JPH0521611U - 育苗トレイへの播種装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 穴明部３により育苗トレイＡの各セルａ内に
充填された床土ｂに播種穴ｃを形成するとき、床土ｂに
逆テーパー形状をなし、かつ、この逆テーパー部の下方
中心部に凹部が連続形成されたような播種穴ｃを設け
て、該播種穴ｃに播種部Ｆで種子の播種作業を行うと
き、該種子が跳ね出したりすることなく、この種子を播
種穴ｃの凹部で確実かつ安定して受止めて、前記各セル
ａ内での欠粒を防止する。 【構成】 穴明装置Ｄに設ける穴明部３の先端側を逆テ
ーパー形状となし、かつ、その先端中心部に突起３３を
設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、育苗トレイの各セルに野菜などの種子を播種して育成するようにし た播種装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、この種播種装置は、育苗トレイの各セル内に充填された床土を押圧し て播種穴を明ける穴明装置と、前記播種穴に種子を播種する播種部とを備え、前 記穴明装置による前記各セル内の床土への穴明作業と、この各セル内の床土に形 成される播種穴への播種作業とを連続して行うようにしている。

【０００３】 しかして、従来の穴明装置は、図７で示したように、回転可能に支持されたロ ーラ５０を備え、該ローラ５０の外周部に複数の穴明部５１を設けて構成されて おり、この穴明部５１は、育苗トレイＡに設けた各セルａの床土ｂ内へと突入さ れる先端側に円錐形部５１ａを形成している。また、前記ローラ５０の下部側に は、搬送コンベア５２が配設されていて、この搬送コンベア５２を介して育苗ト レイＡを前記ローラ５０の搬送方向後部側から該ローラ５０を通過させて前記播 種部へと連続搬送させるようにしている。

【０００４】 そして、前記搬送コンベア５２を介して前記育苗トレイＡが前記ローラ５０と の対向位置にまで搬送されたとき、該ローラ５０に設けた各穴明部５１の円錐形 部５１ａを前記各セルａの床土ｂ内へと突入させることにより、この床土ｂに円 錐形状の播種穴ｃを形成して、該播種穴ｃに前記播種部で種子の播種を行うので ある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

所が、以上の穴明装置では、前記穴明部５１の先端側に円錐形部５１ａが設け られ、この円錐形部５１ａを前記各セルａに充填された床土ｂ内へと突入させた とき、該床土ｂに円錐形状の播種穴ｃが形成されるため、前記播種部で種子の播 種作業を行うとき、この播種部から前記播種穴ｃへと落下供給される種子が、該 播種穴ｃから外部に跳ね出したりして前記セルａ内での欠粒が生じたりする問題 があった。

【０００６】 本考案は以上のような問題に鑑みてなしたもので、その目的は、前記各セルの 床土内に、種子の跳ね出しを招いたりすることなく、該種子を安定して受止める ことができて、欠粒の発生を確実になくすことができ、かつ、前記各セルの中心 部に播種できる育苗トレイへの播種装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、複数のセルａを備えた育苗トレイＡの各 セルａに充填された床土を押圧して播種するための穴を明ける穴明装置Ｄと播種 部Ｆとを備えた育苗トレイへの播種装置において、前記穴明装置Ｄの穴明部３の 先端側を逆テーパー形状とし、かつ、その先端中心部に突起３３を設けたことを 特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

以上の播種装置では、前記穴明装置Ｄの穴明部３が、先端側が逆テーパー形状 とされ、その先端中心部に突起３３が設けられているため、前記穴明部３により 前記育苗トレイＡの各セルａ内に充填された床土に播種穴を形成するとき、この 床土には前記穴明部３と同一形状の播種穴が形成され、つまり、前記床土には、 逆テーパー形状をなし、かつ、この逆テーパー部の中心部に前記突起３３に対応 する凹部を設けたような播種穴が形成されるのであり、従って、この播種穴に前 記播種部Ｆで種子の播種作業を行うとき、該種子が前記播種穴の凹部で確実かつ 安定して受止められ、前記各セルａ内での欠粒が防止され、かつ、前記各セルａ の中心部に播種されるのである。

【０００９】

【実施例】 図６は、例えば野菜などを育苗するための長方形状とされた育苗トレイＡに、 床土の充填作業から穴明作業と播種作業及び覆土作業などを一貫して行うように した播種装置の全体構造を示しており、前記育苗トレイＡを順次搬送する搬送コ ンベアＢを備え、このコンベアＢ上に、前記育苗トレイＡ内に床土を充填する床 土充填装置Ｃと、前記育苗トレイＡに充填された床土を押圧して播種穴を形成す る穴明装置Ｄと、播種穴が形成された床土に散水する散水装置Ｅと、散水された 床土上に種子を播種する播種部Ｆと、種子が播種された床土上に覆土する覆土装 置Ｇと、覆土上に散水する散水装置Ｈとを設けている。そして、前記コンベアＢ で搬送される前記育苗トレイＡ内に、先ず、前記床土充填装置Ｃで床土を充填さ せ、該床土に前記穴明装置Ｄにより播種穴を形成した後に、この播種穴が形成さ れた床土に前記散水装置Ｅで散水し、散水された床土上に前記播種部Ｆで種子を 播種し、次に、種子が播種された床土上に前記覆土装置Ｇで覆土し、この覆土上 に前記散水装置Ｈで散水するのである。

【００１０】 前記穴明装置Ｄは、図１で明らかにしたように、機枠１の中央部に軸杆２１を 介して支持されたローラ２を備え、該ローラ２の外周幅方向に前記育苗トレイＡ に設けた各セルａの幅方向の数と一致する複数の穴明部３を設け、この幅方向列 の穴明部３を前記ローラ２の外周囲に所定間隔おきに複数列配設して構成されて いる。

【００１１】 しかして前記穴明装置Ｄの穴明部３を、次のように形成したのである。即ち、 この穴明部３は、図２からも明らかなように、前記ローラ２の外周面側に取付け られる概略４角柱形状をなす取付基部３１と、該取付基部３１から径方向外方に 向かって逆テーパー形状に延び、先端側が円形状とされた逆テーパー部３２とを 備え、この逆テーパー部３２の先端中心部に円柱形状の突起３３を一体に突設さ せるのである。

【００１２】 また、前記ローラ２は、前記軸杆２１を介して前記機枠１に回転自由に支持さ れていて、前記搬送コンベアＢで搬送される前記育苗トレイＡの各セルａが前記 ローラ２の穴明部３と対向して、該穴明部３が前記各セルａの床土ｂ内へと突入 されたときの抵抗を利用して回転させるようにしている。さらに、図１では、前 記育苗トレイＡを移動箱Ａ１に搭載して前記搬送コンベアＢで搬送するようにし ている。

【００１３】 そして、以上の播種装置で前記育苗トレイＡに播種作業を行うときには、前記 コンベアＢで搬送される前記育苗トレイＡの各セルａ内に、前記床土充填装置Ｃ で床土ｂがそれぞれ充填され、前記育苗トレイＡが前記穴明装置Ｄへと搬送され たとき、該穴明装置Ｄの各穴明部３が前記各セルａの床土ｂ内に突入されて播種 穴ｃが形成される。このとき、前記各穴明部３は、前記取付基部３１の先端側に 逆テーパー部３２が形成され、該逆テーパー部３２の先端中心部に円柱形状の突 起３３が設けられているため、前記各セルａ内の床土ｂには、前記各穴明部３と 同一形状の播種穴ｃが形成される。つまり、図１で明らかなように、前記床土ｂ には、その最上部側に前記取付基部３１と対応する概略４角形状の穴部ｃ１と、 該穴部ｃ１に連続して下方側に延びる前記逆テーパー部３２と対応する逆テーパ ー形状の穴部ｃ２と、この穴部ｃ２の中心下部側に前記突起３１に対応する凹部 ｃ３とを連続形成したような播種穴ｃが形成されるのである。従って、この播種 穴ｃに後で詳述する播種部Ｆで種子ｄの播種作業を行うとき、該種子ｄが前記播 種穴ｃの中心部に位置する凹部ｃ３で確実かつ安定して受止められ、前記各セル ａ内での欠粒が防止される。

【００１４】 更に、前記播種部Ｆは、図３で明らかにしたように、機枠４の内方上部側に配 設された上下に開口部をもつ種子ホッパー５と、該種子ホッパー５の下部側に前 記下方開口部を閉鎖するように右下がり状に傾斜して配設され、その傾斜方向に 沿って左右往復動される目皿プレート６とを備え、この目皿プレート６の幅方向 には、前記育苗トレイＡに設けた各セルａの幅方向の数と一致する複数の播種孔 ６１を形成している。

【００１５】 また、前記種子ホッパー５の左側外方には、前記目皿プレート６の上面に常時 接触するブラシ７が配設され、該ブラシ７で前記各播種孔６１内に供給された種 子ｄのうち、前記目皿プレート６上の種子ｄを取り除いて、前記各播種孔３１内 の種子ｄだけを前記目皿プレート６の移動に伴い前記種子ホッパー５の外方側に 持ち出して、前記育苗トレイＡの各セルａに充填された床土ｂの播種穴ｃに供給 するようにしている。

【００１６】 更に、前記目皿プレート６の下面側で前記種子ホッパー５との対向部分には、 前記目皿プレート６を種子ホッパー５側に設ける案内ローラＲ，Ｒに押圧しなが ら左右方向へと往復案内させる押圧体８を配設して、この押圧体８の左上部で前 記ブラシ７の外部側に、前記目皿プレート６の往復動に伴い前記種子ホッパー５ の外部側に持ち出された前記各播種孔６１内の種子ｄをそれぞれ受取る筒部８１ を一体に設けると共に、これら各筒部８１にガイドホース８２をそれぞれ取付け 、該各ガイドホース８２を介して前記各播種孔６１内の種子ｄを、前記各セルａ の床土ｂに設けた播種穴ｃ内に落下供給するようにしている。このとき、前記播 種穴ｃの下方中心部には、前記穴明部３に設けた突起３３と対応する凹部ｃ３が 形成されるため、この凹部ｃ３で前記ガイドホース８２を介して落下供給される 種子ｄが確実かつ安定して受止められるのである。

【００１７】 また、前記機枠４には、前記目皿プレート６を往復動させる往復動機構９を配 設しており、この往復動機構９は、前記機枠４の下部側に設けたモータ９１と、 該モータ９１から延びるモータ軸９２に固定された第１アーム９３と、前記機枠 ４の左上位置に回動可能に支持された軸杆９４に固定される第２アーム９５と、 この第２アーム９５と前記第１アーム９３とを連結する連結ロッド９６と、前記 軸杆９４に固定され、かつ、先端部が前記目皿プレート６の左側下面位置に設け た係合体９７に係合される第３アーム９８とを備え、前記モータ９１の駆動に伴 う前記第１アーム９３の回転により、前記連結ロッド９６と第２，第３アーム９ ５，９８及び係合体９７を介して前記目皿プレート６を、図３の実線位置と同図 の仮想線位置との範囲にわたって往復動させるようにしている。即ち、前記目皿 プレート６は、その各播種孔６１が前記種子ホッパー５の下方開口位置で右側の 傾斜側面と、これら各播種孔６１が前記押圧体８に設けた筒部８１と対向される 位置との範囲にわたって左右往復動されるようになっている。

【００１８】 以上の実施例では、前記穴明装置Ｄとして、ローラ２の外周面に穴明部３を設 けたローラ形式のものについて説明したが、本考案は、リンク形式の穴明装置Ｄ に適用することも可能であり、即ち、図４で示したように、長さ方向一端側を回 動可能に支持し、かつ、他端側に前記穴明部３を取付けたリンク１０と、該リン ク１０を上下動させるアーム１１とを備え、このアーム１１をモ−タ（図示せず ）などにより上下動させて、該アーム１１を介して前記リンク１０を上下動させ ることにより、前記穴明部３を前記各セルａの床土ｂ内に突入させて、該床土ｂ に播種穴ｃを形成するようにした穴明装置Ｄにおいて、前記穴明部３の先端側に 前記突起３３を設けるようにしてもよい。

【００１９】 また、以上の実施例においては、前記育苗トレイＡに床土の充填作業から穴明 作業と播種作業及び覆土作業などを一貫して行うようにした播種装置に使用され る穴明装置Ｄについて説明したが、本考案では、必ずしも以上の播種装置を使用 することなく、前記育苗トレイＡに設けた各セルａ内の床土ｂに手作業で穴明作 業を行うようにした穴明装置Ｄに適用することも可能である。この場合には、図 ５で示したように、フラットな板材１２に、前述したものと同様に、概略４角柱 形状をなす取付基部３１と、該取付基部３１から外方に向かって逆テーパー形状 に延び、先端側が円形状とされた逆テーパー部３２と、この逆テーパー部３２の 先端側に突設された円柱形状の突起３３とを備えた穴明部３を一体状に突設させ るのである。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の播種装置では、穴明装置Ｄに設ける穴明部３の先 端側を逆テーパー形状とし、かつ、その先端中心部に突起３３を設けたから、前 記穴明部３により育苗トレイＡの各セルａ内に充填された床土に播種穴を形成す るとき、この床土に逆テーパー形状をなし、かつ、この逆テーパー部の中心部に 前記突起３３に対応する凹部が連続形成されたような播種穴を設けることができ るのであり、従って、この播種穴に播種部Ｆで種子の播種作業を行うとき、該種 子が跳ね出したりすることなく、この種子を前記播種穴の凹部で確実かつ安定し て受止めることができて、前記各セルａ内での欠粒を防止でき、その上、前記各 セルａの中心部に正確に播種できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる播種装置の要部である穴明装置
を示す一部切欠側面図である。

【図２】穴明装置の要部を示す平面図である。

【図３】同播種装置に設ける播種部の一部切欠側面図で
ある。

【図４】穴明装置の他の実施例を示す斜視図である。

【図５】穴明装置の他の実施例を示す斜視図である。

【図６】播種装置の全体構造を示す側面図である。

【図７】従来の穴明装置を示す一部切欠側面図である。

【符号の説明】

３ 穴明部 ３３ 突起 Ａ 育苗トレイ ａ セル Ｄ 穴明装置 Ｆ 播種部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のセルａを備えた育苗トレイＡの各
   セルａに充填された床土を押圧して播種するための穴を
   明ける穴明装置Ｄと播種部Ｆとを備えた育苗トレイへの
   播種装置において、前記穴明装置Ｄの穴明部３の先端側
   を逆テーパー形状とし、かつ、その先端中心部に突起３
   ３を設けたことを特徴とする育苗トレイへの播種装置。