアミロペクチン
の含有比率、蛋白質の含有率及び水分の含有率であるこ
とが判明している。しかしながら、単一の装置によっ
て、米の食味を左右する種々の要素を測定し、その結果
から食味評価を行なおうとする技術的思想はなく、ま
た、そのような装置も従来全く存在しない。そのため、
米の食味を評価しなければならない場合、従来は官能試
験以外に手段がなく、多数の人員と多くの時間を要して
いた。
【0005】次に、米を構成する各成分の含有率の大小
が米の品質、特にその食味にどのように影響するかを説
明する。一般的に、日本で食味の良い米として人気が高
い銘柄は、コシヒカリとササニシキである。一例とし
て、コシヒカリ、ササニシキを含めて数種銘柄米の各標
準精白度白米が含有する蛋白質の含有率と澱粉質に占め
るアミロースの含有比率を比較して表にすると次の第1
表の通りとなる。なお、同一銘柄であれば各成分の含有
率が表に示すものと常に同一であるというものではな
く、栽培された産地の地質条件(土質,水質)によって
も、また気象条件(気温,日照時間,降雨量等)によっ
ても各成分の含有率が微妙に変化することは言うまでも
ない。
が米の品質、特にその食味にどのように影響するかを説
明する。一般的に、日本で食味の良い米として人気が高
い銘柄は、コシヒカリとササニシキである。一例とし
て、コシヒカリ、ササニシキを含めて数種銘柄米の各標
準精白度白米が含有する蛋白質の含有率と澱粉質に占め
るアミロースの含有比率を比較して表にすると次の第1
表の通りとなる。なお、同一銘柄であれば各成分の含有
率が表に示すものと常に同一であるというものではな
く、栽培された産地の地質条件(土質,水質)によって
も、また気象条件(気温,日照時間,降雨量等)によっ
ても各成分の含有率が微妙に変化することは言うまでも
ない。
【0006】
【0007】上記第1表より、コシヒカリとササニシキ
の食味が良いとする主要素が、他の一般銘柄米に比べ
て、蛋白質の含有率が少ないことと、澱粉質に占めるア
ミロースの含有比率が少ないことにあることが理解でき
る。
の食味が良いとする主要素が、他の一般銘柄米に比べ
て、蛋白質の含有率が少ないことと、澱粉質に占めるア
ミロースの含有比率が少ないことにあることが理解でき
る。
【0008】上述したように蛋白質の含有率及び澱粉質
に占めるアミロースの含有比率が米の食味に大きな影響
を及ぼすこととは別に、白米の含水率も、品質、特に炊
飯時の米の粘度,硬度に関連して食味に大きな影響を及
ぼす。白米の含水率が15%程度の場合、炊飯時、釜の
水中に浸漬しても白米に水分亀裂が生じず完全な飯粒に
炊き上がるが、含水率が14%を割った白米の場合に
は、浸漬時の吸水速度が早過ぎて瞬間的に米粒に亀裂を
生じ、間もなく米粒内質に貫通亀裂を生じるため、その
割れ目に吸水し割れ目から糊を涌出し、また砕米も同様
に一気に吸水するのでべたついた米飯に炊き上がり、し
かも米飯が崩れているため噛みごたえも粘りもない低食
味の米飯となる。白米の含水率が14%を割ることの主
なる原因は、米の収穫後の加工処理段階、特に乾燥作業
での過剰乾燥と、これに続く精米作業での砕米の発生と
摩擦発熱に伴う乾燥の進行と言える。したがって、含水
率が14%を割り品質が低下した白米としないために
は、乾燥作業においては、過剰乾燥とならないように乾
燥機の機械操作が必要であるし、また精米作業において
は、部品の摩耗等による砕米の発生あるいは摩擦発熱に
よる過剰乾燥を誘起しないように精米機の管理及び調整
が必要である。なお、過剰乾燥等が原因で、含水率がす
でに14%を割り食味の低下した白米の品質を復元する
ための装置として白米調湿装置があるが、これは、含水
率が水中亀裂を発生しない安全範囲の15%前後になる
まで、米粒に亀裂を生じない安全吸水速度以内の水分吸
水速度においてそのような米粒に水分を供給する装置で
ある。
に占めるアミロースの含有比率が米の食味に大きな影響
を及ぼすこととは別に、白米の含水率も、品質、特に炊
飯時の米の粘度,硬度に関連して食味に大きな影響を及
ぼす。白米の含水率が15%程度の場合、炊飯時、釜の
水中に浸漬しても白米に水分亀裂が生じず完全な飯粒に
炊き上がるが、含水率が14%を割った白米の場合に
は、浸漬時の吸水速度が早過ぎて瞬間的に米粒に亀裂を
生じ、間もなく米粒内質に貫通亀裂を生じるため、その
割れ目に吸水し割れ目から糊を涌出し、また砕米も同様
に一気に吸水するのでべたついた米飯に炊き上がり、し
かも米飯が崩れているため噛みごたえも粘りもない低食
味の米飯となる。白米の含水率が14%を割ることの主
なる原因は、米の収穫後の加工処理段階、特に乾燥作業
での過剰乾燥と、これに続く精米作業での砕米の発生と
摩擦発熱に伴う乾燥の進行と言える。したがって、含水
率が14%を割り品質が低下した白米としないために
は、乾燥作業においては、過剰乾燥とならないように乾
燥機の機械操作が必要であるし、また精米作業において
は、部品の摩耗等による砕米の発生あるいは摩擦発熱に
よる過剰乾燥を誘起しないように精米機の管理及び調整
が必要である。なお、過剰乾燥等が原因で、含水率がす
でに14%を割り食味の低下した白米の品質を復元する
ための装置として白米調湿装置があるが、これは、含水
率が水中亀裂を発生しない安全範囲の15%前後になる
まで、米粒に亀裂を生じない安全吸水速度以内の水分吸
水速度においてそのような米粒に水分を供給する装置で
ある。
【0009】なお、米の食味に大きな影響を及ぼす米の
上記成分、即ち蛋白質、澱粉質、水分の各含有率の他、
脂肪の含有率の大小も、その含有率が低いほど米の食味
が良いとされるように、米の食味に影響を及ぼすが、影
響の度合いは前記3成分の含有率の大小による程大きな
ものではないと言える。
上記成分、即ち蛋白質、澱粉質、水分の各含有率の他、
脂肪の含有率の大小も、その含有率が低いほど米の食味
が良いとされるように、米の食味に影響を及ぼすが、影
響の度合いは前記3成分の含有率の大小による程大きな
ものではないと言える。
【0010】通常、精米工場では、食味の良い単一銘柄
米のみを大量に確保することが困難なため、食味におい
て差のある数種類或いは数銘柄の米、例えば食味評価の
上位ランク米と低位ランク米とを、その混合比を適度に
調節することにより食味の安定した精白米の流通を図っ
ているが、混合する米の数種銘柄の選定と混合比の決定
は、過去に調査した食味データを基に勘に頼って処理が
なされているのが実情で、科学的な裏付けが全くないた
めに、目標通りの食味の安定した精白米とはならない場
合も多く、消費者から苦情が提起されることが度々あっ
た。
米のみを大量に確保することが困難なため、食味におい
て差のある数種類或いは数銘柄の米、例えば食味評価の
上位ランク米と低位ランク米とを、その混合比を適度に
調節することにより食味の安定した精白米の流通を図っ
ているが、混合する米の数種銘柄の選定と混合比の決定
は、過去に調査した食味データを基に勘に頼って処理が
なされているのが実情で、科学的な裏付けが全くないた
めに、目標通りの食味の安定した精白米とはならない場
合も多く、消費者から苦情が提起されることが度々あっ
た。
【0011】また一方、うるち米(一般白米)にモチ米
を若干量加えて炊飯すると、米飯の粘性が増大して食味
が向上することが従来より経験的に知られているが、こ
れを化学成分の変化との関係で説明すると次のことが言
える。澱粉質はアミロースとアミロペクチンとによって
構成されており、澱粉質に占めるアミロースの含有比率
が多くなると、前掲第1表に関連して説明した通り、米
の食味は低下する傾向となる。そこで、澱粉質に占める
アミロペクチンの含有比率が78%程度である一般うる
ち米に、アミロペクチンの含有比率がほぼ100%であ
るモチ米を若干量添加して炊飯すれば、アミロペクチン
の含有比率が多い、即ちアミロースの含有比率が少ない
米の食味とほぼ同等に食味が向上するのである。しか
し、アミロペクチン含有比率がある適度を越すと、粘性
が強くなり過ぎて米飯として逆に食味を低下させること
になる。
を若干量加えて炊飯すると、米飯の粘性が増大して食味
が向上することが従来より経験的に知られているが、こ
れを化学成分の変化との関係で説明すると次のことが言
える。澱粉質はアミロースとアミロペクチンとによって
構成されており、澱粉質に占めるアミロースの含有比率
が多くなると、前掲第1表に関連して説明した通り、米
の食味は低下する傾向となる。そこで、澱粉質に占める
アミロペクチンの含有比率が78%程度である一般うる
ち米に、アミロペクチンの含有比率がほぼ100%であ
るモチ米を若干量添加して炊飯すれば、アミロペクチン
の含有比率が多い、即ちアミロースの含有比率が少ない
米の食味とほぼ同等に食味が向上するのである。しか
し、アミロペクチン含有比率がある適度を越すと、粘性
が強くなり過ぎて米飯として逆に食味を低下させること
になる。
【0012】以上述べたことより、米を構成する化学成
分を科学的に測定・分析することにより、米の食味評価
を客観的に行うこと、また一般的に食味の良いとされる
特定の有名銘柄にとらわれず、一般銘柄米の中から食味
の優れた米を見出すこと、さらには、銘柄の異なる又は
成分含有率の異なる複数種類の米を混合して米の食味を
向上させることのテーマが生まれる。
分を科学的に測定・分析することにより、米の食味評価
を客観的に行うこと、また一般的に食味の良いとされる
特定の有名銘柄にとらわれず、一般銘柄米の中から食味
の優れた米を見出すこと、さらには、銘柄の異なる又は
成分含有率の異なる複数種類の米を混合して米の食味を
向上させることのテーマが生まれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、米の食味に影響を及ぼす所定の成分の含有率を短時
間で測定し、その測定値と前記成分に対応して設定した
食味評価のための特定係数とに基づき、米の食味評価値
を演算・表示することができる米の食味評価装置を提供
することである。
は、米の食味に影響を及ぼす所定の成分の含有率を短時
間で測定し、その測定値と前記成分に対応して設定した
食味評価のための特定係数とに基づき、米の食味評価値
を演算・表示することができる米の食味評価装置を提供
することである。
【0014】本発明の他の目的は、米の食味に影響を及
ぼす所定の成分の含有率を測定し、その測定値と前記成
分に対応して設定した食味評価のための特定係数とに基
づき、米の食味評価値を演算・表示すると共に、複数種
類の米に対する、設定されたある希望条件に基づく最適
混合比率を演算・表示することができる米の食味評価装
置を提供することである。
ぼす所定の成分の含有率を測定し、その測定値と前記成
分に対応して設定した食味評価のための特定係数とに基
づき、米の食味評価値を演算・表示すると共に、複数種
類の米に対する、設定されたある希望条件に基づく最適
混合比率を演算・表示することができる米の食味評価装
置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、試料米
について、米の食味に影響を及ぼす、水分を含む複数の
所定成分を加熱処理もしくは化学処理せずに測定し、そ
の食味評価を行う米の食味評価装置であって、該装置
は、前記試料米を測定部に提供する試料配置部と、光源
と、該光源が発する光のうち前記試料米の前記複数の被
測定成分の吸光度測定にそれぞれ適する特定波長の光の
みを通過させ前記測定部に照射される近赤外光を作る狭
帯域通過フィルターと、前記試料米からの各測定光を検
出する検出器とを有する近赤外分光分析装置と、前記分
析装置に接続され、前記複数の被測定成分の食味影響度
に応じて予め設定した食味評価値計算のための特定係数
を記憶した記憶装置と、該記憶装置に記憶した前記特定
係数によって前記検出器からの各検出信号を食味影響度
に応じて調整した数値に基づき、試料米の食味評価値を
演算する演算装置とを有する制御装置と、前記制御装置
に接続され、前記演算装置が演算した試料米の前記食味
評価値を可視表示又は印字表示する表示装置と、からな
る米の食味評価装置が提供される。
について、米の食味に影響を及ぼす、水分を含む複数の
所定成分を加熱処理もしくは化学処理せずに測定し、そ
の食味評価を行う米の食味評価装置であって、該装置
は、前記試料米を測定部に提供する試料配置部と、光源
と、該光源が発する光のうち前記試料米の前記複数の被
測定成分の吸光度測定にそれぞれ適する特定波長の光の
みを通過させ前記測定部に照射される近赤外光を作る狭
帯域通過フィルターと、前記試料米からの各測定光を検
出する検出器とを有する近赤外分光分析装置と、前記分
析装置に接続され、前記複数の被測定成分の食味影響度
に応じて予め設定した食味評価値計算のための特定係数
を記憶した記憶装置と、該記憶装置に記憶した前記特定
係数によって前記検出器からの各検出信号を食味影響度
に応じて調整した数値に基づき、試料米の食味評価値を
演算する演算装置とを有する制御装置と、前記制御装置
に接続され、前記演算装置が演算した試料米の前記食味
評価値を可視表示又は印字表示する表示装置と、からな
る米の食味評価装置が提供される。
【0016】本発明によれば、前記米の食味評価装置は
更に、前記制御装置の記憶装置へ記憶される各種情報を
入力するための入力装置を有することができ、その情報
が複数の試料米の各米価額と混合のための希望条件であ
れば、前記演算装置は前記入力情報に基づき、混合のた
めの希望条件に合った最適混合比率を演算・表示するこ
とができる米の食味評価装置が提供される。
更に、前記制御装置の記憶装置へ記憶される各種情報を
入力するための入力装置を有することができ、その情報
が複数の試料米の各米価額と混合のための希望条件であ
れば、前記演算装置は前記入力情報に基づき、混合のた
めの希望条件に合った最適混合比率を演算・表示するこ
とができる米の食味評価装置が提供される。
【0017】なお、本発明における米の食味とは、外
観、香り、粘り、硬さ、及び舌で感じる味等を加味した
官能値と同等のものを言う。
観、香り、粘り、硬さ、及び舌で感じる味等を加味した
官能値と同等のものを言う。
【0018】
【実施例】以下、本発明による米の食味評価装置の最初
の実施例を、添付図面図1乃至図5を参照しながら説明
する。
の実施例を、添付図面図1乃至図5を参照しながら説明
する。
【0019】図1は本発明による米の食味評価装置1を
正面から見たときの概略図である。キャビネット2の内
部には、その詳細な構成は次の図2を参照して説明する
近赤外分光分析装置3及び制御装置4が配設される。キ
ャビネット2の前面パネルには、被測定試料米を入れる
試料容器(試料配置部)を装着するための試料容器装着
箱5、装置の操作手順や演算結果等を可視表示する発光
ダイオード又はCRT形式の表示装置6、操作用プッシ
ュボタン7及び演算結果のハードコピーを可能とするプ
リンター8が配設される。制御装置4は、近赤外分光分
析装置3の光源,検出器や、表示装置6、操作用プッシ
ュボタン7、プリンター8等に接続され各種信号を処理
するための入出力信号処理装置4aと、各成分の含有率
を計算するための成分換算係数値、食味評価値を計算す
るために米の主要成分ごとに個別に設定された特定係
数、入力装置(キーボード)9を介して入力される各銘
柄別或いは等級別の米価額、各種補正値及び各種制御手
順等を記憶するための記憶装置4bと、近赤外分光分析
装置3により得られる測定値と前記特定係数とに基づき
米の食味評価値等を演算するための演算装置4cとから
成る。なお、米の主要成分ごとに個別に設定される特定
係数や必要な補正値が、記憶装置4b内の読み出し専用
のメモリ(以下、ROMと言う)に予め記憶されてい
て、食味評価装置1に要求される機能が単に米の食味評
価値を求めるものであり、各種設定条件に基づく最適混
合比率を求める機能が要求されないような場合には、入
力装置としてのキーボード9は必ずしも必要ではない。
また、プリンター8は内蔵型に限られず、外部接続型で
あっても構わない。
正面から見たときの概略図である。キャビネット2の内
部には、その詳細な構成は次の図2を参照して説明する
近赤外分光分析装置3及び制御装置4が配設される。キ
ャビネット2の前面パネルには、被測定試料米を入れる
試料容器(試料配置部)を装着するための試料容器装着
箱5、装置の操作手順や演算結果等を可視表示する発光
ダイオード又はCRT形式の表示装置6、操作用プッシ
ュボタン7及び演算結果のハードコピーを可能とするプ
リンター8が配設される。制御装置4は、近赤外分光分
析装置3の光源,検出器や、表示装置6、操作用プッシ
ュボタン7、プリンター8等に接続され各種信号を処理
するための入出力信号処理装置4aと、各成分の含有率
を計算するための成分換算係数値、食味評価値を計算す
るために米の主要成分ごとに個別に設定された特定係
数、入力装置(キーボード)9を介して入力される各銘
柄別或いは等級別の米価額、各種補正値及び各種制御手
順等を記憶するための記憶装置4bと、近赤外分光分析
装置3により得られる測定値と前記特定係数とに基づき
米の食味評価値等を演算するための演算装置4cとから
成る。なお、米の主要成分ごとに個別に設定される特定
係数や必要な補正値が、記憶装置4b内の読み出し専用
のメモリ(以下、ROMと言う)に予め記憶されてい
て、食味評価装置1に要求される機能が単に米の食味評
価値を求めるものであり、各種設定条件に基づく最適混
合比率を求める機能が要求されないような場合には、入
力装置としてのキーボード9は必ずしも必要ではない。
また、プリンター8は内蔵型に限られず、外部接続型で
あっても構わない。
【0020】図2は、キャビネット2の内部に配設され
る近赤外分光分析装置3の一実施例の要部断面図であ
る。図示される近赤外分光分析装置3は反射式のもので
あり、主なる構成部品として、光源31、反射鏡32、
狭帯域通過フィルター33、積分球34及び検出器35
a,35bを有する。光源31から発せられ、適当な光
学系(図示せず)を通って平行光線となった光は、狭帯
域通過フィルター33を通過することにより特定波長の
近赤外光となった後、傾斜角度を自由に変え得るように
構成された反射鏡32により、積分球34の上部を開口
して設けられた採光窓36に向けて方向を変えられる。
反射鏡32で反射し、積分球34の採光窓36を介して
積分球34の内部に入った近赤外光は、積分球34の底
部を開口して設けられた測定部37、従って試料容器装
着箱5の後方所定位置に載置される試料容器52内の試
料米55に真上から照射される。試料米55からの拡散
反射光は、積分球34の内壁を反射しながら、最終的に
は、測定部37を中心に対称な位置に配設される一対の
検出器35a,35bに到達し、これにより反射光の強
度が測定される。なお、図示実施例では、光学的な対称
性を修正し、試料米55からの反射光を効率良く受光す
るために、検出器は一対即ち参照番号35aと35bで
示される二個が設けられているが、その数は二個に限ら
れることなく、一個であっても又は三個以上の検出器で
あっても構わない。
る近赤外分光分析装置3の一実施例の要部断面図であ
る。図示される近赤外分光分析装置3は反射式のもので
あり、主なる構成部品として、光源31、反射鏡32、
狭帯域通過フィルター33、積分球34及び検出器35
a,35bを有する。光源31から発せられ、適当な光
学系(図示せず)を通って平行光線となった光は、狭帯
域通過フィルター33を通過することにより特定波長の
近赤外光となった後、傾斜角度を自由に変え得るように
構成された反射鏡32により、積分球34の上部を開口
して設けられた採光窓36に向けて方向を変えられる。
反射鏡32で反射し、積分球34の採光窓36を介して
積分球34の内部に入った近赤外光は、積分球34の底
部を開口して設けられた測定部37、従って試料容器装
着箱5の後方所定位置に載置される試料容器52内の試
料米55に真上から照射される。試料米55からの拡散
反射光は、積分球34の内壁を反射しながら、最終的に
は、測定部37を中心に対称な位置に配設される一対の
検出器35a,35bに到達し、これにより反射光の強
度が測定される。なお、図示実施例では、光学的な対称
性を修正し、試料米55からの反射光を効率良く受光す
るために、検出器は一対即ち参照番号35aと35bで
示される二個が設けられているが、その数は二個に限ら
れることなく、一個であっても又は三個以上の検出器で
あっても構わない。
【0021】ここで、光源31と反射鏡32との間に設
けられ、光源31から出た光がこれを通過することによ
り特定波長の近赤外光となる狭帯域通過フィルター33
の構成及びこれに要求される物理的特性等を説明する。
狭帯域通過フィルター33は、それぞれが異なる主波長
通過特性を有する任意複数個のフィルター(例えば、6
個のフィルター33a〜33f)からなり、これらを回
転円盤に取り付けこれを適当角度づつ回動させることに
より、光源31と反射鏡32とを結ぶ線上に所望のフィ
ルターが位置するように順次選択・交換できる構成とす
る。なお、フィルターの通過特性で主波長とは、フィル
ターの面に対して入射光軸が直角の時に透過する近赤外
線のうちの最大透過波長のことである。狭帯域通過フィ
ルター33の他の具体的構成例としては、角柱状の反射
鏡32を内部に位置させ、その反射鏡の各面に対向する
位置に複数個のフィルター33a〜33fをそれぞれ位
置させて角柱状に構成し、これを回転可能とする構成も
ある。なお、狭帯域通過フィルター33が円盤状のもの
であるとき、入射光軸に対するその回転面の傾斜角度
を、電動機等の手段により微細に且つ連続的に調整でき
るようにしておけば、各フィルターが持つ通過特性の主
波長からシフトした異なる波長の近赤外光を連続的に作
り出すことができる。これは、一般的に良く知られてい
る現象であるが、フィルターの面に対する入射光軸の角
度を90°から変化させると、その角度変化に応じて最
大透過波長が主波長から数十nmの範囲でシフトする現
象による。
けられ、光源31から出た光がこれを通過することによ
り特定波長の近赤外光となる狭帯域通過フィルター33
の構成及びこれに要求される物理的特性等を説明する。
狭帯域通過フィルター33は、それぞれが異なる主波長
通過特性を有する任意複数個のフィルター(例えば、6
個のフィルター33a〜33f)からなり、これらを回
転円盤に取り付けこれを適当角度づつ回動させることに
より、光源31と反射鏡32とを結ぶ線上に所望のフィ
ルターが位置するように順次選択・交換できる構成とす
る。なお、フィルターの通過特性で主波長とは、フィル
ターの面に対して入射光軸が直角の時に透過する近赤外
線のうちの最大透過波長のことである。狭帯域通過フィ
ルター33の他の具体的構成例としては、角柱状の反射
鏡32を内部に位置させ、その反射鏡の各面に対向する
位置に複数個のフィルター33a〜33fをそれぞれ位
置させて角柱状に構成し、これを回転可能とする構成も
ある。なお、狭帯域通過フィルター33が円盤状のもの
であるとき、入射光軸に対するその回転面の傾斜角度
を、電動機等の手段により微細に且つ連続的に調整でき
るようにしておけば、各フィルターが持つ通過特性の主
波長からシフトした異なる波長の近赤外光を連続的に作
り出すことができる。これは、一般的に良く知られてい
る現象であるが、フィルターの面に対する入射光軸の角
度を90°から変化させると、その角度変化に応じて最
大透過波長が主波長から数十nmの範囲でシフトする現
象による。
【0022】次に、狭帯域通過フィルター33に要求さ
れる物理的特性を図3に基づき説明する。図3は、異な
る試料米に対して波長が連続的に変化する近赤外線光を
照射したときの、照射波長と吸光度との関係を示すグラ
フ(吸光度曲線)である。吸光度logIo/Iは、基
準照射光量(全照射光量)Ioに対する試料米からの反
射光量Iの比の逆数の常用対数である。実線で示す曲線
Aは前掲第1表においてアミロースの含有比率が21.
4%の日本晴、一点鎖線で示す曲線Bは含有比率が1
9.9%のコシヒカリ、点線で示す曲線Cは含有比率が
23.2%のイシカリのときをそれぞれ示す。同図か
ら、近赤外線の1900nm以下の短波長域は低吸光度
域であって、アミロースを始め蛋白質,水分など米を構
成する各成分の含有量の多少に対する吸光度差が微差で
あるが、波長1900nmを境として高吸光度域とな
り、前記各成分の含有量の多少が吸光度差として顕著に
現れていることが容易に理解できる。本発明はこの現象
を利用して米に含まれる所定の成分の含有率を測定する
ものであるため、測定のために米に照射される近赤外光
の波長としては、波長領域1900〜2500nmのう
ち、各成分に対して吸光度曲線上特異的なピークが見ら
れる例えば1960nm,2030nm,2100n
m,2130nm,2270nm,2370nm等の波
長が適する。従って、狭帯域通過フィルター33が具え
る各フィルター33a〜33fは、米を構成する各成分
の測定に適した前記各波長の近赤外光を作るべく、前記
各波長を特定波長通過特性、即ち主波長として持つこと
が要求される。
れる物理的特性を図3に基づき説明する。図3は、異な
る試料米に対して波長が連続的に変化する近赤外線光を
照射したときの、照射波長と吸光度との関係を示すグラ
フ(吸光度曲線)である。吸光度logIo/Iは、基
準照射光量(全照射光量)Ioに対する試料米からの反
射光量Iの比の逆数の常用対数である。実線で示す曲線
Aは前掲第1表においてアミロースの含有比率が21.
4%の日本晴、一点鎖線で示す曲線Bは含有比率が1
9.9%のコシヒカリ、点線で示す曲線Cは含有比率が
23.2%のイシカリのときをそれぞれ示す。同図か
ら、近赤外線の1900nm以下の短波長域は低吸光度
域であって、アミロースを始め蛋白質,水分など米を構
成する各成分の含有量の多少に対する吸光度差が微差で
あるが、波長1900nmを境として高吸光度域とな
り、前記各成分の含有量の多少が吸光度差として顕著に
現れていることが容易に理解できる。本発明はこの現象
を利用して米に含まれる所定の成分の含有率を測定する
ものであるため、測定のために米に照射される近赤外光
の波長としては、波長領域1900〜2500nmのう
ち、各成分に対して吸光度曲線上特異的なピークが見ら
れる例えば1960nm,2030nm,2100n
m,2130nm,2270nm,2370nm等の波
長が適する。従って、狭帯域通過フィルター33が具え
る各フィルター33a〜33fは、米を構成する各成分
の測定に適した前記各波長の近赤外光を作るべく、前記
各波長を特定波長通過特性、即ち主波長として持つこと
が要求される。
【0023】次に、上記構成を有する本発明の米の食味
評価装置の具体的動作を説明する。先ず、操作用プッシ
ュボタン7の操作により光源31を点灯させ、光源31
から発せられた光に基づく測定部37に到達する特定波
長の近赤外光が安定するまで、近赤外分光分析装置3の
全体を予熱する。予熱のための所定時間が経過したら、
試料容器装着箱5を装置のキャビネット2から一旦引き
出し、粉砕した米の試料55を充填した試料容器52を
所定位置に載置させた後、キャビネット2内に挿入する
ことにより測定準備を完了する。なお、試料米55は、
測定値に誤差が生じないようにするために、その粒子の
大きさが約50ミクロン以下に粉砕されていることが望
ましいが、必ずしも粉砕しなければならないものではな
い。また、乱反射による光のロスを少なくする為に、粉
砕された試料米55は、その表面が平坦面となるような
状態で試料容器52に充填されること、さらに、透明ガ
ラス板で多少圧力を加えながらその表面を覆うことが好
ましい。
評価装置の具体的動作を説明する。先ず、操作用プッシ
ュボタン7の操作により光源31を点灯させ、光源31
から発せられた光に基づく測定部37に到達する特定波
長の近赤外光が安定するまで、近赤外分光分析装置3の
全体を予熱する。予熱のための所定時間が経過したら、
試料容器装着箱5を装置のキャビネット2から一旦引き
出し、粉砕した米の試料55を充填した試料容器52を
所定位置に載置させた後、キャビネット2内に挿入する
ことにより測定準備を完了する。なお、試料米55は、
測定値に誤差が生じないようにするために、その粒子の
大きさが約50ミクロン以下に粉砕されていることが望
ましいが、必ずしも粉砕しなければならないものではな
い。また、乱反射による光のロスを少なくする為に、粉
砕された試料米55は、その表面が平坦面となるような
状態で試料容器52に充填されること、さらに、透明ガ
ラス板で多少圧力を加えながらその表面を覆うことが好
ましい。
【0024】前記測定準備作業が完了したら、次に、最
初に1960nmを主波長として持つフィルター33a
が光源31と反射鏡32とを結ぶ線上に来るように選択
され、波長1960nmの近赤外光を試料米55に対し
て照射したときの反射吸光度の測定作業に入る。反射吸
光度の測定作業は、試料米55に対して照射される全照
射光量、即ち基準照射光量の測定と、試料米55に対し
て前記基準照射光量を照射した時に試料米55で実際に
反射される反射光量の測定との2つの測定からなる。1
つのフィルターについてこれら2つの測定のどちらを先
に実施しても構わないが、以下の説明では、基準照射光
量の測定の方が先に実施されるものとして説明する。基
準照射光量の測定は、傾斜角度が可変に構成された反射
鏡32の傾斜角度を、これからの反射光が積分球34の
内壁に直接当たるような角度に、電動機等を用いた回動
手段(図示せず)により変えた状態で実施される。こう
することにより、積分球34の内壁に直接当てられた反
射鏡32からの光は、内壁を多方向に拡散反射しながら
最終的には検出器35a,35bに到達し、基準照射光
量として検出される。一方、試料米55からの反射光量
の測定は、反射鏡32の傾斜角度が図2に示す元の位置
に戻された後、前述した原理により行われる。なお、測
定準備完了後の最初のフィルターの選択、基準照射光量
の測定及び反射光量の測定までの各実行は、制御装置4
の記憶装置4b内のROMに手順プログラムを記憶さ
せ、そのプログラムに従って自動的に行えるようにでき
ることは言うまでもない。また、1つのフィルターにつ
いての前述基準照射光量及び反射光量の各測定をそれぞ
れ複数回実施し、測定値としてそれらの平均を採れるよ
うにすることも測定精度を上げるのに役立つ。検出器3
5a,35bによって検出された基準照射光量及び試料
米55からの反射光量に基づく各測定値は、米を構成す
る蛋白質,アミロース,水分の各含有率を計算するため
の実測データとして制御装置4に連絡され、記憶装置4
b内の書き込み可能なメモリ(以下、RAMと言う)に
一旦記憶される。
初に1960nmを主波長として持つフィルター33a
が光源31と反射鏡32とを結ぶ線上に来るように選択
され、波長1960nmの近赤外光を試料米55に対し
て照射したときの反射吸光度の測定作業に入る。反射吸
光度の測定作業は、試料米55に対して照射される全照
射光量、即ち基準照射光量の測定と、試料米55に対し
て前記基準照射光量を照射した時に試料米55で実際に
反射される反射光量の測定との2つの測定からなる。1
つのフィルターについてこれら2つの測定のどちらを先
に実施しても構わないが、以下の説明では、基準照射光
量の測定の方が先に実施されるものとして説明する。基
準照射光量の測定は、傾斜角度が可変に構成された反射
鏡32の傾斜角度を、これからの反射光が積分球34の
内壁に直接当たるような角度に、電動機等を用いた回動
手段(図示せず)により変えた状態で実施される。こう
することにより、積分球34の内壁に直接当てられた反
射鏡32からの光は、内壁を多方向に拡散反射しながら
最終的には検出器35a,35bに到達し、基準照射光
量として検出される。一方、試料米55からの反射光量
の測定は、反射鏡32の傾斜角度が図2に示す元の位置
に戻された後、前述した原理により行われる。なお、測
定準備完了後の最初のフィルターの選択、基準照射光量
の測定及び反射光量の測定までの各実行は、制御装置4
の記憶装置4b内のROMに手順プログラムを記憶さ
せ、そのプログラムに従って自動的に行えるようにでき
ることは言うまでもない。また、1つのフィルターにつ
いての前述基準照射光量及び反射光量の各測定をそれぞ
れ複数回実施し、測定値としてそれらの平均を採れるよ
うにすることも測定精度を上げるのに役立つ。検出器3
5a,35bによって検出された基準照射光量及び試料
米55からの反射光量に基づく各測定値は、米を構成す
る蛋白質,アミロース,水分の各含有率を計算するため
の実測データとして制御装置4に連絡され、記憶装置4
b内の書き込み可能なメモリ(以下、RAMと言う)に
一旦記憶される。
【0025】照射波長1960nmにおける吸光度の測
定が終了したら、次の照射波長、即ち本実施例の場合2
030nmでの吸光度の測定に移行する。ここでも、基
準照射光量の測定及び反射光量の測定が、前述1960
nmでのときと同じ方法及び手順で実施される。各測定
値は、前回と同様に、各成分の含有率計算のための実測
データとして制御装置4に連絡され、記憶装置4b内の
RAMに一時記憶される。以下同様に、残りの各照射波
長での各吸光度測定、即ち、波長2100nm,213
0nm,2270nm,2370nmでの吸光度測定が
順次行われ、各測定値は、実測データとして制御装置4
に連絡され、RAMに記憶される。なお、ある特定波長
での吸光度測定が終わり次の特定波長での吸光度測定へ
の移行に伴う狭帯域通過フィルター33の各フィルター
33a〜33fの交換・選択動作は、通常、制御装置4
の記憶装置4b内のROMに予め書き込まれている手順
プログラムに従い自動的に行われるが、本実施例の場合
でも、必ずしも上記6波長全てについて吸光度測定を行
わなければならない訳ではなく、測定の対象となる波長
は、求める食味評価値に要求される精度或いは測定に係
る所要時間等を考慮して任意に選択することができ、そ
の選択は、操作用プッシュボタン7内の測定波長選択ボ
タンにより行うことができる。
定が終了したら、次の照射波長、即ち本実施例の場合2
030nmでの吸光度の測定に移行する。ここでも、基
準照射光量の測定及び反射光量の測定が、前述1960
nmでのときと同じ方法及び手順で実施される。各測定
値は、前回と同様に、各成分の含有率計算のための実測
データとして制御装置4に連絡され、記憶装置4b内の
RAMに一時記憶される。以下同様に、残りの各照射波
長での各吸光度測定、即ち、波長2100nm,213
0nm,2270nm,2370nmでの吸光度測定が
順次行われ、各測定値は、実測データとして制御装置4
に連絡され、RAMに記憶される。なお、ある特定波長
での吸光度測定が終わり次の特定波長での吸光度測定へ
の移行に伴う狭帯域通過フィルター33の各フィルター
33a〜33fの交換・選択動作は、通常、制御装置4
の記憶装置4b内のROMに予め書き込まれている手順
プログラムに従い自動的に行われるが、本実施例の場合
でも、必ずしも上記6波長全てについて吸光度測定を行
わなければならない訳ではなく、測定の対象となる波長
は、求める食味評価値に要求される精度或いは測定に係
る所要時間等を考慮して任意に選択することができ、そ
の選択は、操作用プッシュボタン7内の測定波長選択ボ
タンにより行うことができる。
【0026】これまで説明した吸光度の測定は、単に狭
帯域通過フィルター33に設定された6個のフィルター
33a〜33fを順次交換することにより、各フィルタ
ー33a〜33fが持つ各主波長でのスポット的吸光度
の測定方法であったが、前述した通りフィルターの面に
対する入射光の入射角度を基準となる90゜から変化さ
せると、最大透過波長が主波長から数十nmの範囲でシ
フトするという現象を利用して、成分含有量の差が吸光
度差に顕著に現れる波長領域1900〜2500nmで
の連続的な吸光度測定も可能である。図示第1実施例の
場合、円盤状に構成された狭帯域通過フィルター33へ
の入射光軸の角度を、制御装置4からの指令信号に基づ
き電動機等の適当な調節手段(図示せず)により微細に
且つ連続的に変化させることによりこれが可能である。
帯域通過フィルター33に設定された6個のフィルター
33a〜33fを順次交換することにより、各フィルタ
ー33a〜33fが持つ各主波長でのスポット的吸光度
の測定方法であったが、前述した通りフィルターの面に
対する入射光の入射角度を基準となる90゜から変化さ
せると、最大透過波長が主波長から数十nmの範囲でシ
フトするという現象を利用して、成分含有量の差が吸光
度差に顕著に現れる波長領域1900〜2500nmで
の連続的な吸光度測定も可能である。図示第1実施例の
場合、円盤状に構成された狭帯域通過フィルター33へ
の入射光軸の角度を、制御装置4からの指令信号に基づ
き電動機等の適当な調節手段(図示せず)により微細に
且つ連続的に変化させることによりこれが可能である。
【0027】次に、制御装置4の演算装置4cは、記憶
装置4bのRAMに記憶されている吸光度測定で得られ
た多数の実測データ、即ち各測定波長における基準照射
光量及び反射光量の測定値と、記憶装置4bのROMに
予め記憶されている各成分の含有率計算のための成分換
算係数値とに基づき、米の食味を評価する上で重要な成
分であるアミロース,蛋白質,水分の各含有率を計算す
る。なお、各成分に関して記憶装置4bのROMに予め
書き込まれるこの成分換算係数値は、多数の試料米に対
して例えば化学定量分析法を用いて測定された各成分の
含有率を基準に、検出器からの吸光度測定値を信号処理
し、多重回帰分析法により求められた定数である。演算
装置4cは次に、上述の如くして求められたアミロー
ス,蛋白質,水分の各含有率に基づき、下記に示される
計算式(1)により先ず食味関連値Kを計算する。
装置4bのRAMに記憶されている吸光度測定で得られ
た多数の実測データ、即ち各測定波長における基準照射
光量及び反射光量の測定値と、記憶装置4bのROMに
予め記憶されている各成分の含有率計算のための成分換
算係数値とに基づき、米の食味を評価する上で重要な成
分であるアミロース,蛋白質,水分の各含有率を計算す
る。なお、各成分に関して記憶装置4bのROMに予め
書き込まれるこの成分換算係数値は、多数の試料米に対
して例えば化学定量分析法を用いて測定された各成分の
含有率を基準に、検出器からの吸光度測定値を信号処理
し、多重回帰分析法により求められた定数である。演算
装置4cは次に、上述の如くして求められたアミロー
ス,蛋白質,水分の各含有率に基づき、下記に示される
計算式(1)により先ず食味関連値Kを計算する。
【0028】 K=(アミロース含有率)A×(蛋白質含有率)B ×{15+│15−(水分含有率)│}C ・・・・・・・・(1)
【0029】上記計算式(1)において、A,B,C
は、記憶装置4bのROMに予め記憶されているか、又
は、試料の測定に際し、入力装置9を介して制御装置4
に入力される食味影響度に応じて設定された食味評価値
計算のための特定係数であり、各成分毎の食味に影響を
及ぼす重要度に応じて定められた係数である。検出器か
らの検出信号と、アミロース、蛋白質、水分等の各成分
の成分換算係数値とに基づいて計算されたアミロース含
有率、蛋白質含有率、水分含有率等は、前記特定係数
A,B,Cにより、それぞれ(アミロース含有率)A、
(蛋白質含有率)B、{15+|15−(水分含有率)
|}Cに調整される。日本産の米を食味評価するに当た
っては、A=1.0,B=0.3,C=0.75が適す
るが、これらの特定係数は、その米を食する国の違い等
により標準的な嗜好も相違する場合があるので、異なる
数値の方が適する場合もある。
は、記憶装置4bのROMに予め記憶されているか、又
は、試料の測定に際し、入力装置9を介して制御装置4
に入力される食味影響度に応じて設定された食味評価値
計算のための特定係数であり、各成分毎の食味に影響を
及ぼす重要度に応じて定められた係数である。検出器か
らの検出信号と、アミロース、蛋白質、水分等の各成分
の成分換算係数値とに基づいて計算されたアミロース含
有率、蛋白質含有率、水分含有率等は、前記特定係数
A,B,Cにより、それぞれ(アミロース含有率)A、
(蛋白質含有率)B、{15+|15−(水分含有率)
|}Cに調整される。日本産の米を食味評価するに当た
っては、A=1.0,B=0.3,C=0.75が適す
るが、これらの特定係数は、その米を食する国の違い等
により標準的な嗜好も相違する場合があるので、異なる
数値の方が適する場合もある。
【0030】演算装置4cは更に、上式(1)により得
られた食味関連値Kを基に、下記に示される計算式
(2)により米の食味評価値Tを計算する。食味評価値
Tが大きい程、食味が良いことを示す。
られた食味関連値Kを基に、下記に示される計算式
(2)により米の食味評価値Tを計算する。食味評価値
Tが大きい程、食味が良いことを示す。
【0031】 T=50,000/K2 ・・・・・・・・(2)
【0032】上記第(1)式及び第(2)式に従って計
算された食味評価値Tは、演算装置4cでの計算終了と
同時に、表示装置6に可視表示されると共に、自動的に
又は操作用プッシュボタン7への指令に基づきプリンタ
ー8からハードコピーとして繰り出される。また、食味
評価値Tを求める途中の過程で求められたアミロース,
蛋白質,水分等の各成分の各含有率を、食味評価値Tと
共に表示装置6に同時に可視表示させてもよい。なお、
アミロースの含有率については、アミロースの含有率自
体よりも、澱粉質を共に構成するアミロペクチンとの含
有比率の方が重要であるので、含有率ではなく含有比率
で表示される方が好ましい。
算された食味評価値Tは、演算装置4cでの計算終了と
同時に、表示装置6に可視表示されると共に、自動的に
又は操作用プッシュボタン7への指令に基づきプリンタ
ー8からハードコピーとして繰り出される。また、食味
評価値Tを求める途中の過程で求められたアミロース,
蛋白質,水分等の各成分の各含有率を、食味評価値Tと
共に表示装置6に同時に可視表示させてもよい。なお、
アミロースの含有率については、アミロースの含有率自
体よりも、澱粉質を共に構成するアミロペクチンとの含
有比率の方が重要であるので、含有率ではなく含有比率
で表示される方が好ましい。
【0033】図4の第2表は、任意に選ばれた25種類
(銘柄並びに産地等が異なる)の試料米について、従来
通りの官能試験を実施することにより得られた食味評価
値と、本発明による米の食味評価装置を用いて測定され
た各成分の含有率及びこれに基づき算出された食味評価
値を示した一覧表である。なお、各試料米のサンプル番
号は、本発明装置を用いて算出された食味評価値の高い
ものから、即ち、食味評価装置が良食味の米であると判
定したものから順番に番号を後から付けたものである。
図5に示すグラフは、図4の一覧表中、官能試験により
得られた評価値と本発明の米の食味評価装置により得ら
れた食味評価値Tとの間の相関関係を見るべく、両評価
値をグラフ化した散布図である。グラフ上の評価値を示
す各ポイントに付された数字は、図4の第2表のサンプ
ル番号に対応する。図4の第2表、そして特に図5のグ
ラフからは、両評価値の間には比例的な相関関係がある
ことが理解される。
(銘柄並びに産地等が異なる)の試料米について、従来
通りの官能試験を実施することにより得られた食味評価
値と、本発明による米の食味評価装置を用いて測定され
た各成分の含有率及びこれに基づき算出された食味評価
値を示した一覧表である。なお、各試料米のサンプル番
号は、本発明装置を用いて算出された食味評価値の高い
ものから、即ち、食味評価装置が良食味の米であると判
定したものから順番に番号を後から付けたものである。
図5に示すグラフは、図4の一覧表中、官能試験により
得られた評価値と本発明の米の食味評価装置により得ら
れた食味評価値Tとの間の相関関係を見るべく、両評価
値をグラフ化した散布図である。グラフ上の評価値を示
す各ポイントに付された数字は、図4の第2表のサンプ
ル番号に対応する。図4の第2表、そして特に図5のグ
ラフからは、両評価値の間には比例的な相関関係がある
ことが理解される。
【0034】複数種類の又は複数銘柄の試料米を測定
し、各食味評価値が演算され、そのデータが記憶装置4
bのRAMに蓄積された後、入力装置(キーボード)9
を介して、混合しようとする米の種類又は銘柄及び希望
コスト等の設定条件を入力すれば、制御装置4の演算装
置4cが、前記設定条件に従って最も食味が良くなる混
合比率を蓄積データに基づき計算し、表示装置6にそれ
を表示させることができる。入力装置9を介して入力さ
れる設定条件が、複数の米を混合してできる米の希望食
味であれば、制御装置4はコストの最も低くなる米の種
類又は銘柄とその混合比率を計算し表示装置6にこれを
表示させる。なお、自動的に又は操作用プッシュボタン
7を押すことにより、演算結果等を表示装置6による可
視表示に加えてプリンター8により印字表示できること
は言うまでもない。本食味評価装置により計算された各
試料米の成分含有率及び食味評価値は、フロッピーディ
スク等の磁気媒体を用いた外部記憶装置にデータとして
記録しておくことができ、また、上記複数種類の米の混
合比率の計算時等では、外部記憶装置からデータを本装
置内の記憶装置4bのRAMに読み込んで、これに基づ
き必要な計算を行うことも可能である。
し、各食味評価値が演算され、そのデータが記憶装置4
bのRAMに蓄積された後、入力装置(キーボード)9
を介して、混合しようとする米の種類又は銘柄及び希望
コスト等の設定条件を入力すれば、制御装置4の演算装
置4cが、前記設定条件に従って最も食味が良くなる混
合比率を蓄積データに基づき計算し、表示装置6にそれ
を表示させることができる。入力装置9を介して入力さ
れる設定条件が、複数の米を混合してできる米の希望食
味であれば、制御装置4はコストの最も低くなる米の種
類又は銘柄とその混合比率を計算し表示装置6にこれを
表示させる。なお、自動的に又は操作用プッシュボタン
7を押すことにより、演算結果等を表示装置6による可
視表示に加えてプリンター8により印字表示できること
は言うまでもない。本食味評価装置により計算された各
試料米の成分含有率及び食味評価値は、フロッピーディ
スク等の磁気媒体を用いた外部記憶装置にデータとして
記録しておくことができ、また、上記複数種類の米の混
合比率の計算時等では、外部記憶装置からデータを本装
置内の記憶装置4bのRAMに読み込んで、これに基づ
き必要な計算を行うことも可能である。
【0035】なお、上記の説明では、試料米には粉砕し
たものを用いたが、必ずしも粉砕したものでなくても構
わない。しかし、この場合、得られる食味評価値の精度
がある程度低下することは言うまでもない。
たものを用いたが、必ずしも粉砕したものでなくても構
わない。しかし、この場合、得られる食味評価値の精度
がある程度低下することは言うまでもない。
【0036】次に、図6乃至図9を参照しながら、本発
明による米の食味評価装置の第2実施例を説明する。前
述第1実施例のものと同一又は同等の構成要素或いは部
品には、同一の参照番号を付してある。
明による米の食味評価装置の第2実施例を説明する。前
述第1実施例のものと同一又は同等の構成要素或いは部
品には、同一の参照番号を付してある。
【0037】第2実施例の食味評価装置が先の第1実施
例のものとは異なる最も大きな点は、以下詳細な構成を
説明する第2実施例の食味評価装置が、第1実施例のも
のが具備していない、試料米を測定に必要な微細粒の粉
砕米とする試料米粉砕装置と、粉砕された試料米を収容
した試料容器を近赤外分光分析装置3の測定部に自動的
に移動・提供する試料米搬送装置とを主なる構成装置と
して有する試料供給装置を具備している点である。
例のものとは異なる最も大きな点は、以下詳細な構成を
説明する第2実施例の食味評価装置が、第1実施例のも
のが具備していない、試料米を測定に必要な微細粒の粉
砕米とする試料米粉砕装置と、粉砕された試料米を収容
した試料容器を近赤外分光分析装置3の測定部に自動的
に移動・提供する試料米搬送装置とを主なる構成装置と
して有する試料供給装置を具備している点である。
【0038】図6において、参照番号10は、試料米粉
砕装置によって粉砕された試料米が試料容器に必要量充
填された後の不要試料米や、測定が終了して排出された
試料米を受け取るための受け箱を示し、キャビネット2
の前面パネルから出し入れできる。参照番号12は、外
部から単独に試料米を測定部に供給するときの外部供給
部である。参照番号20及び40はそれぞれ、試料米粉
砕装置及び試料米搬送装置を示し、双方共にキャビネッ
ト2の内部に配設される。
砕装置によって粉砕された試料米が試料容器に必要量充
填された後の不要試料米や、測定が終了して排出された
試料米を受け取るための受け箱を示し、キャビネット2
の前面パネルから出し入れできる。参照番号12は、外
部から単独に試料米を測定部に供給するときの外部供給
部である。参照番号20及び40はそれぞれ、試料米粉
砕装置及び試料米搬送装置を示し、双方共にキャビネッ
ト2の内部に配設される。
【0039】図7は第2実施例の装置に用いられる近赤
外分光分析装置3の要部断面図である。第1実施例で用
いられた近赤外分光分析装置3との違いは、複数個のフ
ィルター33a〜33fからなる狭帯域通過フィルター
33が、円盤状ではなく角柱状に構成されていることで
ある。狭帯域通過フィルター33は、それぞれのフィル
ターに対向して角柱状に構成された複数個の反射鏡32
を内側に有し、電動機等による調節手段(図示せず)が
連結されることにより、角柱の軸Pを中心に回動自在な
構成となっている。積分球34の測定部37は石英製透
明ガラス板39で密封される。第1実施例での近赤外分
光分析装置3では、試料米の粉砕・充填作業が装置の外
部で行われるので、測定部37を密封する透明ガラス板
39は必ずしも必要でなかったが、本第2実施例の装置
では、装置内で試料の粉砕及び試料容器への充填作業等
を行うため、飛散粉が積分球34の内部に侵入するのを
防止する上で透明ガラス板39の測定部37への装着は
重要である。
外分光分析装置3の要部断面図である。第1実施例で用
いられた近赤外分光分析装置3との違いは、複数個のフ
ィルター33a〜33fからなる狭帯域通過フィルター
33が、円盤状ではなく角柱状に構成されていることで
ある。狭帯域通過フィルター33は、それぞれのフィル
ターに対向して角柱状に構成された複数個の反射鏡32
を内側に有し、電動機等による調節手段(図示せず)が
連結されることにより、角柱の軸Pを中心に回動自在な
構成となっている。積分球34の測定部37は石英製透
明ガラス板39で密封される。第1実施例での近赤外分
光分析装置3では、試料米の粉砕・充填作業が装置の外
部で行われるので、測定部37を密封する透明ガラス板
39は必ずしも必要でなかったが、本第2実施例の装置
では、装置内で試料の粉砕及び試料容器への充填作業等
を行うため、飛散粉が積分球34の内部に侵入するのを
防止する上で透明ガラス板39の測定部37への装着は
重要である。
【0040】次に、図8及び図9を参照して、試料米供
給装置の詳細を説明する。図8は近赤外分光分析装置及
び試料供給装置の要部断面図、図9は試料米搬送装置4
0の要部斜視図である。
給装置の詳細を説明する。図8は近赤外分光分析装置及
び試料供給装置の要部断面図、図9は試料米搬送装置4
0の要部斜視図である。
【0041】先ず、試料供給装置の試料粉砕装置20の
構成から説明する。キャビネット2の右上面部を開口
し、ここにホッパー202を装着する。ホッパー202
の下部開口部204には、手動レバー206又は電磁ソ
レノイド(図示せず)により作動されるシャッター20
8が設けられる。ホッパー202の開口部204の下方
には、周囲面に多数の鋭利な突起を有する一対の粉砕用
ローラー210a,210bが対向して軸着される。そ
してさらにその下方には、表面を平滑面とした一対の細
粉用ローラー212a,212bが対向して軸着され
る。これら粉砕用ローラー210a,210b及び細粉
用ローラー212a,212bの各軸は、電動機(図示
せず)によって駆動される。粉砕用ローラー210a,
210b及び細粉用ローラー212a,212bの表面
に付着した試料米は、各ローラーの表面に向けられて設
けられた噴射ノズル及びローラーの表面に軽く接触する
ように設けられた弾性ブレードから成る清掃装置214
a〜214dにより除去される。上記各構成部品は、下
方部が次に説明する試料米搬送装置40に臨むように開
口されたケース部材216で包囲される。
構成から説明する。キャビネット2の右上面部を開口
し、ここにホッパー202を装着する。ホッパー202
の下部開口部204には、手動レバー206又は電磁ソ
レノイド(図示せず)により作動されるシャッター20
8が設けられる。ホッパー202の開口部204の下方
には、周囲面に多数の鋭利な突起を有する一対の粉砕用
ローラー210a,210bが対向して軸着される。そ
してさらにその下方には、表面を平滑面とした一対の細
粉用ローラー212a,212bが対向して軸着され
る。これら粉砕用ローラー210a,210b及び細粉
用ローラー212a,212bの各軸は、電動機(図示
せず)によって駆動される。粉砕用ローラー210a,
210b及び細粉用ローラー212a,212bの表面
に付着した試料米は、各ローラーの表面に向けられて設
けられた噴射ノズル及びローラーの表面に軽く接触する
ように設けられた弾性ブレードから成る清掃装置214
a〜214dにより除去される。上記各構成部品は、下
方部が次に説明する試料米搬送装置40に臨むように開
口されたケース部材216で包囲される。
【0042】次に、前記粉砕装置20で微細粒に粉砕さ
れた試料米を、試料容器52に吸光度測定可能な状態で
充填し、そしてこの試料容器52を近赤外分光分析装置
3の測定部37の直下位置まで移動させる試料米搬送装
置40について説明する。試料容器52は、試料容器移
動ガイド402に固着した容器ホルダー404に設けら
れた案内溝406に対して装脱自在になっている。試料
容器移動ガイド402の中空軸には断面丸状の支持軸4
08を挿入し、該支持軸408の一方側は回動用ハンド
ル410に挿着し、また他方側は軸受台412が軸支す
る。試料容器移動ガイド402の外周囲部長さ方向には
ラック414が固設されており、このラック414に
は、試料容器移動ガイド402に遊嵌されたモーター台
416に装着された電動機418のピニオンギア420
が噛合する。モーター台416は、伸縮ロッド422を
具える電磁石424によって支点台426に連結され
る。この支点台426は、キャビネット2の底壁部に固
設された受台428に固着される。参照番号430は、
試料容器52上の粉砕試料を圧縮充填すると共に、過量
試料を取り除き表面を平坦面とするための回転ローラ
ー、番号432は測定が終わった試料を試料容器52内
から噴風により排除すると共に清掃を行うための噴射ノ
ズル、番号434は試料容器52の移動時、透明ガラス
板39に接してこれを清掃する清掃器である。
れた試料米を、試料容器52に吸光度測定可能な状態で
充填し、そしてこの試料容器52を近赤外分光分析装置
3の測定部37の直下位置まで移動させる試料米搬送装
置40について説明する。試料容器52は、試料容器移
動ガイド402に固着した容器ホルダー404に設けら
れた案内溝406に対して装脱自在になっている。試料
容器移動ガイド402の中空軸には断面丸状の支持軸4
08を挿入し、該支持軸408の一方側は回動用ハンド
ル410に挿着し、また他方側は軸受台412が軸支す
る。試料容器移動ガイド402の外周囲部長さ方向には
ラック414が固設されており、このラック414に
は、試料容器移動ガイド402に遊嵌されたモーター台
416に装着された電動機418のピニオンギア420
が噛合する。モーター台416は、伸縮ロッド422を
具える電磁石424によって支点台426に連結され
る。この支点台426は、キャビネット2の底壁部に固
設された受台428に固着される。参照番号430は、
試料容器52上の粉砕試料を圧縮充填すると共に、過量
試料を取り除き表面を平坦面とするための回転ローラ
ー、番号432は測定が終わった試料を試料容器52内
から噴風により排除すると共に清掃を行うための噴射ノ
ズル、番号434は試料容器52の移動時、透明ガラス
板39に接してこれを清掃する清掃器である。
【0043】次に、上記構成を有する本発明による第2
実施例の米の食味評価装置の具体的動作を説明する。な
お、近赤外分光分析装置3による各波長での吸光度の測
定方法は、既述第1実施例装置と同じであるのでその説
明は省略し、ここでは、本第2実施例装置の特徴的装置
である試料供給装置の作用並びに動作を中心に説明す
る。
実施例の米の食味評価装置の具体的動作を説明する。な
お、近赤外分光分析装置3による各波長での吸光度の測
定方法は、既述第1実施例装置と同じであるのでその説
明は省略し、ここでは、本第2実施例装置の特徴的装置
である試料供給装置の作用並びに動作を中心に説明す
る。
【0044】試料米をホッパー202内に投入しここに
一時貯溜し、次に電動機を起動し粉砕用ローラー210
a,210b及び細粉用ローラー212a,212bを
回転させる。操作用プッシュボタン7の操作により電動
機418を回転させ、その駆動力により試料容器52
を、試料米粉砕装置20の直下所定位置に移動させる。
試料容器52の所定位置への移動が完了し、電動機41
8の作動が停止したら、シャッター208を手動レバー
206又は電磁ソレノイド(図示せず)により開成し、
ホッパー202内の試料米を開口部204を介して放出
する。ホッパー202から流下した試料米は、先ず粉砕
用ローラー210a,210bにより粉砕され、さらに
その下方に位置する細粉用ローラー212a,212b
によって、吸光度の測定に要求される、粒子の大きさが
約50ミクロン以下の微細な粉砕試料とされる。こうし
て出来た細粉試料米は、下方に位置している試料容器5
2に受け入れられ、その受容量を超え容器52上に盛り
上がって過量となった試料米は、受け箱10に落下す
る。次に、操作用プッシュボタン7の操作により、電動
機418を再作動させ、試料米が収容された試料容器5
2を、近赤外分光分析装置3の測定部37の直下所定位
置まで搬送する動作に移る。この搬送過程においては、
試料容器52に盛り上がった状態の試料米は、回転ロー
ラー430により圧縮状に充填されると共に、過量試料
が除去され試料米の表面が平坦面に整形される。試料容
器52が所定位置に配置されると、電動機418は自動
的にその作動を停止する。
一時貯溜し、次に電動機を起動し粉砕用ローラー210
a,210b及び細粉用ローラー212a,212bを
回転させる。操作用プッシュボタン7の操作により電動
機418を回転させ、その駆動力により試料容器52
を、試料米粉砕装置20の直下所定位置に移動させる。
試料容器52の所定位置への移動が完了し、電動機41
8の作動が停止したら、シャッター208を手動レバー
206又は電磁ソレノイド(図示せず)により開成し、
ホッパー202内の試料米を開口部204を介して放出
する。ホッパー202から流下した試料米は、先ず粉砕
用ローラー210a,210bにより粉砕され、さらに
その下方に位置する細粉用ローラー212a,212b
によって、吸光度の測定に要求される、粒子の大きさが
約50ミクロン以下の微細な粉砕試料とされる。こうし
て出来た細粉試料米は、下方に位置している試料容器5
2に受け入れられ、その受容量を超え容器52上に盛り
上がって過量となった試料米は、受け箱10に落下す
る。次に、操作用プッシュボタン7の操作により、電動
機418を再作動させ、試料米が収容された試料容器5
2を、近赤外分光分析装置3の測定部37の直下所定位
置まで搬送する動作に移る。この搬送過程においては、
試料容器52に盛り上がった状態の試料米は、回転ロー
ラー430により圧縮状に充填されると共に、過量試料
が除去され試料米の表面が平坦面に整形される。試料容
器52が所定位置に配置されると、電動機418は自動
的にその作動を停止する。
【0045】近赤外分光分析装置3の測定部37へ試料
米搬送装置40によって搬送されてきた試料米55は、
既述第1実施例の装置で説明したのと同じ原理,方法で
その吸光度が測定され、その各構成成分の各含有率及び
食味評価値が計算される。食味評価値の計算が、第1実
施例で説明した計算式(1)及び(2)に基づき行われ
ることは言うまでもない。
米搬送装置40によって搬送されてきた試料米55は、
既述第1実施例の装置で説明したのと同じ原理,方法で
その吸光度が測定され、その各構成成分の各含有率及び
食味評価値が計算される。食味評価値の計算が、第1実
施例で説明した計算式(1)及び(2)に基づき行われ
ることは言うまでもない。
【0046】試料米55の吸光度測定が全て終了する
と、電動機418が再作動し、測定が終わった試料米の
排出処理のために、試料容器52を試料米粉砕装置20
の下方所定位置に移動させる。その際、清掃器434が
透明ガラス板39に接触し、面上を摺動することにより
付着物を除去する。試料容器52が試料米粉砕装置20
の下方所定位置に到達し電動機418が作動を停止する
と同時に、試料米粉砕装置20内の清掃装置214a〜
214dから高圧空気が噴出し、各ローラー210a,
210b,212a,212bの表面を清掃する。次
に、電磁石424を作動させることにより、試料容器移
動ガイド402を90°回動させ、試料容器52内の試
料米を下方に位置する受け箱10に向けて排出する。同
時に、噴射ノズル432を作動させ、これから出る高圧
空気により試料容器52内を次の測定に備えて清掃す
る。なお、電動機418の作動によって試料容器52が
自動的に往復移動する場合を説明してきたが、その移動
は、回動用ハンドル410を押すこと及び引くことによ
る手動操作でも行え、また、試料容器52からの試料米
の排出は、この回動用ハンドル410を適宜回動して行
える。また、試料供給装置を用いず、外部で準備した試
料を単独に近赤外分光分析装置3の測定部37に配置さ
せるには、回動用ハンドル410を押すことにより一旦
試料容器52を測定部37下部に移動させた後、この試
料容器52を外部供給部12から引き出し、試料米をこ
れに充填してから容器ホルダー404の案内溝406に
挿入して行う。
と、電動機418が再作動し、測定が終わった試料米の
排出処理のために、試料容器52を試料米粉砕装置20
の下方所定位置に移動させる。その際、清掃器434が
透明ガラス板39に接触し、面上を摺動することにより
付着物を除去する。試料容器52が試料米粉砕装置20
の下方所定位置に到達し電動機418が作動を停止する
と同時に、試料米粉砕装置20内の清掃装置214a〜
214dから高圧空気が噴出し、各ローラー210a,
210b,212a,212bの表面を清掃する。次
に、電磁石424を作動させることにより、試料容器移
動ガイド402を90°回動させ、試料容器52内の試
料米を下方に位置する受け箱10に向けて排出する。同
時に、噴射ノズル432を作動させ、これから出る高圧
空気により試料容器52内を次の測定に備えて清掃す
る。なお、電動機418の作動によって試料容器52が
自動的に往復移動する場合を説明してきたが、その移動
は、回動用ハンドル410を押すこと及び引くことによ
る手動操作でも行え、また、試料容器52からの試料米
の排出は、この回動用ハンドル410を適宜回動して行
える。また、試料供給装置を用いず、外部で準備した試
料を単独に近赤外分光分析装置3の測定部37に配置さ
せるには、回動用ハンドル410を押すことにより一旦
試料容器52を測定部37下部に移動させた後、この試
料容器52を外部供給部12から引き出し、試料米をこ
れに充填してから容器ホルダー404の案内溝406に
挿入して行う。
【0047】上述第1実施例及び第2実施例の食味評価
装置では、試料米に特定波長の近赤外光を照射したとき
の吸光度の測定を、試料米からの反射光の強度を測定す
ることにより行う反射式の近赤外分光分析装置を用いた
が、試料米を透過してきた透過光の強度を測定すること
により行う透過式の近赤外分光分析装置を用いることも
でき、さらには、反射光及び透過光の両方に基づき吸光
度の測定を行う、より精密な近赤外分光分析装置を用い
ることもできる。
装置では、試料米に特定波長の近赤外光を照射したとき
の吸光度の測定を、試料米からの反射光の強度を測定す
ることにより行う反射式の近赤外分光分析装置を用いた
が、試料米を透過してきた透過光の強度を測定すること
により行う透過式の近赤外分光分析装置を用いることも
でき、さらには、反射光及び透過光の両方に基づき吸光
度の測定を行う、より精密な近赤外分光分析装置を用い
ることもできる。
【0048】上記説明では、澱粉質を構成するアミロー
スとアミロペクチンのうち、アミロースの分析に基づき
米の食味評価値を得ることを述べたが、アミロースに代
えてアミロペクチンの含有率を測定し、アミロペクチン
の特定係数を第(1)式に設定することによっても同様
な結果が得られる。
スとアミロペクチンのうち、アミロースの分析に基づき
米の食味評価値を得ることを述べたが、アミロースに代
えてアミロペクチンの含有率を測定し、アミロペクチン
の特定係数を第(1)式に設定することによっても同様
な結果が得られる。
【0049】また、上記に説明した、澱粉質(アミロー
ス又はアミロペクチン),蛋白質,水分の各主要成分に
加えて他の成分、例えば脂肪の含有率を測定し且つ脂肪
に対する特定係数を第(1)式に設定することにより、
さらに精度の高い食味評価値を得ることもできるし、そ
れとは逆に、澱粉質,蛋白質,水分の各主要成分の内、
何れか2つの成分の測定により食味評価値を得ることも
できるが、この場合は特殊な場合を除いてその精度が低
くなる。
ス又はアミロペクチン),蛋白質,水分の各主要成分に
加えて他の成分、例えば脂肪の含有率を測定し且つ脂肪
に対する特定係数を第(1)式に設定することにより、
さらに精度の高い食味評価値を得ることもできるし、そ
れとは逆に、澱粉質,蛋白質,水分の各主要成分の内、
何れか2つの成分の測定により食味評価値を得ることも
できるが、この場合は特殊な場合を除いてその精度が低
くなる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による米の
食味評価装置によれば、個人差のある味覚に基づく官能
試験、あるいは時間がかかり、熟練を要する化学定量分
析の方法によることなく、同一の試料米について、米の
食味に影響を及ぼす一次的要因である複数の成分を同時
に測定し、その測定結果によって食味評価を行うので、
一次的要因に起因するところの加熱処理や化学処理によ
って初めて得られる熱糊化性とかテクスチャーとかの二
次的要因は測定の対象から排除され、二次的要因の測定
結果を用いて食味評価を行った場合に必然的に生じるよ
うな誤差は全く発生せず、誰でもが容易にかつ短時間で
正確な食味評価値を得ることができる。特に、本発明に
よれば、複雑かつ多種の理化学的特性をそれぞれ別個の
測定装置により測定してから総合するのではなく、種々
の成分を単一の測定装置により加熱処理も化学処理も用
いることなく測定し、その測定結果から食味を評価する
ので、従来よりはるかに合理的に、誤差も少なく、しか
も外観、香り、硬さ、及び舌で感じる味等を加味した官
能値と同等の食味評価値を得ることができる。
食味評価装置によれば、個人差のある味覚に基づく官能
試験、あるいは時間がかかり、熟練を要する化学定量分
析の方法によることなく、同一の試料米について、米の
食味に影響を及ぼす一次的要因である複数の成分を同時
に測定し、その測定結果によって食味評価を行うので、
一次的要因に起因するところの加熱処理や化学処理によ
って初めて得られる熱糊化性とかテクスチャーとかの二
次的要因は測定の対象から排除され、二次的要因の測定
結果を用いて食味評価を行った場合に必然的に生じるよ
うな誤差は全く発生せず、誰でもが容易にかつ短時間で
正確な食味評価値を得ることができる。特に、本発明に
よれば、複雑かつ多種の理化学的特性をそれぞれ別個の
測定装置により測定してから総合するのではなく、種々
の成分を単一の測定装置により加熱処理も化学処理も用
いることなく測定し、その測定結果から食味を評価する
ので、従来よりはるかに合理的に、誤差も少なく、しか
も外観、香り、硬さ、及び舌で感じる味等を加味した官
能値と同等の食味評価値を得ることができる。
【0051】また、本発明による食味評価装置が各種情
報を入力するための入力装置を具備するものにあって
は、その入力装置を介して入力される情報が混合する米
の種類と混合してできる米の希望コストであれば、最も
食味が良くなる混合比率を、またこれとは逆に、入力さ
れる情報が混合してできる米の希望食味であれば、コス
トの最も低くなる米の種類とその混合比率とを、熟練者
の勘や過去に調査したデータに全く基づくことなく科学
的に正確に得ることができ、各種次工程作業を合理的に
行うことができる。
報を入力するための入力装置を具備するものにあって
は、その入力装置を介して入力される情報が混合する米
の種類と混合してできる米の希望コストであれば、最も
食味が良くなる混合比率を、またこれとは逆に、入力さ
れる情報が混合してできる米の希望食味であれば、コス
トの最も低くなる米の種類とその混合比率とを、熟練者
の勘や過去に調査したデータに全く基づくことなく科学
的に正確に得ることができ、各種次工程作業を合理的に
行うことができる。
【0052】さらに、本発明による食味評価装置が試料
供給装置を具備するものにあっては、試料米の所定成分
の含有率を測定し、これに基づき米の食味評価値を得る
に際して、試料米の微細粒への粉砕作業及び試料容器へ
の充填作業等が全て自動化され、その測定がより簡単且
つ確実なものとなる。
供給装置を具備するものにあっては、試料米の所定成分
の含有率を測定し、これに基づき米の食味評価値を得る
に際して、試料米の微細粒への粉砕作業及び試料容器へ
の充填作業等が全て自動化され、その測定がより簡単且
つ確実なものとなる。
【図1】本発明による第1実施例の米の食味評価装置の
正面概略図である。
正面概略図である。
【図2】図1の食味評価装置に用いられる近赤外分光分
析装置の要部側断面図である。
析装置の要部側断面図である。
【図3】銘柄の異なる米に対する近赤外線照射波長と吸
光度との関係を示すグラフ(吸光度曲線)である。
光度との関係を示すグラフ(吸光度曲線)である。
【図4】第2表は複数の試料米に対して行った官能試験
での評価結果と、本発明の食味評価装置により得られた
食味評価値等を示した表である。
での評価結果と、本発明の食味評価装置により得られた
食味評価値等を示した表である。
【図5】図4中、官能試験で得られた評価結果と本発明
の食味評価装置により得られた食味評価値との相関関係
を示すグラフである。
の食味評価装置により得られた食味評価値との相関関係
を示すグラフである。
【図6】本発明による第2実施例の米の食味評価装置の
正面概略図である。
正面概略図である。
【図7】図6の食味評価装置に用いられる近赤外分光分
析装置の要部側断面図である。
析装置の要部側断面図である。
【図8】図6の食味評価装置に用いられる試料供給装置
の要部断面図である。
の要部断面図である。
【図9】図8に示される試料供給装置のうち試料米搬送
装置の要部斜視図である。
装置の要部斜視図である。
1 米の食味評価装置 2 キャビネット 3 近赤外分光分析装置 4 制御装置 4a 入出力信号処理装置 4b 記憶装置(ROM,RAM) 4c 演算装置 5 試料容器装着箱 6 表示装置 7 操作用プッシュボタン 8 プリンター 9 入力装置(キーボード) 10 受け箱 12 外部供給部 20 試料米粉砕装置 40 試料米搬送装置 31 光源 32 反射鏡 33 狭帯域通過フィルター 33a〜33f フィルター 34 積分球 35a,35b 検出器 36 採光窓 37 測定部 39 透明ガラス板 52 試料容器 55 試料米 202 ホッパー 204 開口部 206 電動レバー 208 シャッター 210a,210b 粉砕用ローラー 212a,212b 細粉用ローラー 214a〜d 清掃装置 216 ケース部材 402 試料容器移動ガイド 404 容器ホルダー 406 案内溝 408 支持軸 410 回動用ハンドル 412 軸受台 414 ラック 416 モーター台 418 電動機 420 ピニオンギア 422 伸縮ロッド 424 電磁石 426 支点台 428 受け台 430 回転ローラー 432 噴射ノズル 434 清掃器
Claims (8)
- 【請求項1】 試料米について、米の食味に影響を及ぼ
す、水分を含む複数の所定成分を加熱処理もしくは化学
処理せずに測定し、その食味評価を行う米の食味評価装
置であって、該装置は、 前記試料米を測定部に提供する試料配置部と、光源と、
該光源が発する光のうち前記試料米の前記複数の被測定
成分の吸光度測定にそれぞれ適する特定波長の光のみを
通過させ前記測定部に照射される近赤外光を作る狭帯域
通過フィルターと、前記試料米からの各測定光を検出す
る検出器とを有する近赤外分光分析装置と、 前記分析装置に接続され、前記複数の被測定成分の食味
影響度に応じて予め設定した食味評価値計算のための特
定係数を記憶した記憶装置と、該記憶装置に記憶した前
記特定係数によって前記検出器からの各検出信号を食味
影響度に応じて調整した数値に基づき、試料米の食味評
価値を演算する演算装置とを有する制御装置と、 前記制御装置に接続され、前記演算装置が演算した試料
米の前記食味評価値を可視表示又は印字表示する表示装
置と、 からなる米の食味評価装置。 - 【請求項2】 近赤外分光分析装置の狭帯域通過フィル
ターは、試料米の成分中澱粉の構成成分であるアミロー
ス及びアミロペクチンのうち少なくとも何れか一方の吸
光度及び蛋白質の吸光度の測定にそれぞれ適した特定波
長通過特性を有する請求項1の米の食味評価装置。 - 【請求項3】 近赤外分光分析装置の光源と測定部との
間に配設される狭帯域通過フィルターは、該フィルター
の面に対する入射光軸の入射角度を変えられるべく、そ
の傾斜角度が可変となっている請求項1の米の食味評価
装置。 - 【請求項4】 近赤外分光分析装置の狭帯域通過フィル
ターは、波長領域1900nm〜2500nmのうち任
意複数波長をそれぞれが特定波長通過特性として有する
複数個のフィルターから構成される請求項1の米の食味
評価装置。 - 【請求項5】 制御装置の記憶装置へ情報を入力するた
めの入力装置を有する請求項1の米の食味評価装置。 - 【請求項6】 入力装置から記憶装置に入力される複数
の試料米の各々の米価額に関する情報と混合のための情
報とに基づき、演算装置が最適混合比を演算する請求項
5の米の食味評価装置。 - 【請求項7】 演算装置は食味評価値に加えて試料米の
成分中澱粉の構成成分であるアミロース及びアミロペク
チンのうち少なくとも何れか一方及び蛋白質の各含有率
を演算し、該含有率を表示装置が表示する請求項1の米
の食味評価装置。 - 【請求項8】 試料米を微細粒に粉砕して試料容器に充
填し、これを近赤外分光分析装置の測定部に移動・配置
する試料供給装置を備えてなる請求項1の食味評価装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3296752A JPH05232017A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 米の食味評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3296752A JPH05232017A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 米の食味評価装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62034293A Division JPS6311841A (ja) | 1986-03-20 | 1987-02-17 | 米の食味評価装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05232017A true JPH05232017A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=17837660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3296752A Pending JPH05232017A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 米の食味評価装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05232017A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004150877A (ja) * | 2002-10-29 | 2004-05-27 | Nisshin Flour Milling Inc | 穀粒の特性計測方法およびその装置 |
US8546758B2 (en) | 2008-09-22 | 2013-10-01 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Food quality examination device, food component examination device, foreign matter component examination device, taste examination device, and changed state examination device |
-
1991
- 1991-08-26 JP JP3296752A patent/JPH05232017A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004150877A (ja) * | 2002-10-29 | 2004-05-27 | Nisshin Flour Milling Inc | 穀粒の特性計測方法およびその装置 |
US8546758B2 (en) | 2008-09-22 | 2013-10-01 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Food quality examination device, food component examination device, foreign matter component examination device, taste examination device, and changed state examination device |
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