JPH05212469A - ダイボタン - Google Patents

ダイボタン

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JPH05212469A
JPH05212469A JP4599892A JP4599892A JPH05212469A JP H05212469 A JPH05212469 A JP H05212469A JP 4599892 A JP4599892 A JP 4599892A JP 4599892 A JP4599892 A JP 4599892A JP H05212469 A JPH05212469 A JP H05212469A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ピアスナットを金属板に打込んで固着する際
に、金属板材料が絞られる量を増大させてピアスナット
の溝内に導入される金属板材料を増加させ、ピアスナッ
トの金属板に対する引き抜き抗力と回転抗力とを増大さ
せる。 【構成】 ピアスナット20と協働して金属板40を穿
孔すると共に穿孔部周辺の金属板の材料44をピアスナ
ット20の環状溝26内に絞り加工するための環状突起
12を備え、環状突起12が、円柱形の外周面15と、
外周面15に垂直に外周面15から半径方向外側に延長
する環状支持面17とによって限定されてなるダイボタ
ン10において、環状支持面17と円柱形外周面15と
の隅部19にすみ肉18を設け、ピアスナット20を金
属板40に固着する際に、隅部19に面する金属板の材
料をピアスナット20の溝26に向って指向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、ピアスナットを金属板
に打ち込んで固着する際に、このピアスナットと協働し
て金属板を穿孔すると共に穿孔部周辺の金属板材料をピ
アスナットの環状溝内に絞り加工するダイボタンに関
し、例えば、ピアスナットを薄板に固着する際に好適な
ダイボタンに関する。
【0002】
【従来の技術】金属板を穿孔すると共に、この孔に端面
がかしめられて金属板に固着されるようになったピアス
ナットという締結用部品が従来から知られている。この
ピアスナットはダイボタン(孔あけ用ダイス)と協働し
て金属板を穿孔し、金属板に固着されるものであり、ピ
アスナットの端面には固着力を大きくするために上記穿
孔部周辺の金属板の材料が塑性加工されながら導入され
るようになった溝が形成されている。
【0003】一方、ダイボタンには、ピアスナットに形
成された環状溝の形状に適合する輪郭を有する環状突起
が形成されている。この環状突起の内周に形成された剪
断エッヂはピアスナットの剪断エッヂと協働して金属板
を穿孔し、穿孔後は上記環状突起の円柱形外周面とこの
外周面に直交する環状支持面2面とがピアスナットの環
状溝の外側壁と協働して穿孔部周辺の金属板の材料を絞
り加工すると共に、ピアスナットの環状溝に金属板材料
を導入させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金属板に固
着されたピアスナットには回転抗力(ピアスナットにボ
ルトを噛み合わせ締め付けて、このボルトを締付方向に
回転させた場合、金属板に対するピアスナットの回転運
動を妨げる力)と引き抜き抗力(ピアスナットにボルト
を噛み合わせて、金属板に対して垂直方向の力をこのボ
ルトに加えるとき、ピアスナットが金属板から引き抜か
れるのを妨げる力)とが要求される。この2つの抗力が
大きくなるためには、ピアスナットの環状溝に穿孔部周
辺の金属板材料が多量に導入されてこの環状溝の内面と
金属板材料との接触面積が広くなり、ピアスナットと金
属板との摩擦が増加することが必要とされる。
【0005】従来のダイボタンでは、穿孔部周辺の材料
がダイボタンの環状突起の円柱形の外周面とこの外周面
に直交する環状支持面とからなる2面と、ピアスナット
の環状溝の外側壁との間で絞られると共に、この環状溝
に導入されるようになっているので、絞られる金属板材
料の量が少ないときは上記溝に導入される金属板材料の
量は少ないこととなり、金属板材料と環状溝内面との接
触面積を広くしてピアスナットと金属板との摩擦を増加
することができない。特に板厚の薄いときは一層この絞
り量が少なくなり、接触面積は狭くなるので、摩擦が低
下することとなる。
【0006】本発明の目的は、ピアスナットを金属板に
固着する際に、金属板材料が絞られる量を増大させてピ
アスナットの溝内に導入される金属板材料を増加させ、
金属板に対するピアスナットの回転抗力や引き抜き抗力
などの固着力を増加させるダイボタンを提供することに
ある。
【0007】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のダイボタンは、ピアスナットを金属板に打ち
込んで固着するために使用されるダイボタンであって、
ピアスナットと協働して金属板を穿孔すると共に穿孔部
周辺の金属板の材料をピアスナットの環状溝内に絞り加
工するための環状突起を備え、前記環状突起が、円柱形
の外周面と、前記外周面に垂直に前記外周面から半径方
向外側に延長する環状支持面とによって限定されてなる
ダイボタンにおいて、前記環状支持面と円柱形外周面と
の隅部にすみ肉を設け、ピアスナットを金属板に固着す
る際に、前記隅部に面する金属板の材料をピアスナット
の前記溝に向って指向させるようにしたことを特徴とす
るものである。
【0008】ここで、すみ肉に段部を形成し、ピアスナ
ットの環状溝内に向かって指向する金属板材料の量が増
大するようにしたほうが好ましい。
【0009】また、すみ肉を円周方向に連続して設けて
もよい。
【0010】また、すみ肉を円周方向に不連続的に設け
てもよい。
【0011】
【作用】本発明のダイボタンにおいては、ダイボタンの
環状突起の環状支持面と円柱形外周面との隅部にすみ肉
を設け、ピアスナットを金属板に固着する際に、隅部に
面する金属板材料をピアスナットの環状溝内に向かって
指向させるようにしているので、このすみ肉の量に相当
する分の金属板材料が絞られて環状溝内に流れることと
なる。この結果、ピアスナットの溝内の面と金属板材料
との接触面積が広くなって摩擦が増加するので、金属板
に対するピアスナットの固着力が増加することとなる。
【0012】また、すみ肉に段部を形成して環状溝内に
流れる金属板材料の量を増大させた場合は、溝の内面と
金属板材料との接触面積が一層広くなり摩擦が更に増加
するので、固着力は一層増大する。
【0013】上記すみ肉を円周方向に連続して設けた場
合は、ピアスナットの環状溝内に流れる金属板材料の量
が一層多くなるので、ピアスナットの溝内の面と金属板
材料との接触面積がさらに広くなって摩擦が増加し、ピ
アスナットの固着力がより増加されることとなる。大き
い固着力を必要としない場合は、すみ肉を円周方向に不
連続的に設けても良い。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照しな
がら説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例に係るダイボタン
の概略を示す斜視図、図2はダイボタンを軸方向平行に
切断したときの先端部分を示す拡大断面図である。
【0016】本実施例のダイボタン10は、図1から分
かるように円筒状であり、このダイボタンと協働して金
属板を穿孔するピアスナットの環状溝(図3を参照して
後述する)の形状に適合した環状突起12を先端部に備
えている。この環状突起12の内周には、後述するピア
スナットの剪断エッジと協働して金属板を穿孔するため
の剪断エッジ14が形成されている。また、剪断エッヂ
14の上部16は剪断方向に対して外側に傾斜するよう
に形成されているので、後述するピアスナットの環状溝
内に金属板の材料を多く取り込むように金属板を穿孔で
きる。環状突起12の円柱形外周面15と、この円柱形
外周面15から半径方向外側に延びる環状支持面17と
の隅部19に、段部を有するすみ肉18が円周方向に連
続して形成されており、後述するように、金属板にピア
スナットを固着する際には、このすみ肉18によって金
属板材料の絞られる量が増大し、隅部19に面する金属
板材料はその量に相当する分だけ多くピアスナットの環
状溝内に流れるようになっている。
【0017】次に、図3を参照して、ダイボタン10と
協働して金属板を穿孔し、この金属板に固着されるピア
スナットを説明する。このピアスナット20は、本出願
と同日付けの出願(発明の名称:ピアスナット)に詳細
に記載されている、従来のものを改良したピアスナット
である。このピアスナット20は、図3から分かるよう
に外形が円形のいわゆる円形ピアスナットであり、その
ねじ孔22を含む中央部には環状エッヂ24が形成さ
れ、この環状エッヂ24とダイボタン10の剪断エッジ
14とが協働して金属板を穿孔するようになっている。
この環状エッヂ24に隣接する環状溝26は、ダイボタ
ン10の環状突起12と適合する形状になっており、相
対する側壁28、30と、底壁32とで画定されてい
る。
【0018】次に、図4から図7を参照してダイボタン
10上に置かれた金属板が、ダイボタン10とピアスナ
ット20との協働により穿孔されて、ピアスナット20
が金属板に固着されるまでの工程を説明する。図4に示
すように、ピアスナット20は、ピアスナット連続供給
装置(図示せず)の搬送パイプ34からピアスナット受
入領域36に一つずつ供給され、プランジャー38によ
り金属板40に打ち込まれる。なお、ピアスナット20
の打込漏れを防止するために、近接センサ42がピアス
ナット受入領域36の近傍に配置されている。
【0019】図5から図7は、ピアスナット20がプラ
ンジャー38によって金属板40に押し付けられて、ダ
イボタン10と協働して金属板40を穿孔して、固着さ
れるまでの状態を示す断面図である。図5は、ピアスナ
ット20が金属板40に押し付けられている状態を示す
断面図である。同図に示すように、ダイボタン10の内
周の剪断エッヂ14の上部16は剪断方向に対して傾斜
しているので、ピアスナット20の環状溝26内に金属
板40の材料を多く取り込むように金属板40を穿孔で
きる。図6は、ピアスナット20がプランジャー38に
よって金属板40に打ち込まれてこの金属板40を穿孔
し、ダイボタン10のすみ肉18がピアスナット20の
側壁30と協働して穿孔部周辺の金属板材料44を絞る
ときの状態を示す断面図である。同図に示すように、ダ
イボタン10の剪断エッヂ14はピアスナット20の環
状エッヂ24と協働して金属板40を穿孔し、この穿孔
部周辺の材料44はピアスナット20の環状溝26内に
導入されることとなる。図7は、すみ肉18と側壁30
とによって絞られて環状溝26内に導入された金属板4
0の材料44の最終状態を示す断面図である。
【0020】次に、図7の二点鎖線で示す部分46の拡
大断面を示す図8を参照して材料44の流れを説明す
る。図8に示すように、穿孔部周辺の金属板材料44は
すみ肉18と側壁30との協働により絞られて、隅部1
9に面する金属板材料はすみ肉18の形状に沿って環状
溝26内に向かって指向する。この結果、同図の2重の
ハッチングで示されるすみ肉18の体積に相当する量の
材料44が矢印48の方向に流れるので、環状溝26の
底壁32にまで材料44が導入されて環状溝26の内周
全面は材料44と接触して材料44とピアスナット20
との摩擦が増大し、金属板40に対するピアスナット2
0の固着力は増加する。板厚の薄い金属板であっても、
金属板40の板厚に合うようにすみ肉18の形状と大き
さとを調整すると、すみ肉18の体積に相当する量の材
料44が矢印48の方向に流れてピアスナットと金属板
との摩擦が増加するので、金属板40に対するピアスナ
ット20の固着力を増加することができる。
【0021】発明者が行った実験では、本実施例のダイ
ボタン10を使用してピアスナット20を上述したよう
な工程で金属板に固着したときの引き抜き抗力として、
ネジ径6mmナットの場合、板厚0.6mmのとき31
5kg(従来例では168kg)、板厚0.8mmのと
き300kg(同208kg)という高い値が得られ
た。また、回転抗力として、板厚0.6mmのとき17
0kg−cm、板厚0.8kgのとき240kg−c
m、板厚1.0mmのとき270kg−cmという値が
得られた。
【0022】次に、図9を参照してすみ肉の形状の変形
例を示す。同図に示すダイボタン50は、すみ肉52が
環状突起12(図1参照)の外周に不連続的に設けられ
ている点が特徴であり、他の部分は図1に示すダイボタ
ン10と同じである。
【0023】上記のように、すみ肉を不連続に設けたと
きの実験データを示す。この実験は、外周が円周方向に
沿って5等分され、各線分の約3分の2だけにすみ肉が
設けられたダイボタンを使用して行った。このようなダ
イボタンを使用してピアスナット20(図3参照)を上
述したような工程で金属板に固着したときの引き抜き抗
力は、ネジ径6mmナットの場合、板厚0.6mmのと
き230kg(従来例では168kg)、板厚0.7m
mのとき280kg、板厚0.8mmのとき280kg
(同208kg)、板厚1.0mmのとき310kg
(同310kg)、板厚1.2mmのとき370kg
(同309kg)、板厚1.4mmのとき400kg
(同約300kg)、板厚1.6mmのとき400kg
(同約280kg)という高い値となった。また、回転
抗力として、板厚0.6mmのとき170kg−cm、
板厚0.7mmのとき230kg−cm、板厚0.8k
gのとき240kg−cmという値が得られた。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイボタ
ンでは、環状突起の円柱形外周と環状支持面との隅部に
すみ肉を設け、ピアスナットを金属板に固着する際に、
隅部に面する穿孔部周辺の金属板材料をすみ肉の形状に
沿ってピアスナットの環状溝に向かって指向させるよう
にしているので、多量の金属板材料がピアスナットの環
状溝内に流れてこの環状溝内の面と金属板材料との接触
面積が広くなって摩擦が増加し、金属板に対するピアス
ナットの固着力が増加する。
【0025】さらに、すみ肉に段部を形成すると、ピア
スナットの環状溝内に流れる金属板材料が増大するの
で、固着力は一層増加する。
【0026】また、すみ肉部はダイボタンの隅部を補強
した形状となっているので、隅部への応力集中を防止
し、ダイボタンの耐久性を増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のダイボタンを示す斜視図で
ある。
【図2】図1に示すダイボタンの断面図である。
【図3】図1に示すダイボタンと協働して金属板を穿孔
し、この金属板に固着されるピアスナットの斜視図であ
る。
【図4】ピアスナットが金属板に搬送される様子を示す
断面図である。
【図5】ピアスナットが金属板に押しあてられた状態を
示す断面図である。
【図6】ピアスナットとダイボタンとが協働して金属板
を穿孔した状態を示す断面図である。
【図7】すみ肉と側壁とによって絞られて環状溝内に導
入された金属板材料の最終状態を示す断面図である。
【図8】孔の周辺部の金属板材料がすみ肉と側壁との協
働により絞られて、すみ肉の形状に沿って環状溝内に流
された状態を示す拡大断面図である。
【図9】すみ肉の形状の変化例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、50: ダイボタン 12: 環状突起 14: 剪断エッヂ 15: 円柱形外周面 17: 環状支持面 18: すみ肉 19: 隅部 20: ピアスナット 40: 金属板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピアスナットを金属板に打ち込んで固着
    するために使用されるダイボタンであって、ピアスナッ
    トと協働して金属板を穿孔すると共に穿孔部周辺の金属
    板の材料をピアスナットの環状溝内に絞り加工するため
    の環状突起を備え、前記環状突起が、円柱形の外周面
    と、前記外周面に垂直に前記外周面から半径方向外側に
    延長する環状支持面とによって限定されてなるダイボタ
    ンにおいて、 前記環状支持面と円柱形外周面との隅部にすみ肉を設
    け、ピアスナットを金属板に固着する際に、前記隅部に
    面する金属板の材料をピアスナットの前記溝に向って指
    向させるようにしたことを特徴とするダイボタン。
  2. 【請求項2】 前記すみ肉に段部を形成し、前記溝内に
    向かって指向する前記材料の量が増大するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のダイボタン。
  3. 【請求項3】 前記すみ肉は円周方向に連続して設けた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のダイボタン。
  4. 【請求項4】 前記すみ肉は円周方向に不連続的に設け
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載のダイボタ
    ン。
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