JPH05226896A - チップ状回路部品の位置決め方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】キャリアテープに搭載されているチップ部品を
確実に吸着ヘッドに吸着する。 【構成】チップ部品３が搭載されるキャリアテープ１上
の凹部８に、それぞれが対向して形成されている位置決
めアーム１１、１１’と１２、１２’の先端部が挿入さ
れる切欠部９、９’及び１０、１０’を形成し、上記位
置決めアームはチップ部品３の左右上下から凹部中心方
向へ挟み込んでチップ部品３の位置を修正する。その
後、吸着ヘッド４が凹部８内に降下し、チップ部品３を
吸着引き上げる。従って、小型チップ部品が凹部８内で
ずれて搭載されていても、予め凹部内でチップ部品の位
置修正が行われるため、吸着ヘッド４の吸着ミスがな
い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はキャリアテープに収納さ
れたチップ状回路部品を吸着ヘッドで吸着し、目的の位
置に搬送する前にチップ状回路部品の位置を修正するチ
ップ状回路部品の位置決め方法と装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子部品包装用キャリアテープに収納さ
れた小型のチップ状回路部品を、吸着ヘッドの先端に吸
着保持し、回路基板に搬送して、その上に搭載するチッ
プ状回路部品の自動搭載装置が一般に用いられている。
この場合、チップ状回路部品を回路基板上の所定の位置
に正確に搭載するため、吸着ヘッドに吸着保持されたチ
ップ状回路部品をチャックにより前後左右の方向から挟
み込むことにより、予め吸着ヘッドに対するチップ状回
路部品の位置の修正を行った後、回路基板の所定位置に
チップ状回路部品を移送する方法が既に知られている。

【０００３】以下、図面に従って従来の上記位置決め方
法の概要を説明する。図５はキャリアテープからチップ
状回路部品を吸着した時の状態を示す縦断側面図であ
り、図６は図５の平面図である。即ち、ベーステープ５
を含むキャリアテープ１は所定の間隔で設けられた凹部
２にチップ状回路部品３を収納し、図の矢印方向に間欠
的に移動される。そして、上記キャリアテープ１が停止
した時、吸着ヘッド４が降下してきてキャリアテープ１
に収納されたチップ状回路部品３を吸着する。吸着ヘッ
ド４はチップ状回路部品３を吸着後、所定の高さで静止
し、しかるのちにチップ状回路部品３の位置決め操作が
おこなわれる。尚、図５、図６に示すチップ状回路部品
の位置は正常な位置にあり、凹部２の中心位置に収納さ
れている場合を示すものである。

【０００４】図７及び図８は共にチップ状回路部品が正
常な位置にない場合を示す縦断側面図、及び平面図であ
り、上記図５、図６に対応する図である。図７におい
て、キャリアテープ１の凹部２に収納されたチップ状回
路部品３は図８に示すごとく、図面上で凹部２の右下隅
にずれている場合の例を示したものである。即ち、キャ
リアテープ１の凹部２から位置ずれの状態のまま、吸着
ヘッド４で吸着されたチップ状回路部品３は、吸着ヘッ
ド４を中心として前後左右に設けられた位置決めアーム
６、６’及び７（７’は図示が省略されている）によっ
て位置が修正される。更にこの事を具体的に説明する。
即ち、上記位置決めアーム６、６’及び７は吸着ヘッド
４を中心として前後左右にそれぞれ対向して設置されて
いる。そして、位置決めアーム６、６’、７の各々の先
端部分は常時吸着ヘッド４の軸中心から等距離の関係を
維持しながら、図７の矢印に示すように互いに反対方向
に移動するようにして開閉動作がおこなわれる。従って
図７に示すように、吸着ヘッド４が中心からずれた位置
でチップ状回路部品３を吸着して、所定の位置に持ち上
げられた時、上記前後左右の位置決めアーム６、６’、
７が閉じる方向に移動すれば、チップ状回路部品３は吸
着されたままの状態で位置の修正がおこなわれることに
なる。この様にして位置修正されたチップ状回路部品３
は、吸着されたままの状態で吸着ヘッド４を移動して、
例えば回路基板上の予め定められた位置に収納すると
き、チップ状回路部品は指定された位置からずれる事が
無くなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
チップ状回路部品は益々小形化されるようになり、それ
によってチップ状回路部品の位置ずれ程度によっては、
吸着ヘッドの先端部が全面にわたってチップ状回路部品
に当接しなくなる場合が生ずる。例えば、図９に示すよ
うに、チップ状回路部品の位置ずれによって、吸着ヘッ
ドはチップ状回路部品の外形からはみだしてしまう。こ
のような状態になると、吸着ヘッドは空気漏れが生じて
チップ状回路部品を吸着することが不可能となり、吸着
ミスとなる。

【０００６】本発明は上記した問題を解決するためにな
されたものであって、その目的とするところは、キャリ
アテープに収納されているチップ状回路部品を確実に吸
着することができるチップ状回路部品の位置決め方法と
装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
めの本発明の要旨は、第一に、キャリアテープに等間隔
に設けられた凹部に収納されたチップ状回路部品を吸着
ヘッドで吸着し、該吸着ヘッドによって吸着された上記
チップ状回路部品を該吸着ヘッドを挟んで対向配置した
位置決めアームで位置を修正するチップ状回路部品の位
置決め方法において、上記キャリアテープの凹部の四辺
に上記位置決めアームの先端部が挿入可能な切欠部を設
けておき、上記凹部内に収納されている上記チップ状回
路部品を上記切欠部に挿入した上記位置決めアームによ
って凹部内における位置を修正し、その後に上記チップ
状回路部品を上記吸着ヘッドで吸着し、引き上げるよう
にしたことを特徴とするチップ状回路部品の位置決め方
法である。

【０００８】第二に、キャリアテープに等間隔に設けら
れた凹部に収納されたチップ状回路部品を吸着し、引き
上げるための吸着ヘッドと、該吸着ヘッドによって吸着
される上記チップ状回路部品の位置を修正するための位
置決めアームとを備えたチップ状回路部品の位置決め装
置において、上記吸着ヘッドを挟んでその中心軸から各
々等距離に対向する２対の位置決めアームを備え、各対
の位置決めアームの対向方向は互いに直交すると共に、
これら位置決めアームの対向距離は、上記キャリアテー
プの凹部の四辺に形成された切欠部の幅より僅かに狭く
設定され、該各対の位置決めアームは、その初期の対向
位置から吸着ヘッドの中心に向けて等距離往復移動する
ことを特徴とするチップ状回路部品の位置決め装置であ
る。

【０００９】

【作用】本発明の方法と装置によれば、キャリアテープ
の凹部に収納されているチップ状回路部品は、まずその
凹部の四辺に設けられた切欠部に先端を挿入した位置決
めアームで位置決めされる。すなわち、対向する位置決
めアームは、吸着ヘッドを挟んで対向していると共に、
その初期の対向位置から吸着ヘッドの中心に向けて等距
離往復移動するため、チップ状回路部品が凹部内の偏っ
た位置に収納されていても、この動作によってチップ状
回路部品が吸着ヘッドの中心軸位置に位置修正される。
その後、チップ状回路部品が吸着ヘッドで吸着されるた
め、常にチップ状回路部品を正確な位置で吸着すること
が可能である。このため、吸着ヘッドによるチップ状回
路部品の吸着ミスが解消される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って説明す
る。図２と図３は、本発明による位置決め装置の概要を
示すもので、図３でその平面上の配置を示すように、同
図において上下及び左右に対向する２対の位置決めアー
ム１１、１１’と１２、１２’が備えられ、それら位置
決めアーム１１と１１’及び位置決めアーム１２と１
２’との中間位置に吸着ヘッド４が配置されている。こ
れら位置決めアーム１１、１１’及び１２、１２’は、
各々左右と上下に対称形をなす薄い爪状のものであり、
対向する各対の位置決めアーム１１、１１’及び１２、
１２’は、吸着ヘッド４の中心軸に対して各々距離にあ
り、図２及び図３に矢印で示すように互いに反対方向へ
対称に移動する。これにより互いに近接したり離間した
りする。

【００１１】また、図１は本発明に適用されるキャリア
テープ１のチップ状回路部品を収納するための凹部８の
形状を示す平面図である。即ち、キャリアテープ１上の
上記凹部８は、例えば、図６に示すような単なる四角形
ではなく、図において上下両側の各辺に浅い切欠部９、
９’及び１０、１０’を設けている。上記切欠部は上記
位置決めアーム１１、１１’、１２、１２’の先端を挿
入するためのものであり、この切欠部９、９’及び１
０、１０’の開口幅と対向幅は、位置決めアーム１１、
１１’、１２、１２’の先端が挿入できる程度の大きさ
にする。すなわち、これらの切欠部９、９’及び１０、
１０’の開口幅は、位置決めアーム１１、１１’及び１
２、１２’の幅より僅かに広くし、それらの対向幅（対
向する縁の距離をいう）は、位置決めアーム１１、１
１’及び１２、１２’の初期の対向幅より僅かに広くな
っている。一方、この切欠部９、９’、１０、１０’に
チップ状回路部品が入り込んでしまわないよう、その幅
と長さは、各々チップ状回路部品の幅（または径）及び
長さより短くすることが必要である。

【００１２】図２及び図３は本発明からなるチップ状回
路部品の位置決め方法と装置の動作を説明するための説
明図である。即ち、図２はキャリアテープ１の凹部８の
中に収納されたチップ状回路部品３が正常な位置から図
面上の右下方向にずれている場合を示している。この様
な状態のとき、図３に示すごとく、図において上下左右
の各辺に設けた上記の切欠部９、９’及び１０、１０’
の中に位置決めアーム１１、１１’及び１２、１２’の
先端が挿入される。上記位置決めアーム１１、１１’、
１２、１２’はチップ状回路部品３が吸着ヘッド４に吸
着される前に上記切欠部の中に挿入される。

【００１３】この様に、吸着ヘッド４がチップ状回路部
品３を吸着する前に、それぞれの位置決めアーム１１、
１１’及び１２、１２’を、凹部８に形成された切欠部
９、９’及び１０、１０’に挿入し、互いに対向してい
る上記位置決めアーム１１、１１’と１２、１２’とを
吸着ヘッド４へ向けて同じ距離だけ移動させて、図４に
示すように、各アーム１１、１１’及び１２、１２’を
チップ状回路部品３に接触させる。これによって、チッ
プ状回路部品３が凹部８の中央部に移動修正される。こ
の様にして、チップ状回路部品３が凹部２の中央に位置
決めされた後、吸着ヘッド４は下降してきてチップ状回
路部品３を吸着し、所定の位置まで上昇する。従って、
チップ状回路部品３が吸着される時は既に凹部８の中央
に移動修正されている為、吸着ヘッド４による吸着ミス
が解消される。他方、位置決めアームは所定の位置まで
上昇し、次回の位置決め動作まで待機する。

【００１４】この様に、本発明による位置決め方法はチ
ップ状回路部品３がキャリアテープ１上の凹部８内に収
納されているときに、該凹部２の中央に移動修正される
ので、チップ状回路部品３が小さく、また、凹部８内で
収納位置がずれていても、吸着ヘッド４で吸着するとき
は、常にチップ状回路部品３が凹部２の中央に位置合わ
せされてから吸着することになる。従って、チップ状回
路部品３の中央を吸着ヘッド４で吸着し、これを回路基
板上に搬送して搭載することにより、回路基板上の予め
定められた位置に正確にチップ状回路部品３を搭載する
事が可能となる。この様に、従来一部で実施されている
複雑で高価な画像処理を用いた位置決め方法に対して、
本発明にもとずく方法は、特に特別な構成を追加必要と
せず、単にキャリアテープの凹部形状を変更するだけで
本発明の目的を達成し得る。

【００１５】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明からなる
位置決め方法と装置は、予め上記凹部内でチップ状回路
部品の位置修正を行ってから吸着ヘッドでチップ状回路
部品を引き上げるので、チップ状回路部品の大小にかか
わらず、チップ状回路部品がいかに凹部の中心からずれ
ていても、確実に吸着ヘッドでチップ状回路部品を吸着
できると言う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に適用されるキャリアテープの凹部の形
状を示す縦断側面図である。

【図２】本発明からなる位置決め方法と装置の動作を説
明するための縦断側面図である。

【図３】本発明からなる位置決め方法と装置の動作を説
明するための平面図である。

【図４】本発明からなる位置決め方法と装置の位置決め
直後の状態を示す平面図である。

【図５】チップ状回路部品を吸着した時の状態を示す縦
断側面図である。

【図６】図５の平面図である。

【図７】従来技術の動作を説明するための縦断側面図で
ある。

【図８】図７の平面図である。

【図９】従来技術の問題点を説明するための平面図であ
る。

【符号の説明】

１ キャリアテープ ２、８ 凹部 ３ チップ状回路部品 ４ 吸着ヘッド ６、６’、７ 位置決めアーム ９、９’ 切欠部 １０、１０’ 切欠部 １１、１１’ 位置決めアーム １２、１２’ 位置決めアーム

Claims (2)

【整理番号】 ００３０６３６−０１ 【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャリアテープに等間隔に設けられた凹
   部に収納されたチップ状回路部品を吸着ヘッドで吸着
   し、該吸着ヘッドによって吸着された上記チップ状回路
   部品を該吸着ヘッドを挟んで対向配置した位置決めアー
   ムで位置を修正するチップ状回路部品の位置決め方法に
   おいて、上記キャリアテープの凹部の四辺に上記位置決
   めアームの先端部が挿入可能な切欠部を設けておき、上
   記凹部内に収納されている上記チップ状回路部品を上記
   切欠部に挿入した上記位置決めアームによって凹部内に
   おける位置を修正し、その後に上記チップ状回路部品を
   上記吸着ヘッドで吸着し、引き上げるようにしたことを
   特徴とするチップ状回路部品の位置決め方法。
2. 【請求項２】 キャリアテープに等間隔に設けられた凹
   部に収納されたチップ状回路部品を吸着し、引き上げる
   ための吸着ヘッドと、該吸着ヘッドによって吸着される
   上記チップ状回路部品の位置を修正するための位置決め
   アームとを備えたチップ状回路部品の位置決め装置にお
   いて、上記吸着ヘッドを挟んでその中心軸から各々等距
   離に対向する２対の位置決めアームを備え、各対の位置
   決めアームの対向方向は互いに直交すると共に、これら
   位置決めアームの対向距離は、上記キャリアテープの凹
   部の四辺に形成された切欠部の幅より僅かに狭く設定さ
   れ、該各対の位置決めアームは、その初期の対向位置か
   らキャリアテープ内で吸着ヘッドの中心に向けて等距離
   往復移動することを特徴とするチップ状回路部品の位置
   決め装置。