JPH05229060A - 銅張り積層板の製造方法 - Google Patents
銅張り積層板の製造方法Info
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- JPH05229060A JPH05229060A JP3686892A JP3686892A JPH05229060A JP H05229060 A JPH05229060 A JP H05229060A JP 3686892 A JP3686892 A JP 3686892A JP 3686892 A JP3686892 A JP 3686892A JP H05229060 A JPH05229060 A JP H05229060A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 銅箔と樹脂含浸基材の樹脂との接着性を高い
レベルにまで高める。 【構成】 銅箔の表面に水酸基を付与する処理をおこな
う。カップリング剤を介して樹脂含浸基材とこの銅箔と
を重ねて積層成形することによって銅張り積層板を製造
する。水酸基とカップリング剤との化学結合によって銅
箔の表面とカップリング剤との結合力を高め、カップリ
ング剤による銅箔と樹脂含浸基材の樹脂との接着性向上
の効果を高く得る。
レベルにまで高める。 【構成】 銅箔の表面に水酸基を付与する処理をおこな
う。カップリング剤を介して樹脂含浸基材とこの銅箔と
を重ねて積層成形することによって銅張り積層板を製造
する。水酸基とカップリング剤との化学結合によって銅
箔の表面とカップリング剤との結合力を高め、カップリ
ング剤による銅箔と樹脂含浸基材の樹脂との接着性向上
の効果を高く得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板等に加
工して用いられる銅張り積層板の製造方法に関するもの
である。
工して用いられる銅張り積層板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板等に加工される銅張り積
層板の製造に用いられる銅箔は、樹脂含浸基材との接着
強度を向上させるために各種の処理がおこなわれてい
る。例えば、電解又は圧延法で得た銅箔の粗面側に硫酸
銅電鍍浴を用いて樹脂状あるいは小球状の銅を電解せし
めて表面積を拡大させたり物理的投錨効果を付与したり
することがおこなわれている。しかし、実装密度の高密
度化に伴って回路幅の狭小化が進行している近年、この
ような処理では銅張り積層板作成後のエッチング加工時
に基板面にステインと称される積層汚点が発生したり、
微細な銅がエッチング除去されずに残留したりして、絶
縁劣化を生じさせる問題がある。
層板の製造に用いられる銅箔は、樹脂含浸基材との接着
強度を向上させるために各種の処理がおこなわれてい
る。例えば、電解又は圧延法で得た銅箔の粗面側に硫酸
銅電鍍浴を用いて樹脂状あるいは小球状の銅を電解せし
めて表面積を拡大させたり物理的投錨効果を付与したり
することがおこなわれている。しかし、実装密度の高密
度化に伴って回路幅の狭小化が進行している近年、この
ような処理では銅張り積層板作成後のエッチング加工時
に基板面にステインと称される積層汚点が発生したり、
微細な銅がエッチング除去されずに残留したりして、絶
縁劣化を生じさせる問題がある。
【0003】そこで、特公昭60−15654号公報で
は、銅箔に苛酷な粗化処理をおこなうことなく、銅箔の
粗面側に形成させたクロメートー処理層にカップリング
剤処理を施し、カップリング剤による化学的架橋によっ
て銅箔と樹脂含浸基材の樹脂との間の接着力を改善する
ことが提案されている。
は、銅箔に苛酷な粗化処理をおこなうことなく、銅箔の
粗面側に形成させたクロメートー処理層にカップリング
剤処理を施し、カップリング剤による化学的架橋によっ
て銅箔と樹脂含浸基材の樹脂との間の接着力を改善する
ことが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにカップリ
ング剤を用いることによって、銅箔と樹脂との接着性を
ある程度までは高めることができる。しかしながら単に
カップリング剤を用いるだけでは満足することができる
レベルに達しているとはいい難い。これは、樹脂とカッ
プリング剤との間の結合力は強いものの、カップリング
剤と銅箔との間の化学結合力が不十分であるためである
と考えられる。
ング剤を用いることによって、銅箔と樹脂との接着性を
ある程度までは高めることができる。しかしながら単に
カップリング剤を用いるだけでは満足することができる
レベルに達しているとはいい難い。これは、樹脂とカッ
プリング剤との間の結合力は強いものの、カップリング
剤と銅箔との間の化学結合力が不十分であるためである
と考えられる。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、銅箔の接着性を高いレベルにまで高めることがで
きる銅張り積層板の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
あり、銅箔の接着性を高いレベルにまで高めることがで
きる銅張り積層板の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る銅張り積層
板の製造方法は、銅箔の表面に水酸基を付与する処理を
おこない、カップリング剤を介して樹脂含浸基材と銅箔
とを重ねて積層成形することを特徴とするものである。
本発明にあって、金属アルコラートで処理することによ
って、あるいはアルカリで処理することによって、銅箔
の表面に水酸基を付与することができる。
板の製造方法は、銅箔の表面に水酸基を付与する処理を
おこない、カップリング剤を介して樹脂含浸基材と銅箔
とを重ねて積層成形することを特徴とするものである。
本発明にあって、金属アルコラートで処理することによ
って、あるいはアルカリで処理することによって、銅箔
の表面に水酸基を付与することができる。
【0007】また本発明あって、カップリング剤として
シラン系カップリング剤を用いることが好ましい。以
下、本発明を詳細に説明する。本発明において用いる銅
箔としては、電解銅箔や圧延銅箔などのいずれでも用い
ることができ、特に限定されるものではない。また銅箔
の厚みも任意であって限定されるものではない。そして
まずこの銅箔の片側表面あるいは両側表面に水酸基(O
H基)を付与する処理をおこなう。銅箔の表面に水酸基
を付与する処理としては特に限定されるものではない
が、金属アルコラートで銅箔の表面を処理することによ
っておこなうことができる。この金属アルコラートとし
てはナトリウムメチラート(CH3 ONa)、ナトリウ
ムエチラート(C2 H5 ONa)、リチウムエチラート
(C2 H5 OLi)等を用いることができ、これら金属
アルコラートの溶液に銅箔を浸漬したり、銅箔の表面に
この溶液をスプレーしたりして処理をおこなうことがで
きる。処理の方法としては勿論これらに限定されるもの
ではない。
シラン系カップリング剤を用いることが好ましい。以
下、本発明を詳細に説明する。本発明において用いる銅
箔としては、電解銅箔や圧延銅箔などのいずれでも用い
ることができ、特に限定されるものではない。また銅箔
の厚みも任意であって限定されるものではない。そして
まずこの銅箔の片側表面あるいは両側表面に水酸基(O
H基)を付与する処理をおこなう。銅箔の表面に水酸基
を付与する処理としては特に限定されるものではない
が、金属アルコラートで銅箔の表面を処理することによ
っておこなうことができる。この金属アルコラートとし
てはナトリウムメチラート(CH3 ONa)、ナトリウ
ムエチラート(C2 H5 ONa)、リチウムエチラート
(C2 H5 OLi)等を用いることができ、これら金属
アルコラートの溶液に銅箔を浸漬したり、銅箔の表面に
この溶液をスプレーしたりして処理をおこなうことがで
きる。処理の方法としては勿論これらに限定されるもの
ではない。
【0008】また、アルカリによって銅箔の表面を処理
することによっても銅箔の表面に水酸基を付与すること
ができる。アルカリとしては水酸化ナトリウムや水酸化
カリウムなどを用いることができるものであり、これら
のアルカリ溶液に銅箔を浸漬したり、銅箔の表面にアル
カリ溶液をスプレーしたりして処理をおこなうことがで
きる。処理の方法としては勿論これらに限定されるもの
ではない。
することによっても銅箔の表面に水酸基を付与すること
ができる。アルカリとしては水酸化ナトリウムや水酸化
カリウムなどを用いることができるものであり、これら
のアルカリ溶液に銅箔を浸漬したり、銅箔の表面にアル
カリ溶液をスプレーしたりして処理をおこなうことがで
きる。処理の方法としては勿論これらに限定されるもの
ではない。
【0009】さらに銅箔を加湿処理したり、水蒸気処理
したりすることによっても銅箔の表面に水酸基を付与す
ることができる。銅箔の表面に水酸基を付与するために
はこれらの方法を併用することもできるが、処理は銅箔
の表面に水酸基だけを付与することを目的とするもので
あり、ハローイングが発生するおそれがあるために銅箔
の表面に銅の酸化被膜を形成してはならない。このよう
な観点から水酸基だけを付与する方法として金属アルコ
ラートで処理する方法及びアルカリで処理する方法が好
ましい。
したりすることによっても銅箔の表面に水酸基を付与す
ることができる。銅箔の表面に水酸基を付与するために
はこれらの方法を併用することもできるが、処理は銅箔
の表面に水酸基だけを付与することを目的とするもので
あり、ハローイングが発生するおそれがあるために銅箔
の表面に銅の酸化被膜を形成してはならない。このよう
な観点から水酸基だけを付与する方法として金属アルコ
ラートで処理する方法及びアルカリで処理する方法が好
ましい。
【0010】上記のように銅箔の表面に水酸基を付与す
る処理をおこなった後に、銅箔の表面をカップリング剤
処理してカップリング剤を付着させる。カップリング剤
としては、γアミノプロピルトリエトキシシラン、N−
βアミノエチルγアミノプロピルトリメトキシシラン、
N−フェニル−γアミノプロピルトリメトキシシランな
どのシラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。カ
ップリング剤はエタノールやイソプロピルアルコール等
のアルコールに希釈して用いられるものであり、その濃
度は限定されるものではないが0.1〜30容量%程度
が好ましい。またカップリング剤の加水分解を促進する
ために少量の酢酸や塩酸等の酸を添加することもでき
る。そして、カップリング剤による処理は、カップリン
グ剤溶液に銅箔を浸漬したり、銅箔の表面にカップリン
グ剤溶液をスプレーしたりして、銅箔の表面にカップリ
ング剤を塗布することによっておこなうことができるも
のである。このように銅箔の表面にカップリング剤を塗
布するにあたって、銅箔の表面には上記のように水酸基
が付与されているために、この水酸基にカップリング剤
が反応してカップリング剤と銅箔の表面との結合力を高
めることができるものである。
る処理をおこなった後に、銅箔の表面をカップリング剤
処理してカップリング剤を付着させる。カップリング剤
としては、γアミノプロピルトリエトキシシラン、N−
βアミノエチルγアミノプロピルトリメトキシシラン、
N−フェニル−γアミノプロピルトリメトキシシランな
どのシラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。カ
ップリング剤はエタノールやイソプロピルアルコール等
のアルコールに希釈して用いられるものであり、その濃
度は限定されるものではないが0.1〜30容量%程度
が好ましい。またカップリング剤の加水分解を促進する
ために少量の酢酸や塩酸等の酸を添加することもでき
る。そして、カップリング剤による処理は、カップリン
グ剤溶液に銅箔を浸漬したり、銅箔の表面にカップリン
グ剤溶液をスプレーしたりして、銅箔の表面にカップリ
ング剤を塗布することによっておこなうことができるも
のである。このように銅箔の表面にカップリング剤を塗
布するにあたって、銅箔の表面には上記のように水酸基
が付与されているために、この水酸基にカップリング剤
が反応してカップリング剤と銅箔の表面との結合力を高
めることができるものである。
【0011】このようにカプリング剤で処理した銅箔を
自然乾燥あるいは加熱乾燥、真空乾燥等した後、この銅
箔を用いて通常の工程で銅張り積層板を製造することが
できる。すなわちガラス布等の基材にエポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、シアネートエステル樹脂等の熱硬化性樹
脂やその変性樹脂を単独であるいは複数組み合わせて含
浸させると共に加熱乾燥することによって樹脂含浸基材
(プリプレグ)を作成し、この樹脂含浸基材を複数枚重
ねると共にこの片側あるいは両側に銅箔を重ね、これを
加熱加圧して積層成形することによって、樹脂含浸基材
を絶縁接着層とし表面に銅箔を積層した銅張り積層板を
得ることができるものである。この銅張り積層板にあっ
て、銅箔の表面にはカップリング剤が塗布されているた
めに、カップリング剤による化学的架橋効果で銅箔の表
面と樹脂含浸基材の樹脂との密着性を高めることができ
るものである。そしてこの銅張り積層板の銅箔にエッチ
ング加工等をおこなって回路形成することによって、プ
リント配線板を製造することができるものである。
自然乾燥あるいは加熱乾燥、真空乾燥等した後、この銅
箔を用いて通常の工程で銅張り積層板を製造することが
できる。すなわちガラス布等の基材にエポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、シアネートエステル樹脂等の熱硬化性樹
脂やその変性樹脂を単独であるいは複数組み合わせて含
浸させると共に加熱乾燥することによって樹脂含浸基材
(プリプレグ)を作成し、この樹脂含浸基材を複数枚重
ねると共にこの片側あるいは両側に銅箔を重ね、これを
加熱加圧して積層成形することによって、樹脂含浸基材
を絶縁接着層とし表面に銅箔を積層した銅張り積層板を
得ることができるものである。この銅張り積層板にあっ
て、銅箔の表面にはカップリング剤が塗布されているた
めに、カップリング剤による化学的架橋効果で銅箔の表
面と樹脂含浸基材の樹脂との密着性を高めることができ
るものである。そしてこの銅張り積層板の銅箔にエッチ
ング加工等をおこなって回路形成することによって、プ
リント配線板を製造することができるものである。
【0012】上記の例では、銅箔の表面に水酸基を付与
する処理をおこなった後に、銅箔の表面にさらにカップ
リング剤を塗布して処理するようにしたが、カップリン
グ剤による処理は樹脂含浸基材におこなうようにするこ
ともできる。例えば、樹脂含浸基材をカップリング剤溶
液に浸漬したり、樹脂含浸基材の表面にカップリング剤
溶液をスプレーしたりすることにより、樹脂含浸基材の
銅箔との接着表面にカップリング剤を塗布することがで
きる。そしてこのようにカップリング剤で処理した樹脂
含浸基材と、表面に水酸基を付与する処理をした銅箔、
あるいは表面に水酸基を付与する処理をした後にさらに
カップリング剤で処理した銅箔を重ね、上記と同様にし
て積層成形することによって樹脂含浸基材を絶縁接着層
とし表面に銅箔を積層した銅張り積層板を得ることがで
きる。
する処理をおこなった後に、銅箔の表面にさらにカップ
リング剤を塗布して処理するようにしたが、カップリン
グ剤による処理は樹脂含浸基材におこなうようにするこ
ともできる。例えば、樹脂含浸基材をカップリング剤溶
液に浸漬したり、樹脂含浸基材の表面にカップリング剤
溶液をスプレーしたりすることにより、樹脂含浸基材の
銅箔との接着表面にカップリング剤を塗布することがで
きる。そしてこのようにカップリング剤で処理した樹脂
含浸基材と、表面に水酸基を付与する処理をした銅箔、
あるいは表面に水酸基を付与する処理をした後にさらに
カップリング剤で処理した銅箔を重ね、上記と同様にし
て積層成形することによって樹脂含浸基材を絶縁接着層
とし表面に銅箔を積層した銅張り積層板を得ることがで
きる。
【0013】また、カップリング剤を含有する樹脂によ
る接着剤層を用いることもできる。すなわち、表面に水
酸基を付与する処理をした銅箔、あるいは表面に水酸基
を付与する処理をした後にさらにカップリング剤で処理
した銅箔と樹脂含浸基材との間にこのカップリング剤を
含有する樹脂による接着剤層を設け、これを積層成形す
ることによって樹脂含浸基材を絶縁接着層とし表面に銅
箔を積層した銅張り積層板を得ることもできる。この接
着剤層は、銅箔の表面に塗布して設けたり、樹脂含浸基
材の表面に塗布して設けたり、さらにフィルム状に成形
して銅箔と樹脂含浸基材との間に挟んで設けたりするこ
とができる。
る接着剤層を用いることもできる。すなわち、表面に水
酸基を付与する処理をした銅箔、あるいは表面に水酸基
を付与する処理をした後にさらにカップリング剤で処理
した銅箔と樹脂含浸基材との間にこのカップリング剤を
含有する樹脂による接着剤層を設け、これを積層成形す
ることによって樹脂含浸基材を絶縁接着層とし表面に銅
箔を積層した銅張り積層板を得ることもできる。この接
着剤層は、銅箔の表面に塗布して設けたり、樹脂含浸基
材の表面に塗布して設けたり、さらにフィルム状に成形
して銅箔と樹脂含浸基材との間に挟んで設けたりするこ
とができる。
【0014】さらに、カップリング剤を樹脂の固形分に
対して0.01〜30重量%程度含有させた樹脂ワニス
を基材に含浸乾燥して作成した樹脂含浸基材を用いるこ
ともできる。このカップリング剤を含有する樹脂含浸基
材を表面に水酸基を付与する処理をした銅箔、あるいは
表面に水酸基を付与する処理をした後にさらにカップリ
ング剤で処理した銅箔と重ね、これを積層成形すること
によって樹脂含浸基材を絶縁接着層とし表面に銅箔を積
層した銅張り積層板を得ることもできる。
対して0.01〜30重量%程度含有させた樹脂ワニス
を基材に含浸乾燥して作成した樹脂含浸基材を用いるこ
ともできる。このカップリング剤を含有する樹脂含浸基
材を表面に水酸基を付与する処理をした銅箔、あるいは
表面に水酸基を付与する処理をした後にさらにカップリ
ング剤で処理した銅箔と重ね、これを積層成形すること
によって樹脂含浸基材を絶縁接着層とし表面に銅箔を積
層した銅張り積層板を得ることもできる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例1) 酸性硫酸銅メッキ浴を用い、チタン製の陰極面に厚
み35μmで銅箔を電解させた後、これを陰極面から剥
離して水洗することによって銅箔を得た。 次に、 CH3 OH …1リットル CH3 ONa …35g 水 …65cc の組成で金属アルコラート処理浴を30℃に調製し、こ
の処理浴に銅箔を3分間浸漬して表面処理することによ
って銅箔の表面に水酸基を付与した。この後に銅箔の表
面を水洗し、80℃で1時間乾燥した。 次に、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …40cc イソプロピルアルコール …1リット
ル の組成でカップリング剤溶液を調製し、このカップリン
グ剤溶液を縦型のディップ槽に入れ、で処理した銅箔
をディッピング速度300mm/minで1分間浸漬す
ることによってカップリング剤処理した。処理後、銅箔
を1時間自然乾燥し、さらに80℃で3時間乾燥した。 上記のように処理した2枚の銅箔を粗化面を内側に
してその間に厚み0.15mmのガラス布基材エポキシ
樹脂プリプレグを8枚挟み、これを170℃、40kg
/cm2 、120分間の条件で積層成形することによっ
て両面銅張り積層板を得た。
する。 (実施例1) 酸性硫酸銅メッキ浴を用い、チタン製の陰極面に厚
み35μmで銅箔を電解させた後、これを陰極面から剥
離して水洗することによって銅箔を得た。 次に、 CH3 OH …1リットル CH3 ONa …35g 水 …65cc の組成で金属アルコラート処理浴を30℃に調製し、こ
の処理浴に銅箔を3分間浸漬して表面処理することによ
って銅箔の表面に水酸基を付与した。この後に銅箔の表
面を水洗し、80℃で1時間乾燥した。 次に、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …40cc イソプロピルアルコール …1リット
ル の組成でカップリング剤溶液を調製し、このカップリン
グ剤溶液を縦型のディップ槽に入れ、で処理した銅箔
をディッピング速度300mm/minで1分間浸漬す
ることによってカップリング剤処理した。処理後、銅箔
を1時間自然乾燥し、さらに80℃で3時間乾燥した。 上記のように処理した2枚の銅箔を粗化面を内側に
してその間に厚み0.15mmのガラス布基材エポキシ
樹脂プリプレグを8枚挟み、これを170℃、40kg
/cm2 、120分間の条件で積層成形することによっ
て両面銅張り積層板を得た。
【0016】(実施例2)実施例1におけるの工程の
カップリング剤溶液を、 N−βアミノエチルγアミノプロピルトリメトキシシラン …40cc イソプロピルアルコール …1リットル の組成で調製して、実施例1と同じ条件で銅箔をカップ
リング剤処理し、あとは実施例1と同様にして両面銅張
り積層板を得た。
カップリング剤溶液を、 N−βアミノエチルγアミノプロピルトリメトキシシラン …40cc イソプロピルアルコール …1リットル の組成で調製して、実施例1と同じ条件で銅箔をカップ
リング剤処理し、あとは実施例1と同様にして両面銅張
り積層板を得た。
【0017】(実施例3)実施例1におけるの工程の
カップリング剤溶液を、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …40cc イソプロピルアルコール …1リットル 0.05N−HCl水溶液 …9.6cc の組成で調製して、実施例1と同じ条件で銅箔をカップ
リング剤処理し、あとは実施例1と同様にして両面銅張
り積層板を得た。
カップリング剤溶液を、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …40cc イソプロピルアルコール …1リットル 0.05N−HCl水溶液 …9.6cc の組成で調製して、実施例1と同じ条件で銅箔をカップ
リング剤処理し、あとは実施例1と同様にして両面銅張
り積層板を得た。
【0018】(実施例4)実施例1におけるの工程の
カップリング剤溶液を、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …10cc イソプロピルアルコール …1リットル 0.05N−HCl水溶液 …9.6cc の組成で調製して、実施例1と同じ条件で銅箔をカップ
リング剤処理し、あとは実施例1と同様にして両面銅張
り積層板を得た。
カップリング剤溶液を、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …10cc イソプロピルアルコール …1リットル 0.05N−HCl水溶液 …9.6cc の組成で調製して、実施例1と同じ条件で銅箔をカップ
リング剤処理し、あとは実施例1と同様にして両面銅張
り積層板を得た。
【0019】(実施例5) 実施例1と同様にして銅箔を得た。 次に、 H2 O …1リットル NaOH …40g の組成でアルカリ処理浴を30℃に調製し、この処理浴
に銅箔を3分間浸漬してアルカリ処理することによって
銅箔の表面に水酸基を付与した。この後に銅箔の表面を
水洗し、80℃で1時間乾燥した。 実施例1と同様にして銅箔をカップリング剤処理し
た。 実施例1と同様にして両面銅張り積層板を得た。
に銅箔を3分間浸漬してアルカリ処理することによって
銅箔の表面に水酸基を付与した。この後に銅箔の表面を
水洗し、80℃で1時間乾燥した。 実施例1と同様にして銅箔をカップリング剤処理し
た。 実施例1と同様にして両面銅張り積層板を得た。
【0020】(実施例6) 実施例1と同様にして銅箔を作成した。 実施例1と同様に金属アルコラートで処理して銅箔
の表面に水酸基を付与した。 実施例1ので調製したカップリング剤溶液を縦型
のディップ槽に入れ、厚み0.15mmのガラス布基材
エポキシ樹脂プリプレグをディッピング速度300mm
/minで1分間浸漬することによってカップリング剤
処理した。処理後、ガラス布基材エポキシ樹脂プリプレ
グを1時間自然乾燥し、さらに50℃で4時間乾燥し
た。 このカップリング剤処理した2枚のガラス布基材エ
ポキシ樹脂プリプレグの間にカップリング剤処理しない
6枚のガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを挟み、こ
れら8枚のプリプレグの両側の外側にそれぞれで処理
した銅箔をその粗化面を内側にして重ね、あとは実施例
1と同じ条件で積層成形することによって両面銅張り積
層板を得た。
の表面に水酸基を付与した。 実施例1ので調製したカップリング剤溶液を縦型
のディップ槽に入れ、厚み0.15mmのガラス布基材
エポキシ樹脂プリプレグをディッピング速度300mm
/minで1分間浸漬することによってカップリング剤
処理した。処理後、ガラス布基材エポキシ樹脂プリプレ
グを1時間自然乾燥し、さらに50℃で4時間乾燥し
た。 このカップリング剤処理した2枚のガラス布基材エ
ポキシ樹脂プリプレグの間にカップリング剤処理しない
6枚のガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを挟み、こ
れら8枚のプリプレグの両側の外側にそれぞれで処理
した銅箔をその粗化面を内側にして重ね、あとは実施例
1と同じ条件で積層成形することによって両面銅張り積
層板を得た。
【0021】(比較例)実施例1において、の水酸基
を銅箔の表面に付与する処理はおこなわずそのままの
カップリング剤処理をし、あとは実施例1と同様にして
両面銅張り積層板を得た。上記のように実施例1〜6及
び比較例で得られた両面銅張り積層板について、銅箔引
き剥し強度と煮沸半田耐熱性の試験をおこない、結果を
表1に示した。銅箔引き剥し強度の試験は、JIS規格
C6481に基づいて、両面銅張り積層板を常態及び二
時間煮沸処理した後、35μm銅箔とプリプレグによる
絶縁接着層との間の引き剥し強度を測定することによっ
ておこなった。煮沸半田耐熱性の試験は、両面銅張り積
層板を2時間煮沸処理した後、260℃の半田浴に30
秒浸漬したときの状態を評価しておこない、異常なしを
「○」で、デラミネーション有りを「×」で示した。
を銅箔の表面に付与する処理はおこなわずそのままの
カップリング剤処理をし、あとは実施例1と同様にして
両面銅張り積層板を得た。上記のように実施例1〜6及
び比較例で得られた両面銅張り積層板について、銅箔引
き剥し強度と煮沸半田耐熱性の試験をおこない、結果を
表1に示した。銅箔引き剥し強度の試験は、JIS規格
C6481に基づいて、両面銅張り積層板を常態及び二
時間煮沸処理した後、35μm銅箔とプリプレグによる
絶縁接着層との間の引き剥し強度を測定することによっ
ておこなった。煮沸半田耐熱性の試験は、両面銅張り積
層板を2時間煮沸処理した後、260℃の半田浴に30
秒浸漬したときの状態を評価しておこない、異常なしを
「○」で、デラミネーション有りを「×」で示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1にみられるように、銅箔の表面に水酸
基を付与する処理をした各実施例のものでは、銅箔引き
剥し強度が高く、また煮沸半田耐熱性が良好であり、銅
箔の接着性が向上していることが確認される。一方、こ
のような処理をおこなわない比較例のものでは銅箔の接
着性を十分に得ることができないものであった。
基を付与する処理をした各実施例のものでは、銅箔引き
剥し強度が高く、また煮沸半田耐熱性が良好であり、銅
箔の接着性が向上していることが確認される。一方、こ
のような処理をおこなわない比較例のものでは銅箔の接
着性を十分に得ることができないものであった。
【0024】
【発明の効果】上記のように本発明は、銅箔の表面に水
酸基を付与する処理をおこない、カップリング剤を介し
て樹脂含浸基材と銅箔とを重ねて積層成形するようにし
たので、水酸基とカップリング剤との化学結合によって
銅箔の表面とカップリング剤との結合力を高めることが
できるものであり、カップリング剤による銅箔と樹脂含
浸基材の樹脂との接着性向上の効果を高く得ることがで
き、銅箔と樹脂との接着性を高いレベルにまで高めるこ
とができるものである。
酸基を付与する処理をおこない、カップリング剤を介し
て樹脂含浸基材と銅箔とを重ねて積層成形するようにし
たので、水酸基とカップリング剤との化学結合によって
銅箔の表面とカップリング剤との結合力を高めることが
できるものであり、カップリング剤による銅箔と樹脂含
浸基材の樹脂との接着性向上の効果を高く得ることがで
き、銅箔と樹脂との接着性を高いレベルにまで高めるこ
とができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉光 時夫 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 銅箔の表面に水酸基を付与する処理をお
こない、カップリング剤を介して樹脂含浸基材と銅箔と
を重ねて積層成形することを特徴とする銅張り積層板の
製造方法。 - 【請求項2】 金属アルコラートで処理して銅箔の表面
に水酸基を付与することを特徴とする請求項1に記載の
銅張り積層板の製造方法。 - 【請求項3】 アルカリで処理して銅箔の表面に水酸基
を付与することを特徴とする請求項1に記載の銅張り積
層板の製造方法。 - 【請求項4】 カップリング剤がシラン系カップリング
剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載の銅張り積層板の製造方法。 - 【請求項5】 銅箔の表面に水酸基を付与する処理をお
こなった後、銅箔の表面にカップリング剤を塗布し、こ
の銅箔を樹脂含浸基材と重ねて積層成形するようにした
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の銅
張り積層板の製造方法。 - 【請求項6】 水酸基を付与する処理をおこなった銅箔
とカップリング剤で処理した樹脂含浸基材とを重ねて積
層成形するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4
のいずれかに記載の銅張り積層板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3686892A JPH05229060A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 銅張り積層板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3686892A JPH05229060A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 銅張り積層板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05229060A true JPH05229060A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=12481767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3686892A Withdrawn JPH05229060A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 銅張り積層板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05229060A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003074268A1 (en) * | 2002-03-05 | 2003-09-12 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Metal foil with resin and metal-clad laminate, and printed wiring board using the same and method for production thereof |
-
1992
- 1992-02-25 JP JP3686892A patent/JPH05229060A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003074268A1 (en) * | 2002-03-05 | 2003-09-12 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Metal foil with resin and metal-clad laminate, and printed wiring board using the same and method for production thereof |
US7473458B2 (en) | 2002-03-05 | 2009-01-06 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Metal foil with resin and metal-clad laminate, and printed wiring board using the same and method for production thereof |
US7749605B2 (en) | 2002-03-05 | 2010-07-06 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | Resin coated metal foil, metal clad laminate, printed wiring board using them, and manufacturing method thereof |
US7955689B2 (en) | 2002-03-05 | 2011-06-07 | Hitachi Chemical Co, Ltd. | Resin coated metal foil, metal clad laminate, printed wiring board using them, and manufacturing method thereof |
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Date | Code | Title | Description |
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