JPH05228744A - 改良された高密度回転ピーニング粒子支持体およびその製法 - Google Patents

改良された高密度回転ピーニング粒子支持体およびその製法

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JPH05228744A
JPH05228744A JP4295868A JP29586892A JPH05228744A JP H05228744 A JPH05228744 A JP H05228744A JP 4295868 A JP4295868 A JP 4295868A JP 29586892 A JP29586892 A JP 29586892A JP H05228744 A JPH05228744 A JP H05228744A
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peening
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weight
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JP4295868A
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Michael W Lovejoy
マイケル・ウェイン・ラブジョイ
Jennifer L Trice
ジェニファー・エル・トライス
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はピーニング粒子支持体欠陥の少ない
改良されたピーニング粒子支持体およびその製法を提供
する。 【構成】 本発明は露出面に冶金学的に固定された複数
のピーニング粒子を有するタイプの高密度回転ピーニン
グ粒子支持体であって、該支持体が本質的に炭素0.0
8〜0.34重量%および残り鉄からなるベース組成を
有し、かつ、前記露出面下にベース組成より高いニッケ
ル含量を有する高ニッケル層を有することを特徴とする
改良された高密度回転ピーニング粒子支持体を提供す
る。また、本発明は上記支持体の製法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数の回転フラップを有
し、その各々のフラップには複数のピーニング粒子支持
体が付着されている高密度回転ピーニング装置に関す
る。特に、本発明は長期の使用に耐える新規な高密度回
転ピーニング粒子支持体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】研磨粒子が付着された回転フラップを用
いる「回転ピーニング」は、種々の理由により応力除去、
表面調整および皮膜剥離の分野において認められつつあ
る。この方法はコンクリートまたは金属表面もしくは剥
離される被膜を有する金属表面を打ち付ける「ショット
(打ち)」の使用がなく、皮膜を剥離しやすいようにする
ための溶媒も必要としない。従って、回転ピーニングは
経済的でかつ環境的に優れた方法である。
【0003】回転ピーニング装置に用いられているフラ
ップ、例えばミネソタ・マイニング・アンド・マニファ
クチュアリング・カンパニー、セントポール、ミネソタ
(3M)の製品パンフレットNo.61−5000−54
90−4(1282)11(1988年12月)には、数個
の金属(典型的にはAISI1006または1008ス
チール)ピーニング粒子サポートが付着された物質の長
いストラップを含む。ここで用いられる「ピーニング粒
子支持体」とは金属粒子組成と金属ベース組成を含み、
該ベースがその露出表面に冶金学的に固定(例えば、半
田付けされ)た研磨粒子を有する構造を意味する。米国
特許3,834,200(ウィンター)にはそのようなフラ
ップが詳細に記載されている。ウィンターのポリエステ
ルポリウレタン被覆ナイロン繊維ストラップ物質および
AISI1008スチールピーニング粒子支持体は種々
の用途、特に「高密度」ピーニング操作、例えば、コンク
リートの表面調整およびスチールからのスケールの除去
において、寿命を拡大したが、より長いフラップ寿命が
望まれている。フラップの寿命はストラップまたはピー
ニング粒子支持体の欠陥によって短くなるので、各々に
用いられる材料はフラップの性能に大きく影響する。本
発明は従来から知られている支持体よりも長い寿命を有
する。改良されたピーニング粒子支持体に関する。
【0004】本明細書中に使用する「ピーニング粒子支
持体欠陥」は、支持体として使用されるリベットの幹お
よび頭の切断(リベット欠陥)であるか、または研磨粒子
が使用不能になる場合のいずれかを示す。後者の研磨粒
子の欠陥は研磨粒子の脱落または研磨粒子がピーニング
粒子支持体中に入り込み、平滑な研磨性のない支持体に
なる場合のいずれかである。これらの欠陥のメカニズム
の各々はピーニング粒子支持体の冶金または製造工程に
よって影響を受ける。AISI1008スチールおよび
他の低炭素スチールから常温成形で容易に得られるリベ
ットはこれらの欠陥のメカニズムを受ける。
【0005】リベットの形態で用いられる場合のピーニ
ング粒子支持体および該リベットに組み込まれるフラッ
プは現在種々の複雑な連続工程により製造されている。
その上面露出表面に窪みを有するAISI1008リベ
ットは、まずワイヤー素材をツーストローク常温頭造機
を用いて常温頭造(成形)することによって得られる。こ
のリベットは次いで、650℃に加熱することにより応
力除去され、その後、研磨粒子をニッケル(Ni)合金ハ
ンダ粉を用いてリベットの窪みにハンダ付けする。この
「ハンダ付けされた」リベットは次いでオーステナイト化
され(835℃以上で加熱され)、急冷後、焼きなまし
(700℃に加熱)する。この「焼きなましされたリベッ
ト」は、他の常温成形工程を用いてフラップに固定す
る。両方の常温成形工程(最初および最終)のいずれも低
い炭素含有量の1008スチールを用いることにより容
易になる。
【0006】上記工程に従ってフラップを形成した場
合、種々の用途に十分に適合するが、ピーニング粒子支
持体欠陥はフラップの寿命を限定する。このことは特に
線状ポリウレタンエラストマー被覆されたハブ繊維を用
いて製造されたより強力な長いストラップを用いたとき
により顕著になる。従って、ピーニング粒子支持体には
上述のように高密度回転ピーニング操作にピーニングフ
ラップを長期間使用するという要求と、低い力(3×1
5N力)の常温頭造機を用いて所望の形に容易に成形す
るという2つの相反する要求が存在する。
【0007】本発明に近似する技術は米国特許4,31
9,934、4,322,256、4,322,247、4,
404,047および4,654,913号が含まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明によれば、上述
の構成および方法に述べた欠点の多くを克服し、または
減少した改良された高密度回転ピーニング粒子支持体お
よびその製法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は複数のピーニン
グ粒子がその露出表面に冶金学的に固定されたタイプの
改良された高密度回転ピーニング粒子支持体を提供す
る。本発明はまた、炭素0.08〜0.03重量%およ
び残り鉄を本質的に含むベース組成であって、その露出
表面に近づくにつれて高ニッケル層になり、該高ニッケ
ル層がベース組成よりも高いニッケル含有量を有する支
持体を特徴とする。好ましい支持体はホウ素を0.00
05〜0.003重量%含有する10B21スチールか
らニッケル合金ハンダを用いて露出表面にハンダ付けさ
れたベース組成と冶金学的に混和しうるピーニング粒子
を有するリベットの形態にすることにより得られる。ハ
ンダはニッケルおよび少ないがホウ素がハンダ付け中お
よびその後の熱処理の間にベース組成中に拡散する。高
ニッケル層が形成され、ベース組成中のホウ素に関連し
て、より高い硬度の露出表面およびベース組成よりも高
いニッケル濃度に起因する0.5mmの厚さのその下の領
域を形成する。上記構成を有するピーニング粒子支持体
は熱処理を通して十分な硬度になるような炭素を含み、
かつ、一般的に低い炭素スチールからリベット型支持体
を形成するのに用いられるツーストローク常温頭造(成
形)機を用いて形成される可能な最高の炭素含有量を有
している。
【0010】本発明はまた、支持体の露出表面に冶金学
的に固定された複数のピーニング粒子を有する回転ピー
ニング粒子支持体であって、低いピーニング粒子支持体
欠陥を有するものの改良された製法を提供する。すなわ
ち、本発明はベース金属素材プレフォームを常温成形し
て支持体を形成し、該常温成形された支持体を支持体の
応力が除去されるに十分な時間および温度に加熱し、多
数のピーニング粒子を支持体の露出面に冶金学的に結合
し、該支持体をオーステナイト化するのに十分な時間お
よび温度で加熱し、急冷した後、支持体を焼き戻すのに
十分な時間および温度で加熱する連続工程からなる、露
出面にピーニング粒子が冶金学的に固定された回転ピー
ニング粒子支持体を製造する方法であって、該金属素材
が本質的に炭素0.08〜0.34重量%および残り鉄
からなることを特徴とする、欠陥のないピーニング粒子
支持体を製造する方法を提供する。好ましくはベース金
属がホウ素を0.0005〜0.003重量%含有し、
支持体がリベットの形状を有し、かつベース金属素材が
炭素0.18〜0.23重量%を有するスチールであっ
て、ピーニング粒子がニッケルハンダ合金を用いて支持
体にハンダ付けされる製法である。
【0011】本発明の別の態様は、複数のピーニング粒
子がハンダ付けされた回転ピーニング支持体である。こ
の態様の支持体はベース組成および高ニッケル層を有
し、該ベース組成が上記組成からなり、高ニッケル層が
ピーニング粒子の近傍に実質的に存在する。高ニッケル
層はハンダからニッケルがベース組成中に拡散する結果
である。好ましくは高ニッケル層が硬度20〜60HR
C(ロックウェル硬度C)および厚さ0.01〜0.5mm
を有する支持体である。1つの好ましいベース組成はま
た10B21スチールが低温焼きなまし(400℃)で焼
きなまされた場合に、硬度20〜60HRCを有する。
他の好ましいベース組成の硬度はスチール(例えば、1
0B21)が700℃で焼なまされた場合に、80〜3
0HRCを有するものである。このような構造はこれら
の支持体を用いてピーニングフラップを低出力常温成形
機を用いて成形した場合に硬いピーニング表面を提供す
る。
【0012】好ましくは冶金学的に結合する段階が本明
細書中に記載する好ましいニッケルハンダ合金を用いて
ハンダ付けすることによって行われる方法である。2つ
の焼きなまし温度は好ましくは高くて675〜730℃
であり、低くて390〜410℃である。焼なましはリ
ベット幹をフレアするのに用いられる特定の機械の常温
成形力に基づいて選択される。高い焼なまし温度は高い
表面硬度を有するが、低い内面硬度を有する構造を提供
する。全体的に硬度の高い構造が必要な場合は低温が好
ましい。本発明の方法は特定の用途に適合するリベット
の物理的特徴に合わせるような柔軟性を有している。
【0013】本発明の特徴および利点は、以下図面を参
考してより詳細に説明することにより当業者に明らかに
なる。本発明のピーニング粒子支持体は、それが導入さ
れた高密度回転ピーニングフラップにおいてピーニング
粒子支持体欠陥を減少する。図1〜6はその上面に窪み
を有するリベット型のピーニング粒子支持体の3つの態
様、すなわち、ピーニング粒子を冶金学的に結合する前
の態様を示す。図1〜6の態様を含むどの態様において
も、好ましいベース組成(すなわち、表面および表面か
ら5cm下の部分を除く)は、炭素0.08〜0.34重
量%含む。好ましい態様ではベース組成はまたホウ素を
0.0005〜0.003重量%含有する。後者の組成
を有する好ましいスチールは上記のホウ素含有量を有す
るAISI1021(本明細書中ではAISI10B2
1スチールまたは単に10B21という)。
【0014】図1、3および5はピーニング粒子支持体
ベースの3つのリベットタイプに態様の平面図を示す。
図1は立方体型に配置された9つの窪みを示し、図3お
よび5は他の有用なパターンを示す。勿論、他の配置お
よびティンプルの数が可能であり、本発明の中に含まれ
るものと考えられる。
【0015】図2、4および6は本発明のピーニング粒
子支持体の3つのタイプの断面図を示し、各図において
同じ番号は同じ部分を示す。どの場合においても、リベ
ット10は幹12およびヘッド14を有し、ヘッド14
は典型的には幹12の直径より大きく、典型的には2:
1〜5:2の割合で大きい。ヘッド14は露出表面16
を有し、その表面はハンダ付け時に一般的に球形のピー
ニング粒子(図示せず)を受け入れるのに適合した窪み1
8を有する。窪み18は異なった直径の粒子を収容する
ために同一または異なる直径を有してもよいが、製造の
容易性および製造コストの観点から同じ直径のものが好
ましい。粒子および窪みの直径は0.25〜2mm、好ま
しくは1〜1.5mmの範囲である。図1〜4の態様は窪
み/粒子直径は1.11mmを有し、図5および6に示す
態様は好ましくは窪み/粒子直径1.6mmを有する。よ
り強いピーニング操作が必要な場合、例えば、金属から
厚い物スケールや皮膜を取り除く場合、およびコンクリ
ート表面の調整にはより大きな直径が必要である。図1
および2においてヘッド14は1.04cmの直径を有
し、図3〜4に示すヘッドは1.18cmの直径を有し、
図5および6では1.27cmである。別のヘッドの直径
が特定の操作によって用いられる場合もある。
【0016】図7は図1および2のピーニング粒子支持
体がその表面にピーニング粒子を有する場合の断面図を
示す。粒子は好ましくは球状であるが、他の形態、例え
ば、長方形のものを用いてもよい。球状粒子は典型的に
は窪み内に半球を有し、他の半球は窪みの外に存在す
る。耐熱、耐熱型高硬度、耐衝撃型ピーニング粒子は、
一定の衝撃圧力を保持するためにそれがピーニングフラ
ップの寿命中においてその完全性を保持するので、用い
られる。ミシガン州、デトロイトのカーボロイ・インク
(Carboloy Inc.)から「グレード44A」として市販
の耐熱性高硬度セメントタングステンカーバイドショッ
トが優れた特性を保持していることが解った。この特定
のタングステンカーバイドはニッケルまたはコバルトを
8〜12重量%を有するバインダーを含む。)しかしな
がら、他のセメントカーバイド、例えばTiCおよびTa
C; セラミック物質(例えば、B4Cおよびホットプレス
アルミナ)および他の耐摩耗性耐熱性高硬度ピーニング
粒子を用いてもよい。リベットおよびショットサイズを
確認するために協定がなされ、B型リベットはヘッド直
径1.04cmで1.1mm直径の9つのショット粒子を有
し; C型リベットはヘッド直径1.18cmで1.1mm直
径の19個のショット粒子を有し; D型リベットはヘッ
ド直径1.27cmで1.6mm直径の12個のショット粒
子を有する。ショットサイズおよびショットパターン等
は当業者に公知であるものと考えられる。例えば、図1
および2に示されたB型リベットは中心正方形配列の粒
子を有する。
【0017】ピーニング粒子は典型的には露出表面16
に冶金学的に結合している。支持体ベースおよびピーニ
ング粒子は従って冶金学的結合に適合しなければならな
い。そのような結合はハンダ付け、ピーニング粒子を支
持体ベース中に鋳造する、焼結またはその他の所望の結
合を形成する方法で行ってもよい。好ましくはニッケル
80〜85重量%およびホウ素3%を有するハンダ合金
を用いるハンダ付けである。ハンダ合金はミシガン州、
トロイのシャルザー・プラズマ・テクニック・インク
(Sulzer Plasma Technic, Inc.)から「アムドラ
イ(Amdry)770パウダー」の名前で市販されている。
このハンダ合金はアルミニウム最大0.05重量%: ホ
ウ素2.75〜3.50; 炭素最大0.06; コバルト
最大0.01; クロム5.0〜8.0; 鉄2.5〜3.
5; リン最大0.02; イオウ最大0.02; シリコン
4.0〜5.00; セレン最大0.005; チタン最大
0.005; ジルコニウム最大0.005および残りニ
ッケルの組成を有する。このパウダーの粒子サイズ分布
は90%最小−140メッシュ(−105マイクロメー
タ)、50%最大−325メッシュ(+45マイクロメー
タ)である。
【0018】他のハンダ合金を用いてもよいが、余り最
適ではない。銅ハンダ合金は高い流動性を有し、タング
ステンカーバイドショット中に銅が侵入する。また、銅
の蒸発力が高く、高い分圧にハンダ炉中をアルゴンガス
などを用いて維持しなければならない。銀ハンダ合金は
柔らかく、機械的特性が悪いので、多くの研磨用途には
不適格である。銀ハンダ合金は典型的には815℃付近
で溶解し、以降の熱処理工程に再溶融するだろう。この
ような理由からニッケル合金ハンダが好ましい。好まし
いニッケルハンダ合金は比較的安い値段で大量に得られ
る。ニッケル合金は使用しやすく、広い溶融範囲を持っ
ている。最初に、ニッケル合金は低い融点の成分シリコ
ンおよびホウ素のために1000℃で完全に液状化す
る。これらの元素はベース組成中に拡散したり、蒸発し
たり、それよりも高い温度でなければハンダ付け後は再
溶融しない。ニッケル合金ハンダ組成物の他の利点はそ
の強さ、耐腐食性、硬度である。
【0019】特定の理論に限定するつもりはないが、ニ
ッケル(およびある範囲でホウ素)がニッケル合金ハンダ
から表面16に拡散して、約0.5mmのリベットのベー
ス物質中に入り、ニッケルが拡散したリベットの部分の
硬度性および硬度を増大する。高ニッケル層はニッケル
を0.02〜80重量%の範囲で含有し、表面16に近
づくにつれて大きくなる。好ましい組成のベース組成お
よびハンダと675〜735℃の温度の焼きなましを用
いた場合、硬度(80〜30HRB〜30HRC)のソフ
トリベットが得られる。この範囲の硬度(一番硬いとこ
ろは露出表面)を有するリベットはピーニング時に摩耗
が少なくなることが分かった。頭から下までのリベット
中の硬度差が16LC硬度以下が390℃〜410℃で
焼きなまししたときに得られる。より高いヘッディング
容量(すなわち、パワー)を有する機械を用いる場合これ
が好ましい。このことはより硬い支持体が形成される
(35〜42HRC)ので好ましい。ニッケルおよびホウ
素は個別にはスチールの硬度を増大することが知られて
いるが、ベース物質、ハンダおよび焼なまし温度の特定
の組み合わせがほぼ均一な硬度のリベットを形成するか
または高表面硬度および低表面硬度リベットを形成する
という程度は全く予期しえない効果であった。
【0020】本明細書中に記載されているリベット型ピ
ーニング粒子支持体を回転ピーニングフラップに用いた
場合に、好ましい長いトラップ物質は複数の皮膜層を有
する塗装布であって、少なくともその1つの層は線状ポ
リウレタンエラストマーである。好ましい線状ポリウレ
タンエラストマーはポリカーボネートポリオールとポリ
エーテルポリオール、ジイソシアネート化合物および第
1および第2のエキステンダーを含む混合物の反応生成
物から得られるポリカーボネート−ポリエーテルポリウ
レタンである。第1エキステンダーは好ましくは分子量
500以下を有し、ジイソシアネート化合物は最初に第
1のエキステンダーとジイソシアネート/第1エキステ
ンダーのモル比2:1以上で反応させて、他の成分との
反応前に官能基数2を有する変性ジイソシアネートを形
成する。この変性ジイソシアネート成分は布塗装時に組
成物に比較的低い温度の加工性を付与し、ポリオール混
合物は塗装布に高い加水分解性および低温可撓性を付与
する。線形ポリウレタンエラストマーは架橋剤、例えば
少なくとも2以上の官能基数を有する有機イソシアネー
ト化合物とエラストマーとの反応により架橋して、より
硬い塗装布を得てもよい。1つの好適なポリカーボネー
ト−ポリエーテルポリウレタンはモートン・インターナ
ショナルから「モータン(Morthane)CA−1225」の
名前で市販されている。
【0021】以下の実施例はAISI10B21スチー
ルを用いてリベット型ピーニング粒子支持体を形成する
のに用いられる方法を詳しく述べる。他の好ましい物質
は肌焼き低炭素スチール構造である。この構造は短期間
の使用には効果的であるが、リベットの中心部分の2層
ミクロ構造(フェライトおよびパーライトの島)がその寿
命を短くする。2層ミクロ構造はベーナイト状ミクロ構
造よりも速く疲労欠陥を起こすことが知られている。
【0022】肌焼き構造は公知のガス侵炭方法を用いる
1010スチールリベットで得られる。ガス侵炭方法の
一般的な記載はメタルハンドブック、第9版、第4巻
(熱処理)、135頁以下に記載されている。ガス侵炭は
一般的な方法では、炭化水素ガスからの炭素を用い、炭
化水素液体から揮発したものがスチール部分上に硬い表
面層を提供する。ガス侵炭はしばしば「ケース侵炭」とも
呼ばれる。ガス侵炭の主たる機能はスチール中への炭素
の吸着および拡散のために適当な炭素源を提供すること
である。
【0023】ガス侵炭方法の効果的な方法は、以下の主
たる変数:温度、時間および大気組成をコントロールす
ることによる。炭素がスチール中に付加できる最大量は
オーステナイト中の炭素の拡散率によって決まる。この
拡散率は温度によって大きく増大し、925℃での炭素
付加率は870℃でのものよりも40%も高く、925
℃が最も好ましい侵炭温度である。
【0024】F.E.ハリスは通常の侵炭のケース深さ
に基づいて時間および温度の効果の式を得た(メタルプ
ログレス(Metals Progress)、1943年8月)。この
式を用いて、1010リベット(0.952cm幹直径、
0.4763cm浸透深さ)に必要な時間は56時間であ
ることが分かった。「通常」の侵炭と過程してであり、こ
れはバスケット型のリベットを侵炭することは不可能で
ある。肌焼きの1010スチールは高密度回転ピーニン
グ用のピーニング粒子支持体として用いることができる
が、肌焼き1010スチールの疲労欠陥および肌焼き1
010スチールを製造するのに必要な長い浸漬時間から
考えると余り好ましくない。
【0025】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明するが、実施例中部および%は特に指示しない限り
重量に基づく。
【0026】
【実施例】実施例1: 10B21リベットの常温成形 ウォーターバリーファレル(Waterburry Farrel)から
「ハイプロヘッダー(Hi−Pro Header)」として市販の
ツーストローク常温頭造型を用いてAISI10B21
から窪みを有する露出表面を有するリベットをミネアポ
リスのツイン・シティ・リベット(Twin City Rivet)
で得た。このスチールはイリノイ州ロックフォードにオ
フィスを有するMGFインダストリーズ・インクのロッ
クフォード・ワイヤー・テクノロジィーズ・ディビジョ
ンから円筒状で、アニールされたノーシリコン条件での
0.476cm直径ワイヤー素材として得た。このスチー
ルは炭素0.23%、シリコン0.288%、ホウ素
0.02%、残り鉄の組成を有する(%はすべて全量に
基づく)。このワイヤーは型に導入される前に少し延伸
し、ここでリベットプレカーサーを3×105N力を使
用して約1.25cmの長さにカットした。リベットのヘ
ッドを部分的に3×105N力を用いて型の第1工程の
間に形成し、リベットプレフォーム(図8)を得た。移動
後、リベットプレフォームのヘッドを3×105N力で
打ち付けて窪んだリベットを形成し、第1の常温成形工
程を終了した(図9)。このリベットはヘッド直径1.8
cm、幹直径0.48cmおよび0.127cm直径の窪みが
19個存在した。
【0027】実施例2: 応力除去10B21リベット 実施例1に基づいてリベットを形成したすぐ後、リベッ
トをWSA5000アルカリの商標で市販されているア
ルカリ溶液1.4リットル、苛性ソーダ0.57リット
ル、水56.8リットルを混合することにより得たアル
カリ溶液で10分間予備洗浄した。1回のロードで11
5kgのリベットを予備洗浄することができた。次いで、
リベットを5分間水で洗浄した。このリベットを炉内に
おいて、620〜650℃で15分間大気条件下で実施
例1の常温成形によって得られた残存応力を除去した。
応力濃度は実施例1の常温成形の結果としてリベットの
ヘッドの下に形成され、このことは実施例1からのリベ
ットを切断し、搭載され、磨かれ、および化学的にエッ
チングされたリベット(図9)によって分かる。 リベッ
トを次いで空冷した。炉内の空気環境はリベットの表面
に酸化物スケールを形成し、これを酸洗浄(「トラップレ
ート(Truplate)9900」の名前で知られているプレー
ティング溶液1.14リットル、硫酸2.28リットル
および水56.8リットルの混合によって得られた希硫
酸)で処理し、すぐに苛性リンスおよび水洗浄(蒸気)を
行った。図10に示す応力除去リベットはヘッド付近に
まだ応力濃度が見られる。
【0028】実施例3: 研磨粒子を10B21リベット
にハンダ付けする 実施例2のリベットはセントルイスパークのリンドバー
ク・ヒート・トリーティング(Lindberg Heat Treati
ng)に送られ、リベットの露出表面の窪みにタングステ
ンカーバイドショットをハンダ付けした。個々のリベッ
トをセラミック取付具(1取付具に14リベット)を取り
付けてハンダ付けした。タングステンカーバイドショッ
トを窪み中に置き、リベットの露出表面をミシガン州ト
ロイのスルザー・プラズマ・テクニック・インクから
「アムトライ770」の名前の市販のニッケル合金ハンダ
粉でカバーした。セラミック取付具およびリベットを真
空炉中で315℃で保持し、その温度で1時間保持し
た。炉中の温度はプログラムされた温度プロフィールに
よって650℃に昇温され、この温度で30分間保持さ
れた。炉内温度を次いで760℃、925℃、980℃
に上げ、各々の温度で約30分間保持し、最終的に11
00℃で40分間保持した。炉内を980℃に冷却し、
1分間保持した後、炉内に窒素ガスバックフィルで急冷
した。ハンダ付け後、リベットはセラミック取付具から
外され、検査された。図11はハンダ付けされた状態で
のリベットを示し、スチールベース組成中へのニッケル
の拡散が見られる(白い部分)。リベットの中心軸付近の
リベットヘッドからあるインターバルで測定したリベッ
ト断面の1つの微小硬度を表1に示す。この硬度のプロ
フィールはAISI1008スチールを用いて得られた
硬度プロフィールとかなり再現性があった。特定の理論
に縛られるつもりはないが、Cの付加および少ない程度
でホウ素はリベットツウリベット硬度の均一性を増大
し、ハンダ付け工程を簡単化し、使用しうるリベットの
製造を増大した。
【0029】
【表1】
【0030】実施例4: 10B21リベットのオーステ
ナイト化および急冷 実施例3のリベットをバスケット(1バスケットに10
000〜12000個のリベット)を入れ、このバスケ
ットを炭素0.2%保有する雰囲気を有する炉内に入
れ、835℃に加熱した。この温度で炉内に30分間放
置した後、バスケットおよびリベットを炉中から取り出
し、リベットのすべてを撹拌されたオイルタンク中で急
冷した。急冷後、バスケットおよびリベットを温水で洗
浄し、リベット表面からオイルを取り除いた。1つのリ
ベットを切断し、分析機に乗せ、図12に示すような8
倍の写真を得た。ハンダからスチールへのニッケルの拡
散の影響がリベットヘッドの上部領域に黒い部分がある
ことにより分かる。リベットのヘッドの下にはもはや応
力集中のストレス集中は見られない。リベットの表面近
くに少量のフェライトが初期のマーテンサイト状または
ベーナイト状構造における粒子境界に見られる。微小硬
度のプロフィールを測定し(リベットの中心軸に近い部
分での測定)、その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例5: 10B21リベットの705℃
の焼きなまし 実施例4のオーステナイト化および急冷したリベットの
一部を実施例4からのリベットのバスケット中に入れて
空気雰囲気を有する炉内に入れ、705℃で1時間保持
し、次いで、焼きなまし工程によって形成された酸化物
スケールを取り除くためにころがし工程を行った。サン
プルを切断し、微小硬度評価を行った。その結果を表3
に示す。このデータに見られるように得られた構造は7
05℃で焼きなましした時に中心付近で大変柔らかいこ
とが分かった。
【0033】
【表3】
【0034】実施例6: 10B21リベットの400℃
の焼きなまし 実施例4で得た残りのリベットを温度705℃から40
0℃に変える以外は実施例5と同様に焼きなましした。
微小硬度のデータを表4に示す。明らかにより均一な硬
度が達成され、実施例5のそれよりもより硬い構造が得
られている。
【0035】
【表4】
【0036】実施例7: 10B21リベットのトラップ
への固定 実施例5において焼きなましされたリベットのいくつか
をミネソタ州リンドストロームのプラスチックプロダク
ト社に送り、上記のストラップに固定した。ペンシルバ
ニア州ピッツバークのブレーカー・コーポレーション
(Bracker Corporation)から「バルテック(Baltec)」の
名前の市販のラジアルリベッティング機を用いた。パラ
メータの調整は、圧力、その圧力での時間および器具の
平行移動スピードであった。635N/m2の圧力で3.
5秒を用いた。平行移動スピードは補外しなかったが、
そのダイヤルポジションを2.75にした。この条件下
で変形したサンプルリベットを切断し、分析した。微小
硬度のデータは表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】実施例8: 1006、1010および10
B21リベット材料の摩耗率比較 図3および4に示した4つのリベットにタングステンカ
ーバイドショットをハンダ付けしたものの100個の回
転ピーニングフラップをハブに取り付け、回転ピールホ
イールを形成した。フラップを構成するのに用いたスト
ラップ材料は洗浄ポリウレタンエレストマー物質であっ
た。100個のフラップのすべてを3M社から「RS−
Hub」の名前で市販の同じ10.2cmのハブに取り付け
た。ホイールをテストして以下のように異なるリベット
の相対的および絶対的摩耗率を測定した: 100個のフ
ラップの31個をAISI1006スチールから得られ
たリベットで組み立て、100個の30個をAISI1
010スチール(肌焼き)を用いて形成し、100個のフ
ラップのうち39個をAISI10B21スチールを用
いて構成し、リベットの幹の底にピーニング粒子のトッ
プから測定したスタート高さを測定し、同様にピーニン
グ後の高さを測定した。9856平方フィートのコンク
リートをピーニングした後の結果を表6に示す。すべて
の高さはcmで示す。
【0039】
【表6】
【0040】表6のデータから明らかなように「変化」/
「スタート高さ」×100で示されるように、低い摩耗率
は1010および10B21スチールで達成された。こ
のことは常温頭造機および低い炭素含有量のスチールリ
ベットを用いたラジアルリベット機を用いた場合でさえ
同じであった。ベース組成をリベットがフラップに固定
されるのに十分に柔らかさを保持している間に硬いおよ
び耐摩耗性表面を形成する能力は驚くべきことである。
肌焼き表面を有する1010スチールで形成されたリベ
ットが低い摩耗%を示し、10B21に置換しうる物質
として認められるが、肌焼き1010スチールは種々の
理由、例えば均一なリベット対リベット硬度(ハンダ付
けされたリベットの)(実施例3に述べられたように)に
おける均一の欠如などから回転ピーニングフラップに用
いる最も好適な物質ではない。1010より10B21
が好ましい理由は、2層の焼きなましされたミクロ構造
の1010物質(フェライト(白部分)とダークパーライ
ト(縞部分)が図13の(1010)の写真(400倍)に示
されるように10B21の焼きなましされたバイニテッ
ク微小構造よりも衝撃に敏感で疲労欠陥を有する。ま
た、注目しなければならないのは、表6のデータはリベ
ットプロフィールに対し何が起こるか反映していない。
より詳しくは、タングステンカーバイドショットがリベ
ットの中心部分に向かって押されていく領域を示してい
ない。しかしながら、1010および10B21リベッ
トの量的な比較検査は10B21リベットがより粗面を
保持し、より研磨性のプロフィールを保持していた。
【0041】本発明を詳細に記載したが、上記の特定の
実施例および実施態様に以下の本発明のクレームが限定
されるものではない。例えば、リベットをストラップ物
質に固定するときに、3.5秒より短い時間が平行機械
スピードおよび圧力を同じにして、より少ない硬さのリ
ベット向きを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリベット型ピーニング粒子支持体の
一態様の平面図である。
【図2】 上記図1の態様の断面図である。
【図3】 本発明の別の態様の支持体の平面図である。
【図4】 図3の態様の断面図である。
【図5】 本発明のさらに別の態様の支持体の平面図で
ある。
【図6】 図5の態様の断面図である。
【図7】 図1の態様の支持体にピーニング粒子がハン
ダ付けされたものを示す断面図である。
【図8】 実施例1で得られたリベットプレフォームの
断面図の金属組織を示す8倍の写真である。
【図9】 実施例2で得られたリベットの金属組織を示
す8倍の断面図である。
【図10】 実施例3で得られた支持体の金属組織を示
す8倍の写真である。
【図11】 ハンダ付け状態でAISI10B21の金
属組織を示す8倍の写真である。
【図12】 急冷状態における化学的にエッチングされ
たAISI10B21リベットの断面の金属組織を示す
8倍の写真である。
【図13】 急冷状態における化学的にエッチングされ
たAISI1010リベットの断面の金属組織を示す4
00倍の写真である。
【符号の説明】
10:リベット、12:幹、14:ヘッド、16:露出表
面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/32 7217−4K // B23K 101:20 (72)発明者 ジェニファー・エル・トライス アメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セ ント・ポール、スリーエム・センター(番 地の表示なし)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露出面に冶金学的に固定された複数のピ
    ーニング粒子を有するタイプの高密度回転ピーニング粒
    子支持体であって、該支持体が本質的に炭素0.08〜
    0.34重量%および残り鉄からなるベース組成を有
    し、かつ、前記露出面下にベース組成より高いニッケル
    含量を有する高ニッケル層を有することを特徴とする改
    良された高密度回転ピーニング粒子支持体。
  2. 【請求項2】 ベース組成がさらにホウ素を0.000
    5〜0.003重量%含む請求項1記載の支持体。
  3. 【請求項3】 炭素の含有量が0.18〜0.23重量
    %である請求項1記載の支持体。
  4. 【請求項4】 炭素の含有量が0.13〜0.18重量
    %である請求項1記載の支持体。
  5. 【請求項5】 支持体がリベット状に常温成形され、ピ
    ーニング粒子が冶金学的にベース組成に混和する請求項
    1記載の支持体。
  6. 【請求項6】 高ニッケル層がニッケルを0.02〜8
    0重量%含量する請求項5記載の支持体。
  7. 【請求項7】 ニッケルがベース組成中に拡散して、厚
    さ0.5mmの高ニッケル層を形成する請求項6記載の支
    持体。
  8. 【請求項8】 ピーニング粒子が粒径0.02〜2.0
    mmを有するタングステンカーバイドショットを含有する
    請求項1記載の支持体。
  9. 【請求項9】 ベース金属素材プレフォームを常温成形
    して支持体を形成し、該常温成形された支持体を支持体
    の応力が除去されるに十分な時間および温度に加熱し、
    多数のピーニング粒子を支持体の露出面に冶金学的に結
    合し、該支持体をオーステナイト化するのに十分な時間
    および温度で加熱し、急冷した後、支持体を焼き戻すの
    に十分な時間および温度で加熱する連続工程からなる、
    露出面にピーニング粒子が冶金学的に固定された回転ピ
    ーニング粒子支持体を製造する方法であって、該金属素
    材が本質的に炭素0.08〜0.34重量%および残り
    鉄からなることを特徴とする、欠陥のないピーニング粒
    子支持体を製造する方法。
  10. 【請求項10】 ベースメタル素材がさらにホウ素を
    0.0005〜0.003重量%含有する請求項9記載
    の製法。
JP4295868A 1991-11-06 1992-11-05 改良された高密度回転ピーニング粒子支持体およびその製法 Pending JPH05228744A (ja)

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