JPH0521638U

JPH0521638U - 接ぎ木クリツプ

Info

Publication number: JPH0521638U
Application number: JP9421891U
Authority: JP
Inventors: 宗成島津
Original assignee: 宗成島津
Priority date: 1991-09-02
Filing date: 1991-09-02
Publication date: 1993-03-23

Abstract

(57)【要約】【目的】台木と穂木間に一枚の粗密両面を備えた粗面を
介在させて、弾性接ぎ木クリップで抱合挟持し、この粗
面を加圧下に一気に引き抜いて、台木と穂木を形成層ま
で剥離すると同時に接ぎ木して、不足しがちな農業労働
力の省力化を果たさんとするものである。【構成】一対の弾力性クリップ片より成る接ぎ木用クリ
ップに、粗密両やすり面を表裏二面に備えた成形板又は
紙やすりを、前記クリップの唇部とクリップ挟合部間に
引き抜き可能且つ脱落不能に挟持した事を特徴としてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】【考案の目的】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、植物茎用接ぎ木クリップに係り、特に二個のクリップ片間に粗密両やすり面を持つ成形板又は紙やすりを挟持し、此の両面上に圧迫挟持された台木と穂木とを、此を引き抜く事に依って夫々の成形層まで剥離して、抱合的に密着させて接ぎ木する事を特徴とする接ぎ木クリップに係り、其の目的とする所は、従来の呼び接ぎの如く手間の掛る台木及び穂木接ぎ木用切り口を設ける事なく、合理的且つ正確に接ぎ木する事の出来る新規クリップを提供せんとするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、植物特に柔軟な茎を持つ南瓜、西瓜、瓜、トマト、メロン、等の品種改良に行なわれる呼び接ぎ等に於ては、図１に示す如く、台木（Ａ）及び穂木（Ｂ）の茎を夫々（ａ）（ｂ）に示す如く切削し、此の切り口を（ｃ）に示す如く接合し、クリップ（Ｄ）で挟持して鉢上げし、所定日時後穂木の根を切り放し、クリップを外した後暫くして定植するのが常であった。

【０００３】

【考案が解決しょうとする問題点】

此の様な接ぎ木方式では、供に細く柔らかい台木及び穂木を鋭利な刃物で呼び接ぎ口（ａ）（ｂ）を切削せねばならないので、手間が掛り、熟練を要し、然も非常に危険な作業でもあった。

【考案の構成】

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

上記の如き問題点を解決する為に、本考案に於ては接ぎ木クリップを構成する二片のクリップ片間に、接ぎ木されるべき台木及び穂木を同時に夫々の形成層まで剥離し得る粗面を、引き抜き可能且つ脱落不能に挟持し、此の粗面を介して台木、穂木を相対峙して圧迫挟持させ、単にこの粗面を所定方向に引き抜くのみで、前記両接ぎ木を夫々の形成層で抱合密着させる事を特徴とするものである。

【０００５】

【考案の作用】

此の様な構成に依って本考案の接ぎ木クリップは、そのクリップ片間に挟持された一枚の粗密両面又は紙やすりを介して台木、穂本を圧迫抱台する如く構成されているので、単に此等接ぎ木間に挟持された前記粗面又は紙やすりを所定方向に引き抜くのみで台木、穂木両面を、夫々の形成層まで剥離すると同時に、クリップ片の圧力によって夫々の剥離面を抱合的に広く密着させ、従来の呼び接ぎ方式以上の接ぎ木効果を上げる事が可能である。

【０００６】

【実施例】

本考案の接ぎ木クリップ（１）は、図２乃至図５に示す如く、一対のクリップ片（２）（３）をリング状スプリング（４）で弾性的に挟合し、此等クリップ間に粗密二面を備えた一枚の板状粗面（Ｓ）を挟持した構造より成る。

【０００７】此の粗面（Ｓ）は、図１０に示す如く、其の一方の端部寄り下方に、クリップ片交合突起（５）（５）に鞍架けされる切り欠き（９）を備えると同時に、面（１１）の一方の下面には粗いやすり状突起（１０’）を、他方には緻密な突起（１１’）を夫々備えている。

【０００８】此の様な構造の粗面（Ｓ）は、前記やすり部の主部がクリップ抱合部（Ｈ）内に位置する様に、其の端部（１５）をクリップ唇部（８）で、他の切り欠き側の端部（１０）を、クリップ挟合部（６）（６）の接触面間で夫々挟持されている。従って、粗面（Ｓ）は例えクリップ腕（７）（７）を圧迫して唇部（８）（８）を開いても、如何なる方向にも脱落することがない。斯の如き構造より成る本考案のクリップに依る接ぎ木方法を以下に説明する。

【０００９】所定苗床で育てられた台木（Ａ）及び穂木（Ｂ）は、先ず図６乃至図８に示す様に、クリップ腕（７）（７）を圧迫して開口されたクリップ抱合部（Ｈ）内に、前記粗面（Ｓ）を介して外接される。

【００１０】次いで此等外接された台木及び穂木（Ａ）（Ｂ）間の粗面（Ｓ）は、クリップ唇部（８）（８）を指先で押えながら（Ｆ）方向に引き抜かれる。この際台木（Ａ）の粗面（Ｓ）との摩擦面は、（１２）で示す如く、粗く然も深く、又穂木（Ｂ）は（１３）で示す如く、緻密に然も浅く一気に夫々の形成層まで剥離されると同時に、クリップ片（７）（７）の（ｆ）（ｆ’）方向の圧迫力に依って抱合密着され、図１０に示す様に所定面積の剥離面（１４）に依って接ぎ木される。

【００１１】一方、前記粗面（Ｓ）は、一枚の粗密両やすり面を備えた例えばプラスチック等の成形板或は粗密二面の紙やすりであっても良いが、常時クリップ片から引き抜き可能に然も脱落不能に維持されている事が必要である。

【００１２】

【考案の効果】

上記の如き構造及び作用を有する本考案の接ぎ木クリップは、従来の呼び接ぎ方式の如く、台木及び穂木に呼び接ぎ用の切り口を設ける必要がないので、極めて省力的であると同時に、単に粗面を引き抜くのみで一気に接ぎ木する事が出来るので、何等熟練度を必要としない利益がある。

【図面の簡単な説明】

図１は従来の台木及び穂木の呼び接ぎ方式の説明図であ
る。図２は本考案の接ぎ木クリップの正面図である。図３は図１の平面図である。図４は図１の右側面図である。図５は図１の左側面図である。図６は本考案の接ぎ木方式を示す一部切断正面図であ
る。図７は図６の平面図である。図８は図６の背面図である。図９は図６の粗面を引き抜いた状態を示す拡大部分図で
ある。図１０は図９の状態に於ける台木及び穂木の接ぎ木状態
を示す図面である。

【符合の説明】

（１）本考案の接ぎ木クリップ（２）（３）クリップ片（４）リング状スプリング（５）クリップ片交合突起（６）クリップ挟合部（Ａ）台木（Ｂ）穂木（Ｓ）粗面

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一対のクリップ片（２）（３）と、此等を
弾性的に挟合する一個のリング状スプリング（４）との
組み合わせより成り、前記クリップ片（２）（３）は、
此等間に、台木（Ａ）及び穂木（Ｂ）の茎を同時に夫々
の形成層まで剥離して、抱合的に密着させ得る粗面を挟
持している事を特徴とする接ぎ木クリップ。
【請求項２】前記粗面は一枚の粗密両やすり面を持つ成
形板又は紙やすり（Ｓ）より成り、前記クリップ片
（２）（３）の先端唇部（８）（８）とクリップ挟合部
（６）（６）間に、引き抜き可能且つ脱落不能に挟持さ
れている事を特徴とする請求項１記載の接ぎ木クリッ
プ。