JPH0521314Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、木製品の製造業界等において用いる
刃研ぎ装置付超仕上鉋盤に関する。

（従来の技術） 従来より木工業界等においては、自動削成機で
ある超仕上鉋盤が、木製品の表面切削を高能率で
高精度に行なうことができるため広く用いられて
いる。

一方、これにより木製品の生産性が向上するの
に伴つて、鉋刃の摩耗も激しく、短時間に経済寿
命がなくなり、鉋刃の研磨も頻繁に行なわなけれ
ばならない。

その研磨にあつては、テーブルより鉋台を抜き
取り、更に、この鉋台より鉋刃を取り外して専用
刃物研磨機により所望の刃先研磨を行なつた後、
再び、鉋台へその刃の出を調整して取り付け、こ
の鉋台をテーブルへ装着していたものであるが、
この一連の作業は、高度の技術を要すると共に、
各部材に重量があつて作業性が極めて悪く面倒で
ある。

そのため、超仕上鉋盤のテーブルから抜き取つ
た鉋台より鉋刃を取り外すことなく、該刃先を研
磨させることができる刃先研磨装置が提案されて
いる。（特開昭60−20846号公報参照） （考案が解決しようとする課題） 前記した従来の装置は、鉋刃を鉋台へ取り付け
た状態でその刃先研磨ができる利点を有するが、
鉋台は超仕上鉋盤より抜き取らないと該刃先研磨
装置が装着できないので、その着脱操作に手間が
かかる上、重量のある鉋台の付け替えは大変であ
り、更に、刃先研磨装置は人手により鉋台へ装着
し、人手によりこの刃先研磨装置を往復させて研
磨を行なうので、仕上がり品質が不均一となり易
くまた省人化が計れない。

等の様々な問題点を有するものである。

本考案は前記した問題点を解決するためになさ
れたもので、超仕上鉋盤における機体の非送材路
の両側、若しくは、一側に、鉋台に取り付けた鉋
刃上に対応させた刃研ぎ装置を配設することによ
り、この摺動鉋台を機械的に往復させるだけで、
鉋刃の研磨が自動的に行なえて省人化され、しか
も、その研磨も、刃口かこれと実質的に同一面に
加工されている鉋台を基準として刃研ぎが行なわ
れて、その切削が一律に行なわれ、高精度に仕上
がる刃研ぎ装置付超仕上鉋盤を提供することを目
的としている。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するための本考案の手段は、 機体に設けたテーブルと、この機体一側のコラ
ムへ前記テーブルと対応的に支持させて、駆動手
段により送材路の材料移送を行なう送材部材と、
前記テーブルに設けて該テーブルを横切る摺動溝
と、この摺動溝へ挿嵌して往復手段により進退自
在とした摺動鉋台と、該摺動鉋台へ横に並べて取
り付けた材料の往方向に向く鉋刃および復方向に
向く鉋刃と、前記機体における非送材路の両側、
若しくは、一側に配設して前記鉋刃上に対応させ
た刃研ぎ装置とからなる刃研ぎ装置付超仕上鉋盤
において、 前記した刃研ぎ装置は、 機体に立設した張出し部材と、この張出し部材
の縦ガイドへ係合させて、張出し部材に支持させ
た送り手段へ昇降部材を介して吊持させた砥石ヘ
ツドと、前記昇降部材と砥石ヘツドの受段とに間
装した弾機と、該砥石ヘツドに取り付けた駆動モ
ータと、該駆動モータに軸支してその砥面を鉋刃
の刃先に対設した砥石と、前記砥石ヘツドの下側
に取り付けて前記摺動鉋台の上面を基準面として
倣う倣部材と、 を備えさせた刃研ぎ装置付超仕上鉋盤の構成にあ
る。

（作用） 本考案は前記した構成により以下に述べる作用
を奏する。

材料の切削に伴つて摩耗した鉋刃は、次第にそ
の切れ味が悪くなつて、材料面の仕上げに影響す
る。

そこで切削を一時中止して、砥石ヘツドに支持
される砥石を送り手段により降下すると、砥石は
鉋刃の刃先に当接されると同時に、砥石ヘツドの
倣部材が鉋台の上面に当たつて弾機により圧接さ
れる。

この状態において、往復手段により摺動鉋台を
摺動溝に沿つて左右へ摺動させれば、倣部材が鉋
台面を基準として転動して砥石ヘツドの上下動を
倣うので、砥石により研磨される鉋刃は鉋台と同
一、すなわち、刃先と同一精度で刃研ぎがなされ
る。

また、鉋刃は、鉋台に取り付けたままで、しか
も、最初に刃出しした状態のままで研ぎが行なわ
れる。

この刃研ぎ動作は、切削向きの異なる鉋刃の変
換に用いる往復手段を作動させることにより、自
動的に行なわれるので、この間、人手による面倒
な様々な操作はほとんど掛からない。

（実施例） 次に、本考案に関する刃研ぎ装置付超仕上鉋盤
の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図〜第４図はその実施の一例を示すもので
あり、図において１は機体で、その上部にテーブ
ル２を設け、該機体１の一側にはコラム３，３を
立設してある。

４はテーブル２へこれを横切るように設けた摺
動溝で、送材方向に対して適当な斜交角を与えて
ある。

５は、前記した摺動溝４内に嵌合した摺動鉋台
で、材料の往方向へ向くものと復方向に向くもの
とからなる２丁の鉋刃６，６と、これに対応させ
た刃口金５′，５′とを横に並べて取り付け、これ
ら鉋刃６，６を該摺動鉋台５の左右摺動により交
互に切削位置に位置付けされるようにしてあつ
て、鉋台５と刃口金５′，５′の表面は、鉋台５へ
刃口金５′，５′を取り付けた後、両者を同時仕上
して完全な同一表面としてある。

Ａは、前記した摺動鉋台５を左右に摺動させる
往復手段で、摺動鉋台５の一側に設けたラツク７
へ、減速機モータ８の軸に取り付けたピニオン９
を噛み合わせてある。（なお、この往復手段Ａは
送りねじ式、シリンダ式、その他のものを任意に
代用し得る。） １０は送材部材で、前記機体１の一側に立設し
たコラム３，３に支持される昇降体１１の前後に
設けた一対のローラ１２，１３へ無端状に懸張し
たベルト等を用い、この送材部材１０を、一方の
ローラ１２と減速機１４を介して連係するモータ
等の駆動手段１５の回転切り替えにより、正逆に
回転させて材料の往復送材を行なわせる。

１６は前記昇降体１１を昇降調整して、テーブ
ル２と送材部材１０との間隔を調整する螺軸で、
公知のクツシヨン機構（図示せず）を装備してあ
る。

１７，１８は前記した送材部材１０の前後に設
けた材料の検知器で、材料の端末を検知して、送
材部材１０の回転切り替えと、摺動鉋台５の往復
手段Ａの作動とを指令する。

なお、この検知器は、送材部材１０の前後に１
個だけ設けても、回路構成により同様の作用効果
を発揮させ得る。

１９，１９は前記した摺動鉋台５の摺動範囲を
制限させるリミツトスイツチで、このスイツチに
ドツグ２０，２０が当たつたとき、往復手段Ａを
停止させるようにしてある。

Ｂは、鉋台５に取り付けられた鉋刃６，６をそ
の装着状態で研磨する刃研ぎ装置で、張出し部材
２４と、該張出し部材２４へ送り手段Ｃにより取
り付けた砥石ヘツド２１と、弾機２８と、該砥石
ヘツドに取り付けた駆動モータ３３と、該駆動モ
ータ３３に軸支した砥石３２と、前記砥石ヘツド
２１の下側に取り付けた倣部材３６とにより基本
的に構成されるものである。

そして、前記した砥石ヘツド２１は、前記摺動
鉋台５の上方に対応させて、前記機体１における
非送材路（材料が移送されない箇所）の両側、若
しくは、一側に設けてあつて、前記機体１の張出
し部２４に立設した縦ガイド２２へ昇降自在に支
持させてある。

前記した送り手段Ｃは、前記した砥石ヘツド２
１を昇降調整するもので、縦ねじ軸２３と、めね
じを有する昇降部材２６とからなり、該縦ねじ軸
２３の上部を前記張出し部材２４へ回転自在に支
持させ、その下側のねじ部に螺合させて、回り止
め２５を係合させた昇降部材２６を砥石ヘツド２
１内へ嵌合してある。

そして、前記昇降部材２６の上面に、砥石ヘツ
ド２１に螺合した調整ナツト２７を係合させ、該
砥石ヘツド２１をその自重により載置してあつ
て、更に、昇降部材２６の下面と砥石ヘツド２１
の受段２９との間にコイルばね等の弾機２８を装
着してあり、縦ねじ軸２３を回転させると、砥石
ヘツド２１が任意に昇降され、また、前記弾機２
８により倣部材３６が摺動鉋台５へ圧接されるよ
うに砥石ヘツド２１を弾圧してある。

前記した駆動モータ３３は、その回転軸へカツ
プ型等の砥石３２を取り付けてあり、砥石ヘツド
２１の下端において、鉋刃６に対応させて設けた
支持部３０に取り付けられているもので、該支持
部３０に設けた細目の螺孔３１へモータ３３の下
部周面に形成した細目ねじ３４を螺合させてあつ
て、該モータ３３を回動すると、このモータ３３
と共に砥石３２が微細に昇降調整され、その調整
寸法がモータ３３の周面に表示した目盛３５と、
これに対応させた支持部３０の指標とで表示され
る。

また、前記した倣部材３６は、前記摺動鉋台５
に対応させ、砥石ヘツド２１の下側へ取り付けて
あつて、前記した弾機２８により摺動鉋台５の上
面に圧接され、往復手段Ａの操作によつて摺動鉋
台５を左右に摺動させて、砥石３２により鉋刃６
の刃先を研ぐとき、鉋台５の上面に応動して砥石
ヘツド２１を上下方向へ操作し、砥石３２に倣い
研ぎを行なわせる。

第４図において３７は、前記摺動鉋台５に装備
した鉋刃６の出し入れ調整部材で、鉋台５へ、弾
性座金３８を使つて調整可能にボルト３９により
止着される鉋刃６の取付面側の後部に形成した勾
配溝４０に係合させた楔体４１を送りねじ４２に
より繰り出すと、鉋刃６が回動されてその刃先の
出が多くなるように調整して、刃研ぎに伴う刃の
出の減少を補わせる。

なお、この調整部材３７は、前記した楔体４１
の他に、ねじ式、カム式等のものを適宜選定使用
し得る。

（考案の効果） 前述のように構成される本考案に関する刃研ぎ
装置付超仕上鉋盤は、以下に述べる特有の効果を
奏する。

切削中の鉋刃が摩耗等により切れ味が低下し
たときは、超仕上鉋盤に据え付けた刃研ぎ装置
を作動させてその砥石を刃先に当て、往復手段
による鉋台を操作すれば、鉋刃は全く超仕上鉋
盤より取り外すことなくその研磨がなされるも
ので、鉋刃の取り外しはもちろんのこと鉋台を
もそのままの状態で作業ができるから、刃研ぎ
時間が大幅に短縮され、また、付け替えによる
面倒な作業も技術も省略されて、省人化の目的
が達成される。

刃口金と鉋台を完全な同一平面に仕上げ、そ
の一方に倣部材を当接させて鉋刃の倣研ぎを行
なわせるから、刃研ぎを繰り返しても鉋刃と刃
口金の平行状態が保持され、常に鉋刃の全幅で
一律な材料切削が行なわれる。

製品の削り肌を見て、これが悪くなつたとき
直ちに刃研ぎに切り替え、かつ、研磨終了後直
ちに切削作業に戻ることができるので、材料切
削の作業を必要以上に停滞させることがなく、
特に、切れ味の低下ごとにその研磨を行なうこ
とで、鉋刃の摩耗を極力抑えて、可及的に良い
削り面を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に関する刃研ぎ装置付超仕上鉋
盤の側面図である。第２図は第１図における刃研
ぎ装置の一部を破断した側面図である。第３図は
第１図における送材部材を省略した概略平面図で
ある。第４図は第１図における鉋刃の出し入れ調
整装置を示す拡大断面図である。 図において、１は機体、２はテーブル、３，３
はコラム、４は摺動溝、５，５は摺動鉋台、６，
６は鉋刃、１０は送材部材、１５は駆動手段、Ａ
は往復手段、Ｂは刃研ぎ装置、Ｃは送り手段、２
１は砥石ヘツド、２２は縦ガイド、２４は張出し
部材、２６は昇降部材、２８は弾機、２９は受
段、３２は砥石、３３は駆動モータ、３６は倣部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に設けたテーブルと、この機体一側のコラ
   ムへ前記テーブルと対応的に支持させて、駆動手
   段により送材路の材料移送を行なう送材部材と、
   前記テーブルに設けて該テーブルを横切る摺動溝
   と、この摺動溝へ挿嵌して往復手段により進退自
   在とした摺動鉋台と、該摺動鉋台へ横に並べて取
   り付けた材料の往方向に向く鉋刃および復方向に
   向く鉋刃と、前記機体における非送材路の両側、
   若しくは、一側に配設して前記鉋刃上に対応させ
   た刃研ぎ装置とからなる刃研ぎ装置付超仕上鉋盤
   において、前記した刃研ぎ装置は、機体に立設し
   た張出し部材と、該張出し部材の縦ガイドへ係合
   させて、張出し部材に支持させた送り手段へ昇降
   部材を介して吊持させた砥石ヘツドと、前記昇降
   部材と砥石ヘツドの受段とに間装した弾機と、該
   砥石ヘツドに取り付けた駆動モータと、該駆動モ
   ータに軸支してその砥面を鉋刃の刃先に対設した
   砥石と、前記砥石ヘツドの下側に取り付けて前記
   摺動鉋台の上面を基準面として倣う倣部材とを備
   えさせたことを特徴とする刃研ぎ装置付超仕上鉋
   盤。