JPH05218014A - 絶縁膜の形成方法 - Google Patents

絶縁膜の形成方法

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Publication number
JPH05218014A
JPH05218014A JP26763692A JP26763692A JPH05218014A JP H05218014 A JPH05218014 A JP H05218014A JP 26763692 A JP26763692 A JP 26763692A JP 26763692 A JP26763692 A JP 26763692A JP H05218014 A JPH05218014 A JP H05218014A
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JP
Japan
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thin film
film
substrate
silicon
reaction furnace
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Withdrawn
Application number
JP26763692A
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English (en)
Inventor
Hisashi Fukuda
永 福田
Kinya Ashikaga
欣哉 足利
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
  • Bipolar Transistors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリコン基板上にSi−Ge系半導体薄膜を
形成し、かつその薄膜を窒化または酸窒化する。 【構成】 反応炉内を、水素希釈SiH4 および水素希
釈GeH4 の混合ガス雰囲気とし、清浄化処理済みの基
板15を赤外線で加熱しながら基板15上にSi1-x
x 薄膜62(0<x<1)を形成し、連続して、NH
3 からなる反応性ガス雰囲気中で基板15を赤外線で加
熱しながら前記Si1-x Gex 薄膜62を窒化し、絶縁
膜として窒化Si−Ge膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Si−Ge系半導体
薄膜に絶縁膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、Si系高速バイポーラ素子、マイ
クロ波素子、あるいは超格子素子への応用を目的とし
て、IV族系半導体薄膜、特にシリコン−ゲルマニウム
(Si−Ge)薄膜が注目されている。
【0003】Si系ヘテロバイポーラトランジスタ(H
etero Bipolar Transistor;
以下HBTと称する。)を考えた場合、Si−Ge薄膜
は、コレクタ層/ベース層/エミッタ層の構造の中で、
薄いベース層として機能する。このことは、例えば文献
1:「アイイーイーイー・エレクトロン・デバイス・レ
ターズ(IEEE Electron Device
Letters)、Vol.12、No.2、1991
年、42〜44頁:イー・ジェイ・プリンズ(E.J.
Prinz)、ピー・エム・ガロン(P.M.Garo
ne)、ピー・ヴィ・シュワルツ(P.V.Schwa
rtz)、エックス・シアオ(X.Xiao)、および
ジェイ・シー・ストルム(J.C.Strum)」に開
示されている。
【0004】一方、最近では、Si−Ge薄膜の高いホ
ール移動度を利用して、それをチャネルに用いたpチャ
ネル型のMOSFETが注目されるようになった。この
ことは、例えば文献2:「アイイーイーイー・エレクト
ロン・デバイス・ミーティング(IEEE Elect
ron Device Meeting)(アメリカ合
衆国カリフォルニア州サンフランシスコ)、1990
年、383〜386頁:ピー・エム・ガロン(P.M.
Garone)、ヴイ・ヴェンカタラマン(V.Ven
kataraman)、およびジェイ・シー・ストルム
(J.C.Strum)」に開示されている。
【0005】これらのデバイスにSi−Ge薄膜を利用
する場合、Si−Ge薄膜自体の組成(SiとGe)、
およびSi−Ge薄膜に導入された不純物の濃度、分布
が安定していることが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、Si−Ge薄膜をHBTに適用した場合、ベース層
(Si−Ge薄膜)形成後のエミッタ層(ポリシリコ
ン)形成過程でSi−Ge薄膜中に導入した高濃度のホ
ウ素(B)が、ポリシリコン層に一部拡散してしまい、
ベース層/エミッタ層の界面に新たなポテンシャル障壁
を形成してしまう(文献1)。そのため、エミッタから
の電子注入効率が低下し、HBT本来の高速度動作がで
きなくなるという問題があった。
【0007】一方、このSi−Ge薄膜を微細なpチャ
ネル型MOSFETとして使用する場合、Si−Ge薄
膜を酸化してゲート絶縁膜を形成する際、Geが、その
酸化過程で絶縁膜中に拡散してしまい、所望のトランジ
スタ特性が得られなくなる問題があった。
【0008】そのため、pチャネル型MOSFETの作
製においては、Si−Ge薄膜上にさらにSi薄膜をエ
ピタキシャル成長させ、酸化の際、Geを拡散させない
工夫が試みられている。しかし、このようなキャップと
しての、つまりGeの拡散を抑制するためのSi薄膜を
Si−Ge薄膜上に形成した場合、格子間隔の違いによ
り、結晶欠陥が発生し、十分な利得が得られないという
問題点がある。
【0009】この発明は、このような点に鑑みなされた
ものであり、従って、この発明の目的は、上述の問題点
を解決し、従来よりも膜組成の高い安定化を達成できる
絶縁膜の形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明によれば、反応炉内で、シリコンの下地上
にSi−Ge(シリコン−ゲルマニウム)系半導体薄膜
に絶縁膜を形成する方法において、反応炉内を、シリコ
ンを含有する反応性ガス、およびゲルマニウムを含有す
る反応性ガスを含む雰囲気とし、かつ下地の加熱処理を
行ないながら、前記下地上にSi1-x Gex 薄膜(ただ
し、Geの組成比xは、0<x<1を満足する値であ
る。)を形成する工程と、前記反応炉内を、窒素を含有
する反応性ガスを含む雰囲気とし、かつ下地の加熱処理
を行いながら、前記Si1-x Gex 薄膜を窒化する工程
とを含むことを特徴とする。
【0011】また、この発明によれば、上述したSi
1-x Gex 薄膜の窒化工程の代わりに、酸窒化工程を用
いてもよい。この場合には、反応炉内を、窒素を含有す
る酸化性ガスを含む雰囲気とし、かつ下地の加熱処理を
行いながらSi1-x Gex 薄膜を酸窒化すれば良い。
【0012】ここで、この発明でいうシリコンの下地と
は、Si基板そのものである場合は勿論のこと、Si基
板上にSi系のエピタキシャル層が形成されたもの、S
i基板以外の基板にSi系のエピタキシャル層が形成さ
れたもの、これらのものに素子が作り込まれた中間体
(いわゆるウエハ)など、IV族単結晶膜を形成させた
いシリコンの下地を意味している。
【0013】この発明の実施に当たり、シリコンの下地
として、主面が(100)のもの、主面が(110)の
もの、または主面が(111)のものを用いるのがよ
い。
【0014】また、シリコンを含有する反応性ガスとし
て、例えば、SiH4 、Si2 6、Si(CH3 )H
3 、Si3 8 、Si(CH3 2 2 、Si(C
3 3H、Si(CH3 4 、Si(CH3 6 、S
i(CH3 3 F、Si(CH32 2 およびSiF
4 よりなるガス群から選択される1種または複数のガス
を用いるのがよい。
【0015】また、ゲルマニウムを含有する反応性ガス
として、例えば、GeH4 、GeF4 、GeF2 、Ge
FおよびGeH3 Fよりなるガス群から選択される1種
または複数のガスを用いるのがよい。
【0016】また、窒素を含有する反応性ガスとして、
例えばNH3 を用いるのがよい。
【0017】また、窒素を含有する酸化性ガスとして
は、例えばNO、NO2 およびN2 Oよりなるガス群か
ら選ばれる1種または複数のガスを用いるのが良い。
【0018】さらに、この発明の実施に当たり、Si
1-x Gex 薄膜形成時および窒化または酸窒化時のシリ
コンの下地の加熱は、下地に赤外線を照射することによ
り行なうのがよい。赤外線光源としては、タングステン
−ハロゲンランプまたはキセノン−アークランプを用い
ることができる。
【0019】
【作用】この発明の構成によれば、シリコンの下地上へ
のSi−Ge薄膜の形成に引続いて、この薄膜の窒化ま
たは酸窒化を行なう。それにより、このi−Ge薄膜の
表面層部分が格子整合性の高い窒化膜または酸窒化膜の
絶縁膜に変わる。このようにSi−Ge膜を窒化または
酸窒化するため、これら窒化または酸窒化処理中、形成
されつつある窒化膜または酸窒化膜/Si−Ge膜界面
には常に窒素が偏析するので、窒化膜または酸窒化膜中
へはGeの拡散が抑止される。そのため、このようにし
て形成したSi−Ge膜の部分と窒化膜または酸窒化膜
とからなる膜を用いてMOS型半導体素子を作成する
と、固定電荷、界面準位の発生が極めて少なく、かつ理
想的なMOS特性が得られる。
【0020】また、この発明の実施に当たり、Si1-x
Gex 薄膜、窒化膜および酸窒化膜の形成に際してのシ
リコンの下地の加熱を、この下地に赤外線を照射するこ
とにより行なう構成では、赤外線がシリコンに効率よく
吸収されシリコン下地が短時間に加熱され、更に、赤外
線照射を停止した後は、シリコン下地の温度は短時間に
降下する。そのため、下地の加熱および冷却が短時間で
行なえる。その結果、他の加熱手段(例えば電気炉)を
用いる場合と比べ、Si1-x Gex 薄膜、酸窒化膜およ
び窒化膜の膜厚制御を精度よく行なえ、かつ組成の制御
性が得られるため膜質向上にも寄与できる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の半導体薄
膜の形成方法の実施例につき説明する。尚、説明に用い
る各図は、この発明が理解できる程度に、各構成成分の
形状、大きさおよび配置関係を概略的に示してあるにす
ぎない。また、以下の説明では、特定の材料及び特定の
数値的条件と挙げて説明するが、これら材料及び条件は
単なる好適例にすぎず、従って、この発明はこれらに限
定されるものではない。
【0022】1.薄膜形成装置の説明 先ず、この発明の方法を実施するために好適な装置例に
ついて説明する。
【0023】図2は、この装置の全体構成を概略的に示
す図である。尚、図2では反応炉11内にシリコンの下
地として、この場合、シリコン基板15(以下、「基
板」と略称することもある。)を配置した状態を示して
ある。
【0024】図2にも示すように、この装置は例えば石
英製の反応炉(チャンバー)11を具えている、この反
応炉11は内部の基板支持体13の上に基板15を出し
入れ自在に載置できる構造となっている。
【0025】さらに、この反応炉11の外部には加熱部
12を設けてある。この加熱部12は任意好適な構成の
赤外線照射手段例えば赤外線ランプをもって構成する。
赤外線ランプ12としてはタングステン−ハロゲンラン
プその他の任意好適なランプを用いる。好ましくは複数
個の赤外線ランプ12を反応炉11内の加熱を均一に行
なえるように配置する。また赤外線ランプの代わりに通
常の電気炉を用いても良い。そして、基板15の近傍位
置に基板15の表面温度を測定するための温度測定手段
14例えば熱電対を設けてある。また、熱電対を用いる
代わりに、反応炉11外に、基板15の表面に向けた構
成の赤外線放射温度計(オプティカルパイロメータ)等
を用いてもよい。
【0026】さらにこの装置にはこの反応炉11内を排
気するための排気手段21及び22を設けてある。さら
にこの排気手段21、22及び反応炉11間に自動開閉
バルブ24、25、26、27、28、29、30を設
けてある。これらバルブをそれぞれ任意好適に開閉する
ことによって反応炉11内の圧力を任意好適な圧力に制
御でき反応炉11内に低真空排気状態及び高真空排気状
態を形成することが可能となっている。この真空度は真
空計34で測定できる。
【0027】さらに、この装置にはレリーフバルブ31
を設けてある。このバルブ31は反応炉11内の圧力が
大気圧例えば760Torrを超えた場合に自動的に開
放する。排気手段22は、このバルブ31の開放によっ
てガス供給源(後述する。)から反応炉11内へ供給さ
れたガスを排気する。尚、上述した排気手段21、22
を例えば拡散ポンプ21とこのポンプ21に接続された
ロータリーポンプ22とをもって構成する。これら排気
手段を図示のように配設した排気管23及び上述した各
バルブのうちの所要のバルブを介して反応炉11と連通
させて接続してある。また、図3において、32、33
は排気管23に連通させて設けた真空計(或いは圧力ゲ
ージ)である。真空計33を例えば1×10-3Torr
の範囲の圧力測定に用いるピラニ真空計とし、また、真
空計33を10-3〜10-8Torrの範囲の圧力測定に
用いるイオンゲージとする。
【0028】次に、ガス供給系につき説明する。この実
施例では、ガス供給系を図示のように配設した供給管5
8及びこの供給管58の適所に設けた自動開閉バルブ5
1、52、53、54、56、バルブ57、流量コント
ローラ46、47、48、49、50で構成してある。
各流量コントローラの、反応炉11とは反対側の原料ガ
ス源用接続部(以下、「接続部」)41〜45に原料ガ
ス源(図示せず)を接続する。そして、バルブ51〜5
6を、それぞれ、任意好適に開閉することによって所望
の原料ガスを反応炉11に供給できる。この実施例では
接続部41には水素希釈による10v/v%シラン(S
iH4 )ガス、接続部42には水素希釈による1v/v
%ゲルマン(GeH4 )ガス、接続部43には100%
アンモニア(NH3 )ガスまたは一酸化二窒素(N
2 0)ガス、接続部45には不活性ガス例えば窒素(N
2 )ガスを、それぞれ供給できる構成としてある。尚、
接続部44は、例えばSi−Ge系半導体薄膜へ所望の
不純物をドープするためのガス源接続に使用できる。
【0029】2.半導体薄膜に絶縁膜を形成する方法の
説明 次に、Si−Ge系薄膜を設け、この薄膜の表面層部分
を絶縁膜に変える方法の実施例を説明する。なお、この
実施例では、原料ガスとしてシラン(SiH4)、ゲル
マン(GeH4 )およびアンモニア(NH3 )を用いる
かアンモニアの代わりに一酸化二窒素(N2 0)を用
い、下地としてシリコン基板を用いる。シリコン基板と
しては、主面が(100)のもの、主面が(110)の
もの、または主面が(111)のものを用いるのがよ
い。
【0030】図1(A)〜(C)は、この実施例の半導
体薄膜の形成方法の説明に供する工程図である。いずれ
の図も、工程中の主な工程でのウエハをシリコン基板1
5の厚さ方向に切って示した断面図である。また、図3
は、この実施例の形成にて行なう加熱処理サイクルの説
明図である。この加熱サイクルの図は、縦軸に温度をと
り横軸に時間をとって示してある。以下の説明は、図1
乃至図3を適宜参照して行なう。
【0031】2−1 清浄化および予備処理 この実施例では、半導体薄膜形成前に、半導体薄膜を成
膜する下地としての基板15の清浄化処理を次のようば
要領で行なう。ただし、この清浄化処理は、この発明の
要旨ではないことを理解されたい。
【0032】まず、従来行なわれている如く、化学薬品
および純水などを用いて基板15の前洗浄を行なう。
【0033】次に、予備処理として、反応炉内11内で
基板15に自然酸化膜が形成されるのを防止するため、
反応炉11内にパージ用の不活性ガス、例えば窒素ガス
を予め導入しておく。このため、バルブ56および57
を開き、バルブ51、52、53、54、55を閉じて
おく。
【0034】次に、反応炉11内に基板15を設置す
る。基板15は、基板支持体13上に固定する。
【0035】2−2 Si1-x Gex 単結晶薄膜の形成 次に、Siを含むIV族系水素ガス、およびGeを含む
IV族系水素ガスの雰囲気中でシリコン基板15に対し
加熱処理を行ない、このシリコン基板15上にSi1-x
Gex 単結晶薄膜を、次のようにして形成する。
【0036】まず、バルブ27を閉じ、バルブ28、5
5、51を開き、最初にSiを含むIV族系水素ガスと
して、この場合水素希釈による10v/v%シラン(S
iH4 )を反応炉11内に供給し、続いてバルブ52を
開き、Geを含むIV族系水素ガスとして、この場合水
素希釈による1v/v%ゲルマン(GeH4 )を反応炉
11内に供給する。この際、水素希釈シランに対する水
素希釈ゲルマンとの流量比を5:1とし、かつ反応炉1
1内を例えば10Torr程度の減圧状態となるよう、
両ガスの流量を予め調整しておく(図3および図4にI
で示すSiH4+GeH4 フロー)。
【0037】次に、このようなガス雰囲気において、加
熱部12により基板15に対し加熱処理を行なう。
【0038】ここで、この加熱処理は、加熱部12を構
成している赤外線ランプによって行なう。詳細には、基
板15の表面温度を温度測定手段14で測定しながら赤
外線ランプによって、例えば基板15の表面温度を、5
0℃/秒〜200℃/秒の間の適当な割合で、好ましく
は約100℃/秒で上昇させて、基板表面温度が例えば
約1000℃となったら、約10〜20秒間、1000
℃の状態を保持するように基板15の加熱を制御する
(図3および図4にH1で示す時間期間)。
【0039】このガスフロー工程Iの処理において、基
板15上には、基板15の面方位と同一の面方位のSi
1-x Gex 単結晶膜62(この場合、Ge組成比x=
0.2)が30〜50nmの膜厚で成長する(図1
(B)参照)。
【0040】次に、加熱部12による基板15の加熱を
停止するとともに、バルブ51および52を閉じて、水
素希釈シランおよび水素希釈ゲルマンの供給を停止す
る。そして、基板15の表面温度が室温、例えば約20
℃となるまで基板15が冷却するのを待つ。
【0041】2−3 絶縁膜の形成 Si1-x Gex 単結晶膜の表面層部分を絶縁膜に変える
方法としては、この発明では、この薄膜を窒化するか酸
窒化する方法がある。ここでは先ず窒化させて絶縁膜を
形成する実施例につき説明する。
【0042】(a)Si1-x Gex 単結晶膜の窒化 次に、バルブ53を開け、窒素を含有する反応性ガスと
して、100%アンモニア(NH3 )を反応炉11内に
供給し、かつ反応炉11内を例えば10Torr程度の
減圧状態となるよう、NH3 の流量を調整しておく(図
3にIIで示すNH3 フロー)。
【0043】このように反応炉11内の雰囲気を調整し
たら、再び基板15の表面温度を温度測定手段14で測
定しながら赤外線ランプによって、Si1-x Gex 薄膜
62形成済みの基板15を加熱部12により加熱する。
この加熱は、例えば、基板15の表面温度を、50℃/
秒〜200℃/秒の間の適当な割合で、好ましくは約1
00℃/秒で上昇させて、基板表面温度が例えば約10
00℃となったら、約60〜120秒間、1000℃の
状態を保持するよう、基板15の加熱を制御するように
して行なう(図3にH2で示す時間期間)。
【0044】この工程IIの加熱処理において、Si
1-x Gex 薄膜62の表面は、窒化され、約3nmの窒
化Si−Ge膜64が形成される(図1の(C)参
照)。この窒化Si−Ge膜64は、Siy z (y、
zは組成比を表わす値であって、0<y、0<zを満た
す値である。)の結晶中にGeが部分的に拡散している
状態にあると思われる。
【0045】次に、加熱部12による基板15の加熱を
停止するとともに、バルブ53を閉じてNH3 の供給を
停止する。そして、基板15の表面温度が室温、例えば
約20℃となるまで基板15が冷却するのを待つ。この
冷却は、基板15が自然に冷却するようにしてもよく、
また強制的に冷却するようにしてもよい。強制冷却は、
例えばバルブ56、57を開けて、反応炉11内に不活
性ガスを大量に導入することによって行なえる。
【0046】その後、反応炉11内の圧力を1気圧(7
60Torr)にして、処理済み基板を反応炉11から
取り出す。
【0047】(b)Si1-x Gex 単結晶膜の酸窒化 上述したSi1-x Gex 単結晶膜の窒化処理によって単
結晶薄膜の表面層部分を窒化Si−Ge薄膜に変えてい
るが、この実施例では、この表面層部分を酸窒化薄膜に
変える。
【0048】このため、この実施例では、窒素含有の反
応性ガスの代わりに窒素含有酸化性ガスとして例えば一
酸化二窒素(N2 0)ガスを用い、反応炉11内を例え
ば10〜100Torr程度の減圧状態とし、N2 0の
流量を調整し(図4にIIIで示すN2 0フロー)、ガ
ス流制御を行えば良い。そして、既に説明した窒化処理
の場合と同様に赤外線加熱(図4にH3で示す時間期
間)を行うと、Si1-xGeX 膜の表面は酸窒化され、
約5nmの酸窒化Si−Ge膜(図1の(C)に64で
示す。)が形成される。この酸窒化Si−Ge膜64
は、SiOy z (y、zは組成比を表わす値であっ
て、0<y、0<zを満たす値である。)の結晶中にG
eが部分的に拡散している状態にあると思われる。
【0049】3.結果 上述したようにこの発明によれば、最初に、Siを含む
IV族系水素ガスおよびGeを含むIV族系水素ガス雰
囲気中で加熱処理を行なって下地のシリコン基板15上
に、基板15の面方位と同一の面方位のSi1-x Gex
薄膜を形成し、続いて、窒素を含む反応性または酸化性
ガス雰囲気中で加熱を行なって、前記Si1-x Gex
膜を窒化して窒化Si−Ge膜を形成するか、この薄膜
を酸窒化して酸窒化Si−Ge膜を形成する。
【0050】図5は、この発明の実施例によるMOS特
性と従来技術によるMOS特性との比較の説明に供する
曲線図である。この図は、容量電圧特性(C−V特性)
を、縦軸に容量をとり横軸にゲート電圧をとって示して
ある。また同図において、この発明によるSi−Ge膜
を窒化した場合の曲線を実線(I)で、Si−Ge膜に
二酸化ケイ素(SiO2 )膜を形成した場合の曲線を一
点鎖線(II)で、かつSi基板にSiO2 膜を形成し
た場合の曲線を破線(III)で、Si−Ge膜を酸窒
化した場合の曲線を点線(IV)でそれぞれ示す。
【0051】図5の曲線IIで示す従来例では、Si−
Ge膜に直接熱酸化により、SiO2 膜が形成される。
このような場合、酸化過程で酸化膜中へのGeの拡散が
Siに比べて速いため、Si−Ge膜中のGeがSiO
2 の中へ拡散し、SiO2 中での固定電荷、および界面
準位を発生させる原因となる。そのため、C−V曲線
は、理想的な曲線から大きくずれてしまい、十分なMO
S特性が得られなかった。
【0052】この発明の場合、Si−Ge膜を窒化また
は酸窒化するためそれぞれの処理過程で窒素が常に窒化
膜または酸窒化膜とSi−Ge膜との界面に偏析しなが
ら、窒化膜や酸窒化膜が形成される。このため、窒化膜
中または酸窒化膜中へのGeの拡散が抑止される。その
ため、図5の曲線IおよびIVでそれぞれ示すように、
固定電荷、および界面準位の発生が少なく、かつ理想的
なMOS特性が得られる。尚、図5中、曲線IとIVと
を区別して示しているが、両者は実質的に重なってしま
うほど近いMOS特性である。
【0053】この事実により、例えばSi−Ge膜を僅
か窒化または酸窒化した場合(5オングストローム以
下)、窒化または酸窒化層による不純物(例えばホウ
素)拡散の抑制効果により、例えばバイポーラ素子のベ
ース/エミッタ界面領域でのホウ素の拡散を、ベース層
/薄い窒化または酸窒化膜/エミッタ層の構成とするこ
とで抑制することができる。
【0054】以上、この発明の絶縁膜の形成方法の実施
例について説明したが、この発明は、上述の実施例に限
られるものではない。
【0055】例えば、上述の実施例では半導体薄膜形成
用ガスとして、水素希釈のSiH4および水素希釈のG
eH4 ガスとしていた。しかし、用い得るガスはこれら
に限らない。SiH4 ガスの代わりに、例えばSi2
6 、Si(CH3 )H2 、Si3 8 、Si(CH3
2 2 、Si(CH3 3 H、Si(CH3 4 、Si
(CH3 6 、Si(CH3 3 F、Si(CH3 2
2 およびSiF4 よりなるガス群から選択された1種
または複数のガスとか、またSiH4 とこれらのガスと
の混合ガスを用いても実施例と同様な効果が期待でき
る。また、GeH4 の代わりにGeF4 、GeF2 、G
eFおよびGeH3 Fよりなるガス群から選択された1
種または複数のガスとか、あるいはGeH4 とこれらの
ガスとの混合ガスを用いても実施例と同様な効果が期待
できる。
【0056】また、酸窒化処理のための窒素含有酸化性
ガスとしてN2 Oを例として挙げて説明したが、一酸化
窒素(NO)や二酸化窒素(NO2 )を用いて酸窒化処
理を行っても好ましい絶縁膜を形成できる。
【0057】また、上述した実施例では、Si1-x Ge
x の組成比xを0.2の場合につき説明したが、xは0
<x<1の範囲内の値であれば、x=0.2の場合と同
様な効果が得られるものと期待できる。
【0058】また、上述した実施例では、基板の加熱を
タングステン−ハロゲンランプまたはキセノン−アーク
ランプを用いて行なっているが、これらを用いる代わり
に、レーザビームとかさらにはヒータなどを用いてもよ
い。
【0059】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、この
発明の絶縁膜の形成方法によれば、Siを含むIV族系
水素ガスおよびGeを含むIV族系水素ガス雰囲気中で
加熱処理を行なって下地のシリコン基板に、基板と同一
の結晶面方位のSi1-x Gex薄膜を形成し、続いて、
窒素を含む反応性または酸化性ガス雰囲気中で加熱を行
ない前記Si1-x Gex 薄膜を窒化または酸窒化して窒
化層または酸窒化層を形成する。このようにSi−Ge
膜を窒化または酸窒化して絶縁膜として窒化膜または酸
窒化膜を形成することにより、これらの絶縁膜が、例え
ばこの膜をHBTに利用した場合ホウ素の拡散を抑止
し、また例えばpチャネル型MOSFETとして使用す
る場合酸化過程でGeの拡散を阻止する。
【0060】また、MOSFETに適用した場合、窒化
膜、または酸窒化膜が良好なゲート絶縁膜としての機能
をもつため、信頼性の高い素子が得られる。さらにこの
発明により、形成された薄膜とシリコンの下地との優れ
た格子整合が達成される。
【0061】また、Si1-x Gex 薄膜および窒化膜ま
たは酸窒化膜の形成に際してのシリコンの下地の加熱を
赤外線照射で行なう構成では、下地の加熱および冷却が
単時間で行なえるので、他の加熱手段(例えば電気炉)
を用いる場合と比べ、成膜の膜厚制御を精度よく行な
え、かつ膜質の向上にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の絶縁膜の形成方法の説明に供する工程
図である。
【図2】この発明の実施に使用する成膜装置の系全体を
概略的に示す説明図である。
【図3】実施例の薄膜形成条件の説明に供する図であ
り、ガス供給条件および基板加熱条件を示した図であ
る。
【図4】実施例の薄膜形成条件の説明に供する図であ
り、ガス供給条件および基板加熱条件を示した図であ
る。
【図5】この発明による実施例と従来技術のMOS特性
の比較に供するC−V特性曲線図である。
【符号の説明】
15:シリコン基板 62:Si1-x Gex 単結晶膜 64:窒化Si−Ge膜または酸窒化Si−Ge膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/331 29/73 29/784

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応炉内で、シリコンの下地上に形成し
    たSi−Ge(シリコン−ゲルマニウム)系半導体薄膜
    に絶縁膜を形成する方法において、 反応炉内を、シリコンを含有する反応性ガス、およびゲ
    ルマニウムを含有する反応性ガスを含む雰囲気とし、か
    つ下地の加熱処理を行ないながら、前記下地上にSi
    1-x Gex 薄膜(ただし、Geの組成比xは、0<x<
    1を満足する値である。)を形成する工程と、 前記反応炉内を、窒素を含有する反応性ガスを含む雰囲
    気とし、かつ下地の加熱処理を行ないながら、前記Si
    1-x Gex 薄膜を窒化する工程とを含むことを特徴とす
    る絶縁膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の絶縁膜の形成方法にお
    いて、Si1-x Gex 薄膜形成時および窒化時の下地の
    加熱処理を、前記下地に赤外線を照射することで行なう
    ことを特徴とする絶縁膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 反応炉内で、シリコンの下地上に形成し
    たSi−Ge(シリコン−ゲルマニウム)系半導体薄膜
    に絶縁膜を形成する方法において、 反応炉内を、シリコンを含有する反応性ガス、およびゲ
    ルマニウムを含有する反応性ガスを含む雰囲気とし、か
    つ下地の加熱処理を行ないながら、前記下地上にSi
    1-x Gex 薄膜(ただし、Geの組成比xは、0<x<
    1を満足する値である。)を形成する工程と、 前記反応炉内を、窒素を含有する酸化性ガスを含む雰囲
    気とし、かつ下地の加熱処理を行ないながら、前記Si
    1-x Gex 薄膜を酸窒化する工程とを含むことを特徴と
    する絶縁膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の絶縁膜の形成方法にお
    いて、Si1-x Gex 薄膜形成時および酸窒化時の下地
    の加熱処理を、前記下地に赤外線を照射することで行な
    うことを特徴とする絶縁膜の形成方法。
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