JPH05229765A - ビル建設現場等の隙間における重量物昇降方法及び該方法に使用する重量物昇降具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人手を要さず、安価で安全に昇降する昇降機
を用いたビル建設現場等の隙間における重量物昇降方法
及び該方法に使用する重量物昇降具を提供する。 【構成】 ビル建設現場等の外壁と足場板の間の隙間に
おいて、重量物昇降具１０の上部を重心の位置でワイヤ
３６によって吊り上げ、昇降時の回転や揺れを防止する
ために、両側にガイドワイヤロープ３３及びガイドロー
ラを設け、下部両側にストッパー１２を、中間部に開閉
する支持部材１３を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビル建設現場等の隙間
における重量物昇降方法及び該方法に使用する重量物昇
降具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ビル等の構築物の建設において
は、屋上に設置したクレーンにより、建物の基礎となる
鉄骨やコンクリート等の重量物を引き上げて、該重量物
を組立てることにより構築していた。しかし、窓サッ
シ、ドア、タイルや各種配管等は、それぞれの作業者が
人手により運搬していた。また、ビル等の建築中の建物
壁面の外側に設けられた足場板は壁面から３０〜４５ｃ
ｍの隙間をとるように決められていることから、この隙
間を利用してビルの壁面にガイドレール等を設置した昇
降機を用いて前記窓サッシ等の重量物を運搬したり、簡
易ウインチを高所に設置して前記重量物を昇降させて運
搬していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の重量物を高所に運搬する方法は、人手による運搬で
は多大な労力を要する。また、ビルの壁面にガイドレー
ル等を設置した昇降機を用いる方法では昇降機の設置面
積が大きくなり、特に、２０ｍ以上の超高層ビルになる
と設備費が高額になって、中小のビル建設現場には用い
ることができず、更に、簡易ウインチを用いる方法で
は、吊り上げ対象物である重量物が途中の障害物にぶつ
かり安全上好ましくないという問題点があった。本発明
はこのような事情に鑑みてなされたもので、人手を要さ
ず、安価で安全に昇降する昇降機を用いたビル建設現場
等の隙間における重量物昇降方法及び該方法に使用する
重量物昇降具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項１
記載のビル建設現場等の隙間における重量物昇降方法
は、ビル建設現場等の外壁と足場板の間の隙間におい
て、重量物昇降具の上部を重心の位置でワイヤによって
吊り上げ、昇降時の回転や揺れを防止するために、両側
にガイドワイヤロープ及びガイドローラを設けるように
構成されている。そして、請求項２記載の建設現場等の
隙間における重量物昇降方法に使用する重量物昇降具
は、下部両側にストッパーを、中間部に開閉する支持部
材を有するフレームと、該フレームの両側に設けたガイ
ドローラと、前記フレームの上部中央に設けた吊り金具
とを有して構成されている。

【０００５】

【作用】請求項１記載の建設現場等の隙間における重量
物昇降方法においては、ビル建設現場等の外壁と足場板
の間の隙間を利用して、重量物昇降具の上部の重心の位
置をワイヤによって吊り上げ、該重量物昇降具の両側の
ガイドローラにガイドワイヤロープを設けて重量物昇降
具に載置した窓サッシ等の重量物である昇降対象物を吊
り上げて上方に運搬する。前記重量物昇降具の両側のガ
イドローラにガイドワイヤロープを設けて前記重量物を
運搬するので、昇降時の回転や揺れが防止され、安全に
重量物を運搬することができる。

【０００６】請求項２記載の建設現場等の隙間における
重量物昇降方法に使用する重量物昇降具においては、昇
降対象物をフレーム内に設け、該昇降対象物の下部をフ
レームの下部に設けたストッパーが支持し、昇降対象物
をフレームの中間部に設けた支持部材が支持する。そし
て、昇降対象物が設けられた重量物昇降具は、吊り金具
に連結されたロープによって上方に引き上げられると共
に、ガイドローラが張設されたロープに案内されて前後
左右の揺れが少なく、ビル建設現場等の外壁と足場板の
間の隙間を利用して安全に上昇する。

【０００７】

【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ本発明を
具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図１は本発明の一実施例の重量物昇降具を
用いて昇降させる状態を示す説明図、図２は同重量物昇
降具の正面図、図３は同側面図、図４は同底面図、図５
は同ストッパーの係合状態を示す正面図、図６は同スト
ッパーの係合状態を示す平面図、図７は同ストッパーの
基部がフレームに取付けられた状態を示す正面図、図８
は同平面図、図９はフレームに取付けられたガイドロー
ラの側面図、図１０は同平面図である。

【０００８】図２に示すように、本発明の一実施例に係
る建設現場等の隙間における重量物昇降方法に使用する
重量物昇降具１０は、外枠として備えたフレーム１１
と、該フレーム１１の下部両側に回動自在に設けたスト
ッパー１２と、前記フレーム１１の中間部に開閉可能に
取付けた支持部材１３と、前記フレーム１１の両側に設
けたガイドローラ１４と、前記フレーム１１の上部中央
に設けた吊り金具１５とを有する。前記フレーム１１は
図２〜図４に示すように、ステンレス素材を用いたリッ
プ溝形鋼を用いて外枠を形成し、下辺には角穴１６を設
ける。前記ストッパー１２は図２に示すように、ステン
レス素材を用いて、フレーム１１の下部両側のそれぞれ
に蝶番１７を介して回動自在に設けられ、その両端が蝶
ボルト１８によってフレーム１１に固定される。前記支
持部材１３はステンレス素材の板鋼からなり、図２及び
図５〜図８に示すように、一方の端部に溝１９を設け、
該溝１９はフレーム１１に固定したナット２０にねじ込
まれた蝶ボルト２１に係合する。また、他方の端部は回
動自在であり、孔２２を備え（図８参照）フレーム１１
に固定した管材２３に挿入してナット２４で固定された
ネジ付きピン２５を嵌入させている。該ネジ付きピン２
５は平板状の頭部２６を備える。

【０００９】前記ガイドローラ１４は図２、図３、図９
及び図１０に示すように、両側を形成するフレーム１１
に取付けられ、両側に支持板２７を設け、該支持板２７
を支持管２８を介して固定ピン２９を用いてフレーム１
１に固定する。そして、前記両側に設けた支持板２７
に、固定ピン３０を用いて固定したローラ用軸３１を固
定し、該ローラ用軸３１に回転自在にローラ３２を設け
る。３３はガイドワイヤロープである。続いて、前記本
発明の一実施例に係る重量物昇降具１０の使用方法につ
いて説明する。前記重量物昇降具１０は、図示していな
いが、ビル建築現場等の外壁と足場板の隙間である３０
〜４５ｃｍの間を利用して、窓サッシ、ドア、タイルや
各種配管等の重量物を上方に運搬する。図１に示すよう
に、図示しないビル建築現場等の外壁に渡し材３４を備
え付け、該渡し材３４にウインチ３５を取付け、該ウイ
ンチ３５に連結したワイヤ３６の一端を図２に示す吊り
金具１５に連結する。前記渡し材３４に、ウインチ３５
の両側に位置してターンバックル３７を固定し、該ター
ンバックル３７にガイドワイヤロープ３３の一端を連結
する。該ガイドワイヤロープ３３の他端は図１０に示す
ように、前記フレーム１１の両側に取付けたガイドロー
ラ１４のローラ３２間に装入し地面３８に固定する（図
１参照）。そして、該ガイドワイヤロープ３３の張り具
合はターンバックル３７によって調整する。

【００１０】以上のようにビル建築現場等の外壁に昇降
自在に備え付けられた重量物昇降具１０の昇降は、図示
しない操作機器を用いてウインチ３５を作動させて行
う。地面に下ろした重量物昇降具１０は、図２に示すよ
うに蝶ボルト１８を緩めてストッパー１２を外側に倒す
と共に、蝶ボルト２１を緩めて支持部材１３を上方に回
動させる。その後、図示しない窓サッシ、ドア、タイル
等の重量物をフレーム１１の内側に載置し、支持部材１
３を反時計回りに回動させて蝶ボルト２１に係合させ
て、該蝶ボルト２１を締め付けて支持部材１３を固定す
る。更に、ストッパー１２を回動させて蝶ボルト１８を
用いてフレーム１１に固定する。前記重量物を載置した
重量物昇降具１０は、前記ウインチ３５により所定の高
さまで引上げられ、前記ストッパー１２と支持部材１３
を前記と同様の方法を用いて開放し、重量物を取り出
す。

【００１１】前記重量物昇降具１０を用いた重量物の運
搬において、ガイドワイヤロープ３３のテンション及び
重量物昇降具１０の前後左右の最大揺れ率を例示する
と、昇降高さ３０ｍ、昇降重量物７０ｋｇの場合は前記
テンションは３０ｋｇ、最大揺れ率１２パーセントであ
り、昇降高さ１０ｍ、昇降重量物７０ｋｇの場合は前記
テンションは１０ｋｇ、最大揺れ率１２パーセントであ
る。更に、前記昇降高さ３０ｍの場合、重量物昇降具１
０の昇降途中において急停止させた場合の前後左右の最
大の揺れは１．４ｃｍである。従って、ビル壁面と足場
板の隙間に、安全を考慮してその隙間の幅の８０パーセ
ントの寸法まで重量物昇降具１０の厚みを設計すること
が可能である。以上のように、前記重量物昇降具１０
は、フレーム１１の両側にガイドローラ１４が設けられ
ガイドワイヤロープ３３に沿って上昇するので前後左右
の揺れが少なく、また、重量物はストッパー１２と支持
部材１３を用いて支持するので落下の危険がなく安全に
所定の高さまで運搬することができる。前記重量物昇降
具１０は、簡単に短時間で少人数の人手で建築現場等の
外壁に備え付けることが可能であり、安価で、しかもそ
の操作は少人数で足り非常に有用性の高いものである。

【００１２】なお、建築対象物のビル等の高さの違いに
よる調節はガイドワイヤロープ３３の長さを調節するこ
とで簡単に行うことが可能である。前記重量物昇降具１
０は縦２ｍ×横１．２ｍ×幅０．１２ｍで形成したが、
昇降物の形状によって任意に設計することが可能であ
る。前記フレーム１１はステンレス素材を用いたが、他
の金属素材を用いても良い。また、リップ溝形鋼を用い
たが、他の溝を有する鋼材を用いても良い。前記ストッ
パー１２及び支持部材１３はステンレス素材を用いた
が、他の金属素材を用いても良いし、合成樹脂素材を用
いても良い。

【００１３】

【発明の効果】請求項１記載のビル建設現場等の隙間に
おける重量物昇降方法においては、重量物昇降具の上部
の重心の位置をワイヤによって吊り上げ、該重量物昇降
具の両側のガイドローラにガイドワイヤロープ設けて重
量物昇降具に載置した重量物を吊り上げて、前記重量物
昇降具の両側のガイドローラにガイドワイヤロープを設
けて前記重量物を運搬するので、昇降時の回転や揺れが
防止され、安全に重量物を運搬することができる。請求
項２記載の建設現場等の隙間における重量物昇降方法に
使用する重量物昇降具においては、ガイドローラが設け
られて前記と同様に安全であると共に、昇降対象物を内
側に設けるフレームを設け、該昇降対象物の下部を支持
するストッパーが設けられ、更には昇降対象物の中間を
支持する支持部材が設けられているので、昇降途中にお
いて昇降対象物が落下することがなく安全であり、ビル
建設現場等の外壁と足場板の間の隙間に少人数で短時間
に且つ簡単に備え付けることが可能であり、少人数で昇
降させることができ、更に、構造が簡単であるため安価
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の重量物昇降具を用いて昇降
させる状態を示す説明図である。

【図２】同重量物昇降具の正面図である。

【図３】同側面図である。

【図４】同底面図である。

【図５】同ストッパーの係合状態を示す正面図である。

【図６】同ストッパーの係合状態を示す平面図である。

【図７】同ストッパーの基部がフレームに取付けられた
状態を示す正面図である。

【図８】同平面図である。

【図９】フレームに取付けられたガイドローラの側面図
である。

【図１０】同平面図である。

【符号の説明】

１０ 重量物昇降具 １１ フレーム １２ ストッパー １３ 支持部材 １４ ガイドローラ １５ 吊り金具 １６ 角穴 １７ 蝶番 １８ 蝶ボルト １９ 溝 ２０ ナット ２１ 蝶ボルト ２２ 孔 ２３ 管材 ２４ ナット ２５ ネジ付きピン ２６ 頭部 ２７ 支持板 ２８ 支持管 ２９ 固定ピン ３０ 固定ピン ３１ ローラ用軸 ３２ ローラ ３３ ガイドワイヤロープ ３４ 渡し材 ３５ ウインチ ３６ ワイヤ ３７ ターンバックル ３８ 地面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビル建設現場等の外壁と足場板の間の隙
   間において、重量物昇降具の上部を重心の位置でワイヤ
   によって吊り上げ、昇降時の回転や揺れを防止するため
   に、両側にガイドワイヤロープ及びガイドローラを設け
   ることを特徴とするビル建設現場等の隙間における重量
   物昇降方法。
2. 【請求項２】 下部両側にストッパーを、中間部に開閉
   する支持部材を有するフレームと、該フレームの両側に
   設けたガイドローラと、前記フレームの上部中央に設け
   た吊り金具とを有することを特徴とするビル建設現場等
   の隙間における重量物昇降方法に使用する重量物昇降
   具。