JPH05219963A - 温度誘導分泌発現ベクターおよびその原核細胞での使用 - Google Patents

温度誘導分泌発現ベクターおよびその原核細胞での使用

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JPH05219963A
JPH05219963A JP3178516A JP17851691A JPH05219963A JP H05219963 A JPH05219963 A JP H05219963A JP 3178516 A JP3178516 A JP 3178516A JP 17851691 A JP17851691 A JP 17851691A JP H05219963 A JPH05219963 A JP H05219963A
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dna sequence
temperature
region
secretion
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Nancy Beerman
ビアマン ナンシー
Sohel Talib
タリブ ソーエル
Thomas B Okarma
ビー. オカーマ トーマス
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Applied Immune Sciences Inc
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    • C07K2319/705Fusion polypeptide containing domain for protein-protein interaction containing a protein-A fusion

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 原核細胞内で異種タンパクを発現させるため
の温度誘導分泌発現ベクター。このベクターは、作動可
能にインビトロで連結された要素を含み、該要素は、転
写の5’−3’方向に、CIレプレッサーに結合し得る
ヌクレオチド配列を有する転写開始領域と、原核細胞か
ら目的とするポリペプチドを分泌するよう指示し得るシ
グナル配列をコードする第1のDNA配列と、該転写開
始領域によって発現される目的とするポリペプチドをコ
ードする第2のDNA配列と、必要に応じて転写終結領
域とを有する。その分泌発現ベクターで宿主細胞を形質
転換し、次いで増殖させ、次いで誘導して異種タンパク
を発現させる。 【効果】 上記ベクターは、同位相でシグナル配列を有
する適切な遺伝子を挿入することによって、温度感受性
変異を欠いている原核細胞内に目的とするタンパクを発
現・分泌させるのに使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリペプチド、特に異
種ポリペプチドの組成物、および該ポリペプチドを、組
換えDNA法を用いて微生物内で製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】分子生物学の技術が急速に発展して、目
的とする遺伝子のクローン化の可能性が増大し続けてい
る。その結果、研究、治療もしくは産業上の目的のため
に大量の異種タンパクを製造する方法に関する要望も増
大している。外来タンパクを発現する宿主としてイー・
コリ(E.coli)を使用することは比較的ありふれ
たことになっており、イー・コリ内で外来タンパクを高
レベルで発現するいくつかのベクターが開発されてい
る。
【0003】温度感受性ベクターには、培養温度を30
℃から42℃に単に変えるだけで発現を容易に誘導する
ことができる利点がある。また温度誘導発現法によれば
異種タンパクを異化抑制もしくはフィードバック阻害を
受けることなく得るために、増殖培地を最適化すること
ができる。さらに加わる利点は、温度感受性ベクターを
使用すると、イソプロピルβ−D−チオガラクトシド
(IPTG)の必要がなくなるということである。この
IPTGはlacもしくはtacプロモーターを使うベ
クターから発現を誘導するのに普通用いられるものであ
るが、タンパクの大規模生産を行う場合には費用が増大
する。しかしイー・コリ内で使用する発現ベクターで現
在入手できるものには著しい欠点がある。すなわち、得
られるタンパクが、細胞の細胞質内で不溶性で不活性の
形態で見出されることが多い。得られるタンパクが精製
中もしくは精製後に可溶化することができるならば活性
を回復させることができるが、これは困難でしかも不成
功に終わることが多い工程である。
【0004】シグナルペプチドを用いて、発現されたタ
ンパクをイー・コリの細胞周辺腔に送る分泌発現ベクタ
ーが開発されており、この周辺腔ではタンパクは可溶性
の活性型で見出されることが多い。分泌発現ベクターを
使用すると次のような追加の利点がある。すなわち、異
種タンパクの分解に対する保護、宿主細胞に対して有害
なタンパクの発現に対する耐性、天然に存在するタンパ
クと同一のアミノ末端を有するタンパクの産生、および
細胞周辺腔内に存在する汚染タンパクが少数であるため
精製が簡単なことである。それ故に、温度誘導発現の利
点と、イー・コリ内で異種タンパクの生産において分泌
を行うという利点を兼ね備えた分泌発現ベクターを開発
することは興味あることである。
【0005】(関連文献)温度感受性ベクターpHE6
は、Milman、Methods in Enzym
ology、153巻、482〜491頁、1987
年、に開示されている。イー・コリ内で異種タンパクを
高レベルで発現するように設計されたその他のベクター
も開示されている(Duffard等、Method
in Enzymology、153巻、492〜50
7頁、1987年;Greenfield等、Biot
echnology、4巻、1006〜1011頁、1
986年;TaborおよびRichardson、P
roc. Natl Acad. Sci.(US
A)、82巻、1074〜1078頁、1988年;C
rowl等、Gene、38巻、31〜38頁、198
5年)。
【0006】分泌発現ベクターは、Ghrayeb等、
EMBO J.、3巻、2437〜2442頁、198
4年、およびMiyake等、J. Bioche
m.、97巻、1429〜1436頁、1985年に記
載されている。ジスフィルド結合の適正な生成(Dol
littおよびZalkin、J. Bacterio
l.、27〜32頁、1983年、およびHsiung
等、Biotechnology、4巻、991〜99
5頁、1986年);および細胞周辺腔における活性二
量体の適正な生成(SkerraおよびPluckth
un、Science、240巻、1038〜1041
頁、1988年)も報告されている。分泌ベクターの総
説についてはMarston、Biochem.
J.、240巻、1〜12頁、1986年を参照のこ
と。
【0007】
【発明の要約】原核宿主細胞からの活性遺伝子産物の発
現および分泌の温度感受性誘導を行う分泌発現ベクター
とその製造方法と使用について述べる。その発現ベクタ
ーは、温度感受性レプレッサーに結合しうるヌクレオチ
ド配列を有する転写開始領域、目的とするポリペプチド
の宿主細胞からの分泌を指示し得るシグナル配列をコー
ドするDNA配列、および必要に応じて転写終結領域を
備えている。さらに分泌ベクターは、温度感受性レプレ
ッサーをコードする遺伝子をもっている。
【0008】本発明の分泌発現プラスミド(ベクター)
は、作動可能にインビトロで連結された要素を含む分泌
発現プラスミドであって、該要素が、転写の5’−3’
方向に、CIレプレッサーに結合し得るヌクレオチド配
列を有する転写開始領域と、原核細胞から目的とするポ
リペプチドを分泌するよう指示し得るシグナル配列をコ
ードする第1のDNA配列と、該転写開始領域によって
発現される目的とするポリペプチドをコードする第2の
DNA配列を挿入するための少なくとも1つの制限部位
と、必要に応じて転写終結領域とを有する。
【0009】本発明の分泌発現ベクターは、作動可能に
インビトロで連結された要素を含む分泌発現ベクターで
あって、該要素が、転写の5’−3’方向に、CIレプ
レッサーに結合し得るヌクレオチド配列を有する転写開
始領域と、原核細胞から目的とするポリペプチドを分泌
するよう指示し得るシグナル配列をコードする第1のD
NA配列と、該転写開始領域によって発現される目的と
するポリペプチドをコードする第2のDNA配列と、必
要に応じて転写終結領域とを有する。
【0010】好適な実施態様においては、上記許容温度
は約30℃〜32℃であり、そして前記誘導温度が約4
2℃〜44℃である。
【0011】宿主細胞は次のようにして利用される。す
なわち宿主細胞は発現ベクターで形質転換され、次いで
所望の細胞密度に到達するまで許容温度で栄養培地内で
増殖される。次にレプレッサーを不活性にするのに充分
な温度まで昇温し、目的とする該ポリペプチドの転写を
誘導する。
【0012】原核宿主細胞から目的とするポリペプチド
の温度誘導分泌を行わせる本発明の方法は、次の工程を
包含する:転写の5’−3’方向に、CIレプレッサー
に結合し得るヌクレオチド配列を有する転写開始領域
と、シグナル配列をコードする第1のDNA配列と、該
転写開始領域によって発現される目的とするポリペプチ
ドをコードする第2のDNA配列と、必要に応じて転写
終結領域とを有する、作動可能にインビトロで連結され
た要素を含む分泌発現ベクターを有するが、温度感受性
の変異を欠いている原核宿主細胞を、栄養培地内で許容
温度で増殖させて、該細胞を複数得る工程;および該栄
養培地の温度を、前記転写開始領域からの転写を誘導す
るのに充分な温度にまで上昇させて、該目的とするポリ
ペプチドを発現させて該宿主細胞から分泌させる工程。
【0013】好適な実施態様においては、上記発現ベク
ターは、pNB1もしくはpNB2である。
【0014】
【発明の構成】本発明にしたがって、温度誘導分泌ベク
ター、その製造方法およびその使用を述べる。その分泌
ベクターは温度誘導発現と、活性遺伝子産物の分泌を与
える。その発現ベクターは、プロモーターからの発現を
制限して所望のポリペプチドの温度誘導発現を行う温度
感受性レプレッサーを含有し、さらに、目的とするポリ
ペプチドを分泌するためのシグナル配列を含有してい
る。この分泌発現ベクターは、生成した形質転換細胞が
安定して分泌発現ベクターを維持する条件下で、宿主細
胞に導入される。天然に存在するDNAもしくは合成D
NAが、そのDNAでコードされる目的とするポリペプ
チドの産生に用いられる。分泌発現ベクターは、シグナ
ルペプチドと目的とするポリペプチドとを含有する融合
発現産物を提供する。
【0015】この発現の発現ベクターは下記の基本構造
を持っている。
【0016】P−−S.D.−−Met−−S−−G−
−(T)0もしくは1 ここで、Pは、翻訳開始部位から上流の約−35位およ
び−10位にあるヌクレオチドの位置にある調節領域を
コードするプロモーター配列と、CIレプレッサーに結
合し得る配列を有している。
【0017】S.D.はシャイン・ダルガルノ配列を含
有している。
【0018】Metは、目的とするシグナルペプチドの
開始メチオニンコドンを、有している。
【0019】Sは、宿主細胞から目的とするポリペプチ
ドを分泌させかつ目的とするポリペプチドからシグナル
配列を切断させる、シグナル配列をコードするDNAを
有している。
【0020】Gは目的とするポリペプチドをコードする
DNA配列を有している。
【0021】Tは必要に応じて転写終結領域を有してい
る。
【0022】原核細胞のプロモーターすなわち転写調節
領域は、転写の効率に作用するヌクレオチド配列を有し
ている。この配列は、翻訳開始部位から約−35位から
−10位のヌクレオチドに調節領域を備えている。この
転写調節領域は、さらに、目的とするポリペプチドをコ
ードするDNA配列の発現時間を、増殖培地の温度によ
って調節できる調節配列をもっている。温度感受性の転
写を行う転写調節領域すなわちプロモーターの例は、C
I857レプレッサーに結合するプロモーター(例えば
λ左およびλ右のプロモーターなど)をもっている。こ
れらの配列と少なくともほぼ同じヌクレオチド配列を有
する合成プロモーターも使用できる。
【0023】好ましい転写調節領域はバクテリオファー
ジλPLプロモーターである。このλPLプロモーターを
用いると、その転写調節領域はさらにバクテリオファー
ジOLオペレーターを含有している。温度感受性CIレプ
レッサーをコードするCI857遺伝子は、分泌発現ベ
クターに含有されている。これによって、低温(例えば
約30℃)においてレプレッサーとオペレーター間の相
互作用によってプロモーターを調節することができる。
温度を約42℃まで上昇させるとレプレッサーが不活性
化され、目的とする遺伝子を発現することができる。
【0024】その転写調節領域は、転写を終結し、mR
NAの分解を阻止してmRNA種の安定性を増大させか
つ高い発現をさせる配列もしくは構造を有する調節配列
を必要に応じて有する。原核配列のいくつもの例が知ら
れている(例えば、Trpターミネーター、32(T
4)遺伝子ターミネーター、または配列が遺伝子32に
類似している合成ターミネーター)。
【0025】目的とするポリペプチドの分泌はシグナル
配列を用いて達成することができる。シグナル配列をコ
ードするDNA配列は、目的とするポリペプチドをコー
ドするDNA配列の上流で該DNA配列の読取り枠内に
連結されている。典型的には、シグナル配列は、シグナ
ル配列ペプチダーゼによって認識される切断部位を含有
している。したがってシグナル配列切断部位のすぐ後に
目的とするポリペプチドを置けば、目的とするポリペプ
チドをシグナル配列から特異的に切断して成熟ポリペプ
チドとして分泌させることができる。
【0026】シグナル配列をコードするDNA配列は、
通常分泌されるポリペプチドをコードする遺伝子から得
られうるシグナル配列をコードするDNA配列であ
る。”から得られうる”という用語は、天然の起源から
得ることができるDNA配列を意味する。シグナル配列
をコードするDNA配列は、天然に存在する配列と同一
でもよく、または目的とするポリペプチドを直接分泌で
きる生成シグナル配列の性能に影響しない限り配列に変
化があってもよい。シグナル配列の例としては、次のよ
うな遺伝子由来のシグナル配列がある。即ちompA遺
伝子(Movva等、Journal of Bioc
hemistry、255巻、27〜29頁、1980
年);phoA遺伝子(Inouye等、Journa
l of Bacteriology、149巻、43
4〜439頁、1982年);ompF遺伝子(Ite
bgbeph等、Proc. Nat. Acad.
Sci.(USA)、77巻、2621〜2625頁、
1980年);ompC遺伝子(Mizuno等、FE
BS Lett.、151巻、159〜164頁、19
83年);phoE遺伝子(Overbeck等、J.
Mol. Biol.、163巻、513〜532
頁、1983年);ompF遺伝子(MutuhFEB
S Lett.、137巻、171〜172頁、198
2年)由来のシグナル配列である。
【0027】本発明で使用されるその他のシグナル配列
は、以下の特性に基づいて決定することができる。シグ
ナル配列は一般にほぼ同じ長さ、すなわち約20〜30
のアミノ酸である。その上、シグナル配列のアミノ酸配
列は、約1〜7の親水性アミノ酸のセグメントで始ま
り、そのセグメントはプラスの電荷を有する約1〜3個
のアミノ酸残基を有する短いアミノ酸配列で終結してい
る。一般に、シグナル配列のその他の結合は、通常、疎
水性コアと呼ばれている約15〜20のアミノ酸残基を
有する疎水性領域で構成されている。このような配列
は、例えば、読取り枠によってコードされるアミノ酸配
列についての疎水性曲線を決定するコンピュータ走査に
よって決定される。
【0028】一般に、シグナル配列は、上記のような所
望の配列を有するオリゴマーを合成することによって作
製することができる。いくつかの例では、シグナル配列
をコードするDNA配列に制限部位を導入することが必
要か、もしくは望ましい。可能であれば、その変化は天
然に存在するシグナル配列のアミノ酸配列に関して影響
がない。必要に応じて、制限部位は、目的とするポリペ
プチドをコードするDNA配列と連結している適切な発
現プラスミドに、合成シグナル配列を挿入し易いよう
に、合成シグナル配列の5’末端および/または3’末
端に含有されている。
【0029】目的とするポリペプチドは、発現が望まれ
るポリペプチドであり、かつ宿主細胞に対し、同種のポ
リペプチド(宿主細胞由来のDNAによってコードされ
ている)か、または異種ポリペプチド(外来起源由来の
DNA、または全体もしくは部分的に合成のDNA配列
によってコードされている)である。ポリペプチドが、
宿主細胞に対して同種である場合は、宿主細胞に対して
自生もしくは内生である。ポリペプチドは原核起源もし
くは真核起源から誘導されるが、後者には、真菌類、原
生動物、脊椎動物、無脊椎動物などが含まれる。目的と
するポリペプチドとしては抗トリプシンαおよびDHF
Rのような酵素;いずれかのインターフェロン(α、
β、γ)IL−2などのような哺乳類ペプチドが含ま
れ、あるいは1種を越える種類のポリペプチド由来のキ
メラポリペプチドであってもよい。
【0030】目的とする遺伝子が、目的とする所望の遺
伝子の天然の転写調節領域と天然の翻訳調節領域を認識
する宿主内で発現される場合は、その5’と3’の天然
の調節領域を有する遺伝子の全体が適切な分泌発現ベク
ターに導入される。しかし遺伝子が、目的とする遺伝子
に関連する天然の転写調節領域と天然の翻訳調節領域と
を認識しない宿主内で発現させる場合は、別の操作が必
要である。目的とする遺伝子の上流に位置する非コード
領域もしくは5’領域は、エンドヌクレアーゼ制限、B
al31消化などの方法によって除去することができ
る。あるいは、便利な制限部位が目的とする遺伝子の
5’末端の近傍に存在している場合は、目的とする遺伝
子が切断され、目的とする遺伝子をプロモーター領域に
連結するためにアダプターが用いられ、このアダプター
が目的とする遺伝子の失われたヌクレオチドを提供す
る。各種の3’転写調節領域が知られており、終始コド
ンの下流に挿入される。
【0031】目的とするポリペプチドをコードするDN
A配列は、重複する一本鎖を与える通常の方法を用いて
合成することができ、この一本鎖はアニールされ所望の
コード領域が形成される。末端は制限部位を与えるよう
に設計されるか、または1つの末端もしくは両末端は、
発現ベクターの相補的な末端に連結するために、平滑末
端にする。発現ベクターは、広く入手できることがで
き、文献に十分に記載されている。
【0032】目的とするポリペプチドをコードするDN
Aを合成する代わりに、DNAを各種の方法で単離する
ことができる。これらの方法には、目的とするポリペプ
チドをコードする宿主生物からmRNAを単離するこ
と、得られたmRNAで逆転写すること、得られた一本
鎖(ss)DNAを鋳型として用いて二本鎖(ds)D
NAを調製すること、およびそのdsDNAを単離する
こと、が含まれる。別の方法は、宿主細胞のゲノムDN
Aの1片を単離し(目的とするポリペプチドをコードす
る遺伝子の最も保存的な配列を有する領域を含む、適切
に縮重したプローブを用いて)、そして、宿主ゲノム中
の目的とするポリペプチドをコードする配列を同定する
方法である。このプローブは全体の配列よりかなり短く
てもよいが、長さは少なくとも10、好ましくは少なく
とも14、より好ましくは少なくとも20のヌクレオチ
ドの長さでなければならない。またオリゴヌクレオチド
も、目的とするポリペプチドをコードする遺伝子の全長
まで長い程有用である。DNAプローブとRNAプロー
ブの両方を用いることができる。プローブは、容易に識
別できる検出可能な標識を付けて通常用いられるが、標
識を付けていないオリゴヌクレオチドも、標識を付けた
プローブの前駆物質としておよびDNAもしくはDNA
/RNAの検出を行う方法に用いるのに有用である。し
たがって、オリゴヌクレオチドという用語は標識形と無
標識形の両者を意味する。
【0033】目的とするポリペプチドをコードするDN
A配列の起源と、所望のポリペプチドの長さとに対応し
て、便利な制限部位が、目的とするポリペプチドをコー
ドするDNAの中に設計される。可能であれば、その制
限部位は、アミノ酸配列に対して影響せず、すなわちポ
リペプチドのアミノ酸配列を無変化のままに残す(例え
ばセリンのコドンをAGCからAGTに変えるかもしく
はイソロイシンのコドンをATTからATCに変え
る)。しかしいくつかの場合には、新しい制限部位が取
込まれ、タンパクの活性を著しく変えることなく、変化
したアミノ酸配列が生成する。
【0034】分泌発現ベクターの構築中に、DNAの各
種断片は通常、適切なクローニングベクター中でクロー
ン化され、DNAの増幅、DNAの修飾、または配列、
リンカーなどの連結もしくは除去による操作をすること
ができる。通常、ベクターは細菌中で少なくとも比較的
高いコピー数で複製することができる。グラム陰性菌、
特に、イー・コリ中でクローン化する、例えばpBR3
22、pUC18、pUC19、SP6などのようなベ
クターが容易に入手できる。これらのクローニングベク
ターは、宿主細菌中で機能する効率的な複製系をもって
いるという特徴を有する。
【0035】これらのクローニングベクターは、少なく
とも1つの非反復制限部位、通常は複数の非反復制限部
位をもっており、また多数の制限部位を有し得る。さら
にクローニングベクターは、形質転換細胞を選択するた
めのマーカーを1つ以上もっている。これらのマーカー
は通常、抗生物質、重金属、毒物などであり得る細胞物
質に対する耐性、栄養素要求性宿主の相補、もしくはフ
ァージに対する免疫を与える。ベクターとカセットを適
切に切断し、適切な場合には、チューイングバック(c
hewing back)もしくは突出部の充填によっ
て平滑末端を与えることによって、追加のリンカーによ
って、およびテーリングによって、末端を修飾すること
により、相補末端を、ベクターを分泌発現ベクターもし
くはその要素に連結することができる。
【0036】カセットの構築中、DNAの各操作の後
に、得られたプラスミドはクローン化され単離され、そ
して必要に応じて、適正な配列が得られたことを確認す
るために、特定の分泌ベクターの成分がその配列につい
て分析される。操作の性質によっては、プラスミドが切
断できる場合には、所望の配列がプラスミドから切取ら
れ異なるベクターに導入され、適切な場合、分泌発現ベ
クターの成分が操作される。
【0037】いくつかの例では、ベクターが、異なる複
製システムを必要とする異なる宿主内で複製できる場
合、シャトルベクターが用いられる。この場合、2つの
宿主内で機能する追加のマーカーが必要である場合もな
い場合もある。そのようなマーカーが必要である場合に
は、これらはベクターに入れることができる。そのベク
ター、2つの複製システムおよびそのマーカーを有する
プラスミドは、必要に応じて1つの宿主から別の宿主に
移すことができる。選択のために、有用なマーカーのい
ずれもが用いられる、ネオマイシンもしくはテトラサイ
クリンに対する耐性が重要である。しかし、選択のため
のマーカーは便利なため非常に望ましいが、形質転換細
胞をスクリーニングする他の方法が発表されている(例
えばG.Reipin等、Curret Geneti
cs、189〜193頁、1982年、参照)。形質転
換細胞も、彼が作った特異的生産物でスクリーニングさ
れ得る。例えば所望の生産物の合成は、免疫学的方法ま
たは酵素的方法で決定できる。
【0038】目的とするポリペプチドをコードするDN
A配列を含有する分泌ベクターが、一旦、適切な宿主に
導入されたならば、その宿主は増殖して目的とするポリ
ペプチドをコードするDNA配列を発現する。各種の原
核宿主を用いることができる。宿主細胞としては、温度
感受性の変異をもたないグラム陰性菌、例えばJM10
7、JM105、JM101もしくはDH5αのイー・
コリが挙げられる。
【0039】その宿主は、適切な栄養培地内で高密度と
なるまで増殖される。目的とするポリペプチドをコード
するDNA配列を発現したい場合は、栄養培地の温度を
変えることができる。例えば、調節配列が、バクテリオ
ファージλPLプロモーター、バクテリオファージOL
ペレーターおよびCI857温度感受性レプレッサを有
している場合には、宿主細胞は、許容温度、一般に約3
0℃で増殖することができ、この温度では、PLプロモ
ーターからの温度転写が抑制され、宿主細胞は外来遺伝
子産物の合成の要求によって自由増殖することができる
が、その産物はさらに宿主細胞に対して毒性となり得
る、宿主細胞が適切な密度に到達したとき、温度を非許
容温度(例えば約42℃)まで上昇させるが、その温度
でCI857レプレッサーは不活性になるので、PLプロ
モーターからの転写を行うことができる。
【0040】産生物が細胞周辺腔に分泌される場合は、
細胞を収穫し、細胞壁を破壊して(例えば低浸透圧ショ
ックなどによって)産生物を遊離させる。産生物が培地
中に分泌される場合は、その栄養培地を集め、産生物を
通常の手段(例えばアフィニティークロマトグラフィ
ー)によって単離する。活性タンパクを生産するには、
そのタンパクを再生(refold)させる必要があ
る。
【0041】以下の実施例は本発明を例示するためのも
ので本発明を限定するものではない。
【0042】
【実施例】
[酵素と試薬]制限酵素は、New England
Biolabs,BRL,およびIBIから購入した。
バクテリオファージT4 DNAリガーゼおよびポリヌ
クレオチドキナーゼはNew England Bio
labsから入手した。仔ウシ腸ホスファターゼはBo
ehringer−Mannheim社から入手した。
35S〕−メチオニン、〔α−35S〕ATP、〔32P〕
ATPおよび〔14C〕−メチオニンタンパク標準品はA
mersham社から購入した。〔125I〕−α−ブン
ガロトキシンはNew England Nuclea
r社から購入した。レインボープロテインの標準品はA
mersham社から入手した。アクリルアミドと尿素
はICN社から購入した。アガロースはBio−Rad
社とFMC社から購入した。10〜20%勾配SDS−
PAGEはISS社から入手した。ニトロセルロースフ
ィルターとElutipカラムはSchleicher
and Schuell社から購入した。DNA配列
決定キットはUS Biochemicals社から購
入した。X線フィルムはKodak社から入手し、Cs
ClとフェノールはIBI社から入手した。NenSo
rbカラムはNewEngland Nuclearか
ら購入した。
【0043】[細菌菌株とプラスミド]イー・コリK1
2 JM107を全工程において宿主細胞として使用し
た。プラスミドpUC18はBRLから購入した。プラ
スミドpHE6はG.Milman氏の寄贈であった
(Methods in Enzymology、15
3巻、482−491頁、1987年)。
【0044】[オリゴマーの合成と精製]オリゴマー
は、Biosearch 8600 DNA合成機およ
び、Biosearch社の試薬を用いて合成した。オ
リゴマーは、20%ポリアクリルアミド−尿素ゲルでゲ
ル精製を行い、NenSorbカラムで脱塩し、次いで
凍結乾燥した。
【0045】[プラスミドDNAの精製とDNAクロー
ン化]細胞のアルカリ溶解を、すでに発表されているよ
うにして行った(Birnboimら、Nucleic
Acid Res、7巻、1513−1523頁、1
979年)。プラスミドDNAは、2段階CsCl勾配
遠心分離法を用いて精製した(Gargerら、Bio
chem、Biophys.Res、Commun、1
17巻、835−842頁、1983年)。標準的なD
NAクローニングの技術はすでに発表されている方法に
従って実施した(Maniatisら、A Labor
atory Manual、1982年)。
【0046】[DNAの配列決定]DNAの配列決定
は、US Biochemical社の配列決定キット
と共に提供される手順を利用し、アルカリ変性プラスミ
ドDNAで実施した。試料は、BRL装置を用いて8%
ポリアクリルアミド−尿素ゲル上で電気泳動を行った。
【0047】[タンパクの配列決定]タンパクの配列決
定は、Speicher等が発表した方法(Techn
iques in Protein Chemistr
y 24−25頁、1989年)にしたがって、App
lied BioSystems 477−A タンパ
ク配列決定装置とApplied BioSystem
s社の試薬を用いて行った。
【0048】(実施例1) [合成シグナル配列のクローン化]イー・コリのomp
A5遺伝子(Movva等、前記文献、1980年)も
しくはphoA遺伝子(Inouye等、前記文献、1
982年)由来の2つの異なるシグナル配列をこれらの
ベクターの構築に用いた。合成のompAおよびpho
Aのシグナル配列を構築するのに用いたオリゴマーを図
1のAおよびBに示す。以下の変化はすべて、アミノ酸
配列に対しては影響せず、天然の配列中に作製した。
mpAについては、16位におけるイソロイシンのコド
ンATTをATCにかえて、PvuIとNruIに対す
る新しい制限部位を作製した。phoAについては、最
初のGTGメチオニンコドンをATGに変化させ、18
位のセリンのコドンをAGCからAGTに変えて新しい
ScaI制限部位を作製した。目的とするどの遺伝子で
も挿入し易くするために、ポリリンカーを各シグナル配
列の3’末端に入れた。各配列の5’末端は、pHE6
のλNプロテイン遺伝子のコドン領域(Frankli
nおよびBennett、Gene、8巻、107−1
19頁、1979年)を7HinfI制限部位で切除し
ていずれかのシグナル配列で置換することができるよう
に設計した。HinfI部位から最初のATGコドンま
でのオリゴマーの配列は、Nプロテイン遺伝子のそれと
同一であり、天然のリボソーム結合部位を維持してい
る。
【0049】シグナル配列クローン化のダイアグラムを
図2に示す。以下のプロトコールを、ompAとpho
Aのシグナル配列の両方に用いた。キナーゼ処理をした
オリゴマーを、1+2と3+4の対どうしを、等モル量
で混合し、凍結乾燥した。10Lの水に再懸濁した後、
オリゴマーの対を90℃で5分間加熱し、ゆっくり40
℃まで冷却した。生成したアニール化オリゴマーの対
(AおよびBそれぞれについて)を混合し、35℃で6
0分間インキュベートした。10μLの10mMATP
と39μLの水の予め加温した混合物をオリゴマーの上
記セットに添加した。インキュベーション温度は、5分
毎に3℃ずつ15℃まで下げた。リガーゼを添加し、オ
リゴマーのセットを15℃で一夜インキュベートした。
70℃で10分間加熱してリガーゼを不活性化した後、
オリゴマーのセットをHindIIIとPstIの制限
酵素で消化した。得られた107bpのHindIII
−PstI制限断片を適切に製造したpUC18に連結
した。コンピテントJM107細胞を前記凍結混合物で
形質転換し、6種の形質転換細胞をDNA配列分析用に
選択した。合成ompAシグナル配列中に変異部分がな
い形質転換細胞由来のプラスミドDNA、pUC18
ompAを次の構築に使った。この工程をphoAシグ
ナル配列について繰り返してpUC18phoAを作製
した。
【0050】(実施例2) [pNB1とpNB2の構築]pNB1とpNB2構築
のダイアグラムを図3に示す。ompAとphoAの合
成シグナル配列を有するHinfI−PstI制限断片
をそれぞれpUC18ompAとpUC18phoAか
ら生成させた。10μgのpHE6をHinfIで部分
的に消化して、大部分が一ヶ所切断したプラスミド25
DNAを生成させた。次にこのDNAをBglIIで消
化して、λPLプロモーター(ργPL)を有する348
bpのHinfI−BglII制限断片を得た。pUC
19ompAとpUC18phoAの各々5μgをHi
nfIとPstIで消化して、合成のompAとpho
Aのシグナル配列を有する101bpのHinfI−B
glII制限断片を生成させた。得られた制限断片類
を、1.8%の低融点アガロースゲルでゲル精製し、フ
ェノールで抽出し、メーカーの指示にしたがってSch
leicher and Schuell社のElut
ipカラムに通過させた。pHE6の別の1μgをPs
tIとBglIIで消化し、仔ウシアルカリホスファタ
ーゼ(CAP)で脱リン酸し、0.8%の低融点アガロ
ースで同様にゲル精製した。得られたompAとpho
AのHinfI−PstI制限断片を各々、λPLBg
lII−HinfI制限断片およびすでに製造したpH
E6ベクターDNAと混合した。得られたDNA混合物
を70℃で5分間加熱し、ゆっくり16℃まで冷却し、
一夜16℃で連結させた。連結された混合物を次にコン
ピテントJM107細胞を形質転換するのに用いた。各
構築物から得たいくつかの形質転換細胞を、制限断片の
的確な集団であることを確かめるためのDNA配列分析
用に選択した。完成された温度誘導分泌ベクターpNB
1とpNB2の地図を図4に示す。
【0051】(実施例3) [ヒトアセチルコリンレセプターのαサブユニットをコ
ードする遺伝子の発現]発現ベクターpNB1とpNB
2が設計どおりに機能するか否かを確認するために、ヒ
トアセチルコリンレセプターのαサブユニットαacr
の理論的アミノ末端細胞外部分をコードする合成遺伝子
〔係属中の同種出願(代理人の整理番号AISI−01
5)参照〕を、各ベクターのポリリンカーのEcoRI
とBamHIとの制限部位の間に挿入して(図5)pN
B1αacrおよびpNB2αacrを作製した。pN
B1とpNB2をEcoRIで消化し、次いでBamH
Iで消化し、CAPで脱リン酸を行い、1.0%の低融
点アガロースゲルでゲル精製した。各ベクターをαac
を有する、ゲル精製したEcoRI−BamHI制限
断片と混合して連結した。この融点で得られたヌクレオ
チド配列と、各構築による領域の対応するアミノ酸配列
をダイヤグラム線図の拡大部分に示す。矢印(図5)は
シグナルペプチドの開裂部位を示し、星印は、タンパク
αacrの開始部を示す。αacrが、各ベクターの
シグナル配列と同位相で挿入されたことを確かめるため
にDNAの配列決定が行われた。
【0052】プラスミドのpNB1αacrとpNB2
αacrを、インビトロでαacrタンパクを発現する
性能について、35S−メチオニンを取り込むDNA依存
性結合転写翻訳システム(DNA−dependent
coupled transcription−tr
anslation system)で、最初に試験し
た。各構築物の試料をAmercham社から購入した
キットとともに使用した。35S−メチオニンを使用する
メーカー推奨の方法にしたがった。試料を10分間沸騰
させ、次に10〜20%SDS−PAGE上で電気泳動
させた。そのゲルをNEN社から購入したEnligh
teningで処理し、乾燥し、次いでX線フィルムに
ゲルをのせて10分間露光した。翻訳産物をSDS−P
AGEで分析し、結果を図6に示す。レイン1はpNB
1、レイン2はpNB2、レイン4はpNB1αac
r:レイン5はpNB2αacrである。矢印は、om
αacrphoαacrに対応する独特の28
kDのタンパクを示す。遺伝子を挿入することなしに、
pNB1とpNB2は各々約7kDの独特のタンパク
(レイン1と2)を得た。これらのタンパクは、恐ら
く、プラスミドDNAの3’ポリリンカー領域におけ
る、シグナル配列の開始部位からランダム終止コドンま
での追加翻訳産物である。pNB1とpNB2のポリリ
ンカーに挿入されたαacr遺伝子によって、その7k
Dのタンパクはもはや産生されなくなった。代わりに、
各ベクターは、αacrタンパクにいずれかのシグナル
ペプチドを加えた追加のアミノ酸の予想される分子量に
対応して28kDの独特のタンパク(レイン4と5)を
得た。そしてこのタンパクは、インビトロでは切断され
ない。αacrタンパクは、pNB1αacrもしくは
pNB2αacrから同じ効率で、インビトロで産生さ
れた。
【0053】次に発現ベクターは、インビボでのαac
タンパクの産生について試験された。pNBαacr
もしくはpNB2αacrを有するJM107の培養物
を、LBもしくはM9CA中で30℃にてA600=0.
6−0.8 O.D.になるまで増殖させた。誘導につ
いては、培養物を迅速に42℃にして45分間保持し、
残りの増殖期間を37℃に保持した。1mLの試料を誘
導を行って3時間後に取り出した。細胞をペレット状に
して、20μLのタンパク試料緩衝液に再懸濁させた。
10分間沸騰させた後、その10μlを10〜20%S
DS−PAGEで電気泳動させ、クーマシーブルーで染
色した。結果を図7に示す。レイン1は標準のタンパ
ク、レイン2はpNB1αacr−30℃、レイン3は
pNB1αacr−42℃、レイン4はpNB2αac
r−30℃、レイン5はpNB2αacr−42℃であ
る。矢印はそれぞれ、ompαacrαacrに相
当する28kDと25kDのタンパクを示す。28kD
と24kDとの2つのタンパクは誘導後に出現した(レ
イン2と3)。これらのタンパクの分子量は、omp
αacr(未処理)とαacr(処理済)について予
想された分子量と一致している。
【0054】pNB2αacrを有する細胞におけるα
acrタンパクの発現を、染色したゲルから評価するこ
とは困難であった。それ故に、いずれかのプラスミドを
有する培養物を、前記のように増殖させて誘導し、次に
誘導後種々の時点で35S−メチオニンを用いてパルス標
識試験を行った。pNB1αacrもしくはpNB2α
acrを有するJM107の培養物を、図7において説
明したようにして増殖させて誘導した。誘導後の種々の
時点で、50Ciの35S−メチオニンを1mlずつ細胞
に添加し、増殖を10分間続けた。総細胞抽出物を作製
してSDS−PAGEで分析し、次いで図6で述べたの
と同様に蛍光光度法に付した。pNB1αacrとpN
B2αacrのインビトロ結合転写翻訳法(in vi
tro−coupled transcription
−translation)由来の試料を、比較のため
に用いた。レイン1はpNB1αacr−30℃、レイ
ン2、3および4はそれぞれpNB1αacr−42℃
の30分間、1時間および2時間の結果、レイン5はp
NB1αacrインビトロ、レイン6はpNB2αac
r−30℃、レイン7、8および9はそれぞれpNB2
αacr−42℃の30分間、1時間および2時間の結
果、レイン10はpNB2αacr−インビトロ、レイ
ン11は14C−メチオニン標識タンパク標準品である。
矢印はαacrタンパクである。総細胞抽出物をSDS
−PAGE法、次いで蛍光光度法に付した。結果を図8
に示したが、pNB1αacrとpNB2αacrが、
10分間のパルスで、ほぼ等量のαacrタンパクを生
成したことを示している。しかしpNB1αacrを有
する細胞は、誘導後の増殖中に非常に高レベルのαac
rを蓄積するようであったので、この試験の残りではα
acrのpNB1αacrからの発現について集中的に
試験した。
【0055】28kDと25kDの誘導されたタンパク
αacrタンパクとしての特性を確認し、その生物活
性を評価するために、α−ブンガロトキシン結合検定法
を実施した。このヘビ毒液の毒素は、アセチルコリンレ
セプターのαサブユニットの活性部位の近傍に特異的に
結合する(HaggertyおよびFroehner、
J.Biol.Chem.、256巻、8294−82
97頁、1981年;Wilson等、Proc.Na
tl Acad.Sci.(USA)、82巻、879
0〜8794頁、1985年)。またこの毒素は、pK
K223−3から発現されたαacrタンパクにも結合
する[係属中の同種出願(代理人整理番号AISI−0
15)参照]。pNB1αacrを有する、誘導された
培養物もしくは未誘導の培養物由来の総細胞抽出物をS
DS−PAGEに付してブロット(Blotto)に移
し、一夜4℃でインキュベートした。そのフィルターを
新しいブロットに移し、20μCiの125I−α−ブン
ガロトキシンとともに、室温で5時間インキュベートし
た。ブロット中で1×30分間4℃で洗浄し、TBS中
で3×15分間4℃で洗浄した後、フィルターを完全に
乾燥し、X線フィルムに3日間−70℃で露光した。結
果を図9に示す。パネルAはクマーシーブルーで染色し
た10〜20%SDS−PAGEを示し、レイン1はタ
ンパク標準品:レイン2はpNB1αacr−30℃:
レイン3はpNB1αacr−42℃である。パネルB
は同じゲルのウエスターンブロットのオートラジオグラ
ムを示し、レイン1はpNB1αacr−30℃、レイ
ン2はpNB1αacr−42℃である。125I−α−
ブンガロトキシンが特異的に2つの誘導タンパクに結合
したが、これはこれらのタンパクが2つの実態のαac
であり、各形態が生物活性を有することを確証してい
る。
【0056】24kDのαacrタンパクのアミノ末端
の微細配列決定から得た予備データは、シグナルペプチ
ドの適正な処理がなされたことを示している。切断は、
1位のアラニン残基すなわちompAシグナルペプチド
の最後の残基の後で起こった。αacrタンパクは、リ
ンカー配列でコードされるグルタミン酸とフェニルアラ
ニン残基を保持している。このことは、タンパクの発現
が成功し、これに続くシグナルペプチドの切断がベクタ
ーpNB1を用いて得られたことを示している。
【0057】同時に、ompA−αacrαacr
タンパクは、誘導された細胞の総タンパクの5〜10%
であることが測定された。これは、すでにλPLプロモ
ーターによって認められた他のタンパクの発現レベルと
一致している(Milman、Methods in
Enzymology、153巻、482−491頁、
1987年:Piatak、J.Biol.Che
m.、263巻、4837−4843頁、1988
年)。ompA−αacrαacrのバンド強度を染
色したSDS−PAGEで比較すると、発現されたαa
crタンパクの約1/2が未処理の前駆物質として蓄積
されたことを示している。Bolla等(Biotec
hnology、4巻、991−995頁、1987
年)は、IPTG誘導の後にompA−hGHの前駆物
質の蓄積が増加することを見出した。前駆物質の蓄積
は、タンパクの高レベルの発現の機能のようであり、分
泌のためにompAシグナル配列を用いたことが原因で
はない(Bolla等、前出、1987年)。
【0058】他の因子が未処理タンパクの蓄積に影響す
ることがある。Hussain等(前出、1989年)
は、ompA−リシンB鎖のプロセッシングの程度は宿
主菌株依存性である報告した。Ikemura等(J.
Biol.Chem.、262巻、7859−7864
頁、1987年)は、ompA−プロズブチリシンの5
0%が、37℃での誘導後に未処理の前駆物質として蓄
積したが、23℃の低温での誘導では前駆物質の蓄積が
減少する結果になったと報告した。それ故に、JM10
7よりもより“許容的”な宿主菌株を使用し、および/
または42℃での誘導を行った後、増殖温度を37℃よ
りさらに下げることによって、処理タンパクの全収率を
改善することができる。また誘導を行った後の増殖温度
を低下させると、細胞周辺腔におけるタンパク分解活性
が減少して収率が改善される(Oka等、Proc.N
atl Acad.Sci.USA、82巻、7212
−7216頁、1985年)、または、イー・コリの新
しいペリプラズムプロテアーゼを欠く変異体(Stra
uchおよびBeckwith、Proc.Natl
Acad.Sci.USA、85巻、1576−158
0頁、1988年)が分泌タンパクの産生により適切な
宿主になり得る。
【0059】pNB1αacrを有する誘導された細胞
を、浸透ショック法(NeuおよびHeppe1、J.
Biol.Chem.、240巻、3685−3692
頁、1965年)に付することによって、細胞周辺腔か
ら可溶性αacrを回収しようとする努力は成功しなか
った。周辺細胞質、細胞質および膜の画分に存在するタ
ンパクのSDS−PAGE分析を行った結果、αacr
タンパクが膜の画分に関連することが分かった。処理さ
れたαacrが膜画分とともに残留している理由につい
ては2つの説明をすることができる。たとえシグナルペ
プチドが切断されているにしても、αacrタンパクが
内膜を通って部分的に移動したに過ぎないという可能性
がある。Oshuye等は(Nucleic Acid
Research、11巻、1283−1294頁、
1983年)、シグナルペプチドの切断後のタンパクの
完全な移動はそのタンパクのカルボキシル末端に依存し
ていることを見出した。しかし細胞膜におけるこのよう
な“ジャミング”は、細胞に対して致命的であることは
すでにわかっており(BiekerおよびSilhav
y、Proc.Natl Acad.Sci.(US
A)、86巻、968−972頁、1989年)、αa
cr発現の誘導を行っても細胞死に至っていない。
【0060】より適切な説明は、輸送されたαacr
ンパクが細胞周辺腔で不溶性であることである。シグナ
ルペプチドによって細胞周辺腔に分泌された溶解型の外
来タンパクを得る多くの報告があるが(Hsiung
等、前記文献、1986年:Quaas等、Europ
ean J.Biochem.、173巻、617−6
22頁、1988年:Piatak等、前記文献、19
88年:Ray等、Biochem.、97巻、149
2−1436頁、1985年)、いくつかの分泌された
外来タンパクは、不溶性のままであるか(Ikemur
a等、前記文献、1987年)、または細胞周辺腔で可
溶性と不溶性の両方の形態で見出される(Hussai
n等、前記文献、1989年)。外来タンパクが、イー
・コリの細胞周辺腔内で可溶性の形に再生する能力は、
目的の特定のタンパクの機能のようである。
【0061】(実施例4) 温度誘導分泌ベクターpNB1およびpNB2を用いる
SGおよびSBGの発現 [SGおよびSBGの発現]以下、SGとは、連鎖状球
菌プロテインGのIgG結合領域をコードする合成遺伝
子をさしていう。SBGとは、キメラプロテインA(B
断片)および連鎖状球菌プロテインGのIgG結合領域
をコードする合成遺伝子をさしていう。
【0062】合成のプロテインG(SG)およびキメラ
B−G(SBG)を、pNB1およびpNB2のポリリ
ンカー領域中でクローン化し、得られたプラスミド類、
pNB1−G、pNB1−BG、pNB2−Gおよびp
NB2−BG(それぞれイー・コリ中)を30℃で0.
6 O.D./600nmになるまで増殖させ、次いで
42℃で誘導した。これらのプラスミド由来の総細胞抽
出物をSDS−PAGEで分析した(図10)。得られ
た結果は、タンパクSGとSBGの両者(レイン1と
4、および6と8)が発現プラスミドのpNB1とpN
B2内で発現されたことを示している。未誘導の試料は
対照として用いられている(レイン1、3、5および
7)。
【0063】[SGとSBGの局在性]イー・コリ中で
発現されたSGとSBGの局在性を示すために、pNB
1−G、pMB1−BG、pNB2−GおよびpNB2
−BGを有する細胞を30℃にてA600=0.6〜0.
8になるまで増殖させ、42℃で誘導し、上記と同様に
して分画した。周辺細胞質、スフェロプラストおよび総
細胞の抽出物をSDS−PAGEに付し、ニトロセルロ
ースに移し、ヒトIgGとともにインキュベートしてF
ab26HRP−コンジュゲートで検出した(図11Aお
よびB)。試験結果は、SGタンパクとキメラSBGタ
ンパクが合成され、処理された、可溶性型で、細胞周辺
腔に分泌されたことを示した。図11において、未誘導
のSGとSBGの周辺細胞質とスフェロプラストの画分
をそれぞれレイン1、2、6、および7に示す。
【0064】また誘導されたSGとSBGの周辺細胞
質、スフェロプラストおよび総細胞の抽出物をそれぞれ
レイン3、4、5および8、9、10に示す。図11B
に、pNB2−GもしくはpNB2−BGについて同様
の結果を示す。
【0065】これらの試験はさらに、これらの発現プラ
スミド(pNB1およびpNB2)が異種タンパクを細
胞周辺腔に輸送することができることを確証している。
【0066】CIレプレッサーとシグナル配列に結合す
るプロモーターを有する分泌発現ベクターを構築した。
この分泌ベクターを用いて、異種タンパクを微生物内で
発現することに成功した。そのタンパクは正しく処理さ
れ、細胞周辺腔に分泌され、生物活性があることがわか
った。これらの温度誘導ベクターは、原核細胞内で外来
タンパクを高レベルで発現する新しい代替物を提供す
る。
【0067】本願明細書に引用した刊行物と特許願はす
べて、本発明の技術分野の当業者のレベルを示すもので
ある。これらのすべての刊行物と特許願は、各々具体的
かつ個々に本願に援用されるのと同じ程度にまで本願に
援用するものとする。
【0068】本願発明は、明確に理解するために、例示
と実施例によっていくらか詳細に説明しているが、本願
の特許請求の範囲内で変更もしくは改変を実施できるこ
とは明らかである。
【0069】
【発明の要約】温度誘導分泌発現ベクターが構築され、
イー・コリ内で異種タンパクを発現するのに使用した。
このベクターは、CIレプレッサーに結合できるヌクレ
オチドを含有するプロモーターを利用して、このプロモ
ーターからの温度誘導発現を行う。天然の異種タンパク
の分泌が、プロモーターのシグナル配列に隣接するコド
ン領域を、異種タンパクをコードするDNA配列で置換
することによって達成される。その分泌発現ベクターで
宿主細胞を形質転換し、次いで増殖させ、次いで誘導し
て異種タンパクを発現させる。30℃では発現は認めら
れないが、42℃で誘導を行うと、タンパクが産生され
る。全タンパクの5〜10%の発現レベルがみられる。
異種タンパクは適正に処理され生物活性を有することが
わかった。これらのベクターは、同位相でシグナル配列
を有する適切な遺伝子を挿入することによって、温度感
受性変異を欠いている原核細胞内に目的とするタンパク
を発現・分泌させるのに使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】pNB1およびpBN2の合成シグナル配列で
あるompA(A)とphoA(B)を構築するのに用
いるオリゴマーのヌクレオチド配列をそれぞれ示す。線
はオリゴマーの末端の重なり領域を示し、星印はヌクレ
オチドが天然に存在する配列に比べて変化しているのを
示し、矢印はシグナルペプチドの切断部位を示し、ボッ
クスは、λNプロテイン遺伝子の7位の天然に存在する
HinfI部位に合成断片を連結するのに用いられるH
infI制限部位を示し、そして、括弧内の数字はそれ
ぞれオリゴマーの大きさを示す。
【図2】合成シグナル配列の組み立てとクローン化を示
すダイアグラムである。
【図3】pNB1とpNB2の構築を示すダイアグラム
である。
【図4】pNB1およびpNB2の地図を示す。
【図5】pNB1(ompA)およびpNB2(pho
A)のシグナル配列と同位相にαacrが挿入されてい
るのを示す。
【図6】インビトロで結合したpNB1αacrおよび
pNB2αacrの転写−翻訳の結果を示す。
【図7】インビボでのαacrの発現の結果を示す。
【図8】35S−メチオニンによるインビトロ標識化を示
す。
【図9】α−ブンガロトキシンによるタンパク同定の確
認と生物活性の立証とを示す。
【図10】プロテインA結合領域をコードする遺伝子
(SG)、およびBGを含有するタンパクとプロテイン
A結合領域とをコードするキメラ遺伝子を、pNB1お
よびpNB2を用いて発現された結果を示す。
【図11】AおよびBは図10に記載した宿主細胞(そ
れぞれpNB1およびpNB2を含む)の周辺細胞質、
スフェロプラストおよび細胞の全抽出物のSDS−PA
GE分析結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (72)発明者 ソーエル タリブ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94536, フリーモント,サイワード ドライブ 34666 (72)発明者 トーマス ビー. オカーマ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94306, パロ アルト,ポートラ アベニュー 1651

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動可能にインビトロで連結された要素を
    含む分泌発現プラスミドであって、 該要素が、転写の5’−3’方向に、CIレプレッサー
    に結合し得るヌクレオチド配列を有する転写開始領域
    と、原核細胞から目的とするポリペプチドを分泌するよ
    う指示し得るシグナル配列をコードする第1のDNA配
    列と、該転写開始領域によって発現される目的とするポ
    リペプチドをコードする第2のDNA配列を挿入するた
    めの少なくとも1つの制限部位と、必要に応じて転写終
    結領域とを有する、 分泌発現プラスミド。
  2. 【請求項2】前記転写開始領域がバクテリオファージλ
    Lプロモーターである請求項1に記載の分泌発現プラ
    スミド。
  3. 【請求項3】前記第1のDNA配列がompA遺伝子も
    しくはphoA遺伝子から得られうる請求項1に記載の
    分泌発現プラスミド。
  4. 【請求項4】作動可能にインビトロで連結された要素を
    含む分泌発現ベクターであって、 該要素が、転写の5’−3’方向に、CIレプレッサー
    に結合し得るヌクレオチド配列を有する転写開始領域
    と、原核細胞から目的とするポリペプチドを分泌するよ
    う指示し得るシグナル配列をコードする第1のDNA配
    列と、該転写開始領域によって発現される目的とするポ
    リペプチドをコードする第2のDNA配列と、必要に応
    じて転写終結領域とを有する、 分泌発現ベクター。
  5. 【請求項5】前記第1のDNA配列が合成の配列である
    請求項4記載の分泌発現ベクター。
  6. 【請求項6】前記合成配列が、ompAもしくはpho
    Aのシグナル配列と少なくとも実質的に同様である請求
    項5に記載の分泌発現ベクター。
  7. 【請求項7】原核宿主細胞から目的とするポリペプチド
    の温度誘導分泌を行わせる方法であって、次の工程を包
    含する方法:転写の5’−3’方向に、CIレプレッサ
    ーに結合し得るヌクレオチド配列を有する転写開始領域
    と、シグナル配列をコードする第1のDNA配列と、該
    転写開始領域によって発現される目的とするポリペプチ
    ドをコードする第2のDNA配列と、必要に応じて転写
    終結領域とを有する、作動可能にインビトロで連結され
    た要素を含む分泌発現ベクターを有するが、温度感受性
    の変異を欠いている原核宿主細胞を、栄養培地内で許容
    温度で増殖させて、該細胞を複数得る工程;および該栄
    養培地の温度を、前記転写開始領域からの転写を誘導す
    るのに充分な温度にまで上昇させて、該目的とするポリ
    ペプチドを発現させて該宿主細胞から分泌させる工程。
  8. 【請求項8】前記原核宿主細胞が、イー・コリである、
    請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記の許容温度が約30℃および32℃で
    あり、そして前記誘導温度が約42℃〜44℃である請
    求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記分泌が細胞周辺腔に行われる請求項
    8に記載の方法。
  11. 【請求項11】転写の5’−3’方向に、CIレプレッ
    サーに結合し得るヌクレオチド配列を有する転写開始領
    域と、シグナル配列をコードする第1のDNA配列と、
    該転写開始領域によって発現される目的とするポリペプ
    チドをコードする第2のDNA配列と、必要に応じて転
    写終結領域とを有する、作動可能にインビトロで連結さ
    れた要素を含む分泌発現ベクターを有するが、温度感受
    性の変異を欠いている原核宿主細胞。
  12. 【請求項12】イー・コリ細胞である請求項11に記載
    の細胞。
  13. 【請求項13】プラスミドpNB1もしくはpNB2。
JP3178516A 1990-07-18 1991-07-18 温度誘導分泌発現ベクターおよびその原核細胞での使用 Withdrawn JPH05219963A (ja)

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EP0467676A2 (en) 1992-01-22
EP0467676A3 (en) 1992-11-19

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