JPH05212611A - 溶接角柱のデポ処理兼用開先加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接角柱の製作時に生成される側板面の突起
（デポ）の除去及び端面部の開先加工を自動的に行な
い、作業能率の向上を図ること。 【構成】 コロコンベヤ３、３の一側に固定の支持コラ
ム５ａを、他側に移動自在の支持コラム５ｂを配設す
る。これら両支持コラム５ａ、５ｂにはそれぞれ昇降作
動してワークＷをクランプする上下のクランプ片９ａ、
９ｂを備える。また両支持コラム５ａ、５ｂには截頭円
錐状で底面と斜面に切刃を有する回転カッター16ａ、16
ｂを昇降移動できるように備える。そして、この回転カ
ッター16ａ、16ｂの底面切刃ａをワークＷの側板面に突
出する突起（デポ）に対応して削除加工を行い、また斜
面切刃ｂをワークＷの端面に対応して開先加工を行う。
コロコンベヤ３、３の前端部と後端部にはワークＷの下
面に当接して、これを昇降調整するワーク押上手段Ｄ
ａ、Ｄｂを配設する。そして、ワークＷの反りの状態に
おいて操作し、ワークの端面を加工ヘッド12ａ、12ｂの
送り方向である垂直に矯正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、溶接角柱を製作する
ときに生成される溶接盛り部の除去と、ワーク端面への
開先加工を行うデポ処理兼用開先加工装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】例えば高層ビル用の柱材は、四枚のスキ
ンプレートをボックス状に溶接したものが用いられる
が、構成強度を増すために内部には図１０のようなダイ
ヤフラムＤが間隔的に取り付けられる。このダイヤフラ
ムＤは全周溶接する必要があり、最終的にスキンプレー
トＡの外方に開けた丸穴を通して溶接が行われるが、溶
接品質を確保するために充分な肉盛りがされる。このた
めに、スキンプレートＡの外側面上には製品として不要
である突起（デポ）Ｔを生ずる。また、上記の角柱材の
端部には連結用のダイヤフラム（図示省略）を溶接する
ために、例えばレ形などの開先加工が施される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の突起（デポ）Ｔ
の除去は、従来よおいてグラインダー掛けによって行っ
たものであるが、一枚のダイヤフラムＤにつき８カ所の
処理は大きな作業者負担を招いていた。また、開先加工
は溶断後においてグラインダ掛けして行ったものである
が、デポ処理と同様に大きな作業者負担を招き、生産性
は極めて低かった。また、それだけでなく加工精度が低
く溶接欠陥を生ずるなどの問題点も見られた。本発明
は、上記した従来の問題点に着目してなされたもので、
デポ処理作業と開先加工作業を機械的に能率良く行うこ
とができ、しかも溶接歪みなどによってワークが湾曲し
ていても高精度に加工を行うことができる加工装置を提
供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係るデポ処理兼用開先加工装置は次の
ように構成したものである。すなわち、その要旨とする
ところは、コロコンベヤからなるワーク移送路を挟ん
で、一側に固定の支持コラムを他側に移動自在の支持コ
ラムを配設し、これら支持コラムにそれぞれワークの角
部に対応する上下一対のクランプ片を昇降自在に備え、
また同じくそれぞれの支持コラムに左右一対の加工ヘッ
ドを昇降移動できるように配設し、この加工ヘッドに回
転自在に設けたスピンドルに底面と斜面に切刃をもつ截
頭円錐状の回転カッターを取りつけ、さらにワーク移送
路の下面には押上手段を配設し、移送路上においてワー
クを昇降調整できるようにしたことにある。

【０００５】

【作用】他側の支持コラムを移動調整し、ワークの幅に
適合させた後に両側の上下一対のクランプ片を作動する
と、クランプ片がワークの角部に当接し、ワークを移送
路の定位置に固定することができる。この状態におい
て、図４のように回転カッターの底面の切刃をワークの
デポに対応して設定し、そして所要の切削方向に移動す
る。これによって不要なデポを削除することができる。
また、図５のように回転カッターの斜面の切刃をワーク
の端部に対応して設定し、そして所要の切削方向に移動
する。これによって所要の開先加工を行うことができ
る。この開先加工時においてワーク押上手段を調整する
ことにより、ワーク端面の垂直度を的確に矯正できるの
で、高精度の切削加工を行える。

【０００６】

【実施例】以下、この発明に係る溶接角柱のデポ処理兼
用開先加工装置を一実施例により具体的に説明する。図
１は、この装置の正面図 図２は同じく側面図にして、
１はベース ２ａ、２ｂはベース１の前側及び後側（図
２の左右方向）に設けた取付台で、上面部に駆動ローラ
からなるコロコンベヤ３、３を設ける。 ４はコロコン
ベヤ３、３からなるワーク移送路を跨ぐようにして樹立
した門型状のフレーム ５ａは門型状のフレーム４にお
ける一方の脚柱４ａの前側に固定して設けた一側の支持
コラム ６、６はベース１及び門型状フレーム４におけ
る上部の横梁４ｃに配設した上下一対の横ガイドレール
である。

【０００７】５ｂは上記横ガイドレール６、６にスライ
ドベアリング７、７を係合して移動自在とした他側の支
持コラム 上記の他側の支持コラム５ｂは、一側の支持
コラム５ａに対応して配設するもので、門型状のフレー
ム４における他方の脚柱４ｂ側に位置する。 ８ａ及び
８ｂは、一側及び他側の支持コラム５ａ、５ｂに設けた
第１の昇降ガイドレール ９ａ、９ａ及び９ｂ、９ｂは
それぞれ第１の昇降ガイドレール８ａ、８ｂに昇降自在
に設けた上下一対のクランプ片 上記のクランプ片９ａ
〜９ｂは各々に関連した油圧シリンダ10ａ、10ａ及び10
ｂ、10ｂによって単独で昇降動作する。

【０００８】また、クランプ片９ａ〜９ｂは、ワークＷ
における水平と垂直の側板の角部に対応するように水平
の当接面と垂直の当接面を有する。さらに下部に配設し
たクランプ片９ａ、９ｂの垂直当接面は常時移送コンベ
ヤ３、３の搬送面上に突出している。11ａ及び11ｂは支
持コラム５ａ、５ｂに各別に設けた第２の昇降ガイドレ
ール 12ａ及び12ｂはそれぞれ第２の昇降ガイドレール
11ａ、11ｂに昇降自在に設けた加工ヘッド 13ａ及び13
ｂは昇降ガイドレール方向に配設した送りねじ軸で、加
工ヘッド12ａ、12ｂに固定した受動ナット（図示省略）
に螺合する。

【０００９】14ａ及び14ｂは送りねじ軸13ａ、13ｂにそ
れぞれ連係した上向きの可逆式駆動モータ 15ａ及び15
ｂは加工ヘッド12ａ、12ｂに横向きに突設し、対向状に
配設した一対のたスピンドル 16ａ及び16ｂはスピンド
ル15ａ、15ｂの先端部に設けた截頭円錐状の回転カッタ
ー この回転カッター16ａ、16ｂは底面と斜面にそれぞ
れ切刃ａおよびｂを有する。17ａ及び17ｂはギヤ手段
（図示省略）を介してスピンドル15ａ、15ｂを回転駆動
する主軸モータである。なお、上記した加工ヘッド12
ａ、12ｂにはスピンドル15ａ、15ｂを軸方向において調
整し、カッターの切削位置を左右方向に変更する位置調
整手段（図示省略）を備える。

【００１０】18は門型状のフレーム４における他方の脚
柱４ｂに設けた横方向の油圧シリンダ 上記の油圧シリ
ンダ18はピストンロッド端の取付金具19により他側の支
持コラム５ｂに連結するもので、このピストンロッドの
収縮作動によってクランプ片９ｂ、９ｂ及び加工ヘッド
12ｂを左右方向に移動調整する。なお、前述したワーク
Ｗの移送用コロコンベヤ３、３におけるコロは、ワーク
Ｗの下部側板にある突起部（デポ）Ｔに干渉しないよう
に間隔的に配設し、かつこれを左右に位置調整できるよ
うにしてある。

【００１１】Ｄａ及びＤｂは、ワーク移送路の下側にし
て上記加工ヘッド12ａ、12ｂの切削位置近くと、これか
ら遠く離隔した位置の二箇所に配設したワーク押上手段
で、コロコンベヤ３、３の間に設け、ワークＷの下面に
当接する昇降調節可能の押上ローラ20ａ、20ｂによって
構成する。図３によって詳細を説明すると、21は取付台
２ｂに設けた昇降ガイド 22は昇降ガイド21に設けた軸
受筒で、押上ローラ20ａ（20ｂ）を回転自在に取りつけ
た軸23を支承する。 24、24は軸23の両端部に螺合した
左右一対の昇降調整ねじ 25、25は昇降調整ねじ24の下
端に取りつけた受動ギヤ 26は上記受動ギヤ25、25に噛
み合う駆動ギヤ27、27を有する回転操作軸 28はスプロ
ケット29を介して操作軸26に連係した駆動モータであ
る。

【００１２】30はワーク移送路の下側に設けたワークＷ
の位置規制手段で、ワークＷの先端部に当接して送り込
み位置を設定する。この規制手段は、上向きの油圧シリ
ンダ31と、ピストンロッド先端の当接片32によって構成
され、ピストンロッドの伸長作動時に当接片32がワーク
移送路上に突出する。33ａ及び33ｂはフレーム１の下部
両側に設けた左右一対のレーザマーキング装置で、ワー
クの側面に視認できる光線を照射する。この光線は、回
転カッター16ａ、16ｂにおける送り方向に一致して描か
れる。

【００１３】一実施例に係るデポ処理兼用開先加工装置
の構成は上記の通りであり、次のように作用して突起
（デポ）Ｔの削除加工を自動的に行う。まず最初にワー
クＷを前側のコロコンベヤ３、３上に供給し、これを後
方（図２の左方）へ移送する。ここにおいて、回転カッ
ター16ａ、16ｂの切削位置にはレザーマーキング装置3
3、33によって光線が描かれているので、側面部の突起
（デポ）をこれに対応して設定する。なお、ワークＷを
移送する前にコロコンベヤ３、３の転動コロは、下面の
突起（デポ）の位置から逃がして左右位置を設定してお
く。ワークＷは固定側の支持コラム５ａを基準として、
この方向へ寄せて移送する。また、位置規制手段30の当
接片31は不要であるので、移送路内に没入する。

【００１４】以上のようにしてワークＷの送り込みがな
されたならば、油圧シリンダ18のピストンロッドを伸長
方向に作動し、他側の支持コラム５ｂを右方向、すなわ
ち一側の支持コラム５ａに向けて移動する。この他側の
支持コラム５ｂの移動によって下部の両クランプ片９
ａ、９ｂにおける垂直当接面がワークＷの側板面に当接
する。この当接によって他側の支持コラム５ｂの移動が
停止するもので、このときの油圧シリンダ18の押圧力は
弱く設定する。そして、この状態で４本の油圧シリンダ
10ａ、10ｂを作動し、クランプ片９ａ、９ｂを昇降して
その水平当接面によってワークＷを強力にクランプす
る。また、上記の動作と共に前記油圧シリンダ18を強く
作動し、ワークＷを強力にクランプする。

【００１５】而して上記のクランプ状態において回転カ
ッター16ａ、16ｂを駆動し、そして駆動モータ14ａ、14
ｂにより上端位置にある加工ヘッド12ａ、12ｂを下降移
動する。この加工ヘッド12ａ、12ｂの送りはクランプ片
９ａ、９ｂ付近すなわち突起（デポ）部で所定の切削速
度、それ以外は早送り速度で行うようにするもので、こ
の速度制御はクランプ片９ａ、９ｂに付設したリミット
スイッチ（図示省略）などの周知の手段で行う。上記の
加工ヘッド12ａ、12ｂの一過的な移動によってワークＷ
における両側板の突起（４カ所）を順次に削除すること
ができる。なお、上記の切削加工に当たっては回転カッ
ター16ａ、16ｂの底面の切刃ａをワークＷの側面に対応
して設定する。（図４参照）

【００１６】切削加工が終了したならば両加工ヘッド12
ａ、12ｂを上昇端に戻し、次いでクランプ片９ａ〜９ｂ
によるワークＷのクランプ動作と他側の支持コラム５ｂ
によるワークＷのクランプ動作を解除する。そして、ワ
ークＷを後方へ移送し、レザーマーキング装置33、33の
光線に指示に従って次の加工部の位置を設定する。次の
削除加工は前記と同様にして行うことができる。なお上
記において削り残した水平側板の突起（デポ）は、ワー
クＷを１８０゜反転させ次工程で行うようにする。

【００１７】次にワークＷの端部に開先加工を行う場合
を説明する。このときは、位置規制手段30の当接片31を
移送路上に突出し、これによってワークＷの停止位置を
設定する。このワークＷの先端位置にレーザマーキング
装置33、33の光線が照射されているので、この指示に従
って端面が正規の状態にあるかどうかを確認する。すな
わち、溶接時の歪みにより、ワークＷが例えば図６のよ
うに供給されたときは前側の押上手段Ｄａを移送路上に
突出し、ワークＷの前端を上昇して端面を図７のように
矯正する。また、図８のようなワークＷが供給されたと
きは、後側の押上手段Ｄｂを移送路上に突出し、ワーク
Ｗの後端を上昇して端面を図９のように矯正する。

【００１８】以上のようにしてワークＷの矯正が終了し
たならば、前述のデポ処理加工と同様に他側の支持コラ
ム５ｂを一側の支持コラム５ａに向けて移動し、そして
この状態において４本の油圧シリンダ10ａ、10ｂを作動
してワークＷをクランプ固定する。一方加工ヘッド12
ａ、12ｂ側においては、図示しない位置調整手段によっ
て回転カッター16ａ、16ｂの切削位置を調整し、斜面の
切刃ｂ、ｂをワークＷの端面に適合する。そして、回転
カッター16ａ、16ｂを駆動した後に加工ヘッド12ａ、12
ｂを下降移動する。これによって、ワークＷの端面に所
要の開先加工を施すことができる。

【００１９】加工が終了したならば両加工ヘッド12ａ、
12ｂを上昇端に戻し、次いでクランプ片９ａ〜９ｂによ
るワークＷのクランプ動作と他側の支持コラム５ｂによ
るワークＷのクランプ動作を解除する。そして、ワーク
Ｗをコロコンベヤ３、３により後方へ搬出する。なお上
記において削り残した水平側板の端面は、ワークＷを１
８０゜反転し次の工程で行うようにする。

【００２０】なお、上記の一実施例では截頭円錐状の回
転カッター16ａ、16ｂによりレ形開先加工を行ったが、
ワークＷの端面にＪ開先加工を行う場合には、斜面の切
刃ｂをこのＪ開先形状に適合するようにアール状にする
ことは言うまでもない。また、ワークＷの端面をフェー
シング加工するときには、回転カッター16ａ、16ｂの先
端に円筒状のカッターを取り付けるようにすれば良い。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明に係るデポ処理兼用
開先加工装置によれば、従来人手によってなされていた
突起（デポ）の除去と端面部の開先加工を自動的に行う
ことができるものである。このため、大幅な作業能率の
向上ができる。また、溶接角柱に特有の歪みがあって
も、加工部を矯正してセットできるもので高精度の加工
を行うことができる特色がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るデポ処理兼用開先加工装置の一
実施例を示す正面図である。

【図２】同じく側面図である。

【図３】ワーク押上手段の構成を示す説明図である。

【図４】デポ処理加工状態を示す説明図である。

【図５】開先加工状態を示す説明図である。

【図６】歪んでいる角柱の供給状態を示す説明図であ
る。

【図７】端面部を矯正してセットした状態の説明図であ
る。

【図８】歪んでいる角柱の供給状態を示す説明図であ
る。

【図９】端面部を矯正してセットした状態の説明図であ
る。

【図１０】溶接角柱の構成を示す説明図である。

【符号の説明】

３ コロコンベヤ ５ａ 一側の支持コラム ５ｂ 他側の支持コラム ８ａ 第１の昇降ガイドレール ８ｂ 第１の昇降ガイドレール ９ａ クランプ片 ９ｂ クランプ片 10ａ 油圧シリンダ 10ｂ 油圧シリンダ 11ａ 第２の昇降ガイドレール 11ｂ 第２の昇降ガイドレール 12ａ 加工ヘッド 12ｂ 加工ヘッド 16ａ 截頭円錐状の回転カッター 16ｂ 截頭円錐状の回転カッター ａ 底面の切刃 ｂ 斜面の切刃 18 油圧シリンダ Ｄａ ワーク押上手段 Ｄｂ ワーク押上手段 20ａ 押上ローラ 20ｂ 押上ローラ 30 位置規制手段 32 当接片 33 レーザマーキング装置 Ｗ ワーク Ｔ 突起（デポ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. コロコンベヤからなるワーク移送路を挟んで、一側に固
   定の支持コラムを他側に移動自在の支持コラムを配設
   し、これら支持コラムにそれぞれワークの角部に対応す
   る上下一対のクランプ片を昇降自在に備え、また同じく
   それぞれの支持コラムに左右一対の加工ヘッドを昇降移
   動できるように配設し、この加工ヘッドに回転自在に設
   けたスピンドルに底面と斜面に切刃をもつ截頭円錐状の
   回転カッターを取りつけ、さらにワーク移送路の下面に
   は押上手段を配設し、移送路上においてワークを昇降調
   整できるようにしたことを特徴とする溶接角柱のデポ処
   理兼用開先加工装置。