JPH07104274B2 - 米の食味測定方法および装置 - Google Patents

米の食味測定方法および装置

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JPH07104274B2
JPH07104274B2 JP16639086A JP16639086A JPH07104274B2 JP H07104274 B2 JPH07104274 B2 JP H07104274B2 JP 16639086 A JP16639086 A JP 16639086A JP 16639086 A JP16639086 A JP 16639086A JP H07104274 B2 JPH07104274 B2 JP H07104274B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本出願は、米の食味の総合評価値を測定する方法及び装
置に関する。
従来技術とその問題点 米の食味は、官能によって定まるものであるが、品種,
生産地,栽培方法,収穫方法等の生産段階で決まるも
の、あるいは、乾燥,貯蔵,精米加工等の収穫後の加工
処理段階で決まるもの、また炊飯によって決まるものと
多岐に亘るものであるが、最も大きな影響を受けるのは
生産段階であり、次いで加工処理段階である。
従来、米の食味に関する総合評価は、炊飯した米につい
て複数の専門審査官が食味の総合評価に関連する外観,
香り,味,粘り,硬さ等の各比較項目を、評価の基準と
なる基準米のそれらと比較してどれだけ優れているか或
いは劣っているかを繰り返し試験し、その平均値をとっ
てそれらを総合的にまとめることによって、即ち所謂官
能試験により行われていた。しかしながら、この官能試
験は、人により個人差がある味覚に基づき行われるもの
であるため、たとえ複数の審査官による複数の評価結果
の平均をとったとしても、その食味評価値が時と場所を
変えても不変な客観的且つ絶対的な値となるとは言えな
い。また、米の組成、理科学的性質を科学的に測定・分
析し、前述官能試験で得られた食味の総合評価値との間
の相関関係を調べ、最終的には科学的に得られた測定値
から米の食味の総合評価を行おうとする研究が進められ
てきた。その結果、米を構成する成分のうち米の食味を
総合評価する上で特に重要なものが、米の澱粉質を構成
するアミロースとアミロペクチンの含有比率、蛋白質の
含有率及び水分の含有率であることが判明した。
次に、米を構成する各成分の含有率の大小が米の食味に
どのように影響するかを説明する。
一般的に、食味の良い銘柄として人気の高いのは、コシ
ヒカリ,ササニシキであるが、これらの食味が良いとす
る主要素は、他の一般銘柄米に比べて蛋白質の含有成分
が少ないことと、澱粉質に占めるアミロースの含有率が
少ないことにある。もち論、同一銘柄であれば各成分の
含有率が同一であるというものではなく、栽培された産
地の条件(土質,水質)によっても、また気象条件(気
温,日照時間,降雨等)によっても各成分の含有率は変
化するものであるから、たとえ前年度の食味評価が高か
ったとしても、上記気象条件にも左右されるので今年度
収穫される米の食味が前年度と同一であるという保証は
なく、過去に調査した食味のデータを頼りとして米の買
い付けあるいは配合を決定することは、必ずしも合理的
な米の管理ということができない。
一例として、各銘柄米の標準精白度白米に含有する蛋白
質とアミロースの関係は下記表の通りである。
そこで、特定の有名銘柄のみにとらわれず、化学的に米
の成分を分析して食味の判定を行い、一般銘柄米から良
食味の米を見出すとともに、食味評価の低位ランク米の
食味をいかに向上させるかというテーマが生まれる。通
常、精米工場では食味の良い単一銘柄米のみを確保する
ことが難しく、食味の異なる数種の銘柄の米を配合して
精米がなされており、この食味評価の上位ランク米と低
位ランク米とが適度に混合されて食味の安定した精白米
が流通しているものであるが、これらは銘柄と産地との
組合せを勘に頼って処理がなされているのが実情であ
り、化学的な裏付けがないために必ずしも食味が一様と
はならず度々消費者から苦情が提起されるものであっ
た。
一方、うるち米(一般白米)にモチ米を若干量加えて炊
飯すると食味がよくなると旧来より言い伝えられている
が、このことは、モチ米を加えることにより米飯の粘性
が増大して食味感覚が向上するためである。前述したよ
うに、澱粉質に占めるアミロースの含有率が多いと食味
は低下する傾向となるが、澱粉質はアミロースとアミロ
ペクチンとによって構成されているから、アミロースの
含有率が20%であるならアミロペクチンの含有率は80%
ということになる。したがってモチ米の澱粉質に占める
アミロペクチンの含有率は100%であるので、一般にう
るち米のアミロペクチンの含有率が78%程度であるもの
にモチ米を若干量混入すれば、アミロペクチン含有率の
多い米の食味とほぼ同等に食味が向上するものである。
しかし、アミロペクチン含有率の適度を越すと、粘性が
つよすぎて米飯として逆に食味の感覚を低下するもので
ある。
また、収穫後の加工処理段階における米の食味を低下す
る要因としては、米の過剰乾燥と、精米時に発生する砕
粒と発熱の程度とに関係がある。食味の要素をなす粘
度,硬度は、前記した蛋白質,アミロースの含有率とは
別に白米の含水率も大きな作用を有するものである。白
米の含水量が15%程度の場合には、水中に浸漬しても白
米に水分亀裂を生じないから完全な飯粒に炊き上がる
が、水分が14%を割った白米は浸漬時に吸水速度が過ぎ
て瞬間的に米粒に亀裂を生じ、間もなく米粒内質に貫通
亀裂を生じるから、その割れ目に吸水し、また砕米も同
様に一気に吸水する特性により炊飯すると割れ目から糊
を湧出してべたついた米飯になり、米飯が崩れているか
ら噛みごたえも粘りもない低食味の米飯となる。したが
って、収穫後の乾燥作業においては、過乾燥とならぬよ
うに機械操作が必要であるし、精米機においては、部品
の摩耗等によって精米効率を低下し、砕米の発生あるい
は発熱により乾燥を誘起せぬように、管理および調整を
必要とするものである。
しかしながら、白米の水分含水量がすでに14%を割って
いるものにあっては、その責任を前行程に科するだけで
は食味を復元することはできないから、白米粒に対し
て、米粒の自然吸水速度以内の水分吸水速度において水
分を供給し、水中亀裂を発生しない安全範囲の15%前後
に白米調湿を施す装置が普及している処である。
本発明は前記問題点を改善し、食味の総合評価値が異な
る数品種の米を経済的に混合して食味の安定化を計るこ
と、あるいは米の買付管理を行う等に活用するために、
米の食味の総合価値を正確に測定できる米の食味測定方
法および装置を提供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 第1の発明の米の食味測定方法は、近赤外光を試料に照
射し、前記試料からの反射光量によって、米の食味に影
響を及ぼす複数の所定成分の含有率を求め、一方、米に
占める前記成分の含有率と官能により求めた米の食味の
総合評価との関係から食味換算係数を定めておき、試料
米から得られる前記成分含有率と食味換算係数によって
食味の総合評価値を得る。試料米に加熱処理や化学処理
は施さない。
また第2の発明の米の食味測定装置は、第1の発明の方
法を実施するための装置であって、近赤外線を試料に照
射し、試料からの反射光量によって、米の食味に影響を
及ぼす複数の所定成分の含有率を検出する受光素子を設
け、この受光素子を信号処理装置,記憶装置,演算装置
等を備えた制御装置に電気的に連絡し、前記受光素子の
検出値を前記所定成分の含有率に換算する成分換算係数
と、前記所定成分の含有率を食味の総合評価値に換算す
る食味換算係数とを前記記憶手段に設定するとととも
に、これから前記食味の総合評価値を演算する演算手段
が設けられる。
[作用] 近赤外光を試料米に照射し、試料米から得られる反射光
量によって米の食味に影響を及ぼす複数の所定成分の含
有率を検出し、この検出値を成分換算係数によって前記
所定成分の含有率に換算し、さらに前記含有率を食味換
算係数によって食味の総合評価値に換算する。そして、
この食味の総合評価値は表示器に表示される。
[実施例] 本発明の実施例を第1図〜第8図により説明する。
第1図,第2図において、符号1で示す食味測定装置の
キャビネット2の内部に近赤外分光分析装置3(成分分
析装置)を内設し、この分光分析装置3の上部には光源
4と反射鏡5を関連的に配設し、また多角形状の反射鏡
5の前面には複数個の特定波長のフィルター6…を設け
て反射鏡5と一体的に形成し、フィルター6…を電動機
10に連結して回転,傾斜角度自在に軸着し、積分球7の
上部に特定波長の近赤外線を取り入れる窓8を設けてあ
る。積分球7の下方内部に受光素子9A,9Bを対称な位置
に設け、積分球7の底部を開口して測定部11とし、測定
部11に透明板12を設けてある。キャビネット2内部の近
赤外分光分析装置3の側方には試料供給装置13を配設す
る。試料供給装置13は、キャビネット2の上壁一側部14
を開口して供給ホッパー15を装着し、ホッパー15の開口
部16を開閉するシャッター17をスライド自在に設け、シ
ャッター17に電磁石18を連結し、側壁にレベル計19を装
着してある。ホッパー15の下方に多数の鋭利な突部を有
する一対のローラー20,21を対向回転自在に軸架し、さ
らにその下方に表面を平滑面とした一対の細粉用ローラ
ー22,23を対向回転自在に軸架し、粉砕室24内部の前記
ローラー20,21,22,23に対面して電磁弁を備えた噴射ノ
ズルとローラーに接触する弾性材とからなる清掃装置25
A〜25Dを設けてある。
粉砕室24の下方部に粉砕粒の選別装置26を配設してあ
り、選別装置26は、一側部に粗粒子排出口27を固設した
振動フレーム28を板バネ29により支架し、振動フレーム
28に多孔壁板30を装脱自在に設け、振動フレーム28の側
面31に近接して電磁石32を固設してある。
選別装置26の下方に粉砕試料を充填する試料容器33を設
ける(第3図参照)。試料容器33は、試料容器移動体34
に装着した容器受台35に設けた案内溝36に装脱自在とし
てある。試料容器33の移動機構として、一側部にラック
37を固設した試料容器移動体34を中空軸とし該移動体34
に断面丸状の軌道軸38を挿入し、軌道軸38の一側部39を
回動用ハンドル40に他側部41を軸受台42に軸架し、キャ
ビネット2の底壁に固設した受台43に支点台44を装着
し、試料容器移動体34のラック37にモーター45に軸着し
た歯車46を係着し、モーター台47にモーター45を装着し
たその端部を試料容器移動体34に遊嵌すると共に、モー
ター台47と支点台44とにロッドが伸縮する電磁石48を回
動自在に連結してある。49は、試料容器33上の粉砕試料
を圧縮充填すると共に、過量試料を取除くための試料充
填器となす回転ローラー、50は試料容器33の位置を充填
部に設定するための充填部位置センサー、51は試料容器
33の位置を測定部に設定するための測定部位置センサー
であり、63は、ローラー20,21,22,23および回転ローラ
ー49を回転駆動する電動機である。52は試料容器33内か
ら試料米を噴風により排除させると共に清掃を行う噴射
ノズル、53は不要試料を受取る受箱、54は透明板12に接
離して清掃する試料容器移動体34に固設した清掃器であ
る。試料容器33の凹部側壁には試料温度を検出するサー
ミスタを埋設して温度検出器65とし、温度検出器65に連
結した端子66を試料容器33の外側壁から突出させ、積分
球7の外側部に温度検出器65の端子66の圧着部67を設け
てあり、圧着部67は後述する制御装置59に電気的に連結
してある。
キャビネット2の前面部には表示器55A〜55Dよりなる表
示装置55、及び操作ボタン56として、手動操作ボタン56
A,自動操作ボタン56B等を備えている。58はプリンタ
ー、59は制御装置であり、演算装置60と記憶装置61およ
び信号処理装置62を備える。記憶装置61には食味の総合
評価に必要な成分換算係数、食味換算係数および銘柄別
の米価額などが設定されている。57は(第4図参照)、
キャビネット2の前面開口部に設けた試料米の外部供給
部である。
次に、第5図により制御装置59の構成につき説明する。
演算装置60,記憶装置61,信号処理装置62等からなる制御
装置59の入力側には、受光素子9A,9B,レベル計19,位置
センサー50,51,操作ボタン56,温度検出器65,キーボード
64のそれぞれを連結し、制御装置59の出力側には表示装
置55,プリンター58を連結し、また、光源4,電動機10,6
3,電磁石18,32,48,モーター45,清掃装置25A〜25D,噴射
ノズル52のそれぞれは駆動装置68〜76のそれぞれを介し
て制御装置59の出力側に連結してある。
以下に上記構成における作用を第1図〜第5図および第
6図の動作フロー図を併用して説明する。
キーボード64から米の食味に影響を及ぼす主要成分のア
ミロース、および準主要成分の蛋白質,水分,脂肪質,
脂肪酸それぞれの特定係数値と、米の銘柄,等級別の米
価格を制御装置59の記憶装置61に入力する。この特定係
数値は含有率を算出する成分換算係数で、前記成分の含
有率と米に近赤外光を照射した際のその反射光量との関
係から定める。
同じくキーボード64から制御装置59の記憶装置61には、
上記主要成分,準主要成分ごとに今一つの特定係数値お
よび測定値を補正する温度補正値を設定してある(ステ
ップS1)。この特定係数値は含有率から食味の総合評価
値を算出するための食味換算係数で、前記成分の含有率
と官能により求めた米の食味の総合評価との関係から定
める。それぞれの成分ごとに設定した食味判定の食味換
算係数の数例を以下に示す。
K=食味換算係数,T=食味の総合評価値 アミロース(含有率A)のみを測定する場合 K=−1.08A+28.3 蛋白質(P)のみを測定する場合 K=2.4P+23.2 アミロース(A)に蛋白質(P)を付加した場合 アミロース(A)に蛋白質(P),水分(M)を付加し
て測定する場合 K=A1.0×P0.3×{15+[15−M]}0.75 T=50,000/K2 (Tの値が大きいほど食味ランクが上位) また、第7図に示すものは、温度検出器65の検出温度に
よりアミロースの測定値を補正する温度補正値を示すも
のである。
次に、自動操作ボタン56Bを押すと(ステップS2)、近
赤外分光分析装置3に通電され、光源4をONして該装置
3を予熱するとともにタイマーT1を作動させ(ステップ
S3)、電動機63がONしてローラー20,21,22,23および回
転ローラー49それぞれを回転させ(ステップS4)、次い
で電磁石32に通電して振動フレーム28を振動させる(ス
テップS5)。試料容器33が試料米の充填位置に所在して
いることを充填部位置センサー50が検出すると(ステッ
プS6)、次に供給ホッパー15に試料米が供給されている
か、また近赤外分光分析装置3の予熱時間が所定時間経
過しているかを制御装置59によりチェックし、レベル計
19が試料のあることを検出し、タイマーT1の設定した所
定時間を経過している信号の入力により(ステップS7,
8)、電磁石18がONしてシャッター17を開成して試料米
を流出させる(ステップS9)。ローラー20,21間を通過
して粉砕した試料米をさらに細粉用ローラー22,23間に
通過させて微粒子に粉砕し(ステップS10)、粉砕され
た試料米は振動する多孔壁板30上に流下して粒選別作用
を受ける(ステップS11)。多孔壁板30の通孔を貫通し
た粒子は試料容器33上に流下し、試料容器33上に盛上が
って過量となった試料米は受箱53に流下し、多孔壁板30
上に残留する粗粒子は粗粒子排出口27を介して受箱53に
流出する(ステップS12)。
供給ホッパー15内に供給された試料米が完全に排出され
たことを検出したレベル計19の信号により(ステップS1
3)、モーター45を作動して試料容器移動体34を移動さ
せる。その移動過程中において、試料容器33に盛上がっ
た試料米を回転ローラー49により試料容器33に圧縮充填
するとともに、上面を平坦面として過量の試料米を受箱
53に流出させ、試料容器33が測定部11下部の所定位置に
到達したことを測定部位置センサー51が検知するとモー
ター45の作動を停止し(ステップS14)、その停止信号
によって近赤外分光分析装置3の測定が開始される。以
上のように試料米は加熱処理もしくは化学処理を受けな
い。
先ず光源4からの照射光をフィルター6を透過して2130
nmの波長領域の近赤外光を取出し、この近赤外光を反射
鏡5から試料容器33内の試料米に照射し、試料米から積
分球7に反射する反射光量を受光素子9A,9Bにより検出
し、その検出値を制御装置59に連絡する(ステップS15,
16)。反射光量の検出信号の連絡とともに電動機10を作
動させフィルター6…の回動と測定を順次行い、フィル
ター6…の2180nm.,2270nm.,2310nm.におけるそれぞれ
の近赤外波長域の特性から得られる反射光量を測定して
制御装置59に連絡する(ステップS17,18)。なお、フィ
ルター6…の上記の近赤外波長域においてそれぞれ±10
nm.の許容範囲(半値幅)を設けてある。各フィルター
6…による測定が終了したかどうかを確認し、所定回数
でないなら所定回数に至るまで測定を行う(ステップS1
9)。
次に試料容器33内の試料温度を温度検出器65により検出
し、その検出値を端子66,圧着部67を介して制御装置59
に連絡し(ステップS20,S21)、その検出信号の入力終
了により、モーター45と清掃装置25A〜25Dを作動し、清
掃装置25A〜25Dにより各ローラー20,21,22,23の周面を
高圧空気の噴射により清掃し(ステップS22)、またモ
ーター45により試料容器移動体33を粉砕室24方向に移動
させ、充填部位置センサー50が試料容器33が所定位置に
到達したことを検出するとモーター45の作動を停止する
(ステップS23)。試料容器移動体34の移動過程におい
て、清掃器54が測定部11下部の透明板12を清掃する。タ
イマーT2の所定時間を経過すると清掃装置25A〜25Dの作
動を停止し(ステップS24,25)、電磁石18の作動を停止
して供給ホッパー15のシャッター17を閉成する(ステッ
プS26)。試料容器33が充填部の所定位置に到達すると
電磁石48を作動し、軌道軸38を中心としてモーター45ご
と試料容器移動体34を90°反転させ(ステップS27)、
試料容器33に噴射ノズル52が高圧空気を噴射して試料を
排除するとともに試料容器33を清掃する(ステップS2
8)。噴射ノズル52が一定時間作動した後、噴射ノズル
の作動を停止し(ステップS29,30)、電磁石48を停止し
て試料容器移動体34を正常位置に復帰させて次回の試料
測定に備える(ステップS31)。制御装置59の演算装置6
0に連絡された受光素子9A,9Bの反射光量検出値と温度検
出器65の温度検出値により、米の食味に影響を及ぼす成
分のアミロース,蛋白質,水分,脂肪質,脂肪酸のそれ
ぞれは、記憶装置61に入力したそれぞれの成分換算係数
と、食味換算係数,温度補正値とで演算され、演算され
た各種成分を基にした食味の総合評価値は、キャビネッ
ト2前面の表示器55A〜55Dにデジタル表示されるととも
に、プリンター58により、各種測定値と食味の総合評価
値とが自動的にプリントされて繰出される(ステップS3
2〜34)。
なお、複数回の試料測定の後、任意の食味とする米粒の
配合において、米の食味測定を行ったそれぞれの測定値
は記憶装置61に記憶されているので、キーボード64から
制御装置59に信号を入力すると、それぞれの測定した米
粒をそれぞれどのような比率で配合すると最も経済的で
あるか等を知ることができる。
また、手動操作ボタン56Aを投入すれば、操作用押ボタ
ン56により電動機10を寸動させて反射鏡5,フィルター6
…を任意に回動させることができ、電動機63を起動して
試料米の粉砕も行える。そして、外部から試料米を試料
容器33に充填して測定を行う場合には、回動用ハンドル
40を測定部11に向けて押込み、試料容器33を外部供給部
57から引出し、試料米を試料容器に充填し、上面部を平
坦面に加圧した後試料容器33を容器受台35の案内溝36に
挿入し、試料容器33を測定部11に装備して測定を行う。
食味の総合評価に関する各成分の測定値をより正確に得
るためには、試料容器に充填する試料米を小粒子に粉砕
することが好ましく、その粒子は500ミクロン以下とす
べきであるが、篩選別により選別された粗粒子を排除し
たものでは部分的な測定となり測定誤差を招くから、粉
砕作用を2回繰返すことが望ましい。以下に示す表は、
各成分の真値を100%としたときの、試料米を粉砕した
粒子の大小と測定値の精度を示すものである。
上記の表からも判断できるように、粒子の大きさによっ
て測定精度が異るので、食味の総合評価の上から測定精
度は±0.5以下でないと評価の正確さに欠けることがあ
る。したがって、粉砕粒の選別装置26に使用する多孔壁
板30の通孔は500ミクロン以下の粒子となるものを使用
しなければならない。また、食味測定装置1の外で試料
米を粉砕し、その試料米を外部供給部57から測定部11に
装備して測定する場合も同様に、粉砕した粒子を篩選別
して500ミクロン以下の粒子のみを試料容器33に充填す
ると測定精度が確保できる。
なお、上記説明では、澱粉質に占める成分をアミロース
の分析により食味の総合評価を行うようにしたが、アミ
ロペクチンの含有率を測定し、アミロペクチンの特性に
よる成分換算係数および食味換算係数を設けて測定およ
び演算しても同様に食味の総合評価を行うことができる
ものであり、また、アミロースまたはアミロペクチンの
検出値は必ずしも100%の純度を要するものでないこと
は言うまでもない。また、上記の実施例で説明したフィ
ルター6…の波長は一例を示したものであり、説明に使
用した波長に限定されるものではなく、波長領域1200n
m.〜2400nm.の範囲内において任意の波長を選択して測
定できるものであり、温度検出器をキャビネット内部あ
るいは外部に装着して気温を検出することもある。
そして、第8図に示すように、反射鏡を設けず光源4の
照射光を直接フィルター6を介して試料米に近赤外光を
照射することもある。
[発明の効果] 上記に説明した如く本発明の利点とすることは次のとお
りである。すなわち、米の食味に影響をおよぼす複数の
所定成分の含有率を正確に検出し、さらに、この含有率
から食味換算係数によって食味の総合評価値を得るの
で、誰でもが正確かつ容易に米の食味の測定を行うこと
ができ、銘柄別あるいは産地別の旧来の評価方法を改善
し、各種の次行程作業を合理化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は本発明の実施例図であり、第1図は食
味測定装置の正断面図、第2図は要部の拡大断面図、第
3図は要部の斜視図、第4図は装置の正面図、第5図は
制御装置の構成を示すブロック図、第6図は制御装置の
動作フロー図、第7図はアミロースの測定値を補正する
温度補正値を示した図、第8図は本発明の別の実施例図
である。 1……食味測定装置、2……キャビネット、3……近赤
外分光分析装置、4……光源、5……反射鏡、6……フ
ィルター、7……積分球、8……窓、9A,9B……受光素
子、10……電動機、11……測定部、12……透明板、13…
…試料供給装置、14……一側部、15……供給ホッパー、
16……開口部、17……シャッター、18……電磁石、19…
…レベル計、20,21……ローラー、22,23……細粉用ロー
ラー、24……粉砕室、25A〜25D……清掃装置、26……選
別装置、27……粗粒子排出口、28……振動フレーム、29
……板バネ、30……多孔壁板、31……側面、32……電磁
石、33……試料容器、34……試料容器移動体、35……容
器受台、36……案内溝、37……ラック、38……軌道軸、
39……一側部、40……回転用ハンドル、41……他側部、
42……軸受台、43……受台、44……支点台、45……モー
ター、46……歯車、47……モーター台、48……電磁石、
49……回転ローラー、50……充填部位置センサー、51…
…測定部位置センサー、52……噴射ノズル、53……受
箱、54……清掃器、55……表示装置、55A〜55D……表示
器、56……操作ボタン、56A……手動操作ボタン、56B…
…自動操作ボタン、57……外部供給部、58……プリンタ
ー、59……制御装置、60……演算装置、61……記憶装
置、62……信号処理装置、63……電動機、64……キーボ
ード、65……温度検出器、66……端子、67……圧着部、
68〜76……駆動装置。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−11841(JP,A) 特表 昭60−501268(JP,A) 澱粉科学、第32巻 第1号(1985)P. 51−60 日本食品工業学会誌、第27巻 第9号 (1980)P.464−472 育種学雑誌、35巻 別冊2(1985)P. 250−251 北海道立農業試験場資料第15号(1982) P.65−71

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】米の食味に影響を及ぼす複数の所定成分の
    含有率と米に近赤外光を照射した際のその反射光量との
    関係から成分換算係数を定め、また、米に占める前記成
    分の含有率と官能により求めた米の食味の総合評価値と
    の関係から食味換算係数を定め、試料米を加熱処理もし
    くは化学処理することなく、これに近赤外光を照射して
    その反射光量を測定し、この反射光量と前記成分換算係
    数とから前記試料米における前記複数成分の含有率を求
    め、ついでこの含有率と前記食味換算係数とから前記試
    料米の食味の総合評価値を得ることを特徴とした食味測
    定方法。
  2. 【請求項2】米の食味に影響を及ぼす複数の所定成分を
    アミロースまたはアミロペクチン,蛋白質,水分,脂肪
    質,脂肪酸のうち任意複数の成分としたことを特徴とし
    た特許請求の範囲第1項に記載の食味測定方法。
  3. 【請求項3】微粉粒に粉砕された試料米に近赤外光を照
    射することを特徴とした特許請求の範囲第1項または同
    第2項に記載の食味測定方法。
  4. 【請求項4】試料米の温度によって前記評価値を補正す
    ることを特徴とした特許請求の範囲第1項〜同第3項の
    いずれか一つに記載の食味測定方法。
  5. 【請求項5】試料米について、米の食味に影響を及ぼす
    複数の所定成分を加熱処理もしくは化学処理せずに測定
    し、その食味の総合評価を行う米の食味評価装置であっ
    て、成分分析装置および制御装置を備え、成分分析装置
    は試料米による近赤外光の反射光量を測定して出力する
    手段を有し、制御装置は、米の食味に影響を及ぼす複数
    の所定成分の含有率と米に近赤外光を照射した際のその
    反射光量との関係を定めた成分換算係数および米に占め
    る前記複数成分の含有率と官能により求めた米の食味の
    総合評価値との関係から定めた食味換算係数を記憶した
    記憶手段、ならびに前記の反射光量と成分換算係数およ
    び食味換算係数から食味の総合評価値を演算し出力する
    演算手段を有することを特徴とした食味測定装置。
  6. 【請求項6】記憶手段にアミロースまたはアミロペクチ
    ン,蛋白質,水分,脂肪質,脂肪酸のうち、任意複数の
    成分に関する成分換算係数が格納されていることを特徴
    とした特許請求の範囲第5項に記載の食味測定装置。
  7. 【請求項7】成分分析装置は、近赤外光波長領域1200nm
    〜2400nmの範囲内における任意波長のフィルターを複数
    個備えていることを特徴とした特許請求の範囲第5項ま
    たは同第6項に記載の食味測定装置。
  8. 【請求項8】フィルターにより設定される任意波長の波
    長許容範囲を±10nmとされていることを特徴とした特許
    請求の範囲第7項に記載の食味測定装置。
  9. 【請求項9】試料米を充填した容器またはその近傍に温
    度検出器が配置され、温度検出値によって前記評価値を
    補正する手段を備えていることを特徴とした特許請求の
    範囲第5項〜同第8項のいずれか一つに記載の食味測定
    装置。
  10. 【請求項10】試料米を微砕粒に粉砕する粉砕装置を有
    することを特徴とした特許請求の範囲第5項〜同第9項
    のいずれか一つに記載の食味測定装置。
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