JPH05230344A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH05230344A
JPH05230344A JP4069548A JP6954892A JPH05230344A JP H05230344 A JPH05230344 A JP H05230344A JP 4069548 A JP4069548 A JP 4069548A JP 6954892 A JP6954892 A JP 6954892A JP H05230344 A JPH05230344 A JP H05230344A
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JP
Japan
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resin composition
bis
hydroxyphenyl
polyarylate
weight
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JP4069548A
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English (en)
Inventor
Takashi Ida
孝 井田
Shigeru Hayase
茂 早瀬
Shinichiro Katahira
新一郎 片平
Megumi Ogasa
恵 小笠
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアリレートとビニル系ポリマーとよりな
り、透明性に優れ、複屈折率が大きく低減され、しかも
優れた機械的性質と成形性とを有する樹脂組成物を提供
する。また、光ディスク、光ファイバー、光カード保護
膜あるいはレンズなどの光学機器に適した樹脂組成物を
提供する。 【構成】 (イ)ポリアリレート10〜100重量部と
(ロ)末端あるいは主鎖に水酸基を少なくとも10当量
/106 g有するビニル系ポリマー10〜100重量部
とを溶融混練してなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリレートと水酸
基を有する変性ビニル系ポリマーとからなり、透明性に
優れ、複屈折率が大きく低減され、しかも機械的性質や
成形性が優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアリレートとビニル系ポリマーとよ
りなる樹脂組成物は公知であり、特にポリアリレートと
ポリスチレンとからなる樹脂組成物は原理的に複屈折率
を零とすることが可能性であり(井上隆、斉藤拓:機能
材料、P21、1987年3月号)、このような樹脂組
成物が透明となればこれを光学機器に応用することは多
いに期待される。しかしながらポリアリレートとポリス
チレンとは相溶性に乏しいため、単にブレンドしただけ
の樹脂組成物では透明性が損なわれ、複屈折率の低減効
果が認められないばかりか、機械的性質や成形性が大き
く低下するという問題があった。
【0003】ポリアリレートとビニル系ポリマーとより
なる樹脂組成物は例えば、特開昭47−022946号
公報、特開昭49−002851号公報などで公知であ
るが、このような問題を解決するための樹脂組成物は全
く知られていなかった。一方、光ディスク、光ファイバ
ー、光カード保護膜あるいはレンズなどの光学機器に適
した樹脂の特性としては、特に、透明性に優れること、
複屈折率が大きく低減されていることなどが要求され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑
み、本発明の課題は、ポリアリレートとビニル系ポリマ
ーとよりなり、透明性に優れ、複屈折率が大きく低減さ
れ、しかも機械的性質や成形性が優れた樹脂組成物を提
供することにある。また、本発明の他の課題は、特に光
ディスク、光ファイバー、光カード保護膜あるいはレン
ズなどの光学機器に適した樹脂組成物を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリレー
トと特定のビニル系ポリマー、すなわち水酸基を有する
ビニル系ポリマーとよりなる樹脂組成物は、透明性に優
れ、複屈折率が大きく低減されており、しかも機械的性
質や成形性にも優れていることを見いだし本発明に到達
した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、(イ)ポリア
リレート10〜100重量部と(ロ)末端あるいは主鎖
に水酸基を少なくとも10当量/106 g有するビニル
系ポリマー10〜100重量部とよりなる樹脂組成物で
ある。
【0007】本発明についてさらに詳細に説明する。本
発明で用いられるポリアリレートはビスフェノールと芳
香族ジカルボン酸とよりなるものである。ポリアリレー
トを構成するビスフェノールとしては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノ
ールAと略称する)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン(以下ビスフェノールA
Pと略称する)、ハイドロキノン、レゾルシノール、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジ
エチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(テトラメチルビスフェノールA
と略称する)、1,1−ビス(3,5−ジエチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5
−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,
1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(3,5−ジ
エチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビ
ス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ
エチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシ
フェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン、1,1−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビ
ス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)ジフ
ェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)サルファイド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)サルファイド、ビス(3,5−ジエチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,
5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス
(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルなどが挙げられ
る。中でも最も好ましいビスフェノールとしてはビスフ
ェノールA、ビスフェノールAPおよびテトラメチルビ
スフェノールAが挙げられる。本発明で用いられるビス
フェノールは必要に応じて2種類以上を用いることも可
能である。
【0008】ポリアリレートを構成する芳香族ジカルボ
ン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、ビ
ス(p−カルボキシフェニル)アルカンなどが挙げら
れ、中でもテレフタル酸及びイソフタル酸が最も好まし
く用いられる。テレフタル酸とイソフタル酸は目的に応
じてそれぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いても
よい。混合して用いる場合これらの配合比は特に制限は
なく、テレフタル酸の配合比が大きいほど高い耐熱性を
有するポリアリレートが得られる。
【0009】また、ポリアリレートの特性を実質的に損
なわない範囲で芳香族ジカルボン酸の一部をその他のジ
カルボン酸に置き換えてもよい。ただしその場合、他の
ジカルボン酸は全ジカルボン酸に対して20モル%以下
であることが好ましい。このようなジカルボン酸として
は、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、グルタル酸などの脂環式あるいは脂肪族ジカルボ
ン酸およびこれらのハロゲン化物などが挙げられる。さ
らに、ポリアリレートには必要に応じてp−ヒドロキシ
安息香酸やm−ヒドロキシ安息香酸のごとき芳香族系ヒ
ドロキシカルボン酸を共重合することも可能である。
【0010】本発明で用いるポリアリレートは溶融重合
法や界面重合法で製造することができる。溶融重合法で
は、例えば、アセチル化されたビスフェノール類と芳香
族ジカルボン酸とを必要に応じてルイス酸などの触媒の
存在化に、高温・減圧下で重合することによって得られ
る。溶融重合法で得られるポリマーは着色することが多
い。界面重合法では、例えば、テレフタル酸および/ま
たはイソフタル酸の酸ハロゲン化物を水と非相溶性の有
機溶剤に溶解し、ビスフェノール類をアルカリ水溶液に
溶解し、これらの2液を混合攪拌することによりポリア
リレートを製造する。界面重合法では、着色の少ないポ
リマーを得ることができる。
【0011】本発明で用いるポリアリレートの分子量と
しては特に制限はないが、数平均分子量が5,000〜
100,000であることが好ましい。数平均分子量が
5,000未満である場合には樹脂組成物の機械的性能
が低下する傾向にあるので好ましくない。逆にこれが1
00,000超える場合には成形性が低下する傾向にあ
るので好ましくない。
【0012】本発明で用いるビニル系ポリマーは、末端
あるいは主鎖に水酸基を少なくとも10当量/106
有するものである。さらに好ましくは少なくとも30当
量/106 g有するものである。水酸基が10当量/1
6 g未満では透明な樹脂組成物が得られ難い。また逆
に水酸基が300当量/106 gを超える場合には溶融
混練時にゲルが発生することがあるので好ましくない。
【0013】ビニル系ポリマーの数平均分子量は、1,
000〜200,000が好ましい。数平均分子量が
1,000未満では樹脂組成物の物性、特に機械的性質
が低下する傾向にあるので好ましくない。200,00
0を超えると樹脂組成物の成形性が低下するばかりでな
く、その透明性が低下し複屈折率が増大する傾向にある
ので好ましくない。
【0014】ビニル系モノマーとしてはスチレンの他に
例えば、o−,m−,p−メチルスチレン、o−,m
−,p−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ンなどのアルキルスチレン類や、o−,m−,p−クロ
ルスチレン、ジクロルスチレン、o−,m−,p−ブロ
モスチレン、ジブロモスチレンなどのハロゲン化スチレ
ン類やα−メチルスチレンなどが挙げられ,これらは単
独であるいは混合して用いられる。またポリマーの物性
改善のため、0〜50モル%の他のビニルモノマー、例
えば、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル
類、酢酸ビニル、ブタジエン、アクリロニトリル、アク
リル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などを共重合し
てもよい。
【0015】本発明で用いるビニル系ポリマーは一般の
ラジカル重合法を用いて製造することができるが、この
方法に限定されるものではなく、アニオン重合法やカチ
オン重合法も適宜用いることができる。例えば、ラジカ
ル重合法では過酸化水素−第一鉄イオン系のレドックス
開始剤を用いれば末端に水酸基を有するビニル系ポリマ
ーを容易に得ることができる。また例えば、ナフタレン
ナトリウムを開始剤にしてスチレンのアニオン重合を行
い、得られたポリマーをエチレンオキサイドで処理すれ
ば末端に水酸基を有するビニル系ポリマーを得ることが
できる。また酢酸ビニルを共重合し、のちにこれをケン
化することによっても主鎖に水酸基を有するビニル系ポ
リマーを得ることができる。
【0016】本発明の樹脂組成物を構成する(イ)成分
のポリアリレートと(ロ)成分の末端あるいは主鎖に水
酸基を有するビニル系ポリマーの配合割合は(イ)成分
が10〜100重量部であり、(ロ)成分が10〜10
0重量部である。(イ)成分が10重量部未満では樹脂
組成物の耐熱性が低下するばかりでなく、衝撃強度や機
械的強度が低下する。逆に(イ)成分が100重量部を
超える場合には樹脂組成物の成形性が低下する。同じく
(ロ)成分が10重量部未満の場合には成形性が低下す
る。また(ロ)成分が100重量部を超える場合には樹
脂組成物の耐熱性が低下するばかりでなく、衝撃強度や
機械的強度が低下する。また、(イ)、(ロ)いずれの
成分もこの配合割合をはずれた場合には複屈折率が増大
する。
【0017】本発明の樹脂組成物は上記(イ)成分のポ
リアリレートと(ロ)成分の水酸基を有するビニル系ポ
リマーとを後述すような条件で溶融混練することによっ
て得られる。溶融混練する場合、一般的な押出機や射出
成形機などを用いて溶融混練することが可能である。一
般に(イ)成分のポリアリレートも、(ロ)成分のビニ
ル系ポリマーも非晶性であるので,溶融混練の温度は少
なくとも(イ)、(ロ)両成分のいずれのガラス転移温
度よりも少なくとも50℃高いことが好ましい。またい
かなる場合でも350℃以上の温度では樹脂組成物の分
解が起こることがあるので好ましくない。
【0018】本発明の樹脂組成物を製造するにおいて、
本発明では(イ)成分のポリアリレートと(ロ)成分の
水酸基を有するビニル系ポリマーとを溶融混練すること
によって、従来より嘱望されていた透明性に優れ、かつ
複屈折率が大きく低減され、しかも優れた機械的性質や
成形性とに優れた樹脂組成物が提供される。ところが、
従来のようにポリアリレートと一般のビニル系ポリマー
とを単に溶融混練しただけで得られる樹脂組成物は、透
明性が劣り、複屈折率が大きいのみならず、その機械的
性質も劣る。
【0019】本発明において(イ)成分のポリアリレー
トも(ロ)成分の特定のビニル系ポリマーも溶融混練の
前に十分乾燥して水分を除くことが好ましい。また場合
によっては押出機にベント口を設けて溶融混練時に同時
に脱水してもよい。水分含有率は樹脂組成物当たり、
0.5重量%以下に抑えて溶融混練することが好まし
い。0.5重量%を超える水分含有率で溶融混練を行う
と、樹脂組成物を構成するポリアリレートの加水分解が
生じ、満足な物性の樹脂組成物を得ることが困難となる
傾向にある。
【0020】本発明においては必要に応じてエステル交
換触媒をさらに加えてもよい。この場合には透明な樹脂
組成物がより容易に得られる。しかしエステル交換触媒
を加えて製造した樹脂組成物は、後に射出成形などの熱
溶融成形過程において分解が生じることがあるのでこれ
を防ぐ意味でリン化合物をさらに併用することが好まし
い。
【0021】エステル交換触媒は必要に応じて用いられ
るが、一般的な配合量は樹脂組成物100重量部に対し
て0.00001〜0.1重量部用いることが好まし
い。また同じく必要に応じて用いられるリン化合物の一
般的な配合量は樹脂組成物100重量部に対して0.0
001〜3重量部用いることが好ましい。
【0022】エステル交換触媒としては公知の一般的な
ポリエステル用重合触媒が挙げられ、このような触媒の
例としてはNa,Mg,Zn,Cd,Ti,Ge,P
b,Sb,Snなどの金属の酢酸塩、アルコキシド、水
酸化物、酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、リン
酸塩などおよびp−トルエンスルホン酸などの酸性化合
物などが挙げられる。
【0023】リン化合物としては、例えば、オルトリン
酸、ホスホン酸、正リン酸エステルおよび亜リン酸エス
テルが挙げられ、中でも亜リン酸エステルが最も好適に
用いられる。亜リン酸エステルとしてはアルキルホスフ
ァイト、アリールホスファイト、アルキル・アリールホ
スファイト、ジホスファイト、ポリホスファイト、チオ
ホスファイトなどが挙げられ、これらの具体例としては
例えば、ジイソオクチルホスファイト、ジステアリルホ
スファイト、トリイソデシルホスファイト、トリイソオ
クチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリ
ステアリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ト
リスノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニ
ルイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホ
スファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホス
ファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホ
スファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニル
ホスファイト、トリラウリルチオホスファイト、テトラ
キス(2,4−ジターシャリーブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスファイトなどが挙げられる。
【0024】さらに必要に応じて他の重合体を本発明の
樹脂組成物に配合することも可能である。かかる重合体
としては、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン−スチ
レン共重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然
ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン−スチレ
ンラジアルテレブロック共重合体などのエラストマー、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−フェニ
ルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
エーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケト
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオ
ロエチレンなどが挙げられる。
【0025】本発明の樹脂組成物はその特性を大きく損
なわない限りにおいて熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、
難燃剤、可塑剤、離型剤、着色剤、強化材などを添加す
ることも可能である。前記熱安定剤や酸化防止剤として
は、例えば、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミ
ン、イオウ化合物、銅化合物あるいはこれらの混合体が
挙げられる。強化材としては、例えば、クレー、タル
ク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリ
カ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、
アスベスト、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシ
ウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、水
酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、
カリウム明バン、ナトリウム明バン、鉄明バン、ガラス
バルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチ
モン、ほう酸、ほう砂、ほう酸亜鉛、ゼオライト、ハイ
ドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミッ
クウイスカー、チタン酸カリ、チッカホウ素、マイカ、
グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられ
る。前記これらの添加剤は一般に溶融混練時に加えるこ
とが好ましい。
【0026】本発明の樹脂組成物は通常の成形加工方法
で目的の成形品とすることができる。例えば、射出成
形、押出成形、吹き込み成形、焼結成形などの熱溶融成
形法が適用できる。あるいは有機溶媒溶液から流延法に
より薄膜とすることもできる。本発明の樹脂組成物は透
明性に優れ、複屈折率が大きく低減されており、しかも
機械的性質や成形性に優れているので各種成形品、フィ
ルム、シートをはじめ、光ディスク、光ファイバー、光
ガード保護膜、レンズなどの光学用途にも好適に用いら
れる。
【0027】
【作用】本発明の樹脂組成物はすでに述べたように、従
来のものに比べてその効果に極めて顕著な差が認められ
る。この理由としては、本発明の樹脂組成物において
は、溶融混練時に(ロ)成分のビニル系ポリマーに含ま
れる水酸基と(イ)成分のポリアリレートとの間で何ら
かの化学反応が生じていることが考えられ、このため透
明性に優れ、複屈折率が大きく低減されており、しかも
機械的性質や成形性にも優れているものと考えられる。
化学反応がおこっていることを示唆する事実としては、
樹脂組成物のシクロヘキサン抽出量を挙げることができ
る。本発明の樹脂組成物をシクロヘキサンで抽出した場
合、その抽出量が少なく、他方従来の樹脂組成物をシク
ロヘキサンで抽出した場合、その抽出量が多く、不透明
で機械的性質にも劣っている。
【0028】
【実施例】次に実施例にて本発明を具体的に説明する。
なお、本発明における特性値は次のようにして求めた。
【0029】(1) 分子量 東洋曹達社製GPC測定装置HLC−802Aを使用
し、単分散ポリスチレンでキャリブレーションしたゲル
浸透クロマトグラフィーで行った。
【0030】(2) 水酸基量 ビニル系ポリマーをピリジンに溶解し、これに無水酢酸
を加えてアルコール性水酸基をアセチル化し、過剰の無
水酢酸を水酸化ナトリウムで滴定することによって求め
た。
【0031】(3) シクロヘキサン抽出量 樹脂組成物1重量部に対して50重量部のシクロヘキサ
ンを用い、ソックスレー抽出器を用い26時間抽出を行
った。ポリカーボネート単体はシクロヘキサンに抽出さ
れず、ビニル系ポリマー単体はこれに抽出される。樹脂
組成物のシクロヘキサン抽出量の評価は抽出された樹脂
重量を樹脂組成物を構成する原料ビニル系ポリマーの重
量で割った値(重量%)で示した。
【0032】(4) 光線透過率 樹脂組成物のペレットを80℃で16時間真空乾燥した
後、シリンダー温度260℃、金型温度80℃で射出成
形を行い、一辺が5cmで厚みが3mmの試験片を作成
した。成形機は三菱重工業社製125/75 MST型
成形機を用いた。ただし比較例2はシリンダー温度のみ
280℃に、また比較例3は220℃に変更して成形を
行った。この試験片を用いてASTM D1003に基
づいて全光線透過率を測定した。測定は日本電色社製S
Z−Σ80型測色器を用いて行った。
【0033】(5) 複屈折率 樹脂組成物を塩化メチレンに溶解して20重量%溶液と
し、安田精機社製のAutomatic film a
pplicator No542−AB−Sを使用して
100μm厚のフィルムを作成した。フィルムは、12
時間室温で放置し、更に100℃の真空乾燥器内で12
時間乾燥して溶媒を除去した。上記のフィルムを佐竹化
学機械工業社製熱風循環式一軸延伸装置を使用して21
5〜220℃で10〜50%延伸し、フィルムの複屈折
をニコン社製 optical−pol 偏光顕微鏡
(波長546nm)で測定した。
【0034】(6) 曲げ強度および曲げ弾性率 光線透過率の測定用試料と同様にして射出成形を行い、
1/8インチ曲げ試験片を作成した。得られた試験片に
ついてASTM D790に基づいて曲げ強度および曲
げ弾性率を測定した。
【0035】(7) アイゾッド衝撃試験 上記(6) と同様の試験片を用いてアイゾッド衝撃試験を
行った。測定はASTM D256に基づいて行った。
【0036】(8) 熱荷重たわみ温度(HDT) 上記(6) と同様の試験片を用いて熱荷重たわみ温度(H
DT)を測定した。測定はASTMD648に基づいて
行い、荷重は18.6kg/cm2 であった。
【0037】参考例1 〔末端に水酸基を有するビニル系ポリマー(S1、S
2、S3、S5)の合成例〕反応槽を−30℃に冷却
し、窒素で十分に置換したあと、蒸留水200重量部、
スチレン100重量部およびドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダを0.6重量部を反応槽に加えた。反応層を攪
拌しながら30%過酸化水素水と1%硫酸第一鉄水溶液
とをそれぞれ8:3の容量比で連続的に加えた。常法の
乳化重合法で、触媒の添加量を調節することにより、4
種類のビニル系ポリマー(S1、S2、S3、S5)を
得た。得られたビニル系ポリマーS1、S2、S3及び
S5の分子量と水酸基量とを測定した。その結果を表1
に掲げた。
【0038】参考例2 〔主鎖に水酸基を有するビニル系ポリマー(S4)の合
成例〕過酸化ベンゾイルを重合開始剤として用い、スチ
レン100重量部と酢酸ビニル0.10重量部とを90
℃でラジカル重合して、主鎖にアセチルオキシ基を有す
るビニル系ポリマーを得た。これを水酸化カリウム溶液
でケン化することにより、主鎖に水酸基を有するビニル
系ポリマー(S4)を得た。このS4の分子量および水
酸基求め、その結果を表1に掲げた。
【0039】参考例3 〔水酸基を有しないビニル系ポリマー(S6)の合成
例〕過酸化ベンゾイルを重合開始剤として用い、スチレ
ン100重量部を90℃でラジカル重合して、水酸基を
有しないビニル系ポリマー(S6)を得、分子量および
水酸基を求めた。その結果を表1に掲げた。
【0040】
【表1】
【0041】実施例および比較例において用いたポリア
リレートはビスフェノールAと、テレフタル酸とイソフ
タル酸との混合酸(50/50) とからなる数平均分子量30,0
00のもの(ユニチカ社製、Uポリマー、試料A1)と数
平均分子量20,000のもの(ユニチカ社製、Uポリマー、
試料A2)である。ビニル系ポリマーは参考例に掲げた
S1からS5を用いた。
【0042】実施例1〜12 表2および表3に示した配合の原料を120℃で16時
間真空乾燥した後、二軸押出機(PCM45,池貝鉄鋼
社製)を用い、シリンダー温度260℃で溶融混練して
押出し、切断してペレットを得た。いずれもペレット化
が可能であった。溶融混練の際、シリンダーのベント口
を用いて50mmHg以下に減圧した。得られた樹脂組
成物のペレットを用いて各種試験片を得、表2および表
3に掲げた各種の性能評価を行った。結果を合わせて表
2および表3に掲げた。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】比較例1〜7 表4に示した配合の原料を実施例と同様にして溶融混練
して押出し、切断してペレットとし、各種試験片を得、
実施例と同じように各種の性能評価を行った。結果を合
わせて表4に掲げた。
【0046】
【表4】
【0047】実施例および比較例から明らかなように、
本発明の樹脂組成物、すなわち(イ)ポリアリレート1
0〜100重量部と(ロ)末端あるいは主鎖中にアルコ
ール性水酸基を少なくとも10当量/106 g有するビ
ニル系ポリマー100〜10重量部とを溶融混練して得
られた樹脂組成物は透明性に優れ、複屈折率が大きく低
減されており、しかも機械的性質や成形性が優れてい
る。
【0048】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、透明性に優れ、
複屈折率が大きく低減されており、しかも機械的性質や
成形性にも優れている。したがって、本発明の樹脂組成
物は、各種成形品、フィルム、シート、特に光ディス
ク、光ファイバー、光カード保護膜あるいはレンズなど
の光学機器に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠 恵 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)ポリアリレート10〜100重量
    部と(ロ)末端あるいは主鎖に水酸基を少なくとも10
    当量/106 g有するビニル系ポリマー10〜100重
    量部とよりなる樹脂組成物。
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