JPH0521203U

JPH0521203U - 導光板

Info

Publication number: JPH0521203U
Application number: JP6914691U
Authority: JP
Inventors: 心平二宮
Original assignee: オーツタイヤ株式会社
Priority date: 1991-08-29
Filing date: 1991-08-29
Publication date: 1993-03-19

Abstract

(57)【要約】【目的】遮光膜8 の着設を従来の接着剤・粘着剤以外
のもので行い、接着剤・粘着剤による光漏れや作業性等
の問題が生じることがなく、また高輝度が得られる導光
板を提供することを目的とする。【構成】光拡散層1 、透明樹脂板2 、光乱反射層3 、
光反射層4 がこの順序で積層された積層体A の少なくと
も一側面に離間して光源5 が付設され、他側面に遮光膜
8 が着設された導光板において、前記遮光膜8 が熱転写
手段，真空蒸着手段，スパッタ手段，ＣＶＤ手段等の少
なくとも接着剤・粘着剤を使用しない手段にて着設し、
構成させている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液晶テレビ、パソコン等の液晶表示板として用いられる導光板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

導光板は、図５の断面説明図で示すように、発光面である光拡散層21、アクリル樹脂等からなる透明樹脂板22、光を均一にするために傷やスクリーン印刷等の加工が施された光乱反射層23、光を反射させるための光反射層24がこの順序で積層された積層体B であり、その少なくとも一側面に離間して光源25が付設され、他側面には入射した光の漏洩防止のために遮光フィルム26が着設されている。

【０００３】前記遮光フィルム26はポリエステルフィルム27の内面に銀蒸着フィルム28を貼付したもので、その外面はフィルム保護カバー29として、その表面30には背面処理剤が塗布され、表面処理がなされている。この遮光フィルム26を前記導光板の他側面に着設する際は、従来透明の接着剤、或いは粘着剤31を用いていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように遮光フィルム26を接着剤、或いは粘着剤31を用いて他側面に着設した導光板は、遮光フィルム26とそのフィルム26を着設する積層体B の着設面のとの位置合わせが困難で、例えば、図６に示すように、遮光フィルム26が着設面より短かったり（図６ａ）、はみ出してしまったり（図６ｂ）して、遮光フィルム26を正確に着設面に貼ることができないために、光漏れ等が発生したり、接着剤・粘着剤31の接着力が弱いため、剥離する恐れもあった。また、使用した接着剤・粘着剤31が側面以外の部分に付着する恐れがあり、特に発光面（光拡散層21 ）に付着すると導光板そのものが欠陥品となり、使用できないことも生じていた。よって位置合わせにかなりの時間を要し、作業性が大変悪かった。

【０００５】更に、前記遮光フィルム26に投射した光源25からの光は、前記接着剤・粘着剤 31によってかなり吸収されるため、遮光フィルム26で反射される光量が減少し、全体輝度が非常に低かった。

【０００６】そこで、本考案の導光板では遮光フィルムの着設を従来の接着剤・粘着剤以外のもので行い、上記のような接着剤・粘着剤による光漏れや作業性等の問題が生じることがなく、また高輝度が得られる導光板を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じる。即ち、光拡散層、透明樹脂板、光乱反射層、光反射層がこの順序で積層された積層体の少なくとも一側面に離間して光源が付設され、他側面に遮光膜が着設された導光板において、前記遮光膜が熱転写手段，真空蒸着手段，スパッタ手段，ＣＶＤ手段等の少なくとも接着剤・粘着剤を使用しない手段にて着設されていることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

本考案に係る導光板は、遮光膜が熱転写手段, 真空蒸着手段, スパッタ手段, ＣＶＤ手段等によって着設され、接着剤や粘着剤が使用されていないので、光源からこの導光板に入射した光は、遮光膜により吸収されることが殆どなく、光量の損失が最小限に抑えられ、高輝度が得られる。

【０００９】

【実施例】

以下、図面に基いて本考案の実施例を詳述する。

【００１０】本考案に係る導光板は、図１の断面説明図で示すように光拡散層1 、透明樹脂板2 、光乱反射層3 、光反射層4 がこの順序で積層された長方板状の積層体A であり、前記光拡散層1 はアクリル樹脂、ポリカーボネート、ＡＳ，ＰＥＴ等の光透過率の良い透明フィルムより形成されており、光を拡散発光させる発光面となっている。

【００１１】前記透明樹脂板2 は透明アクリル樹脂等に形成された厚さ1.0 〜12.0mmのものであり、また、光乱反射層3 は、前記透明樹脂板2 に直接、傷やスクリーン印刷（ドット印刷）等の散点状加工が施されたものである。

【００１２】前記光反射層4 はポリエステルフィルムの内面に銀蒸着フィルムを貼付した反射フィルムより形成されており、光を反射させる反射面となっている。

【００１３】上記のように構成された積層体A の一側面、或いは両側端面外方に離間して光源5 が付設されている。この光源5 には、通常熱陰極管ランプが使用されているが、導光板の薄型化・軽量化に対応して冷陰極放電管ランプが使用されることが多い。

【００１４】また、前記積層体A から光源5 の外周を覆って例えば塩化ビニルフィルム等の遮光用カバー6 が設けられており、その内面には銀色或いは金色着色箔、アルミ箔、アルミコート銀紙、アルミコートフィルム等の金属蒸着シート7 が貼付されている。

【００１５】前記光源5 が付設されていない他側面には、遮光膜8 が着設されている。この遮光膜8 はアルミニウム、金又は銀等の金属9 からなる1 μm 〜100 μm の厚さのもので、前記金属9 が蒸着されたプラスチックフィルム10や白色インク等で処理された樹脂フィルム、或いはこれらを複数層に積重したフィルムなどが使用され、下記方法にて、その金属9 のみが積層体A の着設面に熱転写されている。

【００１６】例えば、図２の模式図で示すように、先ず、前記積層体A の遮光膜8 を転写しようとする面を上方に向けて、被検体である積層体A をセッティング台に載置する。その上部に加熱手段を内設したプレス板11を設け、このプレス板11は上下方向移動自在にしておく。

【００１７】前記積層体A とプレス板11の間に、送りローラ12と巻取ローラ13とで移送可能にした前記金属9 を蒸着したフィルム10を、その蒸着面が積層体A 側になるようにセットする。

【００１８】そして、プレス板11を加熱し、その状態のプレス板11を下方に移動させ、積層体A の着設面を前記フィルム10を介して１／数秒間加圧する。その後、前記加圧を解除し、プレス板11をを上方に退避させる。そして、次に、前記送りローラ12 及び巻取ローラ13を駆動させ、巻取ローラ13で残存フィルム10' を巻き取る。そうすると、着設面のみに金属9 が熱転写されると同時に、フィルム10から自然と剥離し、遮光膜8 として積層体A に着設される。

【００１９】前記遮光膜8 を着設する際は、積層体A １体ずつ行ってもよいが、図３に示すように数体を並列させ、一度に熱転写させることも可能となり、これによって、遮光膜8 を接着剤や粘着剤にて着設していた従来のものに比べてかなり生産性の向上が図れる。尚、前記加熱加圧手段は、プレス板11だけでなく、加熱ローラーのようなものでも可能で、特に限定されるものではない。また、前記プレス板11の加圧に当たっては、加圧5 〜60kg／cm²、温度120 〜200 ℃にて行うのが好ましい。

【００２０】前記遮光膜8 を着設する手段としては、上記熱転写の他に、真空蒸着法、スパッタ法、オフセット印刷、ＣＶＤ法、塗料の塗着等が挙げられ、これらによる着設手段は、従来公知の方法を使用すればよく、その詳細については省略する。

【００２１】次に、図１で示す本考案の実施例と図５で示す従来例との導光板を実際に使用するに当たって、双方の輝度を比較してみた。その測定結果を以下説明する。尚、本考案の実施例と従来例での導光板は、素材、全体の大きさ及び光源の種類・個数・強さ等について互いに同一であるものを比較したものであり、使用した導光板は以下に記すようなものである。

【００２２】〈実施例及び従来例共通条件〉導光板の厚み：1.5 mm 全体の大きさ：234.5 mm ×145.0 mm 光源の種類・個数：短辺入光，例陰極放電管１本（φ4.8mm ）使用遮光フィルムの種類：ポリエステルフィルムに銀蒸着〈実施例の条件〉遮光膜の着設方法：熱転写手段〈従来例の条件〉遮光フィルムの着設方法：接着剤（アクリル系の樹脂）

【００２３】上記のように、異なる２種類の導光板を用いて、輝度比較測定を、図４に示す有効発光面上の縦軸Ｉ，II，III と横軸Ｘ，Ｙ，Ｚとの各交点９点にて行い、その平均輝度を指数で示すと下記表のようになった。なお、表内の数値の単位はcd /m²である。

【００２４】

【表１】

【００２５】上記表の比較測定結果、実施例での全体平均輝度が２９１cd/m²、従来例での全体平均輝度が２６３cd/m²を示し、輝度の向上が見られる。

【００２６】

【考案の効果】

本考案による導光板は、遮光膜8 が熱転写手段, 真空蒸着手段, スパッタ手段ＣＶＤ手段等によって着設され、従来のように接着剤、或いは粘着剤31を用いる必要がなくなったので、光がこの接着剤・粘着剤31に吸収されることがなく、光量の損失が最小限に抑えられ、高輝度が得られる。

【００２７】また、前記接着剤・粘着剤31を使用するに当たって生じていた、剥離や光漏れ等の機能性の問題、位置合わせ等の作業性の問題を一気に解決することができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面説明図である。

【図２】熱転写による遮光膜の着設を示す説明図であ
る。

【図３】他の熱転写による遮光膜の着設を示す説明図で
ある。

【図４】輝度の測定箇所を示す正面図である。

【図５】従来例を示す断面説明図である。

【図６】従来の接着剤・粘着剤による遮光フィルムのの
着設を示す説明図である。

【符号の説明】

Ａ積層体２透明樹脂板８遮光膜１１プレス板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】光拡散層(1) 、透明樹脂板(2) 、光乱反
射層(3) 、光反射層(4) がこの順序で積層された長方板
状の積層体(A) の少なくとも一側面に離間して光源(5)
が付設され、他側面に遮光膜(8) が着設された導光板に
おいて、前記遮光膜(8) が熱転写手段，真空蒸着手段，
スパッタ手段，ＣＶＤ手段等の少なくとも接着剤・粘着
剤を使用しない手段にて着設されていることを特徴とす
る導光板。