JPH05230760A - ポリフェニレンスルホン繊維の製法 - Google Patents

ポリフェニレンスルホン繊維の製法

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JPH05230760A
JPH05230760A JP4027594A JP2759492A JPH05230760A JP H05230760 A JPH05230760 A JP H05230760A JP 4027594 A JP4027594 A JP 4027594A JP 2759492 A JP2759492 A JP 2759492A JP H05230760 A JPH05230760 A JP H05230760A
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JP
Japan
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fiber
pps
spinning
fibers
ppso
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Application number
JP4027594A
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English (en)
Inventor
Masao Umezawa
正夫 梅沢
Nobuo Kurata
信夫 倉田
Tadayuki Matsumoto
忠之 松本
Takuji Sato
卓治 佐藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリフェニレンスルフィドを紡糸速度2500
m/分以上の速度で溶融紡糸して、比重1.34以下、
複屈折率0.05〜0.20のポリフェニレンスルフィ
ド繊維とし、次に該繊維を有機過酸化物で処理する。 【効果】耐熱性および耐薬品性が良好で、かつ高い繊度
のポリフェニレンスルホン(PPSO)繊維を安価に製
造することができるので、耐熱、耐薬品性の要求される
各種用途への展開が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性と耐薬品性に優れ
たポリフェニレンスルホン(以下PPSOと称する)繊
維の効率的な製法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱性と耐薬品性に優れた繊維は、産業
の高度化、また環境改善面から、焼却炉の集塵機が、電
気集塵機からバグフィルターへ移行されることなどによ
り、富みに開発要求が強くなっている。また、半導体分
野などをはじめとして、各種の薬液に耐えるフィルター
が強く要求されている。かかる要求に合致する繊維とし
て、本発明者らは、PPSO繊維およびその製造法を特
開昭63−182413号公報などをはじめとして、幾
つか提案している。
【0003】しかしながら、PPSOは不溶融、不溶解
なので、成型することができないので、直接、成型して
繊維とすることができない。したがって、特開昭63−
182413号公報にも記載したように、ポリフェニレ
ンスルフィド(以下PPS繊維と称する)繊維などを酸
化して作られる。そして、この酸化反応は、繊維の中に
過酢酸などの過酸化物が侵入し、該PPS繊維中の硫黄
成分と反応することにより達成される。
【0004】このため、細いPPSO繊維は容易に製造
できるが、太いPPS繊維をPPSO繊維にするには長
時間かかるという工業的には難問があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、例えば、バグフィルターなどをはじめ、各種
フィルター、また、電気資材などへの工業的な展開を図
るのに良好なPPSO繊維の容易な製法を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ポリフェニレンスルフィドを紡糸速度2500m/
分以上の速度で溶融紡糸して、比重1.339未満、複
屈折率0.05〜0.20のポリフェニレンスルフィド
繊維とし、次に該繊維を有機過酸化物で処理することを
特徴とするポリフェニレンスルホン繊維の製法によっ
て、達成できる。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法は二つの工程によって構成される。まず、第一の工
程は高速で溶融紡糸して、所望のPPS繊維を得ること
にある。溶融紡糸方法は従来公知の任意の方法が採用で
きる。PPSは単独成分での紡糸であっても、また他の
樹脂との複合紡糸であってもよい。また、単糸繊度の太
さも特に限定されるものではない。
【0008】そして本発明においては、PPSの溶融紡
糸方法を、その紡糸速度を2500m/分以上とし、か
つ、紡糸して得らるPPS繊維の比重を1.339未
満、複屈折率を0.05〜0.20とするのである。2
500m/分以上の紡糸速度で得られたPPS繊維を過
酢酸などの過酸化物で処理することにより得られるPP
SO繊維は、フレキシビリティーに富み、その実用性が
高いものである。
【0009】そして一層好ましい紡糸速度は3000m
/分以上である。なお、高速紡糸工程で、PPS繊維に
高温の熱がかかると繊維の比重が高くなり、薬剤処理で
もPPSO化しにくくなるので、十分注意して高速紡糸
する必要がある。従って、紡糸工程において、流体加熱
領域や130℃を越える加熱ローラの使用は望ましくな
い。また、特に紡糸工程で繊維がその最終太さまで細化
した後に、130℃を越える熱がかかることは好ましく
ない。
【0010】このようにして、PPS繊維の比重は1.
339未満、復屈折率を0.05〜0.20の範囲とす
る。比重が1.339を超過すると後の工程での有機過
酸化物による薬液処理に要する時間が長くなり、より好
ましい比重は1.25〜1.339の範囲である。一
方、比重が1.25未満であると、酸化処理により、P
PSO繊維に変性しても物性が低く好ましくない。ま
た、復屈折率が0.05であると処理後の繊維は脆くな
る。一方、復屈折率が0.20を越すと、有機過酸化物
による薬液処理に要する時間が長くなるので好ましくな
く、0.05〜0.20とする必要がある。より好まし
い復屈折率は0.10〜0.17である。このように、
本発明において過酸化物による薬液処理に供するPPS
繊維は、配向度は適度で、密度は低い繊維とするもので
ある。
【0011】次に、本発明において、第二工程として、
高速紡糸された繊維を過酢酸、過プロピオン酸、過酪酸
などの有機過酸化物で薬剤処理し、PPS繊維をPPS
O繊維とする。薬剤処理の方法は、前記したPPS繊維
を有機過酸化物の液浴中に通過せしめ、連続処理しても
よい。また、PPS繊維を織物、編物、不織布などをは
じめとする布帛にした後に、有機過酸化物の液浴中に浸
漬し連続あるいは、バッチで処理することもできる。ま
た、高速紡糸し、さらにいわゆる、スパンボンドにした
あと、有機過酸化物の液浴中に浸漬してPPSOのスパ
ンボンドとしてもよい。
【0012】次に、過酸化物での薬液処理条件は、過酸
化物の種類、濃度、温度、また、繊維の太さなどにより
適宜条件を設定し、PPSO化処理を行う。かかる処理
により、PPS繊維は容易にPPSO繊維に変性される
のである。そして、本発明の方法によれば、通常の紡織
に使用できるPPS繊度の繊維、またはモノフィラメン
トなどの太いPPS繊維も容易にPPSO繊維に変性す
ることができるのである。なお、かかる過酸化物処理に
おいて、PPS繊維は単独で処理してもよいし、また、
他の繊維などと併用して処理してもよい。
【0013】本発明により得られるPPSO繊維は、高
い耐熱性、耐薬品性をもち、しかも安価に製造でき、し
かも高い繊度のものも製造できるので、多種の分野に展
開可能である。その代表的な例を下記する。
【0014】バグフィルター、薬液フィルター、ドライ
ヤーカンバス、抄紙用フェルト、縫糸、耐熱性フェル
ト、食品用フィルター、離形材、電池のセパレーター、
心臓パッチ、人工血管、人工皮膚、プリント基板基材、
電気絶縁材料、習動部材、工業用フェルト、エンジンオ
イルフィルター、ワイピングクロス、コピークリーナ
ー、断熱材、ガスケット、安全衣服、実験着、防水資
材、デミスター、イオン交換基材、燃焼用芯、オイル保
持材、断熱材など。
【0015】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例1 紡糸温度310℃、紡糸速度4500m/分で繊度が
2.5デニールのPPS繊維を巻取った。得られたPP
S繊維の比重は1.336、複屈折率は0.16であっ
た。
【0016】次に、得られたPPS本繊維を20%、4
0℃の過酢酸に浸漬し、1時間処理したところ、PPS
繊維の硫黄部分の95%がSO2 に変性された強度2.
9g/d 、伸度25%のPPSO繊維を得た。
【0017】かかるPPSO繊維を300℃の空気中で
100時間放置テストしたところ、強度保持率が97%
という耐熱性の極めて高い繊維であった。また、59%
の濃硝酸に1週間95℃で浸漬しても強度、伸度とも変
化がない繊維であった。
【0018】実施例2 紡糸温度320℃、紡糸速度6000m/分でPPS繊
維を高速空気で引取り、引続き、電圧をかけた場に通
し、帯電させ、さらに衝突板に衝突せしめ、移動するコ
ンベアー上に開繊・補集し、単糸繊度が2デニールの連
続繊維からなる目付180g/m2 ウエッブを得た。
【0019】該単繊維の比重は1.337であり、複屈
折率は0.17であった。次に、該ウエッブをニードル
パンチマシンに通しニードルバンチし、不織布とした。
【0020】次に、該不織布を40℃、10%の過酢酸
浴に通し、次に50℃、20%の過酢酸浴にさらに通
し、次に、水洗浴に通し、連続処理し、PPS繊維の硫
黄の87%がSO2 に変性された強度2.9g/d 、伸度
22%のPPSO繊維を得た。処理に要した時間は約3
5分であった。
【0021】得られたPPSO繊維を300℃の空気中
で100時間放置テストしたところ、強度保持率が97
%という極めて高い耐熱性の繊維であった。また、59
%の濃硝酸に95℃で1週間浸漬しても強度、伸度とも
変化がない繊維であった。
【0022】また、高い難燃性に富む繊維であった。
【0023】すなわち、高機能性のフィルターに特に好
適なものであった。
【0024】比較例1 紡糸温度310℃、紡糸速度1800m/分で繊度が
2.5デニールのPPS繊維を巻取った。該繊維の比重
は1.29、複屈折率は0.01であった。
【0025】次に、この繊維を20%、40℃の過酢酸
に浸漬し、1時間処理したところ、PPS繊維の硫黄部
分の98%がSO2 に変性された強度0.8g/d 、伸度
5%のPPSO繊維を得た。
【0026】該PPSO繊維は耐熱性、耐薬品性とも高
いものではあったが、強度、伸度が低く、汎用性は低い
繊維であった。
【0027】
【発明の効果】耐熱性および耐薬品性が良好で、かつ高
い繊度のポリフェニレンスルホン(PPSO)繊維を安
価に製造できるので、耐熱、耐薬品性の要求される各種
用途への展開が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/96 7199−3B // D06M 101:16 (72)発明者 佐藤 卓治 愛知県岡崎市矢作町字出口1番地 東レ株 式会社岡崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンスルフィドを紡糸速度2
    500m/分以上の速度で溶融紡糸して、比重1.33
    9未満、複屈折率0.05〜0.20のポリフェニレン
    スルフィド繊維とし、次に該繊維を有機過酸化物で処理
    することを特徴とするポリフェニレンスルホン繊維の製
    法。
  2. 【請求項2】 有機過酸化物で処理する前のポリフェニ
    レンスルフィド繊維の繊度が1デニール以上であること
    を特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルホン繊
    維の製法。
JP4027594A 1992-02-14 1992-02-14 ポリフェニレンスルホン繊維の製法 Pending JPH05230760A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994010226A1 (en) * 1992-10-28 1994-05-11 Biomaterial Research Institute Co., Ltd. Acylamidomethylated polysulfone and process for producing the same
JP4852104B2 (ja) * 2006-09-21 2012-01-11 旭化成せんい株式会社 耐熱性不織布

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