JPH05217589A - 固体電解質型燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池の製造方法

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JPH05217589A
JPH05217589A JP4046344A JP4634492A JPH05217589A JP H05217589 A JPH05217589 A JP H05217589A JP 4046344 A JP4046344 A JP 4046344A JP 4634492 A JP4634492 A JP 4634492A JP H05217589 A JPH05217589 A JP H05217589A
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JP
Japan
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solid electrolyte
film
fuel cell
compound
electrode
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Shinji Kawasaki
真司 川崎
Shigenori Ito
重則 伊藤
Katsumi Yoshioka
克己 吉岡
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体電解質膜の生産性を上げるのと同時に、
その緻密化を促進し、固体電解質膜の気密性と強度を向
上させることである。 【構成】 固体電解質型燃料電池の空気電極又は燃料電
極の表面に、気密質の固体電解質膜を成膜する。例えば
平板状の空気電極材料24の上に固体電解質材料膜26を形
成する。これらの間に、マンガン化合物又はコバルト化
合物からなる中間膜25を設けることが好ましい。固体電
解質材料膜26の表面に、マンガン化合物又はコバルト化
合物からなる化合物膜27を設ける。この後に積層体を熱
処理すると、マンガン化合物又はコバルト化合物が固体
電解質材料膜26へと拡散し、その緻密化を促進し、気密
質の固体電解質膜26Aに変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質型燃料電池
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池(SOFC) は、
1000℃の高温で作動するため電極反応が極めて活発で、
高価な白金などの貴金属触媒を全く必要とせず、分極が
小さく、出力電圧も比較的高いため、エネルギー変換効
率が他の燃料電池にくらべ著しく高い。更に、構造材は
全て固体から構成されるため、安定且つ長寿命である。
【0003】こうしたSOFCにおいては、薄く、気密
質の固体電解質膜を、できる限り高速で、かつ低コスト
で形成する製造技術が必要である。現在、SOFCの固
体電解質膜の構成材料としては安定化ジルコニアが、空
気電極の構成材料としてはランタン系ペロブスカイト型
複合酸化物が、それぞれ最も有望かつ一般的である(エ
ネルギー総合工学13−2,1990年)
【0004】一般に固体電解質膜及び空気電極の形成法
は、乾式法と湿式法とに分けられる。乾式法としてはE
VD法、溶射法が代表的であり、湿式法としてはテープ
キャスティング法、スリップキャスティング法、押し出
し成形法等がある(エネルギー総合工学13−2,1990
年)。
【0005】化学蒸着法(CVD)や電気化学的蒸着法
(EVD)等のいわゆる気相法によると、装置が大型化
し、処理面積、処理速度が小さすぎる。また、塩化ジル
コニウム等をヘリウムガスと混合して使用したり、水蒸
気を酸素と混合して使用したりするので、ランニングコ
ストが嵩む。
【0006】プラズマ溶射によって固体電解質膜を形成
すれば、成膜速度を大きくでき、装置等の取り扱いも簡
単であり、かつ薄膜を比較的緻密に成膜できる。このた
め、プラズマ溶射法は従来から使用されている(サンシ
ャインジャーナル1981, Vol.2, No.1 :エネルキー総合
工学13−2, 1990) 。また、酸化セリウムまたは酸化ジ
ルコニウムとアルカリ土類金属または希土類元素等の金
属酸化物とを固溶した溶射原料を、粒度調整後にプラズ
マ溶射し、固体電解質膜を形成することが公知である
(特開昭61−198569号公報、同61−198570号公報) 。
【0007】プラズマ溶射により形成した固体電解質膜
の気孔率は一般に5%を越え、10%にも及ぶので、SOFC
用の固体電解質膜としては緻密性が不充分であり、プラ
ズマ溶射の段階でこの膜内にクラックや層状をなした欠
陥が発生する。このため、SOFCの動作時に、固体電解質
膜を水素、一酸化炭素等が透過する燃料漏れが発生し、
SOFC単セル当りの起電力が通常よりも小さくなり、出力
が低下し、燃料の電力への変換率が悪くなった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、空気電極
の表面にプラズマ溶射によって溶射固体電解質膜をまず
形成し、次いでこれを熱処理して緻密化させる技術を提
案した(特願平2−232351号、平成2年9月4日出
願)。ところが、この後、熱処理温度を充分に高くする
と、固体電解質膜と空気電極との界面に、電気絶縁物で
あるランタンジルコネート(La2 Zr2 7 )等から
なる高抵抗層が生成することが解った。
【0009】この問題を更に検討する過程で、本発明者
は、空気電極と溶射固体電解質膜との界面にマンガン化
合物層を設けた後に熱処理すると、この界面に高抵抗層
が生成せず、かつ固体電解質膜の方も焼結が進み易いこ
とを発見した(特願平3−203692号明細書)。しかし、
この固体電解質膜を詳しく検討すると、焼結の進み方に
ムラがあることが判明した。即ち、上記熱処理を1400℃
程度で3時間行うと、マンガン元素が上記界面から膜の
内部へと約50μm 拡散し、この拡散領域で膜が顕著に気
密化していた。ところが、大面積の単電池を作るには、
強度や信頼性を高くするため、固体電解質膜の厚さを20
0 μm 程度に大きくしなければならない。従って、上記
の方法では、固体電解質膜全体を気密化するのに不充分
である。
【0010】本発明の課題は、固体電解質膜の生産性を
上げるのと同時に、その気密化を充分に促進することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体電解質型
燃料電池の電極の表面に気密質の固体電解質膜を成膜す
るのに際し、前記電極の上に固体電解質材料からなる固
体電解質材料膜を形成し、固体電解質材料膜の表面にマ
ンガン化合物又はコバルト化合物からなる化合物膜を設
け、この後に積層体を熱処理して前記固体電解質材料膜
を気密質の固体電解質膜に変化させることを特徴とす
る、固体電解質型燃料電池の製造方法に係るものであ
る。
【0012】本発明の製造方法を、順を追って説明す
る。「電極」とは、空気電極又は燃料電極のことを示
す。また、「電極」には2 つの態様がある。第一の態様
では、電極自体が自己支持型の基体となる。第二の態様
では、ジルコニア等の多孔質セラミックスで基体を形成
し、この基体の表面に電極膜を設ける。以下、理解を容
易にするため、自己支持型の空気電極基体を用いた場合
について説明する。
【0013】まず、図1(a) に示すように、所定形状、
例えば平板状の空気電極材料24を準備する。次いで、図
1(b) に示すように、空気電極材料24の表面にマンガン
化合物又はコバルト化合物からなる中間膜25を形成す
る。この形成法は、プラズマ溶射法が好ましい。次い
で、図1(c) に示すように、中間膜25の表面に、ジルコ
ニアを含む固体電解質材料からなる固体電解質材料膜26
を形成する。この形成法も、プラズマ溶射法が好まし
い。また、固体電解質材料としては、アルカリ土類金属
または希土類元素の化合物(特に酸化物)とジルコニア
との混合物または固溶物とする。
【0014】次いで、図2(a) に示すように、固体電解
質材料膜26の表面に、マンガン化合物又はコバルト化合
物からなる化合物膜27を設ける。こうして得た積層体を
熱処理すると、後述する機構によって中間膜25、化合物
膜27が消滅する。これと共に、空気電極材料24の表面か
ら中間膜25が消えて、図2(b) に示すように、空気電極
基体24Aの表面に、気密質固体電解質膜26Aが形成され
る。この後、図2(c)示すように、固体電解質膜26Aの
表面に燃料電極膜29を設ける。
【0015】また、化合物膜を湿式法で形成する場合の
手順を説明する。まず、図3(a) に示すように、固体電
解質材料膜26を形成する。次いで、図3(b) に示すよう
に、固体電解質材料膜26の表面に、マンガン化合物又は
コバルト化合物を含む化合物膜27Aを湿式法によって形
成する。具体的には、ディッピング法、スプレーコーテ
ィング、スクリーン印刷法等がある。後は、上記と同様
にして、図2(b), (c)に示すようにSOFC素子を作製
する。
【0016】
【作用】図2(a) に示す積層体に熱処理を施すと、中間
膜25、化合物膜27から固体電解質材料膜26の方へとマン
ガン又はコバルトが移動、拡散する。そして、特に化合
物膜27からのマンガン又はコバルトの拡散によって、固
体電解質材料膜26の焼結が大きく促進されることが解っ
た。特に、気密質固体電解質膜26Aの厚さが200μm 程
度の大きさであっても、充分な気密性と信頼性、強度を
有する膜が得られた。
【0017】また、中間膜25側からのマンガン又はコバ
ルトの拡散によっても、固体電解質材料膜26の界面付近
の気密化が促進されるので、一層効果が大きくなる。
【0018】固体電解質材料膜26は、プラズマ溶射法に
よって形成することが好ましい。即ち、プラズマ溶射法
は、従来の緻密薄膜固体電解質の製造法であるEVDと
比較して技術的に簡単であり、装置も通常の溶射装置と
熱処理用の電気炉等が有れば成膜可能であり、低コスト
である。またEVDでは、現在の比較的小型の円筒状固
体電解質型燃料電池の製造は可能であるが、平板型の固
体電解質型燃料電池の場合、製造が困難である。その点
溶射固体電解質膜は平板型にも円筒型にも適用可能であ
る。また大型化を考えたときの円筒の長尺化や、平板の
大面積化にも製造上の対応が容易である。
【0019】プラズマ溶射膜は、特有の微小クラックや
欠陥を有しており、また層状欠陥を何層にも有してい
る。これらが、電気伝導度の低下や気体漏れの原因とな
る。これに対し、上記の熱処理を施した後は、従来のプ
ラズマ溶射膜特有の微小クラック、欠陥がなく、層状の
欠陥が少なく、クラックの裂け目の鋭角的な面や角へと
原料が移動して閉気孔が比較的球形又は球形に近い形状
となり、粉末を加圧成形して焼結した固体電解質の微構
造に近いものとなり、組成的にも均質となる。この結
果、電気伝導度は焼結体のそれと比較して同等となり、
気体の漏れも防止できる。
【0020】ここで言うプラズマ溶射法としては、低圧
プラズマ溶射の方が効果が大きい。しかし、常圧プラズ
マ溶射によって膜26を形成した場合であっても、この後
の熱処理によって充分気密な固体電解質膜26Aを形成で
きる。この熱処理の温度は1300〜1500℃とするのが好ま
しい。これは、熱処理温度が1300℃未満であると、固体
電解質膜の気密性に及ぼす効果が顕著ではなく、充分な
効果を得るには長時間の熱処理が必要とされるためであ
り、またこれが1500℃を超えると、固体電解質膜が過焼
成となり、気孔が増大する。
【0021】上記のマンガン化合物としては、Mn,M
nO,MnO2 , Mn3 4 , Aサイトが一部欠損した
ペロブスカイト系複合酸化物およびこれらの混合物が好
ましい。上記のコバルト化合物としては、Co,Co
O,Co3 4 , Aサイトが一部欠損したペロブスカイ
ト系複合酸化物およびこれらの混合物が好ましい。
【0022】電極が、下記の組成を有するペロブスカイ
ト系複合酸化物からなる空気電極である場合には、空気
電極の表面に直接に固体電解質材料膜を設けると、後の
熱処理時に、両者の界面に高抵抗層が生成しうる。
【数2】(La1-y y )MO3 (0≦y≦0.4 ) ここで、Aはアルカリ土類金属から選ぶが、ストロンチ
ウム、カルシウムが特に好ましい。上記組成において、
La及びAは、ペロブスカイト構造のいわゆるAサイト
を占めるものであり、MはBサイトを占めるものであ
る。この場合に、中間膜25を空気電極材料24の表面に設
けると、固体電解質材料膜26中のジルコニアと空気電極
材料24中のランタンとの反応も抑制されることが解っ
た。即ち、膜26を気密化させるのに充分な熱処理を積層
体に対して施しても、空気電極基体24Aと気密質固体電
解質膜26Aとの界面に、La2 Zr2 7 等の化合物か
らなる高抵抗層は形成されなかったのである。
【0023】
【実施例】次に、本発明を適用できるSOFCについて
例示する。図4は、こうしたSOFCの一例を示す概略
断面図である。酸化ガス室20と排ガス室7とが上部プレ
ート5によって区分され、排ガス室7と電池反応室8と
がプレート6によって区分され、電池反応室8と燃料ガ
ス室10とが底部プレート9によって区分されている。酸
化ガス供給管4が上部プレートによって保持、固定され
ている。プレート6には円形貫通孔6aが形成され、この
円形貫通孔6aがSOFC素子19の上端部を緩く押えている。
【0024】底部プレート9には、所定の大きさ、個数
の燃料ガス供給口9aが形成されている。SOFC素子19の内
側部分は、有底円筒状の空気電極管1である。この空気
電極管1は、電池反応室8内を上下方向に延びる円筒状
部1cと、略半球状の有底部1bとからなる。空気電極管
1の内側空間1aに、酸化ガス供給管4が挿入され、そ
の先端にある酸化ガス供給口4aが有底部1bと対向し
ている。
【0025】空気電極管1の外周面にジルコニア固体電
解質膜2が形成され、その外周面に燃料電極膜3が形成
されている。このSOFC素子19の発電部分は電池発電
室8内にあり、上端部が排ガス室7へと向って開口す
る。
【0026】この状態で、矢印Aのように、空気等の酸
化ガスを酸化ガス室20より酸化ガス供給管4へと供給す
ると、酸化ガス供給口4aより排出された酸化ガスが有
底部で矢印Bのように反転し、筒内空間1a内を流れ、
矢印Cのように排ガス室7内に流出する。一方、底部プ
レート9の燃料流入孔9aを通してH2やCH4 等の燃料
ガスを矢印Dのように供給し、SOFC素子19の外周面
に沿って流す。これにより、固体電解質膜2を通して酸
素イオンの流れが生じ、酸素イオンが燃料電極膜3で燃
料と反応する。この結果、空気電極管1と燃料電極膜3
との間に電流が流れる。こうしたSOFCは1000℃程度
の高温下で使用されるため、シール部なしで構成できる
図4に示す形態が、好ましい態様といえる。
【0027】むろん、ここで本発明に従い、基体である
空気電極管1、気密質固体電解質膜2を構成する。ま
た、他に両端が開口した(即ち、有底部が存在しない)
円筒状SOFC素子や、平板状SOFC素子に対しても、本
例と同様に本発明を適用することができる。
【0028】次に、具体的な実験結果について述べる。 (実施例1の試料)ペロブスカイト系複合酸化物からな
る空気電極材料を作製した。即ち、まず出発原料として
La2 3 , SrCO3 , Mn3 4 を準備した。
【0029】このうちLa2 3 粉末については、予め
大気中で900 ℃にて3時間培焼した。そして、各原料を
La:Sr:Mn=4:1:5のモル比になるように秤
量した。次いで、これらの粉末をポットミルにて湿式混
合し、金型プレス法にて1tf/cm2 の圧力で成形し、成
形品を大気中1450℃にて15時間熱処理した。こうして、
ペロブスカイト型複合酸化物を合成した。この合成物を
粉砕して原料粉末とした。こうして得た原料粉末を、発
光分光法及びX線回折法を用いて分析した結果、この原
料粉末がLa0.8 Sr0.2 MnO3 の組成を有するペロ
ブスカイト系複合酸化物であることが解った。
【0030】次に、各原料粉末に対し、バインダーとし
てポリビニルアルコール、増孔剤としてセルロースを加
え、金型プレス法にて500kgf/cm2 で成形し、大気中15
70℃にて8時間焼成した。こうして得た焼結体の開気孔
率を、アルキメデス法にて測定したところ、開気孔率は
29%であり、固体電解質型燃料電池の空気極として十分
であると判断される。
【0031】この焼結体から、直径20mm、厚さ2mmの円
板を切出し、空気電極材料24とした。次いで、二酸化マ
ンガン(MnO2 )を用意し、空気電極材料24の表面に
これをプラズマ溶射し、厚さ約10μm の中間膜25を形成
した。更に、8モルイットリア安定化ジルコニア(8Y
SZ)を用意し、これを中間層25の表面にプラズマ溶射
し、厚さ約 100μm のジルコニア膜26を形成した。次い
で、この表面に二酸化マンガンをプラズマ溶射し、厚さ
約10μm の化合物膜27を形成した。
【0032】次いで、この積層体につき、大気中にて10
00℃、1200℃、1300℃、1400℃の各温度で3時間の熱処
理を行い、図2(b) に示す積層体を作製した。そして、
気密質固体電解質膜26AのN2 ガス透過係数と曲げ強度
とを測定した。
【0033】N2 ガス透過係数については、図5に模式
的に示す装置を使用して測定した。即ち、所定の試料23
を治具21にセットし、試料23と治具21との間を接着剤22
で封着した。試料23の片方の面は加圧された2気圧の窒
素雰囲気にさらし、他方は常圧の窒素雰囲気にさらす
(室温にて測定) 。この時2気圧側から1気圧側へ流れ
でる流量をマスフローコントーラで測定し、以下の式に
てN2 ガス透過係数
【数3】K(cm4-1-1) を求めた。 K=t・Q/ΔP・A t:試料厚さ(cm) Q:N2ガス透過流量(cm3/s) ΔP:差圧(g/cm2) A:開口面積(cm2)
【0034】この際、試料23として空気電極基体24Aを
単独でセットしてそのN2 ガス透過係数K1 を測定する
と共に、空気電極基体24Aと固体電解質膜26Aとの積層
体をセットしてそのN2 ガス透過係数K3 を測定した。
そして、下式から、固体電解質膜26Aの単独でのN2
ス透過係数K2 を算出した。
【数4】 K2 =t2 ・K1 ・K3 /(K1 ・t3 −t1 3 ) t2 :固体電解質膜26Aの膜厚 t3 :積層体の厚さ t1 :空気電極基体24Aの厚さ こうして得た、実施例1の試料についての各測定結果を
図7に示す。
【0035】曲げ強度は、図6に模式的に示す装置を用
いて測定した。即ち、一対の台座31の上に試料23を載
せ、試料23の上に一対の押え具32を載せる。押え具32は
アーム30で固定されている。アーム30に矢印Eのように
力を加え、試料23の破断荷重を測定する。本例では、上
部スパンlを0.5cm 、下部スパンLを1.5cm とした。ま
た、図2(b) に示す積層体から、空気電極基体24Aを平
面研削盤にて削り取り、残った気密質ジルコニア膜26A
を、厚さ100 μm 、幅0.2cm 、長さ1.8cm の寸法に加工
した。この破断荷重をロードセルで測定し、下式によっ
て気密質ジルコニア膜の曲げ強度σ(kgf/cm2)を求め
た。
【数5】σ=3P(L−l)/2bd2 P:破断荷重(kgf) L:下部スパン(cm) l:上部スパン(cm) b:試料の幅(cm) d:試料の厚さ(cm)
【0036】実施例1において、1400℃で熱処理した積
層体について、気密質ジルコニア膜の曲げ強度を測定し
たところ、18kgf/cm2 であった。
【0037】(実施例2の試料)まず、実施例1と同様
の積層体を準備した(図3(a) 参照) 。そして、4酸化
3マンガン(Mn3 4 )を、水 100重量部に対して30
重量部の割合で加え、スターラーを用いてかくはんし、
Mn3 4 スラリーを用意した。このスラリーを、実施
例1におけるジゴニア膜26の表面に真空ディッピング法
によって塗布し、厚さ約10μm の化合物膜27Aを形成し
た(図3(b) 参照) 。このとき、Mn3 4 は、ジルコ
ニア膜26の単位表面積当り 1.8mg積層していた。
【0038】次いで、この積層体につき、大気中にて10
00℃、1200℃、1300℃、1400℃の各温度で3時間の熱処
理を行い、図2(b) に示す積層体を作製した。そして、
気密質ジルコニア膜26AのN2 ガス透過係数を測定し
た。この測定値を図7に示す。また、1400℃で熱処理を
行った積層体について、気密質ジルコニア膜26Aの曲げ
強度を測定したところ、17kgf/cm2 であった。
【0039】(対照例1の試料)実施例1で述べたよう
にして、空気電極材料24、中間膜25、ジルコニア膜26か
らなる積層体を作製した(図1(c) 参照) 。この積層体
につき、大気中にて1000℃、1200℃、1300℃、1400℃の
各温度で3時間の熱処理を行い、ジルコニア膜を緻密化
させた。そして、熱処理後のジルコニア膜につき、N2
ガス透過係数を測定した。測定結果を図7に示す。ま
た、1400℃で熱処理した試料について、ジルコニア膜の
曲げ強度を測定したところ、4kgf/cm2 であった。
【0040】(対照例2の試料)実施例1で作製した空
気電極材料24の表面に、8モルイットリア安定化ジルコ
ニアをプラズマ溶射し、厚さ約 100μm のジルコニア膜
26を形成した。次いで、この積層体につき、大気中にて
1000℃、1200℃、1300℃、1400℃、1550℃の各温度で3
時間の熱処理を行い、ジルコニア膜を緻密化させた。そ
して、熱処理後の各ジルコニア膜のN2 ガス透過係数を
測定した。測定結果を図7に示す。
【0041】(考察)実施例1,2の試料と対照例1,
2の試料とを比較すると、実施例1,2では、1400℃で
熱処理すれば、N2 ガス透過係数が10-10 台となる。対
照例1では10-9台であり、対照例2では10-6台である。
実施例1,2では、マンガン化合物膜25, 27により、ジ
ルコニア膜26の焼結が促進されているものと考えられ
る。また、実施例1,2における曲げ強度は、比較例1
における曲げ強度よりも4倍以上高い。
【0042】(顕微鏡写真)実施例1の試料について、
以下の分析を行った。ただし、熱処理条件は大気中1400
℃にて3時間の試料を選んだ。この試料につき断面を研
磨し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてこの研磨面
を観察した。このSEM写真を図8に示す。これから、
気密質ジルコニア膜26Aの微構造は、空気電極基体との
界面付近から表面付近まで、均一に緻密化していること
が解る。
【0043】また、対照例1の試料について、上記の分
析を行った。熱処理条件は、大気中1400℃にて3時間の
試料を選んだ。この試料についてのSEM写真を図9に
示す。これから、熱処理後のジルコニア膜の微構造は、
空気電極基体との界面付近では緻密化しているものの、
表面付近は緻密化していないことが解る。
【0044】これらの実験結果から、本発明の構成を採
用すれば、固体電解質膜全体が均一に緻密化するので、
固体電解質膜の気密性が向上し、SOFCの出力と燃料
利用効率とが高まる。また、これにより固体電解質膜の
強度が著しく増大するので、信頼性の高いSOFCを製
造できる。
【0045】更にこれを実証するため、実施例1の試料
(大気中1400℃で3時間熱処理したもの)の固体電解質
膜の表面に、ニッケル−ジルコニアサーメット(Ni:
8モルイットリア安定化ジルコニア=6:4,容積比)
のペーストを直径6mmの円形にスクリーン印刷し、大気
中1350℃にて2時間焼き付けた。こうして作製した平板
状SOFCのテストピースを治具に固定し、室温にて加
湿した水素を燃料電極膜側へと導入し、酸素ガスを空気
電極基板側へと導入し、1000℃にて発電させた。その電
流−電圧曲線を測定し、図10に示す。
【0046】また、対照例1の試料(大気中1400℃で3
時間熱処理したもの)の表面に上記と同様にして燃料電
極膜を設け、平板状SOFCのテストピースを作製し
た。そして、上記と同様にして電流−電圧曲線を測定
し、その結果を図11に示した。また、対照例2の試料
(大気中1550℃で3時間熱処理したもの)の表面に上記
と同様にして燃料電極膜を設け、平板状SOFCのテス
トピースを作製した。そして、上記と同様にして電流−
電圧曲線を測定し、その結果を図12に示した。
【0047】この結果、実施例1の試料では開放端電圧
が1120mVであり、対照例1,2の試料でも1070mVであ
る。実施例1のサンプルでは、開放端電圧が上昇し、短
絡電流も大きくなっており、単電池の出力が向上してい
る。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、固
体電解質膜全体が均一に緻密化するので、固体電解質膜
の気密性が向上し、燃料利用効率が高まる。また、これ
により、固体電解質膜自体の強度が著しく増大するの
で、信頼性の高いSOFCを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は平板状の空気電極材料24を示す断面図で
ある。(b) は中間膜25を形成した状態を示す断面図であ
る。(c) は更に固体電解質材料膜26を形成した状態を示
す断面図である。
【図2】(a) は化合物膜27を形成した状態を示す断面図
である。(b) は熱処理後の積層体を示す断面図である。
(c) は更に燃料電極膜29を形成した状態を示す断面図で
ある。
【図3】(a) は図1(c) と同じ積層体を示す断面図であ
る。(b) は化合物膜27Aを形成した状態を示す断面図で
ある。
【図4】本発明を適用できるSOFCの一例を示す概略
断面図である。
【図5】N2 透過係数の測定法を説明するための模式図
である。
【図6】曲げ強度の測定法を説明するための模式図であ
る。
【図7】各実施例及び対照例の固体電解質膜のN2 透過
係数を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例に係るサンプルの研磨面を示す
走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】対照例に係るサンプルの研磨面を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図10】本発明の実施例に係るSOFCテストピース
の電流密度と電圧の関係を示すグラフである。
【図11】対照例1に係るSOFCテストピースの電流
密度と電圧との関係を示すグラフである。
【図12】対照例2に係るSOFCテストピースの電流
密度と電圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2,26A 気密質の固体電解質膜 3,29 燃料電極膜 19 SOFC素子 24 空気電極材料 24A 空気電極基体 25 中間膜 26 固体電解質材料膜 27,27A 化合物膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質型燃料電池の電極の表面に気
    密質の固体電解質膜を成膜するのに際し、前記電極の上
    に固体電解質材料からなる固体電解質材料膜を形成し、
    固体電解質材料膜の表面にマンガン化合物又はコバルト
    化合物からなる化合物膜を設け、この後に積層体を熱処
    理して前記固体電解質材料膜を気密質の固体電解質膜に
    変化させることを特徴とする、固体電解質型燃料電池の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 マンガン化合物又はコバルト化合物から
    なる中間膜を前記電極の表面に設け、前記固体電解質材
    料膜を前記中間膜の表面に設けることを特徴とする、請
    求項1記載の固体電解質型燃料電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電極が、下記の組成を有するペロブ
    スカイト系複合酸化物からなる空気電極であることを特
    徴とする、請求項2記載の固体電解質型燃料電池の製造
    方法。 【数1】(La1-y y ) MO3 〔Aは、アルカリ土類金属元素の中から選ばれた一種以
    上の元素を表す。Mは、マンガン又はコバルトを表す。
    0≦y≦0.4 〕
  4. 【請求項4】 前記固体電解質材料膜をプラズマ溶射に
    よって形成する、請求項1記載の固体電解質型燃料電池
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記化合物膜をプラズマ溶射によって形
    成する、請求項1記載の固体電解質型燃料電池の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記化合物膜を湿式法によって形成す
    る、請求項1記載の固体電解質型燃料電池の製造方法。
JP4046344A 1991-07-19 1992-02-03 固体電解質型燃料電池の製造方法 Withdrawn JPH05217589A (ja)

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