JPH05211097A - 照明装置 - Google Patents

照明装置

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JPH05211097A
JPH05211097A JP4185755A JP18575592A JPH05211097A JP H05211097 A JPH05211097 A JP H05211097A JP 4185755 A JP4185755 A JP 4185755A JP 18575592 A JP18575592 A JP 18575592A JP H05211097 A JPH05211097 A JP H05211097A
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、照明に使用して認知・判断力が
低下し難い照明装置の提供を目的とするものである。 【構成】 ヒトの事象関連電位におけるP300波の出
現潜時を実質的に遅延しない光を輻射する照明装置を特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は照明装置、とりわけ、
照明に使用して認知・判断力が低下し難い光を輻射する
照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトが視作業する場合、照明が適切でな
いと認知・判断力が低下することがある。例えば、暗い
ところでVDT作業をすると、データ表示面やキーボー
ドの細かい文字や図形の細部を認知・判断し難くなり、
誤作業したり作業時間が長くなって、作業能率が低下す
る。また、カラーコーディネーションのように微妙な色
の識別が欠かせない作業の場合も、照明が適切でないと
誤作業したり作業時間が長くなって、作業能率が低下す
る。
【0003】このように、作業能率が認知・判断力に大
きく依存する作業では、認知・判断力を高水準に保つこ
とのできる照明が不可欠となる。
【0004】ところが、これまでは照明の明るさや演色
性だけに議論が集中し、照明と認知・判断力との関連性
については議論すら為されなかったのが実情である。
【0005】
【発明により解決すべき課題】この発明は、照明に使用
して認知・判断力が低下し難い照明装置の提供を目的と
するものであり、本発明者等は斯かる照明装置の開発に
当たり、先ず、視作業に伴う認知・判断力の低下を定量
化するパラメータについて鋭意研究した。
【0006】本発明者等が、神経内科や小児科領域にお
いて精神障害者や乳幼児の認知・判断力の臨床検査方法
として知られている事象関連電位(以下、「ERP」と
略記する。)に着目して照明と認知・判断力との関係に
ついて研究したところ、認知・判断力が低下すると、ヒ
トのERPにおけるP300波の出現潜時が遅延する現
象を見出した。同時に、P300波の出現潜時の遅延は
認知・判断力の低下に応じて増大し、遅延の度合を測定
することにより、認知・判断力に及ぼす照明の影響を定
量化し得る事実をも見出した。
【0007】なお、福田正人等、『神経進歩』、第32
巻、第1号、第136〜176頁(1988年)、大澤
美貴雄等、『臨床脳波』、第31巻、第2号、第103
〜109頁(1989年)、榎日出夫、『脳波と筋電
図』、第18巻、第1号、第60〜67頁(1990
年)に記載されているように、ERPとは視覚刺激や聴
覚刺激などの感覚刺激が大脳皮質で処理される過程で誘
発される電位であり、通常、2個の電位波からなる。こ
れら電位波のうち、刺激から300ミリ秒前後の潜時を
置いて出現する陽性のERPはP300波と呼ばれてい
る。なお、刺激から100ミリ秒前後の潜時を置いて出
現する陰性のERPはN100波と呼ばれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記知見に基づき、本発
明者等が種々の光源を検索したところ、ヒトのERPに
おけるP300波の出現潜時を実質的に遅延しない光は
照明に使用して認知・判断力が低下し難く、視作業の能
率や精度の改善を指向する照明装置に好適であることが
判明した。
【0009】すなわち、この発明は、ヒトのERPにお
けるP300波の出現潜時を実質的に遅延しない光を輻
射する照明装置を要旨とするものである。
【0010】
【発明の作用】この発明でいうヒトのERPにおけるP
300波の出現潜時を実質的に遅延しないとは、ある光
照明の下で視作業等をするときに、P300波の出現潜
時がその前後で実質的に変わらないことを意味する。具
体的に言うと、例えば、脳波計を使用する後記方法によ
り測定する場合、視作業負荷前におけるP300波の出
現潜時を100とするとき、約60分間の視作業を負荷
したときの出現潜時の遅延が約7%以内、望ましくは約
5%以内であるものを言う。
【0011】次に、この発明による照明装置の構成につ
いてより具体的に説明すれば、この発明の照明装置は、
ヒトのERPにおけるP300波の出現潜時を実質的に
遅延しない光を輻射する光源と、その光源を付勢する電
源手段を含んでなる。
【0012】斯かる光源には白熱電球が好適であり、そ
れがヒトのERPにおけるP300波の出現潜時を実質
的に遅延させない光を輻射するかぎり、何れもこの発明
で使用することができる。個々の白熱電球としては、例
えば、キセノンガス封入白熱電球、クリプトンガス封入
白熱電球、アルゴンガス封入白熱電球などが挙げられ、
いずれも光特性がよい、取扱い易い、廉価に製造できる
などの特徴がある。
【0013】ところで、光が認知・判断力に及ぼす影響
とその光に含まれる紫外線成分との間には密接な関係が
ある。本発明者等は、白熱電球が輻射する光であって、
紫外線、とりわけ、波長約290乃至400ナノメート
ルの紫外線に富む光は、照明に使用して認知・判断力を
極めて高水準に保つことを見出した。このことから、何
れの白熱電球の場合でも、紫外線が透過し易い、例え
ば、軟質ガラス製や石英ガラス製の管球を用いるのが望
ましい。例えば、白熱電球を光源とし、その定格を上回
る直流電圧、望ましくは定格の約105乃至130%の
直流電圧で付勢するときには、上記波長域における光エ
ネルギー(ワット/ナノメートル/平方センチメート
ル)が定格通りの電圧で付勢するときの約2乃至10
倍、望ましくは約2乃至7倍となる。
【0014】白熱電球のうちでも、タングステンフィラ
メントを内封するガラス管球に本質的にキセノンガスと
窒素ガスからなる組成物を封入せしめたキセノンガス封
入白熱電球や、同様のガラス管球にクリプトンガスと窒
素ガスを含んでなる組成物を封入せしめたクリプトンガ
ス封入白熱電球は著しく長寿命であることに加え、ヒト
のERPにおけるP300波の出現潜時を実質的に遅延
させない光を容易に輻射させることができるという特徴
があり、この発明の光源として特に優れている。
【0015】キセノンガス封入白熱電球の場合、定格電
圧、定格電力、ガラス管球の材質・仕上げなどにも依る
けれども、ガラス管球に封入する組成物には、通常、約
15体積%を越え約80体積%を越えない範囲、望まし
くは約20乃至75体積%の範囲のキセノンガスが配合
使用される。キセノンガス本来の望ましい光特性と長寿
命を充分発揮させるためには、適度のアーク開始電圧を
維持しながら、キセノンガスの配合割合をできるだけ大
きくするのが望ましい。組成物の封入量としては、通
常、ガラス管球の内圧が点燈時に約700乃至800ト
ールになるように設定する。
【0016】上述のような光源に所期の光を輻射させる
には、通常、その定格を越える電圧、望ましくは定格の
約105乃至130%の電圧、さらに望ましくは直流電
圧で付勢すればよい。上記範囲外の電圧で付勢するとき
には、たとえ、その電圧が直流であっても、ヒトのER
PにおけるP300波の出現潜時が実質的に遅延するよ
うになり、所期の目的を達成し難くなる。すなわち、付
勢電圧が上記範囲を下回ると、フィラメント温度が低下
して輻射光における赤外線成分が著増してしまい、視覚
による所期の認知・判断力を維持し難くなる。一方、付
勢電圧が上記範囲を上回ると、全光束が著増し、色温度
も上昇するものの、グレアが顕著となり、却って認知・
判断力を低下させる結果となる。しかも、高付勢電圧は
白熱電球の寿命を著減することから、総合的に判断して
上記範囲をもって最良とする。用途に依るけれども、こ
のときの全光束は、通常、約600乃至1,300ルー
メンとするのがよい。
【0017】次に、白熱電球を斯かる電圧で付勢する電
源手段について説明すると、白熱電球に上記電圧を供給
し得るものであれば、何れもこの発明で使用することが
できる。例えば、白熱電球が定格電圧100若しくは1
10ボルト、定格電力40乃至100ワットの定格のも
のであれば、電灯線などの交流電源よりの交流をコンデ
ンサなどの平滑手段を有する整流回路により直流化して
得られる約105乃至140ボルトの直流電圧で付勢す
ればよい。
【0018】望ましい電源手段のより具体的な構成とし
ては、(i) 本質的に交流を直流化するための整流回路か
らなる通常の電源、(ii)交流を直流化するため整流回路
と、その整流回路の出力端に接続された主電路を有し、
高速でオン・オフ可能なスイッチング素子と、そのスイ
ッチング素子の主電路に接続され、その高周波の出力電
圧を直流化する平滑回路と、その平滑回路の出力端に接
続され、その出力電圧を基準電圧と比較する帰還増幅回
路と、その帰還増幅回路における制御信号のパルス幅を
変調してスイッチング素子をオン・オフ制御するパルス
幅変調回路を含んでなるスイッチング電源、さらには、
(iii) 交流電源に接続された入力端と白熱電球に接続さ
れた出力端とを有する交流を直流化するための整流回路
と、前記交流電源と整流回路との間に介挿された主電路
を有する制御整流素子と、その制御整流素子の制御極に
接続された出力端を有し、制御整流素子の導通を交流電
源における零交差点の時間間隔に基づいて位相制御する
位相制御手段とを含んでなる位相制御電源が挙げられ
る。
【0019】前記(i) の電源手段としては、例えば、特
開昭61−193398号公報、同62−185516
号公報及び同63−88792号公報に開示された電源
手段が好適である。また、前記(ii)の電源手段として
は、例えば、特願平3−55743号明細書に開示され
た電源手段が好適である。
【0020】前記(iii) の電源手段の例としては、交流
電源に接続された入力端と白熱電球に接続された出力端
とを有する交流を直流化するための両波整流回路と、前
記交流電源と整流回路との間に介挿された主電路を有す
る双方向導通制御整流素子と、その双方向制御整流素子
の制御極に接続された出力端を有し、双方向制御整流素
子の導通を交流電源における零交差点の時間間隔に基づ
いて位相制御するマイクロコンピュータ化された位相制
御手段とを含んでなるものが好適である。斯かる電源手
段は位相制御が極めて安定しており、調光機能を賦与す
ることも容易である。また、位相制御手段をマイクロコ
ンピュータ化するときには、照明装置における電気的構
成部分を比較的少ない部分で構成できるので、高性能の
照明装置を廉価且つ小型に製作することが容易となる。
【0021】なお、何れの電源手段においても、電源投
入時にフィラメント及び/又は平滑手段に流入すること
ある突入電流を制限するための突入電流制限回路を設け
たり、さらには、フィラメント断線時に白熱電球を含む
電路に流入することあるアーク放電電流を制限するたの
アーク放電制限回路を設けてもよい。この場合も、前記
(iii) の電源手段は、位相制御手段にソフトスタート機
能を賦与するとともに、その位相制御手段に白熱電球を
含む電路における異常電流を検知する異常電流検出回路
を連動させることにより、これら突入電流やアーク放電
電流をより簡便且つ効果的に制限するので極めて好都合
である。
【0022】この発明の照明装置の形状・形態は、その
用途に依って適宜のものとすることができる。
【0023】すなわち、この発明の照明装置により、例
えば、個人住宅、マンション、アパート、団地などの住
宅や、例えば、図書館、学校、スタジオ、美容院、病
院、工場、社屋、事務所、旅館、ホテル、レストラン、
宴会場、結婚式場、会議場、商店、スーパーマーケッ
ト、デパート、美術館、博物館、演奏会場、ホール、航
空機、車輌、体育館、競技場、蓄舎、鶏舎、養魚場、動
物工場、植物工場などの各種施設の室内外を照明するに
は、前述のような光源とそれを付勢するための電源手段
を、例えば、アームライト、デスクランプ、ハリケーン
ランプ、テーブルランプ、ミニランプなどの卓上照明器
具か、或は、例えば、棚下付け灯、天井付け灯、ダウン
ライト、壁付け灯、吊り下げ灯、シャンデリア、スワッ
グランプ、フロアランプ、庭園灯、門灯などの室内外用
照明器具に収容するか取付けるとともに、それら照明器
具を住宅や施設における書斎、アトリエ、子供部屋、寝
室、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、ト
イレ、洗面所、浴室、廊下、階段、バルコニー、玄関、
閲覧室、教室、ホール、ロビー、待合室、治療室、手術
室、制御室、事務室、製図室、実験室、ラウンジ、客
室、クラークルーム、調理室、運転室、飼育室、栽培室
における室内外の適所に据付けるか取付ければよい。
【0024】この発明による照明装置のよりシステマテ
ィックな用途においては、この発明の照明装置をユニッ
ト化するとともに、そのユニットの複数を住宅や施設の
適所に配設し、それらユニットに、例えば、調光回路や
切換回路などを設けた照明制御システムにより個別配線
方式、専用線多重方式、電話回線利用方式、電力線搬送
方式及び光ファイバ方式などの有線式制御方法か、或
は、電波式、光線式、超音波式及び人工音式などの無線
式制御方法の一又は二以上の制御方法を適用する。これ
により、この発明による複数の照明ユニットを照明パタ
ーン制御、タイムスケジュール制御、昼光センサ連動制
御、壁スイッチ制御、集中制御及び/又は調光制御する
ことが可能となる。これは、大型住宅や施設における室
内外の照明に有用である。とりわけ、住宅においては、
ホームバスシステムを利用することにより、この発明の
照明装置の一又は複数を他の電気機器とともに統合制御
することも可能である。斯かる用途においては、複数光
源を付勢するのが容易である、調光が容易である、大電
力供給が容易である、小型・軽量化が容易であるなどの
点で、前述の(ii)又は(iii) の電源手段を用いる照明装
置が有利である。
【0025】以下、図示実施例を参照しながら、この発
明の照明装置について説明する。
【0026】
【実施例】図1に示すのは、この発明による一実施例に
おける電気的構成部分の回路図である。
【0027】図中、D1はブリッジダイオードであり、
その入力端は電灯線などの交流電源ACに接続されてい
る。ブリッジダイオードD1と交流電源ACとの間には
双方向導通制御整流素子DCRの主電路及び抵抗R1が
介挿されている。ブリッジダイオードD1の出力端には
平滑手段としてのコンデンサC1と一又は複数の白熱電
球1が並列接続されている。
【0028】抵抗R1は主電路に発生することある異常
電流を検出するためのものであり、その両端は異常電流
検出回路2の入力端に接続されている。
【0029】3は双方向導通制御整流素子DCRを位相
制御するためのマイクロコンピュータであり、通常、I
Cチップの形態で提供される。マイクロコンピュータ3
には、交流電源ACにおける零交差点を検出し、零交差
点間の時間間隔を計測して交流電源ACの周波数を判定
する零交差点検出機能、双方向導通制御整流素子DCR
の制御極Gに予め設定した割合で位相角が漸増する駆動
信号を供給する位相制御機能、外付けされる調光用可変
抵抗と連動して駆動信号の位相角を設定するアナログ/
デジタル変換機能などが賦与されている。
【0030】マイクロコンピュータ3の交流信号入力端
子INは抵抗R2を介して双方向導通制御整流素子DC
RのT1端子に接続されており、マイクロコンピュータ
3はこのT1端子における電圧に基づいて交流電源AC
の零交差点を検出する。一方、マイクロコンピュータ3
の駆動信号出力端子OUTは抵抗R3を介して双方向導
通制御整流素子DCRの制御極Gに接続されており、マ
イクロコンピュータ3の発生する駆動信号は抵抗R3を
介して制御極Gに供給される。マイクロコンピュータ3
の調光信号入力端子A/Dは調光用可変抵抗器VRの移
動子に接続されており、アナログ/デジタル変換機能は
この移動子の固定位置に基づいて駆動信号の位相角を設
定する。調光用可変抵抗器VRの固定子は、マイクロコ
ンピュータ3の電源端子VDD及びVSSに接続されて
いる。マイクロコンピュータ3の電源端子VSS及びV
DDは、抵抗R4及びダイオードD2を介して双方向導
通制御整流素子DCRのT1端子及びT2端子に接続さ
れている。電源端子VSS及びVDDには定電圧ダイオ
ードD3とコンデンサC2が並列接続されており、双方
向導通制御整流素子DCRのT1端子とT2端子との間
に発生する電圧は抵抗R4を経てダイオードD2により
整流され、コンデンサC2により平滑され、定電圧ダイ
オードD3により安定化された後、マイクロコンピュー
タ3に供給される。異常電流検出回路2の出力端は、マ
イクロコンピュータ3のリセット端子RESETに接続
されており、異常電流検出回路2からリセット信号が供
給されると、位相制御機能が駆動信号の供給を停止して
双方向導通制御整流素子DCRを消弧するようになって
いる。
【0031】次に、本実施例の動作について説明する
と、電源が投入されると、マイクロコンピュータ3は零
交差点検出機能により検出した零交差点に基づき図2の
aに示すパルスを形成し、その時間間隔から交流電源A
Cの周波数を判別する。次いで、図2のbに示す交流電
源ACの立上りエッジ及び立下りエッジから一定時間だ
け遅延する駆動パルスを双方向導通制御整流素子DCR
の制御極Gに供給し、双方向導通制御整流素子DCRは
この駆動パルスによって点弧する。図2のbに示すよう
に、駆動パルスの位相角は最初小さく、爾後、一定時間
をかけて漸増するように設定される。これにより、双方
向導通制御整流素子DCRの主電路を通過する電流は、
図2のcにおいて黒色表示したように、時間の経過に伴
って増大する波形となる。そして、このときのダイオー
ドブリッジD1による整流波形は、図2のdにおいて黒
色表示したようになる。ダイオードブリッジD1の整流
出力はコンデンサC1により平滑され、白熱電球1両端
には、図2のeに示すように時間の経過に伴って電圧値
が漸増する直流が印加されることとなる。一般に、交流
電源ACの周波数が変わると、コンデンザC1両端の電
圧が若干変わる。本例では、交流電源ACの周波数が5
0ヘルツの場合には、マイクロコンピュータ3が、駆動
パルスの位相角が60ヘルツのときより大きくなるよう
自動的に調節するので、コンデンサC1両端の電圧は交
流電源ACの周波数とは無関係に一定となる。
【0032】電源投入から一定時間かけて漸増した白熱
電球1両端の電圧は、その一定時間が経過すると、調光
用可変抵抗器VRにより設定される一定値に固定され
る。交流電源ACの実効値を100%とすると、白熱電
球1両端の電圧値は、この調光用可変抵抗器VRを操作
することにより、約20乃至130%の範囲で随意に変
えることができる。
【0033】このように、本例の照明装置によるときに
は、白熱電球1を付勢する直流電圧は常に零ボルトから
所定の一定値まで段階的に漸増することとなる。これに
より、電源投入時におけるフィラメントの抵抗が白熱時
より低い場合でも、フィラメントに突入電流が流れるこ
とがなく、突入電流に起因する白熱電球1の寿命短縮を
効果的に防止することができる。
【0034】ところで、使用中、白熱電球1のフィラメ
ントが断線すると、その断線間隙にアーク放電が発生し
て白熱電球1を含む電路に大電流が流入し、回路素子を
破損したり損傷したりすることがある。本例の場合、抵
抗R1の抵抗値にも依るけれども、斯かるアーク放電が
発生すると、抵抗R1両端には数ボルトに達する異常電
圧が発生する。異常電流検出回路2は抵抗R1両端に発
生する異常電圧を検知すると、マイクロコンピュータ3
にリセット信号を送る。マイクロコンピュータ3は、こ
のリセット信号を受けると双方向導通制御整流素子DC
Rへの駆動パルスを停止し、双方向導通制御整流素子D
CRを消弧して電路を遮断するので、アーク放電も消弧
する。
【0035】このように、本例においては、使用中、フ
ィラメントが断線してアーク放電が発生しても、それに
伴う大電流により回路素子が損傷したり破損することが
ない。なお、抵抗R1には、回路が正常動作していると
きの電力消費が僅少になるよう、通常、低抵抗が使われ
る。
【0036】叙上のように、本例の照明装置はマイクロ
コンピュータを中心に構成されているので、調光機能の
ある照明装置を少ない部品で構成することができ、照明
装置を廉価且つ小型・軽量に製造することが容易であ
る。また、マイクロコンピュータは経時変化、温度変
化、さらには、抵抗、コンデンサによる充放電回路の不
安定化の影響を受け難いので、照明装置の調光不良を著
減することができる。しかも、本例の照明装置には零交
差点検出機能、突入電流制限機能及びアーク放電電流制
限機能が賦与されているので、電灯線の周波数が相違す
る諸地域において安全に常用することができる。なお、
本例では、図2のcに示すように、交流電源における正
及び負の立下り零交差点を含むように位相制御する例に
ついてのみ具体的に説明したが、必要に応じて、回路構
成を適宜変更することにより、交流電源における正及び
負の立上り零交差点を含むように位相制御できることは
言うまでもない。
【0037】次に、この発明による照明装置の奏する効
果について、実施例の照明装置を用いて行った実験例に
基づいて説明する。
【0038】
【実験例1】『10/20国際脳波学会連合標準電極配
置法』にしたがって年齢19乃至22歳の男性被験者
(8名、平均年齢21歳)頭部のFz、Cz、Pzに生
体電極を装着し、天井に実施例によるダウンライト6灯
を取付けた部屋に収容した。次いで、誘発電位測定装置
『サイナックスER1100型(日本電気三栄株式会社
製造)』とヘッドホンにより音刺激を付与しながら被験
者のERPを測定し、得られたデータ信号を30回加算
演算処理し、記録した。音刺激には日本脳波・筋電図学
会誘発電位検査法委員会の推奨するオドボール課題を採
用し、1キロヘルツの純音による高頻度刺激と2キロヘ
ルツの純音による低頻度刺激を刺激間隔が0.7ヘル
ツ、音圧が70デシベル、低頻度刺激の呈示確率が20
%になるようランダムに呈示し、低頻度刺激をERP測
定のための標的刺激とした。測定開始前、被験者にこれ
ら二種類の音を聞かせて標的刺激を充分認識させ、測定
中に標的刺激の回数を数えさせ、測定終了後にその合計
数を報告させた。このようにして視作業負荷前のERP
を測定した後、被験者にクレペリンテスト(連続一位加
算作業)による視作業を1時間に亙って負荷した後、直
ちに上記と同様にして視作業負荷後におけるERPを測
定し、記録した。測定終了後、記録した視作業負荷前後
におけるCzのP300波の出現潜時を求めた。以上の
測定を相違する被験者に対して8回行った。
【0039】なお、ダウンライトの光源には、定格電圧
100ボルト、定格電力60ワット、内壁をシリカ仕上
した軟質ガラス管球にキセノンガスと窒素ガスを約7:
2の体積比で封入したキセノンガス封入白熱電球を使用
し、図1に示す回路の電源手段により直流116ボルト
で付勢した。視作業は、被験者が作業机に向い、自然な
姿勢で椅子に腰掛けた状態で負荷し、そのときの作業机
上の照度は550±70ルクスとした。また、測定は、
被験者の生理状態を揃えるため、早朝定時に開始した。
【0040】対照として、定格電圧110ボルト、定格
電力100ワットのアルゴンガス封入白熱電球を交流1
10ボルトで付勢して得られる光(対照1)と定格電圧
100ボルト、定格電力27ワットの三波長域発光形螢
光灯を交流100ボルトで付勢して得られる光(対照
2)について同様に試験した。
【0041】得られたP300波の出現潜時を次式に代
入して、P300波の出現潜時遅延率(%)を算出し
た。
【数1】
【0042】結果を表1及び図3に示す。なお、表1に
示す遅延率(%)は8回の測定の平均値であり、また、
参考として常法により測定した各光源の色温度(K)と
平均演色評価数(Ra)を併記した。
【表1】
【0043】表1の結果から明らかなように、この発明
による照明装置によるときには、1時間に亙る視作業終
了直後における遅延率が平均3%と際立って低く、ヒト
のERPにおけるP300波の出現潜時を実質的に遅延
しないことが判明した。このことは、この発明による照
明装置の輻射する光が照明に使用して認知・判断力を低
下させ難いことを示唆している。
【0044】これに対して、三波長域発光形螢光灯を使
用する対照2の場合には、視作業終了直後における遅延
率が平均24%にも達し、ヒトのERPにおけるP30
0波の出現潜時を顕著に遅延することが判明した。対照
2ほど顕著ではないものの、アルゴンガス封入白熱電球
を定格とおりの交流電圧で付勢する対照1でも同様の傾
向が認められ、視作業終了直後の遅延率は平均10%に
も達した。
【0045】図3はある被験者のERPを示し、同一被
験者であっても、光源が変わるとP300波の出現潜時
が有意に変わることが窺われる。すなわち、この発明に
よる照明装置の光の下で視作業を負荷すると、視作業負
荷前後でP300波の出現潜時が殆ど変化せず、視作業
終了直後の波形も明確且つ強かった。一方、対照1及び
対照2では、この発明の場合と比較してP300波の出
現潜時が有意に遅延し、波形も不明確且つ弱くなる傾向
が見られた。このことは対照1においてより顕著であっ
た。
【0046】以上の結果は、照明装置の輻射する光には
ヒトのERPにおけるP300波の出現潜時を遅延する
ものと遅延しないものとがある事実とともに、この発明
による照明装置の光は照明に使用してP300波の出現
潜時を実質的に遅延しないことが判明した。対照1や対
照2のように、従来、視覚により物をあるがままに認知
・判断し易いと言われてきた平均演色評価数(Ra)の
大きい光や色温度が高く、全光束の大きい光にP300
波の出現潜時を実質的に遅延するものがあることは、認
知・判断力の低下に光の連続性、チラツキ、色温度、演
色性のみならず、エネルギー分布や付勢電流の波形、さ
らには、全光束や封入ガスの組成までもが微妙に影響し
ていることを窺わせる。
【0047】なお、本実験例ではクレペリンテストによ
る視作業を負荷したが、文書作成作業、帳簿記入作業、
製図作業、VDT作業、分析作業、工程管理作業、カラ
ーコーディネーション、読書、ビデオ鑑賞、さらには、
後述のランドルト環抹消作業などの視作業を負荷しても
ほぼ同様の傾向が見られた。また、キセノンガス封入白
熱電球に代えてクリプトンガス封入白熱電球やアルゴン
ガス封入白熱電球を使うと、キセノンガス封入白熱電球
にはやや劣るものの、ほぼ匹敵する成績が得られた。な
お、いずれの白熱電球の場合でも、付勢電圧が交流であ
ったり、付勢電圧が直流電圧であっても、その電圧値が
定格以下であったり、定格の約130%を越える場合に
は、ヒトのERPにおけるP300波の出現潜時が実質
的に遅延した。
【0048】次に説明する実験例2では、被験者に別の
視作業を負荷し、そのときの誤作業の割合を調べる実験
により、ヒトのERPにおけるP300波の出現潜時の
遅延と認知・判断力が密接に関連する事実を明らかにす
る。
【0049】
【実験例2】本実験例では、原田一彦『呉工業高等専門
学校研究報告』、第17巻、第1号、第75〜78頁
(1981年)に記載された方法にしたがい、この発明
の照明装置による照明の下でランドルト環の切目を抹消
させる視作業を負荷し、そのときの誤作業率(%)をも
って認知・判断力に対するこの発明の照明装置の効果を
評価した。
【0050】すなわち、視力並びに色覚の正常な年齢2
0乃至22歳の男性被験者8名(平均年齢22歳)を、
実験例の場合と同様、天井に実施例によるダウンライト
10灯を取付けた部屋に収容し、40分間に亙って白色
台紙上に貼付した多数のランドルト環の切目を抹消する
視作業を負荷した。作業終了後、台紙を回収し、誤作業
率(%)を求めた。そして、誤作業率の高低に基づき、
この発明による照明装置の光が視覚による認知・判断力
に及ぼす影響について評価した。誤作業率を求めるに当
たっては、間違って抹消したものと、見落としたものを
誤作業とした。
【0051】実験条件について捕捉説明すると、台紙に
は反射率90%の白色洋紙を使い、外径3.3ミリメー
トル、内径2.0ミリメートル、環の切目が20センチ
メートルで5分の視覚のランドルト環448個を上下、
左右、斜めの八方向に一定間隔で貼付した。ランドルト
環の色は、照明学会発行の『演色評価色標2』の観察用
慣用色から5R4/12、5YR6.5/12、5Y8
/12、5Y9/3、5G5/8、2.5PB4/8及
び7.5P4/8の7色を採用し、各色56個ずつ、合
計448個を無作為に貼付した。
【0052】視作業は、被験者が台紙を載せた作業机に
向い、自然な姿勢で椅子に腰掛けた状態で負荷し、台紙
上の照度は1,000±100ルクスとした。
【0053】ダウンライトの光源には、実験例1と同
様、定格電圧100ボルト、定格電力60ワット、内壁
をシリカ仕上した軟質ガラス管球にキセノンガスと窒素
ガスを約7:2の体積比で封入したキセノンガス封入白
熱電球を使用し、図1に示す回路の電源手段により直流
116ボルトで付勢した。対照も実験例1と同様、定格
電圧110ボルト、定格電力100ワットのアルゴンガ
ス封入白熱電球を交流110ボルトで付勢して得られる
光(対照1)と定格電圧100ボルト、定格電力27ワ
ットの三波長域発光形螢光灯を交流100ボルトで付勢
して得られる光(対照2)を用いた。表2に示す結果
は、被験者8名の平均値である。
【表2】
【0054】表2に示すように、この発明による照明装
置の光の下で視作業を負荷すると、誤作業率が平均0.
3%と極めて低いことが判明した。これは、この発明の
照明装置の輻射する光が、照明に使用して認知・判断力
を低下させ難いことを裏付けるものである。
【0055】一方、三波長発光形螢光灯を定格とおりの
交流電圧で付勢する対照2の場合、視作業の誤作業率が
約1.5%と、この発明による場合の約5倍にも達し、
照明に使用すると認知・判断力を実質的に低下させるこ
とを窺わせた。白熱電球を定格とおりの交流電圧で付勢
する対照1の場合、対照1ほどではないものの、視作業
の誤作業率が平均0.9%と、この発明による場合の約
3倍にも達した。
【0056】以上の結果は、実験例1に示した光源の種
類とヒトのERPにおけるP300波の出現潜時遅延率
との関係によく一致している。このことは、ヒトのER
PにおけるP300波の出現潜時に遅延と認知・判断力
が密接した関係を有しており、しかも、この発明の照明
装置が輻射する光のようにP300波の出現潜時を実質
的に遅延しない光は、照明に使用して認知・判断力を高
水準に保つことを裏付けるものである。
【0057】実験例1及び実験例2で説明したような実
験のための視作業以外に、実際に大勢の被験者に文書作
成作業、帳簿記入作業、製図作業、VDT作業、分析作
業、工程管理作業、カラーコーディネーションなどの視
作業を負荷したときのP300波の出現状況、作業に要
する時間、作業の精度、誤作業の発生状況について調査
したところ、この発明の照明装置は対照1及び対照2に
対して有意に優れていることが判明した。このことは、
この発明の照明装置が視作業の能率や精度の改善に極め
て有効であることを窺わせるものである。
【0058】以上の実験例1及び実験例2は、この発明
による照明装置の輻射する光が実際に照明に使用して使
用者の認知・判断力を低下させ難いことを充分に裏付け
るものであるが、次に述べる実験例3では、やや観点を
変えて、この発明による照明が輻射する光の下で被験者
に比較的軽度な精神作業を負荷し、その精神作業時にお
ける注意・集中度を指標にして、この発明の照明装置が
目を使う精神作業の能率や精度の改善に有効なことを明
らかにする。
【0059】
【実験例3】本実験例では、被験者に比較的軽度な精神
作業を負荷するとともに、その精神作業時に被験者の前
頭正中部に出現するθ波(以下、「Fmθ波」と言
う。)の強度と分布を測定した。そして、その出現強度
と分布を注意・集中力の指標にして、この発明による照
明装置から輻射される光が精神作業に及ぼす影響につい
て評価した。なお、Fmθ波が注意・集中力の指標とな
り得ることは、例えば、門林岩雄等編『脳波』、198
3年、株式会社金芳堂発光、第40頁に記載されてお
り、注意・集中力が高まれば高まるほど、前頭正中部を
中心に、強く、広く分布するようになる。
【0060】詳細には、精神神経疾患のない20歳台の
男性3名を被験者とし、その頭部に脳波測定用生体電極
を『10/20国際脳波学会連合標準電極配置法』にし
たがって装着した。この状態で、実験例1の場合と同様
に、天井に実施例によるダウンライト6灯を取付けた部
屋に被験者を収容し、精神作業としてクレペリンテスト
(連続第一位加算作業)を15分間負荷するとともに、
多用途脳波計『1A97A型(日本電気三栄株式会社製
造)』により被験者の脳波を測定し、増幅した後、デー
タレコーダ『XR−710型(ティアック株式会社製
造)』に記録した。被験者を5分間休憩させた後、上記
と同様に、後半15分間のクレペリンテストを負荷する
とともに、被験者の脳波を測定し、得られたデータを増
幅した後、データレコーダに記録した。ダウンライトの
光源には、定格電圧100ボルト、定格電力60ワッ
ト、内壁をシリカ仕上した軟質ガラス管球にキセノンガ
スと窒素ガスとを約7:1の体積比で封入したキセノン
ガス封入白熱電球を使用し、図1に示す回路の電源手段
により直流116ボルトで付勢した。クレペリンテスト
は、被験者が作業机に向い、自然な姿勢で椅子に腰掛け
た状態で負荷し、そのときの作業机の上の照度は約50
0ルクスとした。
【0061】対照として、定格電圧110ボルト、定格
電力100ワットのアルゴンガス封入白熱電球を交流1
10ボルトで付勢して得られる光(対照1)と定格電圧
100ボルト、定格電力27ワットの三波長域発光形螢
光灯を交流100ボルトで付勢して得られる光(対照
2)について同様に試験した。
【0062】測定終了後、データレコーダに記録したデ
ータを9回加算演算処理し、シグナルプロセッサ『7T
18A型(日本電気三栄株式会社)』により周波数解析
した後、被験者3名のFmθ波を平均して1分間当たり
の脳波としてトポグラフ表示した。それとともに、前
半、後半各15分間に亙る精神作業負荷により出現した
Fmθ波を被験者頭部におけるF3、Fz及びF4部位
から導出するとともに、前半15分間及び後半15分間
についてそれぞれ1分間当りの平均強度(マイクロボル
ト)を求め、得られた平均強度を部位ごとに次式に代入
してFmθ波増加率(%)を計算した。
【数2】
【0063】これらトポグラフとFmθ波増加率をもっ
て、各種光源からの光が被験者の注意・集中力に及ぼす
影響を判断する目安とした。結果を図4、図5、図6及
び表3に示す。
【表3】
【0064】図4、図5及び図6に示す結果から、同一
被験者であっても、光源が変わるとFmθ波の出現状況
が有意に変わることが窺われる。すなわち、この発明に
よる照明装置の光の下で精神作業を負荷すると、Fmθ
波が被験者の前頭正中部を中心に強く且つ広範囲に出現
したのに対して、対照1及び対照2の場合には、この発
明の場合と比較して、出現するFmθ波が顕著に弱く、
分布も狭かった。このことは、光源に三波長域発光形螢
光灯を使用する対照2の場合、特に顕著であった。光源
の種類に依ってFmθ波の出現強度に有意差の生じるこ
とは、表2の結果からも窺われる。すなわち、三種類の
光源について、一般にFmθ波が強く導出されると言わ
れているF3、Fz及びF4の三種類の部位に出現した
Fmθ波についてFmθ波増加率を見たところ、何れの
部位においても、本発明による照明装置は抜きんでてF
mθ波増加率が高く、導出部位に依っては、対照の約5
0倍にも達することが判明した。
【0065】前述のとおり、Fmθ波は注意・集中力の
よい指標であることから、実験例3の結果は、この発明
の照明装置が、目を使う精神作業を含む視作業全般に使
用して、使用者の注意・集中力を高め、作業遂行時の認
知・判断力を高水準に保つことを示唆しているものと言
える。
【0066】
【発明の効果】叙上のように、この発明の照明装置が輻
射する光は、ヒトのERPにおけるP300波の出現潜
時を実質的に遅延させない。このことは、この発明によ
る照明装置が照明に使用して認知・判断力を低下させ難
いことを意味する。
【0067】したがって、この発明の照明装置は、長時
間に亙って細かい文字や図形を目視し続けなければなら
ない、例えば、文書作成作業、帳簿記入作業、製図作
業、VDT作業、分析作業、工程管理作業、読書、テレ
ビ・ビデオ鑑賞などの視作業や、微妙な色の識別が欠か
せないデザイン、服飾、建築におけるカラーコーディネ
ーション、さらには、書画、骨董、宝石などの鑑定のた
めの照明として好適である。斯かる視作業にこの発明の
照明装置を使用するときには、視作業が比較的長時間に
亙る場合でも作業者の認知・判断力が高水準に保たれる
ので、誤作業が減少し、作業に要する時間も短縮するこ
とができる。このようにして、視作業の能率や精度を顕
著に改善できるとともに、視作業に伴う疲労も少なくす
ることができる。
【0068】加えて、この発明の照明装置は照明に使用
して注意・集中力を高め、認知・判断力を高水準に保つ
ので、例えば、独創的な意見や的確な判断が要求される
会議や創造力や集中力の要求される小説、絵画、学術研
究などの創作作業や、例えば、製造所や問屋・商店にお
ける仕込作業、組立作業、梱包作業、仕分作業、発送作
業などのように、高い製品歩留りや誤作業の低減が望ま
れる比較的軽度の精神作業全般にも極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による一実施例における電気的構成部
分の回路図である。
【図2】図1に示す実施例における波形図である。
【図3】相違する光源の下で視作業を負荷したときの、
ヒトのERPにおけるP300波の出現の様子を示す脳
電図である。図中、実線はこの発明による照明装置の場
合、一点鎖線は白熱電球を定格とおりの交流電圧で付勢
した場合(対照1)、破線は三波長域発光形螢光灯を定
格とおりの交流電圧で付勢した場合(対照2)を示す。
【図4】この発明の照明装置が輻射する光の下で被験者
に精神作業を負荷したときに出現する、Fmθ波の強度
と分布を示すトポグラフである。
【図5】白熱電球を定格とおりの交流電圧で付勢して得
られる光の下で被験者に精神作業を負荷したときに出現
する、Fmθ波の強度と分布を示すトポグラフである
(対照1)。
【図6】三波長域発光形螢光灯を定格とおりの交流電圧
で付勢して得られる光の下で被験者に精神作業を負荷し
たときに出現する、Fmθ波の強度と分布を示すトポグ
ラフである(対照2)。
【符号の説明】
1 白熱電球 2 異常電流検出回路 3 マイクロコンピュータ AC 交流電源 DCR 双方向導通制御整流素子 D1〜D3 ダイオード C1〜C2 コンデンサ R1〜R4 抵抗 VR 調光用可変抵抗器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトの事象関連電位におけるP300波
    の出現潜時を実質的に遅延しない光を輻射する照明装
    置。
  2. 【請求項2】 照明装置がヒトの事象関連電位における
    P300波の出現潜時を実質的に遅延しない光を輻射す
    る光源と、その光源を付勢するための電源手段を含んで
    なる請求項1に記載の照明装置。
  3. 【請求項3】 光源が白熱電球であって、その白熱電球
    を定格を上回る直流電圧で付勢する請求項2に記載の照
    明装置。
  4. 【請求項4】 電源手段が交流電源に接続された入力端
    と白熱電球に接続された出力端とを有する交流を直流化
    するための整流回路と、前記交流電源と整流回路との間
    に介挿された主電路を有する制御整流素子と、その制御
    整流素子の制御極に接続された出力端を有し、制御整流
    素子の導通を交流電源における零交差点の時間間隔に基
    づいて位相制御する位相制御手段とを含んでなる請求項
    2又は3に記載の照明装置。
  5. 【請求項5】 位相制御手段がマイクロコンピュータ化
    されている請求項4に記載の照明装置。
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