JPH09151927A

JPH09151927A - セルフピアシングスタッドの金属パネルへの固着方法、セルフピアシングスタッドの金属パネルへの固着用プランジャ−ダイボタン・アセンブリー及びセルフピアシングスタッド

Info

Publication number: JPH09151927A
Application number: JP33422995A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Takehara; 寛竹原; Takao Takahashi; 孝男高橋
Original assignee: TOKYO MULTI FASTENER KK
Current assignee: TOKYO MULTI FASTENER KK
Priority date: 1995-11-30
Filing date: 1995-11-30
Publication date: 1997-06-10

Abstract

(57)【要約】【課題】打込固着部を変形させることなく金属パネル
に小さな公差の範囲内で確実に、水蜜にかつ清潔な環境
下で金属パネルに固着されるセルフピアシングスタッド
と、このセルフピアシングスタッドを金属パネルに固着
させる方法と、この方法に用いられるプランジャ−ダイ
ボタン・アセンブリーを提供すること。【解決手段】プランジャ８をダイボタン９の方へ下降
させながら、最初にセルフピアシングスタッド１の袴状
円錐台形の打込固着部３で、次いで、これとセルフピア
シングスタッド１のフランジ部２で、最後には、これら
とプランジャ８の押圧突起部２０とでダイボタン９上の
金属パネル１２に打ち込み、金属パネル１２の一部を絞
り込み延伸させて、打込固着部３とダイボタン９の固着
孔１４との間に形成された空間２３内に充填させ、これ
と共に金属パネル１２からスクラップ２５を打ち抜き、
金属パネル１２にセルフピアシングスタッド１を固着さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車産業及び電
気産業で、大量生産的に広く用いられるセルフピアシン
グスタッド、特に、打込固着部を変形させること無くセ
ルフピアシングスタッドに所望の引抜力と回転トルクで
確実に、高い水蜜性で、かつ、清潔な環境下で、固定す
るためのセルフピアシングスタッドの金属パネルへの固
着方法、セルフピアシングスタッドの金属パネルへの固
着用プランジャ−ダイボタン・アセンブリー及びセルフ
ピアシングスタッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、ファスナースタッドを金属パネ
ルに固着するには、主に、次の２つの方法が用いられて
来た。その１つは、金属パネルの表面にファスナースタ
ッドの固定端を押し当ててアーク溶接を行う方法であ
る。又、他の一つは、打込固定変形方式による方法であ
る。後者の方法では、例えば、特開昭６３−５２７２０
号に示すように、ファスナースタッドの一端に円筒形の
固着端を設けてこの固着端を金属パネルに打ち込んで自
己打ち抜きを行う。そして、其の打ち込みと共に固着端
を半径方向外側へ変形させると共に金属パネルの打抜孔
の周辺部を変形させながら、セルフピアシングスタッド
を金属パネルに固着する。

【０００３】一方のアーク溶接による方法では、単にス
タッドを金属パネルにアーク溶接をするだけでよく金属
パネルを打ち抜く必要がないために、固着方法が簡単で
あり、さらに、固着部での水蜜性がよいという特色があ
る。しかし、引き抜き強度に大きなばらつきがあり、所
望の強度に達しない場合がしばしば生じる。このため
に、固着後のスタッドを、例えば、作業者が全てを１本
ずつハンマーで叩いたりして強度試験を行う必要があ
る。また、この試験によってスタッドが金属パネルから
外れた場合は、新たなスタッドを外れた場所に固着し直
さなければならない。従って、金属パネルアセンブリー
の生産性を低下させると共に製造コストを高めるという
問題があった。加えて、溶接により作業現場に少なから
ざる煙が発生し環境上必ずしも望ましくないという問題
もあった。

【０００４】他方の打込固着部変形方式においては、ス
タッドは金属パネルに所定の引き抜き強度で確実に接続
されると共に、金属パネルの厚さが１．２ｍｍを超える
場合は、水蜜性も高くなるという利点がある。しかし、
その反面、次のような問題があった。即ち、安定した接
続性を得るためには、セルフピアシングスタッドを一般
的な鋼材であるＪＩＳＳＷＲＣＨ１０−２５（ＡＩ
ＳＩ１０１０−１０２５に相当）では不十分で、ＡＩ
ＳＩ１０３５鋼（俗にいうＳ３５Ｃ鋼）のような高級
な鋼製としなければならない。その上に、打込固着部を
確実に変形させるためにセルフピアシングスタッドに予
め微妙な熱処理を施しておかなければならない。従っ
て、スタッドの材料費及び製造費が高くなるという問題
があった。また、金属パネルの厚さが１．２ｍｍ以下で
あると、シール材を用いないと水蜜性が悪くなるが、シ
ール材の使用はスタッドの製造費を更に高めてしまうと
いう問題もあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の従来
技術の問題点を解決し、打込固着部の構造が簡単で安価
であるにも拘わらず、１品毎の固着強度の検査を必要と
せずに、セルフピアシングスタッドを金属パネルに容易
にかつ確実に所望強度で固着することができ、水蜜性高
く、かつ、環境改善を行えるセルフピアシングスタッド
の金属パネルへの固着方法、セルフピアシングスタッド
の金属パネルへの固着用プランジャ−ダイボタン・アセ
ンブリー及びセルフピアシングスタッドを提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に基づくセルフピ
アシングスタッドの金属パネルへの固着方法は、セルフ
ピアシングスタッドのフランジ部の一端面に形成された
大略円錐台形の袴状の打込固着部でダイボタン上に設置
した金属パネルを押圧して、前記ダイボタンの上面内に
形成された、前記フランジ部の直径よりも該金属パネル
の厚さの１．０乃至１．４倍だけ大きな直径を有する絞
り縁から前記ダイボタンのスクラップ落下用中心孔と交
わるせん断刃まで滑らかに収斂する凹状の固着孔内に前
記金属パネルの、前記打抜固着部の周囲に位置した周辺
部を凹状に変形させて行く第１工程と、次いで、前記絞
り縁と前記せん断刃とにより前記金属パネルからスクラ
ップを打ち抜くと共に、前記金属パネルの前記周辺部
を、前記絞り縁と前記フランジ部の外縁アール部とによ
って絞り延伸させながら前記フランジ部の前記一端面で
前記固着孔内に更に押入充填させる第２工程と、最後
に、前記プランジャの前記一端面と前記プランジャの押
圧面の外縁の環状押圧突起部とで前記金属パネルの前記
周辺部を前記固着孔内に押入して前記スタッドの前記打
抜固着部と前記フランジ部に固着する第３工程とにより
成る。

【０００７】上述の第１乃至第３工程により、セルフピ
アシングスタッドのいわゆる袴状の円錐台形の打抜固着
部及びフランジ部をパネルに所定の引張強度で高い水蜜
性で固着することが出来る。加えて、煙が発生しない清
潔な環境下での固着を行うことが出来る。

【０００８】本発明に基づくセルフピアシングスタッド
の金属パネルへの固着用プランジャ−ダイボタン・アセ
ンブリーは、金属パネルを載置しこれから打ち抜かれる
スクラップを落下させる中心孔を有するダイボタンと、
該ダイボタンに共軸に前記金属パネルの上方に設定さ
れ、フランジ部の一端にこれと共軸に打込固着部を形成
した鋼製セルフピアシングスタッドを内部に受け、該セ
ルフピアシングスタッドの該フランジ部を前記ダイボタ
ンの方へ押圧するプランジャとから成り、該プランジャ
の押圧により先ず該打込固着部で前記金属パネルから前
記スクラップを打ち抜くと共に前記ダイボタンと共同し
て該打込固着部を該金属パネルの、該スクラップの打ち
抜きにより形成された打抜孔の周辺部を前記打込固着部
に固定するためのセルフピアシングスタッドの金属パネ
ルへの固着用プランジャ−ダイボタン・アセンブリーに
おいて、前記ダイボタンは、上縁が前記中心孔に共軸に
形成され前記セルフピアシングスタッドの前記フランジ
部の直径よりも前記金属パネルの厚さの１．０倍乃至
１．４倍だけ大きな直径を有する絞り縁を有し該フラン
ジ部の前記一端面側の外縁アール部の曲率よりも前記金
属パネルの厚さの０．５倍乃至０．７倍だけ大きな曲率
で前記絞り縁の下部近傍から前記中心孔へ収斂して行く
固着孔とを具備して成る。また、前記プランジャに、そ
の前記金属パネル側端面の外縁部に該金属パネルの前記
打抜孔の前記周辺部を押圧する環状押圧突起部を形成す
ることが望ましい。

【０００９】本発明に基づくセルフピアシングスタッド
は、鋼製で、フランジ部と、該フランジ部の一端面に該
フランジ部に共軸に形成された打込固着部と、該フラン
ジ部の他端面に該フランジ部と共軸に形成された接続部
とを有する鋼製セルフピアシングスタッドにおいて、該
打込固着部は、外部に向けて増径する円錐台形の中空打
込固着部より成り、該打込固着部の外周面と該打込固着
部との外端面とで前記フランジ部の直径より小さな直径
を有するスクラップ打抜用の打抜縁を形成すると共に、
前記フランジ部の外周面と前記一端面と前記打込固定部
の外周面とを金属パネルの打抜孔の周辺部に固着させる
構成とされている。また、前記の円錐台形の打込固着部
の外周面に環状突起部を設けてもよく、こうすれば、更
に、セルフピアシングスタッドを金属パネルに確実に固
着出来る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を実
施態様に基づいて説明する。

【００１１】図１及び図２を参照して、１で示された、
本発明に基づくセルフピアシングスタッドの１実施例
は、例えば、円板状のフランジ部２と、これに共軸にそ
の一端面に形成された中空の打込固着部３と、フランジ
部２の他端面にこれと共軸に形成された接続部４とによ
り成る。この打込固着部３は外側に向けて（即ち、フラ
ンジ部２の他端面から離間するにつれて）増径する袴状
の円錐台形に形成されている。打込固着部３の外端面５
はフランジ部２の前記一端面に平行になっており、又、
打込固着部３の外周面６と外端面５とで円形の打抜縁７
が形成されている。接続部４は、図１では、雄ねじで形
成されているが、同図で一点鎖線で示すように、ピンで
あってもよく、また、ピッチの粗いいわゆるクリスマス
ツリースタッドであってもよい。

【００１２】フランジ部２の前記一端面の外周部は外縁
アール部２ａになっている。また、フランジ部２の前記
一端面に打込固着部３を取り巻くように複数個（例えば
６乃至８個、図２では６個）の凸状回転止め２ｂが円周
方向に等間隔に形成されている。これら回転止め２ｂは
断面が円形に形成されているが、長径が円周方向へ延び
る長円形その他の形状を有しても良い。

【００１３】セルフピアシングスタッド１の接続部４の
称呼直径をＭ、フランジ部２の直径（外径）をＡ、フラ
ンジ部２の厚さをＢ、打込固着部３の打抜縁７の直径を
Ｄ、セルフピアシングスタッド１の中心軸Ｓ（これは同
時に打込固着部３の軸心になっている）と打込固着部３
の外周面６との成す角をθ、打込固着部３の厚さをＴ、
打込固着部３の高さをＨとする。セルフピアシングスタ
ッド１をＪＩＳＳＷＲＣＨ１０−２５（ＡＩＳＩ
１０１０−１０２５に相当）製にすると、Ｍ＝６ｍｍφ
の場合、例えば、Ａ＝１２ｍｍφ、Ｂ＝１．５ｍｍ、Ｄ
＝９．５ｍｍφ、Ｔ＝１．７５ｍｍ、θ＝１３゜乃至２
０゜（１５゜が望ましい）、外縁アール部２ａの曲率＝
０．７ｍｍＲが好適である。

【００１４】図３に示すように、本発明のプランジャ−
ダイボタン・アセンブリーの実施例は、円筒状プランジ
ャ８とダイボタン９とを含む。プランジャ８は、セルフ
ピアシングスタッド１の接続部４を挿嵌する取付中心孔
１０を有する。また、ダイボタン９は、プランジャ８の
下方に配置されるもので、プランジャ８の中心孔１０に
共軸に配置されるスクラップ落下用中心孔１１が形成さ
れている。この中心孔１１の下方は増径されてスクラッ
プの逃げになっている。また、この中心孔１１はセルフ
ピアシングスタッド１の打抜縁７の直径Ｄよりも所定の
クリアランス分（Ｍ＝６ｍｍφ、Ｂ＝９．５ｍｍφの場
合は、例えば、０．１ｍｍ）だけ大きく設定されてい
る。この中心孔１１の上方に、金属パネル１２が載置さ
れるダイボタン９の上面１３で解放する固着孔１４が形
成されている。そして、この固着孔１４は、ダイボタン
９の上面１３との間に中心孔１１に共軸な円形の絞り縁
１５を有しており、この絞り縁１５の直径は、セルフピ
アシングスタッド１のフランジ部２の直径Ａよりも金属
パネル１２に厚さＥの１．０倍乃至１．４倍だけ大きく
設定される。固着孔１４の内壁は、曲率が、セルフピア
シングスタッド１のフランジ部２の外縁アール部２ａの
曲率よりも金属パネル１２の厚さＥの０．５乃至０．７
倍（Ｅ＝１ｍｍの場合、０．５ｍｍ乃至０．７ｍｍ）だ
け大きな四半分円を成し、絞り縁１５から下方に中心孔
１１に向けて収斂する形状になっている。また、ダイボ
タン９の固着孔１４の下端と中心孔１１の上端で円形の
せん断刃２４が規定されている。

【００１５】図３乃至図８を参照して、本発明のセルフ
ピアシングスタッドの金属パネルへの固着方法の実施例
を説明する。

【００１６】図３に示すように、プランジャ８はダイボ
タン９の上方に離間した固着工程開始位置に設定され、
プランジャ８の中心孔１０内に、セルフピアシングスタ
ッド１の接続部４を打込固着部３を下に向けて挿入嵌装
すると共に、ダイボタン９の上面１３に金属パネル１２
を載置する。プランジャ８はプラテン１６によって昇降
される。また、プランジャ８は円筒形のノーズ１７に上
下に摺動可能に挿入されている。このノーズ１７は、プ
ラテン１６の下面とノーズ１７との上面との間に設置さ
れた圧縮コイルばね１８によって常時下方に弾性付勢さ
れている。

【００１７】プランジャ８の下端面はセルフピアシング
スタッド１のフランジ部２の上面を押圧するリング状の
押圧面１９になっており、この押圧面１９の外縁部に環
状の押圧突起部２０が形成されている。この押圧突起部
２０の縦断面は円弧状に形成され、その内周面はフラン
ジ部２の外周面が嵌合する環状面２１になっており、こ
の環状面２１でセルフピアシングスタッド１をプランジ
ャ８に対して位置決めするようになっている。押圧突起
部２０の曲率は、Ｍ＝６．０ｍｍφの場合は、０．５ｍ
ｍＲであることが望ましい。

【００１８】プランジャ８をプラテン１６によって下降
すると、まず、図４に示すようにノーズ１７が圧縮コイ
ルばね１８の付勢力によって下降され、その下面が金属
パネル１２の上面に圧接され、金属パネル１２をダイボ
タン９の上面１３に位置決めする。ノーズ１７は、セル
フピアシングスタッド１を金属パネル１２に完全に固着
するまで金属パネル１２をダイボタン９上に押圧してダ
イボタン９に対して位置決めする。次いで、セルフピア
シングスタッド１の打込固着部３の外端面５が金属パネ
ル１２の上面に当接するに至る。

【００１９】更に、プランジャ８が下降すると、図５に
示すように、セルフピアシングスタッド１の打込固着部
３がその回りの金属パネル１２の周辺部２２を凹状に湾
曲させながらダイボタン９の固着孔１４内へ押し込む。

【００２０】なお、プランジャ８が下降すると、図６に
示すように、金属パネル１２の周辺部２２が、セルフピ
アシングスタッド１のフランジ部２の外縁アール部２ａ
とダイボタン９の絞り縁１５とによって、金属パネル１
２の厚さの０．５乃至０．７倍に絞られ、ダイボタン９
の固着孔１４とセルフピアシングスタッド１のフランジ
部２の下面の外周部及び打込固定部３に外周面５とで規
定される空間２３内にこれを充填するように延びて行
く。これと共に、セルフピアシングスタッド１の打込固
着部３の打抜縁７とダイボタン９のせん断刃２４とで金
属パネル１２から円盤状のスクラップ２５を打ち抜いて
行く。

【００２１】更に、プランジャ８が下降すると、図７に
示すように、セルフピアシングスタッド１のフランジ部
２も下降し、該フランジ部２の外縁アール部２ａと固着
孔１４との間の間隔がつまり、金属パネル１２の前記周
辺部２２は更に絞られる。これと共にプランジャ８の押
圧突起部２０が周辺部２２の外周部を更に下方へ押圧す
る。このために、該周辺部２２は空間２３内に益々押入
されて行き、中心孔１１とセルフピアシングスタッド１
の打抜固着部３の外周面６との間にまで変形されながら
押圧されて行き、空間２３全体を完全に充填した状態に
なる。

【００２２】セルフピアシングスタッド１が金属パネル
１２に固着されると、プランジャ８が図３の固着工程開
始位置へ上昇され、ダイボタン９上の金属パネル１２は
適当な位置への搬送がされて本製造方法の１サイクルが
完了する。

【００２３】このようにして、セルフピアシングスタッ
ド１の打込固着部３が図９に示すように金属パネル１２
に固着される。また、図６乃至８には示すように、この
固着工程中にこのように固着されたセルフピアシングス
タッド１のフランジ部２に形成された回転止め２ｂが金
属パネル１２の前記周辺部２２に食い込んで、セルフピ
アシングスタッド１が、高い回転トルクで金属パネル１
２に固定される。Ｍ＝６ｍｍφの場合、常時、引抜力は
規格値２００ｋｇを超え、回転トルクは規格値６０ｋｇ
−ｃｍを超えるものである。従って、引抜力や回転トル
クの検査はサンプリングによる検査で十分である。ま
た、セルフピアシングスタッド１と金属パネル１２との
固着部分の水蜜性が高く保持され、さらに製造中に煙が
発生せず、現場を清浄に保ち環境改善に資する。

【００２４】図９は、本発明のセルフピアシングスタッ
ドの第２の実施例を示す。この実施例は、図１の最初の
実施例において打込固着部３の外端面５の外周部に断面
がほぼ４半分円の環状突起部２８が形成されている。そ
して、環状突起部２８の外端面２９と外周面３０とで打
抜縁３１が形成されている。この打抜縁３１の作用は図
１の実施例の打抜縁７と同様である。また、第２実施例
のセルフピアシングスタッド１は、打抜縁３１を有する
環状突起部２８を除いて第１実施例のセルフピアシング
スタッド１と同じであるので、図９の主要な要素を図１
のそれらと同じ参照番号で示し、その説明は省略する。
また、第２実施例のセルフピアシングスタッド１を金属
パネルへ固着する方法は、原理的に図３乃至図７と同様
であるが、図１０に示すように、環状突起部２８がある
分だけ、確実で強力な固着が行われるという利点があ
る。なお、図８及び１０においても主要部を他の図と同
じ参照番号で示し、簡略化のため、それらを改めては説
明しない。

【００２５】

【発明の効果】本発明は、打込固着部の構造が簡単であ
るにも拘わらず、１品毎の固着強度の検査を必要とせず
に、セルフピアシングスタッドを金属パネルに容易にか
つ確実に所望強度で固着することが出来、生産性と信頼
性とを高め、加えて製造費の低減を図れるという効果が
ある。また、本発明によって固着されたセルフピアシン
グスタッドと金属パネルとの打込固着部の水蜜性を高く
保つことが出来るという効果もある。さらに、セルフピ
アシングスタッドを安価な鋼材で製造しても固着強度を
低下させないという効果もある。なお更に、本発明の方
法では、製造現場で煙が発生しないために、環境をクリ
ーンな状態に保つことが出来るという効果もある。

【００２６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のセルフピアシングスタッドの１実施例
の側面図と縦断面図をそれぞれ左側半分と右側半分に示
すもの。

【図２】図１のセルフピアシングスタッドの底面図。

【図３】本発明のセルフピアシングスタッドの金属パネ
ルへの固着方法の１実施例において、固着工程開始状態
を縦断面図で示すもの。

【図４】本発明の固着方法の１実施例において、セルフ
ピアシングスタッドの打込固着部が金属パネルの上面に
当接した状態の縦断面図。

【図５】本発明の固着方法の１実施例において、セルフ
ピアシングスタッドの打込固着部が金属パネルの、セル
フピアシングスタッドのフランジ部の回りの周辺部をダ
イボタンの固着孔内に押し込んでいる状態を示す縦断面
図。

【図６】本発明の固着方法の１実施例においてセルフピ
アシングスタッドのフランジ部と打込固着部が金属パネ
ルの、セルフピアシングスタッドのフランジ部の回りの
周辺部を更に絞ってダイボタンの固着孔とセルフピアシ
ングスタッドのフランジ部との間に形成された空間に充
填させて行くと共に金属パネルからスクラップを打ち抜
いている状態を示す縦断面図。

【図７】本発明の固着方法の１実施例においてセルフピ
アシングスタッドの打込固着部が金属パネルの周辺部に
完全に固着されると共に打ち抜かれたスクラップがダイ
ボタンの中心孔内を落下しつつある状態を示す縦断面
図。

【図８】図３乃至図７に示す工程によって図１のセルフ
ピアシングスタッドを金属パネルに固着した状態を左半
分は側面図で、右半分は縦断面図で示したもの。

【図９】本発明のセルフピアシングスタッドの他の実施
例の側面図と縦断面図をそれぞれ左側半分と右側半分に
示すもの。

【図１０】図９の実施例のセルフピアシングスタッドを
金属パネルに固着した状態を左半分を側面図で、右半分
を縦断面図で示したもの。

【符号の説明】

１セルフピアシングスタッド２フランジ部２ａ外縁アール部２ｂ回転止め３打込固着部５外端面６外周面７打抜縁８プランジャ９ダイボタン１０取付中心孔１４固着孔１５絞り縁１９押圧面２０押圧突起部２２周辺部２３空間２４せん断刃２５スクラップ２７インバース部２８環状突起部３１打抜縁

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】セルフピアシングスタッドのフランジ部
の一端面に形成された大略円錐台形の袴状の打込固着部
でダイボタン上に設置した金属パネルを押圧して、前記
ダイボタンの上面内に形成された、前記フランジ部の直
径よりも該金属パネルの厚さの１．０乃至１．４倍だけ
大きな直径を有する絞り縁から前記ダイボタンのスクラ
ップ落下用中心孔と交わるせん断刃まで滑らかに収斂す
る凹状の固着孔内に前記金属パネルの、前記打抜固着部
の周囲に位置した周辺部を凹状に変形させて行く第１工
程と、次いで、前記絞り縁と前記せん断刃とにより前記金属パ
ネルからスクラップを打ち抜くと共に、前記金属パネル
の前記周辺部を、前記絞り縁と前記フランジ部の外縁ア
ール部とによって絞り延伸させながら前記フランジ部の
前記一端面で前記固着孔内に更に押入充填させる第２工
程と、最後に、前記プランジャの前記一端面と前記プランジャ
の押圧面の外縁の環状押圧突起部とで前記金属パネルの
前記周辺部を前記固着孔内に押入して前記スタッドの前
記打抜固着部と前記フランジ部に固着する第３工程とに
より成るセルフピアシングスタッドの金属パネルへの固
着方法。
【請求項２】金属パネルを載置しこれから打ち抜かれ
るスクラップを落下させる中心孔を有するダイボタン
と、該ダイボタンに共軸に前記金属パネルの上方に設定
され、フランジ部の一端面にこれと共軸に打込固着部を
形成した鋼製セルフピアシングスタッドを内部に受け該
セルフピアシングスタッドの該フランジ部を前記ダイボ
タンの方へ押圧するプランジャとから成り、該プランジ
ャの押圧により先ず該打込固着部で前記金属パネルから
前記スクラップを打ち抜くと共に前記ダイボタンと共同
して該打込固着部を該金属パネルの、該スクラップの打
ち抜きにより形成された打抜孔の周辺部を前記打込固着
部に固定するためのセルフピアシングスタッドの金属パ
ネルへの固着用プランジャ−ダイボタン・アセンブリー
において、前記ダイボタンは、上縁が前記中心孔に共軸
に形成され前記セルフピアシングスタッドの前記フラン
ジ部の直径よりも前記金属パネルの厚さの１．０倍乃至
１．４倍だけ大きな直径を有する絞り縁となっており該
フランジ部の前記一端面側の外縁アール部の曲率よりも
前記金属パネルの厚さの０．５倍乃至０．７倍だけ大き
な曲率で前記絞り縁の下部近傍から前記中心孔へ収斂し
て行く固着孔とを具備して成ることを特徴とするセルフ
ピアシングスタッドの金属パネルへの固着用プランジャ
−ダイボタン・アセンブリー。
【請求項３】前記プランジャは、その前記金属パネル
側端面の外縁部に該金属パネルの前記打抜孔の前記周辺
部を押圧する環状押圧突起部が形成されていることを特
徴とする請求項２に記載のセルフピアシングスタッドの
金属パネルへの固着用プランジャ−ダイボタン・アセン
ブリー。
【請求項４】フランジ部と、該フランジ部の一端面に
該フランジ部に共軸に形成された打込固着部と、該フラ
ンジ部の他端面に該フランジ部と共軸に形成された接続
部とを有する鋼製セルフピアシングスタッドにおいて、該打込固着部は、外部に向けて増径する中空円錐台形を
成し、該打込固着部の外周面と該打込固着部との外端面
とで前記フランジ部の直径より小さな直径を有するスク
ラップ打抜用の打抜縁を形成すると共に、前記フランジ
部の外周面と前記一端面と前記打込固定部の外周面とを
金属パネルの打抜孔の周辺部に固着させる構成としたこ
とを特徴とするセルフピアシングスタッド。
【請求項５】フランジ部と、該フランジ部の一端面に
該フランジ部と共軸に形成された打込固着部と該フラン
ジ部の他端面に該フランジ部に共軸に形成された接続部
とを有する鋼製セルフピアシングスタッドにおいて、該打込固着部は、外部に向けて増径する円錐台形の中空
打込固着部と該中空打込固着部の外端の外周部に形成さ
れた環状突起部とを有し、該環状突起部の外端とその外
周面とでスクラップ打抜用の打抜縁を形成すると共に、
前記フランジ部の外周面と前記一端部と前記打込固着部
の外周面と前記環状突起部で形成される空間部に金属パ
ネルの打抜孔の周辺部を受けて固着させる構成としたこ
とを特徴とするセルフピアシングスタッド。
【請求項６】前記打込固定部の傾角は１３゜乃至２０
゜であることを特徴とする請求項４又は５に記載のセル
フピアシングスタッド。