JPH05227918A - 部分的枝切り化デンプン濁り剤 - Google Patents

部分的枝切り化デンプン濁り剤

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JPH05227918A
JPH05227918A JP4022652A JP2265292A JPH05227918A JP H05227918 A JPH05227918 A JP H05227918A JP 4022652 A JP4022652 A JP 4022652A JP 2265292 A JP2265292 A JP 2265292A JP H05227918 A JPH05227918 A JP H05227918A
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debranched
partially
enzyme
dispersion
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JP4022652A
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Chung-Wai Chiu
チュー チュン−ワイ
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National Starch and Chemical Investment Holding Corp
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、部分的に枝切りせしめたデ
ンプンを利用する、液体における安定な、不透明な濁り
を付与するための方法の提供にある。 【構成】 本デンプンは、アミロペクチン、部分枝切り
化アミロペクチン及び最大65重量%の短鎖アミロース
を含んで成る組成物を形成せしめるため、デンプンのア
ルファー−1,6−D−グルコシド結合の酵素加水分解
により製造される。本発明は、液体において安定な不透
明な濁りを形成せしめるのに有用なデンプン、及びエン
ド−アルファー−1,6−D−グルカノヒドロラーゼ例
えばプルラナーゼ又はイソアミラーゼを用いるこれらの
デンプンの製造のための方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は濁り剤(clouding ag
ent)として部分的に枝切りせしめたデンプンを利用
する、液体における安定な不透明な濁りを調製せしめる
ための方法に関する。本発明はこのような試薬及びその
調製方法に関する。
【0002】本明細書に用いる語「不透明度」は、溶液
又は分散体の光の透過量に関する。溶液又は分散体が濁
るに従い、不透明度は高まり、そして光の透過量は減少
する。
【0003】濁り液の分野、特に天然ジュースにおいて
固有の所望される不透明度又は濁りを達成する試みにお
いて、食用油を用いる水中油(oil−in−wate
r)エマルジョンの形成は周知であり標準的な手法であ
る。ボトル詰めされた飲料水において、その濁りは一般
に、シトラス(柑橘類)風味飲料水のためのシトラス油
か、又は非シトラス風味飲料水のための中性植物油(例
えばココナッツ油)により提供されている。この濁りは
飲料水中の油の量に関連して高めることができる。乾燥
飲料の素(mixes)においてこの濁りは、塑性脂
肪、例えば水素化ココナッツ油、ココアバター(米国特
許A−4,529,606号)もしくはトリグリゼリド
(米国特許A−4,705,691号及びA−4,79
0,998号)、又は水素化ココナッツ油無機色素、例
えば二酸化チタン、並びにハイドロコロイド、例えばア
ラビアゴム(米国特許A−3,658,522号)を含
む噴霧乾燥エマルジョンを一体化せしめることにより提
供されている。同様のエマルジョンは液状飲料水系にお
いても利用されている(米国特許A−4,479,97
1号)。
【0004】これらの濁り剤の利用における主な欠点
は、酸化による悪臭並びに油及び脂肪の加水分解に起因
する望ましくない石けん様の風味の出現にある。この問
題は複雑であり、なぜならこの石けん様の望ましくない
風味は貯蔵の間に生じるものであり、従ってその製品が
販売される迄発見されないことがあるためである。ボト
ル及び缶飲料水におけるこの異臭の出現は例えば熱並び
に/又は日光等の要因に起因しうる。乾燥飲料混合物に
おける異臭の出現は種々の要因、例えば最初の脂肪の不
完全な固定、加工の際の脂肪の遊離(リボンブレンダー
処理の際に加えられる機械的な力及び/もしくは熱に基
づく)、又は悪い保存条件(即ち、高温及び高湿)に起
因しうる。脂肪の存在は更なる問題、例えば配合物の凝
集及び水に再溶解せしめる際の配合物の不溶性化をもた
らす。このような異臭の問題を解決するための酸化防止
剤の利用は望ましくなく、そしてしばしば政府の基準に
より制限される。従って無油及び無脂肪の濁り剤が開発
されてきた。
【0005】安定な無油及び無脂肪乾燥濁り剤は開示さ
れている。1つは、大量の可溶化マルトデキストリン並
びに微量のキサンタンガム及び二酸化チタンを含む水性
分散体を乾燥せしめることにより製造される無脂肪濁り
剤である(米国特許A−4,187,326号)。他方
は、濁りを提供するためのノンダイアリーベース(no
n−diarybase)及び新鮮なオレンジ風味料エ
マルジョンの組合せを含む(“Breakfast Orange Drink
Sources Formulation Breakthrough ”, Processed Pr
epared Food , 1980年6月、頁116)。このノンダイアリ
ーベースは安定剤の組成分であり、これはペクチン、カ
ルボキシメチルセルロース、キサンタンガム及びカラギ
ーナンギムも含む。一般にノンダイアリーベースは20
〜50%の油又は脂肪を含む安定化乾燥エマルジョンで
ある。
【0006】飲料濁り剤系はタンパク質−安定化脂肪エ
マルジョン(米国特許A−4,790,998号)及び
デンプン分散体(米国特許A−4,349,577号)
からも調製されている。その他のデンプン−含有(米国
特許A−4,529,613号)及びペクチン−含有
(米国特許A−4,529,613号)飲料濁り剤が報
告されている。
【0007】本発明の目的は、あらゆる液体、特に飲料
水及び飲料水の素に用いられうる簡単な無油及び無脂肪
濁り剤並びに予備濁り剤(precloud)の提供に
ある。
【0008】無脂肪濁り剤としてのデンプンの利用は貯
蔵に基づく希釈デンプン分散体の老化の傾向により、最
適な結果を満足せしめなかった。このデンプン濁り剤は
不安定であり、その理由は、このデンプンの老化に従
い、これらが液状分散体から沈殿化する傾向にあるから
であった。
【0009】デンプンは、約20〜25%のアミロース
及び約75〜80%のアミロペプチンがコンパクトな顆
粒構造に組合わさった混合物を一般に含んで成る。アミ
ロースは無水D−グルコース単位の直鎖ポリマーであっ
て、アルファー−1,4−D−グルコシド結合により連
結しているものである。アミロペクチンはアミロース鎖
の大きな分枝ポリマーであって、アルファー−1,6−
D−グルコシド結合により樹木状構造において連結して
いるものである。このデンプンが由来する種々の植物に
依存して、アミロースは通常250〜12,500個の
無水D−グルコース単位を含み、そしてアミロペクチン
は400,000〜3,125,000個の無水D−グ
ルコース単位を含む。
【0010】低分子量のオリゴ糖及び砂糖、例えばデキ
ストロース(グルコース)の商業的製造のため、デンプ
ンを糖化及び枝切りせしめる酵素又は酵素の混合物がデ
ンプン糖化処理に利用されている。デンプンの糖化は、
酸、酸化剤、熱、アルカリ又はアルファー−アミラーゼ
酵素による処理によるデンプンの低分子量成分への分解
である。デンプンの酵素的糖化は、アミラーゼによる優
先的なアルファー−1,4−D−グルコシド結合の加水
分解、及びアルファー−1,6−D−グルコシド結合の
限定されたわずかな加水分解を含む。
【0011】デンプンの薄手糊(低粘度)デンプンへの
酵素的糖化において、分枝状のフラグメントの加水分解
は不完全である。しかしながら、砂糖の製造のために
は、完全なるデンプンから砂糖への転化が所望され、従
ってアルファー−1,4−D−グルコシド結合の酵素的
加水分解の後に完全に残っている分枝状のアルファー−
リミットデキストリン(アルファー−アミラーゼによる
更なる加水分解に耐えうる分枝状デンプンフラグメン
ト)を分解せしめるために枝切り酵素を用いる。デンプ
ンを液状化及び糖化せしめる酵素、グルコアミラーゼを
この目的のために利用する。グルコアミラーゼは迅速に
アルファー−1,4−D−グルコシド結合を加水分解せ
しめ、そしてゆっくりとアルファー−1,6−D−グル
コシド結合を加水分解せしめてグルコースを遊離させ
る。枝切り酵素、例えばプルラナーゼ又はイソアミラー
ゼであって、アルファー−1,6−D−グルコシド結合
のみを迅速に加水分解せしめ、短いアミロース鎖を遊離
せしめる酵素を、デキトロース高含量シロップの製造の
効率性を改善せしめるためにグルコアミラーゼ及びアル
ファー−アミラーゼと一緒に用いることが提案された。
これらのシロップは結晶状デキトロース及びフルクトー
ス高含量コーンシロップの製造における出発材料であ
る。Maize の、Recent Progress in Chemistry and Te
chnology, 頁157-179,Academic Press, Inc.(1982) 、
及びSlominska, L. らのStarch/Starke, 11:386-390
(1985) を参照のこと。
【0012】更に、枝切り酵素(デンプンから短鎖アミ
ロースを遊離せしめる酵素)が、低カロリーアルコール
飲料の製造において分枝状デンプンフラグメントの発酵
率を高めるため;ベーター−アミラーゼを伴ってデンプ
ンからのマルトースの製造において;低DEマルトデキ
ストリン(30〜55個のグルコース単位)の製造にお
いて水性エマルジョン中におけるタンパク質の凝集を誘
発せしめるため;そしてデンプンの、高含有量の二糖及
び三糖を有する可溶性シロップへの酵素的糖化におい
て、利用することが考えられている。このような枝切り
酵素の用途は、デンプンの糖化処理に続く分枝状デンプ
ン又はデキストリンフラグメントの存在によって現れる
問題に向けられている。各用途において、この枝切り酵
素は、デンプンを種々の低分子量フラグメント例えば砂
糖又はマルトデキストリンへと完全に糖化せしめること
において利用されている。デンプンの沈殿、吸着及びゲ
ル化特性は失われる。
【0013】純粋な、又はアミロペクチンを含まない低
分子量アミロースを得るための、実質的に全てのアルフ
ァー−1,6−グルコシド結合の加水分解による完全枝
切り化デンプンのための枝切り酵素の利用はSugimotoら
の米国特許3,730,840号;Kurimotoらの米国特
許3,881,991号;及びYoshida の米国特許3,
879,212号に教示されている。これらの特性はデ
ンプンから砂糖及びその他の可容性フラグメントへの糖
化を教示していない。これらの特許の目的は、純粋な短
鎖アミロースの製造にある。任意の残っているアミロペ
クチンの存在は不快感をもたらすと言われている。
【0014】酵素に関連するデンプン操作の背景は、有
用なデンプン組成物が、デンプンのアミロペクチン成分
を部分的に枝切りせしめる枝切り酵素を利用して(この
デンプンの実質的な糖化を伴って、又は伴わずに)短鎖
アミロース、アミロペクチン及び部分枝切り化アミロペ
クチンの混合物を得ることにより調製されうることを予
想していない。本発明の部分枝切り化デンプンの機能特
性は新規である。更に、液状分散体において利用されう
る油及び脂肪含有濁り剤を全体的に、又は部分的に代替
するものとしての、部分的枝切り化デンプンのための酵
素処理の利用について提案している論文はない。酵素処
理は、特に「自然」な製品についての要求に固執する食
品及び化粋品用途において、その他のデンプン改質処理
に勝る大きな利点を提供する。
【0015】本発明は、部分的に酵素的に枝切りされ、
そして希釈分散体中においていづれの天然デンプン又は
完全分枝化デンプンよりも沈殿化に対して安定であるデ
ンプンを利用する、液体中における安定な不透明濁り剤
を製造するための方法を提供する。
【0016】本発明は更に、液体において安定な不透明
濁りを形成せしめるのに有用なデンプン、及びアルファ
ー−1,6−D−グルカノヒドロラーゼ例えばプルラナ
ーゼ、イソミラーゼ又はアミロ−1,6−グルコシダー
ゼを用いるこれらのデンプンの製造のための酵素的処理
を提供する。
【0017】該部分的枝切り化デンプンは、部分枝切り
化アミロペクチン、短鎖アミロース及び任意的にアミロ
ペクチンの混合物を、枝切りの程度をコントロールする
こと及びデンプン原料を選択することにより、特定の用
途のために調整した割合において含んで成る。複数種の
原料、例えばトウモロコシ由来のデンプンであって長鎖
アミロースを含むものは、酵素処理後も長鎖アミロース
を保持する。最終用途及び選んだデンプン原料に依存し
て、アルファー−1,6−グルカノヒドロラーゼによる
処理によってこのデンプンは枝切りされ、このデンプン
の65重量%迄が短鎖アミロースに枝切されうる。
【0018】本発明の処理において利用される酵素処理
は、アルファー−1,6−D−グルコシド結合を含む任
意の予備糊化デンプンにおいて実施されうる。部分的に
枝切りせしめたデンプンを調製することにおいて、この
デンプンを適切な原料から選出し、そして水にスラリー
化せしめる。次にこの混合物を加熱せしめてデンプンを
糊化せしめる。必要ならば、このデンプンを顆粒状にお
いて用いることができるが、しかし顆粒状のデンプンの
酵素分解はゆっくりと進行する。この混合物の温度及び
pHを、使用する特定の酵素に最適となるように調整し、
そして次にこのスラリーを酵素と接触させる。
【0019】この酵素は、デンプン分子のアルファー−
1,6−D−グルコシド結合を加水分解でき、そしてア
ルファー−1,4−D−グルコシド結合の有意な度合い
の加水分解を全っくできない内酵素(endo−enz
yme)でなければならない。この内酵素は、デンプン
分子の1,6−結合を加水分解せしめることはできる
が、1,4−結合を加水分解せしめることはできないた
め、このような枝切り処理の残渣は分枝鎖分子に対して
より高い比率の直鎖分子をその出発材料に比べて常に含
む複合混合物である。従って、部分的に枝切りせしめた
デンプンの組成及び特性は、糖化デンプン生成物(即
ち、薄手糊デンプン、オリゴ糖、砂糖及びデキストリ
ン)のそれ、又は完全枝切り化デンプン生成物(即ち、
短鎖及び長鎖アミロース)のそれとも似つかない。
【0020】該酵素により、デンプンを消化せしめてこ
のデンプンの65重量%迄又は所望の終点(即ち、液状
分散体における安定な不透明濁り剤を提供せしめるのに
十分な枝切り)が達成される迄、短鎖アミロースを枝切
りせしめる。通常、この分解は温度、酵素及び基質濃度
並びにその他の処理の変化に依存して、24時間迄、又
はそれより長い範囲の時間にわたり行われうる。次にこ
の酵素分解を熱、化学剤の添加又はその他の酵素を不活
性化せしめる当業界において周知の方法により停止せし
める。この部分枝切り化デンプンを、攪拌しながら室温
に迄冷やし、所望の不透明度が達成される迄「予備老
化」(即ち、熟成(age)又は硬化(tempe
r))せしめる。この部分枝切り化デンプン組成物を噴
霧乾燥、ドラム乾燥、又は予定する利用のために適切な
形に回収せしめてよい。
【0021】本明細書の酵素分解化デンプンの調製に利
用されうるデンプンは、トウモロコシ、タピオカ、ワキ
シーメイズ(waxy maize)等に由来しうる。
又、上記の任意のデンプンに由来する糖化生成物であっ
て、酸化、アルファー−アミラーゼ糖化、温和な酸性加
水分解もしくは加熱デキストリン化により調製された液
状又は薄手糊デンプンを含むものが含まれる。誘導デン
プン、例えばエーテル及びエステル、並びにその他の改
良デンプンも利用されうる。
【0022】このデンプンは好ましくは糊化デンプン
(予備加熱された、水膨潤性デンプン)であり、そして
温和な酸性分解、加熱デキストリン化又は当業界におい
てよく知られる複数の方法の1つにより糖化された液状
デンプンでもありうる。Handbook of Water-Soluble Gu
ms and Resins (R.L.Davidson 編集、McGraw Hill, In
c.,New York, New York, 1980) におけるM.W.Rutenberg
の“Starch and Its Modifications”頁22−36を参照
のこと。必要ならば、液状デンプンを製造するために、
Lacourseらの米国特許4,762,957号に開示の方
法において、デンプンをアルファー−アミラーゼによる
処理によって糖化せしめてよい。1もしくは複数のこれ
らの糖化技術の組合せを利用できうる。糖化は一般に誘
導化又は架橋化の前に実施されるが、しかし酵素処理の
前又は後に実施してよい。高粘性枝切り化デンプンを所
望する場合、このデンプンを糖化せしめる必要はない。
【0023】低粘性デンプンが所望される場合、約60
迄の水流動度(water fluidity:WF)
に糖化せしめたデンプン、例えばワキシーメイズが好ま
しい。水流動度は0−90のスケールに基づく粘度の実
験測定値であり、ここでこの流動度は比粘度である。
【0024】もし糖化デンプンが所望されるならば、ア
ルファー−アミラーゼを用いる酵素的糖化が好ましい糖
化方法である。このアルファー−アミラーゼ糖化は、加
熱せしめたデンプン分散体において所望の粘度が達成さ
れる迄実施される。このアルファー−アミラーゼを不活
性化せしめ、枝切り酵素をこのデンプン分散体に加え、
そして枝切りを所望の終点が達成される迄実施する。こ
の2段階酵素処理は好適であり、その理由は糖化及び枝
切りが単独の加熱、濾過及び/又は乾燥操作を伴って実
施できるからである。その他の酵素、例えばベーター−
アミラーゼを、デンプンの更なる改良のためにこれらの
酵素と一緒に利用してよい。
【0025】その他の生成物のためには、所望の粘性及
び機能特性をもたらす任意の度合いの置換もしくは糖化
レベルのため誘導化が、酵素的枝切りの前又は後に利用
されうる。例えば、もしこの枝切り化デンプンを飲料水
油乳化剤及び濁り剤として用いるなら、オクテニルコハ
ク酸誘導体(OSAデンプン)が好ましい。0.25〜
3.0重量%のオクテニルコハク酸を含むデンプンエス
テル誘導体を生成せしめるため、デンプンをオクテニル
コハク酸無水物と処理せしめる。
【0026】好ましい態様において、デンプン誘導体を
調製した後の次の段階は、この誘導デンプンの糊化のた
めのこの誘導デンプンの水性分散体の加熱である。この
糊化処理は、未処理デンプン顆粒内のデンプン分子の会
合結合を完全に、又は部分的に破壊せしめ、これにより
該酵素により感受性の分子を作り、そして該酵素がより
容易に且つより均一にこのデンプン分子を枝切りせしめ
ることを可能にする。該デンプンのスラリーを糊化せし
めたら、最適な活性を提供するためにこの分散体の温度
及びpHを調整する。
【0027】酵素活性のための最適なパラメーターは利
用する酵素に依存して変わるであろう。従って、酵素の
枝切り速度は、酵素濃度、基質濃度、pH、温度、阻害剤
の有無及びその他の要因に依存する。酵素の種類又はそ
の起源に依存して、種々のパラメーターは最適なる枝切
り速度を達成せしめるために調整を必要とすることがあ
る。一般に酵素的枝切りは、最適な枝切り速度を維持し
ながらこのデンプンのその後の乾燥を促進せしめるよ
う、最大の可能な固形含有量において実施される。例え
ば、本明細書で用いるプルラナーゼについては、濁り剤
として利用するのに適切なデンプンを製造するために、
固形分が最大28%に範囲する予備加熱デンプンが好ま
しい。
【0028】固形分高含有デンプン系(例えば固形分5
0%以上)は、酵素と高含有固形分のデンプンを均一に
混合せしめるための適切な攪拌を提供する工程によりこ
のデンプンが糊化されるならば利用されうることを当業
者は理解するであろう。当業者は、酵素的枝切り処理の
温度、処理時間及びその他のパラメーターを高含有固形
分に合わせなくてはならないことも理解するであろう。
より高含量の固形分のデンプン分散体を利用する工程は
本発明の範囲に属し、そして本明細書の改良デンプンの
調製のために利用されうる。
【0029】本発明の方法は主にプルラナーゼ(E.
C.2.3.1.41;プルラン6−グルカノヒドロラ
ーゼ)の利用によって主に示されているが、その他の酵
素化合物例えばイソアミラーゼ(E.C.3.2.1.
68)又はその他の内酵素であって、デンプン分子の
1,6−結合を特異的に切断し、実質的に完全に1,4
−結合を残し、そして短鎖アミロースを遊離せしめるも
のも本明細書の枝切り化デンプンを調製するに用いるこ
とができる。
【0030】好ましい態様において、利用する酵素は新
規なバチルス(Bacillus)属の種由来の熱安定
性プルラナーゼである。このプルラナーゼは少なくとも
2個のグルコース単位を側鎖に有するプルラン及びアミ
ロペクチンにおけるアルファー−1,6結合の加水分解
を触媒せしめる。プルランは、アルファー−1,6−結
合により連結したD−グルコピラノシルトリオース単位
より実質的に成る直鎖ポリマーである。
【0031】酵素及び基質の最適なる濃度は、酵素の起
源、酵素の供給元及び市販されているバッチにおいて提
供される酵素の濃度に依存して変化しうる酵素活性のレ
ベルに支配される。本発明の方法は溶液中における酵素
を利用するが、固相支持体上に固定せしめた酵素の利用
方法も本発明の範囲に属するであろう。
【0032】反応は、pHを分解にわたり最適なレベルに
確実にせしめる緩衝剤の存在下において行ってよい。緩
衝剤例えば酢酸、クエン酸又はその他の弱酸の塩類が許
容される。その他の試薬を酵素活性を最適化せしめるの
に用いてよい。この反応は約3.0〜7.5のpHの範囲
において実施でき、好ましくは4.5〜5.5の範囲で
あり、そして温度が60℃、酵素がバチルス属プルラナ
ーゼの場合は5.0が最適である。
【0033】酵素的枝切りの際、この水性デンプン分散
体はバチルスプルラナーゼのため、約25〜100℃、
好ましくは55〜65℃の範囲、そして最適には60℃
の温度にて、pH5.0に保つべきである。しかしなが
ら、もしより短い処理時間を所望するならば、60〜6
5℃の範囲の温度はより高い酵素濃度を用いてよい。他
方、デンプンから短鎖アミロースをもたらしめる熱的安
定性枝切り酵素をここで用いるのに選んだ場合、より高
い温度を利用してもよい。酵素反応のその他のパラメー
ターに従い、好ましく且つ最適な温度の範囲はその他の
パラメーター例えば基質濃度、pH及び酵素活性に影響を
及ぼすその他の要因における変化に伴い、当業者により
変更及び決定されうる。
【0034】この酵素処理は枝切り化の所望のレベルが
達成される迄続ける。酵素的処理の進行は種々の方法に
より測定されうる。特定のデンプン組成物を得るための
全ての重要なパラメーターが確立されたなら、次にこの
処理を時間における予備決定した相対終点迄行う。この
終点は、粘度における変化により、ゲル濾過クロマトグ
ラフィーにより、還元基含有量により、ヨウ素反応又は
その他の任意の当業界におけるデンプン分子の酵素的枝
切り化の度合を測定する周知の方法により測定されう
る。
【0035】好ましい態様において、この枝切りの終点
は以降の実施例の例1に記載のロート(funnel)
粘度方法を用いる、22℃(72°F)でのデンプン分
散体の粘度の測定により決定される。このロート粘度方
法は迅速で簡単な粘度測定のための方法であり、ここで
は基準量のデンプンスラリーが基準サイズのロートを通
過するために必要な時間を記録する。
【0036】第2の態様において、デンプンの枝切りの
度合いはゲル濾過クロマトグラフィーにより測定され
る。このデンプンを異なる分子量画分に選別した後、短
鎖アミロースのパーセンテージを、低分子量の部分枝切
り化デンプンの重量%を計算することによって決定す
る。これらのパーセンテージは、この枝切り酵素によっ
てアミロペクチンから遊離した短鎖アミロースの量にほ
ぼ相等することを当業者は理解するであろう。ゲル濾過
クロマトグラフィーにおける実験誤差(例えば、酵素に
よる夾雑物、あるいはデンプン、酵素溶液、緩衝剤もし
くはその他の処理化合物により誘導された糖又はデキス
トリンに起因する)は、このデンプンの短鎖アミロース
の%より最大5%迄多くの低分子量画分をもたらすこと
がある。
【0037】特定の用途のために必要なデンプンの枝切
り化の度合いは、利用するデンプンのタイプ、任意の置
換基の存在及び種類並びにされているならば糖化の度合
いに依存する。
【0038】あらゆるアミロペクチン−含有量のデンプ
ンが用いられうるが、部分的酵素枝切りの効率はアミロ
ペクチンの含有量が高まるに従ってより劇的になる。従
って、約100%のアミロペクチンを含むワキシーメイ
ズが好ましい。最大65%迄のワキシーメイズデンプン
が短鎖アミロースへと枝切り化されうる。ワキシーメイ
ズデンプンの枝切りは、少なくとも35%の部分枝切り
化アミロペクチンが残るようにコントロールすべきであ
る。
【0039】好ましい態様において、ワキシーメイズデ
ンプン又はその他のワキシーデンプン(例えばワキシー
米、もしくはバーレーデンプン)を部分的に枝切り化せ
しめ、水性デンプン分散体における不透明な濁りを形成
せしめるのに十分な短鎖アミロースを作る。もしワキシ
ーメイズデンプンを用いるならば、好ましくはこのデン
プンは20〜60%の短鎖アミロースを含んで成る。酸
糖化せしめたワキシーメイズのためには、30〜50%
の短鎖アミロースを得るような枝切りが好ましい。
【0040】所望するデンプンの枝切り化の度合いが達
成されたら、この酵素を不活性化せしめる。プルラナー
ゼは約70℃以上の温度で直ちに不活性化され、従って
この反応はこのデンプン分散体の温度を少なくとも75
℃に上昇せしめて約15分間で容易に停止する。
【0041】酵素的加水分解を停止せしめたら、この部
分枝切り化デンプン分散体を攪拌しながら室温に冷やす
ことによって予備老化せしめる。この段階は、この分散
体をゆっくり攪拌しながら約20〜30℃にて約10〜
30時間にわたり熟成又は硬化せしめることにより達成
されうる。これは、攪拌を伴ってより短い時間(即ち、
0.5〜10時間)にわたる迅速な冷却によっても達成
されうる。この段階は、部分枝切り化デンプンにより形
成される濁りの不透明度及び安定性を改善せしめる。
【0042】最終用途がこのデンプンの精製を必要とす
るなら、この反応不純物及び副産物を透析、濾過、イオ
ン交換処理、遠心又はその他当業界において周知のデン
プンの単離及び回収のための方法により除去してよい。
【0043】最終用途のために乾燥デンプンが所望され
る場合、このデンプンを当業界において周知の方法によ
り脱水してよい。
【0044】本発明は部分枝切り化デンプンを含み、且
つ濁り剤として有用であるあらゆるデンプン混合体を含
むことが理解される。従って、本発明は部分枝切り化デ
ンプン並びにその他の配合体、例えば化学改質デンプ
ン、その他のポリマー、風味油及びその他の濁り添加剤
を含み、そして部分枝切り化デンプンのための複数段階
処理であって一つの段階において酵素を利用する処理を
含む。例えば、本発明は複数段階処理並びにデンプン混
合体であってそのデンプンが部分酵素枝切りにかけられ
る他に糖化、誘導化、架橋又は改質化されているものを
含む。
【0045】以下の実施例は本発明の態様をより完全に
例示する。これらの実施例において、何らかの記載がな
い限り全ての部及びパーセンテージは乾燥重量を基礎と
して付与し、全ての温度はセッ氏温度で示す。
【0046】
【実施例】例1 本例は、本発明の方法による代表的な部分枝切り化デン
プンの製造を例示する。
【0047】デンプンを、糊化及びプルラナーゼによる
処理の前に、利用できるように糖化、誘導化又は架橋化
せしめた。何らかの記載がない限り、デンプンを糖化せ
しめるためには、150部の水中の100部のデンプン
スラリーを52℃に加熱し、一定量の塩酸(1.75
%)を加え、そしてこの混合物を52℃で16時間攪拌
せしめている。この加水分解は、この混合物をアルカリ
(3%の水酸化ナトリウム溶液)によりpH5.5に中和
せしめることによって停止せしめた。この糖化デンプン
を濾過により回収し、洗浄し、そして乾燥させた。
【0048】デンプンの誘導化 オテニルコハク酸誘導体を調製するため、100部のデ
ンプンを150部の水にスラリー化せしめ、pHを水酸化
ナトリウムにより7.5に調整し、そしてこのpHをアル
カリにより7.5に維持しながら一定量のオクテニルコ
ハク酸無水物をゆっくり加えた。この反応は、更なるア
ルカリの添加が必要でなくなった際に完了とした。この
pHを4.0〜6.5に調整し、そして得られる誘導体を
濾過により回収し、洗浄そして乾燥した。
【0049】酢酸誘導体を調製するため、100部のデ
ンプンを150部の水にスラリー化せしめ、3%の水酸
化ナトリウムによってpHを8.3に調整し、そしてこの
pHを前記のアルカリによって8.3に維持しながら一定
量の酢酸無水物をゆっくり加えた。この反応は、更なる
アルカリの添加が必要となくなった際に完了とした。こ
のpHを4.0〜6.5に調整し、そして得られる誘導体
を前記の通りに回収した。
【0050】架橋化デンプンは、100部のデンプンを
150部の水にスラリー化せしめ、0.8部の水酸化ナ
トリウム、1.0部の塩化ナトリウムを加え、そして次
に一定量のオキシ塩化燐を加えて調製した。このスラリ
ーを室温で3時間攪拌した。反応が完了したら、このpH
を酸により5.5に調整した。このデンプンを濾過によ
り回収し、洗浄し、そして乾燥した。
【0051】デンプンの脱分枝化 水性スラリー(固形分20−30%)を、所望のデンプ
ンを用いて調製した。このデンプンを糊化せしめるた
め、この水性デンプンスラリーを約149℃(300°
F)にてジェット加熱(jet cooking)せし
めた。この加熱デンプン分散体を恒温槽に入れ58−6
0℃で一定に攪拌しながら放置した。このpHを3%の塩
酸により5に調整した。
【0052】用いるデンプンの種類及びアミロペクチン
含有量に依存して、100gのデンプン当り0.5〜1
0.0mLのプルラナーゼをこの加熱デンプン分散体に加
えた。利用したこのプルラナーゼ(E.C.3.2.
1.41、プルラン6−グルカノ−ヒドロラーゼ)はバ
チルス属の新規な種により得られるものである。この酵
素(プロモザイム(Promozyme):商標)はデ
ンマーク国のノボインダストリー(Novo Industri)A/
Sから入手した。1.25g/mLの溶液におけるプロモ
ザイムの酵素活性は200 PUN/mLの溶液に標準化され
ている。1 PUN(プルラナーゼユニットノボ)は、標準
の条件のもとでプルランを加水分解せしめ、1分間当り
1マイクロモルのグルコースに相当する還元力によって
還元炭水化物を遊離せしめる酵素の量である。PUNを
測定するための方法はノボインダストリーA/Sから入
手できる。
【0053】従って、コーンスターチを用いたデンプン
分散体において、100gのコーンスターチ当り125
PUNのプルラナーゼをこの分散体に加えた。ワキシーメ
イズスラリー(より高いアミロペクチン含有量を有す
る)については、100gのワキシーメイズ当り750
PUNのプルラナーゼをこの分散体に加えた。
【0054】枝切り化の値は最初にロート粘度試験によ
り、そして次にゲル濾過クロマトグラフィーにより測定
した。
【0055】水流動度測定 水流動度(WF)は0〜90WFのスケールにおける、デ
ンプンの糖化度の値の測定値である。これは粘度と反比
例する。即ち、WFが上昇するに従い、粘度は低下す
る。水流動度の測定のための方法は、Zwiercanらにより
1985年2月12日出願の米国特許−A−4,49
9,116号に開示されている。
【0056】ロート粘度測定 固形分19%のロート粘度を測定するため、38gのデ
ンプン(無水ベース)を温度計を含む250mLの風袋を
計ったビーカー(ステンレススチール製)に秤量し、そ
して蒸留水により総重量を200gにした。このサンプ
ルを混合して全ての塊りを溶解せしめ、そして22℃
(72°F)に加熱又は冷却せしめた。全量100mLの
加熱デンプン分散体をメスシリンダーにて測った。次に
これを、目盛付きロートの中に、その出口を指で閉じな
がら注ぎ入れた。取り込まれた空気全てを除去するため
に少量をこのメスシリンダーに流し入れ、そしてこのメ
スシリンダーに残った全てをこのロートに戻し入れた。
タイマーを用い、100mLのサンプルがこのロートの先
端を通過するのに要した時間を記録した。
【0057】このロートはスタンダード58°、肉厚
の、耐性ガラス製ロートであり、その頭部の直径が約9
〜10cm、ステムの内径が約0.381cmのものであっ
た。上記の方法を用いこのロートを検量化せしめ、10
0mlの水が6秒で通過した。
【0058】コーンスターチ(苛性)のロート粘度 コーンスターチを用いる場合に起こるデンプンの老化に
基づき、枝切り化デンプンについてのロート粘度測定を
以下の通りに改良した。 1:このデンプンサンプル重量を15g(無水物ベー
ス)に下げた; 2:十分に熱い(少なくとも90℃)湯をこのデンプン
に加えて総量150gにした; 3:25%w/v水酸化ナトリウム溶液15gをこの加
熱デンプンスラリーに加えた; 4:攪拌しながら、このスラリーを22℃(72°F)
に冷やし、そして前記の通りに測定を実施した。
【0059】ゲル濾過クロマトグラフィー 5mgのデンプンを、0.03Mの硝酸ナトリウムを含む
ジメチルスルホキシド(DMSO)4mlにスラリー化せ
しめ、そしてこのデンプンを溶解するために少なくとも
30分間80℃にてこのスラリーを加熱せしめることに
よって、分析のためのデンプンを準備した。サンプル
(200μl)をALC/GPC−150Cクロマトグ
ラフ(Waters Associates, Milford, Massachusetts)
(ネルソン(Nelson)3000シリーズ クロマトグラ
フィーデーターシステム及び2本のPLゲルの混合した
10μmのカラム(Polymer Laboratory, Amherst, Mas
sachusetts) が装備され、移動相として0.03Mの硝
酸ナトリウムを含むDMSOを利用)に注入し、そして
1ml/min.の速度で溶出せしめた。このカラムをデキス
トラン標準品(Pharmacia Fine Chemicals, Piscatawa
y, New Jersey)より入手の、分子量2,000;2
0,000;80,000;500,000;及び2,
000,000)を用いて検量化せしめた。短鎖アミロ
ースの%は、分子量範囲500〜20,000内におい
て得られるピークの相対面積から計算した。
【0060】枝切り化OSAワキシーメイズデンプンの
調製 上記の方法を利用し、4,000gのワキシーメイズデ
ンプンを1%のオクテニルコハク酸無水物(OSA)と
反応せしめることによってOSAデンプン誘導体を調製
した。このデンプンをpH5.0でジェット加熱し、23
%のデンプン分散体が得られた。プルラナーゼ(80m
l)を58℃にて攪拌しながらこの分散体に加えた。2
4時間後、固形分19%及び22℃(72°F)でのロ
ート粘度は35秒であった。
【0061】更なるプルラナーゼ80mlを58℃にて加
え、そしてこの分散体を更に3時間攪拌することによっ
て枝切りを続けた。このプルラナーゼを、この分散体を
約80℃に加熱することによって不活性化せしめた。固
形分19%及び22℃(72°F)でのロート粘度は1
2秒であった。このデンプン分散体を、入口温度200
−210℃及び出口温度80−90℃にて噴霧乾燥せし
めた。この噴霧乾燥デンプンを#40のメッシュスクリ
ーンにより篩分けした。
【0062】OSAワキシーメイズの第2サンプル
(4,000g)を調製し、そして第1サンプルと同様
の方法であるが、但し20mlのプルラナーゼを単独の添
加において利用して枝切りせしめた。枝切りを2時間続
け、固形分10%及び22℃(72°F)にてロート粘
度が50秒であった。このサンプルを第1サンプルと同
様の方法において噴霧乾燥せしめた。
【0063】例2 本例は酵素イソアミラーゼ(グリコーゲン6−グルカノ
−ヒドロラーゼ;EC.3.2.1.68)を用いた部
分枝切り化デンプンの製造を例示する。
【0064】加熱した、固形分24%のワキシーメイズ
デンプン(2,500g)の分散体を5,000ユニッ
トのシュードモナス アミロデラモーザ(Pseudo
monas amyloderamosa)イソアミラ
ーゼ(Sigma Chemical Company, St.Louis, Missouriよ
り入手)によって処理した。このイソアミラーゼ1ユニ
ットは、コメデンプンを基質として用い、1時間におい
て0.1の吸光度(A 610 )の上昇をもたらす。
【0065】このデンプン分散体をpH4.0にて45℃
に加熱し、この酵素を加え、そしてこの混合物を26時
間攪拌した。この混合物の一部を取り出し、この酵素を
不活性化せしめるために80℃に加熱し、そして噴霧乾
燥し、そして例1の通りに篩分けした。このデンプン混
合物の残りの部分を全部で43時間にわたり酵素処理
し、そしてこの酵素を不活性化せしめ、そしてこのデン
プンを前記の通り乾燥及び篩分けした。
【0066】このイソアミラーゼ加水分解により得られ
る短鎖アミロースの量をゲル濾過クロマトグラフィーに
より測定した。26時間のサンプルは短鎖アミロースを
21.9%、そして43時間サンプルは28.4%含ん
だ。
【0067】例3 本例は、本発明の処理時間、ロート粘度(又は水流動
度)及びデンプンの短鎖アミロースの%の関係を説明す
る。
【0068】例1の部分酵素枝切り処理は表1に記載の
デンプンに基づいて行った。
【0069】ロート粘度及び短鎖アミロースの%は前記
の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】この結果、一般に反応時間を長くするに従
い、短鎖アミロースの%は上昇し、そしてロート粘度は
非直線状態において低下する。従って、この酵素的枝切
りの進行の測定のため、これらの1もしくは複数の測定
が利用できうる。
【0072】例4 本例は不透明剤として有用な部分枝切り化デンプンの調
製のための好適な手段を例示する。
【0073】三種のデンプンをここでは用いた。タピオ
カ及びワキシーメイズデンプンサンプルは、更なる改質
を伴わずに利用し、そしてワキシーメイズデンプンのサ
ンプルは例1の方法を利用して50WF迄酸糖化せしめて
いる。糊化デンプンスラリーは例1の通りに調製した。
【0074】全体で、100gのデンプン当り30mlの
プルラナーゼ、及び100gのデンプン当り0.5mlの
プルラナーゼを異なるバッチに加え、このワキシーメイ
ズデンプンの18〜22時間の酵素処理後にそれぞれ9
〜10秒及び18秒のロート粘度(固形分19%及び2
2℃(72°F)で)が得られた。タピオカデンプン
は、100gのデンプン当り0.2mlのプルラナーゼを
用いることにより56秒のロート粘度(固形分19%及
び22℃にて)迄枝切り化せしめた。その他のタピオカ
デンプンサンプルは、100gのデンプン当り0.42
mlのプルラナーゼを用いることにより、76.2秒及び
56.3秒(固形分10%及び22℃にて)迄枝切り化
せしめた。
【0075】この枝切り処理は、予備老化段階を噴霧乾
燥前に行ったこと以外は例1と同じであった。
【0076】この予備老化段階において、分散状態にお
ける部分枝切り化デンプンを、ゆっくりと攪拌しながら
室温で24時間にわたり熟成せしめた。例1の方法によ
る噴霧乾燥の前に、このデンプン分散体を55℃の温度
に加熱した。
【0077】安定な不透明剤としてのこのデンプンの有
用性は例6の光透過方法により測定した。表2に示す通
り、この予備老化サンプルは、種々の処理レベルでの優
れた安定性を伴って、より不透明な濁りを形成せしめ
た。
【0078】
【表2】
【0079】A.予備老化段階無し。 B.予備老化段階利用。 C.%透過率が上昇するに従い、不透明度は減少する。
例6参照。 D.24時間後の高%透過率は、この分散体からのデン
プンの沈殿化におそらく起因する。
【0080】例5 本例は枝切りせしめた糖化デンプンのための好ましい方
法を例示し、ここでこの糖化及び枝切り処理は二段階の
酵素処理において実施される。
【0081】加熱せしめたワキシーメイズデンプンの分
散体(固形分22%)を、85℃、pH5.0にてアルフ
ァー−アミラーゼ(72 KNV/kgデンプン)(ノボイン
ダストリー、AS、デンマーク国より入手;商標名ノボ
バン1200(Novo Ban 1200)で市販)
により処理した。1キロノボアルファー−アミラーゼユ
ニット(1KU)は、1時間当りに5.26gのデンプン
を、0.0043Mのカルシウムの存在下において37
℃、pH5.6、7〜20分間にて可溶性デンプンを利用
するノボの標準方法において分解せしめる酵素の量であ
る。この分散体が所望の粘性に達したら(表3参照)、
このアルファー−アミラーゼを95℃で30分間加熱す
ることによって不活性化せしめた。
【0082】このデンプン分散体を58℃に冷やし、そ
してプルラナーゼにより処理した(5,000PU/kgデ
ンプン)。所望の粘性に達したら(表3参照)、このプ
ルラナーゼを80℃で30分間加熱することによって不
活性化せしめた。このデンプン濁り剤は、この分散体を
室温に冷やし、24時間熟成させることにより形成せし
めた。このデンプン濁り剤の不透明度を例6の光透過率
方法により測定した。結果を表3にまとめた。
【0083】
【表3】
【0084】例6 本例は、本発明のデンプンを水性媒体に分散せしめた場
合に、安定な不透明な濁りを形成せしめるのに利用でき
うることを例示する。
【0085】ワキシーメイズデンプン及び酸糖化(50
WF)ワキシーメイズデンプンを表4に記載のロート粘度
迄、例1の方法により枝切り化せしめた。
【0086】更に、タピオカデンプンを54秒のロート
粘度(固形分10%)迄、例1の方法により枝切り化せ
しめた。このタピオカ分散体を透過率の測定の前にハン
ドホモジナイザーに通した。比較目的のため、完全に枝
切りせしめた、結晶状の短鎖アミロース(米国特許A−
3,730,840号にクレームされた方法により調
製)を固形分1%にて蒸留水に分散せしめ、そしてこの
分散体の透過率を測定した。
【0087】初期及び24時間後の、蒸留水中の固形分
1%のデンプン分散体(タピオカについては0.2%)
の%光透過率をブリンクマン(Brinkman)P.
C.800比色計を用いて測定した。結果を表4に記載
する。デンプンの濁り形成能力が高まるに従い、%光透
過率は低まる。24時間後の%光透過率における有意な
上昇は、このデンプン濁り剤が安定でないか、又はこの
分散体から沈殿化したことを示唆する。
【0088】20〜65%の短鎖アミロースをもたらす
ように枝切りせしめたワキシーメイズデンプンが最も安
定な濁りを提供した。完全に枝切りせしめたデンプン
(米国特許A−3,730,840号)は安定な不透明
な濁りを形成しなかった。
【0089】
【表4】
【0090】a.例6参照 b.サンプル中に少量の沈殿物が観察。これにより24
時間後の光透過率における上昇が示された。
【0091】例7 本例は不透明剤として用いる場合の種々の部分枝切り化
デンプンの相対的な効率性を例示する。市販の不透明剤
(“Borden 187 Cloud”;乾燥した、
デンプンを封入したココナッツ脂肪;Borden, Inc.,Ana
heim, Calif より入手)をコントロールとして用いた。
完全に枝切りせしめたサンプルもコントロールとして用
いた。
【0092】ワキシーメイズ、タピオカ及び50WF酸−
糖化ワキシーメイズデンプンを例4の通りに枝切りせし
めたが、但しいくつかのサンプルは予備老化段階なしで
調製した(表5,6及び7に記載の通り)。水性デンプ
ン濁り剤を例5の通りに調製したが、但し1つのタピオ
カサンプル(表7参照)は濁りの評価の前にハンドホモ
ジナイザーに2回通した。更に、評価の前に固形分1%
のデンプン分散体のサンプルを0.75%、0.5%、
0.25%及び0.1%の固形分に希釈した。透過率は
例6の通りに測定した。
【0093】結果を表5,6及び7において報告する。
タピオカデンプン分散体のホモジネーションはより高い
枝切り化サンプルにおいて濁り形成及び安定性を高め
た。全ての枝切り化タピオカデンプンは、分枝状タピオ
カコントロールよりもより低いデンプン濃度で不透明な
濁りを形成せしめた。
【0094】予備老化せしめた、部分枝切り化ワキシー
メイズデンプンは、予備老化段階なしで調製したデンプ
ンよりもより不透明な濁りを形成せしめた。
【0095】完全に枝切りせしめたデンプンのコントロ
ールは有効な濁りを形成しなかった。完全に枝切りせし
めたデンプンは安定な濁りを形成しなかった。
【0096】固形分0.25%での予備老化50WFワキ
シーメイズデンプンにより形成された濁りは、固形分
0.1%での封入ココナッツ脂肪により形成される濁り
と不透明度及び安定において同等であった。従って、部
分枝切り化ワキシーメイズ及びタピオカデンプンが不透
明剤として有用である。
【0097】
【表5】
【0098】a.固形分10%、22℃での秒における
ロート粘度 b.固形分19%、22℃での秒におけるロート粘度 d.ボーデン187濁り剤
【0099】
【表6】
【0100】b.固形分19%、22℃での秒における
ロート粘度 c.予備老化工程利用 d.ボーデン187濁り剤
【0101】
【表7】
【0102】b.固形分10%、22℃での秒における
ロート粘度 c.予備老化工程利用 d.デンプン分散体はホモジナイズせしめた e.%短鎖アミロースは検量線より推定
【0103】例8 本例は枝切り化されうる種々のデンプンを例示する。
【0104】例1の部分酵素的枝切り処理を以下のデン
プンに基づいて実施した。 A.0,1.0,5.0及び24.0時間にわたり枝切
りせしめたコーンスターチ;並びに13 PUNのプルラナ
ーゼ/gデンプン、により12秒のロート粘度(固形分
10%、22℃(72°F)にて)迄枝切りせしめたコ
ーンスターチ。 B.0,0.25,1.0,2.0及び5.0時間、1
3 PUNのプルラナーゼ/gデンプンにより枝切りしたタ
ピオカデンプン(固形分21%)。 C.0,0.25,1.0,4.0及び16.0時間、
13 PUNのプルラナーゼ/gデンプンにより枝切りした
ポテトデンプン(固形分18%)。
【0105】ロート粘度及び短鎖アミロースの%は前記
の方法により測定した。デンプンの糊化特性の主観的な
観察を行った。比較目的のため、酸糖化(32WF)のタ
ピオカも観察した。結果を表8に記載する。
【0106】例9 本例は、種々の部分枝切り化デンプン誘導体が本発明の
方法により調製できることを例示する。
【0107】誘導化反応及び部分的酵素枝切り処理は、
表9に挙げるデンプンに基づいて、例1の通りに行っ
た。
【0108】結果を表9に示す。酵素枝切り処理が進む
に従って、デンプンのロート粘度は減少し、これは誘導
及び改質デンプンが酵素的枝切り化のための適切な基質
であることを示唆する。更に、1%のオクテニルコハク
酸無水物により処理し、そして12及び8.9秒迄部分
的に酵素枝切りせしめたワキシーメイズサンプルは、予
備老化の後、優れた濁りも形成した。
【0109】
【表8】 a.苛性ロート粘度 b.ゲルは熱可逆性でなかった c.主観的観察及び%短鎖アミロース測定は別々の枝切
り化コーンスターチのバッチにおいて行った。
【0110】
【表9】
【0111】a.苛性ロート粘度 b.デンプン乾燥重量に基づく利用した試薬の%表示 c.プルラナーゼ処理の時間 d.15mlの更なるアミラーゼをデンプン分散体に添加 e.固形分0.5%のデンプン水性分散体の不透明度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定な、不透明な濁り剤を調製するため
    の方法であって、濁りを形成せしめるために有効な量に
    おける部分枝切り化デンプンを液体に分散せしめること
    (デンプンは3〜65重量%の短鎖アミロースをもたら
    すために酵素的に枝切りせしめられている)を含んで成
    る方法。
  2. 【請求項2】 最大1重量%迄、濁りを形成せしめるの
    に有効な量における酵素枝切り化デンプンの水性分散体
    を含んで成る、安定な不透明な濁り剤(ここでデンプン
    は3〜65重量%の短鎖アミロースをもたらすために酵
    素的に枝切りせしめられている)。
  3. 【請求項3】 液体における安定な不透明な濁りを形成
    できる部分枝切り化デンプンを調製するための方法であ
    って、以下の段階; a)予備糊化デンプンを作り; b)該デンプンのアルファー−1,6−グルコシド結合
    とアルファー−1,6−D−グルカノヒドロラーゼによ
    り、該デンプンが3〜65重量%の短鎖アミロース並び
    に少なくとも35重量%のアミロペクチン及び部分枝切
    り化アミロペクチンの混合物、を含んで成る迄加水分解
    せしめ; c)該酵素加水分解を、少なくとも75℃で約30分間
    にわたり該デンプン分散体を加熱せしめることにより不
    活性化せしめ; d)攪拌を伴い、約75℃から少なくとも22℃迄冷却
    しながら、0.5〜36時間にわたり、該部分枝切り化
    デンプン分散体を予備老化せしめること、を含んで成る
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004131682A (ja) * 2002-05-14 2004-04-30 Natl Starch & Chem Investment Holding Corp 遅消化性澱粉製品

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0372184A1 (en) * 1988-10-14 1990-06-13 National Starch and Chemical Investment Holding Corporation Partially debranched starches and enzymatic process for preparing the starches

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