JPH05229263A - 感熱記録用樹脂組成物及び感熱記録材 - Google Patents

感熱記録用樹脂組成物及び感熱記録材

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JPH05229263A
JPH05229263A JP4072642A JP7264292A JPH05229263A JP H05229263 A JPH05229263 A JP H05229263A JP 4072642 A JP4072642 A JP 4072642A JP 7264292 A JP7264292 A JP 7264292A JP H05229263 A JPH05229263 A JP H05229263A
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resin
heat
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layer
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JP4072642A
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English (en)
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Manabu Nishida
学 西田
Izumi Nakamura
泉 中村
Tatsuto Matsuda
立人 松田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱に感応して画像や文字等の記録を行なうこ
とのできる感熱記録用の樹脂組成物、及び感熱記録材の
製法を提供することを目的とする。 【構成】 常温で不透明であり、加熱により溶融または
融着して透明化する樹脂微粒子と透明の熱可塑性樹脂バ
インダーとからなる感熱記録用樹脂組成物において、熱
可塑性樹脂バインダーとしてポリウレタン系樹脂を含む
感熱記録用樹脂組成物を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱に感応して画像や文
字等の記録を行なうことのできる感熱記録用の樹脂組成
物、及び該樹脂組成物を主たる構成材とする感熱記録材
の製造方法に関し、この感熱記録材は、例えばプリンタ
ーやファクシミリ等のデータ受信用記録紙、各種ラベ
ル、切符等の印刷、もしくはオーバーヘッドプロジェク
ター等で使用される画像記録材、光カード、ICカー
ド、メモリーカード、プリペイドカード等の表示記録材
料等として有用である。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材としては様々のタイプのもの
が知られているが、現在最も汎用されているのはロイコ
染料系の感熱記録材である。この感熱記録材は、発色剤
としてロイコ系染料、顕色剤としてビスフェールA等の
フェノール系化合物を使用し、これらをPVA,メチル
セルロース,アクリル系樹脂等のバインダー中に分散さ
せて、基材、例えば紙等に塗布、乾燥したものであり、
この感熱記録材は熱ヘッドや熱ペン等による加熱によっ
て発色し容易に画像を記録することができるため、ファ
クシミリやサーマルプリンター、データ通信、コンピュ
ーター端末機等の情報記録をはじめ、ラベル印刷等にも
幅広く利用されている。
【0003】しかしながらロイコ染料系感熱記録材は、
材料が高価で且つ製造工程が複雑であるという欠点に加
えて、ロイコ染料と顕色剤を熱により化学反応させて発
色させる方式である為、可塑剤や有機溶媒、油、水、湿
気等によって退色し易く、画像の保存安定性に問題があ
る。そこで後者の欠点については、例えば特開昭60-104
597 号や同60-104598 号に見られる様に、感熱記録層を
架橋型の表面保護層によって被覆して保存安定性を高め
る方法も提案されているが、感熱記録層そのものの構成
を改善するものではないから根本的な解決にはならな
い。
【0004】一方、他の感熱記録方式として溶融透明化
法が知られている。この方法は、着色した支持体もしく
は着色層の設けられた支持体(以下、着色基材というこ
とがある)の上に不透明なワックス層を設けたものであ
り、該ワックス層を加熱すると不透明の該ワックス層が
溶融して透明化し、その下の着色層が現われて着色像が
得られる。この方法は、着色層自体は変色させずその上
面に形成される不透明層(マスキング層)を感熱的に透
明化させて着色層を透視させることにより画像を記録す
るものであるから、記録された画像の保存安定性は高
い。しかしながらこの方式は、マスキング層の主成分が
ワックスであるため、非常に軟弱で引掻き等によって容
易に傷つくという難点があり、しかも着色基材に対する
接着性が悪いためマスキング層が比較的簡単に剥離し易
いこともあって、現在では殆んど実施されていない。
【0005】また上記方法の改善法に相当するものとし
て特開平3-51186 号公報開示の方法が提案されている。
この方法は、合成樹脂エマルジョンにバインダーを混入
して着色基材上に上塗りしてマスキング層を形成し、画
像記録部を加熱することにより、マスキング層内のエマ
ルジョン粒子を溶融させて透明化することにより画像記
録を行なうものであり、ワックス類をマスキング層の主
成分として使用する方式に比べると、マスキング層の耐
傷付き性は改善されている。しかしながらこの方式は、
樹脂エマルジョンをマスキング層構成材の主体とするも
のであるから、バインダー樹脂の溶剤が水性溶剤である
ことが必要であり、そのため溶剤の選択範囲が限られ、
ひいては透明基材や着色基材の選択範囲も著しく制限さ
れるため汎用性にかける。またこの方法の実施例では、
基材であるポリエステルフィルムに対しバインダーとし
てアクリル系エマルジョンを用いて塗布しているが、密
着性が不十分であるため、粘着テープ等で簡単に剥離し
てしまう。さらにサーマルヘッドで印字した場合は、カ
スが印字ヘッドに付着したりスティッキングを生じ、走
行性が著しく阻害されるため印字が円滑に遂行できな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、前記
溶融透明化法による感熱記録方式の難点を解消し、優れ
た耐傷付き性を有すると共に、様々の基材に対しても強
固に密着して安定した画像記録を達成し得る様なマスキ
ング層を与えることのできる感熱記録用樹脂組成物及び
感熱記録材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
のできた本発明に係る感熱記録用樹脂組成物の構成は、
常温で不透明であり加熱により透明化する樹脂微粒子
と、ポリウレタン系樹脂を含む透明の熱可塑性樹脂バイ
ンダーとからなるところに要旨を有するものである。ま
た本発明に係る感熱記録材は、常温で不透明であり加熱
によって透明化する合成樹脂微粒子の乾燥物と、ポリウ
レタン系樹脂を含む透明の熱可塑性樹脂バインダーから
なる感熱記録層と、透明若しくは着色された基材からな
るところに要旨が存在する。
【0008】本発明においては、上記感熱記録層を着色
基材上にマスキング層として形成し、画像記録部におけ
る合成樹脂微粒子を加熱溶融させて透明化して着色基材
を透視できる様にすれば、前記従来法で示した如く感熱
記録用記録紙等として幅広く利用することができ、また
透明基材上にマスキング層として形成し同様に画像記録
部を加熱透明化できる様にすれば、オーバーヘッドプロ
ジェクター用の感熱記録用シートとして利用できる。ま
た該感熱記録層の表面に耐熱性のオーバーコート層を形
成しておけば、感熱記録時における熱ヘッド等への感熱
記録材の付着や汚染等をより確実に防止することができ
る。
【0009】
【作用】本発明において、常温で不透明であり加熱によ
り透明化する樹脂微粒子とは、熱可塑性樹脂バインダー
と混合して造膜した状態で、非加熱状態では当該微粒子
による光の乱反射により不透明であり、これを加熱する
と溶融または融着して透明化する性質を有するものであ
り、感熱記録時の加熱温度にもよるが、通常は60℃程度
以上で溶融または融着する合成樹脂が用いられる。尚本
発明において「透明」とは、光線透過率が60%以上、よ
り望ましくは80%以上であるものを言い、「不透明」と
は光線透過率が40%以下、より望ましくは20%以下であ
るものを言う。
【0010】この様な樹脂微粒子として最も一般的なの
は、ビニル系の重合性単量体を乳化重合や分散重合等に
よって微粒状にしたものであって、好ましい重合性単量
体としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリ
ル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリ
シジル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、
ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、パラメチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、パラクロロスチレン等の芳香
族ビニル単量体類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハ
ロゲン化ビニル単量体類;(メタ)アクリロニトリル等
の不飽和ニトリル類;フマール酸モノメチル、フマール
酸モノブチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ
ブチル、イタコン酸モノオクチル、イタコン酸ジオクチ
ル等の不飽和二塩基酸エステル類;不飽和イソシアネー
ト類等が例示され、これらの1種もしくは2種以上を主
成分として使用することができる。
【0011】また上記重合性単量体と共に、重合体微粒
子を製造する際の粘度調整用として、あるいは安定性、
非加熱時の不透明性、バインダーとの親和性、基材との
接着性等を改善するため、例えば(メタ)アクリル酸、
イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸等の不飽和カ
ルボン酸類;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メ
タ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官
能ビニル系単量体類;ブタジエン、イソプレン等のジエ
ン類を共重合させることも可能である。
【0012】該樹脂微粒子は、非加熱状態で優れた非透
過性、熱感応性、平滑像形成性及び層の均質性等を確保
すると共に、高い熱感応性を得るうえで特に好ましいの
は粒径が0.1 〜0.8 μm、より好ましくは0.2 〜0.5 μ
m程度のものであり、またガラス転移点は50〜120 ℃程
度のものが好ましい。
【0013】次に熱可塑性樹脂バインダーは、前記樹脂
微粒子の非加熱状態におけるビヒクル成分となると共
に、加熱軟化状態でこれらと一体になって透明フィルム
を形成し、更には基材に対する接着剤としても作用する
ものであって、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂が使用さ
れる。ポリウレタン系樹脂の種類は、樹脂微粒子との親
和性(分散性)や基材に対する接着性等を考慮して適当
に選択すべきものであり、単独もしくは適宜混合して使
用することができるが、望ましくは樹脂全量中に占める
ポリウレタン系樹脂の量は、固形物として30重量%以
上、より好ましくは全量をポリウレタン系樹脂とするの
がよく、それにより幅広い種類の基材に対して優れた密
着性を得ることができる。必要によりポリウレタン樹脂
と併用される樹脂の種類は特に限定されないが、好まし
いものとしてはポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル
系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂あるいはこ
れらを主成分とする各種共重合樹脂等が例示される。こ
れらはポリエステル系樹脂をはじめとする様々の汎用樹
脂基材および種々の着色基材に対しても優れた接着性を
示し且つ優れた物性のマスキング層を得ることができ
る。
【0014】樹脂微粒子と熱可塑性樹脂バインダーの配
合比率も特に限定されないが、非加熱状態でのマスキン
グ効果をより確実に発揮させると共に、非加熱状態での
物性や基材との接着性等を総合的に高めるうえで最も好
ましいのは、樹脂微粒子100重量部に対する熱可塑性樹
脂バインダーの配合量で10〜200 重量部の範囲である。
【0015】次に本発明に係る感熱記録材について説明
する。該感熱記録材を製造するに当たっては、前述の様
な常温で不透明であり加熱により透明化する樹脂微粒子
の乾燥物を使用する。そして乾燥された該樹脂微粒子の
粉末を、組合わされる熱可塑性樹脂バインダーの種類に
応じて選択される溶剤を用いて、該熱可塑性樹脂バイン
ダーと共に透明もしくは着色基材表面に塗布し乾燥する
ことによって感熱記録層を形成する。
【0016】ここで用いられる溶剤としては、樹脂微粒
子を溶解させることなく均一に分散させることができ、
しかも熱可塑性樹脂バインダーを均一に溶解又は分散す
るものを選択すべきであり、好ましくは樹脂微粒子の溶
解度パラメーター(SP値)とは隔ったSP値で、且つ
熱可塑性樹脂バインダーのSP値に近いSP値を有する
有機溶剤を使用することが望まれる。従って単独溶剤で
こうした要望が満たせない場合は、必要に応じて2種以
上の混合溶媒を使用すればよい。この場合、ともすれば
樹脂微粒子が凝集して分散不良となりマスキング層とし
ての均一性が悪化することがあるので、この様な場合は
必要により少量の界面活性剤を分散剤として添加し、分
散性及び分散液の安定性を高めることは、本発明を実施
する際における好ましい態様の一つである。
【0017】この様に樹脂微粒子の乾燥物を使用すれ
ば、前記特開平3-51186 号公報に開示されている如く乳
化重合法で得た乳濁液をそのまま使用する方法に比べる
と、水溶性でない溶剤を用いた様々の熱可塑性樹脂バイ
ンダーを使用することができ、ひいては基材の種類も考
慮した最適のバインダーを選択することができることに
なり、種々の基材に対して感熱記録層が強固に密着した
感熱記録材を得ることが可能となる。
【0018】感熱記録層の膜厚は用いられる用途により
適宜変えることができるが、厚過ぎると感度が低下し、
薄すぎると画像のコントラストが悪くなるので、通常は
乾燥皮膜として1〜100 μm、好ましくは5〜50μmの
範囲である。
【0019】上記感熱記録層が形成される基材は、前述
の如く透明のものであってもよく、あるいは着色された
ものであってもかまわない。そして透明のシートを基材
として使用すれば、例えばオーバーヘッドプロジェクタ
ーやスライド用の感熱記録用シート材として利用でき
る。また着色されたシート基材を用いてその表面に上記
感熱記録層を形成すれば、非加熱状態では不透明の感熱
記録層により隠弊されていた下地の着色層が、画像処理
により透明化された感熱記録層から透視できる様になる
ので、感熱記録用の記録紙等をはじめとする様々の感熱
記録材として利用できる様になる。
【0020】基材の構成素材は特に限定されないが、透
明基材として一般的なのはポリエステル系樹脂、(メ
タ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレ
ン系共重合樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂等のフィルムもしくはシートが使用される。これら
の中でも強度や保存安定性、あるいはコスト等の観点か
ら最も一般的で且つ発明においても有用であるのはポリ
エステル系フィルムもしくはシートである。また着色基
材としては、上記の様な透明樹脂あるいは、紙、合成紙
あるいは上記の如き樹脂をコートまたはラミネートした
紙あるいは合成紙などに着色剤を混入して着色したも
の、あるいはフィルムもしくはシート状物に着色コーテ
ィングを施して着色したものを包含するものであり、着
色剤としては、例えばカーボンブラック、グラファイト
粉等の炭素系着色剤;酸化鉄、酸化クロム、酸化モリブ
デン、酸化チタン等の金属酸化物類;群青、硫酸カドミ
ウム、黄鉛等の金属塩類;鉄、銅、亜鉛、コバルト、ク
ロム等の金属粉末類;フタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーン等の有機質顔料類;酸性染料、塩基性染
料、蛍光染料等の染料類などを挙げることができ、これ
らは必要により2種以上を組合せて使用することができ
る。
【0021】基材表面への感熱記録層の形成は常法に従
って行なえばよく、前述の樹脂微粒子と熱可塑性樹脂バ
インダーを含む分散液を、例えばバーコーター、ロール
コーター、ナイフコーター、スピンコーター、噴霧法、
浸漬法等により塗布してから乾燥すればよい。
【0022】またこの様にして感熱記録層を形成した
後、その表面に耐熱性のオーバーコート皮膜を形成して
やれば、感熱記録層の汚染が防止されるばかりでなく、
熱ヘッド等の感熱記録器具の汚染を防止することがで
き、感熱記録がより円滑に行える様になると共に、記録
画像の保存安定性も一段と高めることができるので好ま
しい。この様なオーバーコート皮膜構成材としては、一
般の感熱記録紙や感熱転写リボン等のオーバーコート材
或いはバックコート材等の熱ヘッドの走行に支障なく用
いられているものであれば特に制限はなく、例えばポリ
ビニルアルコール系樹脂、変性ポリビニルアルコール樹
脂、シリコーン系樹脂、アクリル変性シリコーン系樹
脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアミド系樹脂等が例示される。
【0023】オーバーコート層の膜厚は用途に応じて適
宜変えることができるが、厚すぎると熱応答性が悪くな
り、一方薄すぎるとオーバーコート層の効果が出にくく
なるので0.5 〜5μmの膜厚が望ましい。次に実施例を
挙げて本発明の構成及び作用効果を具体的に説明する
が、本発明はもとより下記実施例によって制限を受ける
ものではない。
【0024】
【実施例】
参考例1(樹脂粒子(1)の合成) 滴下槽付きの反応釜に、イオン交換水400 g及び3重量
%「ハイテノールN08」水溶液(花王社製の界面活性
剤)2gを仕込み、攪拌しながら窒素ガスを導入して内
部を窒素置換する。一方、滴下槽に、重合性モノマーと
してスチレンモノマー720 gとアクリル酸ブチル180 g
を仕込んで均一に攪拌し、更に3重量%「ハイテノール
N08」水溶液448 gを加えて攪拌・混合し均一な乳化
液を調製する。次に反応釜の内温を71℃とし、上記乳化
液のうちの1重量%を反応釜に添加して5分間攪拌した
後、重合開始剤として5%過硫酸アンモニウム水溶液30
gを一気に投入し、重合を開始する。15分間攪拌した
後、残りの乳化液の滴下を開始し、内温を71±2℃に保
って攪拌しながら4時間かけて滴下する。乳化液の滴下
終了後、滴下槽内をイオン交換水で洗浄してから反応釜
に投入し、反応釜の内温を75℃に挙げて、更に1時間熟
成を行なう。冷却後、1重量%硫酸アルミニウム水溶液
100 gを攪拌しながら徐々に加えて、樹脂粒子を凝集さ
せた後、濾過し、30℃の温風下で数日間乾燥し、粒径0.
2 〜0.5 μmの樹脂粒子(1)を得た。この樹脂粒子
(1)のガラス転移温度は69℃であった。
【0025】参考例2(樹脂粒子(2)の合成) 重合性モノマーとしてスチレンモノマー684 g、アクリ
ル酸ブチル180 g、ジビニルベンゼン36gを使用した以
外は上記参考例1と同様にして粒径0.2 〜0.5μmの樹
脂粒子(2)を得た。この樹脂粒子(2)のガラス転移
温度は74℃であった。
【0026】参考例3(樹脂粒子(3)の合成) 重合性モノマーとしてスチレンモノマー799 g、アクリ
ル酸ブチル83g、メタクリル酸18gを使用した以外は、
参考例1と同様にして、粒径0.2 〜0.5 μmの樹脂粒子
(3)を得た。この樹脂粒子(3)のガラス転移温度は
80℃であった。
【0027】(感熱記録材の作製) 実施例1 前記参考例で得た樹脂粒子(1)10g、ポリウレタン系
エマルジョン(第一工業製薬製、固形分30重量%)10
g、分散剤(「デモールEP」 24 重量%、花王製)0.
8 g、メタノール10gを、サンドミルに入れて5時間分
散混合し、樹脂粒子(1)が均一に分散した記録用塗布
液を調製した。該塗布用を厚さ100 μmのポリエステル
フィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の厚さが約10
μmとなるように塗布し、常温で10時間、さらに減圧下
(10mmHg)で2時間乾燥する。この乾燥塗膜上に、耐熱
性オーバーコート層としてアクリル樹脂系オーバーコー
ト剤「SC−2291」((株)日本触媒製)を、バー
コーターを用いて乾燥後の厚さが約1μmとなるように
塗布し、30℃で5時間乾燥して本発明の白色不透明の記
録媒体を得た。
【0028】比較例1 前記参考例で得た樹脂粒子(3)10g、アクリル系樹脂
エマルジョン(スチレン:40重量%、アクリル酸ブチ
ル:45重量%、メタクリル酸アンモニウム:15重量%を
常法により共重合させてなるもの、固形分20重量%)15
g、分散剤0.8 g、脱イオン水15gを、サンドミルに入
れて5時間分散混合し、樹脂粒子(3)が均一に分散し
た記録用塗布液を調製した。該塗布液を厚さ100 μmの
ポリエステルフィルムに、バーコーターを用いて乾燥後
の厚さが約10μmとなるように塗布し、常温で10時間、
さらに減圧下(10mmHg)で2時間乾燥し、白色不透明の
記録媒体を得た。
【0029】比較例2 比較例1で得た乾燥塗膜上に、実施例1と同様にしてオ
ーバーコート層を塗布し、白色不透明の記録媒体を得
た。上記実施例1及び比較例1,2で得た各記録媒体
(感熱記録材)に対し、感熱ファクシミリ(Panaf
ax UF−83)を用いて印字し、下記の方法により
熱印字部及び非印字部の光線透過率を測定すると共に、
碁盤目なしのテープ剥離試験、熱ヘッドへのカスの付着
状況、熱ヘッド走行中におけるスティッキング発生状況
を調べ、表1に示す結果を得た。
【0030】(性能評価法) 光線透過率:日本電色工業社製の濁度計「NDH−10
01 DP」を用いて測定。 印字部、非印字部の濃度:Macbeth社製の濃度計
「RD−914」を用いて測定。 セロテープ剥離試験:碁盤目を入れず、JIS K 5
400(1990)に準じて目視観察。 熱ヘッドの状態:印字時及び印字後の状態を目視観察。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 着色層として、バインダーにポリウレタン系樹脂(「タ
ケラックA−310」武田薬品工業社製、固形分50重量
%)100 gにカーボンブラック(「MA−7」)、三菱
化成社製)5gをサンドミルを用いて十分分散させた均
一分散液を、厚さ100 μmのポリエステルフィルムに、
バーコーターを用いて乾燥後の厚さが約10μmとなるよ
うに塗布し、80℃で2時間乾燥して支持体上に黒色不透
明の支持体を形成した。この黒色不透明の支持体上に、
実施例1と同様にして得た記録用塗布液を、バーコータ
ーを用いて乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布し、
常温で10時間、さらに減圧下(10mmHg)で2時間乾燥し
た。さらに耐熱性オーバーコート層として、アクリル樹
脂系オーバーコート剤「SC−2291」(同前)をバ
ーコーターを用いて、乾燥後の厚さが1μmとなるよう
に塗布し、30℃で5時間乾燥して白色不透明の記録媒体
を得た。
【0033】実施例3 着色層のバインダーとして、ポリウレタン系エマルジョ
ン(「スーパーフレックス150」、第一工業製薬社
製)を用いた他は実施例2と同様にして、厚さ130 μm
のコート紙にバーコーターを用いて、乾燥後の厚さが約
10μmとなるように塗布し、80℃で2時間乾燥して支持
体上に黒色不透明の支持体を形成した。この黒色不透明
の支持体上に、樹脂粒子(1)10g、ポリウレタン系エ
マルジョン「スーパーフレックス150」(同前)5
g、スチレン−アクリル系水性塗料(「アクリセットE
MN190E」日本触媒製、固形分50重量%)3g、分
散剤(「デモールEP」同前)0.8 g、メタノール14g
をサンドミルに入れて5時間分散させて記録層用塗布液
を調製した。この塗布液をバーコーターを用いて乾燥後
の厚さが約10μmとなるように塗布し、常温で10時間、
さらに減圧下(10mmHg)で2時間乾燥した。この乾燥塗
膜上に、耐熱性オーバーコート層としてアクリル樹脂系
オーバーコート剤「SC−2291」(同前)を、バー
コーターを用いて乾燥後の厚さが約1μmとなるように
塗布し、30℃で5時間乾燥して白色不透明の記録媒体を
得た。
【0034】実施例4 前記参考例で得た樹脂粒子(2)10g、ポリウレタン系
樹脂(「タケラック−310」、同前)6g、メタノー
ル14gをサンドミルに入れて5時間分散し、樹脂粒子が
均一に分散した記録層用塗布液を得、この塗布液を用い
て実施例2と同様にして記録媒体を得た。
【0035】実施例5 前記参考例で得た樹脂粒子(2)10g、ポリウレタン系
樹脂(「タケラックA−310」、同前)6g、メタノ
ール14gをサンドミルに入れて5時間分散混合し、樹脂
粒子が均一に分散した塗布液を使用し、耐熱性オーバー
コート層として、シリコーン樹脂系オーバーコート剤
(「GF−256」、日本触媒社製)を用いた以外は実
施例3と同様にして記録媒体を得た。
【0036】比較例3 着色層のバインダーとして、スチレン−アクリル系水性
塗料(「アクリセットEMN190E」同前)100 gに
カーボンブラック(同前)5gをサンドミルを用いて十
分分散させた均一分散液を、厚さ100 μmのポリエステ
ルフィルム上にバーコーターを用いて乾燥後の厚さが約
10μmとなるように塗布し、80℃で2時間乾燥して支持
体上に黒色不透明の支持体を形成した。該黒色不透明の
支持体上等に、比較例2で調製した記録層用塗布液をバ
ーコーターを用いて乾燥後の厚さが約10μmとなるよう
に塗布し、常温で10時間、さらに減圧下(10mmHg)で2
時間乾燥し、白色不透明の記録媒体を得た。
【0037】比較例4 比較例3において、さらに実施例1と同様にしてオーバ
ーコート層を形成し、白色不透明の記録媒体を得た。上
記実施例2〜5及び比較例3,4で得た感熱記録材に対
し、感熱ファクシミリ(Panafax UF−83)
を用いて前記と同様にして印字試験を行ない、前記と同
様の方法で性能評価を行なった。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、優
れた物性、殊に耐傷付き性を有し、且つ様々の基材に対
して強固に密着して安定した画像記録を達成し得る様な
マスキング層を与える感熱記録用樹脂組成物及び感熱記
録材を提供し得ることになった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】(感熱記録材の作製) 実施例1 前記参考例で得た樹脂粒子(1)10g、ポリウレタン系
エマルジョン(第一工業製薬製、固形分30重量%)10
g、分散剤(「デモールEP」 24 重量%、花王製)0.
8 g、メタノール10gを、サンドミルに入れて5時間分
散混合し、樹脂粒子(1)が均一に分散した記録用塗布
液を調製した。該塗布を厚さ100 μmのポリエステル
フィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の厚さが約10
μmとなるように塗布し、常温で10時間、さらに減圧下
(10mmHg)で2時間乾燥する。この乾燥塗膜上に、耐熱
性オーバーコート層としてアクリル樹脂系オーバーコー
ト剤「SC−2291」((株)日本触媒製)を、バー
コーターを用いて乾燥後の厚さが約1μmとなるように
塗布し、30℃で5時間乾燥して本発明の白色不透明の記
録媒体を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で不透明であり、加熱により溶融ま
    たは融着して透明化する樹脂微粒子と、透明の熱可塑性
    樹脂バインダーとからなる感熱記録用樹脂組成物におい
    て、熱可塑性樹脂バインダーとしてポリウレタン系樹脂
    を含むことを特徴とする感熱記録用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 常温で不透明であり、加熱により溶融ま
    たは融着して透明化する樹脂微粒子の乾燥物と、ポリウ
    レタン系樹脂を含む透明の熱可塑性樹脂バインダーから
    なる感熱記録層と、透明若しくは着色された基材からな
    ることを特徴とする感熱記録材。
  3. 【請求項3】 基材がポリエステル系フィルムである請
    求項2に記載の感熱記録材。
  4. 【請求項4】 感熱記録層の表面に耐熱性のオーバーコ
    ート層を形成する請求項2または3に記載の感熱記録
    材。
JP4072642A 1992-02-21 1992-02-21 感熱記録用樹脂組成物及び感熱記録材 Withdrawn JPH05229263A (ja)

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