JPH05214572A - 硫酸と水酸化ナトリウムを製造するための電気化学的方法及び電気化学的反応槽 - Google Patents

硫酸と水酸化ナトリウムを製造するための電気化学的方法及び電気化学的反応槽

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JPH05214572A
JPH05214572A JP4243317A JP24331792A JPH05214572A JP H05214572 A JPH05214572 A JP H05214572A JP 4243317 A JP4243317 A JP 4243317A JP 24331792 A JP24331792 A JP 24331792A JP H05214572 A JPH05214572 A JP H05214572A
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Alastair D Martin
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】電流効率が高く、且つ製造される硫酸の濃度が
大きい、硫酸ナトリウム水溶液から水酸化ナトリウムと
硫酸とを製造するための電気化学的方法を提供する。 【構成】硫酸ナトリウムの水溶液を電気分解することに
よって硫酸と水酸化ナトリウムとを製造するための電気
化学的方法において、電気分解される前記硫酸ナトリウ
ム水溶液の濃度が中性条件下で及び用いられる温度にお
いて硫酸ナトリウムの飽和溶液の濃度よりも大きくす
る。この方法は陽イオン交換膜で仕切られた陽極室と陰
極室とを有してなる2室型電解槽中で行い得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気化学的方法、さらに
詳しくは硫酸ナトリウムの水溶液から硫酸と水酸化ナト
リウムとを製造するための電気化学的方法に関する。別
の要旨においては、本発明は電気化学的反応槽(electro
chemical cell)であってその中で上記方法を操作するた
めの電気化学的反応槽に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】多くの
工業的方法が、硫酸又は水酸化ナトリウムのいずれかの
中和を伴う。これら工業的方法は一般的に、商業的価値
がほとんどない(of little) 硫酸ナトリウムを副生物と
して生成する。この型の方法の一つの例は再生セルロー
スの製造であり、該製造においては製造されたセルロー
スフィルム又は繊維1トン当たりにつき1トンよりも僅
に多い不用な(waste) 硫酸ナトリウムが廃棄される。別
の多数の方法が副生物として硫酸ナトリウムの製造を伴
う。
【0003】硫酸ナトリウムをその構成成分である酸と
塩基すなわち硫酸と水酸化ナトリウムとに分離させる(s
plit) ことに関しては、電気化学的方法が知られてい
る。
【0004】硫酸ナトリウム水溶液から硫酸と水酸化ナ
トリウムとを製造するための公知の電気化学的方法に
は、2つの型いわゆる“電気透析法”と電気分解法があ
る。電気分解型の方法では、次の2つの電極反応:すな
わち 陰極反応: 2HO+2e- → H2 +2OH-
及び 陽極反応: 2HO → 4H+ +O2 +4e- が水を解離させる(split) のに使用され、しかもイオン
選択(ion-selective) 膜が上記の複数のイオンを別々に
しておくのに使用される。この方法は2室型電解槽(cel
l)、3室型電解槽、あるいは3室以上の区室を有する電
解槽中で実施され得る。
【0005】2室型電解槽においては、陰イオン選択膜
又は陽イオン選択膜が、電解槽の陽極室(anode compart
ment) と電解槽の陰極室(cathode compartment) とを仕
切る(separate)のに使用され得る。陽イオン選択膜が用
いられる場合には、水性硫酸ナトリウム流が電解槽の陽
極室に供給され、該陽極室で水性硫酸ナトリウム流が硫
酸と酸素とに転化され、そしてナトリウムイオンが陽イ
オン選択膜を横切って陰極室に移動し、該陰極室で水酸
化ナトリウムと水素とが製造される。陰イオン選択膜が
用いられる場合には、硫酸ナトリウム水溶液が電解槽の
陰極室に供給され、そして生成した硫酸イオンが陰イオ
ン選択膜を横切って陽極室に移動し、該陽極室で硫酸と
酸素とが製造され、水酸化ナトリウム溶液と水素とが陰
極室で製造される。
【0006】中央室(central compartment) と陽極室と
陰極室を有する3室型電解槽では、硫酸ナトリウム水溶
液が中央室に供給される。中央室は陰イオン選択膜によ
り陽極(アノードともいう)から分離され、陽イオン選
択膜により陰極(アノードともいう)から分離される。
電流が電解槽の中に通されると、硫酸が陽極室で製造さ
れ、水酸化ナトリウムが陰極室で製造され、中央室の硫
酸ナトリウムが相当する量で消費される(depleted)。
【0007】いわゆる電気透析法においては、反応槽(c
ell)は、末端陽極と末端陰極との間に一連の交互する(a
lternating) 両性(bipolar) 膜とイオン交換膜とを有し
てなる。両性膜は水をH+ とOH- とに解離させるのに使
用され、これらのイオンはそれぞれ電場の影響下で両性
膜の反対側に分離される。例えば、陽イオン交換膜を用
いる電気透析法においては、水性硫酸ナトリウムが両性
膜の陽極液(anolyte)側に供給され、生成したナトリウ
ムイオンが陽イオン選択膜を通って隣り合った両性膜の
陰極液(catholyte) 側に移動し、そこで水酸化ナトリウ
ムが製造され、硫酸は両性膜の陽極液側で製造される。
【0008】しかしながら、これら公知の方法は不都合
を招く。すなわち、公知方法の電流効率(陽イオン選択
膜を横切って移動したNa+ イオンとH+ イオンの合計に
対するNa+ イオンの比率として測定される)は不都合に
も小さいものであり得、しかも該方法によって製造され
る硫酸の濃度は、H+ イオンが上記陽イオン選択膜を横
切って移動するために、製品を商業的に受容可能にする
程十分に大きいものではあり得ない。
【0009】前述の公知方法は、陽極液として30重量%
までの硫酸ナトリウム濃度をもつ硫酸ナトリウム水溶液
を使用して60℃までの温度で操作される。30重量%硫酸
ナトリウム水溶液は、上記公知方法において使用される
前記温度における中性条件下の硫酸ナトリウム飽和溶液
である。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明に
よれば、硫酸ナトリウム水溶液から水酸化ナトリウムと
硫酸とを製造するための電気化学的方法であって、電流
効率がこれまでの公知方法の電流効率よりも実質的に高
い傾向があり、しかも該方法によって製造される硫酸の
濃度が公知方法によって製造される硫酸の濃度よりもは
るかに大きいものであり得、このような次第で該方法を
さらに商業的に魅力あるものにする、硫酸ナトリウム水
溶液から水酸化ナトリウムと硫酸とを製造するための電
気化学的方法が提供される。
【0011】従って、本発明の要旨によれば、硫酸ナト
リウムの水溶液を電気分解することによって硫酸と水酸
化ナトリウムとを製造するための電気化学的方法におい
て、電気分解される前記硫酸ナトリウム水溶液の濃度
が、用いられる温度における中性条件下の硫酸ナトリウ
ムの飽和水溶液の濃度よりも大きいことを特徴とする硫
酸ナトリウムの水溶液を電気分解することによって硫酸
と水酸化ナトリウムとを製造するための電気化学的方法
が提供される。
【0012】中性条件下では、硫酸ナトリウムの飽和水
溶液の濃度は、ほとんどの温度において約30重量%であ
る。しかしながら、該濃度はそれよりも高い場合もあり
得るが、約35℃では高くて約32重量%である。本発明者
らは硫酸ナトリウム水溶液の濃度が大きくなるのに従っ
て本発明の方法の電流効率が大きくなることを認めたの
で、従って、本発明においては、硫酸ナトリウムの濃度
は該硫酸ナトリウム溶液の全重量を基準として30重量%
よりも大きいものであり、好ましくは32重量%硫酸ナト
リウムよりも大きいものであり、さらに好ましくは34重
量%硫酸ナトリウムよりも大きいものであり、特には36
重量%硫酸ナトリウムよりも大きいものである。
【0013】電気化学的方法とはいわゆる電気透析法と
慣用の電気分解法の両方を意味するものであること、及
び硫酸ナトリウム溶液が前記で定義したものであるとい
うこと条件として、本発明の方法が硫酸ナトリウムの水
溶液から水酸化ナトリウムと硫酸とを製造するための電
気化学的方法において有効に使用し得るものであること
が理解されるべきである。従って、本発明の方法を電気
透析法で実施する場合には、硫酸ナトリウム水溶液は両
性膜の陽極側の区室に供給される。これに対して、電気
分解法においては、硫酸ナトリウム水溶液は、陽イオン
交換膜を有してなる2室型電解槽の陽極室に供給される
か又は3室型電解槽の中央室に供給される。
【0014】しかしながら、本発明の方法は陽極と陰極
とが陽イオン交換膜で隔てられている2室型電解槽で操
作されることが好ましい。その理由は、かかる2室型電
解槽における操作によって電極と膜の使用が可能とな
り、該電極と膜が以下に記載の方法のさらに高い好まし
い温度で有効に使用し得るからである。
【0015】本発明の好ましい態様によれば、陰極室中
の少なくとも1つの陰極から隔てられた陽極室中の少な
くとも1つの陽極を有してなり、該陽極室と陰極室とが
陽イオン交換膜で仕切られている電解槽中で硫酸ナトリ
ウムを電気分解することによって硫酸と水酸化ナトリウ
ムとを製造する方法において、前記の電気分解される前
記硫酸ナトリウム水溶液の濃度が、用いられる温度にお
ける中性条件下の硫酸ナトリウムの飽和水溶液の濃度よ
りも大きいことを特徴とする硫酸ナトリウムを電気分解
することによって硫酸と水酸化ナトリウムとを製造する
方法が提供される。
【0016】明確にするために、本発明を以下に、本発
明の好ましい実施態様の電解槽中における本発明の方法
の実施に関連して説明するが、本発明はそれに限定され
るものではない。
【0017】前述のように、中性条件下における硫酸ナ
トリウム飽和水溶液は硫酸ナトリウムを32重量%以下の
濃度で含有してなり、このことによって電気分解される
硫酸ナトリウム水溶液の濃度について上限が設けられて
いた。さらにまた、この硫酸ナトリウムの最適濃度は約
30℃〜約40℃の範囲の極めて狭い温度範囲についてわた
って得られるのみであり、しかもまたこのことによって
かかる高濃度の硫酸ナトリウムを使用する操作温度につ
いて狭い範囲が設けられていた。
【0018】電気分解される硫酸ナトリウム水溶液の濃
度が、用いられる温度における中性条件下の硫酸ナトリ
ウムの飽和水溶液の濃度よりも大きいものであり得るた
めには、該硫酸ナトリウム水溶液は酸性化されていても
よく、例えば該硫酸ナトリウム水溶液は硫酸をも含有し
ていてもよい。従って、前記の電気分解される硫酸ナト
リウム水溶液は、硫酸ナトリウムを水よりもむしろ硫酸
溶液に溶解することによって調製し得る。上記硫酸ナト
リウム水溶液は、硫酸を少なくとも 0.5重量%、通常は
硫酸を少なくとも1重量%、好ましくは硫酸を少なくと
も5重量%、さらに好ましくは硫酸を少なくとも7重量
%含有し得る。その理由は、硫酸を少なくとも7重量%
含有してなる硫酸ナトリウム水溶液中の硫酸ナトリウム
の最大可能な濃度が、中性溶液と比べて実質的に大きく
し得るからである。硫酸ナトリウム水溶液が硫酸を7重
量%含有してなる場合には、硫酸ナトリウムの濃度は60
℃では34重量%まで大きくし得る。
【0019】さらにまた、酸性硫酸ナトリウム水溶液中
の硫酸ナトリウムの濃度は、温度を上げることにより実
質的に増大させ得る。公知の方法においては、硫酸ナト
リウムの飽和中性溶液中の硫酸ナトリウムの濃度が温度
に有意に左右されないという理由から、硫酸ナトリウム
の溶解度に関する利点(benefit) は温度を上げることに
よっては得られない。実際に、硫酸ナトリウム飽和溶液
の濃度は、中性溶液に関しては温度を35℃よりも高く上
げるにつれて僅かに低下するからである。しかしなが
ら、前記の電気分解される硫酸ナトリウム水溶液が酸性
化された溶液である場合、特に硫酸中に溶解された硫酸
ナトリウムの溶液である場合には、硫酸ナトリウムの濃
度は温度を上げるに従って大きくし得る。従って、本発
明の方法を操作する温度は、少なくとも65℃であるのが
好ましく、75℃よりも高い温度であるのがさらに好まし
い。さらにまた、硫酸ナトリウムの溶解度の増大に対す
る温度増加の影響は、硫酸ナトリウム水溶液が硫酸を少
なくとも7重量%含有してなる場合に、特に該水溶液が
硫酸を少なくとも12重量%含有してなる場合にはさらに
めざましく、しかも本発明の方法は、硫酸を少なくとも
7重量%含有してなる硫酸ナトリウム水溶液を用いて65
℃よりも高い温度で操作するのが好ましく、硫酸を少な
くとも12重量%含有してなる硫酸ナトリウム水溶液を用
いて75℃よりも高い温度で操作するのがさらに好まし
い。このような次第で、硫酸を少なくとも12重量%含有
してなる硫酸ナトリウム水溶液中の硫酸ナトリウムの濃
度は、80℃の温度においては硫酸ナトリウム36重量%と
同じくらい高い。一般的に、本発明の方法を操作する温
度は約100 ℃よりも大きいものではない。その理由は、
本発明の方法で使用する膜及び電極が、100 ℃よりも高
い温度を採用した場合には効果的に且つ長時間運転し得
ないからである。
【0020】また、水性硫酸ナトリウムを硫酸と水酸化
ナトリウムとに分離させる本発明の電気化学的方法にお
いては、硫酸ナトリウムと水が該方法において消費さ
れ、従って陽極液溶液中の硫酸ナトリウムの濃度が低下
し得るということも理解されるべきである。しかしなが
ら、本発明の方法においては、硫酸ナトリウム水溶液の
初期濃度(電気化学的反応槽の陽極室に供給される硫酸
ナトリウム陽極液水溶液の濃度であり得る)は、用いら
れる温度における中性条件下の硫酸ナトリウムの飽和溶
液の濃度よりも大きい。従って、本発明の方法は、硫酸
ナトリウムを水性硫酸中に、用いられる温度における中
性条件下の硫酸ナトリウムの飽和溶液の濃度よりも大き
い濃度まで溶解し、次いで得られた溶液を電解槽に供給
することからなり得る。
【0021】さらにまた、本発明の好ましい態様におい
ては、本発明の方法を操作する間に、溶解された硫酸ナ
トリウムが硫酸ナトリウム溶液から消費されしかも陽極
液中の硫酸濃度が高くなるにもかかわらず、前記の硫酸
ナトリウム溶液中の硫酸ナトリウムの濃度が、用いられ
る温度における中性条件下の硫酸ナトリウムの飽和溶液
の濃度よりも高い濃度で維持される。
【0022】このことは、溶解された硫酸ナトリウムが
電気分解中に消費されるに従って硫酸ナトリウム溶液の
濃度を維持することを目的として、例えば陽極液溶液を
硫酸ナトリウムで再飽和することによって、例えば硫酸
ナトリウムで飽和されしかもまた懸濁された固体硫酸ナ
トリウムも含有する硫酸ナトリウム水溶液を、電解槽に
供給することにより達成し得る。
【0023】しかしながら、陽極液溶液は、陽極液溶液
を固体硫酸ナトリウムを入れた再飽和容器を通して、且
つ電解槽に戻して再循環させることにより再飽和するの
が好ましい。電気化学的反応槽が3室型の槽である場合
には、製品硫酸は陽極液中で製造され、一方、消費され
た硫酸ナトリウム溶液は中央室から取り除かれる。この
態様においては、必要とされる硫酸であって該硫酸中に
電解槽の中央室に返送された硫酸ナトリウム溶液を再飽
和するための硫酸を提供するために、陽極液中で製造さ
れた硫酸のうちの少なくとも一部が、中央室から消費さ
れた硫酸ナトリウムと共に再循環され得る。
【0024】別法として、硫酸は電解槽の中央室から再
循環された消費された硫酸ナトリウム溶液に対して直接
に加えてもよいし、あるいは用いられた陰イオン交換膜
と陽イオン交換膜の効率の不均衡によって、中央室中で
製造された少量の酸の濃度を増加させ(build up)、それ
によって必要とされる硫酸を提供することを可能にして
もよい。
【0025】本発明の別の要旨によれば、硫酸ナトリウ
ムの水性酸溶液を電気分解することによって硫酸と水酸
化ナトリウムとを製造するための電気化学的反応槽であ
って、少なくとも1つの陽イオン交換膜によって仕切ら
れた陰極室中の少なくとも1つの陰極と陽極室中の少な
くとも1つの陽極と、硫酸ナトリウム再飽和容器と、場
合によっては中間室とを有してなる電気化学的反応槽に
おいて、前記再飽和容器が陽極液室(及び/又は中間
室)と、該陽極液室(及び/又は中間室)から得られる
生成物のうちの少なくとも一部が該再飽和容器を通って
再循環され得るように、流体流で連結されていることを
特徴とする、硫酸ナトリウムの水性酸溶液を電気分解す
ることによって硫酸と水酸化ナトリウムを製造するため
の電気化学的反応槽が提供される。
【0026】前記反応槽の構造、例えば陽極材料及び陰
極材料、イオン交換膜(特に陽イオン交換膜)並びに電
解槽の型例えばフィルタープレス型は、慣用の技術に従
い得る。
【0027】従って、電気化学的反応槽の陰極は、陰極
として用いられ該陰極で水素が製造される慣用の材料か
ら構成され得る。従って、陰極は、水素過電圧を低下さ
せるために白金属金属の少なくとも1種及び/又は白金
属金属酸化物の少なくとも1種で被覆された金属基材(s
ubstrate) から構成され得る。金属基材の例としては、
鉄金属例えば鉄、あるいは好ましくは非鉄金属例えば銅
又はモリブデンあるいはこれら金属の合金を挙げ得る。
しかしながら、該金属基材はニッケル又はニッケル合金
からなるのがさらに好ましい。陰極の金属基材はニッケ
ル又はニッケル合金製であり得るか、あるいは該金属基
材は別の金属例えば鉄又は鋼あるいは銅からなる芯材(c
ore)と、ニッケル又はニッケル合金の外表面とからなり
得る。
【0028】特に好ましい陰極は、白金属金属又はその
混合物あるいは白金属金属酸化物又はその混合物の被膜
を有してなるか、あるいはニッケル又はニッケル合金基
材の上に白金属金属と白金属金属酸化物との被膜を有し
てなる。
【0029】電気化学的反応槽の陽極は、陽極として用
いられ該陽極で酸素が製造される慣用の材料から構成さ
れ得る。典型的には、陽極は被膜形成性金属例えばチタ
ン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル又はタングステン
あるいは主としてこれらの金属の1種又はそれ以上から
なる合金の基材と、電気触媒的に活性な材料例えば白金
属金属すなわち白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウ
ム、オスミウム及びパラジウムの1種又はそれ以上、あ
るいは該金属及び/又はその酸化物の1種又は複数の合
金の被膜とから構成される。本発明の好ましい態様で使
用するのに特に適した電気触媒的に活性な材料として
は、 IrO2 からなる被膜例えば IrO2 自体の被膜;バル
ブ金属(a valve metal) の酸化物を伴った固体溶液例え
ば IrO2 とTa5 の固体溶液中の IrO2 からなる被
膜;及びPtと IrO2 の混合物からなる被膜が挙げられ
る。
【0030】陽イオン交換膜の性質は、この膜が電解液
による分解、すなわち硫酸ナトリウムと水酸化ナトリウ
ムと硫酸とによる分解に対して耐性であるべきであるよ
うな性質である。陽イオン交換膜は、陽イオン交換基例
えばスルホン酸基、カルボン酸基又はホスホン酸基、あ
るいはそれらの誘導体あるいはかかる基の2種又はそれ
以上の混合物を含有する含弗素重合体状材料製であるの
が適当である。
【0031】かかる陽イオン交換膜は当該技術分野にお
いては周知である。適当な陽イオン交換膜は、例えば英
国特許第1184321 号、同第1406673 号、同第1455070
号、同第1497748 号、同第1497749 号、同第1518387 号
及び同第1531068 号各明細書に記載のものである。
【0032】陽イオン交換膜を有してなる2室型電解槽
中において本発明の方法を操作する際には、前記に定義
した硫酸ナトリウム水溶液が電解槽の陽極室に供給さ
れ、水酸化ナトリウム溶液が電解槽の陰極室に供給され
る。一方、3室型電解槽では、前記に定義した硫酸ナト
リウム水溶液が電解槽の中央室に供給され、水又は硫酸
水溶液が電解槽の陽極室に供給され、そして水酸化ナト
リウム溶液が電解槽の陰極室に供給される。 2室型電
解槽の運転中は、陰極室で水が消費されて水素とOH-
生成し且つOH- とNa+ (これは陽イオン交換膜を横切っ
て陽極液から陰極液に移動する)との反応によって水酸
化ナトリウムが生成するために、陰極液中の水酸化ナト
リウムの濃度が高くなる。同様に、3室型電解槽では、
Na+ が電解槽の中央室から陰極室に移動するために、陰
極室中の水酸化ナトリウムの濃度が高くなる。
【0033】電解槽の陰極室に供給される水酸化ナトリ
ウム溶液の濃度は、陰極室中で生成する最終的な純水酸
化ナトリウム溶液の所定の濃度に依存して広い範囲内で
変化し得る。典型的には、電解槽の陰極室に供給される
水酸化ナトリウム溶液の濃度は、約5重量%から約32重
量%までの範囲内にあり、好ましくは35重量%ほどの高
い濃度をもつ水酸化ナトリウム溶液が本発明の方法にお
いて製造され得るように約15重量%から約32重量%まで
の範囲内であるのが好ましい。
【0034】本発明の方法は回分式方法において操作し
得、該回分式方法においては硫酸ナトリウム水溶液が所
定の温度で電解槽の陽極室(3室型電解槽では中央室)
に供給され、そして水酸化ナトリウム溶液が所定の温度
で電解槽の陰極室に供給される。陽極液は、分離器例え
ば蒸気トラップ凝縮器(trap condenser)を通して再循環
させて陽極で生成された酸素ガスを陽極液から分離する
のが好ましく、次いで陽極液溶液は硫酸ナトリウム再飽
和器(re-saturator)の中を通して電解槽の陽極室に返送
し得る。硫酸ナトリウム再飽和器はまた、再飽和の程度
を最大にするために好ましい操作温度で維持するのが好
ましい。次いで、製品硫酸溶液を採取し得る、例えば所
定時間後に電解槽又は再循環陽極液流から抜き出し得
る。
【0035】同様に、電解槽の陰極室に供給された水酸
化ナトリウム溶液は、分離器(セパレーター)例えば蒸
気トラップ凝縮器を通して再循環させて、陰極で生成さ
れた水素を陰極液溶液から分離し得、次いで該陰極液溶
液のうちの少なくとも一部を陰極室に返送し得る。
【0036】しかしながら、本発明は連続法として操作
するのが好ましい。該連続法においては、例えば酸性化
された硫酸ナトリウム水溶液(陰極液供給溶液中に所定
濃度の硫酸ナトリウムと硫酸とを与えるために十分な量
の硫酸ナトリウムを所定の濃度の硫酸に溶解することに
よって調製される)が電解槽の陽極室に連続的にポンプ
で圧送され、水酸化ナトリウム水溶液が電解槽の陰極室
に連続的にポンプで圧送される。陽極液は、陽極室から
連続的に取り出され、陽極で生成された酸素を該陽極液
から分離するために分離器の中に通され、次いで陽極液
は硫酸ナトリウム飽和容器の中を通して再循環され、そ
して硫酸ナトリウムで再飽和され得る。製品である硫酸
溶液は再循環陽極液流から連続的に抜き出し(tap off)
得る。このようにして、再循環陽極液流は必要な硫酸濃
度を付与し得るので、再飽和器中の水と硫酸ナトリウム
の添加のみによって電解槽の陽極室に対して供給される
供給原料中に必要とされる硫酸ナトリウム濃度が維持さ
れる。
【0037】電解槽の陽極室に供給される再循環陽極液
の流量は、特に電解槽に使用された膜の活性面積に依存
して広い範囲内で変化させ得る。陽極液の供給流量は陽
極液における最大飽和度と、必要とされる製品すなわち
酸の酸強度とを確実にするようなものであるべきであ
る。陽極液の供給流量は、典型的には例えば1時間当た
り約0.01m3 から1時間当たり約20m3 までの範囲内に
ある。
【0038】本発明の方法は、公知の方法で製造された
硫酸溶液よりもはるかに濃厚であり得る硫酸溶液の製造
を可能にする。実際に、得られた硫酸溶液は10%硫酸溶
液であり得、場合によっては15%硫酸溶液であり得る。
製品である硫酸溶液中に残留する硫酸ナトリウムは該硫
酸溶液から結晶化され、次いで再循環された陽極液を再
飽和するために飽和器に返送され得る。
【0039】本発明の方法は、75%程の高い電流効率、
場合によっては80%程の高い電流効率で操作し得、15%
硫酸濃度をもつ硫酸溶液を製造することを可能にさせ
る。
【0040】本発明を添付図面を参照して説明する。添
付図面は本発明の好ましい実施態様の回分式操作用の装
置の図解図である。
【0041】添付図面において、2室に区分された膜式
電解槽1〔この場合はFM-01 電解槽(ICI Chemicals &
Polymers Ltdから入手し得る)〕は、陽イオン交換膜4
〔この場合は活性面積0.064 m2 をもつNafion 324(E.
I.Du Pont De Nemours製)〕によって仕切られた陽極室
2と陰極室3とを有してなる。陽極室は、 IrO2 の電気
触媒的に活性な被膜をもつチタン基材からなる陽極(図
示していない)を備えており、陰極室はグリットブラス
ト仕上げされた(grit-blasted)ニッケルからなる陰極を
備えている。
【0042】陽極液飽和器/貯槽(resorvor)5は、加熱
装置6、陽極液蒸気凝縮器7、温度指示計8、攪拌器9
及びガラス製分離器(sintered glass divider)10を備え
ている。該陽極液貯槽5は陽極液循環ポンプ11を経由し
て電解槽の陽極室に連結される。電解槽の陽極室は、出
口12を経由して陽極液貯槽5に連結される。
【0043】陰極液貯槽13は、加熱装置14、陰極液蒸気
凝縮器15及び温度指示計16を備えている。該陰極液貯槽
は、陰極液循環ポンプ17を経由して電解槽の陰極室に連
結される。電解槽の陰極室は、出口18を経由して陰極液
貯槽13に連結される。
【0044】該装置の運転においては、陽極液溶液は、
水性硫酸と硫酸ナトリウムの既知量を陽極液貯槽に供給
することによって調製される。 十分な量の硫酸ナトリ
ウムが、運転中を通じて飽和溶液を維持するのに必要と
される過剰量で添加される。陽極液貯槽中のガラス製分
離器は、固体硫酸ナトリウムがポンプ中に吸い込まれる
を防止し、電解槽出入り口を保護する。陽極液は加熱さ
れ、電解槽の陽極室を通して循環される。陰極液は、操
作の終りにおいて必要な濃度の水酸化ナトリウムを生成
するように所定の濃度をもつ水性水酸化ナトリウムを陰
極液貯槽に供給することによって調製される。陰極液
は、加熱され、電解槽の陰極室を通して循環される。次
いで、電解槽は電力源に連結され、陽極と陰極との間に
電荷(charge)が通され得る。
【0045】陽極液と陰極液は連続的に電解槽中に再循
環される。電解槽から排出された陽極液は陽極液貯槽に
返送される。該陽極液は、硫酸ナトリウムが消費され且
つ硫酸に富み、しかも酸素が混入している。酸素が分離
され、蒸気トラップ凝縮器を通して排出される。溶液相
は硫酸ナトリウムで再飽和され、電解槽の陽極室に返送
される。
【0046】電解槽から排出された陰極液は、陰極で生
成された水素と一緒に陰極液貯槽に返送される。水素が
分離され、蒸気トラップ凝縮器を通して排出される。水
素を含まない陰極液が、陰極液循環ポンプを経由して電
解槽の陰極室に返送される。
【0047】陽極液と陰極液の循環は必要な時間継続さ
れ、次いで陽極液溶液と陰極液溶液が電解槽及び容器か
ら取り出される。
【0048】
【実施例】本発明を以下の実施例により詳しく説明す
る。実施例は前記で説明した装置中で実施した。
【0049】実施例1 本実施例は、硫酸を含有してなる陽極液を用いて硫酸ナ
トリウムの電気分解を実施する効果と、該陽極液中の硫
酸ナトリウムの濃度を該陽極液流を再飽和することによ
って30重量%よりも高い濃度に維持する効果とを例証す
る。
【0050】硫酸ナトリウム0.7013kgと、硫酸0.1016kg
と、水0.6008kgとを含有してなるスラリーを陽極液貯槽
に供給した。水酸化ナトリウム0.1509kgと水0.8537kgと
を含有してなる溶液を陰極液貯槽に供給した。陽極液と
陰極液とを1分間当たり1.2リットルの流量で且つ62.2
℃の温度で電解槽の中を通して循環させた。19.2アンペ
アーの電流を電解槽に通電し、電解槽を 299分間運転し
た。陽極液中の硫酸と硫酸ナトリウムの濃度、陰極液中
の水酸化ナトリウムの濃度及び電流効率を監視した。得
られた結果を表1に示した。
【0051】
【0052】得られた結果は、酸強度が18重量%硫酸に
まで増大した時に本発明の方法の電流効率が70%ほどの
高い状態であることを示す。
【0053】実施例2及び3は、電気分解の電流効率に
対する温度増大の効果を例証する。
【0054】実施例2 陽極液が硫酸ナトリウム0.7021kgと、硫酸0.1002kgと、
水0.6009kgとを含有してなり、陰極液が水酸化ナトリウ
ム0.150kg と水0.8503kgとを含有してなり且つ電気分解
を72.1℃で行った以外は、実施例1の操作を反復した。
得られた結果を表2に示す。
【0055】
【0056】実施例3 陽極液が硫酸ナトリウム0.7002kgと、硫酸0.1002kgと、
水0.6001kgとを含有してなり、陰極液が水酸化ナトリウ
ム0.1517kgと水0.8501kgとを含有してなり且つ電気分解
温度が80.3℃であった以外は、実施例1の操作を反復し
た。得られた結果を表3に示す。
【0057】
【0058】得られた結果は、さらに高い温度でも本方
法の電流効率がさらに高い水準で維持されることを示
す。
【0059】下記の実施例4、5及び比較例1〔これは
本発明の方法の連続操作をシミュレート(simulate)する
ために行った〕においては、実施例1〜3で用いた装置
を、再飽和容器を硫酸ナトリウム原料(feed)貯槽と陽極
液収集槽で置き換えることにより改変した。実施例4、
5及び比較例1においては、硫酸ナトリウム供給原料溶
液を原料槽から陽極室中に連続的に供給し、陽極室から
の製品は陽極液収集槽に連続的に採取した。
【0060】実施例4 硫酸2.60重量%と硫酸ナトリウム32.3重量%とを含有し
てなる硫酸ナトリウム溶液を陽極室に0.37kg/時間の流
量で6か月間連続的に供給し、製品陽極液溶液を陽極室
から連続的に取り出した。この期間中、電流密度を平均
75%に維持し、製品陽極液溶液を8重量%の平均硫酸濃
度で採取した。
【0061】実施例5 硫酸ナトリウム原料溶液が硫酸8.6 重量%と硫酸ナトリ
ウム34.5重量%とを含有してなる以外は、実施例4の方
法を反復した。原料溶液を連続的に供給し、製品溶液を
0.28kg/時間の流量で4か月間連続的に採取した。この
期間中、電流密度を平均70%に維持し、製品陽極液溶液
を15重量%以上の平均硫酸濃度で採取した。
【0062】比較例1 本比較例は、電流密度及び製品酸強度に関して、中性の
硫酸ナトリウム溶液を使用して得られる濃度よりも高い
濃度をもつ硫酸ナトリウム溶液を用いて操作する利点を
例証する。
【0063】硫酸ナトリウム原料溶液が硫酸10.7重量%
と硫酸ナトリウム25.0重量%とを含有してなる以外は、
実施例4の方法を反復した。原料溶液を連続的に供給
し、製品溶液を0.30kg/時間の流量で1か月間連続的に
採取した。この期間中、電流密度を平均58%に維持し、
製品陽極液溶液を15重量%の平均硫酸濃度で採取した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様の回分式操作用の装
置を示した図である。
【符号の説明】
1:2室に区分された膜式電解槽 2:陽極室 3:陰極室 4:陽イオン交換膜 5:陽極液飽和器/貯槽 6:加熱装置 7:陽極液蒸気凝縮器 8:温度指示計 9:攪拌器 10:ガラス製分離器 11:陽極液循環ポンプ 12:陽極室出口 13:陰極液貯槽 14:加熱装置 15:陰極液蒸気凝縮器 16:温度指示計16 17:陰極液循環ポンプ17 18:陰極室出口18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸ナトリウムの水溶液を電気分解する
    ことによって硫酸と水酸化ナトリウムとを製造するため
    の電気化学的方法において、電気分解される前記硫酸ナ
    トリウム水溶液の濃度が中性条件下及び用いられる温度
    における硫酸ナトリウムの飽和溶液の濃度よりも大きい
    ことを特徴とする硫酸ナトリウムの水溶液を電気分解す
    ることによって硫酸と水酸化ナトリウムとを製造するた
    めの電気化学的方法。
  2. 【請求項2】 前記の電気分解される硫酸ナトリウム水
    溶液の濃度が該溶液の全重量を基準として32重量%より
    も大きい濃度である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記の電気分解される硫酸ナトリウム水
    溶液の濃度が該溶液の全重量を基準として34重量%より
    も大きい濃度である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記方法が電解槽中で操作されるもので
    あり、該電解槽が陰極室中の少なくとも1つの陰極から
    隔てられた陽極室中の少なくとも1つの陽極を有してな
    り、該陽極室と該陰極室とが陽イオン交換膜によって仕
    切られているものである請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記の電気分解される硫酸ナトリウム水
    溶液がさらに硫酸を含有してなるものである請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記硫酸ナトリウム水溶液が硫酸を少な
    くとも0.5 重量%含有してなるものである請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも65℃の温度で操作される請求
    項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 硫酸ナトリウムを硫酸の水溶液中に、
    中性条件下及び用いられる温度における硫酸ナトリウム
    の飽和溶液の濃度よりも大きい濃度にまで溶解し、次い
    で得られた溶液を電気分解することからなる請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記硫酸ナトリウム水溶液の濃度が、
    硫酸ナトリウム水溶液と、製造された硫酸の内の少なく
    とも一部とを硫酸ナトリウム再飽和容器を通して再循環
    させることによって、中性条件下及び用いられる温度に
    おける硫酸ナトリウムの飽和水溶液の濃度よりも大きい
    濃度に維持されるものである請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 硫酸ナトリウムの水性酸溶液を電気分
    解することによって硫酸と水酸化ナトリウムとを製造す
    るための電気化学的反応槽であって、少なくとも1つの
    イオン交換膜によって仕切られた陰極室中の少なくとも
    1つの陰極と陽極室中の少なくとも1つの陽極と、硫酸
    ナトリウム再飽和容器と、場合によっては中間区室とを
    有してなる電気化学的反応槽において、前記再飽和容器
    が陽極室及び/又は中間区室と、該陽極室及び/又は中
    間区室から得られる生成物のうちの少なくとも一部が該
    再飽和容器を通って再循環され得るように流体流で連結
    されていることを特徴とする硫酸ナトリウムの水性酸溶
    液を電気分解することによって硫酸と水酸化ナトリウム
    とを製造するための電気化学的反応槽。
JP4243317A 1991-09-13 1992-09-11 硫酸と水酸化ナトリウムを製造するための電気化学的方法及び電気化学的反応槽 Pending JPH05214572A (ja)

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