JPH0523178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、棒状ヒータを有する調理器に使用さ
れ、対象物から出た調理汁等を排出して調理効率
を向上させ、しかも清潔に調理できる調理用パレ
ツトに関するものである。

〔従来の技術〕

近年、省エネルギーの見地から遠赤外線ヒータ
を利用した遠赤外線調理器が開発されている。

この遠赤外線調理器は、実開昭61−110003号公
報に示されているように、上部に開口部を有する
調理器本体と、該調理器本体の相対する側壁に配
設された複数の遠赤外線ヒータとを有して構成さ
れていた。

しかしながら、上記遠赤外線調理器において
は、対象物は上部の吊り下げ棒に吊下されて調理
されるので、対象物が多い場合には吊り下げ部材
で対象物を複数個串刺して吊り下げなければなら
ず、対象物の油脂、調理汁等がその下の対象物に
付着し下部の調理物が使いものにならないという
問題点があつた。

そこで、対象物を出し入れする開口部をオーブ
ン等の側壁に設け、その天井部と底部に棒状の遠
赤外線ヒータを配設した通常のオーブンと同様の
構造としたものが考えられる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記構造においては対象物の調理汁
等が下に落下して遠赤外線ヒータに付着しないよ
うにするための受け皿が必要であり、該受け皿に
調理汁等が溜まつて、調理効率が低下したり、調
理汁が対象物に付着したまま調理されるので、対
象物の外観が汚くなるという問題点があつた。

上記問題点は遠赤外線ヒータを使用した調理器
のみならず、その他のヒータを使用した調理器に
も当てはまる問題であつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、対
象物から出た調理汁等が外部に排出され、調理効
率を向上させることができ、しかも対象物を清潔
に調理することができる調理用パレツトを提供す
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決する本考案に係る調理用パレ
ツトは、下部から対象物を加熱する棒状ヒータを
有する調理器に使用される調理用パレツトにおい
て、上記調理用パレツトの底面に上記棒状ヒータ
と平行に縦細長の調理汁排出孔が形成されると共
に、上記底面は上記調理汁排出孔に向かつて傾斜
され、しかも調理用パレツトには液透過性載置台
が配設されて構成されている。

ここに、調理汁排出孔から排出された調理汁を
下部から受ける調理汁落下樋が設けられているこ
とが望ましい。

〔作用〕

本考案に係る調理用パレツトは、その底面に縦
細長の調理汁排出孔が形成されると共に、上記底
面は上記調理汁排出孔に向かつて傾斜されている
ので、対象物から出た調理汁等が調理汁排出孔か
ら下部へ落下する。

また、調理汁排出孔は下部に配設される棒状ヒ
ータと平行に形成されているので、調理汁排出孔
と棒状ヒータとの位置を多少ずらすことによつて
調理汁排出孔から落下した調理汁が棒状ヒータに
付着することはない。

しかも、調理用パレツトには液透過性載置台が
配設されているので、調理用パレツト内部に調理
汁が溜まることがない。

〔実施例〕

続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を
具体化した一実施例につき説明し、本考案の理解
に供する。

ここに、第１図は本考案の一実施例に係る調理
用パレツトの側断面図、第２図は上記調理用パレ
ツトの一部切欠き平面図、第３図は上記パレツト
の液透過性載置台の平面図、第４図は上記調理用
パレツトの使用状態を示す概略構成正面図、第５
図は同側面図である。

第１図及び第２図に示すように、本考案の一実
施例に係る調理用パレツト１０は、両側部に形成
された掛止部１１と、中央部に形成された縦細長
の調理汁排出孔１２とを有してなり、底面は該調
理汁排出孔１２に向かつて傾斜されていると共
に、液透過性載置台１３が配設されて構成されて
いる。以下、これらについては詳しく説明する。

上記調理用パレツト１０には遠赤外線放射物質
の一例であるセラミツク等が塗布されていること
が好ましく、下部に配設される棒状ヒータが遠赤
外線ヒータである場合に遠赤外線熱を一旦吸収し
て、更に調理用パレツト１０の上部に載置される
対象物に遠赤外線を放射することができるもので
ある。

上記掛止部１１は、後述する遠赤外線調理器１
８の対となる無端チエン１９に横架されるもので
ある。

上記調理汁排出孔１２は、調理用パレツト１０
の中央部に形成され、しかも底面は該調理汁排出
孔１２に向かつて傾斜されているので、対象物の
調理汁が調理汁排出孔１２から下部へ落下するよ
うになつている。

上記液透過性載置台１３はステンレス等の金属
からなり、全体に複数の小孔１４（第３図に示
す）が形成されて、第１図に示すように調理用パ
レツト１０の底部とは多少の隙間を有して配設さ
れているので、対象物から出た調理汁を切つて下
部の調理汁排出孔１３に落とすことができる。

ここで、上記液透過性載置台１３を金属性の網
で構成することも可能である。

続いて、第４図に示すように、対象物を載置し
た調理用パレツト１０を搬送する搬送機構１５
と、該搬送機構１５によつて送られた対象物を下
部から熱射する複数本の遠赤外線ヒータ１６と、
該遠赤外線ヒータ１６の上部に配設される複数本
の遠赤外線ヒータ１７とを有してなる遠赤外線調
理器１８において、本考案の調理用パレツト１０
の使用方法及び作用について更に詳しく説明す
る。

上記搬送機構１５は、対となる無端チエン１９
と、該無端チエン１９を回転駆動するモータ２０
とを有してなり、該モータ２０の回転がプーリー
２１，２２に張架されたベルト２３を介してプー
リー２２と同軸上にある前後のスプロケツト２４
に伝動され、該前後のスプロケツト２４には夫々
無端チエン１９が前後のスプロケツト２５，２
６，２７を介して取付けられているので、無端チ
エン１９を連続して回転させることができる。

また、第５図に示すように、調理汁排出孔１２
の下部には棒状の遠赤外線ヒータ１６と平行に調
理汁落下樋２８が取付けられているので、調理汁
排出孔１２から落ちた対象物の調理汁が遠赤外線
ヒータ１６に掛かる心配がない。

そして、調理汁落下樋２８に落ちた調理汁は外
部へ搬出されるものである。

なお、２９は遠赤外線ヒータ１６の反射板を示
すものである。

上記実施例においては遠赤外線調理器に調理用
パレツトを使用した場合について説明したが、本
考案はこれに限定されるものではなく、棒状のヒ
ータを有する調理器であれば良く考案の目的を逸
脱しない範囲で適用されるものである。

〔考案の効果〕

本考案に係る調理用パレツトは以上の説明から
も明らかなように、対象物から出た調理汁等が調
理汁排出孔から下部へ落下し、該調理汁排出孔は
下部に配設される棒状ヒータと平行に形成されて
いるので、調理汁排出孔と棒状ヒータとの位置を
多少ずらすと調理汁排出孔から落下した調理汁が
棒状ヒータに付着することはない。

しかも、調理用パレツトには液透過性載置台が
配設されているので、調理汁が対象物に遮られて
調理用パレツト内部に溜まることがない。

従つて、調理効率が向上させることができ、対
象物を清潔に調理することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る調理用パレツ
トの側断面図、第２図は上記調理用パレツトの一
部切欠き平面図、第３図は上記パレツトの液透過
性載置台の平面図、第４図は上記調理用パレツト
の使用状態を示す概略構成正面図、第５図は同側
面図である。 符号の説明、１０……調理用パレツト、１１…
…掛止部、１２……調理汁排出孔、１３……液透
過性載置台、１４……小孔、１５……搬送機構、
１６，１７……遠赤外線ヒータ、１８……遠赤外
線調理器、１９……無端チエン、２０……モー
タ、２１，２２……プーリ、２３……ベルト、２
４，２５，２６，２７……スプロケツト、２８…
…調理汁落下樋、２９……反射板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下部から対象物を加熱する棒状ヒータを有す
   る調理器に使用される調理用パレツトにおい
   て、上記調理用パレツトの底面に上記棒状ヒー
   タと平行に縦細長の調理汁排出孔が形成される
   と共に、上記底面は上記調理汁排出孔に向かつ
   て傾斜され、しかも調理用パレツトには液透過
   性載置台が配設されることを特徴とする調理用
   パレツト。 (2) 調理汁排出孔から排出された調理汁を下部か
   ら受ける調理汁落下樋が設けられている実用新
   案登録請求の範囲第１項または第２項記載の調
   理用パレツト。