JPH05213765A - 免疫活性化剤 - Google Patents

免疫活性化剤

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JPH05213765A
JPH05213765A JP4040703A JP4070392A JPH05213765A JP H05213765 A JPH05213765 A JP H05213765A JP 4040703 A JP4040703 A JP 4040703A JP 4070392 A JP4070392 A JP 4070392A JP H05213765 A JPH05213765 A JP H05213765A
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JP
Japan
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cells
raw material
immunoactivation
agent
precipitate
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JP4040703A
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English (en)
Inventor
Takuo Koga
拓郎 古賀
Mamoru Kikuchi
護 菊地
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Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 豆類原料よりマクロファージを活性化する作
用を有し、しかも生体に投与した際に免疫増強能を有す
る免疫活性化剤を提供する。 【構成】 豆類原料に極性溶媒を加え、抽出して得られ
た抽出物を、酸性に調整して沈殿させ、更に、この沈殿
区分をアルコール分画して得られる活性区分からなる免
疫活性化剤。 【効果】 豆類原料よりマクロファージを活性化する作
用を有し、しかも生体に投与した際に免疫増強能を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、豆類原料より抽出した
成分を分画して得られる免疫活性化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】生体は、病原菌、ウィルス等の非自己の
侵入を防御する様々な要素を有している。その中で免疫
系は、生体の代表的な防御機構の一つである。免疫は、
大きく分けて抗体等の作用による体液性免疫と免疫担当
細胞等の作用による細胞性免疫の2つに大別される。細
胞性免疫に関与する細胞の中でマクロファージ、好中
球、好酸球、単球等の貧食細胞は、異物の生体への侵入
に際して貧食作用により異物を細胞に取り込み、消化し
て排除する。また、マクロファージは、消化した異物の
ペプチドを細胞表面に表現してリンパ球に提示する機能
を有している。更に、マクロファージは、活性化するこ
とにより、癌細胞に対する障害性の獲得や、インターロ
イキン1等の各種サイトカイン類の放出によるリンパ球
の活性化に関与する等深く免疫系に関与していることが
知られている。
【0003】以上のことからマクロファージを活性化す
ることにより、免疫力の増強による生体防御作用の亢
進、担癌に対する延命効果、様々な疾病の予防及び治療
等の可能性が考えられ実際にその有効性が実証されつつ
ある。従来より、様々なマクロファージを活性化する物
質が免疫活性化剤として提案されている。例えば、マク
ロファージは、リンパ球が産生するサイトカイン、BC
G、リステリア菌等の細菌、リポポリサッカライド、グ
ルカン等の菌体等由来物質、ムラミルジペプチド等の合
成低分子等により活性化されることが報告されているに
過ぎない。
【0004】ところで近年、代表的な食品素材である大
豆中の様々な物質がマクロファージを活性化することが
報告されている。(特開平1−249800号公報、1
990年度日本農芸化学会大会講演要旨集p.252)これ
らの物質は、いずれも蛋白質性の物質である。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、豆類原料
よりマクロファージを活性化する作用を有し、しかも生
体に投与した際に免疫増強能を有する免疫活性化剤を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、豆類原料から熱水抽出、pH沈殿によ
り分離大豆蛋白画分を調製し、更に、エタノール沈殿、
pH沈殿、イオン交換クロマトグラフィー等の手段によ
って得られる区分に免疫活性化能があることを見出し、
本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、豆類原料に極性溶媒
を加え、抽出して得られた抽出物を、酸性に調整して沈
殿させ、更に、この沈殿区分をアルコール分画して得ら
れる活性区分からなる免疫活性化剤である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。先ず本発
明において用いられる豆類原料としては、例えば、大豆
等が挙げられ、丸大豆、市販の脱脂大豆、分離大豆蛋白
質等いずれも用いることができる。上記した豆類原料に
水(熱水)等の極性溶媒を加え抽出して抽出物を得、p
Hを酸性好ましくは4.5前後に調製して沈殿させ、更
に、この沈殿区分に水、各種緩衝液等の極性溶媒を5〜
20倍量(W/W)程度加える。この溶液に対しアルコ
ール沈殿法、例えば、エタノール沈殿法〔例えば、エタ
ノール濃度好ましくは80%(V/V)前後〕等により
不純な蛋白質等を沈殿させ、遠心分離、濾過等により沈
殿を除去し、活性区分、例えば、上清を得る。更に、本
発明においては必要によりこの上清を、例えば、ロータ
リーエバポレーター等で濃縮し、アルコールを除去した
後、pHを塩酸等で2.0前後に調製して生じた沈殿を
遠心分離、濾過等により回収する。この沈殿を中性付近
の緩衝液に溶解し、例えば、陰イオン交換樹脂に吸着さ
せ塩濃度を高めた緩衝液で溶出して陰イオン交換樹脂に
吸着する画分を透析等で脱塩後、例えば蒸発乾固または
凍結乾燥法により本発明免疫活性剤を得る。
【0009】
【発明の効果】本発明は、優れた免疫活性化剤であるの
で、本発明は、産業上極めて有用なものである。以下、
実施例により本発明を具体的に示す。
【0010】
【実施例】大豆より常法により脱脂した脱脂大豆250
gに、脱イオン水2.5lを加え攪拌しながら一晩抽出
した後、4時間静置して不溶性成分を沈降させ上清を回
収した。回収した上清を濃塩酸でpH4.5に調製し、
沈殿区分を大豆分離蛋白質画分として回収した。回収し
た沈殿を1lの脱イオン水に懸濁し、100℃で1時間
抽出した。冷却後、80%(V/V)となる如くエタノ
ールを添加、攪拌した後、ブフナーロートと吸引ビンを
用いて東洋濾紙No.1の濾紙で吸引濾過し濾液を回収
した。
【0011】次いで、その濾液をロータリーエバポレー
ターで濃縮し、エタノールを除いた液を濃塩酸でpH
2.0に調製した。生じた沈殿を8000rpm、30分の
遠心分離で回収し、500mlの10mM HEPES
緩衝液(pH7.0)に溶解し、予め同緩衝液で平衡化
したDEAE Sepharose CL-6B樹脂(ファルマシア社製)に
吸着させた。この樹脂を0.2M 塩化カリウムを含む同
緩衝液1lで洗浄後、0.6M 塩化カリウムを含む同緩
衝液1lで溶出した。溶出液を限外濾過膜YM-10
(アミコン社製)を用い100ml迄濃縮した後、充分
量の脱イオン水に対して透析して脱塩した後、凍結乾燥
して乾燥粉末SP-MAF-1約1gを得た。
【0012】次に、本発明免疫活性化剤SP-MAF-1の糖質
含量並びに蛋白質含量を下表に示す。ただし、全糖質の
含量の定量は、グルコースをスタンダードとしたフェノ
ール硫酸法(M. Dubois等 Anal.Chem.、第28巻、第350
頁、1956年)、蛋白質の定量は、牛血清アルブミンをス
タンダードとしたローリー法(O. H. Lowry等 J.Biol.C
hem.、第193巻、第265頁、1951年)により行なった。
【0013】
【0014】本発明の方法により得られた免疫活性化剤
SP-MAF-1は、下記の理化学的性質を示す。 (1)性状:白色または乳白色粉末 (2)主成分:糖質含量48.0〜58.4%、蛋白質含量
11.6〜19.6% (3)分子量:透析膜及び分画分子量10万の限外濾過膜
を通過せず分子量10万以上と推定される。 (4)呈色反応:フェノール硫酸反応、ジフェニル硫酸反
応及びローリー・フォーリン反応が陽性、ヨード反応が
陰性 (5)免疫活性化能を有する。 次に、本発明の免疫活性化剤SP-MAF-1の試験例を示す。
【0015】
【試験例】
試験例1 マクロファージに対する効果 予めチオグリコレートを投与したC3Hマウスの腹腔内
より得た腹腔内細胞を、10%牛胎児血清、100単位
/mlペニシリンG及び100単位/mlストレプトマイシン
を含むRPMI-1640培地に3×105個/mlの濃度
で、免疫活性化剤(本発明)10μg/mlまたは、リポポ
リサッカライド(以下、LPSと略称する)1μg/mlと
共に、96穴プレートで48時間、37℃、CO2イン
キュベーターで培養した後、上清のグルコース量をグル
コース測定用キット(ユニキット、グルコース-E、中
外製薬社製)で測定し、消費したグルコース量を算出し
た。同時に顕微鏡観察で伸展した細胞数を測定し、形態
変化した細胞率を測定した。
【0016】また、同細胞を10%牛胎児血清、100
単位/mlペニシリンG及び100単位/mlストレプトマイ
シンを含むRPMI-1640培地に、2×106個/ml
の濃度で、上記免疫活性化剤SP-MAF-1 10μg/ml(本
発明)または、LPS1μg/mlと共に、96穴プレート
で24時間、37℃、CO2インキュベーターで培養し
た後、上清に産生されたインターロイキン1(IL-
1)量をIL-1依存性増殖を示すD10.G4.1細胞
株を用いた方法(J. Kaye等 J. Immunol.、第133巻、第
1339頁、1984年)により測定した。
【0017】
【0018】第2表より明かな如く、本発明によれば対
照−1に比し、マクロファージの活性化を示すグルコー
ス消費量、形態変化率及びIL-1産生量の上昇が顕著
に認められた。また、強いマクロファージ活性化能が知
られている対照−2のLPSを凌ぐ程であった。
【0019】試験例2 マウス脾臓細胞に対する効果 C3H/HeNマウス脾臓細胞を採取、洗浄した後、1
0%牛胎児血清、100単位/mlペニシリンG及び10
0単位/mlストレプトマイシンを含むRPMI-1640
培地に5×106個/mlの濃度で、免疫活性化剤SP-MAF-1
(本発明)を添加して4時間37℃、CO2インキュベ
ーターで前処理した後、ピペッティングで細胞を回収、
洗浄した後10%牛胎児血清、100単位/mlペニシリ
ンG及び100単位/mlストレプトマイシンを含むRP
MI-1640培地に浮遊させた。そして、その細胞を
2×106個/ウエルとなるよう96穴プレートに分注
し、これにコンカナバリンA(以下、ConAと略称す
る、終濃度5μg/ml)又はLPS(終濃度1μg/ml)を
加え、48時間、37℃、CO 2インキュベーターで培
養した。培養終了4時間前に[Methyl,1′2′-3H]Thymid
in(以下、[3H]-TdRと略称する)を0.1μCiずつ各ウエ
ルに添加し、培養終了後セルハーベスターで回収した細
胞に取り込まれた[3H]-TdR量をシンチレーションカウン
ターで測定した。
【0020】
【0021】第3表より明かな如く、対照−1に比し、
脾臓細胞をSP-MAF-1(本発明)で4時間前処理すること
によりConA、LPSに対する応答性が高められた。
【0022】試験例3 マウス乳癌細胞移植マウスに対する延命効果 C3H/HeNマウス、♀、6週令、1群6匹に対し、
癌細胞接種4日前、1日前、腫瘍移植1日後から3日間
合計5回、SP-MAF-1(本発明)20mg/kg/day、100m
g/kg/day、レンチナン(山之内製薬)20mg/kg/day、
対照として生理食塩水100μl/head/dayを腹腔内に投
与し、癌移植マウスに対する影響を試験した。使用した
癌細胞は、マウス乳癌細胞(FM3A)で、生理食塩水
に懸濁した細胞を106個/head腹腔内に移植し各群の生
存日数を求めた。生存日数延長率は、次式により算出し
た。 生存日数延長率(%)= 試験群の平均生存日数÷対照群の平均生存日数×100
【0023】
【0024】第4表より明かな如く、対照に比し、SP-M
AF-1(本発明)投与群においては顕著な延命効果が認め
られた。また、その効果は、既に免疫活性化効果が報告
されている(秋山等、蛋白核酸酵素、第26巻、第210頁、
1981年)レンであった。
【0025】試験例4 培養細胞に対する毒性試験 マウス由来培養癌細胞FM3A(マウス乳癌細胞)、P
815(マストサイトーマ)、YAC−1(マウスTリ
ンフォーマ)及びEL−4(マウスサイモーマ)を、1
4個/ウエルとなるよう96穴プレートに分注し、これ
にSP-MAF-1(本発明、終濃度10μg/ml)を加え、対照
としては無添加で、48時間、37℃、CO2インキュ
ベーターで培養した。培養終了、4時間前に[3H]-TdRを
0.1μCiずつ各ウエルに添加し、培養終了後セルハー
ベスターで回収した細胞に取り込まれた[3H]-TdR量をシ
ンチレーションカウンターで測定した。
【0026】
【0027】第5表より明らかな如く各細胞において対
照区とSP-MAF-1 100μg/ml添加区で[3H]-TdR取り込み量
に差は認められず、SP-MAF-1は、試験した細胞に対して
毒性及び増殖阻害活性は示さなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆類原料に極性溶媒を加え、抽出して得
    られた抽出物を、酸性に調整して沈殿させ、更に、この
    沈殿区分をアルコール分画して得られる活性区分からな
    る免疫活性化剤。
JP4040703A 1992-01-31 1992-01-31 免疫活性化剤 Pending JPH05213765A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4040703A JPH05213765A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 免疫活性化剤

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JP4040703A JPH05213765A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 免疫活性化剤

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JPH05213765A true JPH05213765A (ja) 1993-08-24

Family

ID=12587938

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JP4040703A Pending JPH05213765A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 免疫活性化剤

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JP (1) JPH05213765A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7285279B2 (en) 1999-07-09 2007-10-23 Sun Farm Corporation Method of treating malignancies and viral infections and improving immune function with a dietary supplement

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7285279B2 (en) 1999-07-09 2007-10-23 Sun Farm Corporation Method of treating malignancies and viral infections and improving immune function with a dietary supplement

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