JPH05213385A

JPH05213385A - 花包装体及びその製造方法

Info

Publication number: JPH05213385A
Application number: JP4037031A
Authority: JP
Inventors: Kaneo Yamada; 務夫山田
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1992-01-28
Filing date: 1992-01-28
Publication date: 1993-08-24

Abstract

(57)【要約】【目的】花を収容した状態で容易に搬送でき、さらに
包装したまま展示できるような新規な花包装体を提供す
る。【構成】プラスチック製二軸延伸ブロー成形容器の胴
部に段差部を有する縮径部を設け、この段差部で容器を
分断し、下側の方に花を設置した後、縮径部を内側とし
て挿入し、上側と下側とを嵌合してなる花包装体。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は切り花等の包装体に関
し、特に、花を収容した状態で容易に搬送でき、また包
装したまま展示できるような新規な花包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、生花を小売店等で販売する場合、生花は紙、プラス
チック製のフィルム等で包装される。このような包装は
簡便ではあるが、生花を傷めやすく、長距離の輸送には
適さない。

【０００３】ところで、最近では、形状の異なる複数種
の花をアレンジして花束として鑑賞することがさかんに
行われている。特にゆり、蘭等の大型で絢爛な花草の花
部分を中心としてフラワーアレンジングすることが多
い。しかしながら、このような場合、配送時に花を傷め
ないことが重要であるが、大型の花ではどうしても花を
いためやすいという問題がある。

【０００４】また、このような花束をプラスチック製の
容器等に収容し、そのまま展示できれば、陳列・搬送効
率の向上のみならず、ディスプレー効果にも優れたもの
とすることができる。

【０００５】したがって本発明の目的は、花を収容した
状態で容易に搬送でき、さらに包装したまま展示できる
ような新規な花包装体、及びそれを製造する方法を提供
することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、プラスチック製二軸延伸ブロー成
形容器の胴部に段差部を有する縮径部を設け、この段差
部で容器を分断し、下側の方に花を設置した後、縮径部
を内側として挿入し、上側と下側とを嵌合することによ
り、花包装体とすれば、花を収容した状態で容易に搬送
でき、さらに包装したまま展示できることを見出し、本
発明に想到した。

【０００７】すなわち、本発明の花包装体は、口部と、
肩部と、胴部と、底部とからなり、前記胴部が２つの段
差部と、前記段差部間に形成される縮径部とを有するプ
ラスチック製二軸延伸ブロー成形容器を、前記段差部の
いずれか一方で前記容器を切断することにより上部と下
部とに分割し、前記容器下部側に花を収容した後、前記
縮径部を前記胴部の内側に挿入して上部と下部とを嵌合
してなることを特徴とする。

【０００８】また、上記花包装体を製造する本発明の方
法は、(a) 口部と、肩部と、胴部と、底部とからなり、
前記胴部が２つの段差部と、前記段差部間に形成される
縮径部とを有するプラスチック製二軸延伸ブロー成形容
器を製造し、(b) 前記容器を前記段差部のいずれか一方
で上部と下部とに分断し、(c) 前記容器下部側に花を収
容した後、(d) 縮径部を前記胴部の内側に挿入して上部
と下部とを嵌合することを特徴とする。

【０００９】

【実施例】以下本発明を添付図面を参照して詳細に説明
する。

【００１０】図１は本発明の花包装体に使用する二軸延
伸ブロー成形容器の一例を示す正面図である。この二軸
延伸ブロー成形容器１は、口部２と肩部３と胴部４と底
部５とからなり、胴部４には段差部41、42と、その間に
挟在する縮径部43とを有する。

【００１１】上記二軸延伸ブロー成形容器において、段
差部41、42による段差は、後述するように縮径部を胴部
の内側に挿入させた時にピッタリと嵌まるのが好まし
い。このため、容器の肉厚等に応じて適宜設定するのが
好ましい。なお、図中において、段差部41、42による段
差は、説明の便宜上誇張してある。

【００１２】また、上記二軸延伸ブロー成形容器は、口
部にサポートリング部を有する有底円筒状のパリソンを
用いて、所望の二軸延伸ブロー成形容器の形状のキャビ
ティを有する延伸ブロー成形型内に、このパリソンのサ
ポートリング部を口部型に把持した状態で設置し、常法
により二軸延伸ブロー成形を行うことにより得ることが
できる。

【００１３】このような二軸延伸ブロー成形容器１を用
いた本発明の花包装体の製造方法を説明する。

【００１４】まず、図２に示すように二軸延伸ブロー成
形容器１の段差部41で、容器を上部44と下部45とに分断
する。この分断はレーザや、回転する円形刃等により行
うことができる。なお、本実施例においては、上側の段
差部41で、容器を分断し下部45側に縮径部43が存するよ
うにしているが、下側の段差部42で分断して上部44側に
縮径部43が存するようにしてもよい。

【００１５】次に、下部45側に花を収容する（図示せ
ず）。花は、そのまま収容してもよいが、スポンジ、綿
等を容器内に敷設した後、花が美麗に視覚されるように
種々の角度に差入て意匠効果を持たせ、固定するのが好
ましい。

【００１６】続いて図３に示すように、縮径部43を上部
44の内側に挿入して下部45と嵌合させる。この嵌合部46
において、上述したようにブロー成形容器の肉厚に応じ
て縮径部43がピッタリと嵌まるように段差部での段差を
設定しておけば、花を嵌合部46で透視しても、歪み、曇
り等を生じることがなく、さらに嵌合部46で上部44と下
部45とをスライドさせることにより、何度も開閉可能と
することができる。また、容器を開閉せずに、展示・鑑
賞することだけを目的とする場合には、嵌合部46に相当
する箇所にあらかじめ接着剤を塗布しておいたり、透明
テープを貼着けておいたり、嵌合後超音波溶着する等し
て、嵌合部46で上部44と下部45とを接着することも可能
である。なお、図３は、容器の嵌合状態を概略的に示す
ものであり、嵌合部46では縮径部43と容器外径とは、ピ
ッタリと嵌合している。

【００１７】このようにして得られる花包装体６の口部
には、適当な部材（本実施例においては蓋状体21）によ
りシールを施しておくのが好ましい。

【００１８】また本発明の花包装体の別の実施例を図４
に示す。図４に示す花包装体61において、縮径部43は、
二軸延伸ブロー成形容器（図示せず）の胴部の下方に設
けられていたものであり、底部５は上方に向かって大き
く凸部51を形成するとともに、この凸部51の中心部で凹
部52を形成し、ここにスポンジ等の固定部とともに花７
が固定されている。また、口部には、つり具121 が設置
されている。

【００１９】花包装体をこのような構造とすれば、嵌合
部46を花の位置よりも下方に設けることができ、花の全
周あるいは斜め上方から嵌合部46を透さずに、視覚する
ことができ、より一層美麗な状態で花を鑑賞することが
できる。また、つり具121 により、壁や、天井等に吊り
下げて鑑賞するのに好適で、しかも手で持ち運ぶのにも
好適なものとなっている。

【００２０】さらに、別の花包装体の例を図５に示す。
図５に示す花包装体62において、肩部３は口部２の下端
から水平方向に張り出して形成されており、縮径部43は
二軸延伸ブロー成形容器（図示せず）の胴部の上方に設
けられていたものであり、底部５は図４に示すものと同
様の形状となっていて、固定部とともに花７が固定され
ている。また、口部には、蓋状体221 が設置されてい
る。

【００２１】花包装体をこのような構造とすれば、嵌合
部を花の位置よりも上方に設けることができ、一層美麗
な状態で花を鑑賞することができる。また、肩部３を水
平方向に張り出して形成するとともに、底部５を上方に
向かって大きく凸のものとすることにより、図６に示す
ように２個以上積み重ねて、展示あるいは搬送すること
ができる。

【００２２】このようにな本発明の花包装体を形成する
プラスチックとしては、二軸延伸ブロー成形が可能な熱
可塑性樹脂であれば特に制限はないが、ポリエステル系
のものが好ましい。

【００２３】ポリエステル樹脂としては、飽和ジカルボ
ン酸と飽和二価アルコールとからなる熱可塑性樹脂が使
用できる。特に好ましいポリエステルは、テレフタル酸
とエチレングリコールとからなるポリエチレンテレフタ
レートである。ポリエチレンテレフタレートを用いた二
軸延伸ブロー成形体は、透明で表面性に優れ、また強度
にも優れているので、良好な花包装体とすることができ
る。

【００２４】なお本発明で使用する樹脂には、その他、
安定剤、顔料、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線劣化
防止剤、帯電防止剤、抗菌剤等の添加剤やその他の樹脂
を適量加えることができる。

【００２５】このようにして得られる本発明の花包装体
は、以下のような利点を有する。透明性に優れ、胴部がシームレスであるので、全方向
から鑑賞でき、ディスプレー効果に優れる。花束の収容、取り出しが容易である。積み重ね可能な形状とすることにより、流通、販売時
の省スペース化、高効率化が達成される。容器本体部をプラスチックで形成するので、花の形状
に合った形状とするのが容易である。容器本体部の底部に、収容する花の茎部を保持する部
分を容易に形成することができる。

【００２６】なお、本発明の花包装体に収容できる花種
には特に限定はなく、バラ、ユリ、蘭、カーネーション
等所望の花草を包装することができる。特にユリ、蘭等
の大型で絢爛かつ高価な花草に好適である。また、生花
に限らず、種々のドライフラワーをも収容することもで
きる。

【００２７】以上、本発明の花包装体を添付図面を参照
して説明してきたが、本発明はこれに限定されることな
く、例えば底部の形状を皿状のものとしたり、あるいは
胴部から肩部にかけての形状をドーム状としたり、本発
明の思想を逸脱しない限り、種々変更が可能である。

【００２８】

【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の花包装
体は、プラスチック製二軸延伸ブロー成形容器の胴部に
段差部を有する縮径部を設け、この段差部で容器を分断
し、下側の方に花を設置した後、縮径部を内側として挿
入し、上側と下側とを嵌合してなるものであるので、花
を収容した状態で容易に搬送でき、また包装したまま展
示することができる。

【００２９】このような本発明の花包装体は、バラ、ユ
リ、蘭、カーネーション等の花草の包装に好適であり、
特にユリ、蘭等の大型で絢爛かつ高価な花草の包装に好
適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の花包装体を製造しうる二軸延伸ブロー
成形容器を概略的に示す正面図である。

【図２】本発明の花包装体の一製造工程を示す概略図で
ある。

【図３】本発明の花包装体の一例を概略的に示す正面図
である。

【図４】本発明の花包装体の別の例を概略的に示す正面
図である。

【図５】本発明の花包装体の別の例を概略的に示す正面
図である。

【図６】図５の花包装体の使用した別の例を概略的に示
す正面図である。

【符号の説明】１・・・二軸延伸ブロー成形容器２・・・口部 21、221 ・・蓋状体 121 ・・・吊り具３・・・肩部４・・・胴部 41、42・・・段差部 43・・・縮径部 44・・・上部 45・・・下部 46・・・嵌合部５・・・底部 51・・・凸部 52・・・凹部６、61、62・・・花包装体７・・・花

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】口部と、肩部と、胴部と、底部とからな
り、前記胴部が２つの段差部と、前記段差部間に形成さ
れる縮径部とを有するプラスチック製二軸延伸ブロー成
形容器を、前記段差部のいずれか一方で切断することに
より上部と下部とに分割し、前記容器下部側に花を収容
した後、前記縮径部を前記胴部の内側に挿入して上部と
下部とを嵌合してなることを特徴とする花包装体。
【請求項２】請求項１に記載の花包装体において、前
記口部に吊り下げ用部材を嵌合させてなることを特徴と
する花包装体。
【請求項３】 (a) 口部と、肩部と、胴部と、底部とか
らなり、前記胴部が２つの段差部と、前記段差部間に形
成される縮径部とを有するプラスチック製二軸延伸ブロ
ー成形容器を製造し、(b) 前記容器を前記段差部のいず
れか一方で上部と下部とに分断し、(c) 前記容器下部側
に花を収容した後、(d) 縮径部を前記胴部の内側に挿入
して上部と下部とを嵌合することを特徴とする花包装体
の製造方法。