JPH0522457Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、キー以外の不正な手段や方法により
自動車のドアロツク装置が解錠されたときに信号
を発する自動車用盗難防止装置に関するものであ
る。

（従来技術） 従来、シリンダ錠の回動を検出するキーシリン
ダスイツチとドアロツク装置の施解錠を検出する
ドアロツクスイツチとを備え、キーシリンダスイ
ツチがシリンダ錠の回動を検出せずドアロツクス
イツチがドアロツク装置の解錠を検出したときに
は、キー以外の手段によりドアロツク装置が解錠
されたとする信号を出力するようにした、すなわ
ち警報を発するようにした自動車用盗難防止装置
が公知である。

しかしながら、上記キーシリンダスイツチはシ
リンダ錠とは全く別の構造物に取付けられている
ため、シリンダ錠が、例えばドライバー等の不正
な手段でこじられた場合には、キーシリンダスイ
ツチとは別個にシリンダ錠だけが回つてしまう。
その結果、キーシリンダスイツチはキーを用いて
解錠した場合と同じように動作として警報を出さ
ず、盗難防止の役目を果たさないという問題があ
つた。

（考案の目的） 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、シリンダ錠がこじられてド
アロツク装置が解錠された場合でも、キー以外の
手段によりドアロツク装置が解錠されたという信
号を出力するようにした自動車用盗難防止装置を
提供することにある。

（考案の構成） 上記の目的を達成するために、本考案は、アウ
ターハンドルのハンドルケースに組付けたシリン
ダ錠の回動を検出するキーシリンダスイツチと、
ドアロツク装置の施解錠を検出するドアロツクス
イツチとを備え、上記キーシリンダスイツチが上
記シリンダ錠の回動を検出せず上記ドアロツクス
イツチが上記ドアロツク装置の解錠を検出したと
きには、キー以外の手段により上記ドアロツク装
置が解錠されたとする信号を出力するようにした
自動車用盗難防止装置において、上記シリンダ錠
の外周に溝部と、上記ハンドルケースの裏側に形
成された円筒状のシリンダ錠取付孔と、このシリ
ンダ錠取付孔の側面に、一部が上記シリンダ錠取
付孔の内部にはみ出した状態で嵌入され、上記溝
部がこの止め金に係合した状態で、上記シリンダ
錠を上記ハンドルケースの裏側から上記シリンダ
錠取付孔に装着された状態に保持する止め金と、
上記シリンダ錠のホルダーに取付られ、これと一
体的に回動するブラケツトと、このブラケツトに
組付けられたキーシリンダスイツチとを設けて形
成した。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図以下は本考案に係る自動車用盗難防止装
置を備えたアウターハンドルを示し、ハンドルケ
ース１にハンドル本体２およびシリンダ錠３が取
付けてある。

すなわち、ハンドルケース１に設けたケース側
ヒンジブラケツト４により支軸５が支持してあ
り、この支軸５により回動自在にハンドル本体２
をヒンジ結合してある。ハンドル本体２には、本
体側第１ヒンジブラケツト６と、爪部７を有する
第２ヒンジブラケツト８とが設けてあり、ケース
側ヒンジブラケツト４と本体側第１、第２ヒンジ
ブラケツト６，８との間に第１ねじりコイルばね
９を介在させて、ハンドル本体２を操作後ばね力
により図示する元の状態に戻すようにしてある。

また、ケース側ヒンジブラケツト４の側部に突
部１０を中心として回動自在に連動レバー１１を
設けるとともに、この連動レバー１１とケース側
ヒンジブラケツト４との間に第２ねじりコイルば
ね１２を介在させ、かつ端部に形成した長孔状の
ガイド部１３にケース側の突部１４を摺動自在に
係合させることにより、この連動レバー１１を回
動させても、ばね力により図示する元の状態に戻
すようにしてある。さらに、この連動レバー１１
には上記爪部７と係合する受圧部１５と、図示し
ないドアロツク装置に一端を固定した第１ロツド
１６を保持するロツドホルダー１７とハンドルケ
ース１の裏面に取付けたアウターハンドル操作検
出用スイツチ１８のレバーと係合する突起部１９
とが設けてある。

そして、ハンドル本体２を回動させると、本体
側第２ヒンジブラケツト８も一体的に回動し、爪
部７が下降して受圧部１５を下方に押圧する。そ
の結果、連動レバー１１が右回り方向（図中矢印
Ａ方向）に回動して、第１ロツド１６を押し下げ
てドアロツク装置を解除するとともに、突起部１
９によりアウターハンドル操作検出用スイツチ１
８をオンにし、アウターハンドル操作が行なわれ
た旨の信号を出力させるようなつてある。

一方、第３図〜第５図に示すようにシリンダ錠
３は内筒部であるシリンダ錠本体２１と外筒部で
あり、側部円周方向に断面略Ｖ形の溝部２２を有
するホルダー２３とからなり、ホルダー２３に
は、キーシリンダスイツチ２４を取り付けるため
の３つの取付孔２５を設けたキーシリンダブラケ
ツト２６がホルダー２３と一体的に回動するよう
に取付けてある。また、シリンダ錠本体２１の後
端部には、これと一体的に回動するようにキーシ
リンダスイツチ２４のレバーと係合するストライ
カ２７と、図示しない上記ドアロツク装置に一端
を固定した第２ロツド２８を係止して、これを操
作するためのレバー２９とが取付けてある。

これに対して、第４図、第６図に示すように、
ハンドルケース１には内径をホルダー２３の外径
に合わせて形成した円筒状のシリンダ錠取付孔３
１を設けるとともに、このシリンダ錠取付孔３１
の側面の相対向する位置に、円周方向の長孔を形
成し、ここにばね部材からなる略〓型の止め金３
２を嵌入させてある。すなわち、予めハンドルケ
ース１側に止め金３２が取付けてある。

そして、第７図に示すようにこのハンドルケー
ス１のシリンダ錠取付孔３１に、この裏側から、
キーシリンダブラケツト２６と一体となつたシリ
ンダ錠３を嵌入させることにより、シリンダ錠３
を固定してある。さらに詳述すれば、ホルダー２
３の外周部には、上記溝部２２の前方にテーパ部
３３が形成してある。そして、シリンダ錠３をシ
リンダ錠取付孔３１内に嵌入させると、シリンダ
錠３はこのテーパ部３３により止め金３２を押し
拡げながら進み、やがて止め金３２の所には、テ
ーパ部３３が通過して溝部２２が位置し、ここに
止め金３２がそのばね力により嵌り込む結果、シ
リンダ錠取付孔３１すなわちハンドルケース１に
一体的にシリンダ錠３が固定される。

また、第８図、第９図に示すように、キーシリ
ンダスイツチ２４は、まず略凹形の板状弾性部材
からなるスイツチブラケツト３５に取付け、この
スイツチブラケツト３５を介してキーシリンダブ
ラケツト２６に取付けてある。すなわち、この略
凹形のスイツチブラケツト３５の底辺およびこれ
に平行な各辺の計４カ所に、同方向にかつキーシ
リンダブラケツト２６の厚みだけ段違い状に折り
曲げて形成した係止片３６が設けてありこの係止
片３６を上記３つの取付孔２５とキーシリンダブ
ラケツト２６の端部に形成した係止端部３７とに
同一方向（第９図中矢印Ｂ方向）に押し込むよう
にして係合させ、ワンタツチ式に取付けられるよ
うに形成してある（第９図参照）。

ところで、シリンダ錠３はイグニツシヨンスイ
ツチ、トランク等とキーが共通であるため、これ
らは一緒にセツト物として製造されること、また
ハンドルケース１およびハンドル本体２の部分は
ボデイと色彩上の調和のためにボデイ製造部門で
組立てられる一方、キーシリンダスイツチ２４は
特に、シリンダ錠３やボデイとはセツト物のよう
な一対一の関係にはない。斯かる事情から、アウ
ターハンドルにおけるキーシリンダスイツチ２４
は、ハンドルケース１、ハンドル本体２やシリン
ダ錠３とは別個に取扱われ、ハンドルケース１に
シリンダ錠３を組込んだ後、取付けられるのが一
般である。

したがつて、上記キーシリンダスイツチ２４の
取付け構造は、このようなスイツチ取付け作業の
困難性を考慮してワンタツチ式にしたものであ
る。

そこで、ドアロツクされた状態において、シリ
ンダ錠３にキー操作がなされた場合を考える。

まず、キー操作前は、図示しないドアロツク装
置に取付けたドアロツクスイツチはドアロツクの
検出状態にある。

ついで、キー操作によりシリンダ錠本体２１が
第２図中左回り方向（図中矢印Ｃ方向）に回動す
ることにより、ストライカ２７とレバー２９も同
方向に回動する。そして、レバー２９の回動によ
り第２ロツド２８が第２図中下方に移動してドア
ロツクが解錠され、上記ドアロツクスイツチがド
アロツクの解錠を検出するとともに、ホルダー２
３に対してシリンダ錠本体２１が相対的に回動し
たことによりストライカ２７でキーシリンダスイ
ツチ２４をオンにして、キー操作によることを検
出する。すなわち、キー操作によりドアロツク装
置が解錠されたことを検出し、シリンダ錠３が例
えばドライバー等の不当な手段でこじられて解錠
された場合に発する警報を発することなく、上述
のようにハンドル本体２を操作することによりド
アの開閉が可能となる。

ちなみに、キー操作によらず例えばドライバー
によりシリンダ錠をこじた場合には、ストライカ
２７とともにキーシリンダブラケツト２６、キー
シリンダスイツチ２４も一体的に回動してキーシ
リンダスイツチはオンせず、一方でレバー２９が
回動してドアロツク装置の解錠がなされるため、
キー以外の手段によりドアロツク装置が解錠され
たとして警報が発せられる。

（考案の効果） 以上の説明より明らかなように、本考案によれ
ば、シリンダ錠のホルダーに、これと一体的に回
動するブラケツトを取付け、このブラケツトにキ
ーシリンダスイツチを組込んである。このため、
例えばドライバー等のような不正な手段でシリン
ダ錠を無理やりこじて、回動させてドアロツク装
置を解錠した場合には、キーシリンダスイツチも
シリンダ錠とともに回つてオンすることはなく、
キー以外の手段によりドアロツク装置が解錠され
たとする信号を確実に発し、自動車用盗難防止の
信頼性を高めることが可能になる。

また、シリンダ錠取付孔と止め金と、外周に溝
部を形成したシリンダ錠とを備えた構成となつて
いるため、シリンダ錠がハンドルケースの裏側か
らワンタツチ式に組付けられ、組付けの作業性が
向上する。

さらに、上記シリンダ錠が上記止め金によりワ
ンタツチ式に組付けられるため、ドアロツクされ
た状態で、車外からキーを使うことなく、ドアを
開く必要が生じたとき、例えば運転手が、車外に
出て、しかもドアロツクがされており、キーを紛
失したとき、車外から比較的容易にシリンダ錠を
取外すことができる。具体的には、例えばアウタ
ーハンドルの外側から、工具をシリンダ錠のキー
溝に当てて、ハンマーのようなもので強打する
と、止め金とシリンダ錠の溝部との係合状態が解
けて、シリンダ錠はアウターハンドルの内側に押
込められる。この結果、シリンダ錠全体を回動さ
せてドアを開くことが可能となる。なお、第三者
が無断で、上述の様にして車外からシリンダ錠を
不正に取外し、ドアロツクを解除しようとして
も、キーシリンダスイツチがシリンダ錠と一体的
に回動して、確実に警報が発せられるため、シリ
ンダ錠を取外し易いことが盗難防止の信頼性を何
等損なうことにはならない等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案に係る自動車用盗難防
止装置の正面図、背面図、第３図、第４図、第５
図はハンドルケースへ組付ける前のシリンダ錠の
状態を示す背面図、側面図、正面図、第６図はシ
リンダ錠を組付ける前のハンドルケース部分の背
面図、第７図はキーシリンダスイツチを組付ける
前のハンドルケース、シリンダ錠部分の背面図、
第８図はキーシリンダスイツチの組付け状態を示
す分解斜視図、第９図は第２図中−線断面図
である。 ３……シリンダ錠、２３……ホルダー、２４…
…キーシリンダスイツチ、２６……キーシリンダ
ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アウターハンドルのハンドルケースに組付けた
   シリンダ錠の回動を検出するキーシリンダスイツ
   チと、ドアロツク装置の施解錠を検出するドアロ
   ツクスイツチとを備え、上記キーシリンダスイツ
   チが上記シリンダ錠の回動を検出せず上記ドアロ
   ツクスイツチが上記ドアロツク装置の解錠を検出
   したときには、キー以外の手段により上記ドアロ
   ツク装置が解錠されたとする信号を出力するよう
   にした自動車用盗難防止装置において、上記シリ
   ンダ錠の外周に溝部と、上記ハンドルケースの裏
   側に形成された円筒状のシリンダ錠取付孔と、こ
   のシリンダ錠取付孔の側面に、一部が上記シリン
   ダ錠取付孔の内部にはみ出した状態で嵌入され、
   上記溝部がこの止め金に係合した状態で、上記シ
   リンダ錠を上記ハンドルケースの裏側から上記シ
   リンダ錠取付孔に装着された状態に保持する止め
   金と、上記シリンダ錠のホルダーに取付られ、こ
   れと一体的に回動するブラケツトと、このブラケ
   ツトに組付けられたキーシリンダスイツチとを設
   けて形成したことを特徴とする自動車用盗難防止
   装置。