JPH05230484A - 炭化水素油添加剤およびそれを含む潤滑油組成物 - Google Patents

炭化水素油添加剤およびそれを含む潤滑油組成物

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JPH05230484A
JPH05230484A JP2978692A JP2978692A JPH05230484A JP H05230484 A JPH05230484 A JP H05230484A JP 2978692 A JP2978692 A JP 2978692A JP 2978692 A JP2978692 A JP 2978692A JP H05230484 A JPH05230484 A JP H05230484A
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carbon atoms
integer
hydrogen
oil
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JP2978692A
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English (en)
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Toshio Wachi
都司雄 和知
Hitomi Nakano
ひとみ 中野
Shinji Ikeshita
真二 池下
Kotaro Fujita
耕太郎 藤田
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 優れた酸化防止効果と摩擦調整作用とを有す
る炭化水素油添加剤と、この炭化水素油添加剤を含有す
る潤滑油組成物を提供する。 【構成】 下記一般式(I)(II) および(III) で表される
リン化合物のアミン塩のうちの少なくとも1種からなる
炭化水素油添加剤と、この炭化水素油添加剤を含む潤滑
油組成物。 〔式中、R〜Rは炭素数1〜22のアルキル基他
を、m,n,q,x,yは1〜3の整数を、Zは1〜2
の整数を示し、Aは−(CH−(rは1以上の整
数)、−(CHCHNH)−CHCH−(s
は1以上の整数)、−(CHCH(CH)NH)
−CHCH(CH)−(tは0または1以上の整数
を示す。)〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用あるいは一般
工業用の潤滑油組成物等に、酸化防止剤、摩擦調整剤と
して好適に使用される炭化水素油添加剤、および、この
炭化水素油添加剤を含有することにより、特に酸化安定
性に優れ、スラッジが発生しにくく、かつ優れた摩擦調
整作用を有する潤滑油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、潤
滑油組成物等に添加される酸化防止剤としては、アミン
類、フェノール類が一般的に用いられている。アミン類
としては、例えば、N,N′−ジフェニルパラフェニレ
ンジアミン、4,4′−ジオクチルジフェニルアミン、
N−フェニル−α−ナフチルアミン等が知られており、
フェノール類としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチル−フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−
4−エチルフェノール等が知られている。
【0003】さらに、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオ
リン酸亜鉛、ジアミンジチオカーバミン酸亜鉛等の亜鉛
化合物も、エンジン油、油圧作動油、軸受油等に広く用
いられている。しかし、上記アミン類、たとえばN−フ
ェニル−α−ナフチルアミンは酸化防止能に優れている
が、基油への溶解性が低く、その変質物の溶解度も低い
ため、スラッジが発生しやすい。また、4,4′−ジオ
クチルジフェニルアミンも、その変質物の溶解度が低
く、スラッジの一因となっている。
【0004】これらN−フェニル−α−ナフチルアミン
類や置換ジフェニルアミン類の欠点を解消するため、特
開平3−95297号公報において、2種類のアミンを
混合する方法が明らかにされた。しかしこの方法におい
ても、酸化安定性を十分に向上することはできない。ま
た、ここで用いられる各々のアミンと亜リン酸エステル
との塩は未だ知られていない。
【0005】米国特許第4,557,844号明細書に
は、内燃機関で使用するアルカンジオールのリン酸エス
テルおよびホウ酸と、たとえばN−ココナッツ−1,3
−プロピレンジアミンのようなジアミン化合物との反応
生成物に、酸化安定性と耐摩耗性の効果のあることが記
されている。しかし、この効果は未だ十分でなく、しか
も反応生成物が複雑である上、それ自身の安定性が劣る
という問題がある。
【0006】さらに、米国特許第4,537,694号
明細書では、同じく内燃機関で使用するN−ココナッツ
−1,3−プロピレンジアミンのようなジアミン化合物
の脂肪族カルボン酸塩に、耐摩耗性の効果があることが
記されているが、酸化安定性については記されていな
い。また、特公昭62−112695号公報には、上記
米国特許明細書で使用されているジアミン化合物のエチ
レンオキサイド付加物と、リン酸エステル類との塩が開
示されているが、これは冷間圧延油組成物を目的とする
ものであり、酸化安定性については触れられていない。
【0007】一方、前述したフェノール類も、その酸化
防止能及びスラッジ生成防止能ともに十分とは言えな
い。また、ジアルキルジオチリン酸亜鉛等の亜鉛化合物
も、スラッジ生成の防止効果が十分とは言えず、スラッ
ジ生成防止対策が望まれている。しかも、最近、特に自
動車のガソリンエンジン油、ギヤー油は、省燃費化、高
速走行化、軽量化のために、今までよりも過酷な環境下
で使われることが多く、より一層、酸化安定性の高い潤
滑油が求められるようになってきた。しかし、この要求
に対して、未だ満足の行く潤滑油組成物は得られていな
い。
【0008】また、上記各酸化防止剤は、何れも、潤滑
油組成物の摩擦を調整する作用を有していないため、潤
滑油組成物には、酸化防止剤の他に摩擦調整剤を添加す
る必要がある。摩擦調整剤としては、リン酸エステル、
亜リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、亜リン
酸エステルのアミン塩、脂肪酸エステル類、カルボン酸
アミド等が一般に知られている(例えば特開昭63−2
54196号公報等参照)。
【0009】リン酸エステルの具体例としては、ブチル
アシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホ
スフェート等があり、亜リン酸エステルの具体例として
は、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、ジオレイ
ルハイドロジェンホスファイト等がある。また、リン酸
エステルや亜リン酸エステルとともにアミン塩を形成す
るアミンの具体例としては、オレイルアミン、ココナッ
ツアミン、牛脂アミン等があげられる。さらに、脂肪酸
エステル類の具体例としては、ペンタエリスリトール脂
肪酸エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸エステ
ル、カルボン酸エステル等があげられ、カルボン酸アミ
ドの具体例としては、ラウリル酸、オレイン酸等の脂肪
酸や2価カルボン酸等と、ジエチルトリアミン、ヘキサ
エチレンペンタアミン、ココナッツアミン、オレイルア
ミン等との縮合物があげられる。
【0010】しかし、上記公知化合物の摩擦調整作用は
未だ十分でない。しかも、この摩擦調整作用と、酸化防
止作用とを兼ね備えた添加剤は知られていない。本発明
は、上記課題を解決するためになされたものであって、
酸化防止能と摩擦調整作用の両方に優れた炭化水素油添
加剤と、この炭化水素油添加剤を含有することによって
酸化安定性が著しく向上し、かつ、スラッジの生成を抑
制することができ、しかも、優れた摩擦調整作用を有す
る潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の炭化水素油添加剤は、下記一般式(I)(II)
および(III) で表されるリン化合物のアミン塩のうちの
少なくとも1種からなることを特徴とする。
【0012】
【化5】
【0013】〔上記式中、R1 ,R2 は、同一または異
なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素
数2〜22のアルケニル基、またはフェニル基(フェニ
ル基は、置換基として炭素数1〜12のアルキル基また
は炭素数2〜12のアルケニル基を有していてもよい)
を示す。但し、R1 ,R2 は同時に水素原子でない。
m,nは、同一または異なって、1〜3の整数を示す。
3 ,R4 は、同一または異なって、水素原子、炭素数
1〜22のアルキル基、炭素数3〜22のアルケニル
基、またはフェニル基(フェニル基は、置換基として炭
素数1〜12のアルキル基または炭素数2〜12のアル
ケニル基を有していてもよい)を示す。R3 ,R4 が共
に水素でないときxは1を示し、何れか一方が水素のと
きxは1〜2の整数を示し、共に水素であるときxは1
〜3の整数を示す。〕
【0014】
【化6】
【0015】〔上記式中、R5 は水素原子、炭素数1〜
22のアルキル基、または炭素数2〜22のアルケニル
基を示し、qは1〜3の整数を示す。R3 ,R4 は前記
と同じ基を示し、xは前記と同じ整数を示す。〕
【0016】
【化7】
【0017】〔上記式中、R6 は炭素数1〜22のアル
キル基、炭素数3〜22のアルケニル基、炭素数3〜1
2のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基を
示す。アリール基は、置換基として、炭素数1〜12の
アルキル基または炭素数2〜12のアルケニル基を有し
ていてもよい。R7 ,R8 は、同一または異なって、水
素原子または炭素数1〜22のアルキル基を示し、Aは
下記一般式(i)(ii) または(iii) で表される基を示す。
【0018】−(CH2 r − (i) (上記式中rは1以上の整数を示す) −(CH2 CH2 NH)s −CH2 CH2 − (ii) (上記式中sは1以上の整数を示す)
【0019】
【化8】
【0020】(上記式中tは0または1以上の整数を示
す)R3 ,R4 は前記と同じ基を示す。R3 ,R4 が共
に水素でないとき、yは1、zは1〜2の整数を示し、
何れか一方が水素のときyは1〜2の整数、zは1を示
す。R3 ,R4 が共に水素であるとき、上記y,zは、
yが1〜3の整数で、かつzが1を示すか、または、y
が1で、かつzが2を示す。〕また、本発明の潤滑油組
成物は、上記炭化水素油添加剤と、鉱油、合成油および
グリースよりなる群から選ばれた少なくとも1種の基油
とを含有することを特徴とする。
【0021】一般式(I) で表わされる化合物の具体例と
しては下記の化合物が例示される。4,4′−ジオクチ
ルジフェニルアミン・ジブチルホスファイト、4,4′
−ジオクチルジフェニルアミン・モノブチルホスファイ
ト、4,4′−ジオクチルジフェニルアミン・ジオクチ
ルホスファイト、4,4′−ジオクチルジフェニルアミ
ン・モノオクチルホスファイト、4,4′−ジオクチル
ジフェニルアミン・ジドデシルホスファイト、4,4′
−ジオクチルジフェニルアミン・モノドデシルホスファ
イト、4,4′−ジオクチルジフェニルアミン・ジオレ
イルホスファイト、4,4′−ジオクチルジフェニルア
ミン・モノオレイルホスファイト、4,4′−ジオクチ
ルジフェニルアミン・ジクレジルホスファイト、4,
4′−ジオクチルジフェニルアミン・モノクレジルホス
ファイト、4,4′−ジオクチルジフェニルアミン・ジ
フェニルホスファイト、4,4′−ジノニルジフェニル
アミン・ジブチルホスファイト、4,4′−ジノニルジ
フェニルアミン・モノブチルホスファイト、4,4′−
ジノニルジフェニルアミン・ジオクチルホスファイト、
4,4′−ジノニルジフェニルアミン・モノオクチルホ
スファイト、4,4′−ジノニルジフェニルアミン・モ
ノオレイルホスファイト、4,4′−ジノニルジフェニ
ルアミン・モノドデシルホスファイト、下記一般式(a)
で表されるアミンとモノブチルホスファイトとの塩、
【0022】
【化9】
【0023】(上記式中C6-10は炭素数6〜10のアル
キル基を示し、C1-33は炭素数1〜33のアルキル基を
示す。C6-10としてはオクチル基が好ましく、C1-33
してはブチル基が好ましい。)上記一般式(a) で表され
るアミンとモノオクチルホスファイトとの塩、オクチル
フェニル−フェニルアミン・ジブチルホスファイト。
【0024】一般式(II)で表わされる化合物の具体例と
しては下記の化合物が例示される。N−フェニル−1−
ナフチルアミン・ジブチルホスファイト、N−フェニル
−1−ナフチルアミン・モノブチルホスファイト、N−
フェニル−1−ナフチルアミン・ジオクチルホスファイ
ト、N−フェニル−1−ナフチルアミン・モノオクチル
ホスファイト、N−フェニル−1−ナフチルアミン・ジ
デシルホスファイト、N−フェニル−1−ナフチルアミ
ン・モノデシルホスファイト、N−フェニル−1−ナフ
チルアミン・モノドデシルホスファイト、N−フェニル
−1−ナフチルアミン・モノフェニルホスファイト、N
−フェニル−1−ナフチルアミン・ジオレイルホスファ
イト、N−p−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン
・モノオクチルホスファイト、N−p−オクチルフェニ
ル−1−ナフチルアミン・ジデシルホスファイト。
【0025】一般式(III) で表わされる化合物の具体例
としては下記の化合物が例示される。N−ココナッツト
リメチレンジアミン・ジブチルホスファイト、N−ココ
ナッツトリメチレンジアミン・モノブチルホスファイ
ト、N−ココナッツトリメチレンジアミン・ジオクチル
ホスファイト、N−ココナッツトリメチレンジアミン・
モノオクチルホスファイト、N−ココナッツトリメチレ
ンジアミン・ビス(モノオクチルホスファイト)、ビス
(N−ココナッツトリメチレンジアミン)・モノオクチ
ルホスファイト、N−ココナッツトリメチレンジアミン
・ジデシルホスファイト、N−ココナッツトリメチレン
ジアミン・モノデシルホスファイト、N−ココナッツト
リメチレンジアミン・モノドデシルホスファイト、N−
ココナッツトリメチレンジアミン・ジオレイルホスファ
イト、N−ココナッツトリメチレンジアミン・モノフェ
ニルホスファイト、N−ココナッツヘキサメチレンジア
ミン・モノオクチルホスファイト、N,N,N′−トリ
ココナッツヘキサメチレンジアミン・モノオクチルホス
ファイト、N−ココナッツトリプロピレンテトラアミン
・ジオクチルホスファイト、N−メチルトリメチレンジ
アミン・ジオクチルホスファイト、N−ブチルトリメチ
レンジアミン・モノオクチルホスファイト、N−ドデシ
ルトリメチレンジアミン・モノオクチルホスファイト、
N−オレイルトリメチレンジアミン・モノブチルホスフ
ァイト、N−オレイルトリメチレンジアミン・モノオク
チルホスファイト、N−(硬化牛脂)トリメチレンジア
ミン・ジオクチルホスファイト、N−ベヘニルトリメチ
レンジアミン・モノオクチルホスファイト、N−シクロ
ヘキシルトリメチレンジアミン・モノオクチルホスファ
イト、N−フェニルトリメチレンジアミン・モノオクチ
ルホスファイト、N−オクチルトリメチレンジアミン・
モノオクチルホスファイト。
【0026】上記例示の各種塩類は、通常の方法によっ
て製造することができる。たとえば、N−ココナッツト
リメチレンジアミン・モノオクチルホスファイトは、N
−ココナッツトリメチレンジアミンにモノオクチルホス
ファイトを、または逆にモノオクチルホスファイトにN
−ココナッツトリメチレンジアミンを、発熱に注意しな
がら滴下して反応させることによって製造することがで
きる。
【0027】上記各種塩類からなる、本発明の炭化水素
油添加剤は、潤滑油組成物用に使用される。上記各種塩
類を潤滑油組成物の酸化防止剤および摩擦調整剤として
使用する場合には、後述する基油に対して、0.01〜
10.0重量%の割合で配合することが望ましく、0.
1〜2.0重量%の割合で配合することがより好まし
い。炭化水素油添加剤の配合量が上記範囲未満であると
きは、十分な酸化安定性および摩擦調整作用を得られな
いおそれがある。一方、配合量が上記範囲を超えても、
それ以上の酸化安定性および摩擦調整作用の向上は望め
ない。
【0028】基油としては、鉱油および合成油のうちの
少なくとも一種またはグリースが用いられる。鉱油およ
び合成油は、40℃における動粘度が5〜10000cS
t の範囲内であることが好ましく、20〜1000cSt
の範囲内であることがより好ましい。鉱油としては、上
記粘度条件を満たせば特に制限はなく、原油の潤滑油留
分を溶剤精製、水素化精製、白土精製、硫酸処理等によ
り精製して得られるものがあげられる。
【0029】一方、合成油としては、アルキル化芳香族
化合物、ポリグリコール油、エステル油、ジエステル
油、トリメチロールプロパンカプリレートやペンタエリ
スリトール−2−エチレンヘキサノエート等の脂肪族多
価アルコールの脂肪族カルボン酸エステル、合成ナフテ
ン油、ポリブテン、デセレートオリゴマー等のポリα−
オレフィン油等があげられる。
【0030】本発明の潤滑油組成物は、上述した基油に
前記一般式(I) 〜(III) で表されるリン化合物のアミン
塩のうちの少なくとも1種を炭化水素油添加剤として加
え、例えば室温ないし80℃、好ましくは、室温ないし
40℃の温度で攪拌して溶解させることによって製造さ
れる。本発明の潤滑油組成物には、従来、潤滑油組成物
に添加される通常の添加剤が、従来と同程度の割合で配
合されていてもよい。かかる添加剤としては、例えば清
浄分散剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、極圧剤、耐
摩耗剤、油性向上剤、腐食防止剤、抗乳化剤、乳化剤、
消泡剤、金属不活性剤等があげられる。
【0031】本発明の潤滑油組成物は、例えば自動車エ
ンジン油、ディーゼルエンジン油、タービン油、油圧作
動油、油膜軸受油、ギヤー油、自動車変速機油、シリン
ダー油、ダイナモ油、マシン油、金属加工油、切削油、
圧延油等を始めとする、各種機器類用の潤滑油として使
用可能である。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。実施例1〜6 基油としての精製鉱油(40℃における動粘度が32.
0cSt )に、前記一般式(I) で表される各種塩類を、炭
化水素油添加剤として、それぞれ1.0重量%添加し、
均一に溶解させて実施例1〜6の潤滑油組成物を調製し
た。
【0033】そして、上記各実施例の潤滑油組成物につ
いて、J1S K−2514-1982「潤滑油酸化安定度
試験方法」に所載の試験方法に準拠して165.5℃、
96時間の条件で酸化処理を行い、処理前後の粘度の比
(37.8℃)、全酸価(mgKOH/g)の増加、およ
び、ラッカー度(ラッカー状物質またはスラッジの付着
状態)を測定して、炭化水素油添加剤の、酸化防止剤と
しての能力を評価した。また、バウデン摩擦試験機を用
いて、下記の測定方法により、各実施例の潤滑油組成物
の摩擦係数を測定して、炭化水素油添加剤の、摩擦調整
剤としての能力を評価した。 *測定方法 直径10mmの軸受鋼と、厚さ3mm、長さ30mmのゴムシ
ートとの間に、測定試料としての潤滑油組成物を供給し
た後、上記軸受鋼に所定の荷重をかけながらゴムシート
の上を5回往復させた後、摩擦係数を測定した。なお、
測定の条件は下記のとおり。
【0034】測定温度:室温 荷 重:1000N 速 度:3.0mm/s 摺動距離:10mm 結果を表1に示す。
【0035】なお、上記各実施例で使用した塩類は、以
下のとおり。 実施例1:4,4′−ジオクチルジフェニルアミン・ジ
ブチルホスファイト 実施例2:4,4′−ジオクチルジフェニルアミン・ジ
オクチルホスファイト 実施例3:4,4′−ジオクチルジフェニルアミン・モ
ノオクチルホスファイト 実施例4:4,4′−ジオクチルジフェニルアミン・モ
ノドデシルホスファイト 実施例5:4,4′−ジオクチルジフェニルアミン・ジ
フェニルホスファイト 実施例6:4,4′−ジノニルジフェニルアミン・モノ
ドデシルホスファイト
【0036】
【表1】
【0037】実施例7〜11 炭化水素油添加剤として、前記一般式(II)で表される各
種塩類を使用したこと以外は、上記実施例1〜6と同様
にして潤滑油組成物を調製し、粘度の比(37.8
℃)、全酸価の増加、ラッカー度、および、摩擦係数を
測定した。結果を表2に示す。
【0038】なお、上記各実施例で使用した塩類は、以
下のとおり。 実施例7:N−フェニル−1−ナフチルアミン・ジブチ
ルホスファイト 実施例8:N−フェニル−1−ナフチルアミン・モノブ
チルホスファイト 実施例9:N−フェニル−1−ナフチルアミン・モノオ
クチルホスファイト 実施例10:N−フェニル−1−ナフチルアミン・モノ
ドデシルホスファイト 実施例11:N−p−オクチルフェニル−1−ナフチル
アミン・モノオクチルホスファイト
【0039】
【表2】
【0040】実施例12〜26 炭化水素油添加剤として、前記一般式(III) で表される
各種塩類を使用したこと以外は、上記実施例1〜6と同
様にして潤滑油組成物を調製し、粘度の比(37.8
℃)、全酸価の増加、ラッカー度、および、摩擦係数を
測定した。結果を表3〜5に示す。
【0041】なお、上記各実施例で使用した塩類は、以
下のとおり。 実施例12:N−ココナッツトリメチレンジアミン・ジ
ブチルホスファイト 実施例13:N−ココナッツトリメチレンジアミン・ジ
オクチルホスファイト 実施例14:N−ココナッツトリメチレンジアミン・モ
ノオクチルホスファイト 実施例15:N−ココナッツトリメチレンジアミン・モ
ノドデシルホスファイト 実施例16:N−ココナッツトリメチレンジアミン・モ
ノフェニルホスファイト 実施例17:N−オレイルトリメチレンジアミン・モノ
オクチルホスファイト 実施例18:N−シクロヘキシルトリメチレンジアミン
・モノオクチルホスファイト 実施例19:N−メチルトリメチレンジアミン・ジオク
チルホスファイト 実施例20:N−フェニルトリメチレンジアミン・モノ
オクチルホスファイト 実施例21:N−ブチルトリメチレンジアミン・モノオ
クチルホスファイト 実施例22:N−オクチルトリメチレンジアミン・モノ
オクチルホスファイト 実施例23:N−(硬化牛脂)トリメチレンジアミン・
ジオクチルホスファイト 実施例24:N−ココナッツヘキサメチレンジアミン・
モノオクチルホスファイト 実施例25:ビス(N−ココナッツトリメチレンジアミ
ン)・モノオクチルホスファイト 実施例26:N,N,N′−トリココナッツヘキサメチ
レンジアミン・モノオクチルホスファイト
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】比較例1〜5、参考例 比較のため、前記精製鉱油に対し、以下に示す化合物
を、それぞれ1.0重量%添加し、均一に溶解させて比
較例1〜5の潤滑油組成物を調製し、粘度の比(37.
8℃)、全酸価の増加、ラッカー度、および、摩擦係数
を測定した。以上の結果を表6に示す。また、精製鉱油
のみの測定結果を、参考例として、同表に示した。 比較例1:ココナッツアミン・デシルホスフェート 比較例2:N−ココナッツトリメチレンジアミン・オク
タノエート 比較例3:オクチルフェニルジアミン 比較例4:
【0046】
【化10】
【0047】比較例5:
【0048】
【化11】
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】前記一般式(I) 〜(III) で表わされるア
ミンと亜リン酸エステルの塩からなる、本発明の炭化水
素油添加剤は、優れた酸化防止効果、摩擦調整作用を発
揮する。また、これらの塩類を潤滑油基油に配合した本
発明の潤滑油組成物は、基油の酸化安定性が著しく向上
し、かつスラッジの発生が抑制されると同時に、優れた
摩擦調整作用を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:02 40:04 40:25 (72)発明者 藤田 耕太郎 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)(II) および(III) で表され
    るリン化合物のアミン塩のうちの少なくとも1種からな
    ることを特徴とする炭化水素油添加剤。 【化1】 〔上記式中、R1 ,R2 は、同一または異なって、水素
    原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22の
    アルケニル基、またはフェニル基(フェニル基は、置換
    基として炭素数1〜12のアルキル基または炭素数2〜
    12のアルケニル基を有していてもよい)を示す。但
    し、R1 ,R2 は同時に水素原子でない。m,nは、同
    一または異なって、1〜3の整数を示す。R3 ,R
    4 は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜22
    のアルキル基、炭素数3〜22のアルケニル基、または
    フェニル基(フェニル基は、置換基として炭素数1〜1
    2のアルキル基または炭素数2〜12のアルケニル基を
    有していてもよい)を示す。R3 ,R4 が共に水素でな
    いときxは1を示し、何れか一方が水素のときxは1〜
    2の整数を示し、共に水素であるときxは1〜3の整数
    を示す。〕 【化2】 〔上記式中、R5 は水素原子、炭素数1〜22のアルキ
    ル基、または炭素数2〜22のアルケニル基を示し、q
    は1〜3の整数を示す。R3 ,R4 は前記と同じ基を示
    し、xは前記と同じ整数を示す。〕 【化3】 〔上記式中、R6 は炭素数1〜22のアルキル基、炭素
    数3〜22のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロア
    ルキル基、炭素数6〜18のアリール基を示す。アリー
    ル基は、置換基として、炭素数1〜12のアルキル基ま
    たは炭素数2〜12のアルケニル基を有していてもよ
    い。R7 ,R8 は、同一または異なって、水素原子また
    は炭素数1〜22のアルキル基を示し、Aは下記一般式
    (i)(ii) または(iii) で表される基を示す。 −(CH2 r − (i) (上記式中rは1以上の整数を示す) −(CH2 CH2 NH)s −CH2 CH2 − (ii) (上記式中sは1以上の整数を示す) 【化4】 (上記式中tは0または1以上の整数を示す)R3 ,R
    4 は前記と同じ基を示す。R3 ,R4 が共に水素でない
    とき、yは1、zは1〜2の整数を示し、何れか一方が
    水素のときyは1〜2の整数、zは1を示す。R3 ,R
    4 が共に水素であるとき、上記y,zは、yが1〜3の
    整数で、かつzが1を示すか、または、yが1で、かつ
    zが2を示す。〕
  2. 【請求項2】上記請求項1記載の炭化水素油添加剤と、
    鉱油、合成油およびグリースよりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の基油とを含有することを特徴とする潤滑
    油組成物。
JP2978692A 1992-02-17 1992-02-17 炭化水素油添加剤およびそれを含む潤滑油組成物 Pending JPH05230484A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08291187A (ja) * 1995-04-25 1996-11-05 Sakai Chem Ind Co Ltd 炭化水素油添加剤及びそれを含む潤滑油組成物

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