JPH05211856A - トリテルペン配糖体を有効成分とする飲食物添加剤及びそれを添加してなる飲食物 - Google Patents

トリテルペン配糖体を有効成分とする飲食物添加剤及びそれを添加してなる飲食物

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JPH05211856A
JPH05211856A JP4040653A JP4065392A JPH05211856A JP H05211856 A JPH05211856 A JP H05211856A JP 4040653 A JP4040653 A JP 4040653A JP 4065392 A JP4065392 A JP 4065392A JP H05211856 A JPH05211856 A JP H05211856A
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JP
Japan
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food
triterpene glycoside
drink
additive
active component
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Pending
Application number
JP4040653A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikito Atsuji
幹人 厚地
Katsumi Hikimoto
勝巳 引本
Chiaki Yamashita
千明 山下
Yoshio Iwasaki
善雄 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kowa Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kowa Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糖の吸収抑制作用を有するトリテルペン配糖
体を有効成分とする飲食物添加剤及びそれを配合した糖
の吸収作用の抑制された飲食物を提供する。 【構成】 ビター40g、砂糖50g、カカオバター1
0g及び30mgの1−〔3β−(16β,28−ジヒド
ロキシオレアン−12−エン)オキシ〕−2−O−β−
D−グルコース−β−D−グルクロン酸を配合し、常法
によりチョコレートを製造した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖吸収抑制作用を有す
る新規な化合物であるトリテルペン配糖体を添加した飲
食物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、糖の吸収を抑制する物質としてフ
ロリジンやギムネマ酸及びジジフイン等の配糖体が知ら
れているが、ギムネマ酸及びジジフイン等は渋味、苦味
を呈すると共に甘味抑制作用を有しており、飲食物添加
剤としては好ましくないものであった。
【0003】本発明者等は、先に、インド、ミャンマ
ー、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、中国
等東南アジアに広く分布している植物であるギムネマ
イノドラム( Gymnema inodorum )の葉に、渋味、苦味等
の不快な味を有せず、且つ甘味抑制作用がなく、糖類の
吸収抑制作用を有する成分を含有していることを見いだ
し、該植物の葉を乾燥、焙煎して茶の形態にしたもの、
或いはギムネマ イノドラムの葉を熱水やアルコール等
で抽出し、これを濃縮乾燥した抽出成分を錠剤又は顆粒
状とした糖質吸収抑制剤を提案した(特開平3−172
156号公報)。
【0004】その後、上記抽出成分中の有効成分につい
て鋭意研究していたところ、上記有効成分の単離に成功
し、該成分を飲食物に添加することにより、糖質の吸収
を有効に抑制しうることを見いだした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、渋味、苦味
を付与することなく、且つ甘味抑制作用を有しない、糖
質の吸収の抑制された飲食物を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の一般式
(I)で示されるトリテルペン配糖体を添加した飲食物
である。
【0007】
【化1】
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。本発明で
用いられるトリテルペン配糖体は、上記一般式(I)で
示される1−〔3β−(16β,28−ジヒドロキシオ
レアン−12−エン)オキシ〕−2−O−β−D−グル
コース−β−D−グルクロン酸であって、ガガイモ科の
ギムネマイノドラムの葉を水、メタノール、或いは、水
−メタノール、水−エタノール等の混合溶媒で抽出し、
粗精製工程を経て液体クロマトグラフィー等のクロマト
グラフィーで単離・精製することによって得られる。
【0009】上記トリテルペン配糖体は、腸管における
グルコースの吸収を抑制し、急激な血糖値の上昇を抑え
るという生理活性を有する化合物である。従って、該化
合物を飲食物に添加する場合、飲食物に含まれている糖
類、或いは飲食物の消化によって生成する糖類の吸収を
抑制するので、健康飲食品或いは血糖値の上昇の好まし
くない糖尿病患者用飲食品として好ましいものである。
【0010】本発明の対象である飲食物としては、各種
のジュース類、キャンデー、チョコレートの外あらゆる
菓子類、アイスクリーム類その他麺類、米、モチ、甘味
料、ジャム、酒類等糖類を含んでいる飲食品は勿論、ト
リテルペン配糖体のグルコース吸収抑制作用は2〜3時
間持続するので、糖類を含んでいない飲食物、例えば飲
用水、お茶、漬物等に添加してもよく、また、正油、味
噌、マヨネーズ等の調味料に添加してもよい。
【0011】トリテルペン配糖体の添加量は、少量でも
それなりの効果はあるが、通常飲食物の中に含有されて
いる糖分50〜60gに対して1〜300mg加えればよ
く好ましくは10〜90mgの範囲内の量である。300
mg以上加えても良いが、これ以上加えても効果が頭打ち
になり、経済的に好ましくない。
【0012】つぎに、本発明で用いるトリテルペン配糖
体の製造例を示す。
【0013】製造例1抽出工程 ギムネマ イノドラムの葉を60℃で16時間乾燥し約
2mmカットに粉砕し、得られた乾燥粉砕葉100gに、
メタノール1リットルを加え還流攪拌下に2時間抽出し
ろ別した。
【0014】水溶性塩基成分の除去 ろ液にセライト30gを添加し、減圧乾固(80℃/エ
バポレータ)し、乾固物51.2gをHClでpH2に調
整した蒸留水1リットルで2回洗浄しろ別し、残渣を乾
燥した。
【0015】脱脂・粗結晶化 乾燥残渣41.0gを石油エーテル200ccで2回繰り
返して洗浄し、ろ別し、乾燥残渣36.8gをアセトン
200ccで2回繰り返して室温で抽出してろ別し、ろ液
の乾固物5.3gを炭酸ジエチル100ccで還流抽出を
3回繰り返した。この抽出液は保温ろ過し、ろ液から析
出した結晶をろ別後真空乾燥することにより粗結晶1.
4gを得た。
【0016】目的フラクションの分取 ついで、粗結晶をメタノールに溶解し、10%(w/
v)メタノール溶液とし分取用HPLCにて目的とする
フラクションを分取した(1cc×10回)。HPLCに
よる分取条件は次のとおりである。 HPLC機種:東ソー8010シリーズ システムコントローラー SC-8010 カラムオーブン C
O-8010 ポンプ CCPP-M フラクションコレ
クター FC-8010 他 紫外可視検出器 UV-8010 分取カラム :TSKゲル ODS-80TM (21.5mmID
×30cm) 溶離液組成 :H2 O/CH3 CN/CH3 COOH=
50/50/0.1(アイソクラチック) 流 量 :6ml/分 検出波長 :210nm 注入量 :1000μl(試料濃度10%)×10
回繰り返し 分取フラクション:31.0〜33.0分(ピークタイ
ム=32.02分) 分取量 :105mg HPLCによる分画チャートを図1に示す。
【0017】再結晶 前記工程で得られた分取フラクション溶離液120ccを
減圧乾固し(105mg)、10ccのアセトンに加熱溶解
した後、少し白濁するまで(アセトンとほぼ等量)熱ク
ロロホルムを加え、再度湯煎で加熱し完全に溶解した後
放冷し、白色結晶を析出させ、ろ別し、真空乾燥するこ
とにより純度100.00%(HPLCによる)の目的
物であるトリテルペン配糖体58mgを得た。
【0018】得られたトリテルペン配糖体の特性は次の
とおりであった。 融 点:244〜246℃ IRスペクトル:3400(s),2950(s),1
720(m),1650(m),1450(m),13
60(m),1260(m),1205(w),116
0(m),1080(s),1050(s),950
(w),925(w),900(w)cm-1
【0019】つぎに抽出工程において使用できる溶媒及
び抽出条件、抽出効率を示すと次の表1に示すとおりで
ある。
【0020】
【表1】 * ピリジン、炭酸水素ナトリウムを抽出溶媒に添加す
るのは抽出溶媒を塩基性にすると抽出効率が上がるから
である。Na2 CO3 を添加しても良い。
【0021】水溶性塩基成分の除去工程において、ろ液
にセライトを添加したのは、エキスがタール状になり取
り扱いが困難になるのを防止すると共に脱色を目的とし
て添加したものである。セライト以外に、活性炭、シリ
カゲル、ゼオライト等を用いることもできる。
【0022】水溶性塩基成分の除去工程において洗浄水
をpH2にするためにHClを用いたが、塩酸以外に硫
酸、酢酸等他の酸を用いてもよい。
【0023】再結晶工程において使用する溶媒として
は、アセトン/クロロホルム50/50の混合溶媒が望
ましいが、アセトン/シクロヘキサン、アセトン/n−
ヘキサン又はアセトン/ベンゼン混合溶媒を使用しても
よい。
【0024】製造例2抽出工程 実施例1で用いたのと同じ乾燥粉砕葉100gを水/エ
タノール(50/50)1リットルにて2時間還流攪拌
抽出した後ろ過した。
【0025】水溶性塩基成分の除去 抽出工程で得られたろ液にセライト30gを添加し、減
圧乾固した後(80℃/エバポレーター)、得られた乾
固物63.7gをpH2の酢酸水溶液1リットルで2時
間、2回繰り返して洗浄した後ろ別し、残渣を乾燥し
た。
【0026】脱脂・粗結晶化 水溶性塩基成分の除去工程で得られた乾燥残渣42.3
gを石油エーテル200ccで2時間洗浄ろ別し残渣を乾
燥した。得られた乾燥残渣35.6gをアセトン200
ccを用いて室温で2時間抽出し、ろ液を乾固し、該乾固
物5.5gを炭酸ジエチル100ccで3回繰り返して還
流抽出した。ろ液は保温ろ過し、析出した結晶をろ別後
真空乾燥することにより粗結晶1.3gが得られた。
【0027】目的フラクションの分取 得られた粗結晶の10%(w/v)メタノール溶液を用
いて実施例1と同じ分取用HPLCを用いて同様にして
31.0〜33.0分のフラクションを分取し、該フク
ション溶離液120ccを減圧乾固して113mgの結晶を
得た。
【0028】再結晶 該結晶113mgを実施例1と同様アセトン−クロロホル
ム溶媒20ccを用いて再結晶し、ろ過真空乾燥して融点
244〜248℃、純度99.8%(HPLCによる)
の目的化合物であるトリテルペン配糖体72mgを得た。
この化合物のIRスペクトルは製造例1で得られたチャ
ートと一致していた。
【0029】本発明のトリテルペン配糖体は、腸管にお
けるグルコースの吸収を抑制し、急激な血糖値の上昇を
抑えるという生理活性を有し、かつ渋味、苦味等全く有
しない。
【0030】従って、糖類(含でん粉類)を含有する飲
食物に添加することにより糖類の吸収を抑制した飲食物
を提供することができ、また、インスリン分泌の不全に
よって高血糖をきたしている糖尿病患者の場合、腸管か
らの糖の吸収を抑えることにより疲弊した膵臓のインス
リン分泌細胞を保護することにより、糖尿病の治療及び
予防に有効であると解される。
【0031】次に、本発明のトリテルペン配糖体の糖分
の吸収抑制作用を示す。実施例1で得られたトリテルペ
ン配糖体1mg及びCMC50mgを5ccの生理食塩水に加
えることにより得られた懸液を、トリテルペン配糖体
0.5mg/kgの割合でDDY系マウスに経口投与し、6
0分後にシュークロース1g/kgを同様に経口投与し
た。その後15分、30分、60分及び120分毎に眼
底静脈より採血し血糖値を調べた。結果を図2に示す。
【0032】なお、DDY系マウスは、週令6〜8週の
雄で体重25〜28gのものを用い(n=10)試験開
始24時間前から絶食させたものを用いた。空腸時の血
糖値は65±5mg/dlであった。
【0033】つぎに、本発明のトリテルペン配糖体の甘
味抑制試験を行った。試 薬 実施例1で得られたトリテルペン配糖体及びギムネマ酸
1,2を0.01M/lの重曹(NaHCO3 )水溶液
に溶かし0.08%のトリテルペン配糖体溶液を調整し
た。一方、0.1,0.2,0.3,0.4及び0.5
M/lの砂糖水を前もって調整しておき、以下の手続に
よって甘味抑制試験を行った。
【0034】試験手順 1)5mlのトリテルペン配糖体溶液又はギムネマ酸1,
2の溶液を口に含み、口の中全体に行きわたるようにす
る。 2)2分後、試料溶液を吐き出し、蒸留水で口をよくゆ
すぐ。 3)上記砂糖水を濃度の低い方から順次口に含み、最初
に甘さを感じた砂糖濃度を記録する。 結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果から、ギムネマ酸−1は、0.
2M/lの砂糖水まで甘味を抑制し、また、ギムネマ酸
−2は、0.3M/lの砂糖水の甘味を抑制するが、本
発明のトリテルペン配糖体は甘味抑制作用を有しないこ
とがわかる。
【0037】本発明で用いるトリテルペン配糖体は、渋
味、苦味を呈することなく、且つ、糖吸収作用を抑制す
るので、飲食物添加剤として、有用な化合物である。
【0038】なお、ギムネマ酸−1は、式IIで示される
化合物において、Rが式III で表わされ、ギムネマ酸−
2はRが式IVで表わされる化合物である。
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
【実施例】つぎに本発明の実施例(配合例)及び比較例
を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例により何等限定されるものではない。なお、
以下に示す実施例において、トリテルペン配糖体として
は製造例1で得られたものを用いた。
【0043】実施例1 チョコレートの配合例 ビター 40 g 砂 糖 50 〃 カカオバター 10 〃 トリテルペン配糖体 30 mg
【0044】比較例1 比較のため、ギムネマ シルベスタから抽出されたギム
ネマ酸を実施例1でテルペン配糖体と同じ割合で配合し
たチョコレートを製造した。比較例1で得られたチョコ
レートは渋味があり、甘味を感じなかったが、実施例1
で得られたチョコレートはトリテルペン配糖体を添加し
ないものと何等異なるところはなかった。
【0045】実施例2 大福餅の配合例 もち米 50 g 食 塩 0.1g グラニュー糖16g、トリテルペン配糖体30mgを 配合した小豆生あん 50.2g なお、トリテルペン配糖体はもち米(皮)に入れてもよ
い。
【0046】実施例3 うどんの配合例 小麦粉 100 g 食 塩 4 〃 水 40 ml 強力粉 適 量 トリテルペン配糖体 15 mg
【0047】実施例4 ミルクコーヒーの配合例 砂 糖 11.9 g ブドウ糖 5.0 〃 グリチミン 0.2 〃 脱脂粉乳 8.0 〃 カラメル 0.5 〃 コーヒーエキス 1.0 〃 食 塩 0.1 〃 コーヒーフレーバー 0.05ml トリテルペン配糖体 15 mg 上記成分に水を加え180mlのミルクコーヒーを製造し
た。
【0048】実施例5 キャンデー 砂 糖 50 g 水 飴 50 〃 酒石酸 0.15〃 クエン酸 0.35〃 食用色素 適 量 フルーツオイル 0.1 ml トリテルペン配糖体 30 mg 上記成分を用いて常法に従ってキャンデーを製造した。
上記実施例2〜5も実施例1同様に味覚等の異常は認め
られなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、渋味、苦味を有さない
糖吸収作用を抑制するトリテルベン配糖体を有効成分と
する飲食物添加剤及びそれを添加した飲食物を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で得られた粗結晶のHPLCの分画チ
ャートを示す図
【図2】本発明で用いるトリテルペン配糖体の糖分の吸
収抑制作用を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/16 A 2121−4B 1/236 Z 8114−4B 2/00 G 9162−4B 2/38 C 9162−4B P 9162−4B A61K 31/70 ADP 8314−4C 35/78 K 7180−4C // C07H 15/256

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるトリテルペ
    ン配糖体を有効成分とする飲食物添加剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトリテルペン配糖体を含
    有する飲食物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のトリテルペン配糖体を含
    有する菓子類。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のトリテルペン配糖体を含
    有する飲料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のトリテルペン配糖体を含
    有する調味料。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のトリテルペン配糖体を含
    有する甘味料。
JP4040653A 1992-01-31 1992-01-31 トリテルペン配糖体を有効成分とする飲食物添加剤及びそれを添加してなる飲食物 Pending JPH05211856A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08149965A (ja) * 1994-11-30 1996-06-11 Kowa Chem Ind Co Ltd ギムネマ・イノドラム葉エキス、その製法及び用途

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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