JPH05222199A - 加水分解及び重合可能なシラン類 - Google Patents

加水分解及び重合可能なシラン類

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JPH05222199A
JPH05222199A JP4204107A JP20410792A JPH05222199A JP H05222199 A JPH05222199 A JP H05222199A JP 4204107 A JP4204107 A JP 4204107A JP 20410792 A JP20410792 A JP 20410792A JP H05222199 A JPH05222199 A JP H05222199A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式(I)に示されるシラン類。 (式中、R=アルケニル、(アルキル)アリール、また
は(アリール)アルキル等、 X=H、ハロゲン、ヒド
ロキシル、アシロキシル、アルキルカルボニル、アルコ
キシカルボニル、またはNR′2 等、なお、R′はH、
アルキル、またはアリール等、 Y=(置換)1,4,
6−トリオキサスピロ−(4,4)−ノナン基含有官能
基、n=1,2,または3 m=1,2,または3 n
+m≦4)上記シラン類は、それら自身のみの重合、ま
たは他の重合可能な成分と重合し、加水分解縮合して硬
化する。 【効果】上記のシラン類は、スクラッチレジスタントコ
ーティング、充填剤、密着剤等リングを作成するために
加工処理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加水分解可能でかつ重
合可能なシラン類、それらの製造方法、ケイ酸縮合ポリ
マー、ヘテロ重縮合ポリマーを製造する場合のそれらの
使用、ポリマー、ヘテロポリマーの製造への使用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】加水分解可能な有機化合物による修飾を
受けたシラン類は、様々な基板用のスクラッチレジスタ
ント(耐磨耗性)コーティング、フィラー(充填材)、
接着剤、シーリング剤、または成型物の製造に広く使用
されている。これらのシラン類は、それら自身によっ
て、または混合物中で、または他の加水分解可能な及び
/または縮合可能な化合物の存在下において加水分解縮
合され、加熱または光化学的に最終硬化される。
【0003】例えば、DE 34 07 087 C2 に記載されたス
クラッチレジスタントコーティングは、加水分解可能な
有機チタン化合物または有機亜鉛化合物MR4 と有機基
を有する加水分解可能なシラン類R′m (R″Y)n
iX(4-m-n )の加水分解縮合混合物からなる。ここ
で、Rは例えばハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ
ル基、またはアシロキシル基であり、R′は例えば、ア
ルキル基またはアルケニル基であり、R″は例えばアル
キレン基またはアルケニレン基であり、Xは加水分解可
能な残基である。
【0004】例えば、DE 35 36 716 A1 に記載された接
着剤及びシーリング剤は、一般式Rm SiX4-m で表さ
れる一または複数の有機シラン類と、任意の一または複
数のSiX4 成分及び/またはRn (R″Y)p SiX
4-n-p との加水分解縮合によって得られる。ここで、R
及びR″は例えばアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、アルケ
ニルアリール基、またはアリールアルケニル基であり、
Xは例えば、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコ
キシル基、またはアシロキシル基であり、Yは例えば、
ハロゲン、または任意に置換されたアミノ、アミド、ア
ルデヒド、アルキルカルボニル、カルボキシ、ヒドロキ
シル、メルカプトまたはシアノ等の基である。
【0005】さらに、反応性二重結合を有する市販のシ
ラン類としては、以下に示す(メタ)アクリロキシシラ
ンタイプのものが知られている。
【0006】
【化11】 (式中、Rは水素またはメチル基であり、Xは例えば、
ハロゲン、またはアルコキシル基である。)これらのシ
ラン類は加水分解可能で、かつ重合可能であり、前記の
系の製造に使用することが可能である。これらは、反応
性二重結合の位置で加熱または光化学的に硬化されると
いうことにより、コーティング、充填剤、接着剤または
シーリング剤、または成型物が最終的に製造されるとい
う大きな利点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の系においては、重合中の体積の減少、すなわち、いわ
ゆる硬化収縮が生じ、コーティング、フィラー、接着剤
またはシーリング剤、または成型物に歪が生じ、及び/
またはゲージの単一性を損なうという欠点があった。こ
れらの歪は、肉眼的な損傷としてひびやふくれが生じ、
また微視的な損傷として光学的な欠陥(局所的な反射係
数の低下、干渉)が生じ、機械的安定性の低下、表面構
造の劣化という問題があった。ゲージの単一性を損なう
ということは、非常に問題が多く、特に成型している物
(光学的グレーティング等)及び成型された物(射出成
型物等)の場合は問題である。
【0008】本発明の目的は、新規な有機化合物で修飾
されたシラン類を供給することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】これらシラン類は加水分
解及び重合可能であり、それら自身によって、または混
合物中で、他の加水分解または重合可能な化合物と重合
し、硬化中に体積の減少がなく、基材への密着性が良い
スクラッチレジスタントコーティング、フィラー、接着
剤またはシーリング化合物、成型物、埋め込み媒体の製
造に使用される。
【0010】これらシラン類は、収縮がない、または可
能な限り収縮が少ない、またはむしろ膨脹が望ましい場
合には、無機−有機成分構造中、すなわち無機−有機網
目状構造中に合成されたこれらの化合物が導入さるため
非常に用途が広い。さらに、これらシラン類は調整が簡
易で、時間をあまり要せず、複雑な合成工程を必要とし
ない。
【0011】一般式(I)に示される加水分解及び重合
可能なシラン類によって、この課題は達成される。
【0012】
【化12】 (式中、X、Y及びRは同じものであっても異なるもの
であっても良く以下の通りであり、 R=アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル
アリール基、またはアリールアルキル基、 X=水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシル
基、アシロキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキ
シルカルボニル基、またはNR′2 、なお、R′は水
素、アルキル基またはアリール基、 Y=置換された、または置換されていない1,4,6−
トリオキサスピロ−(4,4)−ノナン基を含む基、 n=1、2または3 m=1、2または3、であってn+mは4以下。) X基は加水分解可能であり、Y基は重合可能であり、い
ずれの場合においても、少なくとも一の前記X基とY基
が、本発明に記載されたシラン類中に存在することであ
る。
【0013】
【実施例】本発明の加水分解及び重合可能なシラン類
は、上記一般式(I)のシラン類であり、アルキル基
は、たとえば、炭素数が1から20、好ましくは1から
10の直鎖、分枝鎖、環状に基であり、特に好ましくは
炭素数が1から6の低級アルキル基である。特に例を挙
げるならば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピ
ル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、i-ブチル、n-ペン
チル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシ
ル、ドデシル、及びオクタデシル等のアルキル基を挙げ
ることができる。
【0014】アルケニル基は、たとえば、炭素数が2か
ら20、好ましくは2から10の直鎖、分枝鎖、環状の
基であり、特に好ましくは炭素数が2から6の低級アル
ケニル基、例えば、ビニル、アリール基、2−ブテニル
基である。
【0015】好ましいアリール基としては、フェニル、
ビフェニル、ナフチル等の基を挙げることができる。ア
ルコキシル基、アクリロキシ、アルキルカルボニル基、
アルコキシルカルボニル基、アミノ基は好ましくは前記
のアルキル基及びアリール基から誘導される残基であ
る。特に例を挙げるならば、メトキシ、エトキシ、n-プ
ロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-
ブトキシ、t-ブトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−エチルアニリ
ノ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、メチルカル
ボニル、エチルカルボニル、メトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、ベンジル、2−フェニルエチル、及び
トルイル等の基を挙げることができる。
【0016】名称を挙げた基は、任意に一または複数置
換することが可能であり、アルキル、ヒドロキシアルキ
ル、アルコキシル、アリール、アリロキシル、アルキル
カルボニル、アルコキシルカルボニル、フルフリル、テ
トラヒドロフルフリル、アミノ、アルキルアミノ、ジア
ルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アミド、ヒ
ドロキシル、ホルミル、カルボキシル、メルカプト、シ
アノ、イソシアネート、ニトロ、エポキシ等の基、及び
硫酸、リン酸で置換することが好ましい。ハロゲンとし
ては、フッ素、塩素、臭素が好ましい。
【0017】置換された、または置換されていない1,
4,6−トリオキサスピロ−(4,4)−ノナン基を含
む基は、エーテル結合またはエステル結合を含むアルキ
レン基、またはアルキレン基を介してケイ素に結合して
いる。特に、Y基の例及び好ましい実施例を以下に示
す。
【0018】
【化13】 式中、γ−ブチロラクトン誘導の環は、請求項2に示し
たように置換されていても良い。
【0019】基は、水素、ヒドロキシル基、アルキル
基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、
アリールアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキ
シルルカルボニル基、アクリロキシル(acryloxyl )
基、またはメタクリロキシル基である。
【0020】この具体例は、以下にに示した。
【0021】
【化14】 本発明に記載されたシラン類の具体例は、以下の通りで
ある。
【0022】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】 本発明に記載されたシラン類は、一般式(II)に示すシ
ラン類と、
【化21】 ルイス酸の存在下において、任意の水を含まない不活性
溶媒中、置換された、または置換されていないγ−ブチ
ロラクトンとの反応によって得られる。このとき、γ−
ブチロラクトンは、過剰に加える。一般式(II)中の
X、Y′、Rは、同一であっても異なるものであっても
良く、X、R、n及びmは、一般式(I)で示される本
発明のシラン類の場合と同様である。そして、Y′は置
換されたオキシラン環である。X及びRの可能な修飾を
考えてみると、一般式(I)で示される本発明のシラン
類の場合と同様である。
【0023】一般式(II)で示されるシラン類について
特にを挙げるならば、グリシドオキシメチルトリメトキ
シシラン、グリシドオキシメチルトリエトキシシラン、
2−グリシドオキシエチルトリメトキシシラン、2−グ
リシドオキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシド
オキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドオキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドオキシプ
ロピルトリ(メトキシエトキシ)シラン、3−グリシド
オキシプロピルトリアセトキシシラン、4−グリシドオ
キシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドオキシブ
チルトリエトキシシラン、グリシドオキシメチル(メチ
ル)ジメトキシシラン、グリシドオキシメチル(エチ
ル)ジメトキシシラン、グリシドオキシメチル(フェニ
ル)ジメトキシシラン、グリシドオキシメチル(ビニ
ル)ジメトキシシラン、グリシドオキシメチル(ジメチ
ル)メトキシシラン、2−グリシドオキシエチル(メチ
ル)ジメトキシシラン、2−グリシドオキシエチル(エ
チル)ジメトキシシラン、2−グリシドオキシエチル
(ジメチル)メトキシシラン、3−グリシドオキシプロ
ピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドオキシ
プロピル(エチル)ジメトキシシラン、3−グリシドオ
キシプロピル(ジメチル)メトキシシラン、4−グリシ
ドオキシブチル(メチル)ジメトキシシラン、4−グリ
シドオキシブチル(エチル)ジメトキシシラン、4−グ
リシドオキシブチル(ジメチル)メトキシシラン、ビス
−(グリシドオキシメチル)ジメトキシシラン、ビス−
(グリシドオキシメチル)ジエトキシシラン、ビス−
(グリシドオキシエチル)ジメトキシシラン、ビス−
(グリシドオキシエチル)ジエトキシシラン、ビス−
(グリシドオキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス−
(グリシドオキシプロピル)ジエトキシシラン、トリス
−(グリシドオキシメチル)メトキシシラン、トリス−
(グリシドオキシメチル)エトキシシラン、トリス−
(グリシドオキシエチル)メトキシシラン、トリス−
(グリシドオキシエチル)エトキシシラン、トリス−
(グリシドオキシプロピル)メトキシシラン、トリス−
(グリシドオキシプロピル)エトキシシラン、グリシジ
ルメチルトリメトキシシラン、グリシジルメチルトリエ
トキシシラン、2−グリシジルエチルトリメトキシシラ
ン、2−グリシジルエチルトリエトキシシラン、3−グ
リシジルプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジル
プロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルプロピル
トリ(メトキシエトキシ)シラン、3−グリシジルプロ
ピルトリアセトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチルトリエトキシシラン、3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルプロピルトリメトキシシラ
ン、3,4−エポキシシクロヘキシルブチルトリメトキ
シシラン、である。
【0024】一般式(II)で示されるこのような市販品
のシラン類は、ABCR GmbH社(カールスルー
エ)製の以下のものである。
【0025】例えば、3−グリシドオキシプロピルジメ
チルエトキシシラン、(3−グリシドオキシプロピル)
メチルジエトキシシラン、3−グリシドオキシプロピル
メチル−ジ−イソプロペンオキシシラン、(3−グリシ
ドオキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、または[2−(3,4−エポキシ−メチルシクロヘ
キシル)プロピル]メチルジエトキシシラン、等であ
る。
【0026】これらシラン類はすべて、γ−ブチロラク
トンと反応して本発明に記載された対応するスピロシラ
ンに変換される。
【0027】本発明に記載されたスピロシランを生成さ
せるために適したγ−ブチロラクトンは、置換されてい
ないγ−ブチロラクトン、またはハロゲン、ヒドロキシ
ル、アルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリー
ル、アリールアルキル、アルキルカルボニル、アルコキ
シカルボニル、アクリロキシル、またはメタクリロキシ
ル等の基で置換されたγ−ブチロラクトンである。
【0028】アルキル基は、たとえば、炭素数が1から
10、特に好ましくは炭素数が1から6の低級アルキル
基であって、直鎖、分枝鎖、環状の基である。特に例を
挙げるならば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピ
ル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、i-ブチル、n-ペン
チル、n-ヘキシル等の基である。
【0029】アルケニル基は、たとえば、炭素数が2か
ら10の直鎖、分枝鎖、環状の基であって、特に好まし
くは炭素数が2から6の低級アルケニル基、例えば、ビ
ニル、アリール、2−ブテニル基である。
【0030】特に、ルイス酸の好ましい実施例として
は、BF3 ・Et2 O、四塩化スズ、塩化アルミニウム
等である。
【0031】一般式(II)のシラン類をγ−ブチロラク
トンと反応させて、本発明のスピロ−シラン類にするた
めには、水分を除去した任意の不活性溶媒中で反応させ
ることである。本発明のスピロ−シラン類は、例えば高
真空蒸留等の周知の方法で調整される。
【0032】本発明のスピロ−シラン類の調製は、例え
ばγ−ブチロラクトンと(3−グリシドオキシプロピ
ル)トリメトキシシランを用いて、以下のように反応さ
せることによって得られる。
【0033】
【化22】 周知の方法を用いて、上記の反応によって得られたスピ
ロ−シラン類に、さらに他の置換基、たとえばγ−ブチ
ロラクトン誘導の環類に導入することも可能である。ど
のようにこの環のスピロ−サイクリック オルト−エス
テルにメタクリル基を導入するかは、Journal f. prak
t. Chemie, Volume 330, No.2, 1988, pages 316-318
に記載されている。
【0034】本発明のスピロ−シラン類は安定な化合物
であり、それら自身、または他の加水分解縮合可能な成
分、及び/または重合可能な成分のいずれかと反応して
ケイ酸縮合ポリマー、またはケイ酸ヘテロ重縮合ポリマ
ーを生成する。これらのポリマーは、1,4,6−トリ
オキサスピロ−(4,4)−ノナン基の開環重合により
硬化する。
【0035】しかしながら、本発明のシラン類は、それ
ら自身、または他の加水分解縮合可能な成分、及び/ま
たは重合可能な成分のいずれかと反応してポリマーを生
成する。そして、このポリマーは、引き続き加水分解縮
合によって固化される。
【0036】有機基の修飾法(すなわち、ゾル−ゲル法
を用いて加水分解縮合可能な有機シラン類から開始す
る)に従って修飾されたケイ酸(ヘテロ)重縮合体は、
非常に多くの種類が知られている。この種の重縮合体
は、きわめて多様な目的、例えば、成型物、コーティン
グ用ワニス等に使用されている。しかしながら、このク
ラスの化合物を応用するに当たって、多様な可能性があ
る。従って、新たな応用分野の開拓と、特定の用途に対
する特性の最適化を行うという目的に対しては、既知の
重縮合体の修飾に対する一定した需要がある。
【0037】本発明のスピロ−シラン類は、通常加水分
解及び縮合可能な化合物であり、スピロ−錯体は早期に
開環することはない。このことは、本発明のスピロ−シ
ラン類を加水分解縮合によって合成し、無機−有機網目
構造を導入することができる。本発明のスピロ−シラン
類は加水分解可能なX基、例えばアルコキシル基を含
む。このため、有機網目状構造(Si−O−Siユニッ
ト)を合成するために使用される。このことは、先行技
術で知られていることであって、本発明のスピロ−シラ
ン類を用いて、コーティング、フィラー、接着剤及びシ
ーリング剤、成型物及び埋め込み媒体中の任意に修飾さ
れた加水分解可能なシラン類を置換することを可能にす
る。
【0038】本発明のスピロ−シラン類に他の共縮合可
能な成分を任意に添加して、加水分解及び重縮合するこ
とによって、無機網目状構造を形成する。例えば、重縮
合は、好ましくはDE-A1 27 58 414 、同27 58 415 、同
30 11 761 、同38 26 715 、同38 35 968 記載のゾル−
ゲル法を用いて行う。
【0039】本発明のスピロ−シラン類に他の共重合可
能な成分を任意に添加して、重合することによって、有
機網目状構造を形成する。例えば、重合は、DE-A1 31 4
3 820 、同38 26 715 及び同38 35 968 記載の方法を用
いて、加熱または光化学的に行われる。
【0040】ラジカル重合及び/またはイオン重合可能
な化合物が、さらに重合可能な化合物として添加され
る。ラジカル重合をおこなわせるために添加される化合
物は、たとえば、アクリレートまたはメタクリレート等
のC=C二重結合を有する化合物であり、重合はC=C
二重結合を介して起こる。
【0041】また、添加されるイオン重合可能な化合物
は、例えば、スピロ−オルト−エステル類、スピロ−オ
ルトカーボネート類、ビシクリックスピロ−オルト−エ
ステル類、モノエポキシド、オリゴエポキシド、または
ビニルエーテル等の開環によるカチオン重合可能な環構
造を有する。
【0042】しかしながら、これらの化合物はラジカル
重合同様、カチオン重合のときも添加される。このよう
な化合物として、たとえばメタクリロイル−スピロ−オ
ルト−エステル類がある。これらはC=C二重結合を介
してラジカル重合し、開環によってカチオン重合する。
これらの系の調製については、Journal f. prakt. Chem
ie, Volume 330, No.2, 1988, pages 316-318 に記載さ
れている。
【0043】さらに、他の既知の共重合可能なシラン結
合環構造化合物を添加することも可能である。これらの
系は、例えばエポキシドを含んでおり、特に本発明のス
ピロ−シラン類の製造に使用される。これらの系は、本
発明に記載されたスピロ−シラン類の製造とともに記載
されている。
【0044】本発明のスピロ−シラン類は非常に反応性
が高く、(ヘテロ)重合体を生成し、機械的に安定なコ
ーティングまたは成型物、及びフィラーをUV照射等を
行うことによって、短時間につくることが可能である。
本発明のスピロ−シラン類は容易に付加反応によって生
成され、開始剤を適宜に選択することによって、機能の
異なる多様な反応性のある基を導入することができる。
【0045】三次元の有機網目状構造形成は、2または
それ以上のY基を有することによって可能となる。(ヘ
テロ)重縮合化合物の機械的特性(例えば柔軟性)及び
物理化学的特性(例えば、吸着、反射係数、接着性等)
は、そのシランのアルコキシル基の数はもちろん、ケイ
素とスピロ基の距離、例えば炭素鎖長、この炭素鎖中に
含まれる他の基の存在によっても影響を受ける。無機の
網目状構造を合成する際、(ヘテロ)縮重合化合物のシ
リコンのような特性、またはガラスのような特性は加水
分解可能な基(たとえば、アルコキシル基)の数及び種
類によって得られる。
【0046】更に、共縮合及び共重合可能な成分を変え
る場合には、本発明のスピロ−シラン類が与えられた分
野への応用に対して、多様な方式で適用するのに適し
た、ケイ酸(ヘテロ)重縮合化合物を供給することがで
きる。
【0047】本発明のスピロ−シランの用途は、ケイ酸
(ヘテロ)重縮合体が既に使用されているような分野に
おいても発見されるかも知れないが、さらに,例えば光
学、エレクトロニクス、医薬品、オプト−エレクトロニ
クス、食品用の梱包材等といった用途についての新たな
可能性を開くことも考えられる。
【0048】本発明のスピロ−シラン類は、それら自身
が使用されるか、または例えば通常のワニス添加剤、溶
媒、フィラー、光重合開始剤、熱重合開始剤、流動性改
良剤及び顔料等に使用することを目的とする添加剤に含
まれる成分として使用される。
【0049】本発明に記載されたスピロ−シラン類また
はシラン含有成分は、例えばコーティング剤、フィラー
またはバルク剤、接着成分、射出成型成分、繊維、薄い
シート、接着プロモータ(promoter)、成型物、埋め込
み媒体等の製造に適している。
【0050】スピロ基を有するため、これらは硬化中に
収縮せず、または収縮が極めて少ないか、もし所望する
なら膨脹する。このようにして収縮は、考え得る応用分
野で与えられた条件に適合することとなる。
【0051】本発明のスピロ−シラン類から製造される
コーティングまたは成型物は、光化学的に構造が形成さ
れるという利点を有する。
【0052】特殊な応用分野としては、例えば金属、プ
ラスチックス、紙、セラミックス等の基板へのコーティ
ングを挙げることができる。これらに対するコーティン
グの方法は、浸漬法、ポアリング法(Pouring)、ブラッ
シング法(Brushing)、スプレー法、静電スプレー法、
エレクトロ−デップコーティング法(Electro-DipCoati
ng)等を用いて光学またはオプト−エレクトリック用部
材またはエレクトリック用部材にコーティングしたり、
フィラーの製造、スクラッチレジスタントかつ耐摩耗性
の腐蝕防止コーティング、成型品の製造、例えば、射出
成型、鋳造、押出し成型等による成型、及び繊維では、
織物等またはフィラー(filler)の製造に応用される。
【0053】一般式(I)で示される本発明のスピロ−
シラン類には、さらに加水分解縮合可能な成分として、
シリコン、ホウ素、アルミニウム、リン、スズ、鉛、ラ
ンタノイド及びアクチノイド等の遷移金属からなる化合
物を用いる。これら化合物はこのような形で、または縮
合ポリマー製造用のプレ縮合体の形で使用される。シリ
コン化合物は、モノマーに対して少なくとも10mol
%、好ましくは80mol%、非常に好ましくは90m
ol%である。モノマー化合物は、ケイ酸(ヘテロ)重
縮合体製造用の開始物質の1つである。
【0054】ケイ酸(ヘテロ)重縮合体は、本発明の1
またはそれ以上のスピロ−シラン類がモノマー化合物に
対し、少なくとも5mol%、例えば25〜100mo
l%、特別には50〜100mol%、特殊には75〜
100m%であることもまた好ましい。
【0055】一般的(III )のシラン類とは異なる多種
の加水分解可能なシリコン化合物も、任意に使用可能で
あるが、特に、一般式(III )に示される化合物の使用
が好ましい。
【0056】
【化23】 式中、R、R″、X及びZ′は、同一のものであっても
異なるものであっても良く以下の通りである。
【0057】R=アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基、 R″=アルキレン基またはアルケニレン基、 R″のこれらの基は、酸素またはイオウ、もしくは−N
H−基をその中に含んでいても良い。
【0058】X=水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、ア
ルコキシル基、アシロキシル基、アルキルカルボニル
基、アルコキシルカルボニル基またはNR′2 、なお、
R′は水素、アルキル基またはアリール基、 Z′=ハロゲンまたは任意に置換されたアミノ、アミ
ド、アルデヒド、アルキルカルボニル、カルボシキル、
メルカプト、シアノ、アルコキシル、アルコキシルカル
ボニル、硫酸、リン酸、アクリロキシル、メタクリロキ
シル、エポキシまたはビニル等の基、 a=0、1、2または3 b=0、1、2または3 なお、a+b=1、2または3である。
【0059】この種のシラン類は、例えばDE 34 07 087
C2 に記載されている。アルキル基は例えば直鎖、分枝
鎖または環状構造を有し、炭素数は1〜20、好ましく
は1〜10であり、更に好ましくは炭素数1〜6の低級
アルキル基である。
【0060】特に例を挙げるならば、メチル、エチル、
n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキ
シル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル
及びオクタデシル等の基を挙げることができる。
【0061】アルケニル基は、例えば直鎖、分枝鎖、ま
たは環状の基であり、炭素数は2〜20、好ましくは2
〜10である。更に好ましくは炭素数2〜6の低級アル
ケニル基であり、これらの例としてはビニル、アリール
または2−ブテニル等の基である。
【0062】好ましいアリール基としてはフェニル、ビ
フェニル、ナフチル等に基を挙げることができる。
【0063】アルコキシル、アシロキシル、アルキルカ
ルボニル、アルコキシルカルボニル及びアミノ基は好ま
しくは上記のアルキル基及びアリール基に誘導される基
である。
【0064】特に例を挙げるならば、メトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、
i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メチルア
ミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、N−エチルアニリノ、アセチルオキシ、プロピオニ
ルオキシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジル、2−
フェニルエチル及びトルイル等の基を挙げることができ
る。
【0065】ここに挙げた基は、例えばハロゲン、アル
キル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシル、アリー
ル、アリロキシル、アルキルカルボニル、アルコキシル
カルボニル、フルフリル、テトラハイドロフルフリル、
アミノ、アルキルアミノ、イソシアネート、ジアルキル
アミノ、トリアルキルアンモニウム、アミド、ヒドロキ
シル、ホルミル、カルボキシル、メルカプト、シアノ、
ニトロ、エポキシ、硫酸及びリン酸基等でさらに置換す
ることができる。
【0066】ハロゲンとしては、フッ素、塩素及び臭素
が好ましい。
【0067】一般式(III )に示される加水分解縮合可
能なシラン類の例を、以下に挙げた。
【0068】
【化24】 一般的(I)に示されるシラン類とは異なる加水分解可
能なシリコン化合物もまた任意に使用することができ、
これらの一般式(IV)のものが好ましい。
【0069】
【化25】 式中、A、R、R2 及びXは同一のものであっても異な
るものであっても良く、以下の通りである。
【0070】A=O,S,PR′,POR′,NHC
(O)OまたはNHC(O)NR′、なお、R′は水
素、アルキル基またはアリール基、 B=少なくとも1個のC=C二重結合を有する化合物
B′の誘導体で、直鎖または分枝鎖(l=1であってA
=NHC(O)またはNHC(O)NR′)、または少
なくとも2個のC=C二重結合を有する炭素数5〜10
の直鎖または分枝鎖の有機基、なお、R′は水素、アル
キル基またはアリール基、 R=アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル
アリール基またはアリールアルキル基、 R2 =アルキレン基、アリーレン基またはアルキレン−
アリーレン基、 X=水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシル
基、アシロオシル基、アルキルカルボニル基、アルコキ
シルカルボニル基またはNR′2 、なお、R′は水素、
アルキル基またはアリール基、 n=1、2または3、 k=0、1または2、 l=0または1、 x=整数であって、その最大値は、l=1であり、Aは
NHC(O)またはNHC(O)NR′であるとき、化
合物B′中にある二重結合数マイナス1、または化合物
B′中にある二重結合数に等しくなる。
【0071】この種のシラン類については、DE 40 11 0
44及びEP 091 105 355に記載されている。
【0072】アルキル基は、例えば直鎖、分枝鎖、また
は環状の基であり、その炭素数は1〜20、好ましくは
1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6の低級アルキル
基である。
【0073】特に例を挙げるならば、メチル、エチル、
n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−
ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メチルアミ
ン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
N−エチルアニリノ、アセチルオキシ、プロピオニルオ
キシ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、ベンジル、2−フェ
ニルエチル及びトルイル等の基を挙げることができる。
【0074】ここに名称を挙げた基は、例えば、ハロゲ
ン、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシル、ア
リール、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アルコ
キシカルボニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリ
ル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリ
アルキルアミノ、アミド、ヒドロキシル、ホルミル、カ
ルボキシル、メルカプト、シアノ、イソシアネート、ニ
トロ、エポキシ、硫酸及びリン酸基等の基によって、任
意に置換することができる。
【0075】ハロゲンとしては、フッ素、塩素及び臭素
が好ましい。
【0076】B基は、少なくとも2つのC=C二重結合
を有する置換または非置換の化合物B′の誘導の基であ
り、例えば、ビニル、アリル、アクリル、及び/または
メタクリレート等の基を挙げることができる。そして、
この場合に炭素鎖長数は、5〜50、好ましくは6〜3
0である。
【0077】好ましいB基は、2またはそれ以上のアク
リレートまたはアクリレート基を有する置換されたまた
は置換されていない化合物B′の誘導機が好ましい。
(このような化合物を、以下(メタ)アクリレートとい
う。)化合物B′が置換されている場合、その置換基
は、上記置換基の中から選択される。(ヘテロ)重縮合
体を製造するために、本発明のスピロ−シラン類を単離
することは必ずしも必要ではない。
【0078】シングルバッチ法を用いて最初にシラン類
を製造し、その後任意に加水分解可能な化合物を付加
し、シランを加水分解縮合させることも可能である。
【0079】任意に加水分解可能なアルミニウム化合物
としては、一般式(V)に示される化合物が特に好まし
く、
【化26】 式中、R°は同一のものであっても異なるものであって
も良く、ハロゲン、アルコキシル、アルコキシカルボニ
ル及びヒドロキシル等の基の中から選択される。これら
の基に関するより詳細な(好ましい)ことについては、
適切なか加水分解可能なシリコン化合物に関して与えら
れた説明に記載されている。最後に名称を挙げた基につ
いてもまたキレート配位子(例えば、アセチルアセト
ン、アセト酢酸エステル、酢酸など)で、その一部また
は全部を置換することができる。
【0080】特に好ましいアルミニウム化合物として
は、アルミニウムアルコキシルド、またはアルミニウム
ハライドを挙げることができる。これに関連して以下に
具体例を挙げる。
【0081】
【化27】 sec−ブチルアルミニウム及びイソプロピルアルミニ
ウム等の室温で液体である化合物が特に好ましい。
【0082】任意に使用できる、加水分解可能なチタン
化合物またはジルコニウム化合物の適切な例は、一般式
(VI)に挙げることができる。
【0083】
【化28】 式中、Mはチタンまたはジルコニウムをいい、yは1〜
4までの整数であり、特に2〜4が好ましい。zは0、
1、2または3をいい、0、1または2が好ましい。X
及びRは一般式(I)に示したものと同様である。これ
はまた好ましい範囲についても、同様である。一般式
(VI)で示される、yが4のこれらの化合物が特に好ま
しい。
【0084】前記のアルミニウム化合物の場合と同様、
チタン錯化合物、またはジルコニウム錯化合物もまた使
用される。この場合において、錯体形成剤として好まし
いものはアクリル酸及びメタクリル酸である。
【0085】使用可能なジルコニウム及びチタン化合物
の具体例をに示す。
【0086】
【化29】 (ヘテロ)重縮合化合物製造用に使用される、その他の
加水分解可能な化合物としては、BCl3 、B(OCH
3 3 及びB(OC2 5 3 等のトリハライドホウ素
及びホウ酸エステル、SnCl4 及びSn(OCH3
4 等のテトラハライドスズ及びテトラアルコキシルドス
ズ、VOCl3 及びVO(OCH3 3等のバナジル化
合物を挙げることができる。
【0087】既に述べたように(ヘテロ)重縮合体は、
この分野においては通常の方法で生成される。実際上、
シリコン化合物がもっぱら使用される場合には、加水分
解縮合は必要とされる水を室温でまたはわずかに冷やし
て、加水分解させるシリコン化合物に直接添加すること
によって行われる(好ましくは加水分解及び縮合用触媒
の存在下において攪拌しながら)。加水分解させるシリ
コン化合物は、このような溶媒または適切な溶媒中に溶
解されており、ここで生じた混合物はしばらくの間(1
〜数時間)攪拌される。
【0088】アルミニウム、チタンまたはジルコニウム
といった反応性化合物の存在下において、段階的に水を
加える方法が特に好ましい。存在する化合物の反応性に
依存することなしに、加水分解は通常−20℃〜130
℃の間で起こり、好ましくは0℃〜30℃、または任意
に使用される溶媒の沸点でも起こる。結局のところ水を
加える方式は、開始時に使用された化合物(開始化合
物)の反応性に依存して決定される。このようにして、
任意に溶解された開始化合物を過剰の水中に滴下して加
えるか、または水を任意に溶解された開始化合物に少し
ずつ加える。このように、水を加えることが好ましい訳
でなく、水を含む有機系または無機系によって反応系の
中に水を導入することが好ましいのである。多くの場
合、例えばモレキュラーシーブ等の水の吸着剤、または
例えば80%エタノール等の水を含む有機化合物を用い
て、反応混合物中に水を導入することが特に好ましいこ
とが知られている。しかしながら、反応経路における自
由水において水の付加が起こる。例えば、エステル化が
ある。
【0089】溶媒を使用する場合には、例えば、エタノ
ールまたはイソプロパノール等の低級アルコールばかり
でなく、アセトン、メチルイソブチルケトン等の低級ケ
トン、好ましくは炭素数の少ないジアルキルケトン、ジ
エルエーテル、ジブチルエーテル、THF、アミド、エ
ステル等のエーテル、好ましくは炭素数の少ないエーテ
ル、とくにエチルアセテート、ジメチルホルムアミド、
アミンからも選択することが可能であり、さらにはトリ
エチルアミン及びこれらの混合物もその例として挙げる
ことが可能である。
【0090】加水分解は、スピローシラン類に関しては
塩基性の環境下で行うことが好ましい。この塩基性の環
境は、トリエチルアミンのような塩基性溶媒を用いる
か、またはアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、メチルイミダゾール等の塩基性加水分解触媒及
び縮合用触媒を添加することによって合成される。
【0091】加水分解(重縮合)の開始の際に、開始化
合物全てが必要という訳ではなく、その代りに、ある場
合には最初にこれらのうちの一部分のものが水と接触
し、その後その他の化合物を加えるということができる
という利点もある。
【0092】加水分解及び重縮合の間に沈殿が生ずるこ
とをできる限り避けるために、特にシリコン化合物以外
の加水分解可能な化合物を使用した場合には、水は一時
に加えるのではなく、例えば、3段階等に分けて加える
のが効果的である。
【0093】つまり第1段階では、例えば加水分解に必
要とされる水量の10分の1〜20分の1を加える。し
ばらく攪拌した後、必要量の5分の1から10分の1の
水を再びこれに加え、しばらく撹拌した後、最後に残り
の水を加える。
【0094】縮合に要する時間は、開始化合物及びそれ
らの量、反応系に存在する触媒及び反応温度等によって
決定される。重縮合は一般的には常圧下で行われるが、
加圧下または減圧下で行うことも可能である。
【0095】こうして得られた(ヘテロ)重縮合体は、
上記のように処理されるか、または以下に示すように使
用された溶媒の一部またはほぼ全部を除去する場合もあ
る。いくつかのケースにおいては、このことは、重縮合
後得られた産物中に存在する過剰の水、及び生成された
水及び任意に使用された添加溶媒を、ここで生成された
(ヘテロ)重縮合体を安定化させるために他の溶媒で置
換するという利点となる。こうした目的のために、反応
混合物は、他の溶媒が容易に蒸発除去する程度にまで、
例えば少し温度を高めて真空下にし、濃度が高められ
る。
【0096】(ヘテロ)重縮合体は、例えばPVC、P
C、PMMA、PE、PS等のプラスチックス、ガラ
ス、紙、木材、セラミックス、金属等のコーティング用
ワニスであり、また遅くとも使用前に任意に添加される
顔料、染料といった着色剤等のワニス添加剤、フィラ
ー、酸化防止剤、流動性改良剤、UV吸収剤、安定剤な
どとしてこれら(ヘテロ)重縮合体が使用される。これ
に関しては、例えばグラファイトパウダー、シルバーパ
ウター等のような伝導性の改良のための添加剤について
もふれるべきであろう。成型用化合物として使用する場
合には、無機及び/または有機のフィラー例えば(ガラ
ス)ファイバー、鉱物等を添加することも特に考慮すべ
きである。
【0097】(ヘテロ)重縮合体の最終硬化は、適切な
開始剤の添加によって加熱または光化学的に行われる。
この硬化の間にスピロ基の環が開環し、有機の網目構造
がカチオン重合のプロセスで合成される。そして驚くべ
きことに、この重合過程においては(ヘテロ)重縮合体
の体積は変化せず、または極く僅かしか変化しないとい
うことが明らかにされている。
【0098】体積が僅かに減少するか、減少しない、ま
たは幾分膨脹するということは、スピロ基の数によって
決まり、この体積の減少はスピロ基の数が増加するにつ
れて少なくなる。本発明に記載されたスピロ−シラン類
によって、硬化過程において硬化収縮を生じないケイ酸
(ヘテロ)縮合体をベースとする接着剤及びシーリング
化合物と同様に、コーティング化合物、フィラー及び成
型化合物などを得ることが可能になった。
【0099】しかしながら、(ヘテロ)重縮合体生成を
目的とするイオン重合、及び/またはラジカル重合が進
行中に、さらに別の成分を添加することもできる。この
添加は最終硬化前、すなわち重合前に行うことも可能で
ある。
【0100】ラジカル重合可能な化合物及びこれらに添
加される化合物は、例えばアクリレート、メタククリレ
ート等のC=C二重結合を含む化合物であり、重合はC
=C二重結合部分で生ずる。イオン重合可能な化合物及
びこれに添加される化合物は、例えばスピロ−オルトエ
ステル、スピロ−オルトカーボネート、二環式スピロ−
オルトエステル、モノエポキシド、オリゴエポキシドま
たはビニルエーテル等の、カチオン重合によって開環す
る環を有している。
【0101】カチオン重合可能な化合物として、ラジカ
ル重合の場合と同様にメタクリロイルスピロ−オルトエ
ステル等を添加できる。これらはC=C二重結合を介し
てラジカル重合をし、カチオン重合によって開環され
る。これらの系は、Journal f.prakt. Chemie, Volume3
30, No.2, 1988, 316〜318 頁またはJournal of Polyme
r Science, Part C, Polymer Letteres, Volume 26,517
〜520 頁1988年に記載されている。
【0102】(ヘテロ)重縮合体の硬化が光化学的に行
われる場合には、カチオン性の光重合開始剤が添加され
る。適切な光重合開始剤は、照射があったときに酸を遊
離しない化合物であり、その例としては以下2つの化合
物、C6 5 −N2 BF4 、またはo−NO2 −C6
4 −CH2 −O−SO2 CF3 及び一般式(VII )、
(VIII)及び(IX)に示したようなトリアリールスルホ
ニウム塩を挙げることができる。
【0103】
【化30】 式中、Ar基は同一のものであっても異なるものであっ
ても良く、フェニル及びフェニレン等のアリールまたは
アリーレンを表し、X- はBF4-、AsF6 -、P
6-、またはSbF6-である。
【0104】これらの光重合開始剤は、市販品が用いら
れ、例えばユニオンカーバイト社製の商品名UVI−6
990またはデガッサ社製の商品名KI−85等であ
り、50%のトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロ
ホスフェートを含むプロピレンカーボネート溶液であ
る。式(IX)に示す開始剤においては、Ar基はフェニ
ルまたはフェニレン等の基であり、X- はPF6-であ
り、PF6-を50%を含むプロピレンカーボネート溶液
である。しかしながら、脂環式(シクロアリファリッ
ク)エポキシド等のオキシラン含有分子の重合に用いら
れる光重合開始剤は全て、この原則として使用すること
ができる。
【0105】UV照射が行われた場合、トリアリールス
ルホニウム塩は光分解を受けてブレンステッド酸が生成
される。ブレンステッド酸はスピロ基の開環のための触
媒として働き、これによって(ヘテロ)縮重合体が重合
形成される。
【0106】(ヘテロ)重縮合体の硬化が熱によって行
われる場合は、熱重合開始剤が添加される。適当な熱重
合開始剤は、例えばBF3 ・H2 NC2 5 の中に含ま
れるBF3 、二塩化亜鉛、四塩化チタン、二塩化スズ等
である。ここでもまた、エポキシ基の重合に適用される
全ての熱重合開始剤を使用できる。
【0107】重合開始剤は通常量で使用される。そのた
め重合開始剤の添加量としては、例えば混合物に対して
0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%であ
る。この混合物には30〜50重量%までの固形分(重
縮合体)が含まれている。
【0108】(ヘテロ)重縮合体を調製するために、本
発明に記載されたスピロ−シラン類に加えて、一般式
(IV)に示したシラン類等の反応性二重結合を含む成分
が使用された場合には、熱によってあるいは光化学によ
る重合時に、これらの二重結合を介して重合が形成され
る。
【0109】市販されている光重合開始剤を使用するこ
とも可能である。これらの例としてはイラキュア184
(Iracure 184 、1−ヒドロキシ シクロヘキシル フ
ェニルケトン)、イラキュア500(1−ヒドロキシ
シクロヘキシル フェニルケトン/ベンゾフェノン)、
及びチバガイギー社から販売されているその他のイラキ
ュアタイプの光重合開始剤、メルク社から市販されてい
るドラキュア1173(Darocure1173)、同1116、
同1398、同1174及び同1020、その他とし
て、ベンゾフェノン、2−クロロ−チオキサントン、2
−メチルチオキサントン、2−イソプロピル−チオキサ
ントン、ベンゾイン、4,4′−ジメトキシ−ベンゾイ
ンなどを挙げることができる。
【0110】熱重合開始剤としては、特に有機パーオキ
シドが使用可能であり、こうした有機パーオキシドは、
ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、
アルキルパーエステル、ジアルキルパーオキイド、パー
ケタレン、ケトンパーオキサイド及びアルキルヒドロパ
ーオキサイド中に含まれている。
【0111】熱重合開始剤の具体例及び好ましい例とし
ては、ジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベ
ンゾエイト及びアゾ−ビスイソブチロニトリルを挙げる
ことができる。
【0112】本発明に記載されたスピロ−シラン類及び
重合開始剤で形成されたワニス((ヘテロ)重縮合体)
が、その後コーティング基剤として使用される。このコ
ーィングを行うにあたっては、通常のコーティング法が
用いられる。すなわち浸漬法、フラッディング(Flo
oding)法、ポアリング法、延伸法、回転法、スプ
レー法、ブラッシュペインティング法(Brush−P
ainting)法、静電スプレー法及び電気浸漬コー
ティング等の方法である。
【0113】ワニスは必ずしも溶媒を含む必要がないこ
とを、ここで指摘しておく。特に開始物質(シラン類)
として、ケイ素上に2つのアルコキシル基が結合したシ
ラン類が用いられた場合には、その反応は溶媒の添加無
しに行われる。
【0114】硬化を行う前に、塗布されたワニスを乾燥
することが望ましい。その後開始剤の種類に応じて、熱
的な硬化あるいは光化学的な硬化を既知の方法で行う。
なお、硬化法を組み合わせて使用することも可能であ
る。
【0115】塗布されたワニスの硬化は、照射によって
行われ、照射硬化の後に熱硬化を行う場合これは有利な
点となる。特に、まだ溶媒が残っている場合、その除去
あるいは硬化プロセスの間にまだ反応基を含む場合には
有利となる。
【0116】本発明に記載されたスピロ−シラン類をベ
ースとする(ヘテロ)重縮合体は、既に重合可能な基を
含んでいるが、特定の場合、さらに処理(硬化)を行う
前、あるいは処理を行う際に縮合する不飽和基を有する
化合物(好ましくは純粋に有機的な性質を有するもの)
を添加をする上で有利である。このような化合物の好ま
しい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれ
らの誘導化合物も挙げることができる。特に好ましく
は、1価アルコール(すなわち炭素数1〜4のアルカノ
ール類)のエステル、(メタ)アクリルニトリル、スチ
レン及びそれらの混合物である。これらの化合物は、
(ヘテロ)重縮合体がコーティングワニスあるいはラッ
カーを製造するために使用された場合には、同時に溶媒
あるいは希釈液としても作用する。
【0117】本発明に記載されたスピロ−シラン類をベ
ースとする(ヘテロ)重縮合体からの成型物あるいは成
型用化合物の製造は、例えば射出成型、鋳造成型、押出
し成型等、この分野において使用されるどのような方法
においても成型が可能である。本発明に記載されたスピ
ロ−シラン類をベースとする(ヘテロ)重縮合体は、例
えばグラスファイバー強化剤等の部材を製造するにも適
している。
【0118】本発明に記載されたスピロ−シラン類をそ
の他に応用することは、加水分解縮合可能なポリマーの
製造によって可能となる。このため、本発明に記載され
たスピロ−シラン類は、それ自身で重合するか、または
ラジカル重合またはイオン重合可能な成分と共に重合
し、本発明に記載されたスピロ−シラン類の加水分解可
能な基、またはその他の加水分解可能な成分を介して行
われる加水分解縮合によって、最終硬化が行われる。こ
の場合、有機的な網目状構造が重合によって形成され、
その後、無機的な網目構造が加水分解縮合によって形成
される。
【0119】ポリマーの製造は、1またはそれ以上の
1,4,6−トリオキサスピロ−(4,4)−ノナンを
含む化合物と、その他のカチオン重合可能な任意の化合
物によるカチオン重合によって行われ、また1またはそ
れ以上のラジカル重合可能な任意の化合物のラジカル重
合によって行われる。この時、加熱または電磁波の照射
が行われ、1または2以上の重合開始剤及び/または溶
媒が用いられる。このポリマーの製造は1,4,6−ト
リオキサスピロ−(4,4)−ノナンを含む化合物が、
モノマーに対して5〜100mol%使用されるという
特徴を有し、この1,4,6−トリオキサスピロ−
(4,4)−ノナンを含む化合物は、一般式(I)に示
される本発明に記載されたシラン類から選択されてい
る。
【0120】本発明に記載されたスピロ−シラン類に、
その重合の前にイオン重合可能な成分及び/またはラジ
カル重合可能な成分を添加することもできる。ラジカル
重合可能な化合物及び添加される化合物は、例えばアク
リレート、メタクリレート等のC=C二重結合を含む化
合物であり、重合はC=C二重結合の部分で行われる。
イオン重合可能な化合物及びそれに添加される化合物
は、例えば、スピロ−オルトエステル、ビニルエーテ
ル、スピロ−オルトカーボネート、二環式スピロ−オル
トエステル、モノエポキシド、オリゴエポキシドのよう
なカチオン重合可によって開環可能な環を含んでいる。
また、メタクリロイル−スピロ−オルトエステル等のラ
ジカル重合も可能で、かつカチオン重合可能な化合物を
添加することもできる。これらはC=C二重結合を介し
てラジカル重合され、カチオン重合によって開環する環
を有する。この系は、Journal f. prakt. Chemie, Vol.
330, No.2, 1988,316 〜318 頁またはJournal of Polym
er Science Part C Polymer Letters, Vol. 26 517〜52
0 頁(1988)に記載されている。
【0121】さらに、プレ縮合体型(precondensed for
m )で加水分解可能で重合可能なシリコン化合物は、重
合前に本発明に記載されたスピロ−シラン類に添加さ
れ、重合に関与する。この種のシリコン化合物は、例え
ばエポキシドを含むシラン類に誘導体であり、このため
カチオン重合可能であり、カチオン重合に使用されて本
発明に記載されたスピロシランが製造される。これらの
系については、既に本発明に記載されたスピロ−シラン
類の製造に関連して記載されている。
【0122】しかし、例えば一般式(IV)に示す化合物
の誘導体であるシリコン化合物もまた使用され、これら
はラジカル重合することも可能である。これらの系にお
ける(ヘテロ)重縮合体の製造に関しては、既に詳細に
記載した。
【0123】重合は、適切な開始剤の添加後、加熱また
は光化学によって行われる。このため、カチオン重合反
応においてはスピロ基が開環し、さらに任意のイオン重
合可能な環が開環し、ラジカル重合が二重結合部分で起
こる。この間に、有機的な網目状構造が形成される。こ
の重合の間、反応物の体積は変化せず、または極く僅か
しか変化しないということが既に明らかにされている。
【0124】体積の変化がない、または極僅かに減少が
起る、または逆に膨脹が起る、といったことはスピロ基
の数に応じて決まり、体積の減少の度合はスピロ基の数
の増加につれて少なくなる。
【0125】重合が光化学的に行われる場合には、カチ
オン性光重合開始剤が反応物に添加される。光の照射中
に遊離酸になる化合物が光重合開始剤として適切であ
り、この光重合開始剤は(ヘテロ)重縮合体の光化学硬
化に関連して、既に詳細に説明されている。
【0126】重合が加熱によって行われる場合には、熱
重合開始剤が反応物に添加される。適切な熱重合開始剤
としては、例えばBF3 ・H2 NC2 5 中のBF3
二塩化亜鉛、四塩化チタン、または二塩化スズ等を挙げ
ることができる。エポキシド基の重合に適した熱重合開
始剤は、この場合でもまた使用される。二重結合を有す
る成分が、本発明に記載されたスピロ−シラン類に添加
された場合、加熱または光化学的に重合が開始された時
には、これらの重合は二重結合部分で生じる。
【0127】このような適切な光重合開始剤は、市販品
を購入することも可能である。これらの例については、
(ヘテロ)重縮合体の硬化に関連しては既に述べた。熱
重合開始剤としては、特に有機パーオキシドを含むもの
が適しており、このような有機パーオキシドは、ジアシ
ルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、アルキ
ルパーエステル、ジアルキルパーオキサイド、パーケタ
レン、ケトンパーオキサイド及びアルキルヒドロパーオ
キサイドの中に含まれている。これらの具体例もまた
(ヘテロ)重縮合体の硬化に関連しては既に述べた。
【0128】開始剤は通常量で添加される。従って、例
えば混合物が30〜50重量%の固型物、(重縮合体)
を含む場合、添加される重合開始剤の量はその混合物に
対し重量比で0.5〜5%、特に好ましくは1〜3%で
ある。この方式で得られたポリマーは、任意の他の加水
分解可能な縮合体としてシリコン、またはホウ素、アル
ミニウム、リン、スズ、鉛、ランタノイド及びアクチノ
イド等の遷移金属、から選択される元素、及び/または
上記化合物の誘導体のプレ縮合体等の存在下において、
任意に触媒及び/または溶媒を添加して、水または水分
によって加水分解され、無機の網目状構造を形成する。
【0129】本発明に記載されたスピロ−シラン類の加
水分解縮合と異なり、ポリマーの加水分解縮合はまた酸
性条件下においても可能である。ポリマーは加水分解可
能なX基、すなわちアルコキシル基を含むために、無機
の網目状構造(Si−O−Siユニット)が合成され
る。
【0130】一般式(III )で示される、任意に使用さ
れ得る加水分解可能なシリコン化合物としては任意のプ
レ縮合体型のものが好ましい。この系については(ヘテ
ロ)重縮合体の製造に関して、既に詳細に説明してお
り、具体例についても既に示した。
【0131】任意に使用される加水分解可能なアルミニ
ウム化合物としては、一般式(V)に示される構造を有
する化合物が特に好ましい。加水分解可能なチタン化合
物、またはジルコニウム化合物も任意に使用することが
可能であり、一般式(VI)に示す化合物が好ましい。こ
れらの系についてもまた、(ヘテロ)重縮合体の製造に
関して詳細に議論されている。
【0132】さらに、ポリマーに添加される加水分解可
能な化合物は、BCl3 、B(OCH3 3 及びB(O
2 5 3 等のトリハライドホウ素及びホウ酸エステ
ル、四塩化スズ及びテトラメトキシスズ等のテトラハラ
イドスズ及びテトラアルコキシドスズ、またVOCl3
及びVO(OCH3 3 等のバナジル化合物を挙げるこ
とができる。
【0133】この場合もまた既に述べたように、加水分
解縮合はこの分野における通常の方法で行われる。加水
分解縮合は、多くの場合、必要とされる水を直接に室温
で加えるか、または僅かに冷却しながら加えることによ
って行う。加水分解されるポリマーは、そのままか、ま
たは適切な溶媒中に溶解し、加水分解触媒及び縮合触媒
の存在下で、攪拌を行いながら反応させることが好まし
い。
【0134】アルミニウム、チタン、ジルコニウムとい
った反応性化合物の存在下においては、水は段階的に添
加することが望ましい。加水分解は−20℃〜130℃
の間で起こり、好ましくは0℃〜30℃の間、または任
意に使用される溶媒の沸点で起こる。これは存在する化
合物の反応性には関係しない。既に述べたように、上述
のように加える水の最適方法は使用される開始化合物の
反応性に依存する。例えば溶解されたポリマーをゆっく
りと水の中に過剰になるまで滴下する、または任意に溶
解されているポリマー中に水を少しずつ滴下するといっ
た方法が採られる。
【0135】水をこのように加えることが望ましいので
はなく、水を含む有機系または無機系によって反応系に
水を導入することが望ましいのである。
【0136】本発明をさらに実施例として示す。
【0137】実施例1 2−トリメトキシシリル−プロピルメチルエーテル−
1,4,6−トリオキサスピロ−(4,4)−ノナンの
調製 600mlの水分を除去したジクロロメタン溶液中に、
129g(1.5mol)のγ−ブチロラクトンと4.
62gの3−トリフッ化ホウ素エーテル(BF3 ・Et
2 O)を加え、ここに300mlのジクロロメタンに3
07g(1.3mol)の3−グリシジルオキシプロピ
ルトリメトキシシランを溶解したものを1時間以内に滴
下する。約2時間室温で攪拌後、ロータリエバポレータ
を用いて濃縮を行い、生成物を真空蒸留する。最初の蒸
留の後に、2.10×10-2mbar、約125℃で蒸
留(乾燥)を行い、無色の安定な液体として所定のスピ
ロ−シランが得られる。
【0138】IRデータ:(C−H) 2840〜29
69cm-1 (C−Hメトキシ) 2480cm-1 実施例2 2−トリメトキシシリル−プロピルメチル−エーテル−
1,4,6−トリオキサスピロ−(4,4)−ノナンの
加水分解縮合 Si(OCH3 3 基を加水分解縮合するために、実施
例1で生成した6.54g(20mmol)のスピロ−
シランに対して20mgのトリエチルアミンと0.54
g(30mmol)の水とを滴下する。これらの混合物
を約20時間、室温で攪拌する。生成したスピロ−シロ
キサンは、直接カチオン重合に使用することが可能であ
り、他方では引き続く通常の処理によって単離される。
【0139】IRデータ:(C−H、メトキシ) 24
80cm-1以上には存在しない。
【0140】→加水分解が起こっている。
【0141】(C=O、エステル) 1738cm-1
生成されない。
【0142】→スピロ基は分解していない。
【0143】実施例3 実施例2で調製したスピロ−シロキサンのカチオン重合 実施例2で生成されたスピロ−シロキサンは、2%の重
合開始剤(ユニオンカーバイド社製のUVI−699
0)と混合され、臭化カリウムの薄板上にコーティング
する。真空中にて全ての揮発成分を蒸発させ、これをU
V光で照射し(UVスポットラジエター(spot radiato
r) は、Dr. K. Honle商会の「Blue Point」を使用)、
これによって重合体が硬化される。(完全に硬化するの
は1分以上が必要) IRデータ:(C=O,エステル)1740cm-1(強
いバンド) →完全な変換とスピロ基の重合を示す。
【0144】→ポリエステルシロキサン実施例4 実施例2で調製したスピロ−シロキサンのカチオン重合 実施例2で調整したスピロ−シロキサンは、2%の重合
開始剤(デガッサ社製のKI−85)と混合され、スラ
イドグラス上ににコーティングされる。このコーティン
グは、種々のスリット幅(30〜89μm)を有するフ
ィルムアプリケータフレームを用いて、作成する。
【0145】真空乾燥装置中で、15分40℃で揮発性
成分を飛ばし、ロックタイト(Loctite )商会社製の
「UVALOC 1000」UV照射装置を用いて硬化
を行う。
【0146】実施例3及び4に記載した重合開始剤を使
用して、照射開始後1分以内に透明なコーティングが得
られる。
【0147】なお、3−メトキシ基がスピロ−シラン中
に含まれる場合には、加水分解縮合によって酢酸エステ
ルに溶解される透明なプラスチック状の物質が生じる。
【0148】2−アルコキシル基を有するスピロ−シラ
ンを用いた場合には、液体状の樹脂が得られる。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るシラ
ン類によれば、加水分解及び縮合可能な化合物であるた
め、加水分解縮合によって無機−数機網目構造を形成す
る。
【0150】また、本発明に係るシラン類は、ラジカル
重合可能なC=C二重結合及びスピロ基のような開環に
よってカチオン重合可能な基を有しているので、非常に
反応性に富む。
【0151】さらに、本発明に係るシラン類が重合性の
反応基を複数個有している場合には、三次元有機網目構
造を形成することができる。なお、同様に本発明に係る
シラン類に含有する有機基の種類によって、加水分解縮
合後のポリマーの機械的特性(例えば、柔軟性)及び物
理化学的特性(例えば、吸着、反射係数、接着性等)を
所望に調製することができる。
【0152】また、本発明のシラン類をコーティング、
ワニス等に用いる場合には、塗布した後に加熱またはU
V等に光化学的によって硬化させることができる。
【0153】本発明のシラン類に含有するスピロ基の数
によって、加水分解縮合後の体積変化が殆どないまたは
全くない、または幾分膨脹することもある。このため、
コーティング等に優れている。
【0154】本発明のシラン類は、スクラッチレジスタ
ントコーティング、充填剤、密着剤またはシーリング化
合物、成型物、または埋め込み媒体を作成するために加
工処理される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/04 LRR 8319−4J C09D 4/02 PEA 7921−4J C09J 4/02 JBU 7921−4J

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、X、Y及びRの基は同じものであっても異なる
    ものであっても良く以下の通りである、 R=アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル
    アリール基、またはアリールアルキル基 X=水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシル
    基、アシロキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキ
    シルカルボニル基、またはNR′2 、 なお、R′は水素、アルキル基またはアリール基、 Y=置換された、または置換されていない1,4,6−
    トリオキサスピロ−(4,4)−ノナン基を含む基 n=1、2または3 m=1、2または3、であってn+mは4以下。)で示
    される加水分解可能及び重合可能なシラン類。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシラン類であって、前記
    式中のYは以下の化学式(II) 【化2】 (式中、Zは同一のものであっても異なるものであって
    も良く、水素、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニ
    ル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアル
    キル基、アルキルカルボニル基、またはアルコキシルカ
    ルボニル基である。)で示される加水分解可能及び重合
    可能なシラン類。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシラン類を製造する方法
    であって、一般式(II)に示されるシランと、 【化3】 (式中、X、Y′及びRは同一であっても異なるもので
    あっても良く、X、R、n及びmは請求項1記載のもの
    と同様であり、Y′は置換されたオキシラン環を有する
    基である。)置換されたまたは置換されていないγ−ブ
    チロラクトンと、 をルイス酸の存在下において、反応させることを特徴と
    するシラン類製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のシラン類製造方法であっ
    て、一般式(II)に示すシランが、 3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、 (3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラ
    ン、 3−グリシドキシプロピルメチル−ジ−イソプロペンオ
    キシシラン、 (3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、 2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
    トキシシラン、または、 〔2−(3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシ
    ル)プロピル〕メチルジエトキシシラン、であることを
    特徴とするシラン類製造方法。
  5. 【請求項5】 1またはそれ以上の加水分解縮合可能な
    シリコン化合物と、 ホウ素、アルミニウム、リン、スズ、鉛、アクチノイド
    及びランタノイド等の遷移金属からなる任意の他の元素
    と、及び/または前記化合物の誘導体のプレ縮合体(pr
    econdensates)と、 任意に触媒及び/または溶媒の存在下において、 任意に水または空気中の水蒸気と、 モノマーに対し5モル%から100モル%の範囲の一般
    式(I)のシラン類から選択された加水分解縮合体と、 【化4】 (式中、X、Y、及びRは同一のものでも異なるもので
    あっても良く、以下の通りであり、 R=アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル
    アリール基、またはアリールアルキル基、 X=水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシル
    基、アシロキシル基、 アルキルカルボニル基、アルコキシルカルボニル基また
    はNR′2 、 なお、R′は、水素、アルキル基またはアリール基、 Y=置換された、または置換されていない1,4,6−
    トリオキサスピロ−(4,4)−ノナン基を含む基、 n=1、2または3 m=1、2または3、であってn+mは4以下。)から
    加水分解縮合によって珪酸縮合ポリマーまたは珪酸重縮
    合ポリマーを製造する方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法であって、ラジカル
    重合またはカチオン重合可能な任意のプレ縮合体の化合
    物を加水分解縮合体として使用することを特徴とする珪
    酸縮合ポリマーまたは珪酸重縮合ポリマーを製造する方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の方法であって、
    一般式(III )に示す一または複数の化合物は、 【化5】 (式中、R、R″、及びZ′は同一のものでも異なるも
    のであっても良く、以下の通りであり、 R=アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル
    アリール基、またはアリールアルキル基、 R″=酸素、イオウ、または−NH−を含むアルキレン
    基、またはアルケニレン基、 X=水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシル
    基、アシロキシル基、 アルキルカルボニル基、アルコキシルカルボニル基また
    はNR′2 、 なお、R′は、水素、アルキル基またはアリール基、 Z′=ハロゲンまたは任意に置換されたアミノ、アミ
    ド、アルデヒド、 アルキルカルボニル、カルボキシ、メルカプト、シア
    ノ、 アルコキシル、アルコキシルカルボニル、硫酸、リン
    酸、 アクリロキシ、メタクリロキシ、エポキシまたはビニル
    等の基、 a=1、2または3 b=1、2または3、であってa+bは4以下。)プレ
    縮合体の形で、加水分解縮合可能な化合物として使用さ
    れることを特徴とする珪酸縮合ポリマーまたは珪酸重縮
    合ポリマーを製造する方法。
  8. 【請求項8】 請求項5、6または7記載の方法であっ
    て、 一般式(IV)に示す一または複数の化合物は、 【化6】 (式中、A、R、R2 及びXは同一のものでも異なるも
    のであっても良く、以下の通りであり、 A=O、S、PR′、POR′、NHC(O)O、 なお、R′は水素、アルキル基、またはアリール基、 B=少なくとも1つ(l=1でありA=NHC(O)
    O、または NHC(O)OR′)のC=C二重結合、または少なく
    とも2つのC=C二重結合を含む化合物B′の誘導の有
    機基であり、炭素数5から50の直鎖または分枝鎖、 なお、R′は水素、アルキル基、またはアリール基、 R=アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル
    アリール基、またはアリールアルキル基、 R2 =アルキレン基、アリーレン基、またはアルキレン
    −アリーレン基、 X=水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシル
    基、アシロキシル基、 アルキルカルボニル基、アルコキシルカルボニル基また
    はNR′2 、 なお、R′は、水素、アルキル基またはアリール基、 n=1、2または3 k=0、1、または2 l=0または1 l=1であり、AがNHC(O)OまたはNHC(O)
    NR′であるとき、二重結合数は、化合物B′の二重結
    合数マイナス1、または化合物B′の二重結合数と等し
    い。)プレ縮合体の形で、加水分解縮合可能なシリコン
    化合物として使用されることを特徴とする珪酸縮合ポリ
    マーまたは珪酸重縮合ポリマーを製造する方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の方法であって、 二またはそれ以上のアクリレート及び/またはメタクリ
    レート基を有する置換された、または置換されていない
    化合物B′誘導体のB基を含む一般式(IV)で表される
    化合物を含むことを特徴とする珪酸縮合ポリマーまたは
    珪酸重縮合ポリマーを製造する方法。
  10. 【請求項10】 請求項5、6、7、8または9の記載
    された方法であって、反応溶液に可溶性の一または複数
    のアルミニウム、チタンまたはジルコニウムの化合物で
    あって、これら化合物は任意のプレ縮合体の形で、以下
    に示す一般式を有する前記化合物であり、 【化7】 (式中、Mはチタンまたはジルコニウムであり、R°、
    R及びXは同一のものでも異なるものであっても良く、 R°はハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ア
    シロキシル基であり、 yは1から4の整数、好ましくは2から4、 zは1、2または3であり、好ましくは0、1、または
    2であり、 X及びRは一般式(I)に示したものと同様である。)
    加水分解縮合可能な化合物として使用されることを特徴
    とする珪酸縮合ポリマーまたは珪酸重縮合ポリマーを製
    造する方法。
  11. 【請求項11】 請求項5、6、7、8、9または10
    記載の方法であって、 一または複数の開始剤は、重縮合体に添加され、重縮合
    体は加熱または光化学によって硬化されることを特徴と
    する珪酸縮合ポリマーまたは珪酸重縮合ポリマーを製造
    する方法。
  12. 【請求項12】 請求項5、6、7、8、9、10また
    は11記載の方法であって、 一または複数のラジカル及び/またはカチオン重合可能
    な化合物は、重合前に重縮合体に加えられることを特徴
    とする珪酸縮合ポリマーまたは珪酸重縮合ポリマーを製
    造する方法。
  13. 【請求項13】 一または複数の1,4,6−トリオキ
    サスピロ−(4,4)−ノナンを含有する化合物と、 任意のカチオン重合可能な化合物と、 一または複数のラジカル重合可能な化合物と、によるポ
    リマーの製造方法であって、 加熱または電磁波放射を用い、一または複数の任意の開
    始剤及び/または溶媒の存在下で、 モノマーに対して2モル%から100モル%の一般式
    (I)に示されるシランから選択される1,4,6−ト
    リオキサスピロ−(4,4)−ノナンを含有する化合物
    を用いて、 【化8】 (式中、X、Y、及びRは同一のものでも異なるもので
    あっても良く、以下の通りであり、 R=アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル
    アリール基、またはアリールアルキル基、 X=水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシル
    基、アシロキシル基、 アルキルカルボニル基、アルコキシルカルボニル基また
    はNR′2 、 なお、R′は、水素、アルキル基またはアリール基、 Y=置換された、または置換されていない1,4,6−
    トリオキサスピロ−(4,4)−ノナン基を含む n=1、2または3 m=1、2または3、であってn+mは4以下。)ポリ
    マーを製造することを特徴とするポリマー製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の方法であって、 さらにカチオン重合可能な化合物として、一または複数
    のスピロ−オルトエステル、スピローオルトカーボネー
    ト、二環式スピロ−オルトエステル、メタクリロイルス
    ピロ−オルトエステル、モノエポキシド、オリゴエポキ
    シドが使用されることを特徴とするポリマー製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13または14記載の方法であ
    って、 ラジカル重合可能な化合物として、一般式(IV)に示さ
    れる一または複数の化合物が、 【化9】 (式中、A、R、R2 及びXは同一のものでも異なるも
    のであっても良く、 A、R、R2 及びX、k、l、n及びxは請求項8記載
    のものと同様である。)使用されることを特徴とするポ
    リマー製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項13、14または15記載の方
    法であって、 他の加水分解縮合可能なシリコン化合物と、 任意のホウ素、アルミニウム、リン、スズ、鉛、ランタ
    ノイド及びアクチノイド等の遷移金属からなる他の元素
    と、及び/または前記の化合物誘導のプレ縮合体と、 任意に水または空気中の水分と、から任意の触媒及び/
    または溶媒の存在下で、ポリマーが加水分解縮合するこ
    とを特徴とするポリマー製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の方法であって、一般
    式(III )に示される一または複数の化合物が、 【化10】 (式中、R、R″及びZ′は同一のものでも異なるもの
    であっても良く、 R、R″及びZ′、a及びbは請求項7記載のものと同
    様である。)プレ縮合体の形で、さらに縮合可能なシリ
    コン化合物として使用されることを特徴とするポリマー
    製造方法。
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