JPH05229245A - 表裏印刷化粧材及びその製法 - Google Patents

表裏印刷化粧材及びその製法

Info

Publication number
JPH05229245A
JPH05229245A JP3358392A JP3358392A JPH05229245A JP H05229245 A JPH05229245 A JP H05229245A JP 3358392 A JP3358392 A JP 3358392A JP 3358392 A JP3358392 A JP 3358392A JP H05229245 A JPH05229245 A JP H05229245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
printing
registration
color
printed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3358392A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3244525B2 (ja
Inventor
Seiichi Ishida
誠一 石田
Hiroshi Matsubara
弘 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP03358392A priority Critical patent/JP3244525B2/ja
Publication of JPH05229245A publication Critical patent/JPH05229245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3244525B2 publication Critical patent/JP3244525B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 絵柄に外観上支障となるような見当誤差がな
く、かつ充分な立体感を与える表裏印刷化粧シートをう
る。 【構成】 ターンバーによる表裏反転機の付いた輪転機
を用いて透明帯状材の表裏両面にそれぞれ絵柄層を印刷
するに当たり、透明帯状材(イ)の表面には、相互に見
当合わせを要する2色以上の絵柄(ロ)、(ニ)を割当
て、裏面には、相互には見当合わせを要するが該表面の
絵柄とは見当合わせを要しない絵柄(ホ)、(へ)を割
り当て、インラインで印刷を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、表裏印刷化粧材及びその
製法に関し、特に、木目板や石板等の天然装飾材の外観
を持つ化粧材であってその絵柄の奥行き方向の深み、立
体感を忠実に再現しうる化粧材とそのような化粧材の効
率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明樹脂シートの表面及び裏面の両面に
絵柄を印刷することにより、木目模様等をその奥行き方
向の立体感を持たせた形で再現した化粧材及びその製造
方法はすでにいくつかのものが知られている。その一つ
として、着色基材シートに絵柄を印刷した後、グラビア
コート等コーティングにより透明樹脂層を形成し、その
上にさらに絵柄を印刷するようにしたもの(特開昭60
−242245号公報等)、あるいは、予め製膜された
透明樹脂シートの表面及び裏面に直接絵柄を印刷するよ
うにしたもの(実開61−162435号公報等)等が
あげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来知ら
れた製造方法は、表裏の絵柄を1台の印刷機によりイン
ラインで製造できることから有効な手段であるが、それ
ぞれいくつかの解決すべき課題を有している。例えば、
一般に奥行き方向の立体感の再現には20μm以上の均
一な膜厚が必要であるといわれているが、グラビアコー
トによるコーティングではそのような樹脂層を塗工形成
することはきわめて困難である。また、エクストルージ
ョン(溶融押出)コート、コンマコート等の膜厚塗工法
も存在するが、このような塗工法を用いる場合には、塗
工と印刷とを別工程とせざるを得ず、また冷却、溶剤乾
燥等も必要となことから加工時間が増大すると共に塗工
機を別途導入しなければならないといった不都合も存在
する。
【0004】帯状シートの片面のみに印刷する通常の印
刷機を用いて両面印刷化粧シートを製造することも可能
であるが、この場合には、いったん表面(又は、裏面)
の絵柄を印刷し巻き取った後、再度該巻取シートを給紙
側に戻し、表裏逆に巻き戻して逆の面を印刷することと
なり、2回印刷機を通さねばならないことから工程数、
加工時間が増大する不都合を有している。
【0005】また、印刷機の分色ユニット間に(例え
ば、3色目と4色目との間に)、走行中の帯状シートの
表裏を逆転させるターニングバーを設け、一台の印刷機
に帯状シートを一回通す間に、表裏両面にインラインで
印刷する技術も知られている。このターニングバーを用
いることにより、一回の工程で、表面の分色間同士、あ
るいは裏面の分色間同士は精密に見当の合った印刷絵柄
層を形成することが可能となる。しかしながら、この種
のターニングバーは通常走行するシートとの摩擦を低減
させる目的から、図5aに示すようにターニングバーp
の表面から空気(通常は温風)を噴出させシートとバー
の表面とを一定距離dだけ隔離した非接触の状態に維持
して運転される。このために、吹き出し空気が何らかの
事情により、例えば、空圧源の制御圧の変動等により、
その圧力あるいは流量が変動したときに(このような変
動は頻繁に生じているのが現状である)、シートとバー
との距離dもΔdだけ変動することは避けられない。一
般に、ターニングバー形式の印刷機においてこの種のタ
ーニングバーは図5bに示すように複数本、図において
は3本組になっており、これにより3x Δd分だけシー
トの進行方向にずれが生じることとなる。このことは表
面の絵柄と裏面の絵柄との見当に誤差(ズレ)が発生す
ることを意味しており、表面あるいは裏面のそれぞれの
絵柄については満足に見当合わせが行われたとしても、
最終製品としての化粧材は表面と裏面との絵柄間に見当
ずれが生じるのを完全に回避することは実際状不可能で
あった。
【0006】さらに、シートのバーとの摩擦係数が低い
ために図5cに示すように幅方向に誤差ΔDが生じる場
合もあり、また、吹き出し空気が温風であることから、
この熱によるシートの軟化に伴う伸びあるいは膨張、そ
の後の収縮などによる寸法変化も避けられず、このこと
も表裏両面の絵柄の見当がずれる原因となっている。通
常、木目絵柄等の印刷の場合、分色間の縦方向及び幅方
向の見当誤差Δd、ΔDは、 |Δd|及び|ΔD|<=0.1〔mm〕 であることが、必要とされるが、上記の種々の理由によ
り、表裏の分色間でこの値を確保することはきわめて困
難であるのが実情である。
【0007】本発明は、上記の事情を勘案してなされた
ものであり、ターニングバーを設けた一台の印刷機を用
いかつインラインで表裏両面に絵柄を印刷する場合に避
けることのできない上記のようなシートの進行方向及び
幅方向の「ずれ」を容認した上で、見た目に違和感のな
い奥行き感を与えることのできる両面印刷物をうること
のできる印刷方法及びそのような印刷方法により製造さ
れる化粧シートを得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、木目柄、
石目柄等の天然装飾材絵柄を含め多くの絵柄について各
分色間の見当精度の必要性について改めて分析を行っ
た。その結果、多くの絵柄において、用いるすべての分
色間に精緻なすなわち0.1mm以下の見当精度を必要
とするものではなく、その内のいくつかの分色について
は0.1mm以下の見当合わせが必要であるが、他の分
色についてはまったく見当精度が不要であるか又は10
mm程度の粗い見当精度で充分である場合が圧倒的に多
いことを知見した。
【0009】例えば、木目模様を印刷する場合について
検討するに、着色した導管柄と艶消し透明導管柄のよう
に同じ柄を着色用分色と艶消し用分色とで構成する場
合、あるいは秋材年輪柄と春材年輪柄のように相互に陰
画と陽画の関係となるような絵柄の場合、あるいは、同
一の絵柄例えば秋材年輪柄を複数の分色(例えば黄版+
赤版)の重ね刷りで構成してある場合は、精緻な見当合
わせが必要であるが、木目板の導管溝柄あるいは年輪模
様柄と木目板全体の大雑把な濃淡階を現すいわゆるボケ
版柄のような場合、あるいは導管溝柄と年輪模様柄のよ
うな場合には、精緻な見当合わせは不必要であり、10
mm以内程度の粗い見当精度であっても最終製品として
の化粧板は視覚的に充分に意匠性と再現性を有し得るこ
とを知覚した。
【0010】それに基づきさらに研究を重ねることによ
り、絵柄の構成に応じて、精緻な見当合わせを必要とす
る分色群と粗い見当精度で充分である分色群とを予め分
離して認識しておき、精緻な見当合わせを必要とする分
色群はそれら同志が表面と裏面に分散しないように一方
の面にまとめて組み合わせ(必要に応じて、この分色群
を2分割し、一方を表面に、他方を裏面にそれぞれまと
めて組みあわせ)、粗い見当精度で充分である分色群に
ついては表面と裏面とに分割して配置するように組み合
わせることにより、従来のターニングバーを用いて一台
の印刷機で表裏両面をインラインで印刷する場合であっ
ても、意匠的に充分な見当合わせを維持しかつ奥行き方
向の深み、立体感を忠実に再現した両面印刷化粧材を得
ることが可能であることを知覚した。
【0011】上記の知見に基づき本発明はなされたもの
であり、第1の発明として、透明シートの表面に2色以
上の相互に見当を合わせた印刷絵柄層を少なくとも有
し、裏面には相互には見当合わせを要するが該表面の絵
柄とは見当合わせを要しない絵柄を少なくとも有してい
ることを特徴とする、表裏印刷化粧材を開示する。表面
の印刷絵柄層として、少なくとも光沢全面ベタ印刷層、
艶消導管柄層、及び着色導管柄層を設けると共に該艶消
導管柄層及び着色導管柄層とを見当を合わせた印刷模様
とし、かつ、裏面の印刷絵柄層として、少なくとも相互
に見当を合わせた2色以上の木目模様を設けた表裏印刷
化粧材は特に好ましい態様であり、また、裏面の印刷絵
柄層として、隠蔽ベタ印刷層をさらに有すること、さら
には印刷層を有するかあるいは有しない着色基材を適宜
の手段によりさらに積層して構成した表裏印刷化粧材も
好ましい態様である。
【0012】本出願は、さらに第2の発明として、ター
ニングバーによる表裏反転機の付いた輪転機を用いて透
明帯状かつシート状材の表裏両面にそれぞれ絵柄層を印
刷する表裏印刷化粧材の製法において、透明帯状材の表
面には、相互に見当合わせを要する2色以上の絵柄を少
なくとも割当て、裏面には、相互には見当合わせを要す
るが該表面の絵柄とは見当合わせを要しない絵柄を少な
くとも割り当てるようにすることを特徴とする、表裏印
刷化粧材の製法をも開示する。
【0013】本発明に用いる透明シートは、無色又は着
色透明の樹脂シートであり、輪転多色印刷機を通すため
に長尺の帯状シートの形態で用いられる。通常、透明シ
ートの表裏に絵柄層を形成し、表の絵柄と裏の絵柄との
間の間隔により奥行き感、立体感が表出されるのは、
(1)表面側(観察者側)から入射した光線が透明シート
を透過して裏面の絵柄層あるいは着色基材層に表面の絵
柄層の影を投影する場合にこの影が光線の入射角又は観
察者の視線方向に応じて移動することによる影の投影効
果、又は(2)透明基材層を介して表面の絵柄層が裏面の
絵柄層や着色基材層に対して浮上して見える立体交差効
果、の2つの効果の単独又は複合効果のためである考え
られるが、通常、そのためにシートの膜厚は20μm〜
1000μm、好ましくは50μm〜200μm程度の
ものが有効である。これ以下の厚さの場合には立体感が
有効に知覚されず、厚すぎる場合には不自然感を与える
と同時に印刷機での取扱いが不都合になる場合が生じ
る。
【0014】透明シートの材料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポりビニルアルコール等
のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタ
アクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル等のアクリル
樹脂、ポリスチレン、アクリルニトリル、ABS等の樹
脂フィルム又はシート等を用いうる。
【0015】さらに、それ自体透明な透明紙、紙に樹脂
を含浸して透明化した樹脂含浸紙、あるいは、印刷終了
までは不透明な紙であっても印刷の後メラミン、不飽和
ポリエステル樹脂等の樹脂を含浸、硬化させることによ
り透明化するような紙であってもよい。前記したよう
に、本発明においては、各分色の内、相互に高精度の見
当を要する分色同志は表のみ又は裏のみに組合せ、相互
に見当合わせ不要又は粗い精度の見当合わせで良い分色
同志であり、かつ表裏に分割することにより奥行き方向
の立体感を表現できる分色同志を表裏に分割して配置す
る。その際に、全面ベタ印刷等のように見当合わせが不
要な柄を表裏に追加して印刷しても支障がないことは明
らかであろう。
【0016】精緻な見当合わせを必要とする絵柄の例と
しては、前記のように、(1) 着色した導管柄と艶消し
透明導管柄のように同じ柄を着色用分色と艶消し用分色
とで構成する場合、(2)秋材年輪柄と春材年輪柄のよう
に相互に陰画と陽画の関係となるような絵柄の場合、に
加え、(3)同じ柄を複数の分色の重刷りで構成する場合
等があり、(1)の例としてはさらに、トラバーチンすな
わち多孔質大理石板の「着色凹陥部柄」と「艶消し透明
凹陥部柄」、施釉陶磁器タイル貼り面の「着色目地柄」
と「艶消し透明目地柄」、あるいは、金属板を絵柄状に
(部分的に)腐食させた装飾板の「着色凹陥部柄」と
「艶消し透明凹陥部柄」等があり、(2)の例としてはさ
らに、施釉陶磁器タイル貼り面の「着色目地柄」と「タ
イル部絵柄」、(3)の例としては、秋材年輪柄のように
黄色、赤色、青色等を重刷りする絵柄等をあげることが
できる。
【0017】一方、精緻な見当合わせは不必要であり、
10mm以内程度の粗い見当精度であっても最終製品と
しての化粧板は視覚的に充分に意匠性と再現性、立体性
を与えることから表裏に分割して配置しても差し支えの
ない分色の組合せの例としては、(1)全面ベタ印刷層と
その他の任意の柄、(2)先に記した木目板の「導管溝
柄」又は「年輪模様柄」と「木目板全体の大雑把な濃淡
階調を表す所謂ボケ版柄」、(3)トラバーチンの「凹陥
部柄」と「トラバーチン全体の濃淡階調を表すボケ
版」、(4)木目板の「導管溝柄」と「年輪模様柄」、(5)
木目板の「導管模様柄」又は「年輪模様柄」と「照り
(木目板固有の光沢)部柄」、木目板羽目板貼りの「年
輪模様柄」又は「導管溝柄」等の「木目絵柄」と「目地
柄」(ただし、木目絵柄の目地部は隙間零で付合わされ
ている場合)、あるいは(7)ステンドグラスの「区画す
る連結帯柄」と「区画された各色硝子の柄」(ただし、
区画された各色硝子柄の連結部は隙間零で付合わされて
いる場合)等をあげることができる。
【0018】なお、見当精度が高いすなわち精緻である
こと、あるいは粗いことは相対的なものであり、最終製
品としての化粧シートにどの程度の精緻度を求めるかに
よって変動するが、通常の化粧シートにおいては、精緻
とは、0.1mm以内の誤差で各分色が流れ方向及び幅
方向に重なることことが必要な見当精度であり、粗いと
は、10mmないしそれ以上の誤差で分色が重ねられれ
ばよい見当精度とするとが普通であり、そのような値を
基準として本発明による分色の組合せを行い印刷を実行
した場合に、より効果的に立体感の優れた化粧シートを
得ることができる。
【0019】また、絵柄と分色との関係は、1つの絵柄
が2色以上の分色の重ね刷りで構成されていてもよく、
1分色のみで構成されていてもよいものである。本発明
に用いられる印刷機は、ターニングバーを用いる形式の
印刷機であれば、任意の形式の印刷機を用いることがで
き、印刷方式もクラビア印刷、活版印刷、オフセット印
刷等公知のものを適宜選択して使用する。また、ターニ
ングバーの方式も公知の各種の方式、形態のものから適
宜選択して使用しうる。
【0020】以下、実際の印刷の態様について図6を参
照しつつ説明する。図示の印刷機はグラビア輪転5色機
の例であり、第1、第2及び第3の分色ユニットa,
b,cとを表刷り分色とし、第4及び第5の分色ユニッ
トd,eを裏刷り分色している。そして、第3分色ユニ
ットと第4分色ユニットとの間にいわゆるターニングバ
ー装置Tが介装されている。
【0021】印刷原紙である樹脂シート1は給紙手段1
0から供給され、第1、第2及び第3の分色ユニット
a,b,cからなる表刷り分色区域Sにおいて表面に絵
柄が印刷される。次いで、ターニングバー装置Tにより
表裏を逆転させた後、第4及び第5の分色ユニットd,
eからなる裏刷り分色区域Rにいたり逆の面すなわち裏
面に絵柄が印刷された後、巻き取り手段100により巻
き取られる。各分色ユニットは同様な装置であり、相対
向する版胴2と圧胴3、版胴2から余剰インキを剥離す
るためのドクターブレード4、インキパン5等から構成
されている。また、印刷原紙は複数のガイドロール6に
より案内されるとともに、各ユニットごとに乾燥器7が
配置されている。
【0022】各分色間の見合せ方式は公知のものを使用
する。例えば、図Cに示すように、印刷原紙の流れ方向
(縦方向)の見当は流れ方向に垂直な方向に移動しうる
見合せローラ20を各分色ユニットごとに配置し、該見
合せローラ20の移動量を制御して分色ユニット間のパ
ス(通路長さ)を増減する方法であってもよく、また、
幅方向(横方向)の見当は版胴を幅方向に水平移動させ
る方法などを使用しうる。
【0023】このような印刷手段を用いて本発明による
方法をは実施するに際し、前記した精緻な見当合わせを
必要とする絵柄分色、例えば、着色した導管柄と艶消し
透明導管柄のように同じ柄の着色用分色と艶消し用分
色、あるいは秋材年輪柄のように黄色、赤色、青色等を
重刷りする絵柄の分色を表刷り分色区域Sの各分色ユニ
ットa,b,cに配分する。次いで、表面に印刷とた絵
柄とは精緻な見当合わせが必ずしも必要でなく10mm
以内程度の粗い見当精度であっても差し支えない絵柄分
色、例えば表面に導管溝柄を印刷した場合には木目板全
体の大雑把な濃淡階調を表す所謂ボケ版柄、黄色、赤
色、青色等を重刷りして秋材年輪柄を印刷した場合には
いわゆる照り(木目板固有の光沢)部柄などの分色を裏
刷り分色区域Rの各分色ユニットd,eに配分する。
【0024】他の配分の例としては、秋材年輪柄を構成
する黄色、赤色、青色を表刷り分色区域Sの各分色ユニ
ットa,b,cに配分し、秋材年輪柄とは精緻な見当合
わせは不必要であるが相互には精緻な見当合わせが必要
な着色した導管柄と艶消し透明導管柄とを裏刷り分色区
域Rの各分色ユニットd,eに配分する。このように各
分色を配分した後、通常の印刷工程を行う。それによ
り、精緻な見当合わせが必要な絵柄は表面あるいは裏面
にまとめて印刷されるために、ターニングバーの通過に
より印刷原紙(樹脂シート)が流れ方向あるいは幅方向
に位置変動を起こしたとしても、精緻な見当合わせを必
要とする絵柄分色間では見当誤差が発生しない。一方、
表面と裏面の絵柄間では多少の見当誤差が発生するが、
当初から、見当誤差が生じても最終製品としての化粧シ
ートの意匠性には格別の不都合を生じない絵柄分色は配
置してあるので、発生する見当誤差は両面印刷後の化粧
シートには何らの影響も与えない。また、本発明におい
ては通常の印刷機を通常の印刷方法で使用することとな
るので、透明性樹脂シートとして所望の厚さのものを使
用することができ、先に記載したように、(1)影が光線
の入射角又は観察者の視線方向に応じて移動することに
よる影の投影効果、又は(2)透明基材層を介して表面の
絵柄層が裏面の絵柄層や着色基材層に対して浮上して見
える立体交差効果、の2つの効果の単独又は複合効果を
充分に満足しうる膜圧のシート、例えば、膜厚20μm
〜1000μmのシートを任意に選択して化粧シートを
製造することが可能となり、両面印刷した絵柄に対して
充分な奥行き感、立体感を与えることが可能となる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。
【0026】
【実施例1】図6に示したと同様なターンニングバー反
転式のグラビア印刷機(だだし、6色機)を用いて、厚
さ100μmの半硬質透明ポリ塩化ビニルシート(イ)
を1回通す間に、表刷り3色と裏刷り3色をインライン
で印刷し、図1にその断面を示すような化粧シートを作
成した。
【0027】すなわち、表刷1色目ユニットにより着色
インキによる導管溝柄(ロ)、表刷2色目ユニットによ
り透明光沢全面ベタ印刷(ハ)、表刷3色目ユニットに
より艶消透明導管柄(ニ)を印刷した。この印刷におい
て、導管溝柄(ロ)と艶消透明導管柄(ニ)とは0.1
mm以下の見当合わせとなるようにセットした。また、
裏刷りとして、裏刷1色目ユニット(第4番目の分色ユ
ニット)により秋材部年輪柄(ホ)、裏刷2色目ユニッ
ト(第5番目の分色ユニット)により春材部年輪柄
(ヘ)、裏刷3色目ユニット(第6番目の分色ユニッ
ト)により着色ベタ印刷(ト)を印刷した。この裏面印
刷において、秋材部年輪柄(ホ)と春材部年輪柄(ヘ)
とは0.1mm以下の見当合わせとなるようにセットし
た。
【0028】図2は各分色ユニットにおける絵柄の印刷
状態を示しており、図2の最終図における B-B' 線によ
る断面図が図1に相当する。用いたインキの構成は、 〔艶消透明導管柄〕 バインダー:2液硬化型ポリウレタン(主剤はアクリル
ポリオール、硬化剤はトリレンジイソシアネート)、1
00重量部 艶消剤:シリカの粉末、10重量部、 〔透明光沢全面ベタ〕 バインダー:同上の2液硬化型ポリウレタン、100重
量部 艶消剤:なし 〔着色導管溝柄〕 バタンダー:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、100
重量部 顔料:カーボンブラック、弁柄を主体(黒褐色)、20
重量部 〔年輪柄(秋材部、春材部)〕 バタンダー:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、100
重量部 顔料:カーボンブラック、弁柄、黄鉛、カドミウムレッ
ドを主体、10重量部 〔着色ベタ〕 バタンダー:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、100
重量部 顔料:チタン白、弁柄、黄鉛を主体、10重量部 であり、また、木目絵柄は、欅の柾目板から写真製版し
た。
【0029】
【実施例2】実施例1の場合と同様な印刷機を用いて、
表面をコロナ放電処理した厚さ50μmの透明2軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム(チ)を1回通す
間に、表刷り3色と裏刷り3色をインラインで印刷し、
図3にその断面を示すような化粧シートを作成した。
【0030】すなわち、表刷1色目ユニットにより着色
インキによる凹陥部柄(リ)、表刷2色目ユニットによ
り透明光沢全面ベタ印刷(ヌ)、表刷3色目ユニットに
より艶消透明凹陥部柄(ル)を印刷した。この印刷にお
いて、凹陥部柄(リ)と艶消透明凹陥部柄(ル)とは
0.1mm以下の見当合わせとなるようにセットした。
また、裏刷りとして、裏刷1色目ユニット(第4番目の
分色ユニット)により非凹陥部石目柄(オ)、裏刷2色
目ユニット(第5番目の分色ユニット)により異なった
絵柄の非凹陥部石目柄(ワ)、裏刷3色目ユニット(第
6番目の分色ユニット)により着色全面ベタ印刷(カ)
を印刷した。この裏面印刷において、非凹陥部石目柄
(オ)と異なった絵柄の非凹陥部石目柄(ワ)とは0.
1mm以下の見当合わせとなるようにセットした。
【0031】図4は各分色ユニットにおける絵柄の印刷
状態を示しており、図4の最終図における B-B' 線によ
る断面図が図3に相当する。用いたインキの構成は、 〔着色凹陥部柄〕 バインダー:2液硬化型ポリウレタン(主剤はアクリル
ポリオール、硬化剤はトリレンジイソシアネート)、1
00重量部 顔料:カーボンブラック、弁柄、20重量部 〔透明光沢全面ベタ〕実施例1に同じ 〔艶消透明凹陥部柄〕 ビヒクル:2液硬化型ポリウレタン(主剤はアクリルポ
リオール、硬化剤はトリレンジイソシアネート)、10
0重量部 体質顔料:シリカ粉末、20重量部 〔非凹陥部石目柄(2分色とも)〕 ビヒクル:同上、100重量部 顔料:弁柄、群青、黄鉛、を主体、10重量部 〔着色全面ベタ〕 ビヒクル:同上、100重量部 顔料:チタン白、弁柄、を主体、20重量部 であり、また、絵柄はトラバーチン板から写真製版し
た。その他は、実施例1と同じである。
【0032】実施例1及び実施例2で得られた化粧シー
トはいずれも、ターニングバーの通過により表面絵柄と
裏面絵柄との間でシートの進行方向及び幅方向に1mm
程度の見当誤差が生じていたが、最終製品としての両面
印刷シート全体の絵柄は、その見当誤差を視覚的には感
じさせない一方、充分な奥行き感、立体感を感じさせ、
天然装飾材の外観を十分に再現したものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来行われてい
る、帯状の透明樹脂シートとターニングバーで表裏反転
する多色輪転機とを用い、該シートの1回通しで表裏両
絵柄をインラインで印刷する方法により両面印刷化粧シ
ートを製造しても、印刷される絵柄に外観上支障のある
見当ズレを生じさせない。
【0034】また、得られる化粧シートは充分な厚みを
持つ透明性樹脂シートを用いることができることから、
透明シートの表裏両面に設けた絵柄に、充分な奥行立体
感を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による化粧シートの1実施例の断面
図。
【図2】 図1の化粧シートが製造される各印刷工程ご
との絵柄を示す図。
【図3】 本発明による化粧シートの他の実施例の断面
図。
【図4】 図3の化粧シートが製造される各印刷工程ご
との絵柄を示す図。
【図5】 ターニングバーを走行するシートのずれの発
生を説明する図。
【図6】 ターニングバーを用いる形式の印刷機の印刷
態様を示す概略図。
【符号の説明】
イ…透明樹脂シート、ロ、ニ…相互に精緻な見当合わせ
を必要とする分色による絵柄、ホ、ヘ…相互に精緻な見
当合わせを必要とする分色による絵柄ではあるが、絵柄
ロ、ニとは見当合わせの不必要な絵柄。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明シートの表面に2色以上の相互に見
    当を合わせた印刷絵柄層を少なくとも有し、裏面には相
    互には見当合わせを要するが該表面の絵柄とは見当合わ
    せを要しない絵柄を少なくとも有していることを特徴と
    する、表裏印刷化粧材。
  2. 【請求項2】 表面の印刷絵柄層として、少なくとも光
    沢全面ベタ印刷層、艶消導管柄層、及び着色導管柄層を
    設けると共に該艶消導管柄層及び着色導管柄層とを見当
    を合わせた印刷模様とし、かつ、裏面の印刷絵柄層とし
    て、少なくとも相互に見当を合わせた2色以上の木目模
    様を設けたことを特徴とする、請求項1記載の表裏印刷
    化粧材。
  3. 【請求項3】 裏面の印刷絵柄層として、隠蔽ベタ印刷
    層をさらに有することを特徴とする、請求項1又は2記
    載の表裏印刷化粧材。
  4. 【請求項4】 印刷層を有するかあるいは有しない着色
    基材を適宜の手段によりさらに積層していることを特徴
    とする、請求項1又は2記載の表裏印刷化粧材。
  5. 【請求項5】 ターニングバーによる表裏反転機の付い
    た輪転機を用いて透明帯状材の表裏両面にそれぞれ絵柄
    層を印刷する表裏印刷化粧材の製法において、透明帯状
    材の表面には、相互に見当合わせを要する2色以上の絵
    柄を少なくとも割当て、裏面には、相互には見当合わせ
    を要するが該表面の絵柄とは見当合わせを要しない絵柄
    を少なくとも割り当てるようにすることを特徴とする、
    表裏印刷化粧材の製法。
JP03358392A 1992-02-20 1992-02-20 表裏印刷化粧材及びその製法 Expired - Fee Related JP3244525B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03358392A JP3244525B2 (ja) 1992-02-20 1992-02-20 表裏印刷化粧材及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03358392A JP3244525B2 (ja) 1992-02-20 1992-02-20 表裏印刷化粧材及びその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05229245A true JPH05229245A (ja) 1993-09-07
JP3244525B2 JP3244525B2 (ja) 2002-01-07

Family

ID=12390549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03358392A Expired - Fee Related JP3244525B2 (ja) 1992-02-20 1992-02-20 表裏印刷化粧材及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3244525B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262771A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Dainippon Printing Co Ltd 印刷物及びその作製方法
JP2007253506A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Nippon Gravure Kogyo Kk 化粧シート及びその印刷装置
JP2012161677A (ja) * 2006-10-16 2012-08-30 Procter & Gamble Co 三次元印刷された物品
JP2017042974A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 凸版印刷株式会社 化粧シート
JP2017159508A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧板

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262771A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Dainippon Printing Co Ltd 印刷物及びその作製方法
JP2007253506A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Nippon Gravure Kogyo Kk 化粧シート及びその印刷装置
JP2012161677A (ja) * 2006-10-16 2012-08-30 Procter & Gamble Co 三次元印刷された物品
US8637727B2 (en) 2006-10-16 2014-01-28 The Procter & Gamble Company Three-dimensional printed article
US8748691B2 (en) 2006-10-16 2014-06-10 The Procter & Gamble Company Three-dimensional printed article
US9414975B2 (en) 2006-10-16 2016-08-16 The Procter & Gamble Company Three-dimensional printed article
JP2017042974A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 凸版印刷株式会社 化粧シート
JP2017159508A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧板

Also Published As

Publication number Publication date
JP3244525B2 (ja) 2002-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU724270B2 (en) Partial printing of a substrate
AU538179B2 (en) Multicolor printing
JP3244525B2 (ja) 表裏印刷化粧材及びその製法
JP3449639B2 (ja) 化粧シート
US3703779A (en) Translucent sign
US3462338A (en) Transparency or the like with controlled body,and a method of producing the product
EP0294665A2 (de) Verfahren zur Herstellung eines Mehrfarbenbilds
US2361347A (en) Stereoscopic picture and method of making the same
JP2007253506A (ja) 化粧シート及びその印刷装置
JPH038627Y2 (ja)
JPH0214144A (ja) 化粧シート
JPH06184952A (ja) スウェード調化粧シート及びその製造方法
JPS5923257B2 (ja) クロス調立体化粧板の製造方法
JPH1034833A (ja) 化粧シート
JP2661372B2 (ja) 立体画像板
EP0600534B1 (en) Process and materials for controlling the visual aspect of images
JPH08267696A (ja) エンボス同調化粧シ−ト
JPH0950252A (ja) 光透過性印刷物及びそれを使用するビュアー
JPH0564952A (ja) 木目模様化粧紙
JPS58162315A (ja) 同調エンボス化粧シ−トの製造法
SU1472283A1 (ru) Способ изготовлени четырехкрасочной репродукции
KR870001390B1 (ko) 선택하는 색깔을 입체화 시키는 인쇄 방법
SU1399181A1 (ru) Способ изготовлени четырехкрасочной репродукции
JPH0452135A (ja) 両面印刷遮光性フィルム
JPS61108516A (ja) ドット補間制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071026

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081026

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091026

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091026

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees