JPH05229447A - 車両用パワーステアリングの油圧反力装置 - Google Patents

車両用パワーステアリングの油圧反力装置

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JPH05229447A
JPH05229447A JP3795192A JP3795192A JPH05229447A JP H05229447 A JPH05229447 A JP H05229447A JP 3795192 A JP3795192 A JP 3795192A JP 3795192 A JP3795192 A JP 3795192A JP H05229447 A JPH05229447 A JP H05229447A
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JP
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plunger
steering
oil
pressure
pressure receiving
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JP3795192A
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Hiroyuki Sunochi
博幸 須之内
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、可変絞りのみで油圧出力を制御す
る簡素な構造の利点を最大限に生かしつつ、無用な不都
合の発生なく、作動油の温度依存性を無くすことを最も
主要な特徴とする。 【構成】可変絞り部91のみで反力に必要な油圧を出力
させ、従来、用いられていたプランジャ機構65とオイ
ルリザーバ92との間における温度依存性が小なオリフ
ィス34を、温度依存性が高いチョーク88に変えたこ
とにある。これによって、可変絞り部91の温度依存性
をチョーク88の温度依存性で相殺して、反力圧となる
油圧の温度依存性を無くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車の前輪
を操舵するときのハンドルの手応え(反力)を油圧によ
り制御する車両用パワーステアリングの油圧反力装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車(車両)では、軽い操作で操舵を
するために油圧式のパワーシリンダを装備することが行
われている。
【0003】こうしたパワーステアリングは、図7に示
される概略図、図8に示される詳細な図のように、ハン
ドル1からの操舵操作にしたがって前輪2(操舵輪)を
左右に操舵するステアリング機構3にロータリバルブ4
を内蔵させ、このロータリバルブ4にオイルポンプ5、
パワーシリンダ装置6、オイルリザーバ7(いずれも図
7しか図示せず)を流路8を介し接続して、油圧のアシ
スト系を構成してなる。これにより、ハンドル1の回転
で変位するロータリバルブ4によって得られる油圧をパ
ワーシリンダ装置6の右室8あるいは左室9へ供給し
て、アシスト力を発生させるようにしている。しかし、
ロータリバルブ4の変位だけでは、適切にハンドル力を
コントロールできない。
【0004】そこで、従来、自動車のパワーステアリン
グでは、図7および図8に示されるようにアシスト系に
反力(手応え)を可変する油圧反力装置11を設け、ア
シスト力を可変可能とし、これを自動車の車速を検知す
る車速センサ12,エンジン回転数を検知するエンジン
回転数センサ13、モードを切換えるモード切換スイッ
チ13aの情報にしたがって制御して、適切な操舵特性
を得るようにしている。
【0005】具体的には、こうした油圧反力装置11に
は、従来、図7および図8に示されるようにステアリン
グ機構3の入力軸14の周囲に同入力軸14を挟み付け
るようにプランジャ機構15を内蔵し、このプランジャ
機構15に可変絞りから所定の制御圧を発生させるため
のコントロールバルブ16(以下、PCV16と称す)
を接続し、同制御圧にしたがって上記入力軸14を周囲
から挟み付けるようにした構造が用いられている。
【0006】詳しくは、プランジャ機構15は、図8お
よび図10に示されるように入力軸14の下端部に、4
つの凹部17が等間隔で形成された被押圧部18を設
け、凹部位置に対応して、この被押圧部18の周囲に、
先端部に凸部19をもつプランジャ20を移動自在に内
蔵したホルダ21を設け、各プランジャ20の後方端に
チャンバ22(受圧室)を形成した構造となっていて、
流入口15aからの油圧の供給により、各プランジャ2
0で被押圧部18を挟み付けるごとく押付けるようにし
てある。
【0007】またPCV16について説明すれば、PC
V16は筒状のシリンダ空間23にスプール弁体24を
摺動自在に設けてなる。このスプール弁体24の下端部
は、ソレノイド25(駆動部)のプランジャ25aが連
結されていて、スプール弁体24の全体を上方向に変位
できる構造にしてある。
【0008】スプール弁体24の上段側の外周面と下段
側の外周面には、図9に示されるように環状溝26、2
7が形成されている。またスプール弁体24の内部に
は、環状溝26,27を連通する斜めの貫通路28が形
成されている。そして、環状溝26とその周辺の外周面
部分にて、オイルポンプ5とつながる流入ポート29を
絞るようにしている(可変絞り部)。環状溝27は出力
ポート30および流路33を介して上記プランジャ機構
15の流入口15aに接続されていて、コントロールユ
ニット31によってソレノイド25の励磁を制御するこ
とにより、プランジャ25aの軸力が最も大きいときに
流入ポート29を遮断させ、プランジャ25aの軸力が
小さくなるにしたがって絞り開度を大きくするようにし
てある。
【0009】またオイルリザーバ7とプランジャ機構1
5の流出孔32(図10のみに図示)とを連通するホル
ダ21内の流路部分33には、図11にも示すようなオ
リフィス34が設けられていて、上記ソレノイド25の
作動にしたがって、各チャンバ22にプランジャ25a
の軸力に応じた油圧を発生させるようにしている。すな
わち、車速センサ12,エンジン回転数センサ13,モ
ード切換スイッチ13aからの情報にしたがって、ソレ
ノイド25を制御することにより、走行状態に応じた適
切な手応え(反力)をハンドル1に発生させる。ところ
で、従来より、この油圧反力装置11には、機械的な構
造によってPCV16にリリーフ弁的な機能を設定して
いる。
【0010】すなわち、図9に示されるように環状溝2
7の上部受圧面27aは、下部受圧面27bよりも大き
く設定(D1 <D2 )されていて、この受圧面積の差か
ら環状溝27に油圧が供給されると、スプール弁体24
を上方へ押し上げる力を発生させるようにしてある。そ
して、段差で構成されるダンピングオリフィス27cで
生じる、この作用を利用して、ポンプ吐出圧が普通操舵
時よりも、さらに上昇するようなとき、プランジャ20
に作用する油圧を規定圧以下に制御するようにしてあ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】こうしたリリーフ弁的
な機能が付いた油圧反力装置11は、環状溝27の受圧
面積を変えるダンピングオリフィス27a(段差)があ
る分、コスト的に高く、構造的にも複雑になる問題をも
っている。
【0012】そこで、このダンピングオリフィス27a
を無くして、ソレノイド25の励磁のみによる絞り制御
で、車速などの情報に応じた設定値にしたがって、プラ
ンジャ20に作用する油圧を全て設定することが考えら
れている。
【0013】ところで、ハンドル1の反力を生み出す出
力油圧は、可変絞りによって制御圧を出力させる都合
上、油温が変化して油の粘性が変わると、その影響を受
けて出力油圧が大きく変わるおそれがある。具体的に
は、図12に示されるように実験によって流入ポート2
9が半開状態(ソレノイド25の制御電流が0.5Aの
とき:但し、1.0Aで全開)のときで、油温Tがそれ
ぞれ「35℃」、「60℃」、「100℃」のときの入
力トルクに対する出力油圧の特性を調べた結果、かなり
温度の依存性があることが確認された。これにより、低
温になると、所定の反力圧を維持できずに、手応えがお
ちるという挙動が発生するおそれがある。
【0014】しかし、上記のようなダンピングオリフィ
ス27a(段差)にて圧力を制御する構造によると、圧
力による温度補正ができるので、油の粘性の影響が受け
にくいものの、ダンピングオリフィス27aを無くす、
すなわち受圧面積を変える構造を無くすと、油の粘性の
影響を受けやすくなるという不都合が発生し、温度の依
存性がかなり高くなる。そこで、この可変絞りにおける
油の温度依存性を小さくすることが考えられる。
【0015】この対策としては、可変絞りのオリフィス
を変えること、スプール弁体24の端面に温度による圧
力を作用させて温度補正すること、熱膨張を利用して絞
り面積を補正することなど、各種スプール弁体24の構
造を変更する構造が考えられる。
【0016】しかしながら、これらの対策は、いずれも
キャビテーションを原因として流動音が大きくなる、構
造が複雑になる、部品精度に対する影響が大きくなる、
絞りの可変幅が小さくなる、コスト高となる、据付スペ
ースが大きいことが原因として装置が大きくなる等の問
題がある。
【0017】このため、ダンピングオリフィス27a
(受圧面積を変える構造)を無くすという構造の利点を
最大限に生かしつつ、作動油の温度依存性を改善できる
ものが要望されている。
【0018】この発明は、このような事情に着目してな
されたもので、その目的とするところは、可変絞りのみ
で油圧出力を制御する簡素な構造の利点を最大限に生か
しつつ、無用な不都合の発生なく、作動油の温度依存性
を無くすことができる車両用パワーステアリングの油圧
反力装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明の車両用パワーステアリングの油圧反力装置
は、ハンドルにつながる入力軸を有して構成され、前記
ハンドルの操舵操作にしたがって前記操舵輪を操舵させ
るステアリング機構と、このステアリング機構の入力軸
の周囲に同入力軸に対して接離する方向にプランジャを
移動可能に設けるとともに、圧力を受ける受圧室を前記
プランジャ端に設けてなり、前記受圧室の圧力に応じて
前記プランジャが前記入力軸に対して押圧可能なプラン
ジャ機構と、オイルポイプの吐出部とオイルリザーバと
を、前記プランジャ機構の受圧室を介して流路で接続し
てなり、前記オイルポンプから吐出する油を前記受圧室
に導く油導入手段と、前記オイルポンプの吐出部とプラ
ンジャ機構の受圧室との間の流路部分に設けられた、同
流路部分の開口を可変可能に絞るための可変絞り部と、
この可変絞り部に設けられ、この可変絞り部を設定値に
したがい駆動して所定の絞り量に設定するための駆動部
と、前記プランジャ機構の受圧室と前記オイルリザーバ
との間の流路部分に設けられた、前記受圧室に圧力を発
生させるためのチョークとを設けたことにある。つま
り、可変絞り部のみで反力に必要な油圧を出力させ、従
来、用いられていたプラジャ機構とオイルリザーバとの
間における温度依存性が小なオリフィスを、温度依存性
が高いチョークに変えたことにある。
【0020】
【作用】この発明の車両用パワーステアリングの油圧反
力装置によると、直列に配置される可変絞り部とチョー
クとの間の流路部分から、反力の圧力としての油圧がプ
ランジャに作用することになる。
【0021】すなわち、導入側の可変絞り部が油の粘度
に影響されやすいのであるから、その他方となる導出側
の絞りにも油の粘度に影響されやすいものにすることに
よって、温度依存性が相殺されて反力圧となる反力油圧
の温度依存性は無しとなる。つまり、油の粘性の影響を
受けなくなる。
【0022】これにより、流動音が大きくなる、構造が
複雑になる、部品精度に対する影響が大きくなる、絞り
の可変幅が小さくなる、コスト高となる、据付スペース
が大きくなる等の二次的な問題を発生させることなく、
油の温度依存性の点を解消することができる。それ故、
油温が変化したときや、作動油を変更したときでも、安
定した反力油圧を得られる。
【0023】
【実施例】以下、この発明を図1ないし図6に示す一実
施例にもとづいて説明する。
【0024】図2は自動車の左右前輪(操舵輪)を操舵
するパワーステアリングの構成を示し、図1は同パワー
ステアリングの油圧系統の概略の図を示し、52はステ
アリング機構51を構成する例えばラック&ピニオン式
のステアリングギヤである。
【0025】このステアリングギヤ52は、例えばケー
シング53にラック54,ピニオン55を内蔵した構造
となっている。このラック54の一方の端部がステアリ
ングロッド56、タイロッド、ナックル(いずれも図示
しない)を介して、自動車の一方の前輪(操舵輪;図示
しない)に連結されている。また他方の端部は、ステア
リングロッド56、パワーシリンダ装置57、タイロッ
ド、ナックル(いづれも図示せず)を介して、自動車の
他方の前輪58(操舵輪;図示しない)に連結されてい
る。
【0026】ステアリングギヤ52のピニオン55に
は、トーションバー59の下端部が連結されている。こ
のトーションバー59の上端部は、ステアリングギヤ5
2の上部に設けたバルブユニット60を貫通して、イン
プットシャフト61およびステアリングシャフト62に
連結されている。またステアリングシャフト62の端部
はハンドル63に連結されていて、ハンドル63から回
転変位を入力すると、その変位がステアリングシャフト
62、トーションバー59、ピニオン55、ラック54
を介してステアリングロッド56に伝わり、前輪58,
58(一方しか図示せず)を舵角させる。
【0027】バルブユニット60には、ケーシング53
の上部にトーションバー59を囲むようにハウジング6
4を据付け、このハウジング64の内部に下側からプラ
ンジャ機構65、ロータリバルブ66を設けた構造が用
いられている。
【0028】ロータリバルブ66は、周知のようにハウ
ジング64の内面に筒状のアウターバルブ67を設け、
インプットシャフト61にアウターバルブ67と組み合
う筒状のインナーバルブ68を設けてなる。つまり、ロ
ータリバルブ66は、ハンドル63からのハンドル力に
よって、トーションッバー59が捩じれると、アウター
バルブ67とインナーバルブ68との間で相対的な変位
が発生する構成となる。
【0029】このアウターバルブ67に形成されている
流入ポート67aがハウジング53に設けた流入口体6
9に連通し、インナーバルブ68に形成されている流出
ポート68aがハウジング53に設けた流出口体70に
連通している。またアウターバルブ67に形成されてい
る出力ポートは、ハウジング64に設けた一対の出力ポ
ート部71,72に連通している。この出力ポート部7
1,72が上記パワーシリンダ装置57に接続されてい
る。
【0030】すなわち、パワーシリンダ装置57は、シ
リンダ73を貫通するようにピストンロッド74を摺動
自在に設け、このピストンロッド74の一部にシリンダ
73を長手方向両側(左右)に仕切るようにピストン7
5を設けて構成される。このピストン75で仕切られた
左右の室75a,75bと連通する一対の入力ポート7
6,77が、流路78,79を介して上記出力ポート部
71,72に接続してある。
【0031】そして、流入口体69と流出口体70との
間に、自動車のエンジン(図示しない)で駆動されるリ
リーフバルブ付のオイルポンプ90、オイルリザーバ9
2が流路93を介して接続されている。この油圧回路に
より、ロータリバルブ66のアウターバルブ67とイン
ナバルブ68とにおける相対的な変位にしたがい発生す
る、ロータリバルブ66からのハンドル力および操舵方
向に応じた油圧をパワーシリンダ装置57の室75a,
75bへ供給できるようにしている。つまり、ハンドル
力を油圧でアシストしながら、前輪8、8を操舵できる
ようにしてある。なお、オイルポンプ90にはポンプ回
転数に応じてロータリバルブ66への吐出流量が変化す
る特性のポンプを用いている。
【0032】またプランジャ機構65は、インナーバル
ブ68の下端部、すなわちインプットシャフト61の下
端部に同部分を下方へ延長してなる被押付部分80を有
している。この被押付部分80の外周面には、図4に示
されるように4つの凹部81が等間隔で形成されてい
る。また被押付部分80の周囲のハウジング64内の部
分には、各凹部81の位置と対向する部位にそれぞれプ
ランジャ82を移動自在に内装したホルダ83が設けら
れている。各プランジャ82の先端部には凹部81と凹
凸係合する凸部84が設けられている。また各プランジ
ャ82の後端にはチャンバ85(受圧室)が形成されて
いる。各チャンバ85は、ハウジング64に設けた流入
口89に環状の流路86を介して連通している。これに
より、流入口89から各チャンバ85へ油(作動油)導
いて、プランジャ端に油圧が加わるようにしてある(油
導入手段)。そして、この油圧により、各プランジャ8
2で被押付部分80を挟み付けるごとく押し付けるよう
にしてある。つまり、各チャンバ85の油圧が高くなる
にしたがい、インプットシャフト61を周囲から強く押
付ける構成となっている。これにて、ハンドル63に手
応え感(反力)を発生させるようにしてある。なお、上
記流路86と流出ポート68aとは、ホルダ83に設け
た流出孔87a、同流出孔87aにつづくリターン路8
7、インナーバルブ68の内部(中心部)の空間を介し
て連通している。そして、リターン路87には、図5に
示されるようなチョーク88が設けられ、チャンバ85
に圧力を発生させるようにしてある。なお、チョーク8
8は、周知のように、オリフィスとは異なり、孔径より
も孔長を長くして構成されたもので、構造上(孔長が長
いために)、油の粘度に影響されやすい(温度依存性)
ものとなっている。
【0033】一方、図1および図2に示されるように上
記オイルポンプ90とプランジャ機構65との間には、
プランジャ機構65の供給圧を制御するプレッシャコン
トロールバルブ91(可変絞り部に相当するもので、以
下、PCV91と称す)が設けられている。PCV91
は、バルブハウジング95の内部に形成した筒状のシリ
ンダ空間96にスプール弁体97を摺動自在に設けて構
成される。このスプール弁体97の下端部は、バルブハ
ウジング95の下部に据付けたソレノイド98(駆動部
に相当)のプランジャ99に連結されていて、ソレノイ
ド98の励磁制御にしたがい、スプール弁体97の全体
を上方向に変位できる構造してある。なお、スプール弁
体97はシリンダ空間96の上端部に設けたスプリング
100により戻る。
【0034】スプール弁体97の上段側の外周面と下段
側の外周面とには、図3に拡大して示されるように帯状
の環状溝101,102が形成されている。下段の環状
溝102は、従来のPCVとは異なり、環状溝102の
上部受圧面102aと下部受圧面102bとは同じに設
定(いずれも「φD」)されている。つまり、段差(ダ
ンピングオリフィス)を無くして、同じ受圧面積にして
ある。
【0035】またスプール弁体97の内部には、環状溝
101と環状溝102とを連通するための斜めに貫通す
る貫通路103が形成されている。そして、環状溝10
1とその周辺の外周面部分にて、バルブハウジング95
に設けた流入ポート104との連通状態を可変できるよ
うにしている。つまり、流入ポート104で構成される
流路部分の開口を可変可能に絞ることができるようにし
てある。この流入ポート104が、オイルポンプ90に
つながる流路93に連通している。また環状溝102
は、バルブハウジング95に設けた出力ポート105と
常に連通するようにしてある。この出力ポート105
が、上記プランジャ機構65の流入口89に流路106
を介して接続され、流入ポート104の可変絞りで得ら
れる油圧を反力圧として、各チャンバ85に導くように
している。
【0036】環状溝101と流入ポート104との設定
は、例えばプランジャ99の軸力が最も大きいとき(プ
ランジャ99が最も上方へ突き出た状態;例えばMax
の電流値1.0A)、流入ポート104を遮断(閉)す
る状態に定め、プランジャ99の軸力が小さく(電流値
が小)になるにしたがって(プランジャ99が下が
る)、連通するとともに、そのときの連通面積を増大す
るようにしてある。これにより、ソレノイド98の励磁
にしたがって、ハンドル13に手応え感(反力)を発生
させるようにしてある(アシスト力:小)。なお、スプ
ール弁体97の内部にはドレーンのための同軸心部分を
貫通するドレーン路107が形成されていて、このドレ
ーン路107がバルブハウジング95に設けた流出ポー
ト108を介して、オイルリザーバ92につながる流路
43に連通している。このようにして構成される反力圧
回路から、油圧反力装置109を構成している。
【0037】またソレノイド98には、マイクロコンピ
ュータおよびその周辺回路から構成されるコントロール
ユニット110が接続されている。さらにこのコントロ
ールユニット110には、走行状態、操舵状態を検知す
るためのセンサ、例えば自動車の車速を検知する車速セ
ンサ111、自動車の走行用エンジンの回転数を検知す
るエンジン回転センサ112、手応えをノーマルモード
とスポーツモードとに切換えるモード切換スイッチ11
4が設けられている。
【0038】コントロールユニット110には、図示は
しないが、例えば車速、エンジン回転数、ノーマルモー
ド、スポーツモードを考慮した「車速に応じたソレノイ
ド98の制御電流」のマップが設定されている。またコ
ントロールユニット110には、このマップにしたがっ
て、ソレノイド98の制御電流値を読取る機能、同読取
った制御電流値にしたがってソレノイド98を駆動させ
る機能が設定されていて、ハンドル63に走行状態、操
舵状態に応じた手応え感(反力)を発生できるようにし
てある。
【0039】しかして、このように構成されたパワース
テアリングは、ハンドル63を回転させると、その回転
がステアリングシャフト62、インプットシャフト6
1、トーションバー59を経てピニオン5に伝達され、
ラック54をハンドル63で操舵した方向へ駆動する。
【0040】このとき、トーションバー59は路面抵抗
によって捩じられる。この捩じりにしたがって、インナ
ーバルブ68とアウターバルブ67とは相対変位を生
じ、この差によってオイルポンプ90で発生した油圧が
パワーシリンダ装置57の右側の室75aあるいは左側
の室75bに供給され、前輪8,8をハンドル13で操
舵した方向に駆動して、ハンドル操舵力を軽くする。
【0041】一方、コントロールユニット110は、車
速センサ111から車速を読取り、エンジン回転数セン
サ112からエンジン回転数を読取り、モード切換スイ
ッチ114から、「ノーマルモード」であるか「スポー
ツモード」であるかを読取る。
【0042】ついでコントロールユニット110は、
「車速ー制御電流」のマップから、上記読取ったエンジ
ン回転数、車速およびモードに応じたソレノイド98の
制御電流値を読取り、この制御電流値にしたがってソレ
ノイド98を駆動する。すなわち、小さい車速の場合
は、ソレノイド98にはプランジャ99の軸力が最も大
きくなる駆動電流値(1.0A)が供給される。これに
より、プランジャ99は最も上方へ突き出て、流入ポー
ト104を遮断する位置にスプール弁体97を保持させ
る。
【0043】つまり、プランジャ99の各チャンバー8
5には、オイルポンプ90の吐出圧は作用せず、インプ
ットシャフト61の被押付部分80には押付ける力が働
かない。
【0044】また大きな車速の場合は、ソレノイド98
には「1.0A以下」の駆動電流が供給され、電流差
分、プランジャ52は下降した位置で保持され、流入ポ
ート104を開く。
【0045】すると、現在のオイルポンプ90から吐出
された油が、環状溝101、貫通路103、環状溝10
2、流路106、流路86を経て、プランジャ機構65
の各チャンバー85に導かれる。
【0046】このとき、オイルリザーバ92と連通して
いるリターン路87にはチョーク88が設けられている
から、各チャンバー85には流入ポート104の可変絞
りに応じた油圧が発生する。この油圧が、反力圧とし
て、プランジャ端に作用する。
【0047】すると、インプットシャフト61の被押付
部分80は、同反力圧によって、各プランジャ82で、
周囲から挟み付け、ハンドル63を適度な重さ(反力)
にする。
【0048】ここで、ハンドル63の反力を生み出す出
力油圧は、可変絞りによって所定の圧力にする都合上、
油温が変化して油の粘性が変わると、その影響を受けて
出力油圧が大きく変わりやすい。
【0049】しかし、この発明によると、この油の温度
依存性を無くすことができる。しかも、可変絞りのみで
油圧出力を制御する簡素な構造の利点を最大限に生かす
のみですみ、二次的な不都合の発生がない。
【0050】なぜならば、流路に対して、2つの絞り要
素を直列に設け、それら絞り要素間の油圧を反力圧とし
て取り出す場合、一方にある理由で、油の粘度に影響さ
れやすい絞り要素(温度依存性の大きな絞り要素)を用
いると、他方の絞り要素にも油の粘度に影響されやすい
絞り要素(温度依存性の大きな絞り要素)を持たせる
と、上記取り出す反力圧においては温度依存性がなくな
る。
【0051】つまり、導入側の可変絞り部(流入ポート
104)が油の粘度に影響されやすいのであるから、そ
の他方となる導出側の絞りにも油の粘度に影響されやす
いチョーク88にすることによって、可変絞り部とチョ
ーク88とにおける温度依存性が相殺され、反力圧とな
る反力油圧の温度依存性が無しとなる。
【0052】具体的には、図6に示されるように実験に
よって流入ポート104が半開状態のときで、油温Tが
それぞれ「35℃」、「60℃」、「100℃」のとき
の入力トルクに対する出力油圧の特性を調べた結果、温
度による影響がほとんど見られないことが確認された。
【0053】したがって、油の粘性の影響を受けなくな
る。この結果、流動音が大きくなる、構造が複雑にな
る、部品精度に対する影響が大きくなる、絞りの可変幅
が小さくなる、コスト高となる、据付スペースが大きく
なる等の二次的な問題を発生させることなく、油の温度
依存性の点を解消することができる。
【0054】よって、油温が変化したときや、作動油を
変更したときでも、安定した反力油圧を得ることがで
き、可変絞りのみで油圧出力を制御する簡素な構造の利
点を最大限に生かした油圧反力装置109を実現させる
ことができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
可変絞りのみで油圧出力を制御する簡素な構造の利点を
最大限に生かしつつ、無用な不都合の発生なく、作動油
の温度依存性を無くすことができる車両用パワーステア
リングの油圧反力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の油圧反力装置の油圧
系統を、パワーステアリングの油圧系統と共に示す図。
【図2】同油圧反力装置の構造を、パワーステアリング
の構造と共に示す図。
【図3】同可変絞り部回りの構造を拡大して示す断面
図。
【図4】図1中、B−B線に沿う断面図。
【図5】チョークの構造を示す断面図。
【図6】反力圧の温度依存性を説明するための温度別の
入力トルクに対する出力油圧の特性を示す図。
【図7】従来のパワーステアリングの油圧反力装置を説
明するための図。
【図8】同油圧反力装置の構造を、パワーステアリング
の構造と共に示す図。
【図9】同可変絞り部回りの構造を拡大して示す断面
図。
【図10】図8中、A−A線に沿う断面図。
【図11】オリフィスの構造を示す断面図。
【図12】反力圧の温度依存性を説明するための温度別
の入力トルクに対する出力油圧の特性を示す図。
【符号の説明】
51…ステアリング機構、61…インプットシャフト、
63…ハンドル、65…プランジャ機構、82…プラン
ジャ、85…チャンバ、88…チョーク、90…オイル
ポンプ、91…PCV(可変絞り部)、92…オイルリ
ザーバ、98…ソレノイド(駆動部)、106…流路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハンドルにつながる入力軸を有して構成さ
    れ、前記ハンドルの操舵操作にしたがって前記操舵輪を
    操舵させるステアリング機構と、 このステアリング機構の入力軸の周囲に同入力軸に対し
    て接離する方向にプランジャを移動可能に設けるととも
    に、圧力を受ける受圧室を前記プランジャ端に設けてな
    り、前記受圧室の圧力に応じて前記プランジャが前記入
    力軸に対して押圧可能なプランジャ機構と、 オイルポイプの吐出部とオイルリザーバとを、前記プラ
    ンジャ機構の受圧室を介して流路で接続してなり、前記
    オイルポンプから吐出する油を前記受圧室に導く油導入
    手段と、 前記オイルポンプの吐出部とプランジャ機構の受圧室と
    の間の流路部分に設けられた、同流路部分の開口を可変
    可能に絞るための可変絞り部と、 この可変絞り部に設けられ、この可変絞り部を設定値に
    したがい駆動して所定の絞り量に設定するための駆動部
    と、 前記プランジャ機構の受圧室と前記オイルリザーバとの
    間の流路部分に設けられた、前記受圧室に圧力を発生さ
    せるためのチョークとを具備したことを特徴とする車両
    用パワーステアリングの油圧反力装置。
JP3795192A 1992-02-25 1992-02-25 車両用パワーステアリングの油圧反力装置 Pending JPH05229447A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005009676A (ja) * 2003-05-09 2005-01-13 Zahnradfab Friedrichshafen Ag 油圧管の油圧媒質の粘性の補償のための装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005009676A (ja) * 2003-05-09 2005-01-13 Zahnradfab Friedrichshafen Ag 油圧管の油圧媒質の粘性の補償のための装置
JP4593163B2 (ja) * 2003-05-09 2010-12-08 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 油圧式変速機制御装置

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