JPH05230047A - (r,z)−6−アルケン−4−オリドの製造方法 - Google Patents

(r,z)−6−アルケン−4−オリドの製造方法

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JPH05230047A
JPH05230047A JP6929992A JP6929992A JPH05230047A JP H05230047 A JPH05230047 A JP H05230047A JP 6929992 A JP6929992 A JP 6929992A JP 6929992 A JP6929992 A JP 6929992A JP H05230047 A JPH05230047 A JP H05230047A
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JP
Japan
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formula
alkyl group
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JP6929992A
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English (en)
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Yukifumi Koseki
幸史 古関
Takashi Ebata
隆 恵畑
Katsuya Matsumoto
克也 松本
Hajime Matsushita
肇 松下
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】農作物を食害から守ることなどに利用できる光
学純度の高い(R,Z)−6−アルケン−4−オリドを
低コストで容易に製造する方法を提供すること。 【構成】一般式(12)で示される化合物の製造方法で
あって、 (式中、RはC1〜10−アルキル基である) a)2,3−イソプロピリデン−D−リボフラノースと
グリニヤール試薬との反応、b)1,2−ジオール部分
の酸化的切断反応、 c)酸化反応、 d)酸加水分解による脱保護、 e)三重結合の部分還元、 f)オルトエステル化およびオルトエステルの脱離反応
および、 g)環内二重結合の還元、という工程を具備したことを
特徴とする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化9に示す一般式(1
2)で表わされる(R,Z)−6−アルケン−4−オリ
ド(以下目的化合物という)の製造法に関する。
【0002】この目的化合物のうち、RがCのも
のは鹿の一種であるブラックテイルデア(黒尾鹿)(学
名:Odocoileus hemionus columbianus )が臭腺より分
泌する物質として知られており、個体の鹿同志で同じ群
れの固体を認識したり、警報を流すのに使われている
(R. G. Brownlee, R. M. Silverstein, D. M-Schwarze
and A. G. singer, Nature, vol.221, 284(1969)) 。こ
の化合物は、哺乳類が臭い物質を固体間の情報伝達に使
うものとしては初めて見出だされたものである。従っ
て、既に昆虫に対して実用化されているフェロモンを用
いたコントロールと同様に、この化合物は農作物を食害
から守る等の生物制御の新しい方法に有用であると考え
られる。
【0003】一方、生物活性を有する化合物に構造の類
似した誘導体を合成することが最近盛んに行われてい
る。これは、生物活性をもつ物質自体よりもその誘導体
のほうが高い生物活性を有することや、まったく新しい
生物活性を有することがあるためである。従って、Rが
のものに限らず上記目的化合物の簡便な製造法
を提供することは、新しい農薬や医薬品を開発する一手
段として有用である。
【0004】
【従来の技術】目的化合物のうち、RがCのも
の、即ち、(R,Z)−6−アルケン−4−オリドの合
成法としては、光学活性なガンマラクトンの合成法とし
て一般的なL−グルタミン酸を出発物質とする方法によ
り合成されている(U.Ravid, R.M.Silverstein, L.R.Sm
ith, Tetrahedron,vol.34,1449(1978)) 。しかし、この
方法は、L−グルタミン酸を脱アミノ化するときにラセ
ミ化を起こし、光学純度の高い目的化合物を得ることは
困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、その課題は、困難な工程を含ま
ず、少ない工程数で光学純度の高い目的化合物を合成で
き、しかも、大量生産に適した(R,Z)−6−アルケ
ン−4−オリドの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による一般式(1
2)に記載の目的化合物の製造方法は、下記a)〜g)
の工程を組み合わせたことを特徴とする。
【0007】a)下記化10で示されるように、D−リ
ボース(1)とアセトン(2)とを反応させることによ
り化合物(3)を得る工程。
【0008】
【化10】 但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表わす。
【0009】b)下記化11で示されるように、化合物
(3)と一般式(4)の有機金属試薬とを反応させるこ
とにより一般式(5)の化合物を得る工程。
【0010】
【化11】 但し、RおよびYは夫々次のものを表わす。
【0011】R:既述のアルキル基 Y:MgX(X:ハロゲン原子)、Na、Li、Cu、
Caなど c)化合物(5)の1,2−ジオール部を酸化的に切断
すると共に、環化することにより下記化12に示す一般
式(6)の化合物を得る工程。
【0012】
【化12】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。
【0013】d)一般式(6)の化合物を酸化すること
により、下記化13に示す一般式(7)の化合物を得る
工程。
【0014】
【化13】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。
【0015】e)一般式(7)の化合物を酸性条件下で
処理することにより、下記化14に示す一般式(8)の
化合物を得る工程。
【0016】
【化14】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。
【0017】f)一般式(8)の化合物を被毒した金属
触媒により接触水素化することにより、下記化15に示
す一般式(9)の化合物を得る工程。
【0018】
【化15】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。
【0019】g)一般式(9)の化合物を酸触媒存在
下、オルトギ酸エステルと反応させることにより下記化
16に示す一般式(10)の化合物を得た後、一般式
(10)の化合物を無水酢酸中、酸触媒存在下に加熱す
ることにより一般式(11)の化合物を得る工程。
【0020】
【化16】 但し、RおよびR´は夫々次のものを表わす。
【0021】R:既述のアルキル基 R´:メチル基またはエチル基のような低級アルキル基 g)一般式(11)の化合物を還元することにより、下
記化17に示す一般式(12)の目的化合物を得る工
程。
【0022】
【化17】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。
【0023】以下本発明を詳細に説明する。
【0024】本発明で出発物質に用いるD−リボース
(1)は、市場で容易に入手可能であると共に安価であ
り、これは本発明の一つの利点としてあげられる。
【0025】工程a)において、出発物質の2,3−O
−イソプロピリデン−D−リボフラノース(3)は、J.
Biol.Chem., vol.102, 187-201(1933)に記載の方法に従
い、D−リボース(1)を出発物質とし、これをアセト
ン(2)と反応させることにより得ることができる。
【0026】工程b)において、一般式(5)に示され
る化合物を得る反応は、例えば、化合物(3)に、下記
化18の一般式(4a)で示される2−アルキニル基を
有する種々のグリニヤール試薬を反応させることにより
行うことができる。この反応は通常、常圧下、室温又は
室温以下で0.5〜10時間で終了する。このグリニヤ
ール試薬は、一般式(4)のYがMgX(Xはハロゲン
原子)である場合に該当する。また、一般式(4a)で
表わされる化合物のRとしては、炭素数1〜10、好ま
しくは3〜7のアルキル基であり、これらは分岐したも
のであってもよい。最も好ましいRはCである。
なお、下記化19に示すように、一般式(4a)で表わ
される種々のグリニヤール試薬は、1位のアニオンがア
レン型の3位のアニオンと平衡状態にあるため、下記化
20に示す一般式(13)のアレン体が副生成物として
生じる。
【0027】
【化18】 但し、RおよびXは夫々次のものを表わす。
【0028】R:既述のアルキル基 X:ハロゲン原子
【0029】
【化19】 但し、RおよびXは夫々次のものを表わす。
【0030】R:既述のアルキル基 X:ハロゲン原子
【0031】
【化20】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。
【0032】なお、工程b)の反応で用いる溶媒は特に
限定されるものではないが、通常テトラヒドロフラン
(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサンまたはベン
ゼン等が用いられる。
【0033】また、工程b)において、2−アルキニル
基を導入する反応には、グリニヤール試薬(4)に限ら
ず、下記化21に示す一般式(16)のような種々の有
機金属試薬を使用することができる。
【0034】
【化21】 但し、Y:Li,K,Na,Cu,Ca,等 工程c)において、化合物(5)および(13)の1,
2−ジオール部分を酸化的に切断すると共に環化し、テ
トラヒドロフラン化合物(6)およびそのアレン誘導体
(14)を得る反応は、化合物(5)および(13)の
混合物を過ヨウ素酸ナトリウム水溶液と反応させること
によって行うことができる。この反応は通常、室温、常
圧下で0.5〜10時間で終了する。また、本工程に使
用できる酸化剤は、好ましくはクロム酸、四酢酸鉛また
は上述の過ヨウ素酸ナトリウム等であり、より好ましく
は過ヨウ素酸ナトリウムである。なお、工程c)の反応
に用いる溶媒は、特に限定されるものではないが、通常
THF、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、
石油エーテル等が用いられる。
【0035】工程d)において化合物(6)および(1
4)の1位の水酸基を酸化することにより化合物(7)
および(15)を得る反応は、通常の酸化反応であれば
特に限定されるものではないが、例えば、硫酸水溶液
中、三酸化クロムを用いることによって行われる。また
この酸化反応に使用できる他の酸化剤としては、ジメチ
ルスホキシド/無水酢酸、炭酸銀などを挙げることがで
きる。なお、この反応が終了した段階で、化合物(7)
とアレン型化合物(15)を分離することができる。分
離方法としては、カラムクロマトグラフィー等の通常の
手段を用いることができるが、化合物(7)のほうが結
晶化しやすいため分別結晶を用いるほうが操作も容易で
ある。
【0036】工程e)において、化合物(7)を酸処理
し、2位、3位のケタール部分を加水分解することによ
り化合物(8)を得る反応は、通常の酸処理反応であれ
ば特に限定されない。例えば、90%トリフルオロ酢酸
を用いて行うことができる。トリフルオロ酢酸の他に、
この反応に用いることが可能な酸としては、塩酸、過塩
素酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。
【0037】工程f)において、化合物(8)の6位お
よび7位の炭素原子間の三重結合を還元して化合物
(9)を得るステップは、通常の接触還元反応により行
うことができる。即ち、化合物(8)を適当な溶媒に溶
解した後、リンドラー触媒、ラネーニッケル、白金また
は、パラジウムのような適当な水添触媒の存在下におい
て、水素雰囲気下で攪拌すればよい。なお、この反応に
用いられる溶媒はとくに限定されるものではないが、一
般には、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶
媒が用いられる。またこの還元反応は、上述の接触還元
の他に、ジイミンによる還元、水素化イソブチルアルミ
ニウムによる還元等によっても行うことができる。
【0038】工程g)において、化合物(11)を得る
反応は、好ましくは、例えばAgric.Biol.Chem.vol.51,
635-640(1987) により開示された方法で行なうことがで
きる。即ち、化合物(9)とオルトギ酸エステルとを反
応させてオルトエステル誘導体(10)とした後、化合
物(10)からオルトエステルを脱離させることにより
化合物(11)を得る方法である。オルトギ酸エステル
は特に限定されないが、オルトギ酸メチル、オルトギ酸
エチルが好適に用いられる。またオルトエステル誘導体
の脱離反応は、無水酢酸との反応により行なうことがで
きる。本工程の反応は、上述の反応以外にも、例えば環
状チオカルボナートを経る方法(E. J.Co-rey and R.
A. E. Water, J. Am. Chem. Soc., vol.87, 934 (196
5))等がある。
【0039】工程h)は最終工程であり、化合物(1
1)から目的物(R,Z)−6−アルケン−4−オリド
(12)が得られる。化合物(11)の2位および3位
の間の二重結合を還元して化合物(12)を得る方法と
しては、例えば、B.H.Lipshutzらの方法(SYNLETT 64-6
6 September (1989)に記載)を用いることができる。即
ち、ヨウ化銅および塩化リチウムを含むTHF溶液中
に、化合物(11)を加え、続いて塩化トリメチルシラ
ン(TMSCl)を加えた後、トリブチルスズヒドリド
を加えて反応させることにより化合物(12)を得る方
法を用いることができる。
【0040】また上記反応以外にも、化合物(11)を
クロロホルム中、Mo(CO)またはPd(PP
の存在下、フェニルシランで還元する方法また
は、水酸化ナトリウム中でFe(CO)により還元す
る方法を用いることができる。更に、本工程の還元反応
には、工程e)で既述した通常の接触還元によっても行
なうことができるが、既述のB.H.Lipshutzらの方法によ
る還元のほうが高収率で目的物を得ることができるた
め、より好ましい方法である。
【0041】なお、本発明で得られる一般式(12)の
化合物の光学純度の評価は、既知の物理データと比較す
ることにより行った。その結果、化合物(12)が高い
光学純度を持つことが示された。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかな様に、本発明に
よる(R,Z)−6−アルケン−4−オリド(12)の
製造方法は、従来の方法に比較して原料のD−リボース
が安価に入手できること、反応の工程数も少なく、実施
上極めて容易な反応により構成されていること、および
高価な試薬を使用しないため製造コストを節減できるこ
となどから、有利な方法である。更に、本発明は、光学
分割などの微妙な条件を必要とせず、高い光学純度を持
った、立体構造の確定したものを得ることが可能であ
る。
【0043】
【実施例】以下に実施例に従い、本発明を各工程に沿っ
てより詳細に説明する。
【0044】工程a) 2,3−O−イソプロピリデン−D−リボフラノース
(3)の合成 J.Biol.Chem.,vol.102, 187-201 (1933)に記載の方法に
従い、D−リボース(1)をアセトン(2)と反応させ
ることにより化合物(3)を得た。生成物の物理データ
は文献値と一致した。
【0045】工程b) 化合物(5a)(2R,3R,4S,5S)−2,5−
ジヒドロキシ−3,4−イソプロピリデンジオキシドデ
カ−7−イン−1−オール(一般式(5)のRがC
のもの)の合成 触媒量の塩化水銀存在下、マグネシウム(22g)に1
−ブロモ−2−ヘキシン(17.3g)のエ−テル20
ml溶液を10℃以下で滴下した。室温で2.5時間撹
拌した後、反応混合物を再度冷却し、化合物(3)(5
g)のエーテル50ml溶液を滴下した。1.5時間
後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、
これをエーテルで5回抽出した。有機層を水および食塩
水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧下に留去し、粘凋な油状物質(12.5
9g;64.3%)を得た。
【0046】工程c) 化合物(6a)(3S,4S,5S)−5−オクチニル
−2−ヒドロキシ−3,4−イソプロピリデンジオキシ
−テトラヒドロフラン化合物(一般式(6)のRがC
のもの)の合成 工程a)で得られた油状物質(12.4g)をエーテル
200mlに溶解し、10重量%の過ヨウ素酸ナトリウ
ム水溶液200mlを加え、室温で激しく攪拌した。1
時間後、有機層と水層を分離し、水層をエーテルで3回
抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で順次洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
下に留去し粘凋な油状物質(10.9g)を得た。これ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2
00g、溶出液:ヘキサン−酢酸エチル)により精製
し、目的化合物(6a)および副生成物(14a)を混
合物として得た(収量:1.524)。
【0047】工程d) 化合物(7a)(2S,3S,4S)−2,3−イソプ
ロピリデンジオキシ−6−ドデシン−4−オリド(一般
式(7)のRがCのもの)の合成化合物(6a)
と(14a)の混合物(1.50g)をアセトン30m
lに溶かし、これにジョーンズ試薬3mlを氷冷下に加
えた。反応終了後、イソプロピルアルコール10mlを
加えて暫く撹拌した。重曹水をpH9になるまで加え、
生成した固形物を濾過した後、濾液を減圧下に濃縮し
た。残渣にエーテルを加えて抽出した。有機層を水およ
び食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を減圧下に留去し、化合物(7a)(0.
85g;化合物(3)よりの通算収率12%)を無色針
状晶として得た。
【0048】本工程で、同時に、化合物(15a)も単
離された。
【0049】<化合物(7a)の物理データ> m.p.:44−47℃ [α]:73.0°(c1.03,CHCl,23
℃) IR υmaxcm−1;2994(s),2958
(s),2938(s),2874(m),1779
(s),1379(s),1365(s),1185
(s),1156(s),1065(s),861
(s). NMR δppm,CDCl;(3H,decaye
d t),1.25−1.4(4H),1.40,1.
48(3H each,s),2.13(2H,tt,
J=2.3,7.0Hz),2.54(1H,dq,J
=17.1,2.3Hz),2.73(1H,ddd
d,J=17.1,5.0,2.4,2.4Hz),
4.65(1H,dd,J=3.1,5.2Hz),
4.70(1H,d,J=5.7Hz),4.88(1
H,d,J=5.7Hz) <化合物(15a)の物理データ> IR υmaxcm−1;2992(m),2960
(s),2936(s),2864(m),1959
(m),1794(m),1379(s),1222
(s),1176(s),1154(s),1094
(s),868(s). NMR δppm,CDCl;0.89(3H,de
cayed,t),1.25−1.4(4H),1.4
0,1.49(3H each,s),2.05(2
H,m),4.74(1H,d,J=5.4Hz),
4.77(1H,d,J=5.4Hz),4.89(1
H,t,J=2.3Hz),4.99(2H). 工程e) 化合物(8a)(2S,3S,4S)−2,3−ジヒド
ロキシ−6−ドデシン−4−オリド(一般式(8)のR
がCのもの)の合成 化合物(7a)(0.77g;2.33mmol)に、
90%トリフルオロ酢酸30mlを加え室温で15分攪
拌した。減圧下にトリフルオロ酢酸を留去した後、残渣
にジイソプロピルエーテル15mlおよびヘキサン5m
lを加え再結晶化を行い無色繊維状の化合物(8a)
(523mg;収率80%)を得た。
【0050】m.p.:104−104.7℃ [α]:−7.92°(c1.178,CHCl
23℃) IR υmax KBr cm−1;3464(m),
3292(m),2936(m),2872(m),1
756(s),1458(w),1425(s)119
5(s),1137(s),1013(s). NMR δppm,CDCl;0.89(3H,t,
J=7Hz),1.25−1.4(4H),1.48
(2H),2.13(2H),2.64(2H),4.
42(1H,d,J=5.4Hz),4.57(1H,
t,J=5.4Hz)4.75(1H,d,J=5.2
Hz) 工程f) 化合物(9a)(2S,3S,4S,6Z)−2,3−
ジヒドロキシ−6−ドデセン−4−オリド(一般式
(9)のRがCのもの)の合成 化合物(8a)(493mg;2.18mmol)を酢
酸エチル7mlに溶かし5%Pd−CaCO/Pb
(リンドラー触媒)(53mg)を加えて水素気流下で
激しく攪拌した。固形物を濾過した後、減圧下に溶媒を
留去して無色の固形物(486mg)を得た。これをヘ
キサン−イソプロピルエーテル(10:17)溶液27
mlで再結晶化を行い無色繊維状の化合物(9a)(4
16mg;収率83.6%)を得た。
【0051】m.p.:93−93.3℃ [α]:−44。4°(c0.906,CHCl
26℃) IR υmax KBr cm−1;3464(m),
3292(m),3026(w),2962(m),2
928(m),2860(m),1756(s),14
37(w)1361(w),1315(w),1187
(s),1154(s). NMR δppm,CDCl;0.89(3H,t,
J=6.9Hz),1.3−1.4(6H),2.05
(2H),2.45(2H,t,J=7Hz),4.2
4(1H,d,J=5.2Hz),4.55(2H)
5.35,5.64(1H) 工程g) 化合物(11a)(4S,6Z)−ドデカ−2,6−ジ
エン−4−オリド(一般式(11)のRがCのも
の)の合成。
【0052】化合物(9a)(510mg;2.23m
mol)をオルトギ酸メチル15mlに溶かし、濃硫酸
2μlを加え、室温下で2時間攪拌した。エ−テルを加
えた後、溶液を重曹水および食塩水で順次洗浄した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧
下に留去し、無色の油状物(702mg)を得た。これ
にアルゴン雰囲気下で無水酢酸10mlおよび酢酸50
0μlを加え、140℃で6.5時間加熱した。溶媒を
減圧下に除去し黄色の油状物質(474mg)を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル,270−400メッシュ:10g;溶
出液,ヘキサン:酢酸エチル95:5)で精製し、化合
物(11a)(400mg;92.2%)を得た。
【0053】n:1.4739,30℃ [α]:134.1°(c0.891,CHCl
30℃) IR υmax KBr cm−1;2960(s),
2930(s),1756(s),1603(s),1
162(s),818(s). NMR δppm,CDCl;0.89(3H,t,
J=6.9Hz),1.3−1.4(6H),2.00
(2H),2.40−2.65(2H),5.05,
5.32,5.60(1H,each,m),6.13
(1H,dd,J=1.9,5.7Hz),7.45
(1H,dd,J=2.3,5.7Hz). 工程h) 化合物(12a)(R、Z)−6−ドデセン−4−オリ
ド(一般式(12)のRがCのもの)の合成 精製したCuI(289mg;3.75mmol)およ
び減圧下130℃で乾燥したLiCl(159mg;
1.5mmol)にアルゴン雰囲気下で乾燥したTHF
5mlを加え、約30分室温で攪拌した。生じた透明な
溶液を約−60℃に冷却し、これに化合物(11a)
(200mg;1.03mmol)をTHF2mlに溶
かしたものを加え、更に蒸留直後のTMSCl(0.4
ml;3mmol)を加えた。反応混合物を10分攪拌
した後、蒸留精製したn−BuSnH(0.9ml;
3.3mmol)を約5分かけて加えた。その後冷却槽
を除去し、約1時間かけて0℃まで温度を上げた。これ
に10%KF水溶液10mlを加え攪拌した後、生じた
沈殿物を濾過した。濾液をTHFで抽出し、有機層を濃
縮した。残渣に更に10%KF水溶液10mlを加え1
5分攪拌した後、エーテルを加え更に15分攪拌した。
これを濾過し、濾液を分液した後、水層をエーテルで抽
出した。有機層を合わせ、水および食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去した
後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル,270−400メッシュ:10
g;溶出液,ヘキサン:酢酸エチル95:5)で精製
し、化合物(12a)(165mg;81.7%)を得
た。得られた化合物のIR,NMRは報告されているも
の(U. RavidR.M.Silverstein, and L.R.Smith, Tetrah
edron, vol.34, 1449(1978))と一致した。また、その比
旋光度は上記文献値を大きく上回り、本法で得られた目
的物が高い光学純度を持つことが示された。
【0054】n:1.4642,20℃ [α]:−20.8°(c0.38,MeOH,28
℃)[文献報告値:−16.1°(c0.3,MeO
H,20℃)] IR υmax KBr cm−1;2930(s),
2860(s),1779(s),1462(m),1
352(m),1180(s). NMR δppm,CDCl;0.89(3H,t,
J=6.9Hz),1.2−1.45(6H),1.9
3(1H)2.05(2H),2.25−2.5(2
H),2.55(2H),4.55(1H,sexte
t,J=7Hz),5.35,5.58(1H,eac
h,).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 肇 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化1で示される一般式(12)の化合
    物の製造方法であって、 【化1】 但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表わす。 a)下記化2で示されるように、D−リボース(1)と
    アセトン(2)とを反応させることにより化合物(3)
    を得る工程と、 【化2】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。 b)下記化3で示されるように、化合物(3)と一般式
    (4)の種々の有機金属試薬とを反応させることにより
    一般式(5)の化合物を得る工程と、 【化3】 但し、RおよびYは夫々次のものを表わす。 R:既述のアルキル基 Y:MgX(X:ハロゲン原子)、Na、Li、Cu、
    Caなど c)化合物(5)の1、2−ジオール部を酸化的に切断
    すると共に、環化することにより下記化4に示す一般式
    (6)の化合物を得る工程と、 【化4】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。 d)一般式(6)の化合物を酸化することにより、下記
    化5に示す一般式(7)の化合物を得る工程と、 【化5】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。 e)一般式(7)の化合物を酸性条件下で処理すること
    により,下記化6に示す一般式(8)の化合物を得る工
    程と、 【化6】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。 f)一般式(8)の化合物を被毒した金属触媒により接
    触水素化することにより、下記化7に示す一般式(9)
    の化合物を得る工程と、 【化7】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。 f)一般式(9)の化合物を酸触媒存在下、オルトギ酸
    エステルと反応させることにより下記化8に示す一般式
    (10)の化合物を得た後、一般式(10)の化合物を
    無水酢酸中、酸触媒存在下に加熱することにより、一般
    式(11)の化合物を得る工程と、 【化8】 但し、RおよびR´は夫々次のものを表わす。 R:既述のアルキル基 R´:メチル基またはエチル基のような低級アルキル基 g)一般式(11)の化合物を還元することにより、下
    記化9に示す一般式(12)の目的化合物を得る工程と
    を具備したことを特徴とする方法。 【化9】 但し、Rは既述のアルキル基を表わす。
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