JP3472315B2 - 白熱電球用封入組成物とその用途 - Google Patents

白熱電球用封入組成物とその用途

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JP3472315B2
JP3472315B2 JP30918892A JP30918892A JP3472315B2 JP 3472315 B2 JP3472315 B2 JP 3472315B2 JP 30918892 A JP30918892 A JP 30918892A JP 30918892 A JP30918892 A JP 30918892A JP 3472315 B2 JP3472315 B2 JP 3472315B2
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修 松田
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林原 健
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、白熱電球用封入組成物
とその用途、詳細には、新規白熱電球用封入組成物並び
にそれを封入する白熱電球及びその白熱電球を光源とす
る照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、白熱電球はフィラメントの温度
が上ると、効率が改善される。しかし、温度が上るにつ
れてタングステンの蒸発も促進され、蒸発したタングス
テンはガラス管球内壁に付着して黒化を起こし、却って
効率が低下し、寿命も縮まり易い。
【0003】タングステンの蒸発を抑制するために、白
熱電球には窒素ガスなどの不活性ガスや、例えば、アル
ゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスなどの希ガス
が封入される。このとき、封入する不活性ガス乃至希ガ
スの分子量が大きいほどガラス管球の熱損失が低下し、
フィラメントの温度を高くできることが知られている。
【0004】キセノンガスは上記不活性ガス乃至希ガス
のうちで最大の分子量を有し、白熱電球に封入すると、
良好な光特性と長寿命を発揮することが知られている。
しかし、キセノンはイオン化電圧が低く、ガラス管球中
の封入量が増加するとアーク放電が発生してフィラメン
トが焼断し易くなるという問題がある。このことから、
比較的高電圧を印加して点燈する白熱電球にキセノンガ
スを封入するときには、窒素ガス及び/又はクリプトン
ガスなどの他の不活性ガス乃至希ガスを併用するととも
に、全封入ガスに占めるキセノンガスの割合を約10体
積%未満にすることが推奨されてきた。
【0005】例えば、特開昭54−2068号公報や同
昭62−211853号公報には、ガラス管球内に窒素
ガス、クリプトンガス及びキセノンガスを含んでなり、
全封入ガスに占めるキセノンガスの割合を約2乃至10
体積%とした組成物を封入する白熱電球が開示されてい
る。これら白熱電球はアーク開始電圧が低く、良好な光
特性を示すと記載されてはいるものの、いずれの白熱電
球もキセノンガスの封入量が少ないので、キセノンガス
本来の望ましい性質が充分発揮され難い。また、両公報
には、10体積%を越えるキセノンガスを封入するとア
ーク開始電圧が顕著に低下し、実用にならないことも開
示されている。
【0006】なお、特開昭60−95850号公報に
は、ガラス管球にキセノンガスと窒素ガスとからなり、
キセノンガスが80体積%以上を占める組成物を封入し
てなる白熱電球が開示されている。この白熱電球は良好
な光特性を示すものの、アーク開始電圧が低く、その用
途は点燈電圧12ボルト以下、消費電力8ワット以下の
小形白熱電球に限定されることに加え、電界強度を下げ
てアーク放電を抑制するためにフィラメント巻線に特殊
なピッチが要求されるという不都合がある。
【0007】このように、キセノンガスをその本来の望
ましい性質が存分に発揮される程度に封入されるもので
あって、比較的高電圧、通常、電灯線電圧以上、詳細に
は約90乃至150ボルトの電圧を印加して点燈しても
アーク放電が発生し難い白熱電球は従来知られていな
い。
【0008】
【発明により解決すべき課題】斯かる事情に鑑み、この
発明の目的は、このような高電圧を印加して点燈する白
熱電球に封入してもアーク放電を起こし難く、良好な光
特性と長寿命を発揮する白熱電球用封入組成物を提供す
ることにある。
【0009】この発明の別の目的は、比較的高電圧を印
加して点燈してもアーク放電を起こし難く、良好な光特
性と長寿命を発揮する白熱電球を提供することにある。
【0010】この発明のさらなる目的は、比較的高電圧
を印加して点燈すると、良好な照明を長時間に亙って与
える照明装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】これら課題を解決する手
段について本発明者が鋭意研究したところ、キセノンガ
スと、クリプトンガス及び/又はアルゴンガスと、窒素
ガスとを含んでなり、全封入ガスに占めるそれらガス成
分の割合をそれぞれ約30乃至60体積%、約25乃至
65体積%及び約5乃至15体積%とした白熱電球用封
入組成物は比較的高電圧、通常、電灯線電圧以上の電圧
を印加して点燈する白熱電球に封入してもアーク放電を
起こし難く、良好な光特性と長寿命を発揮し、照明装置
の光源として好適であることを見出した。
【0012】すなわち、この発明は、約30乃至60体
積%のキセノンガスと、約25乃至65体積%のクリプ
トンガス及び/又はアルゴンガスと、約5乃至15体積
%の窒素ガスとを含んでなる白熱電球用封入組成物を要
旨とするものである。
【0013】さらに、この発明は、約30乃至60体積
%のキセノンガスと、約25乃至65体積%のクリプト
ンガス及び/又はアルゴンガスと、約5乃至15体積%
の窒素ガスとを含んでなる組成物を封入した白熱電球を
要旨とするものである。
【0014】加えて、この発明は、約30乃至60体積
%のキセノンガスと、約25乃至65体積%のクリプト
ンガス及び/又はアルゴンガスと、約5乃至15体積%
の窒素ガスとを含んでなる組成物を封入した白熱電球を
光源とする照明装置を要旨とするものである。
【0015】
【発明の作用】約30乃至60体積%のキセノンガス
と、約25乃至65体積%のクリプトンガス及び/又は
アルゴンガスと、約5乃至15体積%の窒素ガスとを含
んでなる組成物を封入した白熱電球は、キセノンガスが
良好な光特性と長寿命を発揮し、また、そのキセノンガ
スと特定割合で封入されるクリプトンガス及び/又はア
ルゴンガスや窒素ガスがアーク放電を効果的に抑制する
ので、良好な光特性と長寿命に加えて安定動作が可能と
なる。
【0016】したがって、このような白熱電球に比較的
高電圧、通常、電灯線電圧以上の電圧を印加して点燈す
るときには、従来公知のアルゴンガス封入白熱電球やク
リプトンガス封入白熱電球では実現困難な光特性と長寿
命を容易に達成することができる。例えば、定格電力4
0乃至100ワット、定格電圧100若しくは110ボ
ルトの白熱電球に略定格電圧を印加して点燈するときに
は、従来公知のアルゴンガス封入白熱電球やクリプトン
ガス封入白熱電球の約2乃至4倍以上、具体的には、約
4,000時間以上の長寿命を達成することができる。
したがって、白熱電球の交換に要する時間や労力などの
理由で長寿命の要求される室内外用照明器具のための光
源として各種住宅や施設において有利に使用することが
できる。
【0017】一方、当該白熱電球にその定格を越える電
圧、通常、定格を越え定格の約150%を越えない電
圧、望ましくは定格の約105乃至130%の直流電圧
を印加して点燈するときには、演色性に優れた眼に優し
い自然な光が長時間に亙って得られる。例えば、定格電
力40乃至100ワット、定格電圧100若しくは11
0ボルトの当該白熱電球に、その定格の約105乃至1
30%の直流若しくは交流電圧を印加して点燈するとき
には、色温度約2,900K以上、望ましくは約2,9
50乃至3,100K、全光束約500乃至1,300
ルーメンの演色性に優れた眼に優しい自然な光が約30
0時間以上、望ましくは約500時間以上もの長時間に
亙って得られるのである。
【0018】このような点燈方法には、例えば、交流電
源、交流/直流電力変換器、インバータ電源、スイッチ
ングレギュレータ電源などの電源手段が利用でき、例え
ば、特開昭61−193398号公報、同昭62一18
5516号公報、同昭63−88792号公報、同昭6
3−136492号公報及び欧州特許出願公開第470
750号明細書に開示された電源手段はこのような点燈
方法に好適である。殊に、特開昭61−193398号
公報、同昭62−185516号公報、同昭63−88
792号公報及び欧州特許出願公開第470750号明
細書に開示された直流電源によるときには、チラツキ皆
無の各種照明に好適な光が得られる。なお、定格の約1
50%を越える電圧を印加して点燈すると、輻射される
光の色温度は上昇するものの、グレアが顕著になって、
照明に使用すると眩しく感じられるようになり、寿命も
短命となる。
【0019】当該白熱電球にその定格を越える電圧を印
加して点燈することにより得られる光は、眼に最も優し
いと言われている朝の太陽光に類似したスペクトル分布
の連続光であり、照明に使用すると、視作業などの精神
作業におけるヒトの認知・判断力を高水準に維持した
り、ヒトの脳波におけるα波の出現を促すと同時にβ波
の出現を抑えて使用者の心身を快適にさせるという有用
な生理作用を発揮する。したがって、寿命も然ることな
がら、例えば、眼の健康、演色性乃至明るさ感、さらに
は、生理作用などの観点から良好な光特性の要求される
室内外用照明器具として各種住宅・宿泊施設、公共施
設、商業・産業施設、運輸施設などの諸施設に有利に使
用することができる。
【0020】また、このようにして得られる光は、例え
ば、眼疲労、眼精疲労、近視、仮性近視、ストレス症、
鬱病などの疾病の予防・治療に著効を示すとともに、動
植物の生育や生産性の向上にも優れた効果を発揮するこ
とから、一般照明用途以外に、一般家庭や病院、診療
所、療養所などの医療施設における物理療法手段とし
て、また、養鶏場、養魚場、植物工場などの栽培場にお
ける照明装置としても有利に使用することができる。
【0021】加えて、当該白熱電球にその定格を越える
電圧を印加して点燈することにより得られる光は、赤外
線、とりわけ、波長約25乃至1,000ミクロンの遠
赤外線を豊富に含むことが判明した。遠赤外線は、動物
に対しては発汗、酸素摂取、血液の循環を促して新陳代
謝、血圧低下、血糖低下、体内老廃物の排出、肥満減
量、機能回復などを促進するとともに、各種炎症による
疼痛や発作を軽減する。しがって、例えば、鉛成分を少
なくするか鉛成分を除いて遠赤外線が透過し易くしたガ
ラス管球の白熱電球を光源とするこの発明の照明装置
は、肩こり、筋肉痛などの筋緊張の緩和、外傷、火傷、
リウマチ、関節炎、腰痛、神経痛、外耳道炎、中耳炎、
副鼻腔炎、庸桃腺炎、咽頭炎、喉頭炎、嗄声、内臓疾患
に伴う背部の疼痛や発作の軽減、さらには、癌、肝炎、
肝硬変などの成人病の治療・予防に著効を示し、一般家
庭や病院、診療所、療養所などの医療施設における物理
療法手段として極めて有利に使用できる。しかも、遠赤
外線を豊富に含む光は、植物の生育を促進する一方、微
生物に対して顕著な殺菌作用を示すことから、植物工場
などの栽培場における照明灯以外に殺菌灯としても有利
に使用できる。
【0022】以上、当該白熱電球にその定格電圧を印加
する点燈方法と、定格を越える電圧を印加する点燈方法
について説明したが、この発明による照明装置の形状・
形態は、その用途に依って適宜のものとすることができ
る。
【0023】すなわち、この発明の照明装置により、例
えば、一般住宅、集合住宅、アパート、マンション、旅
館、ホテル、図書館、学校、美術館、博物館、会館、公
会堂、演奏会場、劇場、撮影所、競技場、広場、公園、
病院、診療所、療養所、社屋、工場、研究所、事務所、
和洋レストラン、喫茶店、宴会場、結婚式場、会議場、
商店、スーパーマーケット、百貨店、ブティック、理髪
店、美容院、畜舎、鶏舎、養魚場、動物工場、植物工
場、車輌、航空機、船舶などの各種住宅・宿泊施設、公
共施設、商業・産業施設、運輸施設の室内外を照明する
には、この発明による白熱電球とそれを付勢するための
電源手段を、例えば、アームライト、デスクランプ、ハ
リケーンランプ、テーブルランプ、ミニランプなどの卓
上照明器具か、或は、例えば、棚下付け灯、天井付け
灯、ダウンライト、壁付け灯、吊下げ灯、シャンデリ
ア、スワッグランプ、フロアランプ、庭園灯、門灯、ス
ポットライト、フットライト、投光器、街路灯などの室
内外用照明器具に収容するか取付けるとともに、それら
照明器具を前記施設における応接室、書斎、子供部屋、
寝室、客室、リビングルーム、ダイニングルーム、キッ
チン、トイレ、洗面所、浴室、廊下、階段、バルコニ
ー、玄関、庭園、閲覧室、書庫、教室、会議室、集会
室、講堂、舞台、スタジオ、アトリエ、体育館、コー
ト、プール、球場、道場、運動場、運動練習場、観客
席、ロビー、待合室、休憩室、診察室、治療室、手術
室、病室、事務室、工場建屋、制御室、電子計算機室、
電気室、機械室、設計室、製図室、撮影室、実験室、鑑
定室、試着室、展示室、倉庫、店舗、ショーウィンド
ウ、ショーケース、ラウンジ、ロビー、クラークルー
ム、調理室、エレベータ、エスカレータ、飼育室、栽培
室、操縦室、機関室、無線室、道路などにおける室内外
の適所に据付けるか取付ければよい。
【0024】この発明による照明装置のよりシステマテ
ィックな用途においては、この発明の照明装置をユニッ
ト化するとともに、そのユニットの複数を前記施設の適
所に配設し、それらユニットに、例えば、調光回路や切
換回路などを設けた照明制御システムにより個別配線方
式、専用線多重方式、電話回線利用方式、電力線搬送方
式及び光ファイバ方式などの有線式制御方法か、或は、
電波式、光線式、超音波式及び人工音式などの無線式制
御方法の一又は二以上の制御方法を適用する。これによ
り、この発明による複数の照明ユニットを照明パターン
制御、タイムスケジュール制御、昼光センサ連動制御、
壁スイッチ制御、集中制御及び/又は調光制御すること
が可能となる。これは大型住宅施設や宿泊施設、さらに
は、公共施設、商業・産業施設、運輸施設における室内
外の照明に有用である。とりわけ、大型住宅施設におい
ては、ホームバスシステムを利用することにより、この
発明の照明装置の一又は複数を他の電気機器とともに統
合制御することも可能である。
【0025】この発明の別の態様としては、この発明に
よる白熱電球の輻射する光を凹面鏡や凸レンズなどの集
光手段により一旦集光し、その集光した光を石英ファイ
パや有機ファイバを含む光ファイバなどの光伝達手段を
経由して一又は複数の離れた場所に伝達し、そこで、再
び凹面鏡や凸レンズなどの散光手段により適宜発散させ
て照明に供することもできる。このようなシステムは、
複数箇所を照明する場合でも、光源とそれを付勢するた
めの電源手段が各一式あれば事足り、また、必要に応じ
て光伝達手段と散光手段を適宜増設することも比較的容
易なことから、前記諸施設における室内外の照明に有用
である。
【0026】この発明のさらに別の態様としては、この
発明の白熱電球は比較的小型に形成しても、輝度、光
束、色温度を高くできることから、写真撮影用の光源や
映写機、スライド映写機、オーバーヘッドプロジェクタ
ー、マイクロフィルムリーダ用の光源としても有用であ
る。また、用途に応じて適宜の耐震構造や反射構造など
を附与したこの発明の白熱電球は、前照灯、補助前照
灯、方向指示灯、制動灯、後退灯、尾灯、車幅灯、走行
灯、霧灯、駐車灯、標識灯、表示灯、指示灯、合図灯、
タクシー用ルーフ灯、回転灯、警告灯、航海灯、曳航
灯、探照灯、檣灯、航法灯、室内灯、読書灯などの車
輌、船舶、航空機用の光源、さらには、交通信号灯、踏
切信号灯、誘導灯などの交通管制装置用の光源としても
有用である。
【0027】次に、図示実施例を参照しながら、この発
明による白熱電球用封入組成物と白熱電球について具体
的に説明する。
【0028】図1に示すのは定格電力60ワット、定格
電圧100ボルトの一般照明用白熱電球である。図中、
1はガラス管球(球径55ミリメートル、全長105ミ
リメートル)であり、例えば、ソーダライムガラスや鉛
ガラスなどの軟質ガラスによって形成され、内壁はシリ
カ仕上げされている。ガラス管球1内にはタングステン
線を二重コイル状に形成してなるフィラメント2が封装
されており、その両端はリード線3、3に結線されてい
る。リード線3、3はソーダライムガラスや鉛ガラスな
どによるステム管4内に封着され、その導出端はアイレ
ット5又は黄銅、アルミ合金などによる口金6に結線さ
れている。
【0029】ガラス管球1内には、キセノンガス、クリ
プトンガス及び窒素ガスを体積比で約30:60:10
乃至60:40:10の割合で混合した白熱電球用封入
組成物7が常温で約600トール、点燈時に約760ト
ールになるように封入されている。この封入圧は比較的
高電圧、通常、電灯線電圧以上、詳細には約90乃至1
50ボルトの直流若しくは交流電圧を印加して点燈する
際、アーク放電を起こすことなくキセノンガス本来の望
ましい光特性や長寿命が発揮できればよく、通常、点燈
時で約700乃至800トールになるように封入され
る。この程度の封入圧は、通常、軟質ガラスで充分耐え
られる程度であることから、この発明の白熱電球用封入
組成物を使用するときには、光特性の優れた長寿命の白
熱電球が容易且つ廉価に製造できる。なお、ガラス管球
1の内壁はフロスト仕上げすることもできるが、シリカ
仕上げするときにはより容易に所期の光特性を達成でき
る。また、ガラス管球1は、必要に応じて、硼珪酸ガラ
スなどの硬質ガラスで形成してもよい。
【0030】図2に示すのは、図1に示す白熱電球のガ
ラス管球に代えてミニクリプトン電球用ガラス管球を使
用する定格電力60ワット、定格電圧100ボルトの一
般照明用小形白熱電球である。図中、1はミニクリプト
ン電球用ガラス管球(球径35ミリメートル、全長67
ミリメートル)であり、例えば、ソーダライムガラスや
鉛ガラスなどの軟質ガラスをフロスト仕上げして形成し
たものである。図1に示す例と同様、ガラス管球1内に
はタングステンからなるフィラメント2が封装されてお
り、そのフィラメント2の両端はリード線3、3に結線
されている。フィラメント2はタングステン線を二重コ
イル状に形成したものであり、その略中央部でアンカ8
に支持されている。リード線3、3はステム管4内に封
着され、その導出端はアイレット5又は黄銅、アルミ合
金などによる口金6に結線されている。ガラス管球1内
にはキセノンガス、クリプトンガス及び窒素ガスを体積
比で約30:60:10乃至60:40:10の割合で
混合した白熱電球用封入組成物7が常温で約600トー
ル、点燈時に約760トールになるように封入されてい
る。図1に示す例と同様、本例においても、ガラス管球
1は、必要に応じて、硼珪酸ガラスなどの硬質ガラスで
形成してもよい。
【0031】図1に示す一般照明用白熱電球と同様、本
例も白熱電球を光源とする各種照明装置に極めて有利に
使用することができる。本例は比較的小形のガラス管球
1を使用していることから、限られたスペースで使用す
る照明装置に好適である。
【0032】なお、図1及び図2においては、一般照明
用白熱電球を例に採って説明したが、この発明の白熱電
球が特定の構造・材質のフィラメント、フィラメント支
持体、導入線、口金、ガラス管球のもののみに限定され
ないことは言うまでもない。用途に応じて、その用途の
要求する仕様・性能が達成されるよう、必要に応じて、
例えば、単コイル状のフィラメントや銅製の導入線を採
用したり、口金を捩込形以外の、例えば、段付捩込形、
差込形、バイポスト形に形成したり、さらには、適宜材
質のガラスを、例えば、ボール形や反射形に形成してガ
ラス管球としてもよい。
【0033】次に、図1及び図2に示す白熱電球につい
て行った実験例について説明する。
【0034】
【実験例1】図1に示す白熱電球において、ガラス管球
1内にキセノンガス(Xe)、クリプトンガス(Kr)
及び窒素ガス(N)を体積比で30:60:10、4
0:50:10、50:40:10又は60:30:1
0の割合で封入した4種類のキセノンガス封入白熱電球
に直流125ボルトを印加して点燈し、常法により寿
命、効率及び色温度(K)について試験した。さらに、
常法によりこれら白熱電球の定格電圧に対するアーク開
始電圧(%ボルト)を測定し、アーク放電の起こり易さ
の目安とした。
【0035】対照として、キセノンガス、クリプトンガ
ス及び窒素ガスを体積比で10:80:10、20:7
0:10又は70:30:10の割合で封入した白熱電
球、さらには、クリプトンガスと窒素ガスを体積比で9
0:10の割合で封入したクリプトンガス封入白熱電球
について前記と同様に試験し、このクリプトンガス封入
白熱電球を100として、他の白熱電球の寿命と効率を
百分率により表示した。結果は、表1に示すとおりであ
った。
【0036】
【表1】
【0037】表1の結果から明らかなように、キセノン
ガスと窒素ガスとを体積比で約30:60:10乃至6
0:40:10の割合で封入した白熱電球は、その定格
の125%に相当する直流125ボルトを印加して点燈
したときの寿命が対照のクリプトンガス封入白熱電球の
約2倍以上と著しく長寿命であることが判明した。アー
ク開始電圧について見ても、斯かる組成の白熱電球用封
入組成物は直流125ボルトを印加して点燈するときで
さえ180%ボルト以上と充分高く、実用上問題になら
ない程度であった。
【0038】この結果から、キセノンガスの最適封入量
を約30乃至60体積%と定め、寿命が前記クリプトン
ガス封入白熱電球の約200%以上、色温度が約2,9
00K以上になるようなクリプトンガスと窒素ガスの封
入量について調べたところ、クリプトンガスが約25乃
至65体積%、窒素ガスが約5乃至15体積%の範囲に
あるとき、所期の性能が達成された。また、クリプトン
ガスの一部又は全部をアルゴンガスで置換するときに
は、クリプトンガス単独使用の場合よりやや劣るもの
の、ほぼそれに匹敵する性能が達成された。
【0039】一方、キセノンガス、クリプトンガス及び
窒素ガスからなり、キセノンガスの封入量が30%未満
の組成物を封入した白熱電球は200%ボルト以上と実
用上充分高いアーク開始電圧を示すものの、キセノンガ
ス封入によるコストの上昇に比べて寿命並びに効率の改
善が僅少であり、色温度の改善もごく僅かであった。6
0体積%を越えるキセノンガスを封入すると、寿命、効
率、色温度にある程度の改善が見られるものの、効果に
比べてコストの上昇が顕著となる上、アーク開始電圧が
低過ぎて実用にならないことが判明した。
【0040】図2に示す白熱電球についても図1に示す
白熱電球と同様に試験したところ、ほぼ同じ傾向が見ら
れ、キセノンガスが約30乃至60体積%、クリプトン
ガス及び/又はアルゴンガスが約25乃至65体積%、
窒素ガスが約5乃至15体積%のときに、所期の寿命、
効率及び色温度が達成された。図1に示す白熱電球と比
較すると、全般的に見るとほぼ同じ傾向を示したもの
の、寿命と効率において図1に示す白熱電球がやや優れ
ているという結果が得られた。これは、ガラス管球内に
封入するキセノンガスの絶対量が白熱電球の寿命や光特
性に影響することを示唆している。
【0041】次に、図面を参照しながら、この発明によ
る照明装置の実施例について説明する。
【0042】図3に示すのは、この発明による照明装置
の一例のブロック図であり、図中、ブリッジ整流器Dと
平滑コンデンサCとからなる整流回路の交流側にはアー
ク放電電流制限回路9を介して交流電源ACが接続さ
れ、また、ブリッジ整流器Dの直流側には突入電流制限
回路10を介してこの発明の白熱電球XLが接続されて
いる。
【0043】アーク放電電流制限回路9は、通常、イン
ダクタ、コンデンサ及び/又は抵抗などにより構成さ
れ、白熱電球XLにおけるフィラメント断線の際に起こ
ることあるアーク放電電流を制限するとともに、アーク
放電そのものを消弧するためのものである。通常、この
アーク放電電流は短絡的に発生して回路に200アンベ
アにも上ぼる電流が連続的に流れることがあり、整流器
やサイリスタなどの回路素子に多大の損傷を与える。
【0044】アーク放電電流制限回路9に使用するイン
ダクタ、コンデンサ及び/又は抵抗のインダクタ、容
量、電気抵抗は通常使用時に整流器Dの交流側に印加さ
れる交流電圧を実質的に降下させず、しかもアーク放電
発生時にはその放電電流を効果的に制限してアーク放電
を消弧するように設定される。動作中の発熱という観点
から、アーク放電電流制限回路9を構成する素子にはイ
ソダクタが望ましく、斯かるインダクタとしては平滑コ
ンデンサCを有する整流回路の交流側に接続してアーク
放電電流を制限し得るものであれば空心型であっても、
巻鉄心や積鉄心などの鉄心入であってもよい。そして、
そのインダクタンス値は、インダクタと平滑コンデンサ
Cとが形成する共振回路がアーク放電電流における電圧
成分と電流成分との位相差を大きくするよう、言い換え
れば、アーク放電電流の有効電力を小さくするように設
定するのが好都合である。
【0045】また、インダクタに低直流抵抗のものを使
用するときには、インダクタ自身による発熱少なく、ア
ーク放電電流を効果的に制限できる。例えば、定格電力
40乃至100ワット、定格電圧100若しくは110
ボルトの当該白熱電球にその定格を越え定格の約150
%を越えない直流電圧、望ましくは定格の約105乃至
130%の直流電圧を印加して点燈する場合、容量約3
0乃至100マイクロファラッドのコンデンサCに対し
て約1乃至10ミリヘンリーの範囲のインダクタンス値
が適当である。なお、アーク放電電流制限回路9は、次
に述べる電源投入の際の白熱電球や平滑コンデンサへの
突入電流も効果的に制限する。
【0046】ところで、常温下におけるこの発明の白熱
電球のフィラメント抵抗は点燈中の数分の一以下であ
り、常温のフィラメントにその定格を越える電圧を印加
すると定格の数倍以上にも上ぼる大電流が流れてフィラ
メントの蒸発を早めたり、焼損させてしまうことすらあ
る。突入電流制限回路10はこの突入電流を制限して突
入電流に基づく白熱電球の寿命短縮を防止するためのも
のであり、通常、白熱電球に直列接続される抵抗などの
電流制限手段、その電流制限手段に並列接続される主電
路を有するサイリスタ及びそのサイリスタの主電路の導
通を電源投入より一定時間遅延させるトリガ回路から構
成される。この電流制限手段の抵抗値は、常温における
この発明の白熱電球のフィラメント抵抗との合成抵抗が
白熱状態におけるフィラメント抵抗と大略等しくなるよ
うに設定すればよい。
【0047】斯くして、電源投入直後から一定時間は白
熱電球に電流制限手段が直列接続されてフィラメントに
突入電流が流入するのを防止するとともにフィラメント
を予熱し、その一定時間が経過した時点でサイリスタが
導通して電流制限手段を短絡し、白熱電球にその定格を
超える電圧が印加されるので、白熱電球に流入する突入
電流を大幅に減じることができ、電源投入に伴う突入電
流による白熱電球の寿命短縮、さらには、整流器及び平
滑コンデンサの故障乃至寿命短縮を効果的に防止できる
こととなる。
【0048】図4は、図3に示す照明装置をユニット化
するとともに、そのユニットの複数を、例えば、調光回
路や切換回路などを設けた照明制御装置により照明制御
する照明システムの例である。
【0049】すなわち、本システムにおいては、図3に
示す平滑手段を有する整流回路、アーク放電電流制限回
路及び突入電流制限回路などからなる照明ユニットの複
数U1、U2 ... Unのそれぞれに適宜定格のこ
の発明による白熱電球XL1、XL2 ... XLn
を取付けるとともに、ユニットU1、U2 ...Un
を、例えば、調光回路や切換回路などを設けた照明制御
装置11を介して交流電源ACに接続するようにしたも
のである。
【0050】照明制御装置11と各ユニットにおける電
源手段と白熱電球は、例えば、照明制御装置11と各電
源手段とを一定の場所に纏めて配置するとともに、各白
熱電球を住宅を含む諸施設の適所に配設するか、或は、
照明制御装置11をこれら施設の一定場所に配置する一
方、電源手段と白熱電球からなるユニットをこれら施設
の適所に取付ければよい。
【0051】図5に示すのは、図3又は図4に示す照明
装置或は照明ユニットの電気回路部分であり、整流用ダ
イオードD1、D2、D3、D4により構成されるブリ
ッジ整流器の交流側には電源スイッチSW、ヒューズF
1、F2及びインダクタンスLを介して交流電源ACが
接続され、また、前記ブリッジ整流器の直流側には平滑
コンデンサC1とともに、抵抗R1、R2、R3、R
4、R5、コンデンサC2及びサイリスタQ1、Q2な
どからなるトリガ回路と電流制限手段としての抵抗R6
により構成される突入電流制限回路を介してこの発明の
白熱電球XLが接続されている。
【0052】前記ブリッジ整流器の交流側に接続されて
いるコンデンサC3及びツェナーダイオードZは、ブリ
ッジ整流器の交流側に発生することあるパルス電圧など
を吸収して電源電圧を安定化するためのものである。ま
た、抵抗R6とヒューズF2とは連動しており、何等か
の原因で抵抗R6の温度が上昇し過ぎるとヒューズF2
が溶断して回路を遮断するようになっている。
【0053】本例の動作について説明すると、電源スイ
ッチSWが閉路すると交流電源ACからブリッジ整流器
に交流電流が流入し、その交流電流はブリッジ整流器に
より全波整流された後、平滑コンデンサC1により平滑
され、平滑コンデンサC1両端の電圧は白熱電球XLと
抵抗R6との直列回路に印加される。
【0054】一方、電源スイッチSWの閉路と同時にト
リガ回路におけるコンデンサC2の充電が始まり、抵抗
R4とコンデンサC2との時定数により決定される一定
時間が経過すると、コンデンサC2の充電電圧がサイリ
スタQ1のゲートに印加され、まず、サイリスタQ1が
導通する。その導通電流はサイリスタQ2のゲートに印
加され、今度はサイリスタQ2が導通する。サイリスタ
Q2が導通すると、その主電路に並列接続されている抵
抗R6が短絡され、白熱電球XLには所定の電圧が印加
されることになる。
【0055】電源スイッチ閉路直後における白熱電球X
Lのフィラメント抵抗は白熱状態の数分の一以下である
ことから、抵抗R6の抵抗値とフィラメントの抵抗値と
の合成抵抗が白熱状態のフィラメントの抵抗値と略等し
くなるように抵抗R6を選択することにより、電源スイ
ッチSWの閉路に際して白熱電球XLの寿命短縮を防止
することができる。その際、前記時定数を、白熱電球X
Lのフィラメントを予熱するに充分な程度に長く設定す
ることにより、白熱電球XLへの突入電流を実質皆無と
することも可能である。
【0056】また、本例におけるトリガ回路においては
二個のサイリスタを縦続接続して使用しているので小電
流でサイリスタQ2を導通させることができ、また、サ
イリスター個のみ使用する場合と比較して周囲温度が大
幅に変わってもトリガ回路を確実に動作させることがで
きるという特微がある。
【0057】白熱電球XLのフィラメントが断線する
と、その断線間隙にアーク放電が発生し、回路には瞬間
的にアーク放電電流が流入するけれども、ブリッジ整流
器の交流側に接続ざれているインダクタLが回路に流入
する大電流に効果的に損失を与えて、アーク放電が持続
するのを防止するとともにアーク放電を消弧する。万
一、アーク放電が再発してもインダクタLで消弧し、フ
ィラメントの断線間隙が増大した後まで点滅を繰返すよ
うなことはない。また、アーク放電が消弧した後に電源
スイッチSWが閉路していても、フィラメントは既に断
線しているのでアーク放電が再発するようなことはな
い。
【0058】本例は斯く構成されているので、白熱電球
XLにその定格を越え定格の約150%を越えない直流
電圧、望ましくは定格の約105乃至130%の直流電
圧を印加して点燈することにより、色温度約2,900
K以上、望ましくは約2,950乃至3,100Kのチ
ラツキ無く演色性に優れた眼に優しい光が長時間に亙っ
て得られる。
【0059】さらに、本例においては白熱電球のフィラ
メントが断線してアーク放電が発生してもアーク放電に
伴う大電流を効果的に制限することができるので、極め
て安全に常用することができる。
【0060】図6は、インバータ回路を使用するこの発
明の別の実施例の電気回路図である。
【0061】図中、D1はブリッジ整流器であり、その
交流側は交流電源ACに接続され、また、その直流側に
は平滑コンデンサC1が接続されている。平滑コンデン
サC1の両端には高周波電流を形成するインバータ回路
12の入力端を接続するとともに、そのインバータ回路
12の出力端には整流用ダイオードD2を介してコンデ
ンサC2による積分回路が接続されている。この発明の
白熱電球XLは、コンデンサC2の両端に接続されてい
る。
【0062】インバータ回路12にはインバータトラン
スTとトランジスタTrとが設けられ、インバータトラ
ンスTの一次巻線L1にはコンデンサC3が並列接続さ
れ、また、その両端は平滑コンデンサC1の正極側とト
ランジスタTrのコレクタに接続されている。インバー
タトランスTにおけるベース巻線L2の一端はコンデン
サC4を介してトランジスタTrのベースに接続され、
また、他の一端は平滑コンデンサC1の負極側に接続さ
れている。トランジスタTrのベースは、抵抗Rを介し
て平滑コンデンサC1の正極側に接続されている。イン
バータトランスTの二次巻線L3はインバータ回路12
の出力端になっており、白熱電球XLに供給される電圧
は、その平均値が交流電源ACにおける電圧の実効値を
越え実効値の約150%を越えない範囲、望ましくは定
格の約105乃至130%の範囲に、また、白熱電球X
Lのフィラメント電流も定格を越え定格の約150%を
越えない範囲、望ましくは定格の約105乃至130%
の範囲になるようにインバータ回路12とコンデンサC
2の時定数を設定している。
【0063】本例の動作について説明すると、電源を投
入すると、交流電源ACよりブリッジ整流器D1に流入
した交流電流はブリッジ整流器D1により全波整流され
た後、平滑コンデンサC1により平滑され、脈流若しく
は直流となってインバータ回路12に供給される。これ
によりインバータ回路12は発振動作を開始し、インバ
ータトランスTの二次巻線L3に高周波が出力される。
この高周波はダイオードD2により半端整流され、さら
にコンデンサC2で積分された後、この発明の白熱電球
XLに供給される。
【0064】本例は斯く構成されているので、この発明
の白熱電球にその定格を越え定格の約150%を越えな
い電圧、望ましくは定格の約105乃至130%の直流
電圧を印加して点燈することにより、色温度約2,90
0K以上、望ましくは約2,950乃至3,100Kの
チラツキの感じられない演色性に優れた眼に優しい自然
な光が長時間に亙って得られる。
【0065】図7に示すのは、この発明の白熱電球にそ
の定格を越える交流電圧を印加して点燈するこの発明の
さらに別の実施例の電気回路図である。
【0066】本例においては、トランスTに、その一次
巻線L1に対して、例えば、100:110、100:
115、100:120、100:125の巻線比の二
次巻線L2、L3、L4、L5を設けるとともに、電源
スイッチSW1とこれら二次巻線を切換えるスイッチS
W2とを連動させることにより、定格電圧100ボルト
の当該白熱電球XLに印加する電圧を110乃至125
ボルトの範囲で適宜選択できるようにしてある。また、
トランスTの二次回路にはサーミスタThが介挿されて
おり、サーミスタThの電気抵抗が温度の上昇につれて
低くなる性質を利用して、電源スイッチSW1閉路の際
の白熱電球XLへの突入電流を制限している。
【0067】本例は斯く構成されているので、白熱電球
にその定格を越え定格の約150%を越えない交流電
圧、望ましくは定格の約105乃至130%の交流電圧
を印加して点燈することにより、色温度約2,900K
以上、望ましくは約2,950乃至3,100Kの若干
チラツキはあるものの演色性に優れた眼に優しい自然な
光が長時間に亙って得られる。
【0068】さらに、本例においては、トランスTも電
源スイッチSW1閉路の際の突入電流を制限するので装
置全体を簡潔に構成することができ、また、トランスT
を照明装置の底部に取付けるときには、照明装置全体を
安定に設置することができる。なお、図7においてはこ
の発明の白熱電球を一個のみ取付けた状態を示したが、
トランスTの許容容量範囲内で複数の白熱電球を同時に
点燈することができることは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】叙上のように、この発明によるときに
は、良好な特性の光が長時間に亙って得られるという特
徴がある。その際、白熱電球にその定格を越え定格の約
150%を越えない電圧を印加して点燈するときには、
色温度約2,900K以上の演色性に優れた眼に優しい
自然な光が極めて長時間に亙って得られる。したがっ
て、この発明の照明装置は各種住宅・宿泊施設、公共施
設、商業・産業施設、運輸施設などの諸施設の照明に有
利に使用することができる。
【0070】さらに、この発明において白熱電球にその
定格を越え定格の約150%を越えない電圧を印加して
点燈することにより得られる光は朝の太陽光に近似した
自然な光であることから、例えば、眼疲労、眼精疲労、
近視、仮性近視、鬱病などの疾病の冶療・予防に著効を
示すとともに、動植物の生育や生産性の向上にも優れた
効果を発揮するものであり、一般家庭や病院、診療所、
療養所などの医療施設における物理療法手段として、さ
らには、養鶏場、養魚場、植物工場などの栽培場におけ
る照明装置としても有用である。
【0071】この発明は斯くも顕著な作用効果を奏する
発明であって、斯界に貢献すること誠に多大な発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による一般照明用白熱電球の一部を切
欠した側面図である。
【図2】この発明による一般照明用小形白熱電球の一部
を切欠した側面図である。
【図3】この発明による実施例のブロック図である。
【図4】この発明による照明ユニットを使用する照明シ
ステムのブロック図である。
【図5】この発明による別の実施例の電気回路図であ
る。
【図6】この発明によるさらに別の実施例の電気回路図
である。
【図7】この発明によるさらに別の実施例の電気回略図
である。
【符合の説明】
1 ガラス管球 2 フィラメント 3 リード線 4 ステム管 5 アイレット 6 口金 7 白熱電球用封入組成物 8 アンカ 9 アーク放電電流制限回路 10 突入電流制限回路 11 照明制御装置 12 インバータ回路 D ダイオード XL 白熱電球 AC 交流電源 SW スイッチ R 抵抗 C コンデンサ T トランス Tr トランジスタ L インダクタ又は巻線 Q サイリスタ Z ツェナーダイオード Th サーミスタ U 照明ユニット F ヒューズ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約30乃至60体積%のキセノンガス
    と、約25乃至65体積%のクリプトンガス及び/又は
    アルゴンガスと、約5乃至15体積%の窒素ガスとを含
    んでなる、定格電圧が100若しくは110ボルトで
    白熱電球用封入組成物。
  2. 【請求項2】 約30乃至60体積%のキセノンガス
    と、約25乃至65体積%のクリプトンガス及び/又は
    アルゴンガスと、約5乃至15体積%の窒素ガスとを含
    んでなる組成物を封入した、定格電圧が100若しくは
    110ボルトである白熱電球。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の白熱電球を光源とする
    照明装置。
  4. 【請求項4】 光源である白熱電球に、100ボルトを
    越え150ボルトを越えない、若しくは110ボルトを
    越え165ボルトを越えない電圧を印加する手段を備え
    ている請求項3に記載の照明装置。
  5. 【請求項5】 直流電圧を印加して点燈する請求項3又
    は4に記載の照明装置。
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